T田一提督の事件簿とは、MikuMikuDanceモデル(艦これMMD)を使用した、
艦これMMDドラマシリーズである。作者はヤサユキ氏。
概要
少年マガジン連載の漫画『金田一少年の事件簿』、特にその初代ドラマ版をリスペクトした
「艦これ&推理・ミステリー」作品。
T田一 はじめ提督が着任先などで起こる事件を解決していく。
また、ドラマ版ベースということで投稿時間が土曜日の21時とお約束の時間となっている場合も。
なお、ミステリー作品ゆえ作中で発生した事件またはその原因となった過去の出来事等で
お気に入りの艦娘が犠牲になったり、ターゲットにされるに足る悪意ある行動とっていた
といったことがありえるためそのことは事前に覚悟しておくこと。
無論、犯人だった場合についても…
登場人物
事件簿
各話冒頭の登場人物表およびBGMは初代ドラマ版に準拠している。死亡した場合も同様に準じて「Dead」表記になるが、死亡せず重傷にとどまる場合は「Wrecked(大破)」と表記される
※ネタバレ部分は反転
Case.1 轟泣島の怪事件
初期艦の深雪がいる鎮守府に新司令官として転属してきたT田一はじめ。しかしその鎮守府が位置する場所は、かつての大戦の折に多くの艦娘が沈んだ曰く付きの島『轟泣島』であった。そして、その轟泣島に出現するという『幽霊戦艦』の仕業と思しき艦娘襲撃事件が発生してしまう…!
- 長門
鎮守府の代表(仮)を務める戦艦娘。はじめが来るまでは、提督代理として指揮を執るなどしていた。
一見真面目そうだが、実はかなり質の悪いながもんであり、公然と睦月にセクハラを働くほか、ローマの着任を口実に自身の部屋を駆逐艦寮に移している。その行動はとどまるところを知らず、ついには睦月を脅迫して強制わいせつを働くというゲスっぷりを露にする。しかしその行為の最中に何者かにボウガンで殴られ、重傷を負った状態で発見される。
武器とされるボウガンは戦艦娘でなければ一人では持てない代物だが、犯行時刻には戦艦娘全員にアリバイがあり…?
半年前に轟沈事件が発生した際には、秘書艦を務めていた。このため、一部の者からは事件の原因と目されている。
…が、実は半年前の事件の際には睦月と代わって秘書官を外れていた。
睦月を襲った際、半年前の事件で轟沈した艦娘について「あいつが沈んだおかげで艦隊が引き締まった」「沈むくらいでしか役に立たなかった」と酷く愚弄するような発言を放っており、これが山城の怒りのトリガーを引くこととなる。
意識を取り戻した後は、一応自身の行いについて反省の色は見せたものの、睦月の心情に一切配慮せず襲撃犯を目撃したはずの彼女を問い詰めるよう求めるなど、最後まで自分勝手なままであった。
当然、これらの行為がタダで済まされるわけもなく、最終的に左遷処分を下されることとなった。
- 大淀
艦隊の任務管理を行っている軽巡洋艦娘。『幽霊戦艦』にボウガンで撃たれ負傷し、第二の被害者となる。その際に現れた『幽霊戦艦』ははじめたちも襲撃したが、その後ボウガンだけを残して忽然と姿を消した。そのボウガンは、深雪か大淀でなければ開けられない地下倉庫にあったはずなのだが…?
長門同様に半年前の轟沈事件の際に秘書艦を務めていた。
実はボウガンで撃たれたわけではなく、手で直接矢を突き立てられていた。犯人はその後、昏倒した大淀が持っていた鍵を奪って倉庫からボウガンを取り出し、『幽霊戦艦』の変装をしてはじめたちの前に現れたため、あたかも大淀がボウガンで撃たれたかのようなミスリードが為されることになった。
幸い、後遺症はなく回復している。
長門と違って一切非はなく、半年前に秘書官であったというだけで襲われてしまった可哀想な人。
- 金剛
戦艦娘。海外生活が長かったため他人との距離感がバグっており、赴任したてのはじめにいきなり抱き着いたりした。犯行時刻とされる11時には鎮守府を歩いており、それを目撃した駆逐艦娘がいるというアリバイがあった。
睦月の証言中、急に体調不良を訴えて席を外すが…
実は、はじめの前任の提督との結婚を控えていたが、半年前に轟沈事件が起きその提督が引責辞任したことで立ち消えとなっていた。そのため、当該事件の原因と噂される長門に対して密かに恨みを抱いているかのような描写がある。
事件を通じて、その前任提督である深見と再会。最終的によりを戻すことになる。
左遷された長門に代わって自動的に鎮守府の代表となったが、自身はあくまで繋ぎと考えており、山城が復帰した際には彼女に代表を任せることを考えている。
- 山城
戦艦娘。言わずもがなの姉様LOVE。犯行時刻とされる11時頃には夜食を作っていて、その際に大淀と会っているというアリバイがあった。
ドライな性格であり、物言いも厳しいため、艦隊内での評判はあまりよくない。
が、実際は誰よりも鎮守府の仲間を大事に思っており、厳しい物言いも轟沈してほしくないという一心から出た物。
その正体は、真犯人『幽霊戦艦』。長門の事件の際、睦月の部屋の時計がずれていたことと大淀が11時に寮に帰る習慣を利用してアリバイを手に入れたが、睦月が襲われた際に着用していた水着に指紋が付着していたことが決定打となり、真犯人であると暴かれることとなる。
着任以降、とある艦娘に慕われ続けており、山城もそんな彼女を非常に可愛がっていたが、半年前の事件でその艦娘を失ってしまう。しばらく悲しい気持ちを押し殺していたが、事件の日に上記の長門の発言を耳に挟んだことで怒りが爆発し、衝動的に長門を襲撃。さらに、それと同時に「長門たちによって故意に沈められたのではないか」という疑念にかられ、当時の秘書官であった大淀も襲撃した。
真相が暴かれると、自身の行いを悔いて自殺を図るも、睦月に真実を伝えられて止められる。その後は処分を受けることとなるが、傷害止まりであったことや被害者にも非があったことからか、妙高の見立てでは近いうちに復帰できるとのこと。また、復帰の折には金剛から鎮守府代表を託される見込み。
- ローマ
戦艦娘。イタリアから1か月前に着任したばかり。
犯行時刻とされる11時には、本国にいるリベッチオと通話していたというアリバイがあった。
本国であるイタリアが激戦区と化し、艦娘の轟沈が相次いだため、戦力補填のための引き抜きを目的として派遣されてきた。
が、実際は資材不足で作戦が滞っているだけであり、資源調達要因となる艦娘の見繕いをしに来ただけであった。つまり、上記の内容は長門が睦月を脅迫するための真っ赤なウソ。
- 鷹頭洋頭(たかとう・ひろみち)
鎮守府に出入りしているクリーニング屋のお兄さん。1週間前から鎮守府を担当しているとのことだが、その割には鎮守府の内情にやけに詳しく…?
その正体は、半年前の轟沈事件を機に辞任した、はじめの前任の提督。本名は深見洋次郎。半年前の事件を機に鎮守府から忽然と姿を消していたが、その後もクリーニング屋として艦娘たちを見守っていた。
事件を通じて、金剛とよりを戻すことになる。
どこぞの地獄の傀儡師を思わせる名前から、怪しむ視聴者も多数いたが、最後まで単なるいい人であった。
Case.2 駆逐艦娘料理大会の惨劇
駆逐艦娘料理大会の審判として呼ばれ、出場者である如月とともに会場である横須賀鎮守府を訪れたはじめ(と、ついでについてきた深雪)。出演者同士の因縁や八百長未遂など不穏な空気はあれど、大会はつつがなく進行していく。だが…
-『神聖な料理大会を汚した者に制裁を』-
この犯行声明とともに『審判料理人』を名乗る何者かにより、関係者たちが次々と襲われていく…!
ネームドの艦娘の死者が出た初めての事件。
- 如月
はじめの艦隊に所属する駆逐艦娘。睦月たちが勝手に応募したため料理大会に参加したが、料理は得意であるため決勝まで進出した。
しかし白露の罠にかかり、自身の料理が焦げてしまったため棄権せざるを得なくなってしまう。
- 赤城
大会の主催者である空母艦娘。一航戦の航空母艦とあってか軍内での地位が高く、大本営にも顔が利く。また、キノコ料理の権威でもあり、キノコに関する本を何冊も出版している。
第三の被害者で、3日目の昼に外部へ連絡しようとした際、電話ボックスに仕掛けられていた爆弾が爆発したことで重傷を負う。犯行声明文によると、本来狙われていたのは秋雲であり、それに巻き込まれてしまったようだが…
実は、最初から犯人に狙われていた。その本性は、自身が築き上げた社会的地位を維持することしか考えていない、極めて汚い大人。自身の見誤りのせいで朧が倒れた際には、キノコ評論家としての権威に傷がつく恐れしか眼中になく、そのために彼女の処置を遅らせた。さらに、朧が味覚を失った際には、自身の軍部での立場を盾にして真実を黙殺するよう脅迫。挙句の果てに、朧の自殺を喜んで彼女を愚弄するような発言をするなど、ゲスの極みとしか言いようがなかった。
命には別条がなく、罪に問われることもなかったが、真実がすべて明らかにされたことにより、何よりも大事にしてきた社会的地位が崩れ去ったことは、彼女にとって最凶の罰になったであろう…
- 間宮
大会の審査委員長を務める補給艦娘。港の近くで食事処を営んでいる。
白露たちの買収を密かに受け入れており、その報酬で自身の店の二号店を出すことを計画していた。
第二の被害者で、2日目の夜、少し外出した隙に何者かに殴られ、拘束される。その後、頭に袋をかぶせられ、窒息しかけの状態で発見された。
その本性は、赤城同様自分の店のことしか考えていない自己保身第一主義者のクズ。朧が倒れた際にも、自身の店の評判に傷がつくことを嫌ってわざわざ彼女を鎮守府跡に移動させてから救急を呼んでおり、結果処置が遅れることとなった。その後は、赤城の脅迫に加担したばかりでなく、朧の自殺を喜んで「あの子が自殺した祝い」などとのたまう始末。さらに、朧が倒れた際の真相に関する悪評を鳳翔の店になすりつけており、とことん擁護のしようがない。
八百長に加担してまで二号店を出そうとしていた自身の店だが、今回の事件で真実が暴かれたことにより、二号店はおろか一号店すら風前の灯火となるであろう…
- 鳳翔
審査委員を務める空母艦娘。間宮同様、港の近くで居酒屋を営んでいる。
過去に白露の買収に応じなかった結果、店のデマをSNSで拡散され、店の評判がガタ落ちしたことがある。今回、そのことをダシに再び白露に脅迫されるも、毅然と断っている。
実は、過去にデマを流されたのは、間宮の店で起きた朧の毒キノコ事件を押し付けられたためであった。
今回の脅迫の件もあり、一時はやむなく店をたたむことも考えていたが、事件後に和解した白露と初霜が助っ人に入ってく
れるようになったこともあってか、無事に店は継続できているようである。
- 初霜
大会のアシスタントを務める駆逐艦娘。自身が研究したレシピ帳を白露に盗まれており、被害を訴えても聞き届けられなかったという辛い過去を持つ。そのため、高い腕前を持ちながら大会には参加できずにいる。
実は、レシピ帳を盗まれたことは誰にも話しておらず、白露がかつてのような優しい人物に戻って自ら返してくれることをずっと
待っていた健気な子。
事件後は無事に白露と和解し、二人で仲良く鳳翔の店を手伝っているようである。
- 白露
駆逐艦娘。決勝進出者の一人。昨年に別の料理大会で優勝しているが、微妙にケチがついている模様。
自身が一番を取るためには手段を厭わない外道であり、初霜のレシピ帳を盗んで流用しているほか、間宮や鳳翔に脅迫じみた買収を仕掛けている。さらに如月に罠を仕掛け、棄権に追い込んだ。もはや黒露
このように多方面から恨みを買うような行為を繰り返したため、残当というべきか真っ先に狙われて第一の被害者となり、毒を盛られたカレーを口にして吐血・昏倒した。
実は犯人の本来のターゲットではなく、如月の棄権というアクシデントにより事故で毒入りカレーを口にすることになってしまった。が、あまりにも狙われるにふさわしい人物だったので、全く違和感がなかった。そのため、他の犯行声明文がワープロ打ちだったのに対し、彼女の犯行声明文のみチラ裏だった上に手書きだった。
本来は人を陥れたりする人物ではなく、純粋な料理好きであったが、スランプに焦るあまり初霜のレシピ帳を盗んだあたりから手段を厭わなくなっていったようである。おそらく、一度外道な手段に手を染めたことで、なし崩し的にそうした行為に対する躊躇いが無くなっていってしまったのだろう。
死にかけて懲りたのか、事件後は鳳翔・初霜と和解。以前のような思いやりを取り戻し、鳳翔の店で手伝いをやっている。
- 秋雲
駆逐艦娘。決勝進出者の一人。昨年の準優勝者。
白露同様、手段を選ばないクズであり、彼女と組んで買収、時には色仕掛けも使っている。ただ、白露よりは良識があるようで、如月を棄権に追い込むことはさすがにためらっていた模様。
白露、間宮と買収に関わった当事者が立て続けに襲われたのを見て、次のターゲットは自分だと取り乱し、鍵のかかる本館へと閉じこもってしまう。それ以降、ずっと半狂乱のような状態のままだったが…
その正体は真犯人『審判料理人』。朧とは前回大会の決勝の際に仲良くなっていたが、自身が急用で行けなくなったキノコ狩りで朧が味覚を失ってしまう。赤城たちによる隠蔽の事実を知り公表しようとしたものの、朧に止められて思いとどまっていたが、朧が自殺し、そのことを関係者の3人(正確には赤城と間宮)が喜んでいるのを目にしたことで怒りが臨界点を突破し、復習鬼と化した。
3人が一堂に会する料理大会を決行の場と定めており、白露と手を組んだのも確実に決勝に進出するため。
全てが暴かれた後は、朧の後を追って自殺しようとするも、那珂に阻止される。連行される中、朧の霊が感謝の言葉を残して消えていくのを目撃。その表情は非常に穏やかなものであった…
- 天津風
駆逐艦娘。決勝進出者の一人。物陰で会話を盗み聞きしては怪しい目つきをしている。
実は赤城と同艦隊に属しており、そのコネで毎回決勝まで進出していた。それが噂になったため、コネなしでの勝利を目指そうとするも、そのために初霜のレシピ帳を覗き見ようとして白露や初霜に取り入ろうと試みるなど、決してクリーンな性格ではない。
実は、本来の3人目のターゲット。朧が毒キノコを口にしてしまったキノコ狩りにも参加しており、現場に居合わせていた。朧が倒れた際にはすぐに通報しようとしたものの、軍の上層部である赤城の意向には逆らえず、やむなく処
置を遅らせることとなる。その後は赤城直属
の艦隊に無理やり編入させられ、真実を言いたくても言えない状態にされてしまった。
事件後は所属先が変わり、しがらみのない艦娘人生を再スタートさせることができた模様。
- 曙
駆逐艦娘。決勝進出者の一人。
正義感が強く、白露らの妨害を見越した上で如月に忠告していたほか、買収の件を知った際には秋雲に激しく詰め寄っている。
味覚障害を苦に自殺した七駆仲間の朧の遺志を継いで料理を始めており、本大会にかける想いは並々ならぬものがある。
- 比叡
陸軍警察実習中の戦艦娘。無能刑事その1。
短絡的な考えですぐに犯人を決めつけようとするうえ、証拠は被疑者を拷問にかけて自白を取ればよいという、昭和の警察のような極めて危険な考え方をしている。それでも、聞き分けが良く、反論を受ければすぐに撤回するのでこれでもマシな方。
- 朧
前回優勝者である駆逐艦娘。前回大会の3か月後に自殺したらしいが…
前回大会の1か月後、赤城監修の元キノコ狩りを天津風とともに行ったが、そこで赤城の見誤りにより毒キノコを口にしてしまう。早急に治療が行われれば問題はなかったはずだったが、赤城と間宮の都合に振り回されたことで処置が遅れたことで、味覚障害が残ってしまった。
料理人にとって最も大事な味覚を失ったことで精神を病み、最終的に自ら命を絶つ。生前、艦娘を退役したら秋雲とともに自身の店を持つことを夢として語っていたが、それが叶うことはなかった…
間宮が襲撃された際、深雪の夢に現れて突如彼女の首を絞めた。これで目が覚めた深雪が出歩いた際に間宮を発見したため、間宮は窒息死を免れる。さらに、赤城が爆破された際も電話ボックスの横に出現しており、これに驚いて電話ボックスを飛び出した赤城は致命傷を回避することとなった。これらの現象についてはじめは、「秋雲に殺人犯になってほしくない一心からの行動では」と推測した。
事件後、鎮守府を去る秋雲に「ありがとう」の言葉を残し、成仏していった…
Case.3 T田一はじめての事件
-「これが…俺の初めての『事件』」-
時は遡り、はじめが新米だった頃のこと。初めて提督として鎮守府に着任したはじめは、そこで『深海の招き手』を名乗る何者かによる連続殺人事件に直面する。それは、はじめにとって最初の事件であった…
シリーズ初、殺人被害者が出た事件。
- 武蔵
戦艦娘。黒潮の事件が起きてすぐにこの事件が内部犯であることを見抜くなど、冷静かつ観察眼に優れている。はじめと協力して証拠集めや推理を行う、明智警視ポジ。
はじめほどではないものの、自力で真犯人にたどり着くなどかなり優秀ではあるが、ピッキングしてまで事件現場を勝手に調査しようとするなど独善的な一面もある。それに協力するはじめもはじめだが。
- 黒潮
駆逐艦娘。広島の駅ではじめと曲がり角でぶつかるというコテコテのラブコメ展開を経て出会っており、よさげな雰囲気で言葉を交わしていた。…が、生きている姿はそれが最後となり、次の登場シーンでは本館の執務室にて絞殺体となって発見された。発見される11時の少し前、10時半過ぎに行きつけの店に予約の電話を入れていたようだが…?
実は、その店の行きつけだったのは、黒潮の名を騙った名取。電話の正体も当然彼女であり、その時点で黒潮は既に死亡していた。
詳細な説明は荒潮の項に譲るが、荒潮の非道な計画に嬉々として乗ったシリーズ内でもトップクラスのクズ。早朝任務があるにもかかわらず夜遊びした挙句、それで叱責されたことを逆恨みするなど、軍人の風上にも置けない人物。というか、現実の軍隊でこんなことしようものなら間違いなく叱責では済まない懲罰ものだが…
- 能代
軽巡艦娘。黒潮が殺害された時間帯には、荒潮・照月とともに庭掃除をしていたというアリバイがある。また、10時半以降は荒潮とともに本館前に立っていたため、以降の時間は誰も本館に出入りできないとのこと。
なぜか、武蔵が現場を調査するたびに後から現れるが…?
別にこれといった意味はなく、2回とも単なる偶然だった模様。
- 荒潮
駆逐艦娘。黒潮が殺害された時間帯には、能代とともに庭掃除をした後、本館前に立っていた。
事件が起きた日の夜、自室で何者かにハサミで刺されて死亡。その際、「ナカ」というダイイングメッセージを残していたが…?
実際は「ナトリ」と書こうとしていたところ、最後の一画を書く前に力尽きた上、「リ」の一画目が「ト」の二画目と重なってしまったことで偶然「ナカ」と見えるようになってしまっていた。
その本性は、本シリーズどころか本家でも類を見ないほどの吐き気を催す邪悪。神通からダメコンを抜き取る計画を立案したのは彼女であり、それもほんのイタズラのつもりが轟沈に繋がってしまった、などと言った次元の話ではなく、最初から死なせる気満々であった。一応、直接手を下したわけではないものの、彼女の行為は「未必の故意」であり、故意に神通を殺害したと断言できるものである。
加えて、こうしたケースであるあるの「厳しくした真意が伝わらず、すれ違いの末に逆恨みで殺害されてしまった」といったことですらなく、神通の真意を理解しておきながら躊躇なく殺害している。
極めつけに、その動機は「自分が楽をするのに邪魔だから」というあまりにも身勝手極まりないもの。軍人でありながら「とにかく楽ができればいい」という怠惰にもほどがある性格であり、そんな彼女にとって生真面目で手厳しい神通は目の上のたんこぶであったために殺害に至った。
本家にもクズな被害者は数多くとも、ここまで浅はかな理由で故意に他人を殺めた人物はほぼ存在しない。
挙句、新たに着任する那珂が同様に厳しい人物であった場合には再び殺害することをもくろんでいたが、その際の黒潮との会話を名取に聞かれたことで、天罰が下されることとなった。
敢えて何か一つフォローするのなら、自分で直接手を下すわけではなく、死亡するのも見ていないところであるため、殺害しているという実感が薄かったのではないか…と言うことはできるが、正直何の擁護にもならない。
- あきつ丸
憲兵の手伝いをしている揚陸艦娘。無能刑事その2。
ダイイングメッセージなどの曖昧な証拠で那珂を犯人と決めつけ、はじめと武蔵に那珂犯人説の不自然な点を指摘されまくっても頑として考えを変えようとしなかった。とはいえ、この2人も現場に無断で立ち入ったり、断片的とはいえ未公表の事件の情報を外部に流出させたりと問題行動があるので聞く耳持たないのも無理ないが…
が、それを抜きにしても、普段から実務は部下にやらせて成果だけ自分のものにするなどといった典型的なクソ上司であったようで、占守からも嫌われていた。挙句、事件現場で賭けを始めた上に「真犯人を見つけなければ海軍から永久追放する」と言って提督を脅迫するという、憲兵にあるまじき行為に出る。
実務面でもシンプルに無能であり、捜査の基本である「面通し」を行っていなかったため、犯人の単純なトリックに引っかかって事件解決が長引くこととなった。
最終的に、はじめとの賭けに敗れて愛車のランボルギーニを奪われた挙句、これまでの愚行がバレて左遷される羽目になった。
- 占守
あきつ丸のサポートをしている海防艦娘。内心では上司の無能ぶりに辟易しており、あきつ丸側の人間でありながら密かにはじめたちに協力する。
- 神通
かつて鎮守府の軽巡リーダーを務めていた軽巡艦娘。半年前にダメコンの積み忘れが原因で轟沈しており、今回の事件は妹である那珂による復讐かと思われたが…?
生前は、他の艦娘たちのことを第一に考え続け、誰に対しても気配りができる非常に優れた人格者であった。しかし怠慢には非常に厳しく、叱り方や詰め寄り方がキツいという一面があったため、黒潮ら怠惰な性格の艦娘からは疎まれており、ダメコンの積み忘れというのも黒潮と荒潮がイタズラ感覚でダメコンを抜いたというのが真相であった。
Case.4 報復ペンションの怪事件
妙高が手に入れた旅行券で北海道へやってきたはじめ・深雪・妙高・皐月の4人。偶然居合わせた柏原鎮守府のエース部隊・水雷戦隊1班とともにペンション「バレーナ」に宿泊することになるが、そこで『6月の魔女』を名乗る何者かによる連続襲撃事件が発生する…!
現状、一切死者が出なかった最後の事件。
Case.5 艦娘鉄道部 北へ
深雪の旧友である電に会うため、再び北海道へやってきたはじめと深雪。その最寄り駅を通る「周海線」は鉄道マニアに人気であり、実際に鉄道愛好会の艦娘たちが訪れていた。しかし、『亡霊車掌』を名乗る謎の存在によって愛好会メンバーたちが次々と殺害される事件が発生。その背後には、1年前に事故死したある駅員の存在があるようだが…!?
- 夕張
艦娘鉄道愛好会の部長を務める軽巡艦娘。雨晴駅には昨年も訪れていたが、そこで何かトラブルがあったのか、地元民などとの接触を避けようとしている。
ドローンを使うという独自の方法で撮影を行うスタイルを取る。
北上の事件が発生した後、何者かに呼び出されて刺殺され、第二の犠牲者となった。
1年前、自分たちに対して注意してきたトラビスを逆恨みし、高所で作業している彼にドローンをけしかけるという悪質行為をした挙句彼を死に追いやっている。
- 北上
愛好会メンバーの雷巡艦娘。いわゆる撮り鉄であり、コンクールの最優秀賞を受賞したこともあるほどの腕前だが、一方でどこか後ろ暗い過去を抱えているようであり、かなり人目を気にしている。
那珂によると、無断で敷地に入るなどの迷惑行為が多く、マニアの間でも評判の悪いマナ悪撮り鉄であるとのこと。
食事会後、先に一人で抜け出して隣の勝川浦駅まで撮影に行っていたが、翌朝雨晴駅にて、トラビスの事故に見立てて重傷を負った姿で発見される。「今、勝川浦にいる」と言ったとたんに襲撃された瞬間の映像が、現場に落ちていた彼女のスマホに残されていたが…
実は勝川浦駅ではなく、雨晴駅で襲撃されていた。見立てが行われたのも、あたかも勝川浦で襲撃されたのを、見立てのために雨晴まで運んできたというように見せかけるため。
「勝川浦にいる」と言っていたのも本当は雨晴で撮られたものであったが、わざわざこのようなことをしたのは電を殺害するため。事件前に、1年前の出来事をほのめかす脅迫状を送られた彼女は、その送り主がトラビスの同居人であった電であると確信し、大井と組んで殺害計画を立てていた。そしてアリバイトリックのために写真を偽造するなど工作を進めていたが、計画を知った阿賀野によってトリックを逆利用される形で襲撃されたのである。
自分たちの罪に関する口封じとはいえ、無実の電のことを手にかけようとしており、同情の余地は無いと言える。死亡してはいなかったが、その後どうなったかは不明。
- 大井
愛好会メンバーの雷巡艦娘。夕張や北上同様、人目を気にする仕草が見受けられる。
何者かに電話で呼び出された後、刺殺された挙句吊るされるという惨い姿で発見される。第三の犠牲者。
現場に落ちていた彼女のスマホではスケジュール帳が開かれており、何かのダイイングメッセージかと思われたが…
やはりそれはダイイングメッセージであり、そこに記された日付・4月10日は『駅弁の日』、つまり駅弁マニアである阿賀野が犯人であることを示していた…
さらに、第二の事件の真犯人でもある。「北上が電に返り討ちにされるのを見た」と阿賀野に吹き込まれ、殺害の失敗だけでなく計画の露見のリスクまで発生したことに慄いているところで交換殺人を持ち掛けられ、それに応じてしまう。仲間だと思って油断していた夕張を躊躇なく刺殺したが、共犯関係と信じて疑わない阿賀野に簡単に呼び出され、あっさり殺されてしまった。
- 天龍
愛好会メンバーの軽巡艦娘。北上・大井とはなぜか険悪な様子で、何かといがみ合う。
やはり北上らとは仲が悪く、彼女たちの迷惑行為の被害をたびたび受けて辟易していた。実際、理由をつけて乗る電車をずらすほど。
第一の事件の際、1時間もの空白時間があったことと北上を嫌っていたことから、重要参考人として詰所に連行されるが、防犯カメラの映像で無実が証明された上、第二の事件のアリバイを得ることとなる。
- 阿賀野
愛好会メンバーの軽巡艦娘。駅弁マニアの食いしん坊。
はじめたちに駅弁を差し入れに来るなど、気のいい性格。ただ、鎮守府が同じでもある夕張とはかつて海外留学枠を巡って揉めたことがあったとのこと。
第二の事件の際には、はじめたちと一緒におり、完璧なアリバイがある。
その正体は、真犯人『亡霊車掌』。他人の殺人計画のトリックを利用し、交換殺人を持ちかけた上で丸ごと始末するなど非常に周到な手段を取っており、物的証拠を一切残さず鉄壁のアリバイも手にする完璧な犯行をやってのける。しかし北上が襲われた段階で「第一の事件」と口にしてしまうなど、早い段階でポロポロと発言にボロが出ており、それで犯人と疑われることとなる。それでも言い逃れは可能な範疇であり、決定的な証拠とはなっていなかったが、武蔵の誘導尋問に引っかかったことでついに完全に矛盾した発言をしてしまい、自身が犯人だと認めた。
口さえ達者であれば完全犯罪を成し遂げた可能性もあり、そういった意味ではシリーズ屈指の強敵。
1年前に死亡したトラビスとは恋仲であり、去年雨晴を訪れた際には逆プロポーズするつもりでいた。しかし、その当日に彼は死亡。直前にトラブルがあった北上たちとの関連を疑って脅迫状を出したところ、ビンゴどころか電まで手にかけようとしていることを知り、彼女たちを殺害することを決意した。
全てが暴かれた後は飛び降り自殺を図り、冥土への道でトラビスに再会するも、阿賀野が生き続けることを望んだ彼にあえて冷たく突き放されたことで一命をとりとめる。
復讐を完遂して本人は満足したようだったが、深雪らにも指摘されたように、トラビスが愛した鉄道を復讐の道具にした上に、彼が最も嫌っていた「鉄道の運行の妨げ」をしてしまっていた。さらに、脅迫状を送ったことで下手をすれば無関係の電が殺害されていた可能性があり、これらを加味すると彼女もまた被害者たち同様周りを顧みない独善的な人物になってしまっていたと言えよう。
- 隼鷹
愛好会メンバーの空母艦娘。飲み鉄であり、旅先の酒で一杯やるのが趣味。
第一の事件以外ではアリバイがなく、疑いの目を向けられるが…
Case.6 狙われたインフルエンサー
友人である三日月の誘いで恩師・日向が経営するペンションにやってきた深雪(と那珂と妙高)。そこには宣伝目的で、インフルエンサーとして名を馳せる艦娘のSNSグループも訪れていた。ところが、謎のメッセージとともに『深海のヴィーナス』によって艦娘たちが次々と手にかけられていき…!?
はじめが現場にいない、初の事件。
関連動画
マイリスト
事件1 轟泣島の怪事件
事件2 駆逐艦娘料理大会の惨劇
事件3 T田一はじめての事件
事件4 報復ペンションの怪事件
事件5 艦娘鉄道部 北へ
事件6 狙われたインフルエンサー
関連項目