トラック運転手とは、以下のようなもののことである。
この記事では主に1について述べ、2についても簡単に説明する。
概要
トラックを運転する人を意味することで、特に職業運転手のことをこう呼ぶ。トラック運転手が従事する産業は幅広く、最も多いであろう運送業の他にも、土木・建設、農林水産業、食品、製造業、公共など様々な産業でトラック運転手と呼ばれる人がいる。これはトラックが多種多様な事業で使われていることによる。
運転手の雇用・業務形態は大きく分けて二つ。一つは被雇用者として、会社が保有するトラックを運転する場合。もう一つは業務請負の自営業者として、自身が保有するトラックを運転する場合。日本では前者が一般的であるが、後者もいくらかは存在し「持ち込み」と呼ばれる。自分のトラックを会社に持ち込むという意味である。世界的に見ると被雇用者のみならず、日本の持ち込みに相当する個人事業主は多い。
トラック運転手の資格
通常はどの国・地域においても、自動車を運転するには運転免許が必須となっている。また自動車は、その重量や大きさによって運転の仕方が大きく変わるため、運転免許は複数の区分に分かれているのが一般的である。よってトラック運転手は、自身が業務で運転しようとする自動車の免許を取得していなければならない。
また貨物の種類や業務形態によっては、運転免許以外の資格も必要になる。例えば石油類やガスなど危険物を輸送しようとする場合には、運転免許の他に危険物関連のの資格が必要になる。日本の危険物取扱者、ヨーロッパのADR(危険物輸送資格)、アメリカのHAZMATがそれにあたる。荷役(荷物の積み降ろし)に際してフォークリフト、クレーン、その他荷役用の機械の操作・運転が必要な場合も、それぞれの資格が必要となる。
日本
日本の自動車運転免許を規定しているのは道路交通法と、同法の下位法令である道路交通法施行令と道路交通法施行規則。トラックの運転に関わるものは、主として以下の免許である。
- 普通自動車免許 (総重量、積載量、定員などが他のどれにも該当しないもの)
- 中型自動車免許 (車両総重量5t以上11t未満、最大積載量3t以上6t未満、定員11人以上30人未満)
- 大型自動車免許 (車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、定員30人以上)
- 牽引免許 (車両総重量750kg超の重被牽引車)
これらのうち、運転しようとする自動車の免許又はその上位免許が必要となっている。牽引免許に関しては、トレーラー(被牽引車)の総重量が750kg超の場合に必要で、それを牽引するトラクター(牽引車)として使われる自動車の免許も必要となっている。但し、運送業界など業務用のトレーラーは総重量が10t以上の物が多く、またトラクターも大型自動車が一般的であるので、職業トラック運転手として牽引自動車に乗務する者は大型自動車と牽引免許が事実上必須となっている。
被雇用者となる場合は免許確認は当然のことだが、過去数年間の運転記録証明の提出が求められることがある。
ヨーロッパ
ヨーロッパは国によって制度が別れているが、大まかには共通性がある。まず運転免許の区分がバイク(A)、普通自動車(B)、貨物車(C)、バス(D)、重被牽引車(E)の4区分に分かれており、さらに各区分が細分化されている。このうち、トラック運転手が主に関係するのはB区分とC区分である[1][2]。
- B (総重量3.5t未満、定員8人以下)
- BE (B+総重量750kg超3.5t未満の重被牽引車)
- C1 (総重量3.5t以上7t以下、定員8人以下)
- C1E (C1+重被牽引車、但し連結総重量は12t以下)
- C (総重量3.5t以上、定員8人以下)
- CE (C+重被牽引車)
- 牽引免許は一種類ではなく、牽引車の区分ごとに牽引免許が設定されている
- 日本の大型免許に相当するのはCであり、総重量3.5t以上とだけ定められていて上限が設定されていない。
- 中型免許に該当するのはC1で、総重量7t以下、連結総重量12以下という上限が設けられている。
- バスの区分が異なる。日本は旅客運送事業の二種と、それ以外の一種に分かれているが、定員に関しては普通~大型の各区分だけで分かれている。ヨーロッパは定員8人超の自動車はD区分となり、C区分とも分離されているが、運送事業の種類では分かれていない。
アメリカ
アメリカは州毎に免許制度があり、連邦統一の物はない。ただ大まかな傾向として、以下のように免許区分が分かれている。
賃金や報酬を得る職業運転手として働く場合には、運送事業か自社運送か、また貨物運送事業か旅客運送事業かに関わらず職業運転免許が必要である。
一例としてニューヨーク州の免許区分のうち、職業トラック運転手に関わるものを例示しよう[3]。
- 職業A級 (法令で認められている上限までの、連結車(トレーラ、連節バス)を含む自動車)
- 職業B級 (車両総重量26000lbs(約11.8t)超の、連結車・連節バスを除く自動車)
- 職業C級 (車両総重量26000lbs以下の、連結車・連節バスを除く自動車)
日本の免許区分と照らし合わせると、職業A級は大型自動車と牽引、職業B級は大型自動車、職業C級は中型自動車に近い。
尚、アメリカで危険物を輸送する場合には各州の危険物取扱資格(HAZMAT)を取得しなければならないが、HAZMATはアメリカ市民(国民)又は在留資格が取得条件となっている。よって在留資格の無い外国人がHAZMATを取得することはできない[4]。
給与・報酬
給与と報酬は幾つかの種類があり、雇用・業務形態、或いは個々の企業によって異なる。
被雇用者として働く場合には1又は2の形で給与を受け取る場合が多い。持ち込みなど、個人事業主として仕事を引き受ける場合は3が一般的。これは日本のみならず、世界的に見てもこの三種類に集約できる。
但し3に関しては、例えそれが個人事業主であったとしても問題視されることがある(次項で記述)。
トラック運転手が抱える問題
各国の運転手、特に先進国においては、共通した問題がままみられる。これらの問題は個々に独立した問題ではなく、相互に干渉しあって状況を悪化させるもの。各国・各地域で様々な対策が行われているが、未だに解決には至っていない。
背景と経緯
トラック運送が発達して行く段階において、多くの国では少なからず、運転手たちはゴールドラッシュ時代の山師のように産業へと飛び込んで行った。稼ぐには運ぶ数や距離をこなさないといけない、リスクはある、だが働けば一攫千金も夢ではない。そういう世界であった。
ここで一つの証言を引用しよう。証言者はイギリス人のベテラン運転手であるレイチェル・ウェッブである[5]。
私はほとんどどの運転手も組合に入っていないような世界で生き抜かなければなりませんでした。私が破産することになったのは、国際運輸の仕事についているほとんどの男たちのように睡眠なしにやっていくことができなかったからだと思っています。
彼らの多くはタコグラフの遮断スィッチを使って、運転中でもあたかも休憩をとったかのように見せかけることができます。減速制限装置のヒューズを引っこ抜き、チェリー-赤い税金のかからないディーゼル油-を使い、課税されているディーゼル油の3分の1の値段で走っていました。ほとんどのトラックは1リットル当たりおよそ3キロ走り、1日の走行距離の制限は法的には800キロだったけれどみんなもっと走っていました。
例えば北イングランドから南イタリアのタラントへ行ったときには、荷物を降ろし、積み込みそして戻ってくるというのが典型的なやり方で、寝るのは積荷の積み降ろしのときだけでした。すべての会社がこのようにやっているわけではないけれど、一人のオーナードライバーとしてエージェントが指定した時間に貨物を届けることができなければ、もう仕事を得ることはできなくなる。スペインとかどこかであなたのトラックの代金(およそ新品で14万米ドル)やトレーラー代金(およそ基本的なセミ・トレーラーで3万4千米ドル)をどうやって稼いで払い戻すかを考えなければならなくなるのです。
彼女がかつて見てきた、ヨーロッパの運転手たちの姿である。タコグラフを止めれば、実際の運転時間を誤魔化すことができる。スピードリミッターは解除し、速度超過でトラックを走らせる。使う燃料はレッドディーゼル。建機や農機、発電用エンジンなどでの使用を目的とし、赤い着色が施された免税軽油である。これをトラックに使用すれば脱税であり違法だ。1日の走行距離制限など有名無実化していた。
彼女の証言で述べられているトラック運転手の行為は、決してヨーロッパに限ったものではない。多くの国で同様のことが行われていた。そうしなければ稼げない、彼らは個人事業主だからだ。だが被雇用運転手であったとしても、一部の大手を除けば似たり寄ったりの状況はあったのではないだろうか。トラック運送業は運輸産業の中では、参入が比較的容易な方だ。それ故に小規模事業者が多く、彼らと大手との様々な格差―情報、価格決定力、産業全体への影響力―は段違いであり、それが一層の状況悪化を招き易い。
今日のトラック運転手は、最早そこまで稼げる仕事でもない。むしろ時給で見ると安いかも知れない。労働規制は厳しくなっているが、所得も含めた労働条件は悪化している。それでいて運転免許を取得するのに、日本円で数十万円の費用がかかることもある。
だが現代のトラックは公道を自分で走れる、それを社会的に認めるほどには、進化していない。
労働条件の悪化
運賃の低下を背景とする、トラック運転手の給与や報酬の低下は、特に先進国においては概ね共通した問題となっている。
日本では2000年以降のデフレ期にあって失業者が増え、雇用の受け皿になりやすい職業運転手になる者が増えた(タクシー・バス含む)。また貨物運送事業者は1990年代の規制緩和もあり、デフレ期にはむしろ増大している。行き場を失った労働者などが運送業に集まった結果だが、デフレにより物価の下落が続いていたため、過当競争に陥り運賃や給与の低下が続いた。その皺寄せは零細事業者と運転手に集中したと言える。それによって生活の行き詰まりのみならず、安全上の問題を引き起こしている。多少でも運賃や賃金を得るために無理な運行を重ね、過労運転となり易いからだ。
トラックを使用しているのは運送業だけではない。建設業でも多数のトラックが使われているが、このうちミキサー車やダンプカーは個人営業のものもある。といっても運送業として開業しているわけではなく、建設業として個人で事業を開設し、建設作業の下請けとして生コンや土砂を運ぶと言うもの。彼らの報酬は運んだ生コンや土砂の量に応じて支払われる。デフレ期に建設需要が減る中、財政健全化が進められ公共事業が減ったことで生コンや土砂の需要が減り、彼らの所得はさらに厳しいものとなった。
運送業の個人事業主が多い欧米豪でも、類似の問題が発生している。彼らは個人事業主とは言え実質的には労働者に近く、自分で好きに仕事の計画を立てられるわけではない。また、自主的な営業活動で顧客を探したり変えられるかといえば、市場ではそこまで自由な立場ではない。各国では大手物流会社が下請け価格の相場を決めうる立場にあり、運送市場においては圧倒的に強い立場にある。それでいて運転手は個人事業主という法的身分であるから、労働者としての権利が保護されるわけではない。結果として経済的困難に陥るだけでなく、無理な運行による事故や過労死の危機が潜む。彼らは零細事業者とトラック運転手、両方の苦労を背負っている[6]。例え被雇用運転手であったとしても安泰と言うわけではない。欧州ではECやシェンゲン協定の積み重ねでEUが成立し、開かれた国境が領域を拡大して行った。その結果として労働力のダンピングを促すに居たり、運転手は所得を確保するのに苦労を強いられることになった[7]。
個人事業主の多くは完全歩合給制であり、途中で渋滞にはまったとしても、走った距離や運んだ貨物量の歩合しか受け取れない。トラックのローンと維持費を抱えながら、一日に受け取れる報酬が100~200米ドルしかない者もいる[8]。オーストラリアでは、無収入の期間が年に1週間以上ある場合もあるという。
荷主と法令の板挟み
昨今は世界的に見て、ジャストインタイム配送を要求する荷主が増えている。これは指定時間丁度の配送が求められているということ。そうすることで在庫を増やすこと無く、また在庫を切らすこと無く、商品や部品を適度に手元においておくことができる。
問題は発送元と配送先を繋ぐトラックが、必ずしも順調に走れるわけではないということ。渋滞、事故、悪天候など、トラックが思うように走れない状況は多い。荷主側の都合で待たされることも珍しくない。結果として時間に間に合わない、間に合わすためにはどこかで無理をするしかない、というジレンマに陥る。その一方でトラック運転手には様々な制約がある。制限速度、大型車の通行制限、休憩時間。それらはいずれも安全を守るための物であり、本来はトラック運転手を擁護する為の物でもある。しかしジャストインタイムを求められた時、彼らを守るための法令は、しばしば彼らに矛盾を突きつけることになる。その状況自体が異常であるといえるだろう。
もし彼らがジャストインタイムを守れなかったらどうなるか?。多額の損害遅延金を求められるか、契約解除が待っている。個人事業主が苦境に立つのは言わずもがなだが、被雇用運転手であったとしても、勤務先が小規模或いは零細の事業者なら同じことであろう。
荷役と待ち時間
荷物は自分で乗り物に載ったり降りたりはしない。人の手で積み降ろしをしなければならない。これが荷役である。荷役は全ての貨物輸送機関にとって、欠くことのできない作業となっている。
トラック運転手が訪れた配送元や配送先の気が利いているなら、あるいは全体のことを考えて合理的にコストをかけているなら、運転手は荷役で悩むことは少ない。作業員が予め商品を梱包しておき、それをフォークリフトで荷台に積み込んでくれる。例え積み込みを運転手がやるとしても、フォークリフトで一気に積めるなら苦労は少ない。だが全ての配送元・配送先がそうかといえば、残念ながらそうではない。運転手はしばしば、自分の体を使って荷役をしなければならない。フォークリフトが使えたとしても、梱包段階から運転手がやらなければならない、そんな場合も多い。この梱包にかかる数時間は、運転手の体力のみならず、走行にかけられる時間も削り取る。これでジャストインタイムを求められたらどうなるかは、運送業に携わらない人にとっても容易に想像できるだろう。
様々な待ち時間も問題だ。運転手は配送元あるいは配送先に到着してから、少なくない待ち時間を強いられる。海上コンテナが集まるコンテナヤードでは、出入り口で渋滞が発生していることが珍しくない。出入りするトラックを検査する為、どうしても時間がかかってしまう。検査自体は犯罪防止の為に欠くことのできないものだが、ともかくこういった待ち時間がさらに走行時間を削ってしまう。コンテナ輸送の運転手にとって幸いなのは、自分で荷役をすることがまず無い、ということだろうか。
この点で言えばアメリカは、日欧より合理的な慣習がある。プリロード(事前積載)という慣習だ。配送元はトレーラに貨物を積載しておき、トラックの到着を待つ。運転手はトラクタで配送元を訪れ、トレーラを連結し、そのまま配送先へ向かう。配送先に到着したら逆のことをするだけ。この場合において運転手最大の肉体労働は、トレーラのランディングギア(スタンド)を上げ下げすることである。
事故の危険
自動車は常に危険な乗り物の最上位に入る。日常的に起きる自動車事故で、多数の人命が失われていることからもそれが分かる。例え注意深く運転していてもミスは起こすし、時に他人のミスの巻き添えになる。これは高速の群集が行き交う道路というものの特徴になっている。
道路を仕事場とするトラック運転手にとっての事故とは、決して引っ越すことがない厄介な隣人のようなもの。そこへこれまで述べてきたような悪条件が重なり、さらに事故の危険性が高まりかねない。しかもトラックだけの道路(公道)というのはないのだから、結局は乗用車もバスも巻き添えになっていると言うことだ。
高齢化と人手不足
各国のこれらの問題は、少なからず報道などで指摘され、人々の知るところとなっている。これは問題提起ために決して欠くことのできないもの。結果、これは全く当たり前のことであるが、若者にとってはハイリスク・ローリターンの職業として認知されるに至った。そんな産業に好んで入るものは多くは無い、根っからのカーガイは別にして。
そうしてトラック運転手の平均年齢は上がり、産業を担う次世代は先細りになっている。ロボット化したトラックが自律的に輸送を行うには、まだまだ時間が必要であろう。その間のトラック輸送は誰が担うのだろうか?毎日大量の物資が消費されているというのに。
「貨物列車や船を使えば良い」そう考えた人は、半分は正しく半分は間違いだ。確かに貨物列車や船は、トラックよりもはるかに沢山の貨物を積むことが可能で、長距離輸送に適した輸送機関である。エネルギー効率も良い。だが考えてみてほしい。あなたの家から、あなたの職場から、最も近い貨物駅や港はどこだろうか。駅や港と最終的な配送先との間を、一体どうやって貨物を運べば良いのだろう。
トラック運転手と大衆文化
トラック運転手という職業は、時に大衆文化の題材として用いられる。トラック運転手を題材とした作品は、トラック運転手向けの作品もあれが、より広く大衆向けに作られたものもある。
先ほどイギリス人運転手のレイチェル・ウェッブの証言を紹介したが、同じインタビューの中で彼女はこう話している。
私にとっては、40トントラックを運転して450馬力の音を足元に聞きながらピレネー山脈越えをすることはまさに天国。裸足になってドライブしたものだったけれどこれはちょっとした快感でした。もうこの年では、同じことは二度とできないと思うと本当に悲しい。もちろんスペインの海岸へは25ポンドも払えばフライトでわけなく行けるけれどトラックを運転して行くのとは違います。
ウェッブが語るトラック運転手の世界は、世界各地でまま見られるもの。故に大衆文化の題材となりうるのである。
音楽
アメリカのカントリー音楽では、トラックとトラック運転手が題材としてよく用いられる。今日でも歌い続けられているC.W.マッコールの『コンボイ』は有名なものの一つだが、他にも多数の楽曲がある。イギリスの植民地時代から西部開拓時代を経て発展して来たカントリーは、アメリカの農村部とは親和性が高い。そして東のアパラチア山脈から西のロッキー山脈まで、北のミシガン湖から南西のソルトン湖まで、アメリカ大陸を縦横無尽に走るトラック運転手たちの野趣な世界とも合致している。デトロイトディーゼルやカミンズが奏でる直6ターボサウンドは、カントリーにとっては欠かせないバックバンドの一つであろう。
アメリカで発展したカントリー音楽は、源流の一つであるケルト音楽の発祥の地のアイルランドやイギリスにも伝わった。特にアイルランドのそれはアイリッシュカントリーとして一文化を築き、今日でも親しまれている。トラックを題材としたものも多くあり、ボックスカー・ブライアン(Boxcar Brian:有蓋車のブライアン)、ジョー・ムーアらなど様々な歌手が、トラック及びトラック運転手を題材にした楽曲を発表している。
またアイリッシュカントリーの世界ではスカニアとそのトラック、グリフィンで飾られたV8エンジンは、曲の題材や世界を彩るものとしてよく使われている。若いアイリッシュカントリー歌手でもその傾向はあり、例えばマーティ・モネの『Slip the Cluth』のPVでは全編に渡ってスカニアのトラックが登場している[9]。アイリッシュカントリーとスカニアは、切っても切れない関係のようだ。
日本では特定のジャンルでトラックが多く扱われているわけではない。ただトラックやトラック運転手を題材とした作品は幾つか存在する。後述する映画『トラック野郎』の主題歌『一番星ブルース』は、主役の菅原文太と愛川欽也が歌ったもの。また同作の挿入歌として、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『トラック・ドライヴィング・ブギ』というロックの曲が作られた。中島みゆきが1994年に発表したアルバム『Love or Nothing』に収録されている『流星』は、地方回りの歌手とトラック運転手との一期一会を歌ったものである。
中でも人気があるのは、いすゞ自動車がCM用に制作した『いすゞのトラック』であろう。曲としての良さがある上に、無料ダウンロード配布で入手し易いこともあり、ニコ厨をはじめ様々な層の人々に親しまれている曲である。
映像
日本では菅原文太主演の『トラック野郎』シリーズが有名である。満艦飾のデコトラが全国を旅する同作は人気となり全10作品が作られた。
アメリカでは、C.W.マッコールの楽曲を映像化した『コンボイ』、バート・レイノルズ主演の『トランザム7000』(原題:Smokey and Bandit)などが有名な作品として挙げられる。
放送
トラック運転手は一日の大半をトラックの中で過ごす。車内で聞く音楽は彼らの友。よってトラック運転手向けのラジオ放送やラジオ番組が世に出てくるのも、半ば必然のことと言えるだろう。
アメリカでは『Trucker Raio』という、カントリー音楽を中心とした2時間番組がある[10]。トラッカーラジオを放送しているのは全米各地のカントリー専門局。カントリー専門局の主な聴取者にトラック運転手がいることから、局自体がトラック運転手の文化と関係があるとも言える。
日本では、かつてTBSラジオで『いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜』という2時間の深夜番組が放送されていた。いすゞ自動車の一社提供番組で、深夜に働くトラック運転手を主な聴取者層としていた。
コンピュータゲーム
トラックゲーム、トラックシミュレーターシリーズの項目も参照
普及して40年近い月日が流れたコンピュータゲーム。トラック運転手或いはトラックというものは、ゲームの題材としてもしばしば用いられる。
初期のゲームは画像や音声、システムなど、今日と比べれば取り扱えるデータの制約は多かった。それでも『頑張れトラックボーイ ペイロード』のように、トラック運転手の仕事を可能な限りシミュレートしたものも存在した。
今日ではゲームデータを格納するメディアの大容量化、処理の飛躍的な高速化により、従来より遥かに美麗なグラフィックスで、遥かに複雑な処理を行っている。代表的なものはSCS SoftwareのEuro Truck Simulator 2とAmerican Truck Simulator。2001年より開発が続けられているトラックシミュレーターシリーズの作品で、世界中に愛好家がいる。
2について (な〜じゃの職業)
- イケメン人気生主那亜邪が顔出し配信を行った際にその容姿からトラック運転手のようだと言われ当初は否定していたが、その後本職であることを認めた。ネットビジネスで生計を立てたいとの本人の希望から現在は徐々に運転手の仕事は減らし、ゲーム実況のほかボカロP、絵師、ユーチューバーとしての活動を考えているとのこと。2014年11月現在、転職は上手く行ってないようで、動画配信中にPS3が故障した際にiPhoneを売らねばならないと泣きながら語った。
関連項目
- 職業の一覧
- トラック / トラクター / トレーラー(被けん引車) / 自動車の連結装置
- トラック野郎 / コンボイ
- トラックゲーム / トラックシミュレーターシリーズ / Euro Truck Simulator 2 / American Truck Simulator
脚注
- *Road safety:driving licences (EUR-Lex)
- *Driving licence categories (GOV.UK)
- *New York State driver license classes
- *Get a hazardous materials (HazMat) endorsement (ニューヨーク州自動車庁)
- *■勤労生活 トランスポートインターナショナル 2007年第26号
- *トラック業界の組織組合と労働者の課題 オーストラリア運輸労組(TWU)のアプロー チ
- *■国際ドライバーのための国際的な組合加盟
- *■勤労生活 マースク闘争
- *Marty Mone - SLIP THE CLUTCH (Official Music Video)
- *Trucker Radio
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