ディープインパクト系とは競走馬の内、ディープインパクトを父系祖先に持つ競走馬及びそれらの系統を指す。Halo系の分派*サンデーサイレンス系から繋がる主流系統で2010年代以降日本を中心として世界中に広がっている。
競走馬ディープインパクトはいずれも圧倒的なパフォーマンスで無敗のクラシック三冠を達成、有馬記念で連勝こそ止まったものの古馬になっても天皇賞(春)で最後方から坂の上りでまくり始め残り600m付近で先頭に立ってそのままレコードで押し切るなど前代未聞のパフォーマンスを見せて国内GⅠを4勝。2004年12月のデビューから4歳の有馬記念で引退するまで僅か2年弱の間にGⅠを7勝するという唯一無二の成績を残した日本の競馬史全体でもトップクラスの名馬である。
父サンデーサイレンスは様々な事情から引退時米国では種牡馬として全く評価されていなかったが、そのサンデーサイレンスが日本に来て空前絶後の大成功を収めてから急死した後にデビューして産駒の最高傑作として大活躍したのが本馬であり後継としての期待も当然非常に高かった。更に父の低評価の理由の一つであった牝系の面でも本馬は大の競馬好きで知られるエリザベス二世女王陛下の愛馬Highclereを牝祖に持っていてファミリーには活躍馬が多く出ており本馬の母ウインドインハーヘアもG1ホースと隙がない。
このように種牡馬としても高評価しない理由がないというレベルだったため歴代最高51億円のシンジケートを組まれて社台スタリオンステーションに種牡馬入りした。
この期待の高さから1200万円という高額な種付け料であったがそれでも多くの申し込みがあり215頭に種付け。生まれた初年度産駒が走り出すといきなりクラシック桜花賞(GⅠ)をマルセリーナが勝利するなど複数のGⅠホースを輩出。2年目にはディープブリランテが早くも日本ダービーを制覇した&牝馬ではジェンティルドンナが牝馬三冠を達成したこともあり本馬はリーディングサイアーに戴冠。その後ジェンティルドンナは強い牡馬が揃った時代にあってもその全てと対等以上に渡り合い海外を含む牡馬混合GⅠで4勝、有馬記念で計GⅠ7勝・主要全場GⅠ制覇を達成して引退し歴代最強牝馬の一角に数えられる存在となった。2020年にもコントレイルが本馬同様に無敗でクラシック三冠を勝利し親子での無敗三冠という他に例のない快挙を達成。本馬は他のサンデーサイレンス系種牡馬やキングカメハメハといったライバルが多い環境でありながら毎年当然のようにGⅠ馬・クラシックホースを送り出し続け2022年まで11年連続でリーディングサイアーに輝いた。
産駒は2歳からGⅠレベルで走り3歳になると更に力を増してクラシックにめっぽう強くクラシック5レース+秋華賞の6レース全てで2連覇以上・3勝以上を上げている。中でも競馬の中心となる日本ダービーを最も得意としており4連覇を含む歴代最多7勝[1]の記録を持っている。産駒にはそのまま古馬でも活躍する馬もいれば古馬になってから台頭してくる馬もおり成長力もある。
距離の面でも初年度産駒はマイルに強かった[2]が2年目からは中距離にも順調に版図を広げていった。初期は長距離は苦手ではないかとも思われていたが2016年菊花賞でサトノダイヤモンドが勝利した後は菊花賞で2018~2020、天皇賞(春)で2019~2021年とそれぞれ3連覇し評価を覆した。更に短距離においても歴代最強マイラー候補に成長したグランアレグリアが2020年高松宮記念2着、スプリンターズS1着と結果を残し天皇賞(春)を勝利した種牡馬として初めてスプリントGⅠ勝ち馬を輩出した。
障害レースにおいてもレッドキングダムが2014年に中山大障害を制しており、要するに芝のレースであればどこでもGⅠで活躍する産駒を出せるというとんでもない万能種牡馬であった。この万能性から種牡馬として父サンデーサイレンスが残したそうそう破られないだろうと思われていた記録をいくつも更新している。
ここまででも日本競馬史に残る大種牡馬なのだが本馬は更に世界の競馬界にもその勢力図を広げている。
日本調教馬では2014年のドバイシーマクラシックでジェンティルドンナが勝利したのを皮切りにリアルインパクトは7歳で豪G1を勝利、エイシンヒカリは香港カップ勝利の翌年にフランスに遠征しイスパーン賞で10馬身差の圧勝、ラヴズオンリーユーは日本馬として初めて米ブリーダーズカップのレースを勝つなど様々な地域のG1で産駒が活躍
加えて海外の産駒というものも存在し欧州では二世代目で数少ない現地産駒からBeauty Parlourが仏クラシックの仏1000ギニーを勝利すると、欧州の馬産家にも注目され始める。世界の王手馬産グループ:クールモアが日本に良血の繁殖牝馬を送ってディープインパクトと交配させて生まれた産駒を欧州で走らせるというプロジェクトが始まると、2歳G1と翌年のクラシック:2000ギニーを勝ったSaxon Warrior[3]や仏オークスなどG1を2勝したFancy Blue[4]、オークスSで16馬身差圧勝しアイリッシュ/ヨークシャーでも連勝して欧州オークス三冠を達成したSnowfall[5]、世界に12頭しかいないディープインパクトの最終世代産駒にして英愛ダービーやBCターフなどG1を6勝したAuguste Rodin[6]と超良血の活躍馬を次々と輩出した。クールモア以外にもニアルコスファミリー生産から仏ダービー馬Study of Manが出ており、日本のように何百何千の産駒はいないがその分凄まじい高確率でG1馬が誕生している。
また日本で生まれたがセールで買われたり移籍したりしてオーストラリアで走った産駒もおり、その中ではトーセンスターダムがG1を2勝、Fierce ImpactがG1を3勝して2019-20シーズンの最優秀中距離馬に選ばれるなどしている。
父サンデーサイレンスというのは日本においてはもちろん有利に働くが、海外の馬産業界からも高く評価されている点は母ウインドインハーヘアの牝系と何よりディープインパクト自身の種牡馬能力の賜物である。
このような活躍により後継種牡馬も世界中に数多く存在し2020年のNHKマイルCをリアルインパクト産駒のラウダシオンが勝利したことで初の父系孫GⅠ馬が生まれた。
日本では2024年に無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノを輩出してリーディングサイアーを勝ち取ったキズナや2025年にブリーダーズカップ・クラシックを制し世界最強ダート馬となったフォーエバーヤングを出したリアルスティールが好調。他にシルバーステートやサトノダイヤモンドなど中堅どころの種牡馬もおり、2025年からは親子無敗三冠を達成し高い期待を寄せられるコントレイルの産駒も走り始めている。
海外では主にイギリスのStudy of Man、アイルランドのSaxon WarriorやAuguste Rodin、フランスのケイアイノーテック、オーストラリアのFierce Impactといった後継種牡馬がいてStudy of ManやSaxon Warriorは初年度産駒からG1ホースを出している。主要国以外でも2022年にリーディングサイアーを獲得したイタリアのアルバートドッグやグレードレース勝ち馬を多く出しているニュージーランドのサトノアラジンを始めとしてアジア、オセアニア、南米、アフリカなど世界中に種牡馬生活を送っている産駒がいる。シャトル共用されている馬も何頭かおり、アメリカに過小評価された父と欧州に見限られた母から生まれながら本馬の父系からは英ダービーやブリーダーズカップ・クラシックの勝ち馬が輩出され、その血は世界中のホースマンに注目される存在にまでなっている。
Darley Arabian 1700
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|Phalaris 1913 →ミスタープロスペクター系
||Pharos 1920
|||Nearco 1935 →ノーザンダンサー系、ナスルーラ系
||||Royal Charger 1942
|||||Turn-to 1951
||||||Hail to Reason 1958 →ロベルト系
|||||||Halo 1969
||||||||*サンデーサイレンス (Sunday Silence) 1986 →ステイゴールド系
|||||||||ディープインパクト 2002
以下GⅠ級競走勝利馬またはニコニコ大百科に記事がある競走馬を中心に記載する
ディープインパクトⅠ 2002
|ダノンシャークⅠ 2008
|ダノンバラード 2008
||キタウイング 2020
|トーセンラーⅠ 2008
|トーセンレーヴ 2008
|マルセリーナⅠ 2008
|リアルインパクトⅠ 2008
||ラウダシオンⅠ 2017
||モズメイメイ 2020
|ヴァンセンヌ 2009
||イロゴトシⅠ 2017
||ママテイオーノユメ 2018
|ヴィルシーナⅠ 2009
|クランモンタナ 2009
|ジェンティルドンナⅠ 2009
|ジョワドヴィーヴルⅠ 2009
|スピルバーグⅠ 2009
|ディープブリランテⅠ 2009
|トーセンホマレボシ 2009
||ピカピカ 2015
|Beauty ParlourⅠ 2009
|アユサンⅠ 2010
|キズナⅠ 2010
||アカイイトⅠ 2017
||ディープボンド 2017
||テリオスベル 2017
||ソングラインⅠ 2018
||バスラットレオン 2018
||ファインルージュ 2018
||ハピ 2019
||サンライズジパング 2021
||ジャスティンミラノⅠ 2021
||ダブルハートボンドⅠ 2021
||エリキング 2022
||サトノシャイニング 2022
||ナチュラルライズⅠ 2022
|スマートレイアー 2010
|ラキシスⅠ 2010
|エイシンヒカリⅠ 2011
|サトノアラジンⅠ 2011
|ショウナンパンドラⅠ 2011
|トーセンスターダムⅠ 2011
|ハープスターⅠ 2011
|マリアライトⅠ 2011
|ミッキーアイルⅠ 2011
||メイケイエール 2018
||ナムラクレア 2019
|アンビシャス 2012
|グレーターロンドン 2012
|ショウナンアデラⅠ 2012
|ダノンプラチナⅠ 2012
|ミッキークイーンⅠ 2012
|リアルスティールⅠ 2012
||レーベンスティール 2020
||フォーエバーヤングⅠ 2021
|ヴァンキッシュラン 2013
||トーセンヴァンノ 2019
|ヴィブロスⅠ 2013
|サトノダイヤモンドⅠ 2013
||サトノグランツ 2020
||シンリョクカ 2020
||ビップデイジー 2022
|ジュールポレールⅠ 2013
|シルバーステート 2013
||ウォーターナビレラ 2019
||セイウンハーデス 2019
|シンハライトⅠ 2013
|ディーマジェスティⅠ 2013
||ハルオーブ 2020
|マカヒキⅠ 2013
|アルアインⅠ 2014
|アンジュデジールⅠ 2014
|サトノアレスⅠ 2014
|サングレーザー 2014
|ファンディーナ 2014
|Fierce ImpactⅠ 2014
|グローリーヴェイズⅠ 2015
|ケイアイノーテックⅠ 2015
|Saxon WarriorⅠ 2015
||Victoria RoadⅠ 2020
|Study of ManⅠ 2015
||KalpanaⅠ 2021
|ダノンマジェスティ 2015
|ダノンプレミアムⅠ 2015
|フィエールマンⅠ 2015
|ワグネリアンⅠ 2015
|カレンブーケドール 2016
|グランアレグリアⅠ 2016
|サトノジェネシス 2016
|ダノンキングリーⅠ 2016
|ダノンファンタジーⅠ 2016
|ラヴズオンリーユーⅠ 2016
|ロジャーバローズⅠ 2016
|ワールドプレミアⅠ 2016
|コントレイルⅠ 2017
|Fancy BlueⅠ 2017
|ポタジェⅠ 2017
|レイパパレⅠ 2017
|レッドベルジュール 2017
|アカイトリノムスメⅠ 2018
|グレートマジシャン 2018
|サトノレイナス 2018
|シャフリヤールⅠ 2018
|SnowfallⅠ 2018
|プログノーシス 2018
|ランドオブリバティ 2018
|レッドベルオーブ 2018
|アスクビクターモアⅠ 2019
|キラーアビリティⅠ 2019
|ジャスティンパレスⅠ 2019
|ドーブネ 2019
|Auguste RodinⅠ 2020
|ライトクオンタム 2020
掲示板
1 ななしのよっしん
2025/10/22(水) 16:21:11 ID: LVXLCOfuIF
数ある産駒からキズナがリーディングサイアーになると予想できた人は少なそう
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/27(土) 06:00
最終更新:2025/12/27(土) 05:00
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