『NAMCO x CAPCOM』(ナムコ クロス カプコン)とは、カプコンの許諾を受けて、2005年5月26日にナムコ(現バンダイナムコゲームス)が発売したPS2用のSRPGである。通称・略称は「ナムカプ」。
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概要
ナムコとカプコンのキャラクターが新旧入り混じって登場するお祭りゲー。さながらスーパーロボット大戦のようにゲームが進行していくが、ディレクターは『スーパーロボット大戦』のシナリオを担当したこともある森住惣一郎であるため当然と言えば当然。
また、DS用ソフト『無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ』には、本作の主人公である零児と小牟、KOS-MOSがゲスト参戦している。こちらも脚本は森住惣一郎が担当。
Production I.GによってつくられたOPアニメは、各キャラクターの魅力を損なわない動きや曲が後半になるにつれての熱い展開、OP曲の『すばらしき新世界』自体のすばらしさなどから評価が高い。
ゲーム内容
戦闘関連
スーパーロボット大戦シリーズのような敵味方でのターン制ではなく、AP(Active Point)が10溜まった時に行動可能になる(ポイントが同じ場合は速度のステータスが高い順になる)。基本的にフェイズの経過によって1ポイントずつ溜まっていくが、攻撃を防御する際の行動によって変動する。
戦闘はテイルズシリーズのような上下左右に設定する技を使い分けて攻撃する。レベルの上昇によって技がパワーアップしたり変更になったりすることもあるが、基本的に自分でカスタマイズすることはできない。
また攻撃で相手を宙に浮かせた状態で連続して当て続けるとコンボとなり、様々な恩恵が得られる。
その中には一回の戦闘での攻撃回数が増えるというものがあるので、基本的にはそれを目指してヒット数を伸ばす。宙に浮かせた敵を下に落とすとコンボ数がリセットされるので、攻撃回数が一つ上がるまでコンボで浮かす→落とすの繰り返しでダメージを伸ばすことができるのである。
攻撃を当てていくと必殺ゲージが貯まり、FULLになると必殺技が使用可能になる。
攻撃を食らっていると気絶ゲージが貯まり、これがFULLになってしまうとスタン状態になる。
また、複数人で行うMA攻撃や、いわゆるMAP兵器などの行動も存在する。
次に敵から攻撃された時の行動であるが、この作品には基本的に反撃はない。ゲージを消費した反撃技はあるが、その場合APを消費したり必殺ゲージを消費する。なので、基本的には防御行動を取ることになる。
防御には三種類があり、まずは「ノーガード」。全く防御をしないので勿論ダメージが多くなり危険になるのだが、戦闘中に表示される十字キーの方向に応じて入力すると割合によってAPが1~2ポイント加算される。入力が完璧であればAPを2ポイント加算することができる。
二つ目は「通常防御」。この防御はAPを1消費する。しかし、こちらでも十字キーが表示されるので、逆にAPを最高1ポイントためることができる。防御によりAPが10になった場合は速度のパラメータを無視して最優先で行動できる。
最後に「戦闘回避」。このコマンドは回避とはいうもののダメージは受ける。ただしダメージが下がり、敵が与えてくる毒などの状態異常を完全に回避することができる。この行動にはAPを1ポイント消費する。だが稀に大ダメージを喰らう事もある。
基本的には以上三つの行動を使い分けつつ進行していくことになる。
一部のキャラクターには「回避技」「カウンター」「かばう」があり、「回避」は文字通り回避するのでノーダメージ、「カウンター」は行動ポイントと必殺技ゲージを大量に消費する代わりにノーダメかつ相手に反撃を行う。
「かばう」は攻撃を受けたユニットに隣接するユニットに身代わりとして攻撃を受けさせる。身代わりになるユニットのAPを1消費するが、ユニットの能力値によって「通常防御」よりもダメージを抑えられる。
・・・とここまで読んできておわかりだろうが、この面倒な防御システムの存在により一回の戦闘時間がとてつもなく長くなるため、よく批判の対象やプレイヤーのやる気を妨害する一因になっている。
さらに、戦闘中入手したアイテムは即装備→敵フェイズ攻撃の直前に使用可能、と、ヌルすぎるゲームバランスもこれに拍車をかけている。
一応二周目のハードモードでは使用できないが、この冗長ゲームの二周目をプレイする猛者はそうそういない。
参考までに一周目であれば全50ステージクリアに70時間前後を要することになる。そのため「難しくはないが戦闘が冗長すぎるので最後まで進む前に飽きる」プレイヤーが続出した。
戦闘前と戦闘後に個々のユニットで掛け合いがあり、ここの部分に様々なネタが仕込まれている。基本的にフルボイス。
またユニットが行動できるようになった際、その作品に応じたテーマ曲が流れる(例えば、ストリートファイターシリーズのリュウならリュウのテーマなど)。その出来は殆どが正統派アレンジといった感じで、抜群の出来である。曲が極端に短いディグダグⅡのキャラなどは大胆なアレンジがかかっていることもある。
マップ上にアイテムが落ちていたり、キャラ固有の技で発掘することもできる。
会話パート
・・・と、ゲーム性の面に関してはマイナス票が多く見受けられるものの、キャラクターや会話に関しては賞賛の声が多く、下記凱&翔を始め、原作を知らないと誰がどのゲームのキャラか判らないことがあるほどにしっくり馴染んでおり、また、キャラクター性なんぞ説明書やパッケージ絵とドット絵のみだったような時代のキャラまでもが生き生きと会話に参加している様子は、古参ゲーマーも感涙の出来である。
クロスオーバーのために設定が追加されているキャラクターも多数。その分、各作品の時系列と矛盾する設定となったキャラクターも多い。
各ステージのサブタイトルはそのステージの主役となるキャラクター関連で付けられており、元ネタを知る人からするとニヤリとさせられる。中には口上でタイトルコールが入るステージも。その関係で登場キャラクターほぼ全員に見せ場が用意されており、埋没することが少ない。
原作にボイスが付いていた作品は原則本作でもその声優が続投しているが、元々ボイスのなかった作品は新たに配役されている。ワルキューレの井上喜久子やアーサーの立木文彦など違和感の全くない例も。またこれによる中の人ネタも多用される。
特にワルキューレはナムコ側の主役格という扱いを受けており、必殺技カットインが多いなど優遇されている。
実はよーく見るとNAMCO、CAPCOMそれぞれ出身のキャラとしか絡んでいなかったりはするが。
本作オリジナルの有栖零児と小牟も魅力の一つ。
小牟はサブカルの小ネタをこれでもかとパクリファンに見せつけるいわばメタ役、零児は個性の塊みたいなメンツを出しゃばらず引っ込みすぎず、的確にツッコミを入れ誘導していく進行役として良く働いており、キャラクター性や人気は「無限のフロンティア」シリーズや「PROJECT X ZONE」に参戦したことからも窺い知ることができる。
「PROJECT X ZONE 2」では再び主人公を務めた。
インターミッション
インターミッションではユニットにアイテムを装備させたり、木人相手にコンボ練習を行ったり、セーブやロード、店でアイテムを購入することができる。
店の店主は進行により3パターンに分かれ、ワルキューレシリーズのズール、源平討魔伝シリーズの安駄婆、ロストワールドのシルフィーである。
最終話直前に限りシルフィーの服が売りに出され、それを購入するとロストワールドで出たあのセリフをシルフィー(CV:田中理恵)が喋ってくれます。何着買ってもいくらでも喋ってくれます。シルフィーの服自体はゲーム2周目以降に大いに役立つ強化アイテムのため、何着買っても大丈夫。さああなたも。
ユニットの性能
この作品では愛さえあればどのユニットでも戦えるためあまり差はないが、その中でも特に突出した3ユニットを3強ということがある。その内訳はKOS-MOS、凱&翔、クリノ&サビーヌとなる。
まずKOS-MOS。
このゲームをやった人に対して最強ユニットは?と聞くとまず間違いなくこの名前が出てくるだろう。
圧倒的な攻撃力と防御力を持つため、単機でもクリアできるほど。また優秀なスキルを持っており、二回連続行動・自己再生・敵弱体化。あまつさえ与えたダメージをMPに還元するオートスキルまで持っており、まさに一人永久機関である。
また防御力によって、防御しないコマンドを選択してもダメージをほとんど受けない始末。まさにナムカプ界のラピッドクイック。
速度が遅いという唯一の弱点があり、マップ開幕直後は順番待ちになってしまう。一度動き出すと関係ないが。
次に凱&翔。
この二人はカプコンの別のゲームのキャラなのだが、あまりにも馴染み過ぎているため凱もコマンドーチームの一員とも一部で囁かれる(流派が同じなので当然と言えば当然)。なお続編では本当に凱がコマンドーチームに参加していることが判明した。
このキャラが動画中で出てくると「ホアァァァァァ!!」などというコメントが流れるが、これは凱&翔の強さとしてよく言われる「スモークボム(強)」を使った際に翔(CV:ゲルマン忍者)が叫ぶ台詞に由来する。「異常」に繋げやすい上にこの技を二回使うだけで攻撃回数が一回、回復する。勿論二回連続行動やMP回復スキルも付いているのでかなり便利。
防御はKOS-MOSやクリノ&サビーヌに劣っているが十分高い。
最後にクリノ&サビーヌ。
サビーヌには非常に性能がいい「毒の槍・連続突き(強)」という技があり、クリノの「キリモミアタック」と交互に出すとそれだけで攻撃回数が一回アップする。
このキャラにもMP回復スキルが存在し、HP回復も持っているため継戦能力が高い。
また攻撃力だけなら全ユニット一の火力を秘めている。
世界観
ジャンルや世界観が異なる作品が多数参戦するため、本作はその違和感を無くすための設定がなされている。5つの異世界で成り立っており、参戦作品はこのいずれかの異世界に属する。
一行はこの世界をたらい回しされ渡り歩くことになる。
それぞれの原作が終わった状態で参加していることが多く、中でも大きな功績を挙げたとされるキャラクターは世界を超えてその名が知られている。
特にワルキューレ、アーサー、ギルガメスはそれぞれ乙女・白銀・黄金の騎士の二つ名を付けられている。
物質界
現実の地球及びその周辺と同様の世界。
他の異世界との壁が特に厚く、物質界と他の世界を行き来するのは非常に困難。
以下の2つに分かれる。
20XX年
現実の現代に近い設定で、実在する地名も登場する。その割に一行が訪れるのは東京周辺とアイビス島のみ。主人公コンビもここに属している。
ナムコ・カプコンの格闘ゲームの多くはこの世界に設定されているため、ある意味一番強い世界ともいえる。ストリートファイターや鉄拳、ジャスティス学園のメンバーが一堂に会すると言えばどれだけのものかは理解いただけるだろう。
恐らく異世界のザコモンスターがこの世界にやって来たとしても返り討ちになると思われる。
超未来
20XX年から数千年後とされる世界。宇宙に生活基盤を移しているため、宇宙や辺境惑星での活動が主となる。作中で一行が訪れることはなく、この世界に属する作品は20XX年もしくは異世界に転移してくる。
ナムコの宇宙を舞台にした作品に共通して登場する銀河連邦宇宙軍も登場し、一部作品はここに所属している扱いになっている。
幻想界
いわゆる剣と魔法のファンタジー世界。神界との関わりが深く、幻想界と神界を往復するものもいる。
テイルズオブデスティニーの天地戦争が過去に起こっているため、ダイクロフトが沈んでいる。
魍魎界
中世の日本を思わせる世界、日本の古城や竹林などが存在する。物質界の過去である可能性が作中でほのめかされているが明言されていない。
特にこの世界を治めている存在は語られておらず、作中でも通過点としての扱いがほとんどで存在感が薄かったが、中盤のステージ「ここはだじゃれの国」で強烈なインパクトを与えた(このステージのモチーフは源平討魔伝)。
魔界
魔物や妖怪が住む世界。一見魍魎界と思われる妖怪道中記の地獄や三途の川もこの魔界に属する。その関係か作中では魍魎界と関わりが深い。
ヴァンパイアシリーズの覇権争いやレッドアリーマーシリーズの紋章戦争が過去に勃発しており、その紆余曲折の末現在は閻魔大王が治めている。
デミトリやモリガンの城、魔界村、再建されたドルアーガの塔が登場する。
神界
神々が住まう場所。本作ではイシターの神殿とクロノアの天空寺院が登場する。
作中では20XX年から最初に転移した場所になる。
参戦作品
参戦キャラクターについては、味方キャラクター(最初は敵で登場するキャラクター含む)は青、敵キャラクターは赤で表記
ナムコ
- ゼノサーガ エピソードI
- ソウルキャリバーII
- テイルズオブデスティニーシリーズ
- ワルキューレの伝説
- 超絶倫人ベラボーマン
- ワンダーモモ
- 鉄拳シリーズ
- ドルアーガの塔
- ディグダグ
- バラデューク
- バーニングフォース
- 天現寺ひろみ
- 源平討魔伝
- 妖怪道中記
- クロノアヒーローズ
- オリジナル
カプコン
- ヴァンパイアシリーズ
- ストライダー飛竜シリーズ
- ストリートファイターシリーズ
- 魔界村シリーズ
- ガンサバイバー4
- ディノクライシスシリーズ
- キャプテンコマンドー
- ファイナルファイト
- マイク・ハガー、凱
- ロックマンDASHシリーズ
- 燃えろ!ジャスティス学園
- ロストワールド
その他、キャラが参戦していなくともアイテムのみで登場している作品もある(ワギャナイザー、リックのマスクなど)
関連動画
関連静画
関連項目
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