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グフ

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MS-07B グフの胸像画。グフとは、機動戦士ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(搭乗型ロボット兵器、略称MS)の一つ。

ジオン公国軍の陸戦用モビルスーツで形式番号はMS-07、基本カラーは青色。主な搭乗者はランバ・ラル。「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」の言葉通り、ザクと比べて装甲・運動性が格段に向上している。

宇宙世紀以外を舞台にした作品では、機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場している。⇒グフイグナイテッド

概要

初出は初代機動戦士ガンダム第12話。敵側の新型高性能機という扱いでエースパイロットと共に登場し、ガンダムを苦しめた。ジオン軍内部の不和などいくつかの幸運が重ならなければガンダムは敗北していたとされる。

ジオン公国軍が陸戦用・対MS格闘戦用に開発した機体で、地上戦に特化した初のモビルスーツ。それ以前に使用されていたザクⅡJ型(ザクⅡを地上での運用に特化したもの)よりも装甲・運動性能が高く、地球重力下での戦闘に適している。
初登場時は新型の高性能機であることからか、エースパイロットで白兵戦を得意とするランバ・ラルが使用していたが、のちに多数登場するシーンによって量産化されたことが示唆される。また、最初に実戦で使用したランバ・ラルのパーソナルカラー*1が青だったため、量産化されたグフも同じ青色で統一された。これはフィルムの使いまわしから生まれた設定である。

また、グフを駆るランバ・ラルは人間味のあるベテラン軍人の典型としてロボットアニメの歴史に名を残しており、劇中でも軍人としてだけでなく人間としても経験豊富な大人として描かれている。彼に戦場以外の場面で人間味に触れた主人公のアムロ・レイは精神的に未熟な自分を鼓舞するように「あの人に勝ちたい」と吐露している。

ガンダムシリーズにおいては、ザクの次に出てきたMSであることとランバ・ラル隊のエピソードの印象深さから記憶に残っている人は多いが、陸戦用という設定が足かせとなり劇中での登場頻度は低い(作品後期では舞台が宇宙に移ってしまう為。ドムはリックドムとして終盤まで登場できたのとは対照的である)。

ザク、ドムやゲルググと比べてバリエーションも少ない。Zガンダムなどの続編でもグフベースの発展型は殆ど見られず、ガンダムシリーズにおけるグフの扱いはお世辞にも良いとは言えないものだった。この冬の時代は初代アニメから15年以上も続き、グフの再評価は1996年から始まったOVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」のグフ・カスタム登場まで待たねばならなかった(グフ・カスタムについては、該当の記事を参照)。

グフ・カスタム以前に登場したグフに近い機体としては、1995年に発売されたSFC用ゲーム「機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079」のMSイフリートがある。グフとドムの中間に位置する陸戦用MSであるが、これは初期設定ではグフと関連付けられておらず、発売後に上記の解釈が広まったものである。なお「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」にグフ・カスタムの代わりにイフリートが出る予定もあったという。

*1 ジオン軍には功績のあるエースパイロットが自分専用の色でMSを塗装できる制度がある

グフの兵装

近接格闘戦に特化しており、専用装備として実体の刀身を持つヒートサーベルと腕に装備できるグフシールドがある。また、固定装備として右腕のヒートロッド、左手に5連装75mmマシンガン(フィンガーバルカン)がある。ヒートロッドは腕部に収納可能な鞭状の武器で叩きつけたり絡ませたりして使用し、高圧電流を流すことが出来る。なお、ザク同様にマシンガンやバズーカを装備することも出来るが、固定装備の都合上火器の扱いは得意ではない。

グフの登場履歴

アニメおよび外伝的ストーリーを扱ったゲームに登場したグフと主なパイロットの簡単なまとめです。他にあれば追加・改変等お願いします(機体がカタログ的に登場するギレンの野望系SLGは割愛しました)。

  • YMS-07 プロトタイプグフ(MSV) ・・・グフの初期試作タイプ。ザクⅡJ型のパーツが随所に使われており、グフ特有の睨み顔でない、両腕の固定武装が無い、脚のパイプが露出している等の差異がある。
  • YMS-07B 先行量産型グフ(機動戦士ガンダム) ・・・ランバ・ラル大尉が使用したグフ。型番はのちに付け足された設定である。
  • YMS-07B マ・クべ専用グフ(MSV) ・・・ゴテゴテの悪趣味な装飾が施されたマ・クベ専用のグフ。式典用だが実戦参加も可能。
  • MS-07A 初期量産型グフ(ゲーム「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」) ・・・この段階ではフィンガーバルカンは装備されておらず、左手は通常のマニピュレーターとなっている。ゲーム中に説明は無いが、"荒野の迅雷"ヴィッシュ・ドナヒュー中尉の機体が時期的にこれであるとされる。
  • MS-07B 後期生産型グフ(機動戦士ガンダム) ・・・アニメで中盤に登場した量産機。また、MSVの設定で登場するエース・パイロットも使用している。
  • MS-07B3 グフ・カスタム(機動戦士ガンダム 第08MS小隊) ・・・ノリス・パッカード大佐が単騎で08小隊と戦った機体。ガトリングシールドを装備している。B3グフとも呼ばれる。詳細はリンク先を参照。
  • MS-07H グフ飛行試験型(機動戦士Zガンダム) ・・・MSVが初出だが、一年戦争後に連邦軍が接収して使用しているとしてZガンダムに数カット登場した。
  • MS-07H-4 グフ飛行試験型(MSV) ・・・MS-07Hの後継機だがメインエンジンの調整が難しく、エースパイロット・フランク・ベルナールがテストでこの機体に搭乗中に空中爆発、彼も帰らぬ人となってしまった。
  • MS-07H8 グフフライトタイプ機動戦士ガンダム 第08MS小隊) ・・・劇中でアプサラスⅢの護衛機として登場。小説版ではノリス・パッカード大佐も使用する。
  • MS-07C-3 グフ重装型(MSV) ・・・両手にフィンガーバルカンを装備、装甲を厚くした結果、グフの機動性が損なわれてしまった。
  • MS-07C-5 グフ試作実験機(MSV) ・・・これが描かれた当時はグフとドムの中間機体とされたが、現在ではグフの亜種とされる。
  • OMS-07RF リファイングフ(ゲーム「機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122」) ・・・初代ガンダムの数十年後の時代に作られたグフ。宇宙戦闘が可能。

  • ZGMF-X2000 グフイグナイテッド(試作型)(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
    ザフト軍が開発した新型試作機。重力下での飛行能力を持ち、宇宙戦も可能な強襲用MS。基本装備は宇宙世紀のグフと同種だが武装がビーム仕様になっている。ハイネ・ヴェステンフルスがパーソナルカラーで使用した。
  • ZGMF-2000 グフイグナイテッド(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
    ザフト軍の強襲用MS。量産化が見送られたため少数が指揮官・エース専用機として配備されるに留まった。劇中ではアスラン・ザラがミネルバからの脱走に使用した他、白カラーの専用機をイザーク・ジュールが使用した。
  • また、キラ・ヤマトの乗ったストライクルージュを性能差と機体数を武器に中破まで追い込んでいる。

※機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場したグフは物語の舞台が宇宙世紀とは全く異なるため劇中での繋がりは無い。

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関連項目

  • 機動戦士ガンダム
  • ランバ・ラル
  • ノリス・パッカード
  • ヴィッシュ・ドナヒュー
  • ザク
  • グフ・カスタム
  • ガンダムシリーズ一覧
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