イフリート(MS-08TX Efreet)とは、アニメ『機動戦士ガンダム』の複数の派生作品に登場する架空の人型ロボット兵器 / 人型機動兵器、ジオン公国軍のモビルスーツ(MS:Mobile Suit)である。
その形式番号が示す通り、MS-07グフとMS-09ドムの間に開発されたモビルスーツ。ただし、初出は1995年のスーパーファミコン用ゲーム『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』であり、『機動戦士ガンダム』本編には登場しない。
生産機数はわずか8機とされ、その内4機がゲームや映像作品に登場している。なお、その4機はいずれも別仕様の機体であり、武装や機体性能も大きく異なるものとなっている。
なお、MS-08系の機体としては、イフリートとは別に“YMS-08A 高機動型試作機”が存在する。しかし、こちらは陸戦型ザクⅡの後継機としてグフとその座を争って選に漏れた機体であり、直接的な繋がりはない。
『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』に登場。
後の作品に登場するバリエーション機とは異なり、カスタマイズはほとんどされていない。
兵装としてはショットガンとヒートソードを装備するほか、ジオン系MSとしては珍しく頭部にバルカン砲を装備する。
作中ではヘンリー・ブーンの乗機としてウルフ・ガー隊に配備され、ガンダム・ピクシーと交戦した。最終的には勝利したとも、敗北したとも言われている(本作はマルチエンディングであり、双方のエンディングが存在する)
なお、バンダイから発売されているMSフィギュアシリーズ、“GUNDAM FIX FIGULATION ZEONOGRAPHY”にてMS-07B3グフ・カスタムとのコンパチキットとして発売されている。現状、イフリートとしては唯一の立体化された商品。
こちらでは後述のイフリート改と同様、ヒートソードを2振り装備する仕様となっている。ちなみにグフのヒートソードとは、鍔など細部の形状が異なる。
『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』に登場。
EXAMシステムを搭載したジオン系唯一のMS。頭部に同システムと冷却システムを搭載しているため、他バリエーション機と比較してそのサイズが肥大化している。
EXAMシステム起動時、即ち対ニュータイプ戦闘時において、高い機動性が要求されたため、スラスター推力やジェネレーター出力も強化されている。カラーリングはEXAM搭載機に共通する青だが、両肩を搭乗者のニムバス・シュターゼンの趣味により赤く塗装されている。
ベース機としてイフリートが選ばれたのは、EXAMシステムに追随できる機体が当時ジオン軍にはイフリートしかなかった為。しかし、 EXAMを開発したクルスト・モーゼスは、イフリート改の性能に不満を感じていた為、連邦へ亡命し、ブルーディスティニーを開発するに至っている(クルストにとっての敵はニュータイプであり、その為連邦・ジオンという枠組みに囚われなかった。また、EXAMはニュータイプを殲滅する為の手段として彼が開発した物である)。
他のMSのようにマシンガンやバズーカを携行することはなく、ヒートソードを二刀流で使用する。また、射撃武装は両脚部のミサイルポッドと両腕部のグレネードランチャーのみとなっている。
作中ではブルーディスティニー1号機との交戦の末、相討ちとなる。
『機動戦士ガンダム戦記』(PS3版)に登場。
ジャミング機能・ステルス性能を強化した機体であり、カラーリングも夜間戦闘時の低視認性を重視して濃い紫となっている。装甲形状も細部がイフリートとは異なる。
兵装は二振りのコールドブレードと投擲用のコールドクナイ、右腕部に装備されたガトリングガンとなっており、近接戦闘を重視した仕様となっている。ジェネレーターやスラスター出力なども強化されているが、あくまで地上戦用の機体である為、水中や宇宙での運用は不可能。
一年戦争当時にマ・クベ主導で開発されていた機体だが、戦争終結後に地球連邦軍に接収される。戦後、ジオン軍残党インビジブルナイツ隊長、エリク・ブランケにより奪取され、その後は同部隊により運用されることとなるが、インビジブルナイツが宇宙へ上がる際に基地へ放棄された。
最期はクリスト・デーア整備長が搭乗して連邦軍の大部隊へ特攻を試みるも、一機のジム・コマンドの妨害によって阻止され、共にアデン基地の自爆に巻き込まれて消滅する。件のジム・コマンドに搭乗していたのは、皮肉にもクリストの妹であるタチアナ・デーア(シェリー・アリスン)だった。
『機動戦士ガンダムUC』(OVA版)に登場(小説版には登場しない)。イフリートとしては初めて映像化された機体。
全身に多数装備したヒート・ダート(クナイ)が外見上の最大の特徴となっており、他のイフリートに見られる肩部スパイク部分もヒート・ダートとなっている。射撃武装としてはショットガンとジャイアントバズを装備。
装甲の一部には従来の超硬スチール合金に加えてガンダリウム合金も用いられている。このことから、この仕様となったのはシャア・アズナブルが地球圏にガンダリウム合金のデータをもたらした、グリプス戦役期以降であることが窺える。
ジェネレーター出力やスラスター推力などの機体性能自体も大幅に強化されており、ジェネレーターもZガンダム(2020kw)や百式より高出力のもの(2202kw)が搭載されていたりする(無論、単純なカタログスペック上の差であり、パワーウェイトレシオでは劣っている)。
ベースが一年戦争当時の機体であるという点を考慮すると、破格の魔改造がなされた高性能機である。
作中ではジオン軍残党により運用され、トリントン基地を襲撃している。優れたスペックを活かしてジムⅡセミ・ストライカーを格闘戦で圧倒、瞬間移動の如き高速機動で撃破するシーンも見られた。
アニメ内では撤退を促されたところで出番が終了しているが、外伝漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』にて生還が確認された。トリントン基地から脱出後、連邦・ジオン両軍のMSを回収した海賊達の一員となってカークス隊基地を襲撃。ベースジャバーに乗った状態であのバイアラン・カスタムと空中戦を行い、互角に戦っている。しかし搭乗者はカークス隊から依頼を受けた間者であった為、最終的に海賊の首領を仕留めて撤退。カークス隊とは合流せずに何処かへ去っていった。
後に発売された『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』において、ベースとなった機体は旧ジオン軍特別競合部隊「マルコシアス」隊長、ダグ・シュナイドの運用したイフリートである事が明かされた。一年戦争当時はグフ・カスタムの3連装マシンガンや専用のヒート・ランスを装備していたが、連邦軍から脱走したフレッド・リーバーがシュナイドから本機を受け継いた為、『リーバー・ザ・リッパー』の異名を持つ彼に適した装備に改修された模様(彼は以前、ガンダム・ピクシーに搭乗していた)。一度フレッドは本機を手放しているが、紆余曲折を経て戻ってきた本機に強い縁を感じ、『シュナイド』の名を与えたようだ。
なお、フレッドは「これが俺の最後の戦いになる」などと壮絶な死亡フラグを立てながらトリントン基地へ赴いたが、前述の通り生還しており、戦いも最後にはならなかった。
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最終更新:2025/12/23(火) 16:00
最終更新:2025/12/23(火) 16:00
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