『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』とは、手島史詞によるライトノベル作品である。イラスト担当はCOMTA。
概要
HJ文庫より刊行されている作品。既刊18巻(2024年4月時点)。魔術師ザガンと奴隷エルフのネフェリアの恋愛を描いたファンタジーラブコメである。長めのタイトルから時折誤解されがちだが、「小説家になろう」をはじめとした小説投稿サイト発の作品ではない。
コミックファイアにて、板垣ハコによるコミカライズも連載中。既刊11巻(2023年12月時点。)長らく全話無料で公開されていたが、2021年9月14日のコミックファイアリニューアルに伴い、それ以降は1~5話、最新2話以外が有料。ニコニコ静画版の更新日は数多くの微笑ましいコメントで賑わう(通称「保護者会」)。
公式及びファンからの略称は「魔奴愛/まどめ」。
ザガンとネフィの不器用で初々しく甘~い恋愛描写が最大の魅力で、保護者のように見守りたくなることうけあい。メイン、サブ問わず個性的かつ魅力的なキャラクターが揃っており、彼らが生み出すストーリーや人間関係の変化も必見である。特に漫画版は板垣ハコの画力・構成力・作品に対する理解度の高さなどが原作の面白さを十二分に引き出しており、上記の通りニコニコ静画での人気も高い。
2021年12月28日より、双葉ももによるスピンオフ作品「悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだが、どう世話を焼きゃいい?~まどめ外伝~」が連載中。ザガンの悪友バルバロスが主人公となり、コミカライズ版の板垣ハコも構成として関わっている。既刊2巻(2023年9月時点)。
2022年10月27日にアニメ化企画が進行中である事が発表された。2024年4月~放送。
あらすじ
悪の魔術師ザガンは、今日も今日とて魔術の研究をしながら領内の賊をぶちのめしていた。そんなある日、悪友の誘いで闇オークションに参加した彼は、そこで商品として出品されていた奴隷エルフの少女に一目惚れしてしまう。財産をはたいて奴隷を購入し、二人きりの生活が始まったものの、不器用で口下手なザガンはどう接すればいいのか分からない。
好きな女の子と会話するのって、どうすればいいんだ・・・―――!
登場人物
ザガンとその関係者
- ザガン(CV:小林裕介(アニメ)/内田雄馬(ドラマCD))
主人公。黒髪と銀色の瞳、そして何より悪人面が特徴の魔術師の青年。元は浮浪児で、悲惨な生活を送っていた。ある時魔術師に捕まり生贄にされそうになったが、咄嗟に相手を殺して魔術師になった過去を持つ。育った環境故にややコミュ障気味で口下手のため、普通に喋ればいい所を悪人めいた言い回しになってしまい、他人に誤解されやすいのが玉に瑕。本人もそれは自覚しており、喋った後に後悔する事もしばしば。敵対者の命を奪う事にはためらいがなく、お世辞にも善人とは言い難いが、人を殺して快感を得るような外道ではない。
悪友バルバロスの誘いで参加した闇オークションで奴隷エルフのネフェリア(以後ネフィ)に一目惚れし、財産をはたいて購入。以降は彼女のために行動するようになる。上記の性格と童貞故にネフィへの対応に苦心しているが、ネフィ達との関わりを通じて少しずつ他者愛を学んでいく。魔術師としては紛れもなく天才で、魔王マルコシアスの死後、空白となった魔王の座に迎えられた。しかしそれで満足することなく、魔術の研究・開発・改良に余念がない努力家でもある。相手の魔術を「喰らい」自らの魔術に変換してしまうのが最大の特徴で、魔王就任の際には他の魔王達から「魔術師殺し」の通り名を与えられている。
魔王ビフロンスの夜会を経て、ゴメリを始めとした多数の魔術師に慕われるようになり、配下として自らの居城に住まわせている。
ネフィになかなか想いを伝える事が出来ずにいたが、彼女の故郷を訪れた際に告白。晴れて恋人同士となった。今度は恋人同士って何をすればいいんだと悩むことになったが - ネフェリア(CV:市ノ瀬加那(アニメ)/雨宮天(ドラマCD))
ヒロイン。愛称はネフィ。死亡した魔王マルコシアスの遺産として闇オークションに出品されていたエルフの少女。白い肌と白髪、紺碧の瞳が特徴で、華奢な体つきだが胸は大きい。当初は生きる希望を失っており感情も乏しかったが、ザガンの不器用な優しさに触れ、少しずつ彼に惹かれていく。元奴隷のため、逃走防止用の首輪を付けられていたが、ザガンによって外された後も「二人の初めての繋がりだから」と望んで首輪を付けている。婚約指輪としてはあまりにも物騒すぎる
純粋で心優しく、ザガンと違って社交的なため、キュアノエイデスの街の住人からも人気がある。ザガンとネフィの不器用ながらも微笑ましい様子は街の名物と化しているほど。荒れ果てていたザガンの城を人が住める環境に整え、料理もできるなど女子力も高い。ただし、この手のキャラのお約束で、怒らせると非常に怖い。本人は気づいていないが、嬉しい時は耳がぴくぴくと上下に動く。ザガンから直々に魔術の手ほどきを受けている他、願うだけで万物に干渉し様々な奇跡を起こす「魔法」を行使する事ができる。
しかし同族からはその力と白髪故に「呪い子」と忌み嫌われ虐げられてきたという、ザガンに負けず劣らずヘビーな過去の持ち主。エルフの里が人間に襲われた際、虐げられていたとはいえ同胞を見殺しにしてしまった事を後悔していたが、ザガンの言葉で救われた。
ネフィは厳密にはエルフではなく、隔世遺伝により先祖の血が色濃く表れたハイエルフである(母親もハイエルフのため、その影響も大いにあると思われる)。 - バルバロス(CV:谷山紀章(アニメ)/古川慎(ドラマCD))
ザガンの悪友。ワカメのような髪型と目の下に隈があるいかにも不健康そうな青年。お調子者な性格で、しょっちゅうザガンにちょっかいを出している。人間としては紛れもないクズだがどこか憎めない所がある。ザガン同様優秀な魔術師で、魔王候補の一人として名を連ねており、空間転移や召喚系の魔術が得意。彼がザガンを闇オークションに誘わなければネフィとの出会いもなかったので、そういう意味では恋のキューピッドとも言える。魔術師としての通り名は「煉獄」。
かつて生贄にされかけたザガンが殺した魔術師「怨嗟のアンドラス」はバルバロスの師匠であり、いずれは師を殺して知識や財産を奪う予定だった。それをザガンに掠め取られた形になるため、内心ではザガンを憎んでいる。彼がネフィに好意を抱いていることに気づき、彼女とそこに居合わせたシャスティルを誘拐。しかし、ネフィの口からザガンが魔王に選ばれた事を告げられ、魔王になるという目的が果たせなくなった事に激しく動揺する。怒ったバルバロスはネフィを殺害しようとするが、駆け付けたザガンの逆鱗に触れ完膚なきまでに叩きのめされた。その後は今まで通りザガンの悪友として振舞っているが、ぞんざいな扱いを受ける事が増えた。ザガンからの依頼でシャスティルの護衛をしているが、その際の定位置はよりによってシャスティルの影の中(=スカートの真下)である。本人曰くシャスティルは好みのタイプではないとの事だが、無意識の内に彼女に好意を抱いていく。
- マニュエラ(CV:伊藤彩沙)
キュアノエイデスの街で服屋の店員をしている翼人族の女性。明るく社交的で誰とでも友達になれるタイプ。ネフィにとってはシャスティル共々初めての友人であり、ザガンからも信頼されている。しかし無類の可愛いもの好きかつ着せ替え魔であり、隙あらばネフィにとんでもない格好をさせようとするので、その点については大いに警戒されている。 - ウォルフォレ(CV:美坂朱音(アニメ)/長縄まりあ(ドラマCD))
甲冑の上にローブを纏い、素顔を竜のような兜で隠した魔術師で、魔王候補の一人。ザガンを倒して魔王の座と力を奪うため戦いを挑むが、ネフィとの食事を邪魔されて怒ったザガンにワンパンされた。魔術師としての通り名は「亡霊」。
その正体は竜で、賢竜オロバスの娘。父親は既に他界している。竜としてはまだまだ幼く精神的にも子供だが、それでもザガン達よりは長く生きている。普段は人の姿をとっており、その際は見た目10歳程度の、緑の髪に2本の角を生やした幼女となる。ザガンに挑んだ罰としてネフィの手伝いをさせられているうちに、自分に寄り添ってくれる二人に心を開いてゆき、後に二人の養女として迎えられた。愛称は「フォル」で、ザガン達からは専らそっちの名で呼ばれている。
父オロバスが聖剣所持者に殺されたと思っているため、聖騎士を激しく敵視していたが、それは誤解であり、聖騎士達と共に魔族と戦い、死闘の末に相討ちとなったのが真相であった。誤解が解けた後は聖騎士を敵視する事もなくなった。
- ゴメリ(CV:前田玲奈)
魔王候補に名を連ねていた魔術師の一人。肉体年齢を操作する術に長け、幼女から妖艶な美女、果ては老婆まで様々な姿を持つ。美女姿の時はネフィをも凌ぐ巨乳。希少種族の血を引いており、見た物を塵に変えてしまう「バロールの魔眼」の持ち主。料理の腕前はネフィに匹敵し、時折自作のお菓子を振舞っている。「愛で力」なる物を提唱し、可愛いものを愛でる事に心血を注ぎ暴走する困ったおばあちゃんだが、キメリエスとの関係を指摘されるとしどろもどろになってしまう乙女な一面もある。似たような趣味・嗜好を持つマニュエラとは互いを「同志」と呼び合う間柄。混ぜるな危険
魔王ビフロンスの夜会では、彼の産み出した「泥の魔神」に対抗するため、キメリエスや他の魔術師共々ザガンと共闘。勝利後は生き残った魔術師共々ザガンの傘下に入った。師匠のオリアスには頭が上がらない。魔術師としての通り名は「妖婦」。 - キメリエス(CV:田島章寛)
魔王候補に名を連ねていた黒獅子の獣人。愛称はキメリ。キ メ リ は 通 さ な い
獰猛そうな見た目に反して温和な性格で、暴走するゴメリのストッパー役になることが多い。作中のキャラの中でも随一の身体能力の持ち主で、音を媒介とした魔術を使う。ゴメリとは昔馴染みであり、ビフロンスの夜会では彼女を背に乗せて戦っていた。低血圧のため朝は苦手。魔術師としての通り名は「黒刃」。 - ネフテロス
魔王ビフロンスの配下で、鑑写しのようにネフィと同じ顔をしたエルフの少女。ただし肌と瞳の色など細かい違いはあり、ネフィよりもかなり露出度が高く少々キツめの性格。キュアノエイデスの街でネフィを襲撃した後、魔王ビフロンスの夜会で再び姿を現すが、彼の期待に応えられなかった事で見捨てられてしまう。召喚された"泥"に飲み込まれ泥の魔神と化すが、ザガン達に救出され、ネフィから一緒に来ないかと誘われるもそれを断って主の元へと帰っていった。
その正体はビフロンスが作り出したネフィの複製体。それを知ったネフテロスはビフロンスの元を離反するが、追っ手に追い詰められてしまう。絶体絶命のピンチをシャスティル達聖騎士とザガン一派に救われた後は教会に身を置き、シャスティル達の手伝いをしている。複製体である事はザガンによって伏せられ、ネフィの妹という事にされた。ザガンの事は「お義兄ちゃん」と呼ぶようになった。 - セルフィ
ビフロンスの夜会で雇われていた音楽団の歌手で、青い髪と美しい歌声が特徴のセイレーン。騒動で他のメンバーを失い、自身も危うく"泥"に飲まれそうになった所をザガンに助けられる。彼女がネフィに送ったアドバイスが、泥の魔神を撃破するきっかけとなった。
その後は行く当てもなく途方に暮れていた所を街でネフィと再会し、ちゃっかりザガンの居城で家事手伝いをしている。黙っていれば美少女なのだが、語尾に「っス」を付けて話すノリの軽さや、面の皮の厚さのせいでぞんざいな扱いを受けることが多い。本名は「アインセルフ・タラッサ・ネプティーナ」。東方の島国リュカオーン三大王家の一角、海都アトラスティアに居を構える「ネプティーナ家」の第三王女なのだが、上記の理由でなかなか信じて貰えなかった。王家のしきたりが嫌で家を飛び出した過去を持つ。歌の才能は本物で、神器「綿津見雫(わだつみのしずく)」の継承者に選ばれるほど。 - クー
キュアノエイデスの街で黒花共々人攫いに遭いそうだった所をザガンに助けられた狐獣人の少女。その後は教会に保護され、マニュエラの店でおもちゃにされ働いている。マニュエラに対しては頭が上がらず、彼女の魔の手から逃れるために気配を消す術を身に着けるに至った。黒花の事は大切に思っており、盲目かつ不幸体質の彼女の身を案じている。小柄な体格だが、ザガン曰く「シャスティルよりも出る所は出ている」。 - リリス
大陸種族長老会議でザガン達の案内役を務めた夢魔の少女。貧乳。セルフィや黒花とは幼馴染の間柄。アルシエラには頭が上がらない。
リュカオーン三大王家の一角、「ヒュプノエル家」の生まれで、本名は「リリシエラ・ファウナ・ヒュプノエル」。神器「幽世鏡(かくりよのかがみ)」の継承者でもある。大陸種族長老会議でザガンが希少種族の保護を引き受けた後はザガンの居城で家事手伝いをするようになった。 - アルシエラ
海都アトラスティアで出会った吸血鬼の少女。ゴスロリ系ファッションに身を包み、ツギハギだらけのぬいぐるみを抱えている。ザガンを「銀眼の王」と呼び、意味深な言動を繰り返す謎の多い人物。 - シャックス
ビフロンスの夜会後、ザガン配下に加わった魔術師の一人。無精髭とボサボサヘアー、どこか抜けた顔つきがトレードマークの青年で、魔術師であると同時に、魔術を医療に使う医師でもある。ザガンからの評価は「気概はあるんだが阿呆」「察しは悪いが頭は切れる」。
5年前までは魔王シアカーンの配下で、人を救う魔術を教えてくれた彼を慕っていた。そのシアカーンが「希少種狩り」を行った事に絶望し、離反した過去を持つ。その際、唯一生き残った黒花を保護して教会に運び込んでおり、黒花にとっては命の恩人に当たる。それから5年後のアーシエル・イメーラで何の因果か、黒猫の姿になってしまった黒花と再会。再びシアカーンの魔の手が彼女に迫るが、アルシエラ達の協力もあり見事守り切る事に成功した。それから黒花といい雰囲気になりつつあるが、そのせいでラーファエルからは出会う度に鬼の形相で追いかけられている。
教会所属者
- シャスティル・リルクヴィスト(CV:菱川花菜(アニメ)/Lynn(ドラマCD))
教会に仕える聖騎士の一人で、13歳という若さで聖剣に選ばれ、聖騎士長の地位まで上り詰めた少女。赤髪赤眼とポニーテールが特徴。聖剣所持者では唯一の女性。その実力は伊達ではなく、ザガンもまともに戦えば苦戦は免れない。魔術師討伐の際、不意を突かれて返り討ちに遭った所をザガンに助けられた事があり、自らの職務とザガンへの想いの狭間で葛藤している。凛々しい雰囲気を身に纏い、騎士に相応しい正義感と、聖職者に相応しい優しさを胸に秘めた聖騎士の鑑というべき存在。所持する聖剣は「アズラエル」。
しかし職務外では不器用、泣き虫、子供っぽい、メシマズ&味オンチなど作中随一のポンコツ。ザガンやネフィどころか、フォルにすら呆れられる始末で、特にフォルからは「しっぽ頭」と呼ばれ塩対応をされている。魔術師を悪とし、討伐を行うのが教会だが、シャスティルはその在り方に疑問を抱いており、それが原因である人物に暗殺されかける。しかしザガン達のおかげで一命を取り留め、魔王殿で魔族のキメラが起動した際は共闘。全ての魔術師を悪とするのではなく、時には手を取り合う「共生派」として教会の在り方を変えていく事を誓った。
ザガンへの想いをなかなか整理できずにいたが、ビフロンスのキメラからネフテロスを助けた後、自分の失恋に気付き涙を流した。バルバロスから好かれているのではという話をネフテロスから聞かされた際は酷く混乱していたが、何だかんだで憎めないようで少しずついい雰囲気になってきている。
- ラーファエル・ヒュランデル(CV:稲田徹)
聖剣所持者の一人で、これまでに499人もの魔術師を屠ってきた壮年の男性。その経歴から魔術師はおろか教会関係者からも恐れられている。強面と屈強な体、そして何よりザガン以上に口下手なのが相まって誤解されやすいが、実際は温厚で誠実な人物である。その口下手っぷりが致命的なレベルなのだが。勿論本人にその自覚はない。意外にも家事が得意で、作者によれば料理の腕はネフィを凌いで作中トップとの事。所持する聖剣は「メタトロン」。
フォルから親の敵として狙われていたが、フォルの項にある通りオロバスの死は魔族との戦いが原因である。その戦いで共闘し、致命傷を負ったラーファエルは、そう遠くない未来に魔族が再び現れる事を危惧し、その時に備えるべくやむなく斃れたオロバスの血を啜り生き延びた。その様子をフォルが目撃し、誤解が生じたというのが真相である。
シャスティルが教会に異を唱え聖剣を剥奪された際は、彼女に聖剣が戻るよう働きかけ、魔王殿の戦いでは魔族のキメラから身を挺してフォルを庇い左腕を失った。その後はシャスティル暗殺未遂事件の犯人を粛正し、聖騎士長を辞職。フォルにも許され、彼女の願いもあってザガンの城で執事として働くことになった(表向きには死亡扱い)。黒花とは血の繋がりはないが実の娘同然に思っており、彼女からも父親のように慕われている。 - 黒花・アーデルハイド
リュカオーンからキュアノエイデスの街に赴任してきた教会の司祭。名前の読みは「くろか」。盲目のケット・シーの少女で、生まれつき人間と獣両方の耳を持つ「四つ耳」。狐獣人の少女クー共々人攫いに遭いそうになった所を、たまたま通りかかったザガンに助けられた。着痩せするタイプで、かなりの不幸体質。
司祭は表向きの姿であり、正体は教会の暗部組織に属する暗殺者。リュカオーン三大王家の一角「アーデルハイド家」の生まれで、神器「天無月(あまのむつき)」の継承者でもある。過去に両親を魔術師に殺され、自身も盲目にされた事から魔術師を憎んでおり、暗部に所属してからは何人もの魔術師を殺してきた。身寄りがなかった所をラーファエルに保護され、彼を実の父親のように慕っていたが、ある時ラーファエルの訃報が届く(ラーファエルの項にある通り実際は死んでいないが)。キュアノエイデスにやってきたのも、ラーファエルの仇を探すためである。
自分を助けてくれたザガンがラーファエルの仇と知りショックを受けるも復讐を決行、ザガンはそれを受け入れる。深手を負ったザガンから、ラーファエルは強く偉大だった事、尊敬するたった一人の男である事、血の繋がらない黒花を誰よりも大切だと言っていた事を告げられ涙を流した。復讐に決着が付いた後はシャスティルと協力してビフロンスのキメラを撃破。ザガンの計らいでラーファエルとも再会する事ができた。以降は多忙なシャスティルをネフテロスと共に手伝っている。
アーシエル・イメーラでは黒猫の姿になってしまうハプニングに見舞われ、更にシアカーンが作り出した亡者の集団に狙われるが、シャックスやアルシエラ達の助力で危機を乗り越える。その事で心境が変わったのか、以前からネフィに打診されていたものの迷っていた目の治療を受ける事を決意。治療は無事成功し、失った視力を回復する事ができた。目に光が戻った直後飛び込んで来たのは自分の下着を手にした命の恩人の姿だったが
アーシエル・イメーラの後は、2度も命を救ってくれたシャックスに想いを寄せるようになるが、彼が女心に疎いため関係がなかなか進展せずもやもやしている。その後、シアカーンとの決戦ではキュアノエイデスの防衛にシャックスらと共に参戦。激戦の最中、覚悟を決めたシャックスから熱い告白を受け、晴れて恋人同士となった。 - ミヒャエル・ディークマイヤー
聖剣所持者の一人。見た目30歳前後の鬱陶しいおっさんだが、最強の聖騎士長と呼ばれるほどの実力者。所持する聖剣は「ザラキエル」。
魔王アンドレアルフスのもう一つの姿でもある。
魔王
- マルコシアス
「最長老」の通り名を持つ魔王の一人。物語開始時点では死亡している。 - ビフロンス
少年とも少女とも取れる風貌をした魔王。ザガンが加わるまでは最年少の魔王だった。性格はゲスの一言に尽きる。通り名は「無猊卿」。
配下を使ってネフィの故郷であるエルフの里を滅ぼした張本人。ネフテロスに対して執着を見せるが、その感情が何を意味するのか本人は気づいていない。夜会の後も幾度となくザガンにちょっかいをかけている。 - オリアス
ローブに身を包んだ老婆。ゴメリの師匠で、彼女同様肉体年齢を操作する術に長ける。通り名は「災禍」。
本名はタイタニア・ニムエ=オベロン。虐げられていた希少種族の楽園を作るため、本物の魔王オリアスに挑んで勝利し魔王となったが、その代償に仲間達を失った過去を持つ。また、ネフィの実母でもある。ただし娘と違って料理は苦手らしい。教会の祭器や聖騎士の洗礼鎧を作れる唯一の技師「オベロン卿」としての顔も持ち、オベロンの名は教会においては神と同義の扱い。実はシャスティルが駆け出しの時に剣の手ほどきをしているのだが、加減を間違えたらしくシャスティルは当時の記憶がなくなっていた。 - アンドレアルフス
マルコシアス亡き後の魔王筆頭。通り名は「剣神」。 - シアカーン
虎の獣人。かつては絶大な力を持っていたが、ある時瀕死の重傷を負い、現在は車椅子生活を余儀なくされるほどに弱体化している。過去に何らかの目的で希少種狩りを行っており、それによって滅ぼされた種族も少なくない。通り名は「虎の王」。 - フルカス
「狭間猫」の通り名を持つ魔王。ある時ナベリウスの静止も聞かず何処かへと消えてしまう。 - ナベリウス
魔王で唯一2つの通り名を持つ魔眼族。女性のような喋り方をするがれっきとした男性(本人曰く「心は乙女」)。通り名は「魔工」「魔眼王」。 - アスモデウス
「蒐集士」の通り名を持つ宝石族の女性で、度し難い守銭奴。菫色の瞳の奥に星のような形の輝きを持ち、ブラックホールのようにあらゆる物を吸い込む魔術を使う。 - グラシャラボラス
シルクハットと燕尾服を身に着けた老紳士。殺人癖の持ち主だが、摘み取る命には敬意を払うなど、殺しには彼なりの信念を持っている。通り名は「殺人卿」。 - エリゴル
占い師のような風貌の女性で、他人の言動が嘘かどうかを見分ける事が出来る。通り名は「星読卿」。 - フォルネウス
錬金術の開祖とされる古き魔王。過去に受けた呪いのせいで普通に会話することができない。通り名は「傀儡公」。
用語
- 教会
一般的な教会のイメージに加え、魔術師を「悪」とし、その討伐を行う組織。一般人を魔術師から守る盾ではあるのだが、その代償として高い寄付金を要求するため不満を持たれているのも事実である。 - 聖剣
全部で12本ある、天使の名を冠した剣。聖剣が持ち主を選ぶとされ、選ばれた者のみが力を行使できる。 - 洗礼鎧
聖騎士が着用する鎧。魔術師に比肩するほどの身体能力を得られ、生半可な魔術なら弾き返す事も可能。 - 魔王
「魔」術師の「王」で魔王。全部で13人いるが、物語開始時点ではその内の一人マルコシアスが死去したことで空席ができている。後にザガンがそこに迎えられることとなった。 - 魔王の刻印
魔王達が体に宿している刻印。魔王になるという事は、この刻印を継承する事を意味する。魔族と関係があるらしいが・・・? - 魔術
描いた魔法陣に魔力を流し込んで発動させたもの。魔力を流し込めば誰でも使えてしまうため、魔術師は魔法陣を描く際、効果や範囲などを指定する「紋章」に加え、自分にしか使えないようにするための「誓約」をつけていく。これらをいかに複雑にできるかが魔術師の腕の見せ所。 - 魔術師
魔術を行使する者。魔術のために罪のない人を生贄や触媒にする者もいるため、世間一般では悪人という認識であり、教会からは討伐対象にされている。 - 魔族
世界の脅威とされる存在。伝説上の存在とされていたが、作中でも不完全ながら何度か現れている。
テレビアニメ
スタッフ
- 原作:手島史詞
- キャラクター原案:COMTA
- 漫画:板垣ハコ
- 監督:石踊宏
- アニメーション監修:後藤圭二
- シリーズ構成:吉永亜矢
- キャラクターデザイン/総作画監督:大沢美奈
- プロップデザイン:小川浩/広実愛
- 美術監督:渋谷幸弘
- 美術設定:米田隆裕
- 色彩設計:福田由布子
- 撮影監督:関谷颯人
- 編集:池田康隆
- 音楽:yuma yamaguchi
- 音響監督:山田陽
- 音響効果:鋤柄務
- 音響制作:叶音
- アニメーション制作:ブレインズ・ベース
放送・配信情報
放送局 | 放送日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
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TOKYO MX | 2024年4月4日 | 木曜 | 24時30分~ | |
BS朝日 | 2024年4月5日 | 金曜 | 23時30分~ | |
MBS | 2024年4月6日 | 土曜 | 27時08分~ |
配信サイト | 配信日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
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ABEMA | 2024年4月4日 | 木曜 | 24時30分~ | 第1話地上波同時 第2話以降地上波1週間先行配信 |
TVer | 2024年4月12日 | 金曜 | 25時00分~ | 最新話期間限定無料配信 |
2024年4月12日(金)25時以降順次 都度課金配信 | ||||
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ニコニコチャンネル | dアニメストア | DMM TV | MBS動画イズム | U-NEXT |
アニメ放題 | バンダイチャンネル | FOD | Amazonプライム | Lemino |
アニメタイムズ | Hulu | TELASA | J:COM STREAM | milplus |
HAPPY!動画 | クランクイン!ビデオ | ビデオマーケット | カンテレドーガ | music.jp |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 |
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01 | 初恋とは誰もが一度はかかる質の悪い病である。 | 吉永亜矢 | 蒲原遥 | 石踊宏 | 大沢美奈 | |
02 | コミュ障の初恋はカビたパンの味に似ている | 石踊宏 | 小松和映 | しんぼたくろう 関田有紀子 |
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03 | 普段おとなしい子ほど怒ると破壊的に恐ろしい | 島亜梨沙 石踊宏 |
野田康行/石井裕美子 中村与史子/SEED |
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04 | 魔王からの勧誘とかロクなことにならないから、断った方がいい | 大原実 | 菅原静貴 | しんぼたくろう 関田有紀子 |
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05 | 失恋というのは物理的にもけっこう痛いもので |
主題歌
関連静画
関連チャンネル
関連生放送
関連リンク
関連項目
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