スカサハ=スカディ(Fate)とは、スマホゲーム『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァントの一騎である。クラスはキャスター。愛称はスカディ(様)、スカスカ、自分をクッパと思い込んでいるピーチ姫など。
CV:能登麻美子
イラスト:こやまひろかず / 設定制作:桜井光
サーヴァントについてはサーヴァント(聖杯戦争)の記事を参照。
概要
森羅万象こそが神であるならば、私がそうだ。
高次の力こそが神であるならば、私がそうだ。
汎人類史に敗北した、過酷なる世界…旧スカンジナビア半島全域を領土とする第二ロストベルト『北欧異聞帯』を統べる異聞帯の王。神代より生き続ける旧き神だが、「我が氷血に流るる、霜の巨人王ユーミルの高貴によって!」という台詞から彼女の出自は巨人種である事が分かる。巨人にして神たる存在、それがスカディである。北欧異聞帯とは神代が終わらずに西暦まで続いた世界であり、氷雪と蒼い炎が織りなす幻想的な風景が広がっている。ロシア異聞帯と比べると魔力濃度が高く、西暦では姿を消して久しい巨人種が闊歩する。旧オスロ・フィヨルド(ノルウェーの首都)北部にある、大神オーディンから与えられた氷雪の城を居城とする。城内には巨人種を配置し、唯一城に繋がる大橋を通ると量産型ワルキューレが大挙して襲い掛かってくるなど戦力が配備されているが、防衛線のようなものはなく、城そのものも要塞機能を持たない。ただ見た目の優雅さのみを追求している。城内は防寒用の礼装を付けないと凍てつくほど極寒であり、ヒトのために造られたものではない事を示す。強力かつ濃厚な魔力によって感知機能が役に立たなくなる特性があるが、壁から調度品に至るまで氷で作られた内装には思わず目を奪われる。
一柱だけとはいえ旧き神が生き残っていた北欧異聞帯は重要かつ稀有だとキリシュタリア・ヴォーダイムは評価し、担当クリプターのオフェリア・ファムルソローネも「樹を育ちきれば、人類も、自然も、息を吹き返すかもしれない」と考えるなど、行き詰まりの異聞帯の中では最も特殊で再発展の可能性があった。そのためかロシア異聞帯の王イヴァン雷帝(fate)とは対照的にスカディは空想樹ソンブレロの生育には積極的であり、早い段階から種子の発射が確認されるなど生長が進んでいた。
世界に舞う純白の雪には微量ながら魔力が含まれており、全てスカディの一部。木の葉が揺れる音、風の音、話し声、出来事などが手に取るように分かる「目」と「耳」の役割を果たす。また、遠距離通信を阻害するニュートロンジャマーのような作用があるため、数km圏内にまで接近しないと通信が届かない上、活動拠点となりうる霊脈の探知も妨害する。山々に連なる針葉樹もまたスカディの魔力で作られた氷像である。まさに北欧異聞帯はその全土がスカディの勢力圏。ロリンチは「我々はスカサハ=スカディの掌の上にいるようなものだ」「止まっている分には誤魔化せるかもしれないが、動き出せば感知されてしまう」「彼女が敵に回った場合、不意打ちも効かなければ北欧から逃げる事も出来ない」と直面した現実を嘆いた。異聞帯の急所となりうる空想樹ソンブレロは魔力を以って隠匿し、視覚的にも機器的にも視認できないようにしていた。天を衝くほどの巨大な空想樹を完全に隠せてしまう辺り、キャスターとして突出していると言える。ナポレオン(fate)の幕間では、サーヴァントになった後ですら時計塔の魔術師にも出来なかった巨人のヨトゥン種を10体ほど強制召喚するという離れ業を見せた。
自身の魔力で百騎以上の量産型ワルキューレを作って手駒にしている。ワルキューレは「神の御使い」と呼ばれ、スカディに代わって様々な任務を遂行する。彼女らには連結機能が備わっており、情報を瞬時に共有して柔軟に対応できる能力を持つが、万が一対処不能の事態が発生した時はスカディに判断を仰ぐ。ワルキューレの中には、大神オーディンによって作られた「オリジナル」とも呼べる三騎のワルキューレ(fate)が存在し、性能の高さから統率個体としている。北欧異聞帯で生きる巨人種もまた全てスカディの支配下であり、彼らに対して絶対命令権を持つ。しかし「熱を持った生物を見つけると襲う」という本能までは抑えられず、ワルキューレと違って扱いづらい様子。シグルドからは「使い魔としては三流」、オフェリアからは「統率の取れた軍としては不適格」と言われている。特に炎の巨人ムスペルはスカディも危険と判断し、自我を奪う仮面礼装を付けた上で城の地下に監禁している。
神代から生き続ける本物の神であるため、超越した強さを誇る。ナポレオン(fate)から大砲数発を撃ち込まれても気にも留めないほどで、彼から「まともにやり合うのは馬鹿馬鹿しい相手だ」「神代から力を維持してきた神、天然自然の具現だ。魔力を感じ取るのも面倒なレベルで、手強い」「特別な手段を講じなければ、まず勝てん」「いくら砲撃しても相手にもされん。山に向かって撃つが如しだ」と評される。オフェリア・ファムルソローネは「こと女王陛下(スカディ)を除くなら、間違いなくアナタ(シグルド)がここ北欧で最も堅牢堅固な存在です」と評し、ロリンチも「術者はすっごい力を持っているってコト」「絶対的支配者だね。シグルド以上に危険な相手だ」「(もし最初から本気で来ていれば)シャドウ・ボーダーはとっくに雪に飲まれて氷漬けになっているからね」と評すなど、スカディが北欧最強の存在だと分かる。圧倒的な強さを知ったゴルドルフ新所長はスカディとの決定的な敵対を避けるために、空想樹の切除を後回しにする事さえ視野に入れていた。内包する魔力量も規格外で、マシュ曰く「魔力規模が感覚として掴めません!この城全体に彼女の魔力が充満しています!」「意識を失ってしまいそうな程、濃厚な魔力!通常の生態系の生物であれば即死しかねません!」「第七特異点をさえ思わせる……大気の魔力……―――」との事。カルデア式召喚術による英霊強化の術式さえも、スカディにとっては自在に操れる事象の一つに過ぎない。また、カイニス(fate)に喉元へ槍を突き付けられても全く動じない胆力をも持ち合わせており、精神面でも強靭さを覗かせる。
ただでさえ強大な存在なのに、大神オーディンから授かった原初のルーンによる魔術を操る。原初のルーンはオーディンが自身の命と引き換えに見出した文字であり、失われた北欧の魔術基盤を成す。このため現代の魔術師が再生させた模造品とは比較にならない高性能を持つ。使用すると詠唱が短くなる他、実用的かつ戦闘向きのルーンが数多く揃っているなどスカディの強さの根源とも呼べる。治療のルーンはスルトの攻撃で大怪我を負った人員や英霊を治療出来る上、一度砕け散った霊核を繋ぎ合わせる芸当も可能。更にはオルテナウスといった装備の修復まで行えるなど万能。実際に修復されたオルテナウスを整備したロリンチも「全然傷んでなかったんだよ。凄いよ原初のルーン」と満足気であった。対スルト戦では気休めとしながらも神鉄の同時多数召喚を行い、ホームズにして「凄まじい魔術の冴えだ」と言わしめた。スルトとの最終決戦では、味方に時速200km/hで飛行可能な不可視の翼を付与して勝利に貢献している。その気になれば主人公一行を一瞬で叩き潰せるだけの戦力と実力を兼ね揃えているが、彼女自身が北欧の母を自称するほどの慈愛に満ちた思考(後述)を持っていたため、意図的に生かされ続けた。
戦闘ではキャスターだけあって魔術を使用。つま先で地面を軽く突けば壁の如き氷が作られ、光でルーン文字を描けば炎が氷に置き換わった爆発が生じる。幕間やイベント等の描写によると原初のルーンを使った味方の援護を得意としているらしく、実際に援護を受けたナポレオンやニコラ・テスラが彼女の魔術の冴えを絶賛している。意外な事に筋力Bであり、氷で象られた大剣や槍を使った近接戦闘も可能。スカサハと混じった事で彼女の知識も取り入れられているようで、魔剣にも詳しい。
北欧異聞帯には100の集落が存在し、スカディの巨人避けの結界によって安全が確保されている。生活に必要なものは全て集落内で得られ、貨幣制度や他集落との交流も無いため、生きていくには集落内部だけで事足りる。しかし子供を作った人間は25歳以上、作らなかった人間は15歳以上で大人と見做され、一年に一度訪れる「定めの日」に集落の外へ出て、巨人種の生け贄となる。その直前に量産型ワルキューレを召喚する儀式を行い、死後ヴァルハラに送られる事が約束される。この慣習により人口は1万程度に抑えられている。彼女の力では人口1万を維持するのが関の山、巨人種を生かすのにどうしても生け贄が必要という背景があり、冷酷かつ合理的な判断に基づいた慣習だった。ただ北欧異聞帯で生きる人々にはこれが常識であり、定められた死を受け入れている。
約3000年前、炎の巨人王スルトが己の運命に反逆して惑星そのものを滅ぼそうとした事で狂ったラグナロクが発生。氷の狼フェンリルを引き裂いて喰らったスルトは氷の力まで獲得し、手始めに悪神ロキを殺害。続いて神々や巨人の王を殺して回り、北欧世界を形成する9つの世界を壊し尽くした。フェンリルが喰われた事により生き残った大神オーディンを旗頭に据えて神々が抵抗を試みたが、ついに勝てなかった。「神々の麗しい花嫁」と称されるほど美しかったスカディは多くの神に恋慕されており、ナポレオンの推測によると巨人からも言い寄られたとされる。ゆえに神々は彼女を守って次々に死んでいったという。オーディンは相討ち覚悟で辛くもスルトと炎の国ムスペルヘイムを封印し、偽なる太陽に姿を変えさせた。その状態においてもスルトは神々の命を狙い続けたため、目をくらませる目的でオーディンは生き残ったスカディを縁のあるスカサハと重ね、原初のルーンを授けた。スルトの封印は叶ったがオーディンも討たれ、相討ちの形で神々は完全に滅亡してしまった。
図らずも最後に残った神となったスカディは、真にラグナロクを終わらせてヒトの時代へ移行するために生き残った人間の庇護を決意。北欧の大地と生命は神々との戦いで飛び散ったスルトの血である残り火によって蝕まれており、まず自身の魔力で作り出した氷雪で大地を覆って地上の炎を鎮火。しかし炎を抑制し続けるには常時魔力を使わなければならず、空で燃え盛る炎までは消し去る事が出来なかった。スルトの傷跡を消し切れなかった彼女は己の無力を悔やんだ。次に人間の保護区を作り、北欧世界のヒエラルキーの最下層に位置する人間が生きられる環境を整える。元々巨人種は誇り高い魂を持ち、神々と並び立つ存在であったが、スカディ曰く炎の熱で全ての巨人が歪み、破壊をもたらすだけの厄災に成り果てた。巨人ながらスカディが歪まなかったのは北欧の神々から与えられた加護のおかげと思われる。かつての巨人は神に匹敵する気高い存在だと知る彼女は破壊衝動を抑えるために仮面礼装を作り、巨人種の自我を奪って支配下に置いた。奇しくもこれらの行動は、北欧神話初期にオーディンたちが行った世界作りの一部と合致する。巨人避けの結界と柵を造って人間が住むための集落を用意する行為は、原初の巨人ユミルから抜いたまつ毛で柵を造って人間の国ミッドカルドを建国する行為と、人間を襲う巨人種に仮面礼装をかぶせて支配下に置く行為は、巨人を海を隔てた遠くの地に追いやる行為(無力化)と符号している。スカディが最高神オーディンのやり方に倣ったのか、それとも偶然似たのかは謎である。
こうして北欧神代は平穏を取り戻したが、滅びゆくはずだった世界を強引に維持した代償は大きかった。大地を氷雪で閉ざした事により大半の動植物が姿を消してしまった。スルトの炎とスカディの氷雪がぶつかり合う僅かな地域のみが温暖な気候となり、色とりどりの花や動物の生存圏になった。薬草も生えているらしく、人間の少女ゲルダが「外に出てはいけない」という掟を破って摘みに来ていたようだ。皮肉な事に、燃え上がる炎と氷塊しかない世界は北欧神話における原初の状態だった。頑張って世界を統治してきたスカディだが、結果だけ見ると北欧を最初の状態に戻しただけ(=少しも発展していない)という残酷な現実が浮き彫りになる。何より北欧神代にとって痛恨事だったのは、発展性が無いと見なされて汎人類史から分離させられ、行き詰まりの異聞帯と化した事だった。スカディ一柱の力だけでは現状維持が精いっぱいであり、神代が終わらないまま西暦2018年まで存続。彼女は世界で唯一残った旧き神として、土地を統治している。抵抗勢力が誕生していたロシアの異聞帯と違って反乱は一切無く、治世は成功。マシュ・キリエライトは「ここはとても平和な気がします。」「異聞帯のすべてが危険なワケではない……そんな希望を抱いてしまうほどに。」と評し、キリシュタリア・ヴォーダイムも異聞帯の中で最後まで残るかもしれないと評していた。最初は主人公たちの生存を認めるものの、彼女はある決定的な対決のために、主人公たちによる異聞帯での活動を必ずしも許容するわけではなかった。
神話ではオーディン3兄弟がユミルを殺害して世界を作っていくのだが、北欧異聞帯の場合ユミルに相当するのがスルトであり、スカディには独力で倒せるだけの実力が無かった。のんびり屋なユミルと、全てを蹂躙するうえ神殺しまで殺すスルトとでは強さが違い過ぎたのだ。最初の敵がチュートリアル用の敵ではなくラスボスとかクソゲーか何か?つまりスタート地点から話が進まず、ずっと原初の世界のまま足踏みしてきたのが北欧異聞帯の現状と言える。スルトを打倒した時に発展の兆しが見えたのは、ユミル役のスルトが斃れた事で創世の物語が始まろうとしていたからだと推測される。もっともカルデア軍団に剪定されてしまったが、もしスカディが勝ち残っていれば北欧世界を作っていくオーディンの役割を彼女が担っていたであろう。
3000年間北欧異聞帯を統治してきたスカディであったが、唯一の失態はスルトの存在を感知出来なかった事だった。北欧の最高神オーディンが命と引き換えに封印を成したのだから、もう二度と現れないと思い込んでいたようだ。実際、オフェリアが来るまではこの認識は正しかった。しかし不幸の連鎖によりシグルドの中にスルトが割り込み、スカディはそれを看破出来ず、結果として北欧異聞帯の崩壊を招く一大事にまで発展してしまった。コヤンスカヤは「自分たちの世界に疑いを持てない、それが異聞帯の限界なのよ」と嘲る一方、仮にスルトとシグルドの関係を知っていたとしても見逃したであろうと推測している。強大過ぎる力を背負った者の責任として、スルトを排除したいという自らの考えを否定してまで慈愛を貫きたかったと。運命の流れが違っていれば、スルトをも愛するスカディが見られたかもしれない。
実装
2018年7月19日にゲッテルデメルングが配信された当初は敵としての登場だった。スカサハ(fate)と容姿が酷似していた事から双子の妹のオイフェではないかとユーザーから推測されていたようだ。実装時はスカディの首が不自然なほど長かったが、いつのまにか修正が加えられて違和感が無くなっている。配信から10日後の7月29日の生放送で実装が発表され、同日16時30分に実装。スカディの性能を確認できる体験クエストも8月12日午後12時59分まで期間限定配信された。
リリース3周年記念の神霊サーヴァントだけあって破格の性能(後述)を誇っており、見た目の可愛さも手伝って彼女を召喚しようとするマスターが相次いだ。しかし入手経路は不定期開催されるピックアップ時のみ。☆5特有の排出率の低さもあって多くの星晶石がマナプリズムと化してしまったという…。スカディの登場はクイック鯖に革命をもたらし、「スカディシステム」と呼ばれる一つの時代を築き上げた。一時期はフレンドにスカディの顔がズラリと並んでいたほど。しかしアルトリア・キャスター等の登場によって往時の栄光は過ぎ去り、現在はスカディのいた椅子にはキャストリアが座っている。とはいえ味方にNP50%を気軽に渡せたり、適当に使うだけで火力の底上げに繋がる敵全体への防御力ダウン、わずか5騎しか持っていない即死耐性付与の宝具など、システム抜きにしても便利なスキルを持っているため、起用の機会は残されている。
スカディは異聞帯でのみ成立する神であり、本来であれば召喚を試みてもスカサハの分霊程度にしかならないのだが、北欧異聞帯で結んだ縁によって召喚が可能になった。人理が乱れているFGOの世界だからこそ召喚できる特異な存在と言えよう。また異聞帯での記憶を引き継いだ最初の神霊サーヴァントでもある。
史実・来歴
元ネタは北欧神話に登場する雪山の女神スカディ。スカディの名は古ノルド語で「傷つくるもの」を意味する。ドイツ語ではスカディと呼称するが、フィンランド語や古ノルド語ではスカジと呼称されている。フィンランド、ノルウェー、スウェーデンが存在するスカンジナビア半島はスカディの名から取られているとされており、FGOではこの説を採用。作中でスカディがスカンジナビア・ペペロンチーノの名に妙な親近感を抱いていた。
汎人類史では山の巨人スィアチの美しき娘として登場。巨人の国ヨトゥンヘイムのスリュムヘイムという館に父スィアチと住んでおり、館内には莫大な財宝があったという。『スノッリのエッダ』第二部で、アース神族と敵対するスィアチはヨトゥンヘイムを訪れた悪神ロキと大神オーディンにちょっかいを出し、ロキを誘拐。そのロキに対し、解放する代わりに若返りのリンゴを管理する女神イズンを連れてくるよう命令。保身に走ったロキはアスガルドからイズンを連れ出し、アース神族は若返りのリンゴを得られなくなってしまう。オーディンですらリンゴを獲る事が出来ず、見る見るうちに神々は老化していく。イズンを最後に見たロキが問い詰められ、すぐにイズンを取り戻す約束を交わしてスィアチのもとへ移動。魚釣りに出掛けたスィアチの不在を突いて館の中で監禁されていたイズンをくるみに変えて持ち出し、アスガルドに帰還。これに気付いたスィアチがロキを追いかけるが、アース神族が仕掛けた炎の罠に引っかかり、あえなく焼死してしまった。
父の死を知った娘スカディは激怒し、鎧兜と弓矢を装備してアスガルドに殴り込む。誰から見ても明確な殺気を放つ彼女とは対照的に、戦いに飽きていた神々は「怒りを収めれば何でも払う」と和解案を提示。すると彼女は男神との結婚を要求し、更に自分に選択権を与えるよう指示。スカディの本命は最も美しいとされる光神バルドルだった。だがバルドルはオーディンの息子でもあり、神々としては巨人如きに美しい神をやる訳にはいかなかった。そこで「男神を選ぶ時は足だけしか見てはならない」と条件を付け加え、スカディも承諾。早速男神を一列に並ばせ、その上から布をかぶせて足しか見えないようにした。準備が終わるまで、スカディには目隠しがなされた。「バルドルは最も美しい神なので足も美しい」と考えたスカディは一番綺麗な足をしている男神を選んだ。しかし、その正体は海神ニョルズであった。婿選びガチャ失敗。ニョルズは足を波に洗われている関係上、バルドルより綺麗だったのだ。当然結果に不服な彼女は怒ったが、ロキの取り成しとオーディンの計らいによりニョルズと婚姻を結ぶ事となった。こうして彼女はアース神族に迎えられ、巨人でありながら神の仲間入りを果たしてアスガルドの市民権を得た。
しかし海の神であるニョルズと山の神であるスカディの反りは合わなかった。住む場所を選ぶところから二人は揉め、やむなく9日間おきにスカディの住む山の館スリュムヘイムとニョルズの住む港ノーアトゥーンを行き来する折衷案を実行。ニョルズは狼の遠吠えがうるさくて眠れず、スカディはカモメの鳴き声がうるさくて眠れないという互いにダメージを与えるだけで終わった。結局二人はすぐに離婚。それぞれの場所へ戻る際にけなし合う歌まで唄ったという。スリュムヘイムの館に帰ってきた彼女は雪靴と弓矢を装備し、雪山でスキーをしながら狩猟を嗜んだ。その後、冬の神ウルと同居。彼は山の環境を好んでいたため今度は上手く行った。スカディの結婚生活には諸説あり、ニョルズとの夫婦関係を続けてフレイとフレイヤの兄妹を産んだ(または義母)とも、離婚後にオーディンと結ばれてノルウェー王家の始祖になったとも言われる。ただオーディンには既に正妻の女神フリッグがいる上、女巨人に対してはグンロズのように騙すだけ騙して最後は切り捨てるというやべーやつであった。唯一オーディンが本気で惚れた女巨人はビリングの娘のみとされているので、スカディとの関係も一時的なものだったと言えるかもしれない…。
異聞帯では「神々の麗しい花嫁」と称されるほど多くの神々から求婚された美女だった。しかし婚姻が果たされる前に狂ったラグナロクが発生し、スルトによって自分以外の神は全滅。婿候補が全員死ぬという悲劇に見舞われた彼女は独身にならざるを得なくなり、残された命と世界を身一つで守っていかなければならなくなった。神話の巨人族には魔法に熟達した者もおり、汎人類史のスカディはバリバリの武闘派であったが、異聞帯の彼女は魔法に通じていたと思われる。北欧神話の女神スカディとケルト神話に登場する影の国の女王スカサハを同一視する考えから、FGOでは習合した存在となっており、見た目はスカサハそっくりである。ただ中身はスカディのままなので完全な別人。性格もスカサハとは大きく異なる。それでも若干スカサハの知識が混じっているらしく、魔剣に関する知識を持っていたり、槍を使った攻撃を行う事もある。スカサハとスカディの習合を唱えた著作は、神学的・裏付けのないトンデモ本の類なのだが、Fate世界ではある意味正鵠を射ていたという解釈がされているといことなのだろう。
人物像
「殺そうか、愛そうか」と、まさしく自然(神々)そのものの性質を秘めている。神罰すなわち死と考えており、いずれかは全ての生物に死が訪れるのだから自ら罰を下す必要は無いと考える。
ラグナロクを生き抜いたあらゆる生命体を等しく愛し、彼女の前では人間も、ワルキューレも、巨人種も、北欧異聞帯に生きる可愛い子供に過ぎない。怨敵スルトの部下にあたる巨人種まで愛するあたり彼女の慈愛は深いと言える。外の世界から侵入してきた「異物」である主人公一行やナポレオン(fate)も例外ではなく、襲撃を受けたにも関わらず殺害を禁止。このように寛大な措置を取り続けたが、異聞帯の崩壊に繋がる空想樹の位置だけは決して教えず、また脅威になりつつあったカルデア軍団は捕縛して手元で愛でようとした。ただし、集落の外で巨人種や量産型ワルキューレに襲われて命を落とす程度であれば「仕方がない」として切り捨てている。カルデア軍団やゲルダが巨人に襲われても助けなかったのは、この考えに因るもの。あくまでスカディが庇護するのは集落の人間であり、掟を破って勝手に外へ出た者は彼女の庇護下から外れる。逆に集落そのものが巨人に襲われそうになれば、重要な局面であっても自らの魔力を割いて守り抜こうとする。
汎人類史の抵抗として北欧異聞帯に出現したアルターエゴ・シトナイに対してはその脅威から捕縛して地下牢に収監したものの、シトナイの中に汎人類史における義理の娘であるフレイヤが存在する事を知り、無関係ながらも母親の情愛から処刑しなかった。その優しさに気付いていた彼女は「あのひとは悪いひとじゃなかったし……もう少しくらいお話ししたかった」と呟いている。敵であれば殺すが、直接宣戦布告でもしない限り敵とは見做されない。一方で冷徹な側面を有し、北欧異聞帯における極めて徹底された人口統制・管理制度は彼女なりの理想と現実の折り合いの結果と言える。それゆえ、女王としての威厳を持ちながらも、望み通りの人生を歩めず、“閉じてしまった”世界を愛すると決めた儚さを彼女は漂わせる。
2022年4月3日の放送で「殺そうか、愛そうか」の言葉の真意が明らかにされた。本来スカディは「誰も殺したくない、みんな愛したい」と考えており、それは異聞帯の王を務めていた時も同じだった。しかし巨人を生かすためとはいえ人間の命を剪定する自分を皮肉して自覚的に「殺そうか」を先に言い、続けて言う「愛そうか」は言うほど愛せていないじゃないかという自嘲の意味が込められている。カルデアに召喚された後は「愛そうか、殺そうか」と順番が逆になっているが、これから殺す敵に対する慈悲として先に「愛そうか」と言っているのだという。スカディは神ではあるものの思考自体は人間に近く、命の剪定をする自分の治世は間違っていると思い続けてきた。非情な氷の女王に徹しきれない彼女は次第に精神を摩耗していき、平静を装っていたものの限界が近かった。元々は箱入り娘であり、決して王の器ではなかったスカディが王にならざるを得なかった現実が、彼女の境遇の悲惨さを強調する。良くも悪くも優しすぎたと言える。
クリプターのオフェリアから他の異聞帯の情報を知らされており、中国異聞帯における始皇帝(fate)の治世を「論外」と断じている。恒久平和のためとはいえ民に愚民化政策を施し、必要となれば抹殺する彼のやり口は、人間を我が子と愛するスカディにとって受け容れがたいものだったと推測される。また、その優しさからキリシュタリアに「カルデアに味方するかもしれない」と警戒されていた。ギリシャ異聞帯の女神アフロディーテからは「人間の養殖場を運営する女神」と呼ばれている。自分の愛する世界を維持するために空想樹を積極的に育てていたが、その背後にいる異星の神に対しては快く思っていない様子。空想樹から射出される種子に関しては不快感を示しつつも目をつむってきたが、その種子が居城の天井に穴を開けて襲来した時には「空想樹と接続したこの私の!居城に!如何なる理由を以て種子如きが飛来しようか!」と激怒。自壊を命じたが、既にオフェリアの手で接続を切られており空想樹への影響力を失って失敗した。また第2部第6章『アヴァロン・ル・フェ』にて、異星の神の使徒を務めている千子村正(fate)の中に盲目の戦神の権能がある事が判明。もし北欧異聞帯を訪れていればスカディは「お前さえ騙されていなければ」と怒り心頭になったかもしれないと彼は推測している。オフェリアからギリシャ異聞帯との同盟を持ち掛けられた時も明確な回答を差し控えるなど、他勢力との交流を避けたがっていたようだ。
かつての彼女は多くの神々から求婚されるほどモテモテで、三段階目の霊基再臨で着用する純白の衣装は本来婚姻で使用されるはずだった特別な衣装である。同時に唯一の戦装束なので戦闘にも耐えうる。この事はゲッテルデメルング終盤のスカディ戦直前で明らかになるのだが、選んだ選択肢次第では説明されないまま戦闘に入るため、知らない人もいる。また三段階目の彼女が頭に着けている冠は求愛した神々から贈られた物。北欧を形成する9つの世界から最も美しい物が放つ輝きの雫を一滴ずつ集め、これを使ってスカディのための特別な冠を作り上げた。魔力は一切帯びていないものの、彼女の宝物として着用しない時は居城に飾られている。そしてこの冠は絆礼装でもあり、絆が深まると親愛の証としてスカディからマスターに贈られる。
多くの神々や巨人に求められたスカディであったが、彼女にとっての本命はオーディンだったようだ。自身が死した後もスカディを導いていたオーディンだったが、実は敵対するナポレオン(fate)やカルデア軍団も導いていた事が判明し、「オーディンらしい」としながらも彼女は失望感を隠せなかった。モテモテだったにも関わらず独り身になってしまった事を気にしているのか、マスターにその事を指摘しないよう釘を刺している。
メインストーリーでは厳格なる神であったが、イベント時空では一転してコミカルな性格に。「圧倒的ではないか、我が艦は」という機動戦士ガンダムのパロディ台詞を言ったり、お茶目な一面を見せたりとやりたい放題である。おそらく、こちらが本来の性格と思われる。スカサハ(fate)からは「母性がくすぐられる(意訳)」と評されている。2021年のクリスマスイベントではついにショップの店員と化し、健気に接客していた。寒冷地に身を置いていた影響か暑さに弱い。好物はアイスキャンディで、魔力を使って自作する事もある。北欧異聞帯が誕生してから最初の200年くらいまでは自作のアイスキャンディを我が子に配り歩いていたという。巨人種にも与えていたのだろうか。
カルデアにおいては汎人類史の英霊とは少し距離を置いて接している節がある。一方で、汎人類史側のスカサハよりも肉体的にも精神的にも幼い。ズレてないともいう。
ほぼ同時期に実装された女王メイヴ(水着)はスカサハにそっくりなスカディを見て一目惚れし、可愛いを連呼して彼女を照れさせている。ちなみにスカサハはメイヴの挑発をガン無視しており、スカディの初々しい態度にギャップ萌えを感じたようだ。それ以降、イベントでは甲斐甲斐しくスカディの世話を焼いている。孤独の女王を演じ続けてきたスカディにとってメイヴの存在は新鮮だったようで、親友同士の関係を築いた。…のだが、実のところメイヴから一方的に好意を向けられているだけであり、スカディ側は気圧されている。実際マイルームの台詞によると興奮を隠しきれないメイヴとは対照的にスカディは冷静で、彼女の女王としての在り方を肯定する程度に留まっている。同時に暴走しがちなメイヴを止められるブレーキ役を果たす。元々ケルト軍団には突っ込み役が少ないため、良識派のスカディの存在は貴重。
マスターとの関係
普段の彼女は神として厳格に振る舞い、マスターを逆に従わせようと主従逆転を迫る。このため、マイルームのボイスでは主人公をマスターと呼ぶのを嫌がっている節がある。しかし関係を深めていくと無防備な姿を見せたり、恥ずかしい秘密を明かしてくれたりと人間味のある言動をするように。そういう隙ともいうべき温かみがあるのが彼女といえる。イベントでは主人公と打ち解けたのか、普通にマスターと呼んでいる。自身の幕間においては「諦めず、道を征き続ける者」とも呼んだ。
スカディの絆Lv5に必要な絆ポイントは1万5000。これはヤンデレで有名な清姫(fate)や好意を隠そうとしないオケアノスのキャスターと同一の少なさである。全体で見ても、要求絆ポイントが最少のエリザベート・バートリー(fate)らのグループに次いで2番目。絆Lv10に必要な絆ポイントは161万(160万6000とも)。☆5サーヴァントの中では16個あるグループのうち3位(同率含む)の少なさであり、非常に早く絆Lvが上がっていく。スカディの他にはアキレウス(fate)、玄奘三蔵(fate)、ジャンヌ・ダルク(fate)がいる。
対象を異聞帯の王に限定するとブッちぎりの1位。マスターの妻や夫を名乗るモルガン(fate)ですらLv10にするのに168万が必要になる。余談だが、2位はアルジュナ・オルタの166.9万。北欧異聞帯で登場したサーヴァントたちと比較しても1位(レア度が違うワルキューレのみ除外)。スカディがマスターにぞっこんなのが如実に分かる。ちなみにスカサハは最も要求絆ポイントが多いグループに属し、絆Lv5にするのに5万、絆Lv10は170万5000とスカディとは対照的。
普段頷く時は「うむ」だが、マスターに対してのみ「うん」になる事があるという細かいネタがある。他の者やサーヴァントの前では隠している子供らしい部分が、マスターの前でなら出せるのだろう。
イベントでは
雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~
「慣れぬ。いつまでも慣れぬ。炎熱の恐怖なぞ我が身には通じぬと分かってはいても」
「なんとも好きにはなれぬ……」
2019年1月1日から15日にかけて行われた正月イベント。「マブと雪の女王」にて初めてイベント初登場を果たした。何故か北欧組ではなくケルト軍団に編入されている。
ゴルドルフが従業員の雀に宣伝の瓦版を刷らせ、カルデアで暇そうにしている英霊を閻魔亭に招いた事で客として来訪。メイヴから温泉に行こうと誘われていたが、スカディは「あつい」のが苦手なため拒み続けていた。どうやらラグナロクが狂う原因となったスルトの炎がトラウマになっているらしく、自身に炎熱が通用しないと分かっていても「あつい」湯は苦手のようだった。ちなみに水浴びや湯浴み自体は好きらしい。
ケルトのスカサハと比べて天然な部分が多いスカディの言動はフェルグスをも魅了し、温泉に入らない理由が判明した時にはあまりの可愛さに許容量がオーバーして暴走。取り押さえられる事態に発展した。男を独り占めしたいメイヴとしてはスカディと言えど男性の注目を集めるのは嫌らしく、ギャップ萌えにひたるフェルグスに対して「この私を前にしておきながら!今、スカサハのこと可愛いって思いかけたでしょ!」や「確かに、気持ちは分かる!でも我慢なさいフェルグス、私の、私だけのブレイブ!」と制止している。
その後スカサハから「温泉でアイスクリームを食べると旨い」と教えられ、温泉に入った。廊下でスカディからその事を聞いたアーラシュはニトリクスに伝え、そこからオジマンディアスにも伝わっていったとか…。
ラスベガス御前試合 水着剣豪七色勝負!
「しかしなメイヴ、マスターからの頼みは道理ではあろう。」
「微小特異点を放っておいてよいものではない、と……」
「私は他の誰でもないおまえに聞いたのだ。」
2019年8月14日から9月4日にかけて行われた水着イベント。
水着獅子王が経営するカジノ・キャメロット打倒のため、主人公一行が力を借りる目的でスカディのもとを訪れる。一方、メイヴはクー・フーリンに対して不自然なほど消極的なスカディを案じ、先週からクー・フーリン軍団とサマー・ラスベガス・スペシャル・ツアーをすると約束していた。が、スカディは特異点を解決しようとするマスターの力になりたいと考え、メイヴとのツアーを断った。解決後は彷徨海を一緒に巡る代案を示すなど優しく諭すが、スカディの意志に反して強引にツアーをしようとクー・フーリンオルタやフェルグスとともに主人公一行に襲い掛かる。さすがに道理が通らないと判断したのか、バトルでのスカディはマスター側に加勢している。戦いに敗れてもなおしぶとく食い下がるメイヴだったが、フェルグスにも諭されてついに折れ、彷徨海ツアーで妥協。スカディはマスターに力を貸す事になった。
虚数大海戦イマジナリ・スクランブル
「マスターよ、食っておるか?よしよし。おまえが食わねば私も腕をふるった甲斐がないというもの。」
「ところで、だ。おまえのために、特別な料理を用意している。」
「船長にも内緒の一皿だ―――まだ腹は空いているか?」
2020年11月11日から25日にかけて行われたイベントで、スカディが主要人物に選ばれた初のイベントでもある。参加条件は第2部第1章クリアなので、人によっては本イベントが初対面になる場合も。
キャプテン・ネモの宝具で具現化したノーチラス号のテスト航行に参加するサーヴァントとして登場。敵性技術の解析、ルーン魔術による虚数空間への適応付与、撃破した虚数性エネミーを食糧や魔力に変換、増援サーヴァント召喚の魔力リソース源を用意するなど技術面から多様に支援する。メイヴがいない影響か、本来の性格である子供らしい無邪気な部分が色濃く表れており、心の仮面が無い素顔の彼女が見られる。
大西洋異聞帯攻略の鍵となる万能潜水艦ノーチラス号のテスト航行を行うにあたって搭乗サーヴァントを選抜する事になり、トリスメギストスⅡによる選考を実施。スカディ、刑部姫、項羽の3名が最適として最終選考に残ったが、何故このような人選になったのか開発者のシオンにも理解出来ず、「彼らが必要となる作戦環境とは一体何なのか」という不安が付きまとった。だがトリスメギストスⅡが算出した結果を信じ、作戦準備を続行。そしてノーチラスはノウム・カルデアのドックを出発して試験航海に出るのだった。想定外の敵性潜水勢力に襲われた想定の戦闘シミュレーションではルーン魔術で2騎を援護。刑部姫から「女神様が強力なルーン魔術で支援しつつ、姫が隙間を埋める感じ。か な り万能じゃない?」と高評価を受けたが、対するスカディは刑部姫に宝具回転率を上げるよう指示したり、刑部姫と項羽との宝具の噛み合いの悪さを指摘するなど優れた戦術眼を発揮した。また、マスターに腹の中が知れない項羽の手綱を握るよう依頼している。
いよいよゼロセイルが実行され、虚数空間への潜航を開始。ノウム・カルデアから観測されない完全に孤立した空間へ潜った。しかし間もなく謎の暗礁に乗り上げる事故に見舞われてノーチラス号は中破。浮上が出来なくなってしまう。ここから生き残りを賭けた苦闘が始まった。各員が生還の方法を模索する中、スカディは豊富な知識を活かして解説役をこなし、現状を説明。マスターから先生と呼ばれた。しかし生物が存在しないはずの虚数空間で外部から謎の攻撃を受け、艦に激震が走る。その際の振動で白目を剥いてひっくり返るという元異聞帯の王とは思えない可愛い醜態を見せた。緊急時に備えて項羽が残した書簡の中には月からの支援で届けられた謎の水着が収められており、それを着たマシュが艦の外へ出撃。何とか虚数性エネミーを撃破する事に成功する。どうやら特殊な水着であれば本来生存出来ない虚数空間でも戦闘が可能になるようだった。だが損傷により船底第4から第6区画を放棄せざるを得なくなり、大量の食糧や魚雷、観測装置、電算装置、魔力リソース等を喪失。潜航可能時間が150時間にまで激減してしまった。苦境に立たされるノーチラスを更に追い詰めるかのように再度エネミーが襲来。撃沈が秒読み段階に入る中、スカディは月から届いた水着にメモリーチップが埋め込まれている事に気付き、得体の知れない魔術式を解析。素早く我が物にすると自身と刑部姫を水着霊基に変じさせる。スカディには水着スキンが無いため、立ち絵やバトルグラは水着姿のスカサハで代用されている。そして露出の多さに困惑するスカディ。これでマシュ、スカディ、刑部姫が艦外での戦闘が可能になり、臨時で召喚した揚貴妃(fate)の援護で敵や地形の視認も可能となった。無事虚数性エネミーを撃破した後、虚数空間で漂流するゴッホを救助するためゲイボルグを差し出した(刑部姫から「この女神ぽんこつだー!」と突っ込みを入れられている)。結局、刑部姫が折ったレスキュー隊によって救助された。ちなみに水着スカサハになっている間は英霊としての格が一般人レベルにまで低下してしまうが、それでも一応戦える辺り腐っても異聞帯の王と言える。露出の多い水着には慣れていないのか再度水着を着用しての戦闘は拒否したが、水着の用意はスカディに一任される事に。
本編中編では「刑部姫を虚数空間に射出して敵を偵察させる」という伏龍並みの特攻任務を提案し、それを聞いた彼女は逃亡した。通路にて酒に酔ったマシュが暴れていると、スカディの前にスイッチ型の自爆装置が転がり出た。彼女が持ち上げた瞬間、マシュがスイッチを押してしまい艦内で爆発が発生。ネモ・プロフェッサー曰くシオンが用意したエイプリルフール用の偽自爆装置との事だが意外と威力があり、黒焦げのボンバーヘアーになってしまった。そして爆発音がエネミーを引き寄せる事となる。爆発に巻き込まれたにも関わらずスカディは戦闘可能だったがマシュが倒れてしまい、刑部姫は逃亡中と戦えるのはスカディ1騎のみとなる。水着を着る恥ずかしさを忘れようと火酒を飲もうとするが、ネモが1騎だけでは出撃を許可出来ないという事で魔術を使って揚貴妃を戦力化し、居合わせたゴッホも戦線に投入。敵戦力を撃破する。戦闘後、刑部姫がネモ・マリーンに捕まってブリッジに出頭。スカディが提案した特攻任務はネモ曰く画期的な索敵方法らしく、刑部姫の宝具が丁度アクティブソナーの役割を果たすという理に適ったもので最終盤までノーチラスの「目」となった。先述の通り水着になると一般人レベルにまで弱体化してしまうため、ネモはプロフェッサーとともに技術支援に回るよう指示。ここから技術者としてノーチラスの援護を開始。
プロフェッサーがゴッホの血清を解析してみたところ、虚数存在を実数存在に変換できる事が判明。更に研究を進め、撃破した虚数性エネミーの残骸から有用な部分だけ取り出せるように。これにより食糧不足と魔力リソース問題が解決した。しかしいくら無害な肉塊とはいえ、見た目がグロテスクなエネミーを食するのは刑部姫もスカディも難色を示した。そこでネモは手に入った魔力リソースを使い、スカディが作った魔術工房の一部を厨房に改装し、そこへネモ・ベーカリーが進出。彼女の手で肉塊を抵抗感なく食べられるレベルにまで引き上げようとした。その後、レーダーと化した刑部姫が全長80mに及ぶ巨大エネミーを探知。加えて敵増援まで出現したが、ゴッホとネモの宝具により辛くも窮地を脱出。だが無理を重ねたノーチラスの外殻がガタガタになってしまい、「虹色の光」が浸水。スカディはネモ・シリーズと協同でダメージコントロールを行い、沈没一歩手前で食い止めた。第一海域の出口を塞ぐエネミーを撃破した後、ノーチラスは第二海域に到達。今度は雷撃に匹敵する攻撃手段を確保する事になった。スカディがスカサハに変身した時にゲイボルグが一時的に使用可能となっており、マスターが「魚雷代わりの武器になるのでは」と意見具申したが、スカサハ本人のものではないゲイボルグは威力が心もとないらしく、ネモに退けられた。またプロフェッサーも「彼女はもはや技術部門に必要不可欠な人材なので、前線にまわすのはご勘弁をー」とスカディの前線投入は避けてほしい意思を示した。一方、当のスカディは規律の引き締めが必要と考えており、増援として新たに召喚された源頼光(fate)に水着の用意があると伝え、彼女とご禁制の対策会議に入った。頼光の加勢によりノーチラスの攻撃力と偵察範囲が向上。ようやく危険な偵察任務から解放されると喜んだ刑部姫だったが、「そんなわけがなかろう?偵察手はいくらいても構わぬ」とスカディから氷のように冷たい指令が与えられ、青ざめた。カワイソス。
本来150時間しか潜航猶予が無いノーチラスであったが、各々の働きによりその猶予を延伸。これを祝してネモ・ベーカリーと料理を作った。本来虚数性エネミーを使った料理は最低限栄養が取れるだけの、味を考慮しないものになるはずだったが、スカディとベーカリーが「食は全ての基本であろう」と主張して念入りに研究を重ね、食材転用技術が向上。スカディの魔術によって、見た目も宮廷料理に引けを取らない豪華絢爛な料理となった。元は虚数性エネミーという事で揚貴妃が毒見をしたが、普通に美味しいとの事。スカディとベーカリーの努力の結晶は乗組員に振る舞われ、厳しい潜航生活を慰める一助となった。また、スカディはマスターのためにネモ船長にも内緒で特別な一品を用意していた。その関係はまるで新婚夫婦である。だがパーティの途中で虚数性エネミーが来襲したため一時中断。迎撃に向かうマスターに「さくっと征って戻ってくるのだぞ。最後の一皿と一緒に待っている」と声をかけた。ノーチラスを襲ったエネミーを撃退した事でパーティは再開。スカディが丹精込めて作り上げた特別な一品、それは「虚数生物の活け造り」だった。マスターの出身地である日本では素材の新鮮さと元来の味を生食により愛でる文化があると知り、敢えてエネミーを実数化せずにそのままの姿で切りつけて盛り合わせた。言わなれば刺し身。醤油とワサビもしっかり用意されており、女王陛下の寵愛が見て取れる。ただ、マスターに一番に食べてもらいたい考えから毒見を省いていた(一応分析で毒や食味に異常が無い事は確認しているが)。同じ日本出身の刑部姫や様々なエネミーを食してきたマシュですら言葉を詰まらせる見た目だったが、マスターは毒見を担おうとするゴッホと揚貴妃を退けて一番に口を付け、スカディを満足させるのだった。
現海域を突破するため出口を塞ぐエネミー群と交戦する白兵戦チーム。しかしノーチラスの宝具を撃つ前に足場が崩壊してしまい、虚数空間で漂流しかねない危機的状況に陥る。マスターの指示により急遽助っ人を召喚する事になり、スカディが用意した魔術工房から魔力リソースを確保。彼女の機転で既にマシュの盾とも魔力リンクが繋がっており、新たな増援であるラムダリリスの召喚に成功した。スカディが状況を説明した後、ラムダが使役するリヴァイアサンによって漂流しかけていた白兵戦チームは無事救出されて事なきを得た。スカディとプロフェッサーが共同で数多の虚数性エネミーを解剖及び研究をした結果、敵は純然な生き物ではない事が判明。どうやら刺激に反応して動くだけの単純な作りの存在のようだった。これまでに得られた情報を統合し、スカディは「何者かが操っている」と結論付けた。時間が経過するにつれて敵がピンガーを使うようになり、耳が良い揚貴妃は敵襲に備えて常時聞き耳を立てなければならなくなった。そんな彼女の負担を軽減するためにスカディとプロフェッサーはルーン魔術と分割思考技術を組み合わせ、虚数空間限定とはいえ2人に分身させた。もはや何でもありである。その後、増援のフランケンシュタインが召喚され、スカディの手で水着霊基になった。間もなく敵襲を受けたが、フランらの活躍により撃退。戦闘で魔力を消費したフランが昼寝を所望したため、スカディの好意で工房を提供。スケッチの続きがしたいゴッホも工房についていく事になり、「愛し子たちに囲まれるのは悪くないぞ」と満足気に語った。フランが寝ている間、スカディは彼女の宝具にたっぷり施術した。
第四海域に進入したノーチラスを待ち受けていたのは、宝具ランクA相当の威力を持つエネミーのビーム攻撃だった。左舷に命中したものの強化を施していたのが幸いして傷一つ付かなかった。しかし揚貴妃にも刑部姫にも位置が特定できない「無音」の攻撃であった。それから何度か無音のビーム攻撃が行われたが、いずれも索敵に失敗。どこから襲われているのかすら分からない恐怖の航行を強いられた。攻撃の間隙を縫ってスカディが解析を行い、敵の意図は「じわじわ殺す」もしくは「一歩も動くな」ではないかと推測。再び攻撃の兆候が見られたため、ネモに具申してノーチラスの機関を停止。スカディの推測は正しかった。停止と同時に攻撃が止まり、束の間の休息を得た。だが休息はほんの一瞬に過ぎなかった。今度は突然艦内に敵が出現する異常事態に見舞われ、混乱に陥る。機関室と電算室が孤立し、スカディもまたベーカリーともども魔術工房で孤立を余儀なくされる。マスターの活躍により艦内のエネミーは一掃され、艦橋にて他の乗組員と合流。目撃したネモ・マリーン曰くゴッホから出た血からエネミーが出現したのだという。プロフェッサーと解析した結果、精神不安から自傷に走って血を媒体にした召喚が行われたと見抜いた。怪物を召喚したゴッホを排除するか否かで揉めるネモシリーズ。肝心のネモは襲撃の際に負傷しており、まとめられる存在がいなかった。そんな中、マスターの鶴の一声で項羽が残した絵図を見てみる事に。するとノーチラスを罠に掛けたのは「機械」ではなく「人」だと判明。スカディは虚数空間を操作した黒幕は世界の外側より来るフォーリナーではないかと提唱する。解析により無音攻撃を行うエネミーへの対策も見つかり、ノーチラスは反撃の手段を得た。しかし状況はそんなに都合良く進むはずが無く、ゴッホを黒幕と断定したマリーンたちが処刑を行うべく反乱。そこへずっと眠っていた項羽が姿を現し、マリーン13体を一瞬で鎮圧。そして1つの矛盾が浮かび上がった。マリーンの数は本来12体なのだが、1体多いのである。信じられない様子のプロフェッサーに対しスカディは「いや、むしろ盲点かもしれぬぞ」「おまえたちは、互いの視野や感覚を共有しているが、それに目をとらわれ過ぎていたかもしれぬ」と指摘。仲間ではないからこそ何の感覚も共有されず、姿形が似ているので見た目で判別する事も出来ない。偽者の正体は葛飾北斎(fate)で、ノーチラスの足を止めるため怪物を描き続けていた。彼女をそうさせたのは外の神を名乗る者。外の神こそが今回の事件の黒幕であった。揚貴妃やラムダとの戦闘で北斎は気絶し、拘束された。スカディとプロフェッサーが霊基グラフを調べてみたところ、スキルが不正に改ざんされた跡が見つかった。どうやら外の神からの干渉を弱める「父娘の絆」が一時的に大幅に弱体化され、代わりに道具作成スキルが著しく強化されていた。目が覚めた北斎は協力的となったが、今度はゴッホが行方不明となる。ゴッホの正体について議論がなされる中、スカディが真っ先に気付く。ゴッホは外なる神が作り上げた英霊であり、地球侵略のための尖兵だと。しかし実数世界へ行くには強靭な神であっても簡単な事ではなく、ゆえに足掛かりとなるものを求めた。それが虚数空間であった。ゴッホは誘導用のビーコン、北斎は邪神の神殿を描いて前線基地を作る役割を担っていたという。隠された真実を次々に暴いていく彼女の推理はホームズにも劣らないものと言える。
最終決戦に備えてノーチラスには徹底的な対ビーム・対爆防御が施されたが、プロフェッサー曰く5割近くがスカディの技術協力や製作実務であり、それでいて使用料を取らないという北欧異聞帯時代に勝るとも劣らない圧倒的な慈愛を見せつけた。ただし実数空間では使用できない装備のため、生還を果たせば全て取り外される運命にあった。早速エネミーが大挙して襲来してくるも、白兵戦チームの迎撃で撃破。その直後、艦前方に直径3kmに及ぶ円形の地形が観測される。その地形の正体は異常に変異した巨大なゴッホであった。難局を乗り切るためスカディの提案で拘束中の北斎を戦力に加える事に。北斎の力で巨大ゴッホの中心にワープできるようになり、各々に重要な役割が与えられた。最終決戦では人手不足になる事から、弱体化を承知の上でスカディも参戦。「戦いの役には立たぬゆえ、マスターの奮闘に期待するぞ」と信頼を寄せた。また逃げようとする北斎に水着を着せ、強引に戦線へ投じるのだった。戦闘では開始時にスカディが原初のルーンによる援護を行い、クイック性能アップとクリティカル威力アップの効果が付与される。各々の奮闘と頼光の雷撃により巨大ゴッホの中に潜む邪神は討ち果たされ、無事ゴッホを救出。誰一人犠牲者を出さずに作戦は成功に終わった。ゴッホの力で艦内や空間内の余剰リソースを使って聖杯を造成したが…。
ところが最後の最後に揚貴妃が反逆し、聖杯を奪取。再びマリーンが反乱を起こし、拘束されたスカディは「きゃああ!?何でマリーンが、うわ怖い怖い!!」と乙女の如き悲鳴を上げる。気付けば刑部姫もラムダもネモも捕縛され、瞬時に艦橋を掌握されてしまう。更に召喚したアビゲイルや謎のヒロインXX、北斎、ゴッホにエルドリッジパワーを与えて正気を失わせる暴挙に至り、ノーチラスを陥れる。マスターたちの活躍で一人ずつ正気に戻し、元凶の揚貴妃を撃破。最後まで戦い抜き、無事帰還を果たしたのだった。
余談だが、サポートに登場するスカディは他のサポートキャラよりレベルやスキルレベルが低く設定されており、スカディシステムを使用されないよう対策が施されている。このイベントでスカディは電子技術を扱うのが苦手である事、サーヴァントも愛し子として接している事が判明した。
メイキング・クリスマス・パーティー!
「よくわかっていないからこそ、導きということにしておきたい気持ちがある……」
「……すまぬ。」
2021年12月8日から17日にかけて行われたクリスマスイベント。虚数大海戦に続いて主要人物となったが、元凶(?)として登場。善意でやった行為が、図らずも配布キャラのサンタマルタ誕生や事態が複雑化する原因を作った。虚数大海戦と同様に無邪気な性格だが、事態を招いた落ち度からかテンションは低め。
舞台はクリスマスが迫ってきたカルデア。エリザベートから「魔法使い=誰かに素敵な贈り物をくれるヒト」という事を教わったスカディだったが、今までの12月を漠然と過ごしてきた彼女はクリスマスの意味や意図を理解できていなかった。このため、たまたま通りすがった聖女マルタに尋ねようとしたが、彼女は不良サーヴァントの取り締まりで気疲れしている様子。ここで「魔法使いチャンス」を見出したスカディはリフレッシュさせる目的で原初のルーンを使い、マルタの霊基をいじってサンタマルタに変身させる。幼くなったサンタマルタに対して「今年のクリスマスを成功させる」という行動指針もとい使命を与えており、マスターからやや面倒見が良いと評されている。その後、歴代サンタクロースと交流させてサンタマルタにサンタクロースの在り方を教え、彼女の得意分野である料理でクリスマスパーティを盛り上げさせる事に。ここでスカディは要らぬ気を利かし、ルーン魔術で地下食料保管庫の食材を活性化。クリーチャーと化した食材が闊歩するバイオハザード状態にしてしまう。また空間もいじったらしく魔術を使う前より広くなり、より低温になっていた。おそらく陣地作成の能力を応用したと思われる。ただ本人は善意100%であり、食材採集をアトラクションゲーム風にして彩りを添えようとしただけだった。奥地に進むと通信が通じなくなってしまうが、用意周到な事にスカディは現地のナビケーターとして各地にサーヴァントを配置。「手際がいいといえばいいんだろうけど、食材をぽんと目の前に用意してくれないってのが、世の中そんなに甘くないっていうか、女王サマの厳しさっていうか」とはブーディカの言。
ところが食材から物凄い勢いで襲撃を受けた料理班はスカディに抗議。だがスカディは食材を活性化こそしたものの、近付けば勝手に食材に戻る仕様に設定していた。にも関わらず何故殺意全開で襲ってくるのか、これはスカディにも原因が分からなかった。管制室でマシュと協力して原因究明にあたり、このような事態を招いた事を料理班に謝罪した。やがて地下食料保管庫に格納されていた聖杯がルーン魔術と結合して食材を暴走させていた事が判明。回収によって事件は収まったのだった。
本イベントではスカディがショップの店員を務めた。異聞帯の王として振る舞ってきた彼女にとって庶民の労働は未知の体験であり、慣れないとしながらも真面目に交換や発送業務をこなす。台詞によると交換できるアイテムはマスターのために彼女が用意した品物のようだ。イベント期間終了に伴ってショップを閉じる事になった際、寂しそうな顔をするマスターを気遣ってメイヴから貰ったとっておきのアイスクリームを取り出し、一緒に食べた様子。またイベント開催にあたってスカディと紅閻魔(fate)がガチャでピックアップ対象になった。
バレンタインイベント
「ヴァレンティヌスの祝祭が愛を言祝ぐものならば、ああ、私は」
「この私は、きっと何もかもを忘れて愉しむことはできまいよ」
自身にあてがわれたシミュレーターの領域を使い、かつて北欧を統治していた時に居城としていた氷の城を再現するスカディ。とはいえ再現できるのは橋と城内だけであり、他の風景は映像に過ぎなかった。エルメロイⅡ世によるとシミュレーター内で生活を営むサーヴァントが増えており、スカディも普段は氷の城に住んでいるのかもしれない。
バレンタインの日、その場所へ足を踏み入れたマスターはスカディから入城を許可され、彼女が鎮座する玉座の間に向かった。スカサハからバレンタインの概要を聞いていたスカディはマスターが来訪した意図をすぐに見抜き、想いがこもった自作の氷菓子を手渡す。チョコレートじゃないのは内緒。しかし彼女の持てる限りの愛は既に無い北欧異聞帯へ置いてきており、思うように言葉を紡ぐ事が出来ない。表情を曇らせながら謝罪の言葉を述べるスカディ。だが熟考した彼女は情緒が無いとして、改めて謝罪。マスターにしっかり味わうよう命じるのだった。
このようにバレンタインイベはゲッテルデメルングの後日談となっており、かつて愛した北欧世界に未練を残す彼女の姿は多くのプレイヤー達の涙を誘った。そんな彼女から貰えるチョコ礼装はアイスキャンディ。氷で作られた器に、スカディがスカサハと試行錯誤して作り上げた入魂のアイスが3本入れられている。味は冷たくて、甘くて、美味しいとの事。狂ったラグナロクが終わった後の最初の100年か200年まで、我が子らに自ら配り歩いていたという思い出の品であった。彼女は「楽しかったな。あれは。」と既に無いものを慈しみながら回顧する。
1800万DL突破キャンペーン
「ふむ、1800万DL突破か。では特別に、神の女王たる私自らが祝福を与えよう」
2019年11月13日から27日にかけて行われた1800万DL突破キャンペーンにて、スカディが上記の祝辞を述べた。これに伴って様々なボーナスが振る舞われ、その中にはスカディのピックアップ召喚も含まれていて目玉の一つとなっていた。台詞的に特別連続ログインボーナスや☆4鯖配布、メインシナリオのAP消費減少、突破記念ミッション、大成功&極大成功率2倍等の恩恵は彼女が用意したのだろうか…。
英霊祭装
「あー、その何だ?具合はどうだ?私は医者だからな。屋敷付きの医者ということになっている」
「何だかよく分からんが……まあ、いい。おまえたちが愉しめるなら、それでよいとしよう」
4周年記念で実装された英霊祭装にて、スカディの描き下ろしイラストが登場した。どうやら医者の姿をしているようだが彼女に医学の知識は無く、注射すらよく分かっていない様子。このため実際の医療行為はルーン魔術によって行われるようだ。スイカバー片手に突っ立っている姿は元異聞帯の王とは思えない。
彼女の絵が描かれた礼装の交換には、ゲッテルデメルングをクリアする必要がある。
英霊紀行
「良い。実に壮観だ。これが自然だけの力とは、見入ってしまうな?」
2021年5月25日、アプリ版リリース5周年記念の一環で北日本新聞の中面見開きに「under the same sky」という題名でスカディの描き下ろし絵が掲載された。カルデアベースを飛び出し、富山県の名所「雪の大谷」を私服で観光している彼女が描かれている。この絵は、8月5日より開始された「5周年記念英霊紀行ピックアップ」にて概念礼装にもなった。入手条件はゲッテルデメルングのクリア。ちなみに雪の大谷は除雪した雪を積み上げて人工的に作られた壁なので、厳密には自然だけの力ではない。誤っていると判断されたのか、概念礼装の説明文は「これが自然と人による力」に変更されている。
雪の大谷は立山黒部アルペンルートの室堂(標高2450m)にあり、4月中旬から開放される。平地では春だが、雪の大谷周辺は5月に入っても雪が降る寒冷地。強風が吹くと吹雪になる上、晴天であっても4月から5月の平均気温は僅か3℃。時間帯によっては10℃まで上昇する事もあるが、夜や早朝は氷点下まで下がる。季節は春でも室堂の気候は真冬同然なので、スカディのような軽装で行くと八甲田山状態と化す。氷雪の女王だからこそ出来る格好と言える。人間が散策に行く場合は冬用コート等の防寒具が必須となる。一応、6月に入れば平均気温が13℃になるため少し暖かくなる。
エイプリルフールイベント
じょおうサーヴァント
苛烈な異国で特殊な進化を遂げたスカサハ。氷属性の魔法少女設定を取り込んでいる。国民への愛と厳しさを兼ね揃えた理想の女神様だ。
エイプリルフールでは、リヨ氏が描いたスカディが登場。寒冷地で育ったスカサハの亜種となっている。
幕間では
スカディが登場している幕間は、自身のものを含めても僅か4つと乏しい。そしてギャグとシリアスで内容が乱高下する傾向がある。オリオン(fate)によると頻度は高くないが女神関係者による女子会が行われるらしく、おそらくスカディも参加していると思われる。
「導きの星を探して」
「我が原初のルーンであれば、ある程度までの不可能も、一時であれば可能となる。」
「二身一体を成す類の存在を、単独行動させてやることもな。」
ディオスクロイ(fate)の幕間にて登場。
子供のサーヴァントがマスターに何を贈るか集まって相談しているのを見た妹ポルクスは、兄カストロに内緒でサプライズパーティを開く事を決意する。しかし兄妹で1騎と見なされるディオスクロイにとって単独行動は不可能であった。そこでポルクスはスカサハとスカディに協力を求め、スカディが持つ原初のルーンによって一時的に単独行動を可能にした。ポルクスがいなくなっている事に気付いたカストロはマスター、イアソン、ボイジャーに協力してもらって行方不明の妹を捜索。
紫式部(fate)が司書を務める地下図書館へ立ち寄った際に巨人種やゴーストと遭遇し、バトルに発展。ポルクスがいないカストルは本領を発揮できず、巨人に追いつめられる。敗北の危機に見舞われたその瞬間、行方知れずだったポルクスが参戦した事で逆転勝利を収める。そして彼女からサプライズパーティの事とスカサハ及びスカディの協力が明かされた。巨人種とゴーストが出現したのは不可能を可能にした副作用のようなものだった。更にそこへ冥界の巨人が襲撃してきたが、無事撃退に成功。だが戦場となった図書館はボロボロになってしまう。どさくさに紛れて逃げようとするスカサハに対し、あちこち書架が壊れてしまったので修復くらいはしてやるべきだと主張するスカディ。結局マスターに捕まり、2人とも修復作業に従事したのだった。
「エモーショナルな私達」
「たこぱ、なるものは初めて耳にするからな。私には勝手がわからん。」
清少納言(fate)の幕間にも登場。
食堂でたこぱ(たこ焼きパーティ)の準備をしていた清少納言とタマモキャット。そこへメイヴと一緒に通りかかり、なし崩し的に参加する事に。清少納言、鈴鹿御前、ジェーン、メイヴ、スカディ、そして偶然水を飲みに来ただけなのに巻き込まれたマンドリカルドの6人でパーティを始めた(タマモキャットは就寝のため離脱)。たこぱの勝手が分からないスカディはメイヴに進行を一任。たこ焼きを食べていたが、熱々のものを食べてしまったらしく舌を火傷して喋れなくなってしまった。
何事も無くパーティが進行していたが、食材とデザートが無くなってしまったので清少納言がキッチンへ取りに行く事に。これが悲劇の始まりだった。キッチンで悪魔メフィストフェレスから「試作品」と書かれた怪しさ全開のチョコレートを貰った清少納言は、これをたこ焼きに混ぜてみんなに食べさせた。するとスカディたちは急に意識を失ってしまう。そして各々が持つストレスと良からぬ魔力を結び付け、シャドウサーヴァントの亜種が誕生。紫式部(fate)はこの亜種を「ストレスサーヴァント」と名付けた。
ストレスサーヴァントの一団は食堂を占拠し、事態を重く見た清少納言によって連れてこられたマスター、紫式部、チョコを食べなかった事で難を逃れたマンドリカルドが相対する。マスター達に気付いたスカディのストレスサーヴァントは3体に分裂。「カルデアには熱い物が多すぎる」「何故風呂をあんなに熱くする」「何故湯を戻しただけの物を焼きそばと呼ぶのか」と思い思いに不満を吐露していく。マンドリカルドの誘導によりストレスサーヴァントをシミュレーター室に連れ出し、ここでバトルする事に。戦闘ではスカディのストレスサーヴァントは自ら火傷を付与する。
シミュレーター室のストレスサーヴァントが倒されると、食堂で倒れ伏していたスカディたちも目を覚ました。長時間ぐっすり眠っていたような感覚だったようで、すっかり気分がリフレッシュした様子。充足感を得て満足する彼女はたこぱを高く評価した。ちなみにストレスサーヴァントは1騎につき1体生み出されていたのだが、スカディは何かと不満が多かったらしく、3体も生み出されている。そのためストレスサーヴァントを全て倒した時に最もスッキリしていた。
余談だが『2018-2019 ~トラベリング大サーカス!~』ではリヨ氏の描き下ろしでスカディがたこ焼きを焼いている絵があり、奇しくもたこ焼きネタが被った。
「夢のあとさき」
「北欧に生きた全世代……1万人ずつの人間たち、我が愛し子たちは……」
「私を大神の代わりと信じて従った……戦乙女たちは……」
「仮面にてすべてを覆われた巨人たちは……ああ、氷雪に閉ざされぬ世界を前にして―――」
「………どのように笑い、はしゃぎ、語り合うのだろう。」
ナポレオン(fate)の幕間「夢のあとさき」にて、ゲッテルデメルングの後日譚とも言うべき物語が展開された。長らくスカディ自身の幕間が存在しなかった事もあり、ナポレオンの幕間がスカディの幕間とも呼ばれていた。
戦闘シミュレーターでナポレオン、アーラシュ、ニコラ・テスラと訓練を行っていたスカディ。砲、弓、雷、氷と豊富な攻撃情報を得られてダ・ヴィンチは満足げであった。スカディの魔術は実に質が高く、人間の側に立つテスラにして「貴女のわざは見事なものであることに間違いはない」と言わしめた。同時にナポレオンからも「女神さまの魔術ってのは目を見張るな!」「アンタはなかなかに大した女だ!」と評価されるが、彼に対しては態度を硬化させるスカディ。廊下で会った時も彼を露骨に避けているような素振りを見せる。気になったナポレオンは食堂でスカディを問いただすも、「何ひとつ気に病む必要はないし、気を遣う必要もない」とはぐらかすばかり。困ったナポレオンはマスターに相談し、マスターとマシュの協力を得る。現在のナポレオンと北欧異聞帯で召喚されたナポレオンは厳密には同一の存在ではなく、今の彼は北欧異聞帯での記憶を持ち合わせていなかった。だが、スカディは異聞帯の記憶を持ったままカルデアに召喚されている。ここに何かがあるのかもしれないと彼は察した。
戦闘シミュレーターで再現した深夜の森林をゆくナポレオン、マスター、スカディの3人を、マシュがモニターする。ナポレオンを無視してマスターにだけ語り掛けるなど、ここでもスカディは素っ気なく振る舞う。マスターの助力を得ながら、ナポレオンはスカディに問いかける。今のナポレオンの記憶には無い、北欧異聞帯での「自分」の言動を。ところが話に入る寸前でエネミーが出現し、一度バトルに入る。スカディが使う真なるルーンの支援を受け、ナポレオンは無事エネミーを殲滅。原初のルーンを託されるほど大神や神々から愛されていたと推測するナポレオンに対し、スカディの表情は次第に曇っていく。やがて彼は北欧異聞帯に話題を移すが、腫れ物を触られたかのようにスカディは激昂し、「私は、おまえに話すことなど……何も……ないのだ……!」と明確に敵意とともに魔力を展開。地中から巨人のヨトゥン種を強制顕現させ、ナポレオンに襲わせるも、マスターの支援を受けた彼に巨人の群れを退けられる。
無理強いをして怒らせた責任があるからとナポレオンは「オレを、殴って殴って殴りまくってくれ」と言う。そしてマスターからも「わたしのことも殴ってもいいよ。でも、思うことがあるなら全部言って欲しい」と言われ、スカディは落ち着きを取り戻す。そして胸の内に隠した感情を吐露する。スカディは確かに怒りの感情を抱いていたが、それはナポレオンに対してではなく、無力な自分自身に向けられたものだった。北欧異聞帯における記憶を引き継ぐ彼女は、ナポレオンを見るたびにオフェリアを死なせてしまった事への罪悪感に苛まれていた。北欧でナポレオンが愛した女、オフェリアが生きていれば…どのような顔を見せたのだろう。オフェリアだけでなく、剪定されて生き残れなかった1万の愛し子、自身に付き従ったワルキューレ、仮面礼装を付けられた巨人種。もし彼らが生き残っていたら、カルデアでどう過ごしていたのだろう。そのような考えがナポレオンを見るたびに想起され、それがどうしようもない事だと知りながらも考え込んでしまう自身が憎かった。
そこでナポレオンは今ここにいない彼らの事を語ろうと提案する。神のように厳然と振る舞うのではなく、人間のように昔を語っても良いのだと。マスターやマシュもその意見に賛同。北欧で死に絶えてしまった愛し子たちを覚えていて欲しいと願うスカディは意見を飲み、昔語りを始める。夜が更けた頃に話は終わったが、これからも定期的に昔語りが行われたという。
ナポレオンの幕間で北欧異聞帯の記憶を持っているサーヴァントはスカディだけという事が判明。不幸にも生前の記憶を引き継いでしまったがために、人知れず苦しんでいるのが後の自身の幕間で明かされる。
「無間氷焔の世紀を超えて」
「……うん。おまえは、いてくれ」
先述の通り長らくスカディ自身の幕間が存在していなかったが、2022年3月30日のメンテナンスで実装された。ナポレオンの幕間とは別の意味合いの、一つの因縁に決着をつける内容であった。開放条件は2部6章クリア&絆Lv5以上&最終再臨達成と大変厳しいもの。絆Lv5以上のため、マスターに厚い信頼を寄せている描写が確認できる。例えば上記の台詞ではホームズにはいつもの女王口調で命じているが、マスターには「お願い」している。
スカディはかつて3000年もの間、北欧異聞帯を支配する女王であった。偽りのワルキューレを作り、人々には既に無いヴァルハラがあると嘘の信仰をさせ、巨人種には自我を奪う仮面礼装をかぶせて微睡みの中に沈める…。偽りに満ちた治世は彼女の精神を追いつめ続け、「地獄を運営せしめた神」と自嘲するほど心が病みかけていた。どうして大神オーディンは自分と愛し子を遺して逝き、過酷な運命を押し付けたのか。自分たちを救えるほどの智慧者でありながら、何故救ってくれなかったのか。スカディは憎悪に近い感情を抱きながら、カルデアに召喚された後も過ごしていた。そんな中、クー・フーリンの中にオーディンの権能を授かった者がいる事に気付いたが、意図的に避け続けていた。
ある日、スカディと契約状態にあるマスターは、精神的繋がりから彼女が持つ過去の記憶を白昼夢の形で垣間見る。心の奥底に隠していたオーディンへの疑問を知られたため、スカディはこれを機に「決着をつけたい」と意を決する。今まで避けてきたキャスターのクー・フーリン(以下キャスニキ)にずっと抱いてきた疑問をぶつける覚悟を決めたのだ。そして2人のクー・フーリンと女王メイヴ、ホームズ、そしてマスターに助力を要請。戦闘シミュレーターで再現した逃げ場の無い洞窟へクー・フーリン軍団がキャスニキを呼び出し、待ち構えていたスカディは彼に敵意に近い感情を向けて現れる。しかし語るつもりは無いキャスニキははぐらかして逃げようとする。スカディは力ずくで聞き出そうとし、キャスニキも召喚術で対抗した事から一時はバトルに発展する。しかし洞窟内はスカディとメイヴが用意した支援ルーンが仕込まれており、また2人のクー・フーリンの加勢もあってキャスニキは敗北。観念したキャスニキはようやく質問に答える姿勢を見せた。他の協力者は空気を読んで物陰に隠れたが、唯一マスターのみスカディたっての希望で立ち合いを求められた。
とはいえキャスニキに権能を授けたオーディンは汎人類史の存在であり、スカディが回答を求める異聞帯のオーディンとは別の存在であった。このため「汎人類史の大神と異聞帯の大神は違う」と否定するキャスニキだったが、どうしても明確な回答が欲しいスカディは「同一の存在」と主張。どうして狂ったラグナロクの際に殺してくれなかったのかと涙ながらに訴えた。万物を識る力を持ちながら、何故自分に過酷な運命を背負わせたのかと。この時のスカディの泣き顔は新規描き下ろし絵である。
女の涙を見て折れたキャスニキは「オーディンはスカディに惚れていた」と語った。愛していたからこそ、自身を犠牲にしてまで彼女を生きながらえさせたのだった。またキャスニキは「とんでもねえ手前勝手だ、酷すぎる」としながらも、万物を識る目で遥か3000年後の異世界(カルデア)で幸せそうにアイスを食べるスカディを未来視して生き残って欲しいと思ったと推測している。北欧異聞帯でオーディンの使い魔がスカディだけでなくカルデア軍団をも導いたのは、スカディを王の重責から解放し、彼女を幸せにしてくれるカルデアへ召喚されるよう援護していたとも取れる。まさかの好意に最初は照れていたものの、あまりの身勝手さにやがて憎しみが勝った。勝ってしまった。かつて恋焦がれたオーディンと両想いだった事に嬉しさを感じつつも、精神が壊れる手前まで追い詰められるほどの過酷な運命を背負わされた憎悪の方が大きかった。救えなかった1万人の人間、巨人種、そして北欧の世界…。スルトの炎で負ったトラウマに、今なおも負い目を感じる北欧異聞帯での治世とオフェリアの死。愛憎入り混じる彼女の心は憎悪に傾き、涙を流しながら「オーディンは莫迦者だ!愚かの極みだ!」「今更、神一柱からの愛ごときで……乙女が如く、心ときめかせる私であるものか!」と激昂し、キャスニキからの最終確認に頷いてオーディンの愛を拒絶。「今更、あやつの愛なぞに何の意味があろうか」と述べた。更に大神の乱心に沿う訳にはいかぬと、身勝手で犠牲になった愛し子の名にかけて大好物のアイスを食べる事さえやめようとした。
打ちひしがれるスカディの心を救ったのは、マスターの言葉だった。「愛に意味は必要なの?」と問いかけられ、彼女は我に返る。続いて「オーディンだけでなく、あなたには笑っていて欲しい」「わたしも、そう望んでいるよ」と諭され、マスターの想いに応えるかのように笑顔を作って見せた。そしてマスターにその言葉が憐れみから出たものではないと確認すると、言葉を受け入れてアイスの封印を特別に取り下げる。こうして神代から続いた因縁に決着をつけたのだった。ただあくまでキャスニキは大神の権能を授かっただけのメッセンジャーに過ぎず、彼の言葉には憶測を多く含む。語るべきオーディンがいない今、真相は決して届かぬ闇の中であった。だが長年彼女を蝕んだオーディンへの疑問が解消・決着がついた事で、以降の状態は安定するようになったという。ホームズによると結果次第では精神的摩耗による霊基の崩壊を招き、完全退去という最悪の結末もありえたようだが、マスターは予想を上回る最良の結果を勝ち取ったと記録している。オーディンから、スカディを幸せにするようバトンを手渡されたと言えよう。
その後、食堂で幸せそうにアイスを食べている後日談が描かれた。メイヴとスカサハ(バニー衣装)の喧嘩を止めようとするマスターを肯定し、アイスの美味しさを語ってスカサハと意気投合。置いてけぼりとなったメイヴの突っ込みを締めとして物語は終幕となった。大神が未来視した光景は、この場面だったのかもしれない。汎人類史のオーディンは浮気性かつ知識のためなら女を利用する面があり、異聞帯の個体とはいえ何処まで本気だったのかは未知数である。
ちなみにアイスの存在はオフェリアから教えられた事が判明した。アイスを好んで食べているのは、亡き彼女を偲んでいるのと、かつて存在した北欧の世界を回顧しているからと思われる。
ステータス
- クラス:キャスター
- 真名:スカサハ=スカディ
- 身長/体重:162cm・50kg
- 出典:北欧神話、ケルト神話
- 地域:欧州
- 属性:混沌・善 副属性:天
属性:混沌は自己申告。北欧異聞帯では自らが社会秩序であったが汎人類史世界でサーヴァントと化した今では異なるとの考えによる。 - 性別:女性
- パラメータ
筋力:B 耐久:D 敏捷:C 魔力:EX 幸運:D 宝具:A - スキル
- 原初のルーン
- 大神オーディンの作りしオリジナルのルーンを使用できる。模造品とは比較にならない高性能を持つ上、魔術的価値も高いスカディの強力な武器。治癒、高速移動、睡眠、飛行など多種多様なルーンを持っているようで、「どーれーにーしーよーうーかーなー?」の台詞はルーンを選んでいるものと思われる。ゲーム中では味方のクイック性能とクリティカル威力を上げる。たびたびルーンで味方を支援する描写が見受けられるため、ワルキューレと同様に戦闘補助型のルーンを好んでいるようだ。
- 凍える吹雪:B
- 万物を凍えさせる極北の風。本来は権能でありAランク以上の威力を発揮すると霊核ごと消滅してしまうため、Bランクスキルとしての使用が限度。ゲーム中では敵全体の防御力とクリティカル率を低下させる。使うだけで味方の火力を底上げ出来るので大変使い勝手が良い。北欧異聞帯ではこの能力で大地を白銀に染めた。雪には相応の腕を持った魔術師でなければ探知出来ない程の微量な魔力が含まれており、スカディの「目」や「耳」の役割を果たす。
- 大神の叡智:B+
- 神々の花嫁であったスカディに施された北欧の神々の加護。かつてオーディンが片目を捧げて得た叡智をベースにした、ランサー/スカサハの魔境の叡智スキルに似て非なる物。
- 陣地作成:EX
- キャスターが持つ基本スキル。魔術師として自身に有利な陣地を作り上げる。スカディの陣地作成は規格外のEXであり、女王として何処であろうと己が城を作り上げる。ただノーチラス艦内のようにスペースが限られる場合は工房に規模を落としている。恐るべき能力だが、(オーディンと比較して)本人は得意ではないと言う。ちなみに北欧異聞帯で居城にしていた氷の城はオーディンから贈られたものであり、バレンタインイベントで登場した氷の城はシミュレーターで再現しただけなのでスカディ自身は一度も築城した事が無い(先述の通り工房はある)。
- 道具作成:A
- キャスターの基本スキル。様々な物を魔力から編み上げるが、スカディの場合は装備にしろ霊薬にしろ大抵は低温で冷たい。意外と用途は幅広く、イベント『イマジナリ・スクランブル』では技術開発に用いられて八面六臂の活躍を見せた。
- 女神の神核:A
- 女神であることを示す神性の複合スキル。神でありながら巨人としての属性も持つ彼女はEXではなくAランク。
- 宝具
死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)
ランク:A / 種別:対軍宝具/開戦宝具 / レンジ:2~50 / 最大捕捉:200人世界の外側に在る異境・影の国へと通じる門を一時的に召喚する。開かれた門からは影の城が姿を現し、効果範囲内の彼女が認めた者にのみ影の城は幸運と祝福を与える。この祝福を与えられたものは力なき身でも強大な敵を打ち倒すとされ、通常の聖杯戦争で効果的に用いれば格上の相手を撃破する番狂わせを引き起こす。FGOにおいては味方全体に攻撃力アップ、クリティカル威力アップ、ダメージカット付与、回避付与、即死耐性付与の恩恵をもたらす。彼女はなぜこの宝具が使えるのか理解できていない。北欧の神々から与えられた加護が、もうひとりの自分(ケルトのスカサハ)に由来する異境の力を行使させているのであろうな、程度の認識である。スカサハの宝具が対象を即死させる攻撃的なものなのに対し、スカディの宝具は味方の支援となっており、彼女の優しい性格が色濃く表れていると言える。また、宝具発動時には専用BGMが流れる。
ゲーム内性能
2部2章にて敵として登場。その後FGO3周年記念として、2018年7月29日に実装された限定星5キャスター。
満を持して登場したQuick特化のサポートキャスター。不遇とされてきたQuickのカード性能を補って余りある補助能力と、最高性能のNP供給スキルを持つ。 Quickが多い分クリティカルが絡みやすいキャスターなので、火力やNPに関してはムラがあるものの平均的な水準の基礎スペックを持つ。
耐久支援に関しても出来なくはないがクセが強く、特に消耗戦には弱め。他のサポートキャスター達と比較してなお突出した瞬発力の反面、初速が残るうちに仕留め切れないと脆さが目立つようになる典型的な短期決戦型である。
現在は通称「スカディシステム」「スカスカシステム」と呼ばれる編成で一世を風靡している。
NP獲得量増加スキルを持つ全体かつHIT数の多いQuick宝具を持つサーヴァントにサポート含む2人分のスカディのQuickバフを注ぎ込むことで、宝具を3連射して殲滅してしまうというシステム。
これにより周回では最高クラスの効率を発揮できるものの、敵クラスと敵構成への依存の強さ、撃ち漏らしが出た際のグダりやすさ、何より極端な編成難易度の高さが難点。ぶっちゃけこれが組める人の大半は元から周回に困ってない。編成できてしまえばスカディ自身に付ける礼装は何でもいいためイベント特攻礼装をたくさん積めるのがメリット。
- キャラクター性能
HP (Lv1/Lv90/Lv100)
2112/14406/15782ATK (Lv1/Lv90/Lv100)
1661/10753/11771COST 16 コマンドカード Quick/Quick/Arts/Arts/Buster 所持属性 サーヴァント、天属性、混沌属性、善属性、人型、女性
神性、王 - スキル
保有スキル 原初のルーン
(CT8→6)味方単体のQuickカード性能をアップ[Lv.](3T)
&Quickカードのクリティカル威力をアップ[Lv.](3T)凍える吹雪:B
(CT8→6)敵全体の防御力をダウン[Lv.](3T)
&クリティカル発生率をダウン[Lv.](3T)大神の叡智:B+
(CT8→6)味方単体のNPを増やす[Lv.](30→50%) クラススキル 陣地作成:EX 自身のArtsカードの性能をアップ 道具作成:A 自身の弱体付与成功率をアップ 女神の神核:A 自身に与ダメージプラス状態を付与
&弱体耐性をアップアペンドスキル3 対キャスター攻撃適性 - 宝具
死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ) カード種別:Arts ランク:A+ EX 味方全体のクリティカル威力をアップ[Lv.](3回・5T)
&回避状態を付与(1回・3T)
&即死無効状態を付与(1回・3T)
&被ダメージカット状態を付与(3T)<OCで効果アップ>味方全体の攻撃力をアップ[Lv.](5T)▲
&クリティカル威力をアップ[Lv.](3回・5T)▲
&回避状態を付与(1回・3T)
&即死無効状態を付与(1回・3T)
&被ダメージカット状態を付与(3T)<OCで効果アップ>
水着Ver
2022年水着イベントにて聖杯を使い、水着霊基へ変化した姿。
黒幕から渡された聖杯を使い永遠に続く夏の特異点を北極に形成。極北の女王として、真夏のテーマパークでみんなをもてなそうとするが、運営に足りない魔力を自分の魔力で肩代わりしていたため、消滅の危機に陥っている(本当の原因は魔力をかすめ取り、黒幕をも出し抜こうとしていた道満である)。
事件後はメイヴにかなり叱られたらしい。
ステータス
- クラス:ルーラー
- 属性:混沌・夏 副属性:天
- パラメータ
筋力:E 耐久:C 敏捷:D 魔力:EX 幸運:A+ 宝具:A - スキル
- 原初のルーン(盛夏):A
- 夏の霊基に着替えたスカサハ=スカディもまた、原初のルーンを行使する。ルーンもまた盛夏仕様に切り替えているとのことだが、具体的に何がどう違うのかは本人にしか分からないかもしれない。
- 真夏のアイス:C
- アイスは好きだ。冷たくて、甘いからな。
ふとした瞬間にスカサハ=スカディが見せる、少女のような微笑み。本来はビーチクライシスの効果を含む複合スキル。自陣に対してバフ効果をもたらす。 - 夏の夜明けに我想う:A+
- 霊基を変えたスカサハ=スカディは、言わば「思案する夏の女神」である。マスターをはじめとする汎人類史の生き残りであるカルデア面々+サーヴァントたちに「夏の楽しみ」を味わわせようとあれこれ考える。自分は───かつて異聞を生きた女王の影のような自分は、果たして何をしているのだろうか、とも考える。そして、カルデアに在るからには、クリスマス(2021年)のような失敗はもうするまい、とも考えているのだが……。
- 宝具
命溢るる大海への門(ゲート・オブ・エーギル)
ランク:A / 種別:対夏宝具 / レンジ:1~50 / 最大補足:300人魔力で形成された門を空中に形成、門を通じて溢れ出す大量の海水と無数の魚が空間を埋め尽くし、対象を取り込む。攻撃に用いれば対軍宝具として機能するが、本人としては「爽快さと美しさを味わうためのアトラクション」として運用するのが本質らしい。
原初のルーンを用いた宝具であり、同時に、海神にして巨人エーギルの加護の下に発動する宝具でもある。 サーヴァントとして現界するスカサハ=スカディは、本人の自覚の有無にかかわらず、今もなお、北欧異聞帯に消えた神々の加護を受けている。
ゲーム内性能
イベント「アークティック・サマーワールド! ~カルデア真夏の魔園観光~」にて実装。
限定星5ルーラー。
- キャラクター性能
HP (Lv1/Lv90/Lv100)
2178/14580/15969ATK (Lv1/Lv90/Lv100)
1679/10868/11897COST 16 コマンドカード Quick/Quick/Arts/Buster/Buster 所持属性 サーヴァント、天属性、混沌属性、人型、女性
神性、王、夏モード、霊衣を持つ者 - スキル
保有スキル 原初のルーン(盛夏):A
(CT8→6)味方単体のQuickカード性能をアップ[Lv.](3T)
&Busterカードのクリティカル威力をアップ[Lv.](3T)真夏のアイス:C
(CT9→7)味方全体の攻撃力をアップ[Lv.](3T)
&Quickカード性能をアップ[Lv.](3T)
&Busterカード性能をアップ[Lv.](3T)
+自身に毎ターンスター獲得状態を付与[Lv.](3T・5→15個)夏の夜更けに我想う:A+
(CT9→7)味方単体のNPを増やす[Lv.](30→50%)
&Busterカードのスター集中度をアップ[Lv.](1T)
+スターを獲得[Lv.](5→15個)クラススキル 対魔力:EX 自身の弱体耐性をアップ 陣地作成:A 自身のArtsカードの性能をアップ 女神の神核:A 自身に与ダメージプラス状態を付与
&弱体耐性をアップアペンドスキル3 対キャスター攻撃適性 - 宝具
命溢るる大海への門(ゲート・オブ・エーギル) カード種別:Quick ランク:A 自身に〔水辺〕のあるフィールドにおいてのみ、宝具威力をアップ(1T)<OCで効果アップ>
+敵全体に強力な〔秩序〕特攻攻撃[Lv.]<OCで特攻威力アップ>
&チャージを減らす
関連動画
関連静画
関連項目
- TYPE-MOON関連の一覧
- サーヴァント(聖杯戦争)
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- 女王メイヴ(よく付き合ってくれる異郷の女王様)
- フレイヤ(汎人類史でのスカディとニョルズの娘)
- スルト(北欧異聞帯が行き止まりの歴史と化した原因、怨敵)
- シグルド(最近やっとその顔に慣れた)
- クー・フーリン(キャスター)(オーディンと同じ雰囲気がする)
- 異聞帯の王
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