さんをつけろよデコ助野郎(-すけやろう)とは、大友克洋原作・監督の1988年の劇場アニメ映画『AKIRA』における台詞である。
概要
大友克洋の作品の『AKIRA』の主人公である金田正太郎は不良のリーダーであり、かつて友人で舎弟分だった鉄雄と敵対することになる。
とある事件がきっかけで超能力に覚醒した鉄雄は、その凄まじい力によって金田を屈伏させようとするのだが、直接対決の際に金田を呼び捨てにしたことで、件のセリフを浴びせられることになる。
金田「俺ァ また心配しちまったぜ? またベソかいて泣いてんじゃねェかと思ってよ」
鉄雄「金田、おめぇが目障りだったんだよ… ガキの頃から何をするのもお前が指図しやがる。
いつも子供扱いだ…どこにでも出てきてボス面しやがる!!」金田「さんをつけろよデコ助野郎!」
これが転じて、本来「さん」付けすべきとされるキャラが呼び捨てにされている場面でネタとして発せられるようになった。なおこの有名な台詞は映画版のみで、原作である漫画の同場面の台詞は「なんか用か!?」である。
英語版だと“That's "Mr.KANEDA" to you, PUNK!”と訳している。直訳すると「お前にとっては金田さんだろ。チンピラ」という意味となり、ニュアンス的には「金田さんだろ。この野郎」となる。ちなみに英語版の日本語字幕では「"さん"をつけろよ デコ助野郎ォ」となっている。
言語的には「デコ助」とは東京弁(方言)であり一般に言うところの「でこっぱち」、ようするに額の広い人のこと。ハゲて無いわ!
ちなみに
『AKIRA』という漫画タイトルの元ネタである世界的に有名な映画監督の黒澤明は、新人のキャメラマンやスタッフをよく「でこすけ」と呼んでいたらしい。後年同じく監督としてデビューした弟子の木村大作曰く、ようやく名前で呼ばれるようになると、「ああ、黒澤監督から信頼されたんだ」と感激したとか(他のスタッフも同じようなことを言っている)。
このほか、完全主義者として知られる黒澤は、俳優がうまく演出通りに動かず怒り心頭となった場合「デコ助!」と罵倒したという。もうこの「デコ助」が出ると本当に収拾が付かなくなり、「とても怖くて迫力があった」と俳優陣を恐怖させていたという。
関連動画
↓金田と鉄雄の声優(岩田光央、佐々木望)による再現というかセルフパロ。「デコ助野郎」のやり取りは1:09~。
お絵カキコ
さん付けで呼ぶことが推奨される実在の人物・架空の人物
うっかり「さん」を付けずに読んでしまったら「さんをつけろよデコ助野郎」と言われるおそれのある人物を紹介する。
あ行
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か行
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さ行 |
た行 |
な行 |
は行 |
ま行 |
や行 |
ら行 |
わ行 |
アルファベット |
その他 |
記載の目安
記載しない目安
- 言うほどさん付けで呼ばれてない、他のあだ名のほうが一般的
- さん付けするのは間違い
例
- 「さかなクン」
クンまでが固有名詞のため、さんを付けて呼ぶほうがよい。 - 「となりの柏木さん」
さんを付けて呼ばれている。あるいは『となりの柏木さん』という題名のため、そのまま呼ぶのがよい。 - 「となりの関くん」
さんを付けて呼ばれていない。関くんの固有名詞は関俊成であるため「関くんさん」とするのは二重敬称となり不適当。また、『となりの関くん』は作品名のため、敬称を付けるのは不適切だし、固有名詞なのでくんをさんに変えてもいけない。
さんを付けなくてもデコ助野郎とは言われなさそうなキャラクター
さんを付けると訂正される可能性がある人
さんではなく公と呼ぶべき人
様を御付け下さいデコ助殿!
⇒様
NHK『さかなクン』ツイート問題
2010年12月15日21時59分、「NHK広報局(NHKについてユルく案内)」がツイートした「さかなクン!ヽ(*´∀`)ノ」に、多くの人がリプライを返した。その言葉はもちろん、「さんをつけろよデコ助野郎」である。
余りもの大量のリプライに、NHK広報局は22時18分に慌てて追記、「先ほどのツイートで、さかなクンさんを、さかなクンとお呼びしてしまいました。たいへんな失礼をいたしました。申しわけありません。お詫びして訂正いたします。何卒ご容赦ください。」と謝罪を述べた。
そしてその一時間後、「さんを付けろよデコ助野郎」の意味を知り、「「さんをつけろよ、デコ助野郎」って、そういうことだったのか・・・ううう・・・知らなかった・・・(>Д< ;) みんなひどい・・・」となった。
この件により、さかなクンに「さん」をつけるかの問題が上がったが、それ以外に別の問題が上がっていた。
「さんをつけろよデコ助野郎」の意味を分からないままに、各種ブログなどで「大炎上」と捉えられ取り上げられるケースが続発、その中で一際目立ったのが、作家・ジャーナリストの城島明彦が自身のHPで『「さかなクン」に「さんをつけろ」という近頃の若者の日本語感覚の異常さと、それを認めたNHKのバカさ加減』と題して批判して失笑を買うなど、元ネタを知らずに批判を重ねた人々がいた他、この件を報道したJ-CASTニュースにおいても、元ネタに関しては一切書かれず、本当にさかなクンの所属事務所「アナン・インターナショナル」に問い合わせた為か、さらに誤解を生む結果となっていった。
公共の場(ツイッター上とはいえ)でのネタリツイートやそれに対する対応、またそれによって生じてしまった誤解報道等、「公共の場」と「ネット内のネタ」の線引き、誤った情報による記事作成などは注意すべき点ではないだろうか。
関連項目
- AKIRA(漫画)
- 大友克洋
- 岩田光央
- 佐々木望
- K9999
- これがミクちゃんですか
- なんとかさんの一覧
- 一覧の一覧
- 「佐天さん」「ブライトさん」「琴浦さん」この人は「さん付け」で呼ばなきゃ! というキャラクターは?|ニコニコニュース
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