the pillowsとは、日本のロックバンドである。アウイェー!
概要
一般的な愛称は「ピロウズ」。
1989年9月16日結成。結成以後、数多くの名曲を生み出しながら、「これぞ」というヒット曲を持たず活動を続けている。メジャーデビュー後はポニーキャニオンからキングレコード、avexを経て、自主レーベルの「DELICIOUS LABEL」に所属。CDの販売はキングレコードへと戻っている。
ファン達のことを「バスターズ」と呼び、『LITTLE BUSTERS』という楽曲はファンのための曲となっている。間違っても曲名に「!」を付けてはならない。
長い活動歴の中で、自らの音楽の方向性を「第1期」、「第2期」、「第3期」、「第4期」と呼称している。それぞれの時期で音楽の方向性が異なり、近年のthe pillowsの曲からは想像もつかない曲調のものさえある。
例えば、「第1期」当時のリーダー・上田ケンジの脱退後から「第2期」にかけてはソウルミュージック・ボサノヴァなどへの傾倒が見られる。同時期は、こういった他ジャンルの音楽を幅広く取り込んだ"渋谷系"音楽グループの全盛期ということもあり、セールスには結びつかず不遇の時代であった。
(ただしバンド結成25周年を祝して行われた2期中心のライブ『“Do You Remember The 2nd Movement?”』で、現在のpillows的にアレンジされたこれら2期の楽曲が演奏され、バンドメンバー曰く色々と思うところ大であったらしい)
また同時期は、彼らが商業的成功を追及していた時期でもある。しかしながら成功に至らなかった時期でもあり、象徴的な出来事としては、本人達も傑作だと信じて疑わなかった『Tiny Boat』のセールス失敗が挙げられる。
…とはいえ、不遇の時代だったこの時期に他ジャンルの音楽を貪欲に取り込んだことが、結果的にバンドとしての"体力(音楽性の引き出しや演奏スキル)"をつけたということも本人たちの語るところである。
上記の『Tiny Boat』のセールス&タイアップ失敗や、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとの対バンなどを経験から、「インディーズに後退しても"本来やりたい"音楽を演奏したい」、という山中さわおの決断に真鍋、佐藤が合意。代表曲のひとつ、『ストレンジ・カメレオン』を生み出すと共に急速にロックへと舵を切り、「第3期」がスタートした。その方向性は、ブリット・ポップなどのイギリス系音楽からオルタナティヴ・ロックやパワーポップを志向した音楽といえる。
活動歴が長いため、交友関係も幅広い。結成15周年記念にリリースされたトリビュートアルバムでは、様々なアーティスト、バンドが参加していることで話題となった。また多くのフォロワー、あるいは影響を受けたその後のバンドも多い。結成25年周年記念のトリビュートアルバムでは若手バンドたちを中心としてthe pillowsの楽曲が演じられてもいる。
2009年9月16日には、結成20周年を祝って武道館ライブを行った。1万枚のチケットは販売開始後10分で完売。大成功する(が、山中さわお本人はどうも記憶が曖昧でDVDを見て思い出しているとの発言をしている)。
ただしその後の5年間、the pillowsにとって最大のトラブルが発生することになるとは20周年時には思いも寄らないことだった。
山中さわお本人が志向する(ピクシーズ、ブリーダーズなどの)USオルタナ的サウンドへの傾倒が深化するとともに他の二人(真鍋・佐藤)との音楽的思考の乖離が発生する。もともと多数の楽曲を作詞作曲、そして若手バンドのプロデュースを数々こなし始めた山中さわおには、自分の経験値と二人のギャップがもはやありありと見えていたという。
作曲にあたり、三人のやり取り(山中の作ったメロディーラインに対して二人がアレンジやリアクションを返す)が次第に山中がこれをリード、というより全部をまかない始めるようになったという。その中でのバンド活動の慣れがメンバー間の温度差も生じることとなった。
the pillowsが山中さわおのワンマン・バンドでならば問題がない。だが山中本人は、バンドらしいバンドをやりたいと選択。このままでは良くないと、とった行動はリハビリと称してのthe pillows初めての一年間あまりに渡る(2012.6~2013.8)活動休止だった。
その間、山中はソロ活動とプレデターズの活動に入る。他の二人、真鍋吉明はソロ活動・アルバム、佐藤シンイチロウももう一つのバンドであるビーズの活動に没頭することになる。
2013年、the pillowsは活動を再開。第1期のBa、上田ケンジとともに第1期中心の楽曲ライブ、第2期中心のライブを行い、自分たちの足元と過去を振り返るようにライブ活動からスタートした。
山中さわおの選択はthe pillowsでのオルタナ色追求を諦め(というわりには最新作の『ムーンダスト』でもまだオルタナ色が強かったりするのだけれど)、ロックンロールへの傾倒を深めていくのだと各種のインタビューで答えている。あくまで3人の化学反応的音楽、バンドらしいバンドでいたいという発言とともに、本人曰く、「末期」(第4期)の始まりだと告げてもいる。
2015年、16年の長きにわたってサポートBa.を務めていた鈴木淳を解雇するとの報道があり、山中さわお本人もPodcastにおいて理由を説明。本人曰く、長きにわたる諸問題、問題行動がエスカレートするなどしてこれが改まることもないことが理由とのこと。ベースと友達を同時に二人失った気持ちだとのこと。今後のサポートBa.については固定でおくかはまだ未定とのことであったが、現在はVOLA & THE ORIENTAL MACHINEの有江嘉典がサポートBa.として定着している。
2019年には30周年を迎え、「Thank you, my highlight!」と冠した様々な企画が行われた。その企画の一つとしてなんと「王様になれ」と題した劇場用映画の制作が決定。ドキュメンタリーではなくthe pillowsを中心としたオリジナルストーリーで主演は岡山天音、the pillowsのメンバーが本人役として出演するほか、GLAYのTERU、JIRO、ストレイテナーのホリエアツシを始めとする多くのミュージシャンが本人役で出演している。映画は2019年9月に全国で順次公開された。
そして2019年9月16日10月17日、30周年記念ライブが横浜アリーナで行われ、平日開催にも関わらず全席完売、大盛況の中で幕を閉じた。
アルバム『REBROADCAST』のインタビューで山中さわおは、第4期の初めの「ロックンロールに寄せていく」という発言は忘れ、ロックンロールやオルタナティブにこだわらずに自分たちがその時やりたい音楽をやると語っている。
永遠のブレイク寸前
バンドを紹介する文章に「永遠のブレイク寸前」といった、もの悲しいキャッチフレーズがついていたりもするのが特徴だったりもする。加えて、キングレコード時代の低予算PVが哀愁と涙を誘う。
後のインタビューやライブMCなどで山中が語ったところによれば、ベスト盤発売後の時期にキングレコード社内で大きな方針転換があり「Ride on shooting star」のヒットなどでブレイク寸前だったthe pillowsの予算が大幅に削られてしまったという。そのため『バビロン 天使の詩』のPVは一行AA(☆Д☆)すら制作されるほどのB級漂う出来となり、PVまで撮られたシングル『この世の果てまで』は発売そのものをお蔵入りにされた。
この不遇はavex移籍まで続き、山中ほかメンバーを悩ませたという(その苦悩の時期に作られた曲が「昇らない太陽」)。現在でこそ、結成20年の現在すらセールスは右肩あがりと言われる。
そして念願のavex移籍後は予算も潤沢になりPVも手の込んだ質の高いものに…と思いきや、山中曰く「PVは基本的にあっさり作っている」とのことでキングレコード時代と大差ないPVが多いのは気のせいではない…と思われなくもない。
『YOUR ORDER』のPVでは、手間隙・予算もかかる割にチープに見えてしまうコラージュアニメーションの手法を(バビロン 天使の詩のリベンジとして)用いたため、ちょっとばかり物議をかもした。これについては山中さわお曰く「モンティ・パイソンみたいなカンジで」とのことなので、それを狙って作った感がある。
漫画・アニメとthe pillows
2000年から2001年にかけてガイナックスとProduction I.Gによって制作されたアニメ『フリクリ』に、主題歌となった『Ride on shooting star』をはじめ多くの楽曲を提供した。
2005年に発売された3枚目のサウンドトラック『フリクリNo.3』は全曲がthe pillows自らの選曲であり、実質的なthe pillowsのベストアルバムとなっている。この影響でアメリカ、メキシコなどでライブを行うほど(特定分野が好きな人達へ)著名になった。
2005年に放送されたアニメ『BECK』の最終回にthe pillowsをモデルとしたバンド「ザ・ヒーロウズ」が登場し、そのボーカリストの声を山中さわおが演じている。
2008年、週刊少年ジャンプ35号に掲載された篠原健太の漫画『SKET DANCE』で、スケット団の3人が『funny bunny』を演奏するシーンが登場した。この話が収録された単行本第6巻の帯には、山中さわおによるコメントが寄せられている。その後、ツタヤでの無料レンタルCDのジャケットイラストを篠原健太が手がけている。
またこの前後、携帯電話の着メロダウンロードで『funny bunny』が一位になったことがニュースにも取り扱われた。この他、数多くの漫画などでタイトルなどにthe pillowsの楽曲名が引用されるなどのケースがある。
この他、アニメ「MOONLIGHT MILE」のED曲として「スケアクロウ」「BOAT HOUSE」(第1,2シーズン) アニメ「BEN10」の(第1シーズン)ED曲として「Ladybird girl」が使われている。
2007年より連載が始まり2009年にアニメ化もされたかきふらいの漫画『けいおん!』では、the pillowsのメンバーを由来にしたと考えられる名前のキャラクター(山中さわ子・真鍋和・鈴木純・佐藤アカネ)が登場しているが、公式な発表は無い。
ただし山中さわお自身はこの件について知っているらしい。自らがパーソナリティをつとめるラジオ番組で「山中さわ子っていうキャラクターが居るらしいんだけど。でも楽曲提供とかそういう話は全く来ないんですけど(笑)」と漏らしていた。
2010年、新曲の『Rodeo star mate』がTVアニメ『スティッチ! いたずらエイリアンの大冒険』OPに使われることが発表される。…が、その微妙なタイアップぶりにファンの間ではこれまた微妙な空気が流れている気がしないでもないが、さわお的にはスティッチのキャラ設定(かわいい顔して生物兵器)に惚れ込んで曲を作ったらしいから気のせいだよきっと。
2011年、上記SKET DANCEのアニメ化タイアップとしてエンディング・テーマに「Comic Sonic」「Funny Bunny(Rock Stock Version)」が使用されたほか、翌2012年にはアニメ第65話以降のEDとして山中が作詞・作曲した「世界は屋上で見渡せた」が使用されている。
2016年に放映されたアニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』TV版第1話のエンディングテーマに「Locomotion, more! more!」が抜擢された。
2018年、かの『フリクリ』の続編に当たる劇場アニメ『フリクリ オルタナ』『フリクリ プログレ』がProduction I.Gによって制作され、それぞれの主題歌である「Star overhead」「Spiky Seeds」に加え劇伴として多数の曲を再録、提供した。後に主題歌2曲と再録曲を収録したアルバム『FooL on CooL generation』が発売されている。またこの際に7年ぶりのアメリカツアーを実施、チケット発売と同時に全会場がソールドアウトし、現地ファンを大いに沸かせた。
2019年、日向武史の漫画『あひるの空』がアニメ化、オープニングテーマとして新曲の「Happy Go Ducky!」を書き下ろし、提供した。日向武史はアルバム『パントマイム』の頃からの筋金入りのファンであり、以前から作中にthe pillowsの曲名やグッズを登場させたりしていた模様。アニメの公式サイトには山中さわおと日向武史による対談が掲載されている。またシングル『Happy Go Ducky!』に収録されているライブ映像、音源は日向武史が選曲を担当した。
メンバー
1968年12月7日生まれ。北海道小樽市銭函(ぜにばこ)出身。RSR2010ご本人の発言により札幌出身銭函育ち。
the pillowsの殆どすべての楽曲の作詞作曲担当。近年は、DELICIOUS LABEL所属バンドのプロデュース、THE PREDATORSのVo.Gt.、CasablancaのGt.Vo.、ソロ名義でのバンド活動も行っており7枚のアルバムをリリースしている。
アマチュア時代にやっていた印刷業でのバイト故か、浮世絵収集とTシャツ作りが趣味。そのセンスはツアー毎に発売されるTシャツやグッズなどに遺憾なく(?)発揮されている。
40過ぎのオッサンと豪語するも、実はバンド最年少。兄貴分の先輩として怒髪天の増子直純がおり、いろんな意味で頭が上がらないのとラジオで公言。RSR2010でも増子に命じられるままステージから観客にダイブなどしている。いや、そのほかにも東京へ出るのに悩みを聞いてあげたりとか、ほんといい体育会系舎弟先輩後輩のようだ。
たまにライブ中にキレるのはデフォ。変なコールしたりして怒らせないようにね。あとネギが苦手。某元グラビアアイドル系タレントといい仲らしいが周囲はぬるーくスルーしている模様。
映画『王様になれ』に本人役で出演した際、怒りの演技を真剣にやった結果そのあまりの迫力に監督と主演を戦慄させたらしい。実際怖い
2014年にニコニコ生放送で行われた25周年記念配信では、「山中さわおに絡めて山中○○おって呼ぶのいったい何⁉」と本人直々にツッコミが入った。
1962年10月2日生まれ。北海道札幌市出身。RSR2010山中さわおの突っ込みにより北見出身札幌育ち。
札幌では知る人ぞ知るアマチュアバンドのギタリストとして有名(だった)。現在は趣味のレゲエ鑑賞を起点としてNINE MILESというソロプロジェクトも行っている。the pillowsに参加するまでは、札幌の某デパートの雑貨売り場(実はモー娘某元メンバーの父親経営)で商品仕入れも担当していたなかなかのやり手だったとか。
the pillows結成時に山中さわおのギターに不安を覚えた?初期リーダー上田ケンジに怒髪天の増子直純がバンド解散直後の真鍋を紹介したことが参加のきっかけ。
the pillowsの名前が決まったのは9月11日、真鍋が当時住んでいた(自称高級)マンションの一室だった。
サウンドエンジニアとしての能力も高く某音楽ソフトの動画でその巧みな手腕を見せつけている。そのギターテクニックは評価が高くマーティ・フリードマンから天才とも言われた。
もうすぐ50代突入だというのに、そのあまりの美肌・もち肌っぷりにはファンの女性たちも嫉妬である。昔はあまりのモテっぷりが災いして、怒髪天の増子直純などにその長髪を狙われていた…などといった逸話が残されている。
物腰柔らかそうな声のトーンから想像すると、ものすごーく真面目っぽく見えるが意外と「適当な所もある」、とは山中談。ライブ中に誰にも伝わらないセリフを言ってはさわおを困らせている模様。
ソロアルバムとして本人が好きなレゲエアルバム、そしてギター中心のインストアルバムをリリースしている。
初期リーダー上田ケンジと参加していたKENZI&THE TRIPSからthe pillowsへ。
実はその来歴と実績は数多く、当時の有名だったTHE BLUE HEARTSのサポートドラマー(正式にバンド参加もオファーされてもいたらしい)やO.P.KINGでもDr.Vo.を担当するなど数多い。現在はthe pillowsのほかにThe ピーズにもドラマーとして参加。
上田ケンジが脱退を決めたあと、彼のバンド解散瀬戸際に山中にかけた言葉がなければ、恐らく今のthe pillowsは無かったと思われる。…が現在はバンド内でのボケ担当。ただしトークはメンバーで一番上手く、インタビューでは真ん中に座っていることもある。
常に酒を飲んでおり、ラジオでは「ジョン・ボーナム度」を測る企画さえ行われた。当然ライブ中にも飲むため、MCの時にはベロンベロンになっている。しかしドラムプレイは全くブレないという圧倒的なリズムキープ力を持っている。
また、ある時期を境に突如としてピザ化・オッサン化が進行し、今では立派なオヤジきゃr…パワードラマーに変身した。どう見ても酒の飲み過ぎです。本当にありがとうございました。普段のスタイルである「真冬でもビーサン(ビーチサンダル)・ジャージ」に磨きがかかったとも言える。草野球チームの監督もしているため、貫禄が出てきたということなのだろうか。
2012年、通風になったので色々大変だったらしい。現在、プリン体ゼロのビール愛飲中(お気に入りはサッポロの『極ゼロ』とのこと)
関連動画
関連コミュニティ
関連タグ
- the_pillows
- pillows
- ザ・ピロウズ
- ピロウズ
- pillows-作業用BGMリンク
- pillows-PVリンク
- pillows第3期以外リンク
- ぴろうず!
- 東方×pillows
- @ウイエ!
- アウイエ
- 永遠のブレイク寸前
- ピロい
- バスター君
関連項目
音楽関連
- THE PREDATORS(山中さわお、GLAYのJIRO、ELLEGARDEN兼Scars Boroughの高橋宏貴によるバンド)
- Casablanca(noodlesのyoko、山中さわお、Radio Carolineの楠部真也によるバンド)
- NINE MILES (真鍋吉明(Gt.)のソロ名義。the pillowsでカバーもされている)
- Theピーズ (佐藤シンイチロウがドラムスを担当)
- カミナリグモ(2010年より鈴木淳がサポートベーシストとして参加)
- 怒髪天(the pillowsの結成に大きく関わった増子直純がいる兄貴分的バンド)
漫画・アニメなど
- 11
- 0pt