SWATシリーズとは、Sierra Entertainmentから発売されたRTS及びFPS。主にPCでシリーズが展開された。
概要
ロサンゼルス市警察(LAPD)をはじめ、アメリカの様々な警察機関に設置されているSWAT及び同様の特殊部隊をテーマにしたゲーム。プレイヤーはSWATの突入部隊やスナイパーを操作し、事件を解決していく。
通常のRTSやFPSと決定的に異なる点はプレイヤーが警察官であり、現実の規定や戦術に基づいている点。その為、銃で敵(被疑者)を制圧することに制限がある、制圧よりは逮捕が好まれる、非致死性武器が用意されるといった違いがある。
この記事ではSWATシリーズと、その前シリーズであるPolice Questについても触れていく。
Police Quest
Police Questの記事も参照
1987年から展開されたアドベンチャーゲームのシリーズであり、SWATはPolice Questの流れを汲んで開発された。
Police Questではプレイヤーはパトロール警官や刑事となり、街で起きる様々な事件に対応していく。刑事が主人公の数多のアドベンチャーゲームよりリアルさを重視している。どのくらいリアルかというと、出勤して制服に着替えるところからゲームを始めなければならないぐらい。各作品のタイトルは発売順に以下の通り。
- Police Quest : In pursuit of the Death Angel (1987)
- Police Quest II : The Vengeance (1988)
- Police Quest III : The Kindred (1991)
- Police Quest : Open Season (1992)
- Police Quest : In pursuit of the Deathe Angel VGA (1992) ※初代のリメイク
1~3作目はカリフォルニア州リットンという架空の街が舞台となっており、カリフォルニア・ハイウェイパトロール(CHP)の元警官であるジム・ウォールズが監修していた。4作目は元LAPD本部長のダリル・ゲイツ
を監修に招き、LAPDの殺人課刑事となるものであった。
以下に記すとおり、ともすればマニア以外からはクソゲー判定を受けかねない程にリアルさを重視している。しかしその拘りこそが、SWATシリーズの特徴に繋がっているとも言えるだろう。
SWAT
正式名称はDaryl F.Gate's Police Quest : SWAT。SWATシリーズの始まりにして、アドベンチャー世代の終焉ともなった初代SWAT。監修はOpen Seasonと同じくダリル・ゲイツ。LAPDから名称やロゴの使用許可を受けている。
SWAT2
正式名称はPolice Quest : SWAT2。今までとは大幅にシステムが変更されRTSになった。しかし名称を見れば分かる通り、ゲームシステムに違いはあるもののPolice Questの作品群とされている。
プレイヤーの立場は、LAPDメトロポリタンディビジョンD小隊(SWAT)を指揮する小隊長の警部補(Lieutenant)である。画面の顔写真を見るとモーガン・フリーマンっぽい。コールサインは10D。DはDeltaではなく、アメリカの警察・消防フォネティックコードに基づきDavidと発音される。ボスコがDavidなのと同じ。小隊長は指揮下にあるエントリーチームやスナイパーを活用して事件解決を目指す。ステージによってはK-9やヘリコプター、装甲車も活用できる。
事件解決のためには以下の事柄を達成しなければならない。
機材や装備としては上記の他、犯人の説得の為にスローフォン(Throw Phone)を使うこともできる。これは警察の犯罪交渉人と直結している有線電話である。これで交渉し投降することができれば、隊員の死傷リスクも減って良い。
プレイヤーは現場指揮だけでなく、SWATの管理も負っている。具体的にはエントリーチームの編成、隊員の技能育成、装備の調達など。育成や調達にはコストがかかるので、市警察から貰う予算内でやりくりする必要がある。隊員が死傷するとやりくりが大変なので、なるべくそうならないようにするのが大事であろう。
SWAT3:Close Quaters Battle
再び方向転換し、流行していたFPSとなったのが本作。副題にあるClose Quaters Battleの通り、建物など狭隘な場所での近接戦闘を扱っているのが特徴。監修はダリル・ゲイツ。
プレイヤーが操作するのはLAPD SWATのエントリーチームを指揮するエントリーリーダーで、階級は巡査長(Senior Lead Officer)である。本来ならその上に分隊長である巡査部長、さらに上に小隊長である警部補がいるが姿は見えず、ブリーフィングで警部補の声が聞ける程度。プレイヤーは自分を含めた5名からなるエントリーチームを率いて建物内にエントリーし、犯人の逮捕又は制圧、人質の救出を行う。エントリーリーダーや隊員は複数のものから選べ、プレイヤーキャラも固定ではない。
これまでで述べたとおり、射撃は実際の警察官が課せられている射撃規定に準じて行わなければならない。つまり目の前に被疑者がいたからと言って、いきりないぶっ放せば良いというものではない。被疑者が銃を構える、あるいは撃ってきているのならばこちらも射撃して構わないが、銃をただ手に持ってうろついているのであれば撃ってはならない。もしそこで撃ったらゲームオーバーとなってしまう。射撃規定を満たしていない状況では、投降を呼びかけるなどして逮捕の機会を作る。
SWAT3で無事に事件を解決する上でもう重要になるのは、指揮下にある隊員への命令である。4名の部下は二人づつレッドとブルーに分かれており、別個に、あるいは全員に命令を下すことができる。命令はドアの開錠、エントリー、爆発物の解除、ある方向を見張る、フラッシュバンや催涙ガスの使用など。エントリー方法はダイナミックとステルスの二つがあり、例えば施錠されているドアの中へダイナミックエントリーを命じれば、小型の爆発物で鍵を破壊し、フラッシュバンを投げ込んで勢い良く突入していく、など。
後に新しいマップやスキンが導入された追加パックや、本体と追加パックが一体となったエリートエディションが発売された。
SWAT3の日本語吹替版では郷里大輔が10Dの声を担当した。
SWAT4
前作と同様のFPS。SWATシリーズで初めてLAPDと無関係となった作品だが、テーマは引き継いでいる。前作よりグラフィックが強化され、また使える装備も増えた。これも前作と同様だが、自分を含めた5名からなるエントリーチームを指揮して事件を解決していく。舞台はニューヨークっぽい東海岸風味の街。但しニューヨークやNYPDが舞台と言うわけではない。
装備では非致死性武器にテーザー銃が加えられたり、またゴム弾が飛び散る非致死性のグレネードが加わるなどしている。
そして今は・・・
ということでシエラ自体が親会社に解散させられたので、SWATシリーズも出なくなってしまった。既に出ている作品のうち、Police QuestパックとSWAT1~3については、GOG.comからダウンロード販売の形で購入する事ができる。
ダリル・ゲイツ
これまで述べたように、SWATシリーズの基礎の構築において重要な役割を果たしたのはダリル・ゲイツである。彼はどのような人物なのか、英語版wikiに基づいて簡単に紹介したい。
1926年生まれ。ロサンゼルス郡のグレンデールと、ロサンゼルス市のハイランドパークで育つ。フランクリン高校を卒業後に海軍に入り、WW2の太平洋戦線に従軍。パサデナ専修学校、南カリフォルニア大学で学ぶ。1949年にLAPDに入り巡査拝命。当時のLAPD本部長、ウィリアム・H・パーカーの運転手に命じられる。その後は順調に出世し、1978年から1992年まで第49代LAPD本部長。
ゲイツが警視だった1965年、部下のジョン・ネルソン巡査が「少数精鋭の部隊」の編成を発案した。以後この部隊の検討を行い、1967年に承認。メトロポリタンディビジョンにD小隊として設置した。つまり彼とネルソン巡査がSWATの産みの親と言うわけである。
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