AK-47とは、旧ソ連軍にて開発された歩兵用アサルトライフルである。
正式名称は「Avtomat Kalashnikova-47(アブトマット カラシニコバ-47)」。
ハイフン(-)を抜いて「AK47」と表記されることもある。
旧ソ連時代にミハイル・カラシニコフが中心となって開発したもので、旧ソ連・ワルシャワ条約機構加盟国を中心に軍用制式ライフルとして採用されていた。
戦後すぐに作られた古い銃であるにも関わらず、現在も名銃として親しまれる。
…と4点揃った優秀なアサルトライフル。
命中精度を除けば他国の軍用小銃には(現在においても)容易に真似できるものではない。
旧ソビエト時代の同盟国への軍事援助や第三国への横流し(という名目の支援)で東側の国々に広がり、そこから各国でのコピー・ライセンス生産が行われ、そうしたコピーモデルが更に複数の国に流れ、さらなるコピーの製造を招く……という流れをたどっていった。結果、安いものは東京マルイのエアガン並みの価格で入手できるようになり、民兵、ゲリラ、犯罪組織等にはおなじみの品である。
粗雑なコピー生産品なども含めれば、全世界に5億挺以上あるとか言う話もある。また、数々の実績が評価されたこともあって、アメリカ合衆国を始め、西側のガンマニアにも人気。民生カスタムパーツ市場はAR-15系列に匹敵する規模になっている。まさに、世界で一番使われているアサルトライフルと言えるだろう。
後継として改良型のAKMや、より小口径の弾薬を使用するAK-74シリーズ等がロシア軍などで制式採用されているが、第三世界では未だに主力小銃としている所も多い。
途上国においては警察などの治安維持組織で用いられる場合もあるが
狭い室内で用いるには長く重く反動がでかいなど少々扱いづらいため、若干例外的な部分はある。
スペック | |
---|---|
使用弾 | 7.62mm x 39弾 |
発射速度 | 約600発 / 分 |
重量 | マガジン付 約4.3kg (マガジン無しの場合は約3.8kg) |
作動方式はガスピストン式(ロングストローク)・ロータリーボルト。
弾薬は、低温でも信頼性の高い雷管を使用する。しかし腐食性が強いため、薬室・銃身へのクロームめっきは必須。第三世界で生産された銃身には施されていないことが多く、耐久性低下の原因になっている。
薬莢は省資源化のため軟鉄で作られている。[1]薬室への張り付き防止のためきついテーパーが付けられており、特徴的なバナナマガジンの原因になっている。ちなみに、腐食対策のためにラッカー等で周りを塗装しているが、一部の物は黄銅色に色付けされており、一見すると真ちゅう製と誤解される。
また、部品の校正誤差の許容値をあえて広く取り、更に部品同士のクリアランス自体にも余裕を持たせる事で、生産拠点の違いや、有事の際の生産能力低下による品質のばらつきを抑え、安定した共有を可能としている。
野外で分解する時に部品を無くしたり、簡単に故障したりしないよう、部品は可能な限り大型化、ユニット化されている。
部品点数も少なく、シンプルな構造となったおかげで小学生でも扱える……扱えてしまう。元々は学のない(それこそ文字すら読めない)農村の貧民出身の兵隊たちに配慮した設計だが、使用言語自体が異なる途上国の人々でも扱える結果になった。地域紛争では少年兵の即戦力化を後押しすることにもなっている。
とにかく頑丈。どんな環境・整備不足でも動作するリアルチート。
砂塵だらけの砂漠から熱帯雨林のジャングル、極寒の雪山でも平然と動作する。
これは先述した部品間のクリアランスの余裕のおかげである。悪く言えばスッカスカの隙間だらけのAK-47だが、この隙間のおかげで砂や水が早く抜け、温度差による金属の膨張収縮にも対応できるのだ。
また、どんな環境下でも確実に動作させるためにガスピストンに必要以上のガスを送り込んで強い力で動かしているのでちょっとくらいの汚れは無視できる。射撃後の分解清掃をサボっても問題なく動く。M16を始めとする他の銃でこんな事をすればあっという間に作動不良である。
中東の砂漠に埋もれたり、ベトナムの水田に浸かったりしても問題なし。ジープに踏まれてもへっちゃらさ! 紛争地帯などでは使い古されたサビサビのAKでも元気に弾を吐き出していたりする。
ただし。だからと言ってまるっきりメンテナンス・フリーの超人兵器と言うわけではないので誤解無きよう。整備をさぼればさぼるほど動作性は悪くなり、銃身内部が汚れれば集弾性能も加速度的に悪化していき、「銃器」から「弾を吐き出す鈍器」に成り下がる。100%の性能を発揮するには相応の扱いをしてやらねばならないのだ。
また、排莢口の防塵カバーを兼ねているセイフティ/セレクターレバーを発砲状態にすると、排莢口が全くの無防備になる隠れた弱点がある。砂や水が入っても揺すって抜けばいいが、粘度の高い泥が機関部に入れば万事休すで、分解整備しないとまともに撃てなくなる。といっても構造が超単純なので「カバー外す→スプリングとボルト外す→水筒の水で流す→組み立てる」だけで2分とかからず元通りになるけど……。
もちろん正規軍や特殊部隊においては
AK-47だろうがM16だろうが関係なく、ちゃんと分解整備するよう指導される。
いくら安くても税金で買った銃のため、銃を長く安定して使用するためといった面もある。
使用する弾薬(7.62x39mm)
弾頭重量は、西側の7.62mmNATO弾と遜色ない弾頭重量と初速があるため破壊力がある。後述の命中精度で評価を差し引かれがちだが、命中した際のストッピングパワーは充分である。また破壊力があるため、M16の5.56mm以上に壁面や鉄板なども余裕で貫通してくるのは脅威。
弾頭重量 | 銃口初速 | 使用銃器 | |
7.62x39mm弾 | 8.0g | 720m/秒 | AK-47 |
7.62x51mmNATO弾 | 10.0g | 833m/秒 | 狙撃銃・機関銃など |
5.56x45mmNATO弾 | 4.0g | 940m/秒 | M16・突撃銃など |
7.62x54mmR弾 | 11.0g | 800m/秒 | (ソビエトロシア側) 機関銃/狙撃銃など |
5.45x39mm弾 | 3.2g | 915m/秒 | AK-74 (後継/小口径弾) |
※弾種によって微妙に弾頭重量・銃口初速は変化する。(特に後者は銃によっても変化する)
パーツの精度問題から集弾率はあまり高くない。弾も大きいし、ガスピストンに必要以上のガスを送り込んでるので反動も強い。更に照準器も簡易なタンジェントサイトなのでそもそも精密狙撃には向かない。
AKシリーズにおいては全体的に、照準を覗くと拳銃のような凹凸型の照準が前方に見える、旧式ライフルのようなタイプを使用している場合が多い。逆を言えば照準が単純で途上国や一般人が相手でも説明・理解しやすい。
…とはいえ、素人でも少し訓練すれば50~100m程度の人間に命中させる事は簡単だし、本人のセンスや訓練次第では200m程度までなら(人間大のサイズであれば)狙撃できる。何気に弾頭重量があるため横風にも強い。現実的な交戦距離においては、命中率は他の軍用突撃銃と遜色ないといってよいだろう。
ソビエトロシアらしく数を揃えて使う=大勢で攻め込むといった用途が主であり、もとから精密狙撃に使うようなものでは無い点も付け加えておく。[2]いくら命中精度が高くても市街地や室内、ジャングルなど見通しの利かない状況下では精度は活かせない点も考慮したい。
あと、ソ連やライセンス生産国の手を離れた、第三国で野放図に作られた低質な劣化コピー製品が氾濫しまくったため、その印象が悪目立ちしている点も留意されたし。
ベース、基本形。製造時期により工程がかわり、1型~3型まである。
スイングして折りたためるストックのバージョンのものはAKS-47と呼ばれる。
1959年に旧ソ連軍に採用された改良版。折り畳みストックのものはAKMSとなる。
銃口のハス切り加工によるマズルブレーキ作用、銃身の延長による反動の減少、直銃床化によるフルオート連射制御の改善と、命中精度に関わるいろいろな点が改善された。生産工程もプレス加工が多用され、生産性がアップしている。
※AK47との簡単な見分け方としては、横から見てストックがやや真横向きで銃口が斜め。
1974年に旧ソ連軍が制式採用した後継騎手。
西側、というかアメリカのM16に対抗するため開発された5.45mm弾を使用する。AK-47とは弾薬が異なるため、識別のためにストックに窪みがつけられている。
銃床を折りたためるようにしたAK-74。金属フレーム状のスケルトンストックに換装されている。
AKS-47とは異なり、左側面に折りたたむ。
AKS-74をベースにガスシステムも含めて銃身を短縮し、サブマシンガンの代替としての使用も前提に開発されたショートカービン。クリンコフというあだ名で知られるがその由来はいまいち不明。
オサマ・ビン・ラディン愛用の銃としても知られる。
AK-74の近代化改修モデル。Mは「Модернизированный=近代化」の略。木製外装が樹脂パーツに置き換えられ、銃床はAKSのスケルトン仕様ではなく、元の形状のまま横に折りたためるようになっている。
AK-100系列はAK-74Mをベースにした輸出用シリーズで、101から108までの使用弾/銃身長違いのバリエーションが存在している。107と108は74Mと同様の5.45mm仕様だが独特の速射と反動減退の機能を備え、3点バーストが追加されるなどより近代的な造りとなっている。
2010年に試作品が作られ、その後改修が施されたうえで発表された5代目AK。AK-74Mを更に軽量化し、ピカティニー・レールの導入などが行われている。
財政事情の関係でテスト中止の憂き目にあっていたが、2014年末にロシア軍内での試験運用が本格的に開始し、ロシア軍での次期制式採用候補として対抗馬の「A545」とのトライアルが行われた。2019年には晴れて正式採用が決定。
だが実戦配備後、現場からは続々と細部の問題点が報告されており、さらなる改良が待たれる状態となっている。
※名称の最後に「N」のついたバージョンはマウントを介して暗視装置(NightVision)やスコープ類を搭載可能。(AKMN、AK-74MNなど)
第二次世界大戦以降のロシアの銃器はだいたいAKの機構を踏襲している。
特殊部隊向けに開発された消音狙撃銃、基本構造はAKS-74Uのものを踏襲している。「消音に有利な亜音速弾ながら高い貫通力と命中精度と殺傷能力を得る」というやたら無茶な要望に対応するべく開発された9mm×39 SP-5、SP-6、及びPAB-9と呼ばれる特殊な弾薬を用い、銃そのものに大型のサプレッサーを備え付けることで高い隠密性を実現している。
イスラエルのIMI社がAK-47をベースに開発したアサルトライフル。兵士がやたらとこいつにビンをぶつけて栓抜き代わりにしてぶっ壊しやがるので、支給品に栓抜きを入れたけどわざわざ銃にも栓抜きをつけたという逸話で有名。
詳細はガリルの記事を参照。
イズマッシュ社が開発した、ボックスマガジンタイプのセミオート式ショットガン。12ゲージのショットシェルを使うため部品の互換性等は無いが、機構そのものはAK-47を踏襲している。どうでもいいが、銃の名前としては世界一かっこいいと思う。
マカロフ弾を使用するサブマシンガンではあるが、機構はAKそのものでありAK-74Mと一部部品が互換する。64発の弾を収められる「スパイラルマガジン」が特徴。
ウクライナで開発されたブルパップ式のアサルトライフル。Groza同様AK-74をベースにブルパップ化している。2010年にウクライナ軍に制式採用されることアナウンスされていたが、政権のごたごたやクリミア危機の影響で配備は進まなかったようで、2022年時点でも大部分の部隊はAK-74Mを使用している。
7.62×54R弾を使うマークスマンライフル(→狙撃銃)。AK-47系とは別の銃であるが、設計思想や開発時期に共通点があったりガスシステム周りの見た目が似ているため、派生の銃として混同されることが非常に多い。構造的に同じなのは発射ガスでボルトに繋がったピストン叩いている所ぐらいなもんである。
「アバカン」という名前でも知られる、イズマッシュ社が開発したアサルトライフル。超高速の2点バースト機能が特徴。これが元で信頼性の悪化も招き、制式採用されるも特殊部隊向けに少数配備されただけに終わった。
機関部周辺の見た目が似ているのでこれまたAK47派生と間違えられるが、別の銃である。
AK-47の構造を元にロシア・コブロフ社が設計したアサルトライフル。内部に搭載した重りが反動を打消す構造をしており、これによりAKとアバカンと比較して単純構造でありながら反動の軽減とレートの向上の両立を図っている。AK-74Mとのトライアルには敗れたものの2014年に改良型であるA545を発表、AK-12を相手に次期主力小銃に向けたトライアルを受けたのち、限定的に配備されている模様。
チェコスロバキアで開発されたアサルトライフル。やっぱりAK-47と見た目がかなり似ており、弾薬も同じ7.62x39mm弾を使用する為、AKのライセンス品と誤解される場合もあるが、やっぱり構造自体が異なる別の銃である。
ルーマニアのロムテクニカ社によって作られた狙撃銃。外観はドラグノフに極めて似ており、コピー品といっても差し支えない……ように思えるが、内部構造はSVDよりはAKに近い。言い方としては「AK47の銃身を伸ばしてスコープを付けたSVDモドキ」が妥当か。
数えきれるわけないだろ! いい加減にしろ!
ゲームでは「反動はでかいが威力もでかい、でも連射速度・命中精度は必要最低限」
…といった特徴づけがされる場合も多い。
AK-47・AKS-74・RPDが登場、ダットサイト付けるのは辞めた方が良い。
AK-47が登場、癖が強いが威力は高い。
BFVからBFHまでにおいて、その時代背景に沿って物を変え登場している。ただ一時期次期制式銃扱いをされていたAN-94とAEK-971の陰に隠れていた時期もあった。3ではAK-74M系統が4ではAK-12系統とRPKが登場。BFHにおいてはAKMとAKS-74Uが登場した。
バイス・シティ以外の全ての作品でAK-47が登場(ただしⅤだとノリンコの56式がモデル)、IIIではFBIも使用。
AK-74・金メッキを施したAK-74Sが登場、反動が大きいが威力は高い。
AKS-74・AKS-74U・Groza・VSS・AS VALが登場する。また、SoCではMODを導入することで47系やAK-100 系なども使うことができる。
AK-47・AKS-74Uが登場、AK-47は所謂、頭に当てれない人用の武器。
AK-47・AK-74M・PP-19 Bizon・AKS-74U・VSS・OC-14(OTs-14)Groza・ドラグノフが登場。
AK-47(CODE:Veronica)・AK-74(5、リベレーションズ2)・ドラグノフ(5、リベレーションズ2)が登場。5では敵のマジニ武装兵も使用する。リベレーションズ、リベレーションズ2のレイドモードではAKの金属部が金ピカになったオリジナルモデル「ハイローラー」が登場している。
AK-47(MGS3)・AKS-74U(MGS2)・AK-102・VSS狙撃銃・PP-19 Bizon・サイガ12(MGS4)が登場、ストーリー中に入手可能。主に敵の標準武器で登場。
アサルトライフルとしてAKMが初期から実装。手ブレが多いが高威力の銃として登場。
スナイパーライフルとしてVSSが初期から実装。低威力ながら入手時からサプレッサーと倍率スコープが標準装備されている。
近未来の世界設定故かAKシリーズそのものこそ登場しないが、これをモデルとしたと思われるV-47(続編のApex LegendsではVK-47)という銃がTitanfall2から登場。「フラットライン」の通称の通り独特な左右のブレを持つが、基本的にはマガジン火力も高く反動も少なめな扱いやすい武器となっている。
第一話にて朝比奈みくるがAK-47のモデルガンを渡され、その後発砲。
第22話で園崎魅音が所持。作中での呼び名は「カラシニコフ」。
旧ソ連のアフガニスタン帰還兵で構成されるロシアン・マフィア「ホテル・モスクワ」のロアナプラ支部の標準的な装備としてAK-74が登場。
「勇敢なる同志諸君。サハロフ上等兵、メニショフ伍長は掛け替えのない戦友だった。
鎮魂の灯明は我々こそが灯すもの。亡き戦友の魂で我らの銃は復讐の女神となる!
カラシニコフの裁きの下、5.45ミリ弾で奴らの顎を食い千切れ!!」
原作13巻にて平賀才人が、場違いな工芸品としてハルケギニアに召喚された個体を、ロマリアにおける水精霊騎士隊の訓練時に携行。
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最終更新:2024/12/27(金) 05:00
最終更新:2024/12/27(金) 05:00
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