Crysisとは、ドイツCrytek社が開発しているFPSシリーズである。
概要
1作目「Crysis」は2007年に発売。プラットフォームはPCのみである。ゲームエンジンであるCryEngine 2はPS3,Xbox360などとのクロスプラットフォーム化を2008年に発表したものの、現状、Crysisはリリースされていない。この原因は広大な島のMapをシームレスに移動できるゲームのシステムを再現するために必要なメモリーの容量が足りずPCと同様のシステムは再現が難しいからとされる(PS3は256MB、Xbox360は512MB(GPU共用)、PCの最低要求は1GB)。
2008/06/06にパブリッシャー(発売元)であるEAよりスピンオフ作品「Crysis Warhead」(と同梱のCrysis Wars)の正式アナウンスがあった。開発はCrytek本社ではなくハンガリーのBudapest studio(なおBudapest studioはCrysis Warheadが初タイトルとなる)。Crysis Warheadはシステム上はMOD扱いだが、ゲームエンジンそのものもパッケージに含まれているため単体で遊ぶことが出来る。
続編であるCrysis 2も、本作で用いられたゲームエンジンの改良版であるCryEngine 3(PS3やXbox360での動作も視野に入れている模様)で製作中であるほか、映画化も進行中。また、作中で主人公などが着用するNANOスーツの架空の開発元であるCrynet Systemにて、Crysis 2で登場する新型NANOスーツの詳細な資料(注:pdf)が公開されているなど、開発元の気合の入りようが読み取れる。
また、PCやビデオカードの性能を測るベンチマークとして採用されることがあることからも分かるように、現状もっとも重いゲームの一つとして有名である。推奨動作スペック発表当時は条件に該当するビデオカードが最新世代の最上位シリーズしかなく、カード単体で6万円以上するという一般ゲーマーには絶望的な状況であったため話題となった。とはいえ、体験版リリース時には推奨スペックのものとほぼ同等の性能を持つ4万円台のビデオカードがリリースされてはいたのだが。
現在はPCの進化である程度性能に対する要求は緩和され、現在ではミドルレンジ、あるいはローレンジのPCでも欲張らなければ「遊べる」ようになった。が、それでも桁違いに重いことには変わりなく、全オプション最高設定でも快適にプレイできるPCや環境を入手するには、最低でも十数万円の初期投資と暖房器具並の消費電力・発熱を覚悟する必要がある。環境によっては1000W以上の大容量電源なども搭載することを考えなくてはならないため、ゲームどうこうよりもブレーカーが落ちるかどうかの心配という、マキシマム電源管理を常にせねばならない、という状況に陥ることもある。
2013年に「Crysis 3」がリリースされた後、2022年に「Crysis 4」(仮)の制作をアナウンスするトレイラーが公開されている。
シリーズ作品
Crysis (無印)
フィリピン海(台湾の東)に位置する島で遺跡の調査を行っていたアメリカの研究員が、同じ島に進軍してきた北朝鮮軍に拉致されてしまった。「NANOスーツ」と呼ばれるハイテク装備に身を包んだ米軍の特殊部隊「ラプターチーム」は、研究員の救出のために島に潜入するというストーリー。プレーヤーはラプターチームの一員である「ノーマッド」を操作し、島を占拠する北朝鮮軍との戦闘を繰り広げる。
グラフィックの重さばかりが謳われるCrysisだが、実はゲーム性も一級品の内容である。ただし前半だけ。
主人公はナノスーツを使った超人的な能力こそ有するが、ほぼ一人で大勢の敵と対峙するため、適当に突っ込むだけではすぐに死んでしまう。そこで、スーツの透明化機能を利用したり、密林や草木など、美麗なグラフィックそのものを利用して隠れつつ、攻撃や逃走を状況に応じて行っていく、スニーク(潜入)要素が特徴である。
このゲーム性を演出する要素として、敵さん(北朝鮮兵)のAIが賢く出来ている。姿を見せたり、音を出しただけで完全にこちらを把握する機械的な思考はなく、再び物陰に隠れればこちらを見失い、探そうとしたり茂みに掃射を行ったりする。物を投げれば驚くし、透明化して近づくと輪郭や影が見えるため、その違和感に首をかしげる、などなど人間的で自然な思考に近く、「超反応」のように悪い意味でゲーム的な違和感は少ない(ただし非常に目がいい)。
また、一つのマップに海や密林、道路など様々なルートが用意されており、状況や気分に応じてルートを変えられることが自由度やリプレイ性を上げている。
残念ながら後半になると別のゲームと言えるほど展開が変わる。ルートはほぼ一本道となり、新たに出現する敵はナノスーツの機能に対する反応が異なるため、ただ撃つだけの重いFPSと称されている。後半のほうが余計に重いので仕方ないね。
必須動作スペック
対応OS | Windows XP/Vista |
---|---|
CPU | Pentium® 4 2.8GHz以上 (Vistaは3.2GHz以上) |
メモリ | 1GB以上(Vistaは1.5GB以上 ) |
HDD | 12GB 以上の空き容量 |
サウンドカード | オンボード又はDirectX® 9.0c対応のサウンドカード |
ビデオカード | VRAM 256MB以上のビデオカード |
DVD-ROM速度 | 2倍速以上のDVD-ROMドライブ |
DirectX | DirectX® 9.0c以上 |
推奨動作スペック (All高はいけるようになるらしい)
対応OS | Windows XP/Vista |
---|---|
CPU | Intel Core 2 Duo 2.2GHz 又は AMD Athlon64 X2 2.2GHz 以上 |
メモリ | 2GB 以上 |
HDD | 12GB 以上の空き容量 |
サウンドカード | DirectX® 9.0c対応のサウンドカード |
ビデオカード | NVIDIA GeForce 8800GTS/640MB もしくはそれと同等以上のビデオカード |
DVD-ROM速度 | 2倍速以上のDVD-ROMドライブ |
DirectX | DirectX® 9.0c以上 |
どんなPCを買えば推奨スペックを越えるのか
一般電機メーカー製のPCは(デスクトップも)全てアウト。拡張も出来ないので無駄な投資になりかねない。
またノートPCは、ゲーマー向けの最新スペックでも、デスクトップでいうミドルクラスが精一杯であるためCrysisだけを目的とするにはコストパフォーマンスが猛烈に悪い。参考として、記述時点のノート系ハイエンドGPUであるGTX280Mですら、デスクトップ用の9800GT相当しか力がなく、デスクトップハイエンド向けとされるGTX285の2/3程度しか能力はない。このクラスのGPUを搭載したノートPCは40万円を超えるのは当たり前である。
自作PCがベストだが、自信が無ければBTO系メーカーのゲーマー用ブランド(例:ドスパラのPrime Galleriaなど)の上位モデルを買うのが安全。ただしメーカー製よりサポートは手厚くないので、トラブルに自力対処する覚悟は必要である。
GPUの目安として、設定ALL中ならGeForce9600GT、設定ALL高なら9800GT~GTS250、ALL最高ならGTX285以上のカードがあれば遊べる。もしくはそれらのSLIやCrossFireが良く効く。
CPUはマルチコア対応ではあるが、GPUに比べ高解像度での影響が少ないため、値段を抑える目的でCore 2 Duo E8000番台でも問題はない。むしろその方が最新ゲーム以外での相性は良い(マルチコア非対応が多いため)。Biohazard5など、最新鋭のCore i7で大きくパフォーマンスを上げるゲームもあるため、未来を視野に入れる場合、最新かつ値下がりしたi7 860やi5 750もお勧めできる。
メインメモリは最低でも4GB積み、64bitのOSを使いたいところ。32bit OSではメモリの限界搭載量以前に、1アプリケーションが確保できる最大メモリ量が2GBという制約がある。このためかメモリリークで突然落ちてしまうことが報告されている(筆者も64bit化で突然落ちることが無くなりました)。
Crysis Warhead
続編としてリリースされたWarheadは、ラプターチームの一員であるサイクス軍曹、通称「サイコ」がノーマッドと別行動に移ってからのストーリーを描く。プレイヤーキャラはサイコとなり、北朝鮮軍が掴んだ「何か」を追う。
無印Crysisと同じシステムこそ有するが若干毛色が違い、セカンダリ用二丁マシンピストルやグレネードランチャー、多数の爆発物など武器の幅が増し、単純に破壊することへのカタルシスを追求した作品になっている。乗り物のバリエーションも多く様々な戦闘が楽しめる。
前作の不満点だった後半の単調さは無いものの、Crysisを良作たらしめる自由度(ルート選択など)が下がっているため、好き嫌いが出る可能性はある。なお、ゲームの重さはどちらも変わらないとされるが、無印Crysisは後半で急に重くなるのに対し、Warheadは一貫した重さに調整されている。
ゲームのボリュームは確かに減ったが、低価格である点や、後述の「Crysis Wars」とセットになっている点を踏まえればお得感は高いといえるだろう。
Crysis Wars
Crysis Warheadに同梱される、マルチプレイ専用タイトル。3つのゲームモードが存在し、LANやインターネットを通しての対戦が可能。利用料は無料。
無印Crysisにもマルチプレイモードは存在したが、Warsでは独立したタイトルとなった。
- インスタントアクション (IA)
- スーツの機能を活用し、ひたすら撃ち合うモード。他ゲームでいうデスマッチに相当する。自分以外はすべて敵であり、戦場はカオスの様相を呈する。個人の能力がそのまま勝敗に繋がるが味方への気遣いは不要で、(マナーを守るのは当然ながら)好きな戦術を展開することが出来る。最も手軽に遊べるモード。
- チームインスタントアクション (TIA)
- 米軍と北朝鮮軍に分かれ、チーム戦を行うモード。他ゲームでいうチームデスマッチ。自軍の総スコアが先に規定に達したチームの勝ちとなる。当然ながらチームの勝利に貢献できるような行動が求められる。
- パワーストラグル (PS)
- 一言で言うならFPSで行う陣取り戦略ゲーム。2つのチームに分かれ、マップ上に存在する拠点を制圧する。自軍の陣地が増えるに従って製造できる武器や乗り物の幅が広がり、最終的に核兵器を製造して相手の本陣に撃ち込めば勝利となる。チームの勝利に貢献する行動が求められるのはTIAと同じだが、敵を倒しに行くのが苦手ならば拠点防衛や兵器製造に専念してもよいし、乗り物で味方を援護したり、爆発物で罠を張るなど、やれることの幅は非常に広い。
Crysis 2
Crysis 3
2013年発売。
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