『劇場版名探偵コナン』とは、青山剛昌による漫画『名探偵コナン』の劇場版アニメ映画シリーズである。
また、本記事は『名探偵コナン』の劇場版シリーズの一覧である。
概要
第一作『時計じかけの摩天楼』が1997年4月19日に公開。以後、毎年ゴールデンウィーク頃に東宝によって劇場版がロードショーされている。
劇場版というだけあって、原作やTVシリーズよりも規模の大きな事件が発生し、多くの場合は連続殺人事件が題材となる。また、ミステリー要素に加えて、派手なアクション要素が組み込まれる。
タイトルは「○○の●●」という形式で、後半の●●は漢字表記で英語のルビがふられることが多い。同時期に同じ小学館集英社プロダクション制作で展開されていた『劇場版ポケットモンスター』シリーズのそれとどこかセンスが似ている。
製作開始から20年を数える長寿シリーズとなっているがその人気はいまだ高く、17作目以降から最高記録の更新を続け、22作目に至っては90億円以上、26作目で悲願の100億円突破という高い興行成績を出している。2019年に公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』が全世界各国で興行収入1位を獲得する中、日本だけがコナンで興行収入を圧倒するいう部分に、その国内人気の高さが伺える(なお、その『アベンジャーズ』とのコラボポスターまで制作された)。
主題歌では、1作目はポリドールが、2作目から15作目まではビーイング(後のB ZONEグループ)が担当し、テレビアニメシリーズを担当してきたレコード会社が劇場版でも主題歌を担当することが慣習となっていた。16作目以降はこういったしがらみは廃止され、各々のレコード会社が担当することになった。
タイトルリスト
備考
- 新登場キャラに関しては台詞つきの登場人物のみ記載(冒頭シーンのジンやウォッカなどが該当するため)。ただし、真犯人やゲストキャラクターなどは除く。
- 工藤新一は冒頭シーンや回想シーンにて毎回登場している。第7作においては、ある方法で一時的に幼児化が解けた新一が本編に登場するため、これを代表として記載した。
- 第10作における白馬探はキッドの変装であり、本人ではない。キッドは他の作品ではほとんど新一に変装している。
- 『戦慄の楽譜』からは本編の前日譚や後日談にあたるオリジナルアニメも制作されており、『11人目のストライカー』まではOVAだったが、『絶海の探偵』からはTVシリーズの1話として放送されている。本編で特に回収されなかった伏線や回想シーンの真相などはこちらで描かれており、映像ソフトの限定版にも収録されている。
- 『緋色の弾丸』からはおさらいとしてTVアニメの特別編集版が事前に上映されるようになった。放映時から一部の映像が修正されている。『ハロウィンの花嫁』に関しては、劇場公開ではなく金曜ロードショーにて音声新規収録の『本庁の刑事物語 ~結婚前夜~』が放送された。これらはそれぞれの映画本編の映像ソフトの豪華版に収録されている。
劇場版名探偵コナンのお約束
- とにかく爆発する。推理ミステリーというよりはサスペンスアクション。京都の街やイージス艦が爆発で損傷するのは日本的にマズかったのか爆発しないと逆に驚かれる。
- 「しんいちぃぃぃぃぃぃ!!!」「らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」。なおコナンと灰原の中の人にこのことをネタにされた。
- ターボエンジン付きスケートボード、伸縮サスペンダーなどの漫画本編での使用頻度が低い道具の酷使。回を重ねる毎に超性能になる道具も出ている。
- ハワイ万能説
- 犯人は毛利小五郎
- 不穏なプロローグ→メインテーマと共に、CGを駆使した派手なタイトルコール→新一=コナンによる自己紹介…というオープニングが恒例となっている。
「俺は高校生探偵、工藤新一。幼なじみで同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、 黒ずくめの男の怪しげな取り引き現場を目撃した。取り引きを見るのに夢中になっていたオレは、背後から近付いて来る、もう一人の仲間に気付かなかった。オレはその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら(←ここまで新一 ここからコナン→)体が縮んでしまっていた!!工藤新一が生きていると奴らにバレたら、また命を狙われ、まわりの人間にも危害が及ぶ。阿笠博士の助言で正体を隠すことにしたオレは、蘭に名前を聞かれて、とっさに江戸川コナンと名のり、奴らの情報をつかむために、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ」
という文章を暗記できている人も少なくないはずである。ここから先は映画ごとに若干異なるが、映画に登場する博士の発明品紹介、工藤新一の正体を知っている人物の紹介、映画に登場するゲストキャラ(服部やキッドなど)の紹介が入り、最後は
で締める。このときに流れるメインテーマは、作品ごとに多種多様なアレンジが施されており、聞き比べてみると面白い。
- エンドロール後には、短いエピローグ(初期はギャグ調のものが多かったが、最近はまじめな雰囲気のまま終わることも多い)と、次回作の特報が流れる。「製作決定!」というだけのもので、内容には一切触れられず、次回作のテーマとなるものが表示される(例:『水平線上の陰謀』では大きくうねる海上のCG)。ここで与えられたわずかな情報から次回作の内容を予想するファンも多い。
- エンディングに映画の舞台の地域(場所)の実写映像が使われる。なお、この部分は金曜ロードショー(日テレ系地上波放送)での2回目以降のテレビ放映時に高確率でカットされるので、実況が大変荒れることがほぼ様式美的なお約束。(2010年代後半以降、地上波初回放送限定で若干短縮版された編集版が流れるようになった(「ハロウインの花嫁」以外)。なお劇場版初期の地上波放送時は、EDはノーカットだったのに対し、本編が一部カットされていたという逸話もある)
- 毎回、いずれかの登場人物からクイズを出題される。ほとんどの場合、阿笠博士が誰も待っていないのにも関わらず「さぁ、お待ちかねのクイズの時間じゃ」といって出題する。回答者の多くは少年探偵団のメンバーであり、コナンや灰原が解説を担当する。探偵団からは通称「ダジャレクイズ」と呼ばれている。(「紺青の拳」ではコナンが腕時計を見ながら「え、もうやるの?」とツッコんでいた)
- 一般公募の子供と一部のゲストタレントによるハイパー棒読みタイム。
- 服部平次のバイクによる追跡劇、そして服部が怪我をする。
- クライマックスでは基本的にコナンが犯人と一対一で対峙する。そのため、腕時計型麻酔銃と蝶ネクタイ型変声機を使用した恒例の推理ショーはほとんど行われないが、毛利小五郎が2回、妃英理が1回、その被害に遭っている。
- 爆発物の製造に長けた一般人(犯人)が多い。しかも一人では設置不可能であろうと思われる場所に普通に仕掛ける設置技術持ち。
- 国家テロ級の建物や施設破壊、数千億円以上もの経済損失を出す経済テロを一個人(犯人)が平然と引き起こす。事件のスケールは『ダイ・ハード』とかと比べてもそんなに変わらないレベル。なんなら5作目はモロにダイ・ハードのオマージュだと言われている。
- 事件の規模と反して犯人の動機がしょぼい。
- 黒尽くめの組織メイン回以外では、他作品で有名なキャラのCVを担当した声優さんの大半が犯人役を担当したりする。(一部TVアニメ会も該当)
- 犯人が発覚すると、整形手術でもしたかの如く顔が変わる。
- 黒の組織が登場する映画は原作との兼ね合いから殆ど組織がらみのストーリーが動くことはない。しかし、映像的な迫力を出すためか、一切の証拠も痕跡も遺さないという大原則を破って、明らかに証拠が残りそうな大破壊を平然とやってしまっている。
- 『異次元の狙撃手』以降は、まだアニメ化されていない原作エピソードを踏まえた重大な秘密が明かされるサプライズや、原作に先駆けて新キャラが登場するなどがほぼ恒例化している。
- コナンのスケボーの技術やキック力、蘭の格闘能力などが段々異常化してきている。ゴルゴ13も真っ青な距離からサッカーボールを正確に打ち込んだり、到底、小学生程度の体格では不可能なアクションも平気でやってのける。もう工藤新一に戻る必要ねえんじゃあねえのか? ただでさえ福山雅治に「実写でできないのが悔しい」と言われるほどまでになったのに更に素手での戦いならYAIBA(※バトル漫画)の面子を凌ぐ異常な破壊力の京極も劇場デビューし、インフレ化により拍車がかかることだろう。ちなみに京極は原作者公認の黒ずくめの組織とタイマンできる男である。
- シリーズを重ねる毎に推理ものとしての要素は控えめになり、『ワイルド・スピード』や『トランスポーター』のようなバトルアクションムービーとしての色合いが濃くなっている。
- 原作者の青山剛昌が作画を担当するシーンが毎回数カットあり、通称「青山作画」と呼ばれる。主要キャラの重要な場面やキメのシーンなどを担当している。
関連動画
関連項目
脚注
親記事
子記事
兄弟記事
- 赤井秀一
- 阿笠博士
- APTX4869
- 安室透
- 上原由衣
- 江戸川コナン
- 京極真
- 黒の組織
- 小嶋元太
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- 犯人は毛利小五郎
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- 名探偵コナンのオープニング一覧
- 名探偵コナンの警察関係者一覧
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- 毛利小五郎
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