アメリカンフットボールとは、19世紀後半ごろアメリカで生まれた球技の皮を被った格闘技である。
一度にフィールドに出られる人数は11人。フィールドは長辺120ヤード(約109.3メートル)のサイドラインと短辺53ヤード1フィート(約48.78メートル)。ラグビーボールに似た楕円形のボールを使う。
試合時間は1クォーター15分×4の60分であるが、しばしば計時が止まるので実際の試合時間は3時間を超えることも珍しくない。
ゲームの目的は、ボールを相手のエンドゾーンに向けて前進させ、得点することである。ボールを前進させるには主にボールを持って走る方法(ランプレー)と、味方にパスを投げる方法(パスプレー)がある。
得点はボールを持ってエンドゾーン内に入る(ラグビーと違い、ボールを地面に着ける必要は無い)、もしくはエンドゾーン内でパスを受けるとタッチダウンで6点が入る。また、キックしたボールをゴールポスト上に通過させても得点が入り、この場合は3点である(フィールドゴール)。他にはタッチダウン後のボーナスゲームでタッチダウンなら2点、フィールドゴールなら1点が入る他、セーフティーと言う特殊な得点方法(自殺点、QBが自陣のエンドゾーンでサックされるか反則を犯すなど)もあり、これは守備側に2点が入り、さらに得点を入れられた側がキックオフ(セーフティパント)する。
特徴としてはファンブルリカバーを除いて、ボールが地面についた時点でプレイがストップする事である。
アメフトもラグビーも楕円形のボールを使い、激しいコンタクトがあることから両者はしばしば混同されるが、この2つは全く違う(厳密にはラグビーから枝分かれし、独自の発展を遂げた)スポーツである。ラグビーとの分かりやすい違いは
上記の理由により、ラグビー同様にボールを運び合う競技でありながら、「一部の例外を除き、攻守が明確に切り替わる」「細かいプレーの積み重ねで進行する」という野球に近い性格も持ち合わせている。また、スクリメージラインからぶつかり合う様はさながら大相撲である。
他の違いとしては、
などがある。
アメリカでのアメフトの人気は絶大で、野球(MLB)やバスケットボール(NBA)やアイスホッケー(NHL)などを凌ぎアメリカで最も人気のあるスポーツである。その人気を二分しているのがNFLと呼ばれるプロリーグとNCAAフットボールと呼ばれる大学生によるリーグである。
NFLは全米各地に存在する32チーム(MLB、NBA、NHLと異なりカナダのチームはない)を2リーグに分けて開催されるリーグである。レギュラーシーズン16試合とその成績上位12チーム(各リーグ6チームずつ)によって行われるプレーオフによって年間王者を決定する。年間王者決定戦であるスーパーボウルの視聴率は毎年40パーセントを超え、アメリカの歴代テレビ視聴率ランキング上位10位を独占している。
昔から絶大な人気を誇っていたわけではなく、1983年の統計からそれまで国民的娯楽とまで言われ人気1位だった野球を逆転したといわれている。その背景には、徹底したチームの均衡化があり(完全ウェーバー制、サラリーキャップの導入など)、毎回のように異なるチームが優勝を遂げたりするなど、どのフランチャイズ地域も盛り上がれるように営業努力を行ったのが大きい(NPBも見習え)。ただ、近年は高騰するスタジアム運営費が市政を圧迫するなど、それが原因でフランチャイズが入れ替わることも多くなっている(2016シーズンにセントルイス・ラムズがLAに移転。17シーズンにはサンディエゴ・チャージャーズもまたLAに移転する。またオークランド・レイダースはラスベガスへの移転計画が発表された)。
NCAAフットボールはカレッジフットボールともいい、アメリカの大学アメフトリーグである(NCAAとは全米大学スポーツ協会のこと。アメフト以外にも野球、バスケットボール、レスリングなど様々な協議のリーグを管轄している。) 大学リーグって所詮アマチュアでしょ?プロより人気なんかあるわけないでしょ?と侮るなかれ、カレッジフットボールはNFLと比較しても決して劣らない人気を誇っている。それどころかMLBやNBAを上回る人気を誇っているのである。
カレッジフットボールは年間最大12試合のレギュラーシーズンを戦い、その成績によって毎週変動するランキングを発表する。レギュラーシーズンを終えた時点でランキング上位4校がプレーオフに進出し、年間王者の座を争う。決勝戦の視聴率は17パーセントほどではあるが、これはMLBワールドシリーズ(7パーセント)、NBAファイナルの平均視聴率より高い。全米でこれを上回るイベントはスーパーボウルかオリンピックしかない。
日本は世界で2番目にアメフトが人気であるといわれているがそれでもラグビーと混同する人が多いのも事実である。日本では学生アメフトと社会人リーグであるXリーグが主要リーグである。
学生アメフトは関西、関東、中四国、九州、東北、北海道の各地方ごとに連盟が存在し、それぞれリーグ戦を開催している。その中で実力が抜けて高いのは関西と関東の大学リーグである。特に、関西ではほとんどの大学がラグビーより力を入れており(というより、ラグビーに注力しているのは同志社と京産、天理ぐらいで、有力な選手は軒並み関東に行ってしまうため)、学生スポーツで1番人気の花形競技となっているなど人気が高い。これは、関西の大学がアメフトにアイデンティティを見出しているためで、地道な営業努力もあって関西学生リーグの方が人気も注目度も段違いである。全国制覇してから一躍人気チームとなった京都大学ギャングスターズ、甲子園ボウル最多優勝を誇る関西学院大学ファイターズのほか、近年はファイターズと覇者を競い合っている立命館大学パンサーズ、他に関西大学カイザース、同志社大学ワイルドローバー、神戸大学レイバンズ、龍谷大学シーホース、甲南大学レッドギャングなどの古豪、強豪が多く、関京戦や関立戦、京立戦などの対戦には万単位の観客が入り、試合もNHKが地上波生中継するなど比較的メジャーなスポーツとなっており、スポーツ紙や新聞でもけっこう大きく扱われる。グッズ売り上げも好調で関学グッズの一年間の売り上げは1000万円を超えるらしい。また関西学生連盟は自前で大阪・吹田の万博公園に競技場を建設している。観客席が低くてちょっと試合が見にくいのは気にしない
関西に対をなすのが関東連盟である。連盟加盟大学数は関東の方が多く、過去は東側も過去に18回優勝経験を誇る日本大学フェニックスや法政大学トマホークスなどの活躍もあり、実力は伯仲していた。近年は、打倒関西勢と関東学生アメフトの再建のため、1部リーグをトップ8、ビッグ8という上位リーグと下位リーグに分けて、入れ替え戦も実施するなど抜本的な取り組みを始めている。その結果、白熱した勝負が増えて観客も増加している。トップ8には日大、法政に加え、早稲田大学ビッグベアーズ、慶應大学(ユニコーンズ)なども強豪として君臨しており、アメフトでも早慶戦が注目を集めている。その他明治大学グリフィンズ、中央大学ラクーンズ、立教大学ラッシャーズ、日本体育大学トライアンファントライオン、東京大学ウォーリアーズなどがあり、高い戦略性が求められるスポーツだけに東西とも難関校に強豪が多いのが特色といえる。なお日本大学アメフト部は2018年の悪質タックル問題、2023年の部員の違法薬物所持による逮捕と不祥事が相次いだ結果、2023年度をもって廃部となることが決まった。
大学アメフト年間王者を決めるのが甲子園ボウルである。2008年までは関東、関西の王者対抗戦という形をとっていたが、09年から全国各地のリーグの成績上位チームによるトーナメントの決勝戦という位置づけに変わった。なお、16年まで関東、関西以外のチームが出場したことはない。(関西と関東の実力が抜けているため、他連盟で対抗できるチームがない。良くて愛知の名城大くらい)16年は関西学院大が勝利し、関西勢が10連勝していたが、17年に久々に関東勢の日大が勝利した。
他に社会人リーグのXリーグも毎年行われている。最近はNFLの届かなかったものの、実力派アメリカ人プレイヤーが参加するなど、リーグのレベルがさらに上昇している。社会人チームの王者決定戦はXボウルと呼ばれる。そして、この甲子園ボウルとXボウルの覇者同士が争うのが毎年東京ドームで開催されるライスボウルである。
他にも草アメフトリーグであるプライベートリーグ、高校アメフト部のリーグも存在し、これらを含めた競技人口はおよそ2万人ほどである。
また、アメフトを子供の頃から親しんでもらおうと、大阪府や兵庫県ではフラッグフットボールと呼ばれる、簡易アメフトが盛んである。他にタッチフットボールと呼ばれる簡易アメフト競技もあり、日本ではタッチアンドフラッグフットボール協会が管轄している。
他にはドイツも競技人口は日本と同じぐらい、国内リーグもあるなど古くから盛んな国の一つとなっている。その他、メキシコにもアメフトのリーグがある。
ちなみに、カナダにはアメフトと類似したスポーツ、カナディアンフットボールがあり、CFLはカナダでそれなりの人気がある(NHLには遠く及ばないが)。そのほか、オーストラリアで盛んなオーストラリアンフットボール、アイルランドで盛んなゲーリックフットボールなども遠い親戚である。
やっぱりスポーツは現地観戦したほうが迫力がある。国内では各学生連盟やXリーグのホームページに日程や会場アクセスが載っているのでそれを参考に試合を観戦しに行こう。チケットも大体1000円ちょっとで2,3試合楽しめる。ボウルゲームは少々値段が上がるものの、強いチーム同士が対戦するので見ごたえ十分である。
http://www.xleague.com/ (Xリーグ公式サイト)
http://www.kansai-football.jp/wp/ (関西学生アメフト連盟公式サイト)
http://www.kcfa.jp/ (関東学生アメフト連盟公式サイト)
本場アメリカのNFLは各チームがインターネットでチケットを販売しているほか、日本の旅行代理店が観戦ツアーを企画しているので英語が不安な人はそちらを使うのが無難だろう。
会場が遠い、予定が合わない、外に出たくない…いろんな理由で現地に行けないこともあるだろう。そんな人のためにテレビやインターネットでアメフトを見る方法を記載する。
アメフトを放送しているテレビ局は主にNHKBS1、日テレG+である。
NHkBS1は主にNFL、国内ボウルゲームを放送している。NFLはレギュラーシーズンを毎週3試合ずつ録画放送し、プレーオフは全試合放送する(リーグ優勝決定戦とスーパーボウルは生放送)。レギュラーシーズンでは試合から一週間ほどディレイすることも多いのが弱点。また1週間のハイライトをNFLウィークリーという番組で放送している。
日テレG+(CS放送)はNFLを放送しており、レギュラーシーズンを毎週4試合(そのうち、1から2試合が生放送)。プレーオフも全試合放送(スーパーボウルは録画)している。また、アメフト好きで知られるお笑いコンビのオードリーがMCを務めるNFL倶楽部という番組も放映されている。この番組は地上波関東ローカルやBS日テレでも視聴可能。
他にも地上波地方ローカル放送であったり、GAORA(CS)でアメフトを見ることができる。(主に関西学生リーグ)
インターネットによる観戦方法は様々なツールがあるため、リーグごとに分けて記載する。
NFLをインターネットで見る方法としてNFL GAME PASS とDAZN、そして日テレジータスNFLGOが挙げられる。
NFL GAME PASS はNFL公式が行っているオンラインサービス。全試合生放送、見逃し配信、2009年からのアーカイブ視聴etc・・・公式だけあってサービス内容は至れり尽くせり。通勤時間に視る用にダウンロード視聴もできる。しかし、問題は為替レートにもよるが1シーズン約3万円というなかなか高額な値段設定、支払いはクレジットカード払いのみ(さすがカード社会アメリカ)。一応日本語で契約可能なのでそのあたりは心配ご無用、ただ放送コンテンツはすべて英語での配信。ただし、基本的にはアメリカ国外向けのサービスである。
DAZNは2016年から始まったオンラインスポーツ配信サービス。NFLをはじめサッカー(Jリーグ、ブンデスリーガ、リーグアン、FAカップなど)野球(MLB、プロ野球)UFC、F1、NBAなどさまざまなスポーツを配信している。お値段は1カ月約1800円。NFLはレギュラーシーズンを一週間に4試合ほど生配信。プレーオフも全試合生配信している。実況解説は全試合日本語。見逃し配信も可能ではあるがNFLは長くても1週間と短いので注意。もっと長くしてクレメンス。一応、ハイライト等も見ることができる。
日テレジータスNFLGOは2021年からCATVの日テレG+で放映している試合をライブ配信&見逃し配信に対応している配信サービス。何より強みなのは日本語での実況・解説がついており、ハイライト等無料のコンテンツもある。試合の配信を見るためには1シーズン1,800円のシーズンパック、またはプレーオフ開始前後の試合が視聴可能になる900円の後半シーズンパックを購入する必要がある。(※どちらも期間中の一部試合配信のみである点には注意)見逃し配信についても2021年現在、公開からの縛りはなく一律で3月末まで視聴できるようだ。
カレッジフットボールは日本でのテレビ放送がないので、インターネットを使って見るしかない。
代表的なサービスがESPN PlAYER これはアメリカのスポーツ専門TV局ESPNが放送するスポーツを海外から視聴できるサービス。この中でNCAA Collegge Passがカレッジフットボールを配信している。フットボール以外にも野球やバスケットボールなどの試合も配信している。お値段は1年間で$164.99、1カ月で$32.99。
他にも各カンファレンスが独自の配信サービスを持っていることもある。
一番簡単なのはyoutubeだろう。以前からハイライトや録画再生を流すこともあったが、一部の試合はライブでも見られるようになった。
関西学生リーグ1部の試合はrTVというサイトが全試合実況解説付きで配信している、しかも無料(基本的に生放送、その試合がテレビ放送される時は録画放送)。1部の試合以外にも2部との入れ替え戦や甲子園ボウルも放送している。見逃し配信も可能であり、関西学生アメフトを追いかける上で心強い味方になってくれる。一応ニコニコチャンネルも持っているが…(お察しください)rTVニコニコチャンネル
関東学生リーグの試合はフットボールTVというサイトが配信している。こちらも無料であるが、見逃し配信には対応していない。見逃した場合はDVD購入しかないのだ…そして高い。
Xリーグは公式Ustreamにおいて配信を行っている。公式サイトからちゃんとリンクがある。見逃し配信も対応しており、後日ようつべに試合の全編がアップされる。少々カメラがボールをアップにしすぎるために試合全体がわかりにくいのが欠点。
アメフトの実況・解説陣は多彩なキャラを持った人たちがいる。そんな人たちを紹介しよう
近藤祐司・・・ニコニコの野球ファンにはショットおじさんとか、ゴーンヌおじさんとして知られている。実は帰国子女で立命館大学アメフト部出身。大学時代には最優秀守備選手に選ばれたり、アメフト日本代表に選ばれたりした実力をもつ。社会人リーグやNFLヨーロッパでプレイしたのち引退。引退後はスポーツアンカーとして野球、アメフト、バスケットボールなどのスポーツの実況を行うほか、コラムや記事を執筆するなど幅広い分野で活躍している。元プレーヤーなのになぜか解説ではなく実況しているのがミソ。
有馬隼人・・・関西学院大時代にQBとして活躍。4年次には甲子園ボウル優勝、年間最優秀選手を獲得した。大学卒業後アナウンサーとしてTBSに入社、はなまるマーケットなどにも出演していた。しかし、やはりアメフトを捨てきれず入社3年目でTBSを退社しXリーグのアサヒビールに入団し活躍した。2012年に現役引退しコーチ就任。元アナウンサーであることを生かし現役プレーヤーではあったが2004年からアメフトの実況も開始。解説も行うことから、実況解説どちらもできる二刀流である。(コーチも入れると三刀流?)
タージン・・・関西ではおなじみ、黄色の眼鏡をかけた「ロケの帝王」。関西ローカルタレントのため他地区では知名度がほとんどない。そんな彼もアメフトの実況を行う。どちらかといえば淡々と実況するスタイルである。NFLのなかではかなりのレイダースファン。彼は後述の人物とセットで登場することが多い。
河口正史・・・まずはこちらの動画をご覧いただこう⇒スポーツ王NO1決定戦 この動画の8:30ごろから始まるPOWER FORCEという競技。これはお互いの背中を綱でつなげて引き合い、ステージの端に設置されたボタンを押したほうが勝ちというものである。超人室伏広治が他のアスリートを軽々と倒していく中、唯一互角に粘った彼こそ河口正史である。立命館大学アメフト部出身(近藤氏とは同学年)で現役時代はLBとして活躍。NFLの下部リーグNFLヨーロッパに参戦した彼は、2002,03年とNFLのキャンプに参加し、プレシーズンゲームに出場した経験を持つ。残念ながら、チームとシーズン本番の契約を結ぶことはできなかったが、NFLに一番近づいた日本人プレイヤーの一人である。
濱田篤則・・・日本アメリカンフットボール審判協会副理事であると共に、関学高、大で活躍した元選手。タージンとのコンビで解説するときは「ターハマ」として親しまれ、関西でのアメフトイベントにも呼ばれることも多い。タージンにアメフトを仕込んだ張本人。審判は本業ではなく、本職は中学教諭。
クォーターバック(QB)・・・プレイ開始時にセンターからボールを受け取り(スナップと言う)ランプレー時はランニングバックにボールを手渡し、パスプレー時はワイドレシーバーやタイトエンドにパスを投げるポジションである。作戦を決定する司令塔であり、アメフトの花形ポジションである。OLが構成するポケットの中に居てパスを投げるポケットパッサーと、自ら走るモバイルパッサーに分かれる。
ランニングバック(RB)・・・HB(ハーフバック)とFB(フルバック)の2つに分かれており、ハーフバックの主な仕事はランプレー時にボールを持って前に進むことであるが、パスプレイ時にはショートパスを受けることも多い。小柄で足の速い選手に向いているポジションだと思われがちだが、すぐに倒されないためにもパワーがかなり重要である。(もちろん、足が速いこと前提だが)またフルバックはハーフバックの道を開くためのハーフバック専属のブロッカーとなることが多い。
ワイドレシーバー(WR)・・・パスプレー時にクォーターバックからのパスを受けるのが主な仕事である。一般的には足が速くないと務まらないポジションだが、史上最高のレシーバーの一人ジェリー・ライスは実はそれほど足が速くなかったそうである。つまり、コース取りとコーナーバックとの駆け引きも重要である。
スロットレシーバー・・・WRとTEの間に位置いる第3のレシーバー。名前の由来はWRとTEの間を溝(スロット)に見立ててのこと。
オフェンスライン(OL)・・・C(センター)、G(ガード)、T(タックル)に分かれており、ランプレー時には相手選手をブロックしてランニングバックが走る穴を開け、パスプレー時にはクォーターバックを相手選手から守るポジションである。バックスに比べると、ボールを保持しない(センターのスナップは除く)ため、地味で目立たないポジションだが、ラインこそが勝敗の鍵を握ると言っても過言ではない重要なポジションである。特にクォーターバックの利き手の逆方向のタックル(主にライトタックル(RT))はクォーターバックから見えないところ(ブラインド・サイド)をブロックするため、オフェンスラインの最重要ポジションと言っても過言ではない。
タイトエンド(TE)・・・ある時はワイドレシーバーと共にパスを受け、またある時はオフェンスラインと共にブロックするマルチなポジションである。優秀なチームには優秀なタイトエンドが居ることが多い。ブロックが得意なタイトエンドをブロッキング・タイトエンド、レシーブが得意なタイトエンドをレシービング・タイトエンドと言い、最近は後者がNFLに多く見られる。
ディフェンスライン(DL)・・・DT(ディフェンスタックル)とDE(ディフェンスエンド)に分かれていて、ディフェンスラインが3人の時のDTの選手をNT(ノーズタックル)と呼ぶこともある。相手のラインを破り、クォーターバックやランニングバックを潰すなどして相手のプレイを崩すポジションである。攻撃側のほぼ全ての作戦はオフェンスラインがしっかり働くことを前提に立てられている。つまり、これを根底から崩すことのできる優秀なディフェンスラインを擁するチームは非常に厄介である。
ラインバッカー(LB)・・・MLB(ミドルラインバッカー)とOLB(アウトサイドラインバッカー)に分かれており、ラインバッカーが4人の時のMLB2人をILB(インサイドラインバッカー)と呼ぶ。対パス守備も対ラン守備もこなし、ある時はディフェンスラインと共にクォーターバックを潰しに行く(ブリッツと言う)ポジションである。ディフェンスの司令塔をこなすことも多いポジションである。
ラインバッカーのうち、真ん中な配置されるのをマイク、ストロングサイドに配置されるのをサム、ウィークサイドに配置されるのをウィリーと呼称する。
エッジ(EDGE) ...エッジラッシャーの略。最近ではDEやOLEなどDLラインにおいて、外側に配置されるボジションをエッジとひとまとめにして呼ばれるようになった。サックを稼ぎやすいのでディフェンスにおける花形ポジションになっている。
コーナーバック(CB)・・・主にワイドレシーバーをマークしてパスを止めるのが仕事である。場合によってはパスをインターセプト(守備側がパスをノーバウンドで捕球すること)することもある。ワイドレシーバーとの1対1の勝負はまさに手に汗握る攻防である。
セーフティ(S)・・・クォーターバックの利き手のサイド(ストロングサイド)にいる選手をSS(ストロングセーフティ)、SSの逆サイド(ウィークサイド)の選手をFS(フリーセーフティ)と言う。パスプレイ時はコーナーバックと共にパスを守り、ランプレイ時にはディフェンスラインやラインバッカーを抜けてきた選手を止める最後の砦である。優秀なセーフティは居ればなかなか大きな前進が出来ないので、攻撃側は攻めあぐねることも多い。コーナーバックとセーフティを合わせてセカンダリー、もしくはDB(ディフェンスバック)と呼ぶこともある。
ダイムバック、ニッケルバック、クォーターバック・・・ブリッツとは逆に対パスプレー要員として増強されるDBのこと。5人目がニッケル、6人目がダイムとなる。由来は5セント硬貨がニッケルと呼ばれるのを5人目と引っかけたもの。2人目×5でダイムとなり、稀に3人も増強すると5×5×5=25セント硬貨ということでクォーターバックと呼ばれるから紛らわしい。
キッカー(K)…フィールドゴールのキックを蹴るための選手。ゴールポストを確実に捉えるための正確性と遠い距離でも決められるキック力の強さが求められる。3点でも重要だが、キッカーが目立つのは問題だといえる。何故なら、タッチダウンが取れないことを意味するからだ。
パンター(P)…パントのためのキックをする選手。こちらは局面に応じて距離や位置など、自由自在に蹴り込む能力が求られる。キッカーで代用できそうな感じがしないでもないのだけど、NFLではそれぞれ専任になっている。
ロングスナッパー(LS)…フィールドゴールやパントの時にスナップを担当するボジション。こちらも専門職である。
ホルダー(H)…フィールドゴールやトライフォーポイントの時にボールを保持する役割。正確にキャッチして、安全にキッカーにボールを蹴らせる事が要求される。……これで大失敗した選手が。
キックリターナー・パントリターナー(KR・PR)…キックオフやパントの時、それらのボールをキャッチして敵のエンドゾーンに向かって前進する選手の事。リターナーが進んだ地点がスクリメージラインになってプレイが再開される。ボールを正確にキャッチする能力と、スピードとタックル回避能力が要求されるのでWRやRBが兼任することが多いが実際は専任になっているような気がしないでもない。もちろん、キックリターンタッチダウンやパントリターンダッチダウンを決めることも可能で、攻撃力に問題があるチームにとっては貴重な得点源である。
投稿日時が前なのでこちらも(内容は全く同じです)
掲示板
289 ななしのよっしん
2024/02/04(日) 21:03:20 ID: AlelEbdlvO
ボクシング、ラグビーと同じで観戦する分にはいいが、自分は絶対やりたくない
290 ななしのよっしん
2024/08/31(土) 02:47:13 ID: kZXMBZpsXo
>>287
案の定、別の事案が出てきたな。
一見して厳しい対応を取れば、一罰百戒で後は上手くいく、というわけじゃないということの恒例といえる
こうなってしまったからには、いっそのこと、どんどん大学のアメフト部をお取り潰しにして、日本でアメフトは決して栄えないことをはっきりさせた方がいいだろう
その方が、北米の流儀でこのスポーツをやりたい日本人は、日本に諦めがついて、早いうちに日本から出て行って「アメリカの子」になって北米で活動するようになるから、結果的にお互いの為になる
さもなければ、日本人が北米の習慣(薬物への態度を含む)をほとんど疑いをもたずに受け入れるようにならない限り、この国でアメフトの未来はないでしょ。
このままだと、大学はリスクを抱え込み、アメフト選手は合わない水で苦しめられ、日本社会にとっては薬物取締の𥶡が緩むことにつながる。
291 ななしのよっしん
2024/08/31(土) 13:05:52 ID: /ZhrT33jsq
関学大アメフト部員 1人が無期限代表資格停止 大麻所持案件で日本協会の毛髪検査受検に従わずhttps://
これはほぼ間違いなく黒ですなあ……
やっぱ順法精神のないアホがやるスポーツってイメージだわ。
急上昇ワード改
最終更新:2024/10/05(土) 16:00
最終更新:2024/10/05(土) 16:00
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