翔鶴(しょうかく)とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する艦娘である。
旧日本海軍の航空母艦・翔鶴をモデルにしている。
一航戦二航戦の先輩方に少しでも近づけるように、
瑞鶴と一緒に頑張ります!
翔鶴型航空母艦一番艦、翔鶴です。
2013年5月15日のアップデートにおいて妹の「瑞鶴」、長良型の「鬼怒」「阿武隈」と同時に実装された。2013年5月17日からのイベント「敵泊地に突入せよ!!」のE-3ボス報酬で先行配信された。
レアリティは金背景(通称金レア)。レベル30で改造する事で虹背景(ホロレア)になる。入手手段が現在では通常建造か、4-4,5-1,5-3,5-4,5-5等でのドロップ、またはイベント海域となっている為、レアリティの割に入手は難しめ。終盤の高難易度海域でしかドロップが確認されていないので、序盤・中盤辺りにいる提督が入手するには建造に頼るしかない。しかし建造でも中々入手できず、あまつさえ空母レシピは資材を多く必要とするため、入手には根気と時間と大量の資材と強運が必要となる。
その一方で大型艦建造でも出る。こちらでは大鳳狙いの際に結構出ると言われており、通常建造よりも入手出来る確率は高いようである。無論、かかる資材は通常建造の比ではないので熟考してから回そう。
ただし、最初に実装されたときは5月に行われたイベントの3面クリア報酬だったので、当時からプレイしていた提督には持っている者も多い(最初のイベントを経験している提督はかなり希少だと思われるが)。
性能としては極めてバランスに優れた艦載能力と、高速性を表したのか高い回避性能を誇る。同型艦の妹分「瑞鶴」と運以外は全て同じステータスとなっている。
ちなみに、姉妹艦・瑞鶴のあおりで不幸イメージが付きまとう翔鶴であるが、彼女自身の運は10(改造して12)とごく普通の水準であり、ステータス的には別に不運でも何でもない。逆に、まるゆによる運改修を重ねて限界まで運を成長させると、瑞鳳・瑞鶴・飛龍といった幸運空母が並ぶ運89に到達できるという、潜在的超幸運艦である。これを超えるのは雪風・長門・初霜改二・ウォースパイトの4隻のみで、他に幸運艦として名高い時雨や伊58でさえも79止まり。
性格は真面目かつ儚げな大和撫子といったところ。また、容姿は弓道着を思わせる服に、弓矢を手にする正規空母共通(彼女らより前に実装されていた正規空母は、赤城・加賀・蒼龍・飛龍だけである)のスタイル。銀髪のロングヘアを紅色のはちまきで結んでおり、その名の通りどこかツルを思わせる雰囲気を纏っている。ちなみに、胸当てに「シ」と書いてあるのは、史実の翔鶴の飛行甲板に、他の空母と間違えないように「シ」と書いてあったことに因んでいる。その胸当てのせいではっきりとは判らないが、妹よりはある様子。何がって?言わせんなRJちゃんが泣くだろ。中破絵をよく見ると判るが、緋袴風ミニスカの下は紐パンを着用している。
癖の強い艦娘が多い中、優しげな風貌と声に癒やされ陥落する提督が多数確認されたとかなんとか。また、妹の瑞鶴をよく気に掛けており、ちょくちょく瑞鶴に声を掛ける。優しいのである。瑞鶴はトップクラスのレアリティを誇っており、入手は翔鶴よりも更に容易ではない為、虚空に向かって妹の名を呼び続ける有様になってしまいがち。ちょっと痛々しいので頑張って揃えてあげよう。
そんな優しげな翔鶴さんであるが、いざ戦闘となると一変。凛々しく艦載機への号令を発する頼りになるお姉さんへと姿を変える。流石、歴戦の空母と言ったところか。そんなギャップに陥落する提督もまた多数確認されたとかなんとか。
12月11日のアップデートでサンタ衣装に身を包んだ翔鶴が実装。翔鶴型としては初の期間限定グラフィックであり、2017年のカレンダーで既に瑞鶴と共に身に着けていたが本編では妹より一足早く実装された。
18年2月にはローソンコラボの一環として私服姿を披露。こちらは瑞鶴と共にキャンペーンガール(店頭のぼり)を担当した。
2019年9月12日、「艦これ佐世保鎮守府祭り2019」に合わせて何とJAL(日本航空)とのコラボに参加。鶴が名前のモチーフでありイメージカラーが紅白の翔鶴は正に適任であり「戦略機動mode」として羽田空港国内線の搭乗カウンターにてお披露目された。トレードマークの鉢巻にJALのコーポレートマークの「鶴丸」を描き、シンプルながらスーツケースとショルダーバックを抱えた旅装束の翔鶴の明るい表情はその後の佐世保鎮守府とのコラボを大いに期待させるものだった。なおこちらのイラストを用いたグッズが該当便(羽田-福岡、長崎便)に搭乗の提督(指定席)に記念グッズとして提供され予約開始と共に即完売、数回追加された枠も即完売で結果、12便(席ではなく機材である)が追加されるという1ゲームのコラボイベントとしては異例尽くしの事態になった・・・そして、置いて行かれる瑞鶴ぅ・・・と思われたが、翌月の呉コラボにて瑞鶴も旅装束で登場。めでたく姉妹揃っての旅に相成った
メディアミックス作品・二次創作界隈では妹の瑞鶴の「幸運艦」の余波のせいか被害担当艦を超える「不幸艦」というポジションが多く(ステータスは妹と変わらず、それどころか史実の戦果からすれば歴戦の殊勲艦そのものだが)、瑞鶴と二人で歩くと鳥の糞やタライが落ちてきたり、不幸姉妹に誘われたり(以上、公式四コマより)等に加えて、彼女自身トラウマになってる部分もある。
準公式小説「鶴翼の絆」では実質的なヒロインであり、五航戦旗艦として凛とした姿で艦娘を率いながら同時に成長していく瑞鶴を見守る立場であり、そんな瑞鶴に影響され彼女自身も変わっていく過程が描かれている。
アニメ版艦隊これくしょんにも1話から台詞付きで登場。第四艦隊の一員として艦載機を発進させている。この時、発進させた艦載機が見ている視界を共有する特殊能力を見せ、深海棲艦の泊地を発見する手柄を挙げている。帰投後は入渠して風呂に入っていた。2話から放映されたOPでは妹の瑞鶴とともに登場。
第6話では、鎮守府で開かれたカレー大会に参加。瑞鶴とともにカレーを煮込んでいたが、瑞鶴のせいでスカートが脱げるハプニングに見舞われ、無念のリタイアをしている。
そして第7話、損傷を負った加賀の代わりに自ら第五遊撃部隊への編入を望み、一時的に第五遊撃部隊に配属された。そして妹の瑞鶴と揃い踏みでMO泊地攻略に向かった。旗艦吹雪の指示で、翔鶴と瑞鶴の二人は艦隊から分派。先行する攻略部隊に追いつこうとするが・・・。
新編五航戦、空母翔鶴改二参ります!
2015年9月25日のアップデートにて、翔鶴改二の実装となった。正規空母としては飛龍・蒼龍に次ぐ3人目、イベント海域突破の報酬艦としては初の改二になる(報酬艦であるU-511→呂500の改修も二段階だが、厳密な意味での改二とは異なるアナウンスのため)
必要レベルは80。改修設計図と更に試製甲板カタパルトが必要になる。
特徴としては加賀に次ぐ艦載機数93機とこれまでの正規空母火力トップである飛龍改二の僅か-1の63を誇り、スロットは翔鶴型の均等分配そのままに上から「27・27・27・12」となっている。またカタパルトを装備したためか副砲等の装備無しで空母初の「射程:中」になっているのが大きな変化である。これによってスロットを犠牲にすることなく、敵空母だけでなく巡洋艦等の中型艦にも先手が撃てるようになっており、均等なスロットで平均的な攻撃力を持たせられる翔鶴にとって大きなメリットになっている。
更に『装甲空母』「改二甲」が追加されている(←画像が改二甲)こちらは設計図は必要ないものの、実装時点で最も高いレベル88が必要になり、改装する資材も莫大であるのに加えて開発資材も必要。→2015年10月30日アップデートで瑞鶴改二甲がレベル90での改装になり、現状は霞改二乙と並ぶ2位タイ。
冒頭の通り、艦種が正規空母→装甲空母になり、艦載機数が93機から76機に減少してしまうものの(これは運営鎮守府から噴進機、つまりジェット艦載機用の耐熱飛行甲板やバルジ装着による装甲・船体強化によるものとされている)、火力が空母最強の「70」に、装甲も大鳳と同レベル、スロットも「34・21・12・9」の改二空母の特徴である偏重配置になる。勿論装甲空母の特性である中破時での発艦も可能。さらに改二への再変更も任意で出来るようになっており、一応状況に応じて改二と甲を使い分けるという戦術も可能。ただし、改二に戻す際には大量の資材が要求される上に改修レベルも初期値に戻ってしまうため注意(改二→甲への再改装でも当然要求される)。
最近イベントで登場する事が多い陸上型深海棲艦に対しては、攻撃に対して雷撃値が乗らずに純粋な火力の勝負となる仕様上、この翔鶴改二甲が最大のダメージを叩き出しうることになる。
ただし、確かに装甲は強化されているが、それでもやはり空母であり、強力な鬼や姫クラスの砲撃が直撃すると、一発で大破することは免れない。中破時発艦が可能なこともあって多少無理は効くとは言え、運用は正しく行われたし。
総じて高いバランスで纏まった正常進化の改二に対して、装甲空母として空母の攻撃力に特化したピーキーなセッティングになった甲といったところなので運用の際には同行する艦を考慮しておきたい。余談だが、順位に変動はないものの運の上限値が更に上り「97」となる(無改造の通常時は20)。翔鶴改二自体が「マリアナ沖海戦を乗り越えたIF」であるためか「歴戦の武勲艦」が長じて「誰もが認める幸運艦」に昇華したと見るべきなのだろう。
ちなみに翔鶴型と同クラスと言われるエセックス級がジェット艦載機の運用を始めている(F9Fバンシーetc)。
エセックス級にも出来るなら翔鶴型でも可能ではというのも今回の改装に含まれているかもしれない。
改二といえば特殊な装備が付いてくるのがこれまで通例になっていたが、翔鶴改二・改二甲の場合はコンバート改装できるためか、装備はなにも持ってこない。これは、彼女以降のコンバート改装可能艦でも同様となる。
容姿は、改二ではほぼ以前と変わらないが、立ち絵のポーズは先代一航戦旗艦である赤城を意識したものと言われている。よく見ると、飛行甲板にカタパルトが装備されていることが判る。また、額に巻いた鉢巻きから日の丸マークがなくなった。
改二甲では、飛行甲板に黒いコーティングが施される。これは将来的にジェット戦闘機を搭載することを想定して耐熱コーティングを施したものと言われている。また、鉢巻きのカラーリングが変更されている他、膝の辺りにバルジが追加されている。
追加ボイスとしては新型艦載機に関しての発言もあり(改時点では言っていなかった烈風や流星改、噴式機である試製景雲改・橘花改と思われる)
2018年2月からの『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)』においては瑞鶴のような決戦衣装は無かったが(史実では戦没しているので)攻撃や被弾・支援時に科白が追加、更に特定ボスへの火力補正が何と「2.4倍」という只でさえ強力な装甲空母(勿論改二でも)に凄まじい火力が付いており、無傷の姫級さえも一撃で葬り去る彼女の存在如何で後段作戦の最終戦の難易度に関わるほど(ちなみに当事者だった瑞鶴や武蔵、瑞鳳の補正は1.8倍)
あの、そろそろ史実を・・・
※詳しくは「翔鶴(空母)」の記事も参照。
ワシントン海軍軍縮条約終了後に設計建造された大型正規空母で、この時の艦船補充計画には彼の大和、武蔵も含まれており、起工もほぼ同時期となっている。1937年12月12日、横須賀工廠で起工された。1939年6月1日、進水。呉鎮守府所属となった。
翔鶴型は先に完成した蒼龍型・飛龍型を拡大発展させたもので、航空艤装といった基本的な要素は飛龍を参考にしているが、艦橋の位置は赤城と加賀のデータから飛龍とは違い左舷から右舷へと戻された。二段式の格納庫は上下に分かれ、それぞれ二区画ごとに分離されている。防炎対策もしっかり施され、各昇降機の手前には防火シャッターが取り付けられた。また格納庫の外板はわざと薄くされているが、これは被弾の際に生じた格納庫内部の爆炎を外へ逃がすためである。艦首先端部には風向を指示するための蒸気吹き出し口と、その方向を示す放射式の白線が書かれている。この白線は艦娘の翔鶴が左肩に持っている飛行甲板にも書かれている。
条約が終了した後に建造が開始されたため以前のように条約に縛られる事はなく、飛龍までの運用で得られたノウハウを惜しげもなく注ぎ込んだ結果、1941年8月8日、海軍最新鋭の大型正規空母「翔鶴」は誕生した。34ノットの高速に84機(常用72機、補用12機)もの搭載数を持ち、アメリカ海軍のエセックス級が出現するまで空母最高の性能を持っていたと言われている。
日本海軍初のバルバス・バウを採用してことから極めて優れた高速性を有した空母となった。その高速性に関しては目を見張るものがあり、珊瑚海海戦の撤退時に至っては随伴していた駆逐艦「潮」の士官が40ノット以上発揮していたと証言している[1] この時、駆逐艦「夕暮」は潮に『翔鶴ハ何処ヘ向ヒシヤ、翔鶴ニ着イテ行ク必要ナキヤ』と打電し、「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」状態であった。
新鋭空母として竣工した翔鶴は当初、赤城に代わり第一航空艦隊旗艦として使用される予定であった。しかし新鋭空母の名とその後の活躍とは裏腹に、翔鶴の初印象は決して良いものではなく、船体より著しく短い飛行甲板や飛行甲板に食い込む形で設置された艦橋は重大な欠点であると一航艦司令部に評価されている。また爆撃に対する防御も既存空母より向上したとはいえ、及第点に至るほどではなかった。
以上の点が影響してか「翔鶴」と「瑞鶴」を第一航空戦隊に編入する計画は中止され、変わりに本来「赤城」と「加賀」が所属する予定であった第五航空戦隊へと編入されることとなる。
五航戦は目先のハワイ作戦に向けて発着艦訓練を行ったが、編成されたばかりゆえに搭乗員の錬度が比較的低く、真珠湾への攻撃は難しいとされた(真珠湾の海は浅く、通常の錬度では魚雷が海底に刺さってしまう)。そのため五航戦は比較的容易な基地施設への攻撃を担当する事になった。同年11月16日、択捉島単冠湾を出撃。機動部隊の一員として真珠湾を目指した。
戦歴
初陣は1941年12月8日の真珠湾攻撃であった。翔鶴からは第一次攻撃隊31機(艦戦5 艦爆26)、第二次攻撃隊27機(全機爆装艦攻)が発艦、米航空基地への攻撃を行った。
翌1942年1月13日、ビスマルク諸島ラバウルの攻略支援のため、トラック諸島へ入港。最終調整を行い、17日に「赤城」「加賀」「瑞鶴」らと共に出撃。ラバウルに駐留するオーストラリア軍には大した戦力が無く、日本軍の圧勝に終わり、後は赤城・加賀に任せて翔鶴は次の作戦のためにラバウルを後にする。
その後、陸軍のビルマ侵攻を支援するため、インド洋に展開する英東洋艦隊を撃滅するインド洋機動作戦に参加。
南雲中将が指揮する翔鶴ら第一航空艦隊の空母5隻(加賀は座礁により不参加)は、艦載機315機を搭載してセレベス島スターリング湾を出撃。後にセイロン沖海戦と呼ばれるこの戦いにおいて日本軍は圧勝を収め、英海軍東洋艦隊は壊滅する。ちなみにこの時、翔鶴艦爆隊は18発中13発の命中弾を出し、72%という驚異的な命中率を叩き出している。
翔鶴らの活躍により占領に成功したラバウルは日本軍の重要拠点となっていたが、ラバウルを維持・防衛していくうえで邪魔になっていたのが米豪の拠点ポートモレスビーであった。日本軍はポートモレスビーの攻略を決定し、MO機動部隊に編入された「翔鶴」と「瑞鶴」はMO攻略部隊の支援と、米艦隊撃滅の任につくこととなった。対する米軍も、暗号解読によって日本軍の攻勢を察知、空母「ヨークタウン」「レキシントン」を基幹とする艦隊を送り込み、5月7日に両軍は珊瑚海で激突する。世界初の空母航空戦となったこの海戦は両軍手探りの戦いとなり、日本軍は8日の攻撃で「レキシントン」の撃沈に成功するも、「翔鶴」は爆弾3発の直撃を受け大破。駆逐艦「潮」に護衛されて戦線を離脱した。この時の逸話が先述の駆逐艦「夕暮」が潮に打電した『翔鶴ハ何処ヘ向ヒシヤ、翔鶴ニ着イテ行ク必要ナキヤ』である。
珊瑚海海戦で損傷した翔鶴は修理のため直後のミッドウェー海戦には不参加となる。そしてミッドウェー海戦の後、主力が壊滅した第一航空艦隊は解散し、修理から復帰した「翔鶴」は、「瑞鶴」や「瑞鳳」達と共に航空隊の再編に尽力。3隻はやがて再建された第三艦隊第一航空戦隊に編入され、翔鶴は同艦隊の旗艦を務めた。翔鶴が旗艦の座を譲るのは1944年に「大鳳」が就役してからである。
一航戦旗艦になった後は不評だった前評判を覆す勢いで様々な海域を転戦し続けて戦果を挙げるが、「大鳳」が竣工して一航戦旗艦の座を譲った後のマリアナ沖海戦にてついに最後の時を迎える事になる。米潜水艦「カヴァラ」から放たれた魚雷が4本直撃し火災が発生すると、火はガソリンタンクに引火して大爆発を起こす。ダメージコントロールの甲斐無く船体は急激に傾斜を始め、午後2時1分に沈没。生存者は軽巡矢矧や駆逐艦秋月、浦風に救助された。乗組員887名と第601航空隊員376名が戦死。1945年8月20日、除籍。
実戦においては何故かここぞと言うときに妹の瑞鶴がスコールの中に居たり、微妙に離れた位置に居たりしたお陰で翔鶴に敵の攻撃が集中し、「被害担当艦」等という不名誉な呼称を得てしまっている。勘違い無きよう記述するが、どちらかと言えば瑞鶴の幸運のしわ寄せを一身に受けた為であって、決して不幸な艦という訳では無い(寧ろ実戦でトラブル続きなのは瑞鶴の方である)。敵の猛攻を受けて、黒煙で飛行甲板が見えなくなるほどの損害を何度も受けていたにも関わらず撃沈を免れ、ぎりぎりのところで離脱に成功していた。南太平洋海戦ではホーネット航空隊により爆弾6発(文献によってブレがあり米軍側の資料では5発)を喰らうという未曾有のダメージを負いながらも、見事離脱に成功している。翔鶴型の防御力の高さが窺える。
瑞鶴と違い、よく被弾をしては大破するという不幸が連続している翔鶴であるが、実はその不幸のおかげで更に大きな不幸を回避していたりする。珊瑚海海戦で大破した翔鶴は内地へと戻され、修理を余儀なくされた。しかしその修理が幸いして、あのミッドウェー海戦への不参加が決まった。もし参加していれば翔鶴も犠牲になっていた可能性がある。ちなみに妹の瑞鶴は無傷であったが航空機の不足で参加が見送られている。ミッドウェー海戦後は、日本に残された僅かな正規空母として妹ともども奮戦していく事になる。後から来た翔鶴ら五航戦の練度を新米と見下していた加賀ら一航戦が早々に壊滅し、五航戦が戦争末期まで生き残っていた事を考えると何とも皮肉な話である。
(ちなみにミッドウェーで赤城らが沈んだものの、最期まで奮戦した飛龍航空隊を除く各航空隊員はかなりの率で生存しており、彼らは皮肉にも今度は翔鶴・瑞鶴に乗り込むことになった)
前述の通りスコールの中に居て身動きが取れなかったり、艦載機の発進でトラブルを起こしたりしていた妹の分も頑張った為か、最終的な戦闘での戦果が
- 地上施設破壊(真珠湾攻撃、ラバウル攻略、ツリンコマリ空襲)
- 空母「ハーミーズ」、駆逐艦「ヴァンパイアー」撃沈(セイロン沖海戦。南雲機動艦隊での戦果)
- 空母「レキシントン」、駆逐艦「シムス」、給油艦「ネオショー」撃沈(珊瑚海海戦。一部瑞鶴の攻撃隊との戦果)
- 空母「エンタープライズ」中破(第二次ソロモン海戦)
- 空母「エンタープライズ」中破(南太平洋海戦)
- 空母「ホーネット」大破(南太平洋海戦。隼鷹との戦果。後にトラブルから回復した瑞鶴が止めを刺し撃沈した)
と割とぶっ飛んでいたりする。日本軍が撃沈した米軍艦艇の中で最大の排水量を誇るレキシントン撃沈にも関わっている事から翔鶴は瑞鶴と並んで最高の武勲艦とする見方がある(勿論これは艦隊の働きによってもたらされたものなので、決して翔鶴単独が無双しまくった訳では無い)。またエンタープライズとは何度も矛を交え、両者ともに傷を負ったためか翔鶴とエンタープライズはライバルの関係とも言える。余談だが、海戦での日本軍の正規空母撃沈は全てエンタープライズの艦載機が関わっているが、唯一翔鶴だけは例外だった(潜水艦カヴァラによる撃沈のため)。
※ちなみに海戦ではなく移動中の撃沈になると、雲龍や信濃など潜水艦によるものが多くなる
その功績から今日では「翔鶴」の武勲を仰ぎ、海上自衛隊舞鶴基地が舞鶴翔鶴太鼓を結成し、広報活動に従事している。
ちなみに鳳翔には1万トンクラスの後継艦が造られる予定があった(軍縮条約により天城型の改装となったため中止)。その後継艦に付けられる名前は翔鶴だったという。鳳翔と翔鶴は、時を越えた姉妹と言える………かもしれない。また装甲空母大鳳は「改翔鶴型」とする資料があり、大鳳とも姉妹と言える………かもしれない。
鶴と共に翔けた者達
翔鶴に所属したパイロットで有名人といえば、蒼龍の江草隊長と並ぶ艦爆パイロットである高橋赫一(かくいち)翔鶴飛行隊長が挙げられる。真珠湾攻撃では翔鶴の艦爆隊を率い、以降珊瑚海海戦で「レキシントン」攻撃後に敵戦闘機に撃墜されて戦死するまで、翔鶴の飛行隊長を勤め上げた。
また、赤城航空隊で名を馳せた「雷撃の神様」こと村田重治少佐は、ミッドウェーで赤城が轟沈した際からくも生き残り、翔鶴に異動、以降南太平洋海戦で「ホーネット」に体当たりして戦死するまで、翔鶴飛行隊を率いている。
ちなみに艦これの装備の一つとして登場した「九七式艦攻(村田隊)」のイラストに描かれている九七艦攻は、彼が戦死したときの乗機、つまり翔鶴搭載機である。またこれを機種転換して得られる「天山一二型(村田隊)」は、"もし村田隊長が南太平洋海戦で戦死せず天山に乗り換えていたら"というIF機体であり、当然識別票その他は翔鶴搭載機のものである。
瑞鶴との違い
艦これでは瑞鶴とは見るからに別人だと分かる外見をしているが、軍艦としての翔鶴は姉妹艦を持つ艦の中でも翔鶴と瑞鶴は非常に似ていることでも有名で、搭乗員が翔鶴と瑞鶴を間違えて着艦するさえ少なくなかった。甲板に翔鶴は「シ」、瑞鶴は「ス」の識別文字が書かれていたのだが、それ以外で識別するための外見的差異が殆ど無かったのだ。
ほんの一時期、瑞鶴だけメインマスト部分に拡声器を設置しているという微妙な違いがあった時期があり、これによって識別する事が(一応)可能だったがほんの一時期で、真珠湾攻撃の頃にはもう翔鶴にも似たような拡声器が設置されてしまっており、目で見て識別する事は本当に困難だった。
提督、関連動画をご覧になりますか?
史実解説動画
提督、関連静画が完成いたしました!
瑞鶴…いいの?
改二・改二甲
時報及び季節限定ボイスでの言及のためかやはり瑞鶴とのツーショットが多め
関連コミュニティです。索敵機出しますか?
関連項目も補充しますね。
- 艦隊これくしょん~艦これ~
- 空母(艦これ)
- 航空母艦(正規空母)
- 装甲空母
- 第七駆逐隊(艦これ)
- 第十戦隊(艦これ)
- 泊地棲鬼
- 空母水鬼
- マリアナ沖海戦
- コニシ / コニシ艦隊
- 野水伊織 / 野水艦隊
2013年 春イベント「敵泊地に突入せよ!!」 新規実装艦娘 |
長良型軽巡洋艦 - 鬼怒 阿武隈 翔鶴型航空母艦 - 翔鶴 瑞鶴 |
脚注
- *ただし、この記述が出てくる「光人社NF文庫 第七駆逐隊海戦記」にはあちこち間違いがあるため、一概には信用できない。別の資料では翔鶴おおむね30ノットとされている事が多く、公試でも翔鶴の速力は34ノットである。なお追い抜かれた方の駆逐艦・潮を始めとした特型駆逐艦は改装によって最大速力が34ノット程度に落ちており、また当時スコールで海が荒れていたため、たとえ同速でも航洋性が大型の空母に劣る駆逐艦は必然的に置いて行かれることとなる。「駆逐艦が機関を全力発揮しても空母に追い抜かれた」と言う所だけならちょうど合致する。
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