災害とは、自然現象の変化や人為的な原因によって被害や損失を生じる現象である。
元々は自然災害を意味していたが、現代では人為的に起こされる多くの事象を含む事がある。
本項目においては防災・災用品・用語・救援物資なども記述する。
概要
災害には地震(震災)、津波、台風、火事(火災)、噴火や感染症などがあり、災害によって被害を受けた地域を被災地、被害を受けた者を被災者と言う。
「災害」の内、自然現象が原因で起こる災害(自然災害)を「天災」と呼び、人為的な原因による事故を「人災」と呼び、戦争や戦乱等によって被害を受ける「戦災」などがある。
災害被害を防ぎ軽減するものは防災(後者のみは減災)と呼ばれる。
海外における大災害においては、治安悪化によって暴動や略奪などの無法地帯と化す場合も珍しくない。[1]
災害前(平時・訓練)、災害発生中、災害発生後といった段階に分けて考える場合も多い。
対策
現時点で災害が起きていなくとも、居住地域おける危険個所・ハザードマップ、海抜や高台/高所、防災拠点等を確認する、家財等の転倒防止措置、水や食料等を備蓄をしておく、早期避難といった行動はいざという時に非常に役に立つ。災害に関する書籍は書店や図書館にあるし、関連用品を取り扱う店、ホームページ(後述)も多い。
被害
- 人命・健康・財産・自然
- 建物・施設(家屋・店舗・企業・官公庁・医療機関・文化財)
- 道路・線路・トンネル・橋梁・港湾・空港といった主要経路・輸送経路
- 電気・ガス・水道および関連施設
- 電話・インターネット・基地局といった情報通信関連施設
心身が無事でも、インフラ・ライフラインにも多く被害を出し物理的にも情報的にも混乱する。
副次的な被害・問題
- 身近な人の死や住居・勤務先などを喪失することで甚大な精神ダメージを受ける。
- 生活必需品や仕事道具、身分証を失うなど、現状復帰に多大な労力・時間・コストがかかる。
- 停電によって町中のATMや信号機・カード支払いシステム等が稼働停止する。またエアコン等の空調設備が稼働せず、真夏や真冬は熱中症・凍死といったリスクが跳ね上がる。
- 単純な断水のほか、停電で水を汲み上げる・送り出すポンプが稼働せず断水。
- 現地の医療機関は大幅な活動制限を余儀なくされる。トリアージによる患者の選別も必要となる。
- 基地局などの情報通信設備が被害を受け、連絡報告や情報収集すらままなららない。
- 道路が破壊されたり水没、瓦礫で塞がれる事で復旧・物流・救命活動が妨げられる。(後述)
- 洪水や震災による水没・落下や転倒による破損など、施設や店内の設備、商品が価値を失う。
- エレベーター等に閉じ込められる被害も起きる。
- 治安維持組織・自警団などが十分に機能していない場合、犯罪行為を行う輩も出てくる。
- デマ拡散・偽情報などが出回ることで風評被害などが発生する。(後述)
- 震災など、交通機関の停止によって被災地以外にも帰宅難民が発生する。
- 津波によって多数の障害物が浮遊/水面下・海岸に堆積[2]することで船舶類による港湾や砂浜への輸送が阻害される。
- 修繕やその資材など、被災者の弱みに付け込んだボッタクリ価格の悪徳商法を行う輩がやってくる。
- 被災地以外からの粗大ゴミを持ち込み、被災地のゴミ集積場やガレキの中に投棄する。
- 募金詐欺などの外道なパターンもある[3]。
…など、書ききれないほどの付随被害を及ぼす。(他にもあれば追記してください)
予算不足による装備性能不足から、公式の災害派遣側の本領発揮できない、万全を期す場合は個人が必要な道具を(給与の少ない隊員であっても)高額実費負担するといった問題もある。
自衛隊、能登半島地震で〝極寒災害派遣〟 装備品や交通費の自己負担問題、塹壕足や踏み抜き事故のリスク 隊員の待遇改善を(夕刊フジ) - goo ニュース
現地へ駆けつける前に
道路や橋・線路が破壊されたり、瓦礫・走行不能な事故車両によって通行可能な道路が制限され、右往左往したり通行可能な経路へ車両が集中することで大渋滞を起こしやすい。損傷の激しい橋梁や山道を知らずに通れば二次災害も起こりうる。
緊急車両・支援車両以外の通行制限・給油制限などが行われる場合もあり、ボランティアであっても現地に無計画に乗り込めば本来の支援車両を巻き込む大渋滞を引き起こすため「何が何でも急いで行けばよい」という訳ではない。道中でガス欠を起こせばただの障害物となってしまう。
ボランティアも大変
ボランティアに駆けつければ、復興作業など被災者には心強いことだろう。
率先してボランティアに駆けつける方々にも頭が下がる。
「じゃあ私も」と思ったあなた、だがちょっと待ってほしい。
忘れてはいけない点がある。
大規模災害においては様々なインフラが破壊されており
被災者はもちろん、ボランティア側にも多大な負担を強いられる。
ボランティア側は自らの水・食料・生活の面倒まで見ながら作業を行う必要がある。
必要物資が不足しても、現地調達を期待してはいけない。
- 断水:トイレが使えない、汚れても手や体を洗うことができない。調理も困難。
- 停電:夜は真っ暗、電気調理器は使用不可、スマホの充電も不可能。
- 基地局などが破壊:スマホは圏外となり、電話もメールもSNSもソシャゲも何もできない。
- 物資の不足。
- 医療機関等が被害を受けていれば、怪我や病気などで手当てが受けられない、遅れるかもしれない。
- 真夏は熱中症や脱水症状に虫、真冬は地方よって積雪もあり過ごしやすい状態とはいえない。
- 万全を期せばそれなりのコストがかかる。
偽情報に要注意
現地の混乱から憶測やデマが飛び交いやすい。
情報が伝わる合間に勝手に憶測に憶測が足されることで
「××っぽい」→「××かもしれない」→「××らしい」→「××である」→「××なので拡散希望」と
勝手に確定情報にされるなど、尾ひれがついた根拠(ソース)のない偽情報が【拡散希望】の名を借りて飛び回った事例もあるため、いかに気になる都合の良い情報でも出所を調べるなど冷静な判断対応が必要となる。
重要な情報であれば国や都道府県、市町村の公式サイトで明記される。
適切な根拠(ソース)のない情報はいくら真実のようでも要注意である。
善意で悪気がなかろうと、安易にそれ(拡散)に便乗すれば被災地を足蹴にしているのと変わりない。
SNSなどで架空の救助要請を発信する[4]、閲覧数稼ぎに利用するといった問題も浮き彫りとなった。
何かを送る前に
災害で致命的な被害を受けた被災地は食料・飲料といった物資不足に見舞われる事が多い。
ボランティアには行けなくとも、被災地に何かを送ることはできる。
「何か送らなきゃ!」「私たちにもできる事を!」と思った方もいるだろう。
何かを送るのであれば、とにかく何でも送れば良いわけではない点に注意。
「被災地で現在必要とされているニーズに合ったもの」を。
「××は最初は不足していたが、今は多すぎる…」といったケースもある。カセットコンロだけあっても、ガス缶が足りなければどうなるか?という事である。不衛生な古着などを適当に詰めて送るなど、都合の良い在庫処分をしてはいけない。被災地の受け入れ可能状況も重要である。
「内容物・数量・賞味期限を書く」事も重要である。
現場の人間は、ひとつずつ悠長に仕分けしている暇がない点も考慮したい。莫大な量の支援物資を、広範囲の市町村へ過不足なく配布するのは大変である。積みあがるほどの量の段ボール箱一つ一つを丁寧に開けて見る暇はない。
当たり前だが、千羽鶴など現地で「何の役に立たないもの」は送ってはいけない。
関連動画
防災用品・あると良いもの
防護・情報飲食 |
健康・医薬品衛生 |
照明・電源その他 |
- 一部は防災訓練などで体験・試食などが可能な場合もある。
- 避難・行動時には両手の塞がらないリュックサック等が便利である。
- ひとつで多目的に使える道具などは便利。(サランラップ・防災ラジオ・ポータブル電源など)
- アウトドア・キャンプ用品がそのまま流用できる場合もある。
- 新規に購入しなくとも、既に家にあったり安価なものは揃えやすい。
- 給水車から水の配給を受ける水タンクは、折り畳み式のかさばらないものもある。
- アナログな手段も用意しておく。
- 非常食については賞味期限等にも注意。
- 懐中電灯などはサイズ・使用電池・連続点灯時間によって差があるものの、外出時に小型軽量の品を忍ばせておく手もある。
【防災グッズリスト】実際に役立ったものは?専門家と被災経験者が解説 - マネコミ!〜お金のギモンを解決する情報コミュニティ〜 (tmn-anshin.co.jp)
救難信号
- 閉じ込められた際など、3回ずつ半規則的な音を出すことでSOS信号になる。(→SOS)
- 発炎筒を炊く、上着を脱いで大きく振る、地面・屋上に大きな文字を書くといった手段もある。
- 反射光で合図を送る。
- 二次災害を防ぐため、周囲の安全を確保したうえで合図・待機を行う。
分類
種類 |
組織現象・トラブル |
用語 |
問題 |
関連リンク
内閣府防災情報
関連項目
- 被災地
- 防災行政無線
- 災害用伝言ダイヤル
- 日本で起きた災害の一覧
- ニコニコ災害対策本部
- 防災の日 / 防災訓練 / 防災公園 / 避難訓練 / 防災士
脚注
- *軍隊や警察によってスーパーマーケットや物資貯蔵施設が警護される場合もある。
- *海上に浮遊する障害物はもちろん、水上から見えない水中の障害物は脅威。(スクリューに絡まる、激突・座礁してしまうなど)
- *街頭とは限らず、ネット上で行われる場合もある。(募金詐欺自体は災害以外でも行われる)
- *救助を求める投稿を見た大勢が消防へ通報するなど。
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