ガンダムエピオン

ガンダムエピオン（OZ-13MS Gundam Epyon）とは、アニメ「新機動戦記ガンダムW」及びその関連作品に登場する架空のロボット兵器（モビルスーツ）。

概要

Gundam Epyon
型式番号	OZ-13MS
設計者	トレーズ・クシュリナーダ
製造者	不明 （恐らくトレーズ派の技術者）
頭頂高	17.5m
重量	8.5t
材質	ガンダニュウム合金
武装	ビームソード×1
	エピオンシールド×1 （ヒートロッド×1）
	エピオンクロー×2

アフターコロニー（A.C.暦）において、OZ総帥の座を追い出されて幽閉されたトレーズ・クシュリナーダが極秘裏に設計・開発していた可変型モビルスーツ（VMS）。
通称は「エピオン」。エピオンはギリシャ語で「次の」「次世代の」という意味である。

エピオンはモビルドール等の大量殺戮兵器に対するアンチテーゼとして設計されており、トレーズの騎士道精神が色濃く反映されている機体である。
そのため、武装はビームソード、ヒートロッド付きのシールド、1対のクローのみであり、ビームライフル等の射撃武装を一切持ち合わせていない。
A.C.世界はおろかガンダム史においてもかなり異色の機体である。

また、ウイングゼロの「ゼロシステム」に類似するコクピットシステム（実質的にはほぼ同一のものと思われる）「エピオンシステム」を搭載しており、特徴や問題点はウイングゼロのそれと全く同様である。

機体デザインは大河原邦男氏によるもの。他のOZ所属のMSがカトキハジメ氏によるデザインであることを考えると、やはりこの面でも異色である。
エピオンはOVA及び劇場版『Endless Waltz』では登場しないので、カトキハジメ氏によるリファイン画像が無い珍しいMSとなっている。

エピオンはモビルアーマー形態（MA形態）に変形することが可能で、上から見ると美しい姿だが下から見るととってもシュールな光景が見られる。一部の文献ではバード形態であるとも解説されている。
うつ伏せ状態から海老反で足を前方へ出した形であり、双頭のドラゴン（足が頭、ヒートロッドが尾）の様に見える。

後に『SDガンダム GGENERATION-F』において兄弟機である「OZ-14MS ガンダムアクエリアス」が設定された。又、「OZ-13MSX1 ヴァイエイト」や「OZ-13MSX2 メリクリウス」とは、型式番号以外の関係性はほとんど無い。

エピオンシステム

正式名称は不明だが、劇中（第34話）ではシステム起動時のヘルメット内部モニターに「SYSTEM-EPYON」と表示されるためからか、通称としてこの様に呼ばれる（劇中で呼ばれているわけではない）。
ちなみにゼロシステムのコアに集積されているフロッピー型記憶媒体には、「SYSTEM-ZERO」の名が刻まれている。

システムが搭乗者に対して及ぼす効果はゼロシステムと全く同様のものであり非常に危険な代物。
参照　→　『ゼロシステム』（「ウイングゼロ」記事内概要）

どのような経緯で開発されたか劇中では明らかになっていないが、トラント特尉がゼロシステムを解析した際に取ったデータを基にした、というのが考えられる。
非公式だが、模型作例漫画『ティエルの衝動』では、ウイングガンダムセラフィムの「ゼロシステム Ver2.5」やガンダムルシフェルの「ゼロシステム Ver2.0」が登場する等、データさえあれば意外とシステムの複製に近いものを開発するのは容易であるのかもしれない。

その他武装

• ビームソード
  機体のジェネレーターから直接エネルギー供給が出来るビームサーベル。そのため、他のビームサーベルとは一線を画す性能を持つ(例えば宇宙要塞バルジをぶった切って破壊するなど)。
  かなりややこしい構造の剣で戦艦に対抗させようとする某軍の技術者達やその剣を４回もぶっ壊す主人公に是非教えてあげたい設計である。
• ヒートロッド
  ムチ。なお、トレーズが後に設計したトールギスIIIには伸縮機能のついた改良版ヒートロッドが搭載されている。
  …あのー、最初から伸縮機能をつけてください、トレーズ閣下。

諸作品での扱い

総じて扱いが酷い。

小説版新機動戦記ガンダムW

著者である神代創が、トレーズにしてはエレガントとは言い難いデザインである事を理由に気に入らなかったため、トールギスの改良型のような機体に変更された。作中で描写されているだけで実際にデザインは行われていないが、おそらくトールギスIIIのようなものだろう。

新機動戦記ガンダムWエンドレスデュエル

隠し機体として登場。アニメ放送中に出たゲームなので唯一扱いがよいと言っていいが、敵を追尾する光弾を大量に出すという謎の超必殺技「スパークウインド」は、トレーズの望むエピオンの思想としてはおかしいような気がする。

SDガンダム GGENERATION シリーズ

使えない機体のため巷で「解体して軍資金にしてしまおう」とか言われる機体。トレーズ涙目である。

最新のGジェネウォーズではゼロシステムによって初期のテンションが下がり、攻撃力が落ちてしまう。おまけにこれはドラッグ(オプションの「γグリフェプタン投与装置」のこと)でも修正できないのでどうしようもない。おまけにミリアルドとトレーズはテンションが上がりづらく、泣くしかない。スキル「気合」でテンションが上がりやすくなるキャラを乗せたら何とかなるかもしれないけど…

ガンダムvs.ガンダムNEXT

W枠の一つ、最高コストの格闘機として参戦。パイロットはミリアルド・ピースクラフトで、CV子安機体4機の内の1つである。

このゲームでは間合いの読み合いが重要になっており、接近戦しかないエピオンは下手な動きをしていると簡単に相手に行動を読まれてしまう上に、相方に多大な負担を強いる玄人向けでピーキーな機体になっている。(他のピーキーなMSはゲドラフ<操作が独特すぎて難しい>、ストライクフリーダム<火力がお葬式状態で装甲が最高コストにしては紙。機動力を活かし相方のチャンスメイクに徹するのが主な戦術になる>など。)なお、他の最高コストの格闘系MSに装備されている「瀕死でパワーアップ」(ゴッドガンダムの「明鏡止水」や∀ガンダムの「月光蝶」)がエピオンには搭載されていない。
(ちなみにライバルのウイングガンダムゼロは最高コスト機のなかでも優秀な機動と射撃により最高コストの入門のみならずこの作品の入門としてふさわしい機体のひとつとなっている。)

『X』に登場するガンダムヴァサーゴとシルエットが酷似していることを公式でネタにされている。(ガロードに「フロスト兄弟の仲間だな!」と言われるとか。)ただエピオンの漢らしいまでの設計思想に突っ込みを入れるのは、ストライクフリーダムのキラ・ヤマトしかいない。一番こういうのが大好きそうなコウ・ウラキは「近接戦闘特化の機体か」とガンダムエクシアやガンダムファイターにも言うような台詞しか言わない。ゼロシステムにしろ、エピオンの設計思想にしろ、君の守備範囲じゃないのか!?
(おそらくストフリに乗り換えたキラは、同じく玄人用機体で相方に多大な負担をかけるMSのパイロットということである種のシンパシーを感じているのかもしれない。もっとも、そのシンパシーをどうとらえるかは、ミリアルド次第であろうが。)

また、援誤で有名なセシール氏のこの動画では当時解禁されたばかりのキュベレイMk-II(赤)に関連した以下のネタが投下されていた。

ミリアルド「格闘無いとかｗｗｗｗタンクですかｗｗｗ」
プルツー「射撃無いとかｗｗｗｗ盾が壊れたギャンですかｗｗｗ」

編集者注：プルツーモデルのキュベレイMk-IIには格闘がない。完全な射撃特化の機体である。

ガンダム無双シリーズ

至って普通の機体。ネタはあることはあるがエピオンと言うよりパイロットたるミリアルドのネタである。
ハマーン・カーンからは「接近戦しかできない欠陥品」呼ばわりされている。…が、無双シリーズではそれでもさほど問題はなかったりする。

関連動画

関連商品

バンダイさん、エピオンのMG早く出してくださいよ。

関連項目

• ガンダム / モビルスーツ（MS）
• 新機動戦記ガンダムW
• ウイングガンダムゼロ / ゼロシステム