な ん だ こ れ は !
岡 本 太 郎
TAROMANとは、NHK制作の短編特撮作品(全10話)である。正式タイトルは『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』。
概要は、爆発だ!
岡本太郎が世に送った唯一無二の〈作品〉群、そして心を鼓舞する〈ことば〉たち。
両者ががっぷりと組み合い、超感覚的に岡本太郎の世界へと誘います。
10話それぞれのタイトルは「芸術は、爆発だ!」「真剣に、命がけで遊べ」など太郎のことば。それをテーマに「なんだ、これは!」という特撮映像が展開します。
主役は〈TAROMAN〉(タローマン)。正義の味方ではなく、シュールででたらめなやりとりで奇獣と戦います。対峙する奇獣たちは、〈疾走する眼〉〈駄々っ子〉など太郎の作品を造形化。
伝説的芸術家・岡本太郎のイズムを体現した巨大ヒーロー「タローマン」が、岡本作品をモチーフとした生命体「奇獣」と戦いを繰り広げる1話あたり約5分の特撮ドラマ。70年代の巨大特撮モノのオマージュがふんだんに盛り込まれている。
監督、構成および脚本は、「武将と言えば三成」「宇治市(ゲーム)」などレトロな映像の再現度が高く、インパクトの強いCM・PR動画を数多く手がけた映像作家・藤井亮が務める。他にも取材協力、資料提供という形で巨大特撮でお馴染みの円谷プロダクション[1]や《太陽の塔》のフィギュアを製作した海洋堂も関わっている。
2022年7月19~29日の平日にかけて10本連続放送されたほか、YouTubeやニコニコ動画でも全話を公式配信。放送終了直後の7月31日・8月1日の深夜にも一挙放送された。その後も再放送が行われている。
2023年8月5日には「帰ってくれタローマン」としてOVA版・劇場版とする映像やテーマソングを歌う山口一郎の映像などが放送された。
ちなみに、体裁上は「1970年代に実在した特撮ドラマであり、全エピソードのうち映像が現存していた数話の再放送」という形を取っている[2]。特に番組や展覧会(後述)ではこの点がフィクションであると語られないため、中には本当に1970年代に放送されていたと誤解する人や、逆にNHKの放送含めて全てが実在しないインターネットミームの一種と誤解する人もいる。
「展覧会 岡本太郎」とタローマンまつり
企画としては2022~2023年にかけて大阪中之島美術館等で行われる「展覧会 岡本太郎」ともコラボしており、最初の開催地である大阪府の小学生には岡本太郎展と合わせたパンフレットが配布された。2022年8月20日・21日には大阪中之島美術館で「タローマンまつり」が開催され、特撮ファンのみならず家族連れなど幅広い層が集まっていた。
そして2022年9月23日~25日には同じく大阪中之島美術館で「タローマンまつり2号」が開催される。2号では同じ事を繰り返すとタローマンに爆殺されるためなのか展示物や映像が追加されたうえ、24日・25日にはタローマン(中の人はおそらく岡村渉氏本人[3])による「提灯にネギを刺す」「パントマイムで子供を壁に磔にする」等のべらぼうででたらめなパフォーマンスまで行われた。
一見すると大勢の人気を集めるというタローマンが望まないであろう光景だったが、彼は「数千人の奇人・変人に会えた」ということで満足していたようだ[4]。
なんだ、これは?そう、タローマンだ!
岡本太郎の思考を強く受け継いでおり、やることなすこと全てが常に奇抜かつ予測不能、すなわち“でたらめ”な存在。ビルや道路の上で変な踊りをしたり、給水タンクの水を勝手にがぶ飲みしたりと基本的に地球人の都合は考慮しておらず、特に正義感を持ち合わせているわけではない模様。
一方で「マンネリ」「模倣」「気軽な趣味のようなお遊び」「皆に好かれること」「自分自身で何もしないこと」といった芸術を停滞させる概念には明確に否定的な反応を示す。
なお、実際の岡本太郎はバラエティ番組に出演するなど、タローマンと比べると大らかな人物である。その岡本太郎の教えを受け継いで行動しているのが、ストイックな巨人、タローマンである。
タローマンの肉体
身長55m、体重5万2000t。そのボディは全体的に1970年の大阪万博でお馴染み、岡本太郎の代表作《太陽の塔》、顔部分は《若い太陽の塔》を模している。
必殺技
- 芸術は爆発だ!
両掌を顔の前に掲げ「芸術は爆発だ!」と叫ぶことで宇宙にパワーを解き放つ。光線のような決まった形をしていないのでパワーと表現する他ないのが何ともでたらめ。ファンからは「芸爆」という略称で呼ばれている。
これを浴びた奇獣はカラフルなエフェクトと共に爆発し、絵の具のようになって飛び散る。劇場版では芸爆された奇獣も奇獣島で生活しているが、芸爆された後に復活できるのかは作中で明言されていない。
側から見るとでたらめ威力のお手軽技だが、「その瞬間瞬間に全存在を懸けて命を燃焼させる行為」…と岡本太郎も言っていた。つまり高津博士によると「気軽にバンバン撃てない」らしい。割と気軽に使ってる気もするが。
- 明日の神話
- 千手
- 雷人
最終話で唐突に披露された新技たち。岡本太郎の名作の数々を身体全体を使って表現し、迸るエネルギーを「太郎」の文字の形で相手にぶつける。太陽の塔を2体まとめて粉々にする程の威力だが、再生増殖能力持ちの太陽の塔に対しては逆に悪手となってしまった。
べらぼうな奇獣
岡本太郎の作品群を模した姿の生物たち。巨大な体で動き回ったり、迷惑な行動をしたりして人間に危害を加えるものもあるが、小さいサイズのものや、平和に過ごしているものもいる。
ちなみに劇場版「タローマン大統領」では、タローマンや後述する河童星人も奇獣という扱いになっている。そちらの作品内では芸爆された奇獣もなぜか「奇獣島」と呼ばれる南の島で生活している。人間にはわからない言葉で奇獣たち同士で会話ができるようだ。
- 歓喜
「自分の歌を歌えばいいんだよ」に登場。釣り鐘のような身体から無数に生えたツノを伸ばして攻撃してくる。タローマンを苦戦させるが、ストリートミュージシャンが叩く応援の太鼓に感応したタローマンに逆にツノを引き千切られ打楽器にされてしまう。町にはタローマンが奏でる縄文人の祭りのような本能の音色が響き渡った。
- 未来を見た
「一度死んだ人間になれ」に登場。未来や将来を考える人間の元に現れ「ミライヲミタイカ」と呟き、モニターのような機械で未来をネタバレして無気力にしてしまう。モニターで自身の未来を予知することで攻撃の回避もできるが、タローマンの行動はそもそもでたらめな為予知が全く意味を成さず、困惑のあまりモニターが壊れたところを倒された。
実は本作の前身とも言える作品『太陽仮面サンタワー』では主役ヒーロー・サンタワーの相棒「未来戦士ミライダー」として登場していた。また、タローマンが当時放送されていたNHKのクイズ番組に出演した[5]際は“お友達”としてコンビ登壇したり、奇跡的に映像が残っていたテーマパークでのタローマンショーにも出演が確認されているなど、人型で動かしやすい故か他媒体への露出が多い。何処ぞの宇宙忍者よろしく奇獣の代表選手的な立ち位置にいたようだ。
- 駄々っ子
「同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ」に登場。その名の通り、子どものように駄々をこねながら街中で暴れまわる。現れたタローマンと対峙するが、「どうせいつものように倒してくれるだろう」という人々のマンネリ思念にすっかり意気消沈して倒され待ちのタローマンには流石に終始困惑。挙げ句の果てに、タローマンの逆鱗に触れたタローマン2号への同士(?)討ちの巻き添えを喰らうという理不尽極まりない最期を迎えた。
なお、パンフレットでは「タローマンをピンチに追いやる厄介なやつ」と、正しいとも間違ってるとも言えないような書き方をされている。
- 疾走する眼
「真剣に、命がけで遊べ」に登場。凄まじい高速で動き回る。足の速さが評判のタローマンと街を駆け、橋を越え、海を越え、更にはダムを越え、山を越え、あろうことか谷を越え、常識を超え、己を超え、全てを超える壮絶なチェイスを繰り広げた末、電磁バリケードを張るほどの抵抗を見せたが、実際にはただ単に鬼ごっこがしたいだけであった。遊びは命がけであるべし。
- みつめあう愛
「美ってものは、見方次第なんだよ」に登場。「もっと綺麗な顔に生まれたかった」とぼやくCBGのマミ隊員がタローマンに連れられて訪れた惑星ゲルダの原住民。地球人と比べるとサイズが小さく、ビームも痛い程度であまり強くはない。外見は地球人とは似ても似つかないが、彼らも独自の価値観で美醜に悩んでいることを知ったマミ隊員は、本当に目指すべきものが絶対的な“生命の美”であることをタローマンから教わったのであった。
- 赤い手 青い手
「好かれるヤツほどダメになる」に登場。大きな赤い手と青い手に分かれており、街中でガスタンクをキャッチボールにして遊んでいた。多くの人に好かれたことで戦意を喪失したタローマンも弄んでいたが、いつの間にかタローマンに逆に飲み込まれて融合していた。
- 傷ましき腕
「孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ」に登場。芸術家や小説家などの文化人を誘拐し、電磁カプセルに閉じ込めていた。タローマンに対してそのカプセルを投げつけるが取り外したガソリンスタンドの屋根で中の人ごと卓球のように弾き飛ばされてしまい、さらに腕相撲を仕掛けて優勢になるもタローマンが空いていた左手で「芸術は爆発だ!」を出してしまったため敗北した。
- 午後の日
「なま身の自分に賭ける」に登場。団体で行動しており、かわいい顔だが声はおじさんである。直接手を下さずにタローマンを倒そうと、宇宙船で「私も同じ意見です」連発の主体性のなさすぎる会議で時間を浪費していた。よりにもよって退屈そうに寝そべっているタローマンの眼前で。
高位生命体を自称するプライドに溺れ、自分たちで何もせずに事を進めようとする輩(実際は彼らも手を汚さずにタローマンと地球人を滅ぼすという河童星人の目的に利用されている)をタローマンが嫌わない筈もなく、宇宙船をタンバリンのように叩いた後に空へ放り投げてしまい…。
- こどもの樹
午後の日たちが戦力として保有しているらしい巨大奇獣。作戦会議で投入が検討されていたが、結局会議が右往左往した為さらっと流されてしまった。送り込まれていればさぞべらぼうな戦いが繰り広げられたことであろう。
後に「タローマン大統領」で登場。べらぼうな数の顔を持つ奇獣。河童星人に操られたアメリカ大統領の指示で米軍が来た際、奇獣島の大統領の座を巡ってタローマンと戦う。しかしまともな戦いが続いたため、タローマンがだるまさんが転んだ的な遊びに切り替えて決着をつけようとした(?)ところ、崖の端で脚を踏み外して自滅してしまった。ちなみにタローマンはこどもの樹が動いていても特に指摘していない。なんだこれは。
- 太陽の塔
最終話「芸術は爆発だ」に登場。頭から放つビームとCBGの攻撃をものともしないボディ、さらには「ボディが破壊されても破片の数だけ再生する」という厄介極まりない特性を併せ持つ最強の奇獣。タローマンの唐突な新技ラッシュを受けるも大増殖し、瞬く間に街を埋め尽くしてしまった。
タローマンのでたらめな連撃で悩みが増えてしまったことを糾弾する人々の声。それを聞いたタローマンは人々の悩みを解消すべく、最後の手段に打って出るのであった…。
- 重工業
「捨てる主義のすすめ」に登場。ロボットの奇獣で、対峙したタローマン共々ビルを引っこ抜き、街中でチャンバラ対決を繰り広げた。
『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』を手がけた特技監督の樋口真嗣氏が印象に残ったと語る本エピソードだが、ビルを掲げる重工業とタローマンを写したスチール写真が確認されているのみで映像が現存していなかった。
しかし2023年8月に映像が発掘、「帰ってくれタローマン」内で放送された。そして重工業の正体はゴリラ五里博士がネギと歯車という相反するものを組み合わせて奇獣と戦うエネルギーを生み出す実験の最中、宇宙エネルギーを持つ隕石が落下した結果、ネギと歯車に加えて五里博士の知性と凶暴性も混ざって生まれた奇獣だったと判明した。かわいそうな五里博士…。
でたらめな登場人物
- 地球防衛軍(CBG)
タローマンと力を合わせて奇獣に立ち向かう組織…なのだが、その詳細もメンバーの名前も描写されない(6話にて紅一点の女性隊員が「マミ隊員」であることは明かされた)。何故か回を重ねるごとにメンバーが増えているが、一切説明なし。なんだこれは。
一応、タローマンの登場と同時に姿を消すメンバーが確認されている為、彼がタローマンの正体ではないかと言われていたが別にそんなことはなく、10話でタローマンの戦闘中に登場している。なんだこれは。
ちなみにタローマン本人は無所属とされている。なんだこれは。
「マミ隊員」の名前の由来は《旧マミ会館[6]》ではないかとされているが、実際のところは不明。
- 風来坊
1話終盤で意味深な登場を見せ、OPでもフィーチャーされているカウボーイ風の男。岡本作品の一つ《無籍動物》そっくりの犬(?)を連れている。
重要人物かと思いきや、2話から何の説明もなくCBGと行動を共にしており、キザな言い回しのやたら強いキャラをしておきながら特に物語にも絡まない。名前もわからない。実はメカの身体のサイボーグ。なんだこれは。
- 少年隊員
第4話冒頭で地球防衛軍に入りたいと駄々をこねていた少年。その時点では母親と思しき女性に叱られていたが、その後めでたく加入できたようで戦闘機に乗ったり基地から指示を出したりしている。実は超能力者で、目からビームが出る。
第8話、後述の「TAROMANと私」のコーナーにて当時少年隊員を演じたという設定の北村氏が番組放送から50年の時を経て登場し、存在しない撮影当時の思い出を語った。
- 河童星人[7]
2話終盤にて円盤に乗って登場した宇宙人3人組。モチーフは岡本作品の一つ《河童神像》と思われる。
勝利したタローマンを背後から眺め高笑いしながら「作戦:アプストラクシオン・クレアシオンだ…。」と何やら意味深に呟いていた[8]。なんだそれは。
その後7話にて久々に登場するも、やったことと言えば通りすがって「フッ…タローマンだ。相変わらずの変な顔だ。」と小学生並みの陰口を叩き、後ろ手で報復され「許さんぞ…タローマン!」と逆ギレしただけ。なんだこれは。
9話では午後の日に汚れ仕事を任せ何もしていなかったためか、タローマンに放り投げられた午後の日の宇宙船をぶつけられてしまい、(少なくとも作中ではほとんど)何もしていなかったCBGの建物に偶然にも落下してしまう。なんだこれは。
劇場版では奇獣島のエネルギーを使ってタローマンを倒そうとしていたが、彼らにも「奇獣」というテロップが被せられている。なんだこれは。
- 勝又常吉
TVTニュースの司会。いつも割と適当なことばかり言っている。4話ではタローマンに対し「どうせいつものように現れて倒してくれるでしょう」と高を括った推測をして彼の意気消沈の一因となり、ラストには「まあ結局私の予想通りの勝利」と口走ったことで「芸術は爆発だ!」を直接浴びせられてしまい、とうとう最終話まで再登場することはなかった。
名前の由来はおそらく「また勝つ、常に吉」か。
- 高津博士
CBG奇獣研究調査部の主任で、TVTニュース[9]のコメンテーター。岡本太郎イズムに精通しており、タローマンの行動心理をいつも的確に分析してみせる。適当なことを語る勝又の言動を淡々とした口調で否定するのがお約束な為、勝又には嫌われている模様。
名前の由来は、おそらく岡本太郎の出生地である高津村(現在の川崎市高津区北部)。
- 鷲野社長と部下
大企業の社長らしく立派なビルをいくつも構えているが、街中で戦闘が起こる度にタローマンにぶっ壊されてしまう。
「ワシのビルがー!」「しゃちょー!」
4話が「同じことを繰り返すぐらいなら死んでしまえ」というテーマだったせいか、その言葉の通り4話~6話は登場しなかった。7話では久しぶりに登場するが…。
ちなみに鷲野社長のフルネームは「鷲野蛭賀」。本作の放送当時にスポンサー(一社提供)を務めていた鷲野グループの本物の社長(当時64歳)で、岡本太郎の大ファンかつ若い頃役者志望だったこともあり積極的に本人役で出演していた。
- タローマン2号
第4話にて戦意を喪失したタローマンの前に、どこかで見たような登場の仕方で現れたもう一人の巨人。首から下の外見はタローマンと全く同じ。顔は似ているものの真っ赤でタローホーンがないのが特徴[10]。身長51m、体重5万1000tと、ホーンがない為かどちらもタローマンより低い。
タローマンと同じシュールレアリズム星からやってきた、同じパワーと同じスピードを持つヒーロー…なのだが、自己模倣を何よりも許さないタローマンにとっては存在そのものが地雷だったらしく[11]、駄々っ子と一緒に「芸術は爆発だ!」で瞬殺されてしまった。
- ガ・ダーン
最終話のアイキャッチでタローマンの隣にいたヒーロー。本編に一度も登場しておらず、特に説明もない。その為しばらく詳細不明であったが、2022年9月に大阪中之島美術館で開催されたイベント「タローマンまつり2号」にて名前とスーツ、最終話の本編映像がしれっと公開された。
TAROMANの前番組『大権威 ガ・ダーン』の主人公。アイキャッチでは描かれていないが背中にマント、手にはスティック状の武器「権威棒」を備えている。普段は等身大だが巨大化も可能らしい。
『あつまれヒーロー!藤映テレビまんがまつり』ではタローマンの敵として登場。権威棒を振りかざしてタローマンと戦う姿が割と好評だったらしく、再評価を得た模様。どの面下げて敵の番組の自分が出てもいない最終話で主役の隣に陣取っているのかと聞きたい。
モチーフは恐らく1985年のつくば万博に展示された岡本作品《未来を視る》[12]。ちなみに奇獣島にいたので、このヒーローも奇獣のようだ。
- サンタワー
1971年に制作された番組『太陽仮面サンタワー』の主人公。
当時完成したばかりであった《太陽の塔》がモチーフで、オートバイに乗って戦う等身大ヒーロー。2022年に「タローマンパーク in 大府」で披露されたタローマンショーにてタローマン、ガ・ダーンと夢の共演を果たし話題となった[13]。
- 山口一郎(サカナクション)
TV放送版でのみ見ることができる番組後半のコーナー「TAROMANと私」に登場。幼少期に観たTAROMANの再放送をきっかけに岡本太郎のファンになったという設定らしく、存在しない記憶TAROMAN愛とTAROMANグッズコレクションを披露しながら岡本太郎の〈作品〉や〈ことば〉について語る。
じぶんのなかにどくをもつ関連作品
TAROMAN以前にも岡本太郎の影響を受けた作品はいくつか存在している。中には世界観を共有していると思われるものも。
- 太陽仮面サンタワー
TAROMANのパイロット版とされる特撮番組。
TAROMANで敵の奇獣として登場する岡本作品《未来を見た》は本作ではサンタワーの相棒「未来戦士ミライダー」という扱いで、ジャケットを羽織ってサイドカーに乗り込みながら共闘していた。
- 太郎侍
時代劇。56分の第1話が制作されたが、諸般の事情により放映そのものが実現しなかった。主人公・太郎侍の顔として作られた《若い太陽の塔》モチーフの頭部は後にタローマンのマスクに流用されることとなる。
- 重工業T
岡本作品《重工業》をモチーフとしたロボットアニメ。「対極主義」という難解なテーマをメインに据えた点や、登場人物全員が岡本作品チックな眼をしているという特徴的なキャラデザがウケず、こちらもパイロット版止まりで終わった。《重工業》は後にTAROMANでも奇獣として登場している。
- 大権威 ガ・ダーン
TAROMANの前番組。
前述のガ・ダーンが権威を武器に悪の帝国「アンデパンダン[14]」と戦う様を描いた。そのスタイルは当時の子どもたちの共感を得られず、わずか5話で打ち切られ[15]一瞬で後番組のTAROMANに人気を掻っ攫われた。なお最終回の映像は前述の「タローマンまつり2号」で公開された後、TAROMANのDVDおよびBlu-rayに特典として収録されている。
じぶんの運命(さだめ)にたてをつくスタッフ
- 作者:岡本太郎
- 監督・構成・脚本:藤井亮
- 音楽:林彰人
- 取材協力:岡本太郎記念現代芸術振興財団、円谷プロダクション
- 資料提供:海洋堂
- 出演:山口一郎(サカナクション)ほか
- タローマンスーツアクター:岡村渉
- 制作:NHKエデュケーショナル
- 制作協力:豪勢スタヂオ
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きれいでない楽曲
ここちよくない関連チャンネル
転売は、芸爆だ!
タローマンは、転売を許さない。
関連リンクにとびこめ
なんだこれは!そう、関連項目である。
脚注
- *円谷プロは《太陽の塔》建造時、内部の《生命の樹》に取り付ける模型の製作を担当していたという縁がある。
- *と言いつつ80年代以降の岡本作品も普通に登場しているがそこはご愛嬌。
- *岡村渉氏のツイートより
- *藤井亮氏のタローマンまつり2号後のツイートより
- *とある人気ヒーローの代理だったらしい。
- *岡本デザインの建築物で、マミフラワーデザインスクールの施設として使われた。岡本の作品で居住空間機能を持つ唯一の立体物であったが、老朽化により取り壊された為現存していない。
- *名称に関しては本編では言及されず、TV放送版の字幕でのみ確認できる。
- *作戦の内容はともかく、作戦名の元ネタは岡本がパリ滞在中に参加していた前衛芸術家グループの名称と思われる。
- *ちなみにTVTは「テレビ高津」の略で、社長は博士の父。
- *実はタローマンの没マスクの流用だったりする。元ネタは恐らく神奈川県川崎市にある岡本太郎美術館の「赤い部屋」に展示されている顔。
- *百歩譲って自身の模倣という部分を抜きにしたところで 「登場の仕方がもろパロディ」「自己紹介でタローマンにも設定を付与してしまい存在を縛り付けた」等、 一挙手一投足がタローマンの地雷であることは想像に難くない。
- *現在はつくばエクスプレスの万博記念公園駅前で見ることができる。
- *その際スーツアクターを務めたのは本作の監督である藤井亮氏。
- *名前の由来は恐らく19世紀のフランスで興った美術展「アンデパンダン展」。官選のサロンの保守的な審査に対抗して生まれた無審査・無賞・自由出品の美術展で、まさに「画壇の権威」と敵対する勢力である。
- *その為、最終話は「ガ・ダーンがアンデパンダンに洗脳され、仲間を手にかけ日本が滅亡する」という強引なバッドエンドで締められている。
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