ビーストウォーズとは、トランスフォーマーシリーズのうちの1シリーズである。
1997年10月~2000年3月にかけて「ビーストウォーズ」~「メタルス」までが地上波で放送され、2004年には衛星放送で「リターンズ」が放送された。
よいこのみんな!私達の概要だ!
有機金属を含んだ新たなトランスフォーマー達が戦う、世界初のフルCGロボットアニメーション。
カナダで作ってんだよカナダで!!
彼らの特徴として、有機金属を生かして動植物に変身することができ、動物に変身したトランスフォーマーはビースト戦士と呼ばれる。それを強調するためか、タイトルが超ロボット生命体ではなく超生命体トランスフォーマーになっている。この作品以降、仕官職としてコンボイの名を持つ戦士やコンボイ顔の戦士が登場するようになった。
……というのは日本語版のみの設定。
本作のビースト戦士達は、原語版だとオートボット・ディセプティコンとは別の軍団であるマキシマルスとプレダコンの争いである。戦士達の名前はほとんど異なり、当然有名なアドリブもほとんど挟まれていない真面目なストーリーである。「変身!」で統一された変形コードも、マキシマルスが「マキシマイズ!」プレダコンが「テラライズ!」となっていて、日本語版からは想像の付かない設定がたくさん存在する。しかしこうした設定はトランスフォーマーファンの心を掴み、玩具の出来の良さもあって英語圏では大人気を博した。
一方で日本では、固有名詞の過去シリーズとの関連付けをタカラトミーの方でしたこと以外、ストーリー面での脚色役として責任者に任命された岩浪美和が、「これじゃ日本の子供には受け入れられない」と大幅なアレンジを敢行した。当然のようにかつてのトランスフォーマーファンからは憎しみや殺意にも近い感情を向けられていたが、一方で子供には大きくこの設定が受けた。 日本における人気は周知の通りで、停滞していたトランスフォーマー人気の大復活の大部分を担っている。
放送20周年となる2017年にはYouTubeのタカラトミー公式チャンネルにて配信開始。歴史的大暴走アニメがネットで観られる時代の到来である。
2023年4月2日朝9時15分より、テレビ東京系列6局で『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー アゲイン 』が放送されることが発表された。過去の放送回のセレクション放送とはなるが、新たに山口勝平によるナレーションが新規収録されている。
ストーリー
惑星エネルゴアに調査へと向かっていたコンボイ(オプティマス・プライマル)達は、ゴールデンディスクを持ち出しセイバートロン星から逃げ出したメガトロンの一団の捕縛の任務を預かる。
抗争の末、二隻の戦艦は惑星エネルゴアへと不時着し、サイバトロンは多くの救命ポッドを手放すことになった。
宇宙船が故障し双方帰還の叶わない中、豊富なエネルゴンを発見したメガトロンはこれを利用した宇宙支配を模索するようになった。
これを阻止するため、コンボイ達サイバトロンは、メガトロン率いる悪の軍団デストロンとの戦いを決意することになる。
惑星で活動するため、彼等は動物などをスキャンして地形に適応することを覚え、ビースト戦士として生まれ変わった。
かくして、この戦いは後に「ビーストウォーズ」として語り継がれる、大きな戦いへと発展していく。
海外アニメーションシリーズ
海外版G-2やマーブルコミックスの流れを組む作品で、日本語版製作のときに日本版設定に設定変更するのが苦労したと「リターンズ」のオーディオコメンタリーで語られている。
ビーストウォーズ~メタルスは、実は初代TFが休眠中に起こっていた太古の戦争だということがやがて明らかになる。
ビーストウォーズ&ビーストウォーズメタルス
正式なタイトルは「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」及び「ビーストウォーズメタルス 超生命体トランスフォーマー」。
「メガトロンの後継者」を名乗るビーストメガトロンが重要な情報の入ったゴールデンディスクを奪って惑星エネルゴアに逃走。調査船アクサロンのクルーはビーストメガトロン率いるデストロンと戦う。
カナダ製作の3DCGアニメーションで、日本語版は子供達に親しみやすいようユーモラスな翻訳や、アドリブを行った。アドリブについては賛否両論あるが、「この作品を繰り返す見ることで元気を取り戻していたというOLさんがいた」「有名芸能人も見ていた」など、一般受けは良かったようである。メタルス26話リミックス2にて「夕方六時半に小難しい話をしていられるか」といった旨の台詞まで登場し、この日本版ビーストウォーズの方針を明確に言葉にしたといえる。
海外での放送の関係上シーズン1とシーズン2・3の間が空いてしまい、日本ではシーズン2・3は「メタルス」として放送された。シリーズの繋がりを示唆する為かスタースクリームやジャガーなど、G1期のトランスフォーマーがゲスト出演し、特にゴールデンディスクの謎が解明される辺りではアーク内で休眠中のサイバトロン・デストロン両軍の姿が描かれている。
ビーストウォーズリターンズ
超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ。
ビーストメガトロンを捕まえ、セイバートロン星に帰還する途中、ビーストメガトロンが脱走してしまう。
サイバトロンは何とかセイバートロン星に帰還するも、そこは先回りしたビーストメガトロンにより無機物ドローン軍団「ヴィーコン」が支配する星になっていた。オラクルの力でより有機的なボディにリフォーマットされたサイバトロンはセイバートロン星を取り戻すため戦う。
海外では「ビーストマシーンズ」の名で放送されたが、かなり陰鬱なストーリー・ビースト戦士達の有機的なボディのデザイン・アニメと玩具での外見の不一致などの様々な原因により、海外のトランスフォーマー市場は崩壊寸前にまで追い込まれた。
日本語版では放送形態が特殊だったこともあってか、さらに過激なアドリブや下ネタが取り入れられた。
リミックス
「メタルス」「リターンズ」日本語版の特徴としてリミックス話が挙げられる。リミックスは日本スタッフが各話のシーンを編集し、一本の話にしたいわゆる公式MADである。
「メタルス」では本来の8話と17話が劇場公開(8話は本放送に先駆けた公開)されたため、14話と26話がリミックスとなった。また、「リターンズ」ではDVDBOXの特典として収録されたが、もはやオリジナル話でも何でも無い出演者座談会に映像をつけたも同然な状態であった。
シリーズレギュラー&無印のみの登場キャラクター
サイバトロン(マキシマルス)
元々は惑星を探査するために送られた科学者であるトランスフォーマー達。しかしデストロンとの戦いをきっかけに戦闘へと適応していくようになる。
- コンボイ(ゴリラ)声:子安武人
無茶ゴリラな総司令官。厳密には一部隊の指揮官にしか過ぎない。「ゴリラ」と呼ばれることがある、まんまやないか!「ビーストコンボイ」も参照。 - チータス(チーター)声:高木渉
密林巡視員。若造キャラで、初期は問題をよく起こしていた。校長先生になったことがあり、リターンズではそのネタが成熟。 - ラットル(ネズミ)声:山口勝平
諜報員。こう見えて歴戦の戦士。まんまドブネズミに変身するため中の人は大層驚いたそうな。憎まれ口叩き王。 - ライノックス(サイ)声:中村大樹
陸上防衛戦士。ダジャレ好きの副司令官なんダナ。つまらないダジャレを言うのはやめなサイ!恋人募集中。 - ダイノボット(ヴェロキラプトル)声:藤原啓治
特殊戦闘員で元デストロン。内部抗争に負け、最初はサイバトロンを乗っ取ろうとした荒くれ者。実はツンデレ。根は良い人ダーッ! - タイガトロン(ホワイトタイガー)声:遠近孝一
局地偵察員。墜落したポッドから誕生したサイバトロンの新戦士。自然を愛する気難しいトラさんでござる。 - エアラザー(ハヤブサ) 声:岩永哲哉
空中偵察員。サイバトロン2人目の航空戦力。本来は少女キャラだがタカラの意向で少年になった。「ハイヤーッ!」が口癖。追加戦士の一人。
アニメ未登場
デストロン(プレダコン)
- メガトロン(ティラノサウルス)声:千葉繁
破壊大帝を自称する食えないオッサン。悪者の極意を熟知している。決めるときは悪らしく決める。「ビーストメガトロン」参照。 - ワスピーター(ハチ)声:加藤賢崇
あーんやっぱりやられたー、なハチ。声を聞いてるだけで力が抜ける癒しキャラ。シリーズ通して最もしぶとい。
なお、役職はかのコンドルと同じ「空中攻撃兵」だったりする。天と地の差。 - スコルポス(サソリ)声:遠藤雅
オラオラァ!という口癖の砂漠戦闘指揮官。奥様方からの人気いまいち。おつむが弱く扱いやすいため副官という立ち位置らしい。 - タランス(クモ)声:長島雄一
ウヒャウヒャと笑う、変態クモな忍者兵。何かと主役を狙っている。実は何気にキーパーソンだったりするっす。 - テラザウラー(プテラノドン)声:飛田展男
空中戦闘兵。歴代お決まりのニューリーダー病感染者。でもまるで成功しないザンス!カァーッと鳴く。 - ブラックウィドー(セアカゴケグモ)声:永椎あゆみ
諜報工作員。強奪した脱出ポッドからタランスの趣味全開で生み出された、元サイバトロンのクモ姉さん。日本じゃ紅一点。 - インフェルノ(アリ)声:三木眞一郎
地上攻撃指揮官。ごっつんこー、メガトロン様、万歳!!
働きアリモチーフなので忠誠心ありあり。彼もまた追加戦士。元々はサイバトロンだった。
アニメ未登場
和製アニメーションシリーズ
「ビーストウォーズ」日本語版放映中に海外では「メタルス」が展開されていたため、「メタルス」日本語版製作の間に放映された。
制作は葦プロ。海外シリーズとはセルアニメであることや、未来の地球が舞台となっているなど、正反対な作風になっており、時々論争が起こるものの好むファンは多い。ネオではユニクロンとの戦いが描かれ、また時系列としてG1シリーズのアニメ最終作となっている。
なお、Ⅱに登場するデストロン兵士ダージはビーストメガトロン一行がゴールデンディスクを強奪する際同行しており、このとき、ライオコンボイとビッグコンボイは初めて「コンボイ」の名のまま海外コミックスに登場した。後にライオコンボイは『トランスフォーマー・クラシック(変形!ヘンケイ!トランスフォーマー)』にて玩具がラインナップに加わった際に「レオプライム」という海外名が与えられている(ちなみに玩具は『ギャラクシーフォース』に登場するライガージャックのリカラー品)。
ビーストウォーズⅡ(セカンド) 超生命体トランスフォーマー
惑星ガイアを調査しに来たサイバトロンとガイアを前線基地にしようと企むデストロンが衝突する。
超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ
Ⅱラストのネメシスの爆発でアンゴルモアエネルギーの詰まったカプセルが散らばってしまい、ワンマンズアーミービッグコンボイがサイバトロン新兵と新兵教育として回収任務に赴く。
玩具展開
ビーストウォーズリボーン
リターンズでセイバートロン星の核に落下し、死んだと思われていたビーストコンボイとビーストメガトロンは謎の神殿で目を覚ます。しかしお互い記憶を失っていた。二人を召喚したロゴスプライムはある計画を企み、それを察知したプライマスはベクタープライムを向かわせた。
ビーストウォーズ10周年記念として展開されたシリーズで、フィギュア王に全4回連載された。ストーリーの結末は描かれておらず、二人がどうなったかは語られていない。
ビースト戦士二体は帰ってきた最強ビーストの対決として特典DVD「ゴールデンディスク」付きで販売され、ロゴスプライムはギャラクシーフォース版サウンドブラスター(ギャラクシーフォース版サウンドウェーブの色変え)の名で限定発売された。
漫画版
『Ⅱ』『ネオ』『メタルス』は、雑誌「コミックボンボン」にて連載された。作者は今木商事。
『Ⅱ』は全2巻、『ネオ』は全1巻、『メタルス』に限り単行本になっていなかったが2015年に電子書籍化された。
話は根本こそアニメ版と同じだが、アニメには登場しないビースト戦士が登場するなどオリジナルの展開が多く(キャラ設定も漫画版独自のものが多い)、連載が進むに連れてかなりシリアスで重い内容となっている。
またサイバトロンのメンバーに限り、絶対誰かのビーストモードは可愛くデフォルメされている。特に『Ⅱ』のタスマニアキッドは「女子人気がある」とヘルスクリームは証言している。因みに『ネオ』はスタンピー、『メタルス』はラットルとなっている。ラットルの場合、リターンズより「へけ」「くしくし」と言っても良いような外見。
何より漫画版『メタルス』一番の語り草はエアラザーが日本版のガチホモ少年キャラではなく原語版同様の女性キャラとなっており、さらに顔が擬人化され美少女と化している事である。(これの影響か、タイガーファルコンまでもが擬人化されイケメンと化した。そういえば『II』でもイカちゃんが・・・)
作者も読者もお気に入りなのか、今木版エアラザーは後にデフォルメギャグ漫画『Qロボ トランスフォーマー』にて再登場を果たしている。
放映終了と同時に連載を終えているため、登場しないキャラも結構いる(又は1回しか登場しないなど)。
関連動画ジャン!
関連チャンネルだブーン
2022年現在は「メタルス」「リターンズ」が配信中。「ビーストウォーズ」は配信停止になっている[1]。
関連項目ダァーーーッ!
- トランスフォーマー
- サイバトロン
- ビーストコンボイ
- チータス(ビーストウォーズ)
- デストロン
- ビーストメガトロン
- ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー
- 映画版 ビーストウォーズ スペシャル 超生命体トランスフォーマー
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- アニメ作品一覧
- トランスフォーマーの関連項目の一覧
- デストロイオールヒューマンズ! (PS2のゲーム。アメリカで制作された原作は人間ぶっ殺し残虐ゲームだったが、日本版ではビーストウォーズのように、声優の熱演を主軸に置いたユーモラスなアレンジが大幅に加えられた。)
脚注
- *最新の配信状況はdアニメストア ニコニコ支店 配信ラインナップのページを参照
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