エルメス (ELMETH) とは、機動戦士ガンダムに登場するララァ・スン専用モビルアーマーである。
一年戦争の末期にジオン公国軍のニュータイプ研究機関、フラナガン機関が開発したニュータイプ専用試作型モビルアーマー。ジオン軍はニュータイプ専用機としてシャリア・ブルが操縦するブラウ・ブロを開発していたが、本機体はブラウ・ブロの設計思想をさらに推し進め、完全なニュータイプ専用機を目指して開発された機体である。また、ジオン公国が開発したニュータイプ用MS・MAの遠隔誘導端末のほとんどは有線式であるの対し、本機は無線式を初めて実現させた機体であり、ニュータイプ用兵器として「究極」とも評される。
全長80mを超える大型機だが、機体制御や火器管制の大半をサイコミュシステムを介して行う為、その巨体に反して反応性に優れている。ある程度の被弾は耐えられるように装甲を厚くしたうえに全体を丸みを帯びた形状している。この姿を見たホワイトベース隊のアムロ・レイやミライ・ヤシマは「とんがり帽子」と呼んでいた。機体の後方はメインスラスターが6基という最低限の数だけが設置されており、これはあまりに推進系を多くするとかえって弱点が増えてしまうという考えに基づいている。
コクピット内部は必要最低限の操縦機器が配されている程度であり、そのほとんどはコンソール類である。また、高Gによるパイロットへの負荷を軽減するため、機体前部に配置されたコクピットには高性能の緩衝装置が設けられている。
そして最大の特徴といえるのが、本機が運用するオールレンジ兵装の「ビット」である。ブラウ・ブロやジオングといった同時期に開発されたニュータイプ専用機のオールレンジ兵装が有線式であったのに対して、本機のそれはミノフスキー粒子を用いたミノフスキー通信による無線制御を可能としている。機体後部から射出され、一基のメインバーニアと無数の姿勢制御スラスターによって高い機動性を発揮し、搭載された小型ジェネレーターによってメガ粒子砲をドライブさせる。
また、ビットに搭載されたモノアイには捉えた敵機の映像をサイコミュを介してパイロットに伝達する機能も備わっており、ニュータイプの精神波によって遠隔操作され、予想外の方向からのオールレンジ攻撃は、戦艦すら沈めてしまう。
そのため、相手からすれば「見えない敵」から攻撃されてしまう状況に陥るため、連邦軍から「ソロモンの亡霊」とおそれられる。ちなみに、ララァはエルメスの初陣でマゼラン級戦艦1隻、サラミス級巡洋艦2隻、コロンブス級補給艦1隻を撃沈、マゼラン級1隻の艦橋を破壊し、ジムを1機撃墜するという破格の戦果を挙げている。
一方、本機体はオールレンジ攻撃を主観に置いた設計思想の為、接近戦を想定していない。また、ビット運用の際にパイロットがビットのコントロールに集中する必要があり、その間機体が無防備になってしまうという欠点があり、シャア・アズナブルのゲルググなど護衛機を随伴させる必要があった。さらに長距離でのビットの運用はパイロットへの負担が大きい。
エルメスはグラナダで数機(3機との説がある)の試作機が制作され、1号機がビットの暴走事故によって自爆、ララァ・スンの搭乗する2号機となる。だが、この機体もガンダムとの交戦によってララァと共に爆散している。ガンダムのパイロットであるアムロ・レイのニュータイプ能力がシャアやフラナガンの想定以上だったのが最大の誤算だったといえる。
もっとも本機の設計思想は後のNT専用機に大きな影響を与えており、後にアクシズが開発したキュベレイはエルメスのMS化を目指して開発された後継機種である。
なお、安室奈美恵の2009年12月発売のアルバム『PAST < FUTURE』の収録曲「Defend Love」のミュージック・ビデオには、機体からビットまでピンクに塗装された「安室奈美恵専用エルメス」が登場している。映像ではジオン公国軍の女性兵士に扮した安室奈美恵がこれを駆り、アムロ・レイのガンダムと戦っている。
ガンプラは当初『エルメス』の名称で発売されていたが、ファッションブランドであるエルメスが日本国内において「おもちゃ、人形」を指定商品とした商標を登録していることから、商標権の侵害となるおそれがあり、「ララァ・スン専用モビルアーマー」という名称に変更された。
『SDガンダム BB戦士』シリーズや『SDガンダムGジェネレーション』では「NT専用モビルアーマー」という名称が使われている。
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掲示板
31 ななしのよっしん
2025/06/25(水) 22:04:07 ID: GrNZiPqn9w
32 ななしのよっしん
2025/06/28(土) 20:23:03 ID: gv+FeZvQg7
>>31
記事中でも掲示板でも言われてるけどあくまでおもちゃに関する商標の問題だからアニメ作中で触れるだけならセーフ
33 ななしのよっしん
2025/09/17(水) 13:57:33 ID: yrldg8IsRH
例えば漫画や小説で登場する分には何も問題なくとも、アニメ化の際にウェブサイトや雑誌でキャラ紹介されたりすると
商標の「広告的使用」の要件を満たせば侵害になる場合もありえる
アニメ化で急に変更されるのはそういう理由のこともあるが、それがネットでは、この語は一切使えないだの大人の事情で使えなくなっただの出鱈目が言いふらされてるのが常
商標の要件を何も満たさなくても、片方が非常に著名で混同の可能性があると不正競争にあたる場合もある
名称とかの標章については、互いの著名度や使用態様とかによって全然違うので
「この使い方なら安全だ」「別のこの件では安全だったからこっちも安全だ」みたいな判断はものすごく危険
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最終更新:2025/12/06(土) 03:00
最終更新:2025/12/06(土) 03:00
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