山川純一(やまかわ じゅんいち、通称・愛称:ヤマジュン)とは、日本の漫画家である。
ゲイ要
男性同士による同性愛をテーマにした読みきり形式の漫画を多く手掛けている。
代表作に『くそみそテクニック』『男狩り』『地獄の使者たち』がある。名前は本名ではなく、ペンネーム。
詳細はWikipedia記事を参照のこと。
東洲斎写楽のごとき活動期間の短さであるが、絵柄の変化が初期から末期に至るまでほぼ無いことも特徴。
なお、『薔薇族』の誌面上では彼の作品の扱いを『劇画』としているが
インターネット上では『ギャグマンガ』感覚で読まれていることも多い。
いい男の歴史
・生年不詳 - 誕生
・1976年 (?) - 第二書房に漫画作品を持ち込む。伊藤文学氏によれば、ひっそりとした線の細い青年で、生活に困っていた様子が伺えたという。また、本名、住所を含む個人情報は一切明かさなかった。
・1982年 - 童貞作『刑事を犯れ』で商業誌デビュー。アオリ文は「期待の新人劇画作家」だった。
・1983年 - 1985年 最盛期。1~2ヶ月に1本のペースで読みきり作品が『薔薇族』系列の雑誌に掲載されるようになる。読者人気は高かったようで、後述の在庫過多となった単行本も全て完売している。
・1986年 - 初の単行本『君にニャンニャン』『兄貴にド・キ・ド・キ』が発売。しかし、この年に発表した新作は『美しき野獣』一本のみ。この頃、第二書房スタッフからヤマジュンの少女マンガ的な画風が嫌われるようになり、事実上仕事を干された状態となる。ただ、伊藤文学のみは例外で彼の作品に当時から高い評価を与えており、『君にニャンニャン』の巻末にて山川作品を「男と男の愛の賛歌」と評し、「山川純一君の作品が本になったことが嬉しくて仕方が無い。彼の作品ををもっと多くの人に知ってほしい。」との文を添えている。
・1987年 - 伝説の傑作『くそみそテクニック』がバラコミ2号(薔薇族の別冊誌で新作漫画ばかりを集めた雑誌)に掲載される。同時発表作は『湯けむりの中で』『俺がいちばんセクシー』。当時は全く話題にならなかったが、後年の再評価のきっかけに。また、小説薔薇族に『疾走する獣達』が掲載。事実上最後の雑誌掲載作となる。
・1988年 - 全新作の描き下ろし単行本『ワクワクBOY』が発売。以降新作発表は無くなり、消息は不明。
・1989年 - 単行本の発行元「けいせい出版」が倒産。書店にあった在庫分の単行本が全て第二書房に送り返される。しかし、山のようになった返品の本は元の人気が高かったためか、僅か2年ほどで全て売り切れた。
・1991年 - 2001年ごろ - 完全に忘れ去られた存在となる。なお、当時ヤマジュンの名前を出した際の反応が残っている(http://mimizun.com/log/2ch/gay/986051943/ ←ここの56 完全に無視である)
・2002年(?) - 『くそみそテクニック』の「あぁ、次はションベンだ・・・」のシーンがうpされ、「何だこの漫画は!?」と笑いのネタとして一躍広まる。
・2003年 - インターネット上に毎週のように『新作』(厳密には過去の掲載作)がうpされ、第二の黄金期を迎える。 この頃にはオンリーイベントの開催や、女性ファン(俗に言う「無ジュニア」)の増加、10月には単行本作品及び雑誌発表作を網羅した全集『ウホッ!! いい男たち ヤマジュンパーフェクト』が発売される。
・2007年 - 4月4日、伊藤文学によって未発表の4作が発見される。皮肉にも第二書房倒産による自宅引き払いによって見つかった作品であった。
・2009年 - 未発表4作品が紙媒体の本『ウホッ!! いい男たち2』として発売。
・2011年 - Androidアプリ『ウホッ!!いい電卓』が配信開始。(現在は配信終了)
・2013年 - 5月15日付けにて(一応第二書房の管轄ではあったが)著作権的な扱いが曖昧であったくそみその権利が伊藤氏より正式にIKDIインターナショナルに譲渡。なお、二次創作等を禁止するものではなく、あくまでオフィシャルなグッズ販売やイベント開催についてクリアにしたものとされる。但し、商用や営利目的の利用の場合には今後正式な許可申請が必要となる。
・2014年 - くそみそテクニックとしては初のオフィシャルイベント『"くそみそテクニック"公式コラボカフェ~すまない、ホモ以外は帰ってくれないか』が開催。店内ではクラシックノートの発売のほか、ニコニコで有名になった『バラライカ(やらないか)』の映像も使われるなど、ヤマジュニアにとって至福の空間が提供された。同年12月にはモバゲイモバゲーで阿部高和のアバターが配信された。
・2020年 - 国立国会図書館にこの年の6月4日付で全集単行本の『ウホッ!! いい男たち ヤマジュン・パーフェクト』が収蔵、同7月9日付で製本作業が完了し現地閲覧及び遠隔複写サービスでの利用が可能となった。意外にも、出版から約17年もの間誰も国会図書館にこの本が無いことに気付いておらず、この事に気付いたファンが寄贈したものが収蔵された。恐らく第二書房、ブッキングという小規模出版社の為に納本が行われていなかったものと思われる。
この時まで山川純一の本で国会図書館に収蔵があったのは『やらないか ウホッ!!ヤマジュンセレクション』のみで、「ワクワクBOY」収録作品のうち「男たちの夏」「絆」を除く全作品(即ち、有名作「僧衣を脱ぐ日」も含まれる)やネット上で大発掘作戦の展開された「死のロンド -オオカミと羊-」、ニコニコのフルボイス動画で人気の「湯けむりの中で」、実写映画にもなった「海から来た男」などの単行本未収録作品が国会図書館では読めない状態だったが、この本が収蔵となったことで、掲載誌の復刊薔薇族を用いれば、未発表作品も含めほぼ全ての山川純一漫画が国立国会図書館にて楽しめるようになった。余談ながら、代表作「くそみそテクニック」が掲載された『バラコミ2号』については2021年時点でも未収蔵である。なお、保管期限は特に無いので、国の管理の下、事実上永久保存されることとなった。
ちなみに、この寄贈時には同じ便で鳥山明の習作「謎のレインジャック」「あわわワールド」やD・V・D!!で有名な「いけないお姉さん」、メタルスレイダーグローリーのまっく☆べりーず名義の同人誌、伝説のクソ映画「宇宙から来たツタンカーメン」も同時に寄贈されている。
この年の8月6日には、伊藤文學の尽力により、薔薇族創刊号の電子化が完了し、Amazon Kindleで配信が開始されるなど、薔薇族方面に明るい話題が続いている。
・2021年12月24日 - 奇しくもクリスマスイブと重なったこの日、山川純一のデビュー単行本の『君にニャンニャン』、最後の単行本となると思われる『ウホッ!!いい男たち2 ヤマジュン未発表作品集』の収蔵が完了した。ウホッ2の収蔵により、国立国会図書館において、掲載誌を用いない形での山川純一作品の完全収蔵が達成され、国会図書館で読めないヤマジュン作品は無くなった。
なお、この時は同じ便で別のホモ漫画ネタの「なんと奇遇な!」で有名な「王様と私」を掲載した『ラブげっちゅ』、ヘルドクターくられの同人誌、にわのまことの「THE MOMOTAROH」と「真島クンすっとばす!!」のコラボ漫画の完結編、サザンオールスターズが発行したコミック誌『勝手にシンドブック』、幻のセルフプロデュースアイドルの生ハムと焼うどんの写真集、コンバット越前名義の単行本『お姉ちゃん暴走特急』、人間やめた人向け同人誌として話題になった『惨事のおやつ』なども同時に寄贈されているが、寄贈自体は半年前の2021年5月に行われており、同梱資料の一部に汚損があったことで、燻蒸処理などに時間がかかり、偶然にもこの日まで延びてしまったのであった。
・2024年5月28日、同年4月1日に国立国会図書館に寄贈された「くそみそテクニック」のオリジナル掲載誌にあたる『薔薇族増刊号 バラコミ 2号』がこの日に図書館に収蔵。遂にオリジナルくそみその原書が国の管理下に於いて永久保存されることが確定した。この吉報は伊藤文學の元にも伝えられており、くそみそ公式Twitterも反応していた。伊藤の存命中に山川に関する重要書籍の大半は国会図書館への収蔵が叶った。なお、本来この1年ほど前にも同じ本を送っているが、図書館側が紛失したためこの寄贈は2度目の正直である。(1回目の寄贈時には本来、バラコミ創刊号も同梱していたがそちらも紛失している。創刊号は入手難のため未だ未収蔵)
なお、2024年9月現在も山川純一氏本人の消息は明らかとなっていない。
インターネットでの復活から復刊まで
上記の通り、21世紀初頭に山川純一作品はようやく正当な評価を与えられるに至った。
以下はその歴史(可能な限りのログ追跡と当時のテンプレートを基に作成)。
・2002年3月10日前後 - あやしいわーるど@暫定 (暫定退避)に「くそみそテクニック」の「あぁ・・・次はションベンだ・・・」の恍惚とした顔のシーンがうpされる。時を同じくして数作がアップロードされる。
・2002年6月12日~12月- あやしいわーるど@みらいにて大きな話題となり、ふたばちゃんねる二次元裏板に飛び火。その後、年内にかけて2chの各地に広まり、一大ブームとなる。
・2003年3月24日 - 「ウホッ!いい男…のガイドライン 3人目 http://mimizun.com/log/2ch/gline/1048266902/」にて743が「ワクワクBOY」を古本屋でサルベージすることに成功。4日間にわたって収録作がアップロードされ、祭りとなる。
・3月29日 - 「【くそ】やらないかのガイドライン7作目【みそ】 http://mimizun.com/log/2ch/gline/1048797156/」にて487が残り2冊の単行本「君にニャンニャン」「兄貴にド・キ・ド・キ」を所有していることを告白。数日間かけてうpされ再び祭りに。この時の大トリを飾ったのは4月13日にアップロードされた「夏色転校生」。作中の描写に倣って「光男の解放」と呼ばれた(当時「夏色転校生」は「全裸になれば光男を~」のページしか存在が確認されていなかったため)。
・4月4日 - 「【インキン】ウホッ!いい男・・・28人目【金玉】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1050253994/」の294が伊藤文学にヤマジュンの消息を尋ねるメールを送る。この時の返信内容により、初めて山川純一が行方不明であることが判明する。また、596が国立国会図書館に当時の薔薇族が収蔵されていることを突き止める。
・4月24日 - 「【地獄の】ウホッ!いい男…33人目【使者たち】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1051098873/」にて国立国会図書館で発見した「地獄の使者たち」がうpされる。ちなみに、当時はまだ遠隔複写サービスが無かったので、うp主は「薔薇族」を片手に図書館をウロウロする羽目になったとか。
・4月28日 - 「【快楽の】ウホッ!いい男…38人目【罠】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1051521239/」にて同じく国会図書館からのサルベージ作「快楽の罠」がうp。この時に国会図書館にも無い作品の存在(恐らく「死のロンド」「ひとつの青春が終わった」と思われる)が発覚。
・4月29日 - 「【見事な壺】ウホッ!いい男...39人目【未開発】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1051552559/」にてヤマジュンのものと思われるカットがうpされる。恐らく最初で最後の漫画以外のイラストである。
・5月1日 - 「【悪くない】ウホッ!いい男…41人目【夢みたい】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1051715273/」にて「熱きライダーたち」がうp。「裏切り」と同時掲載だったことがこの時に判明。
・5月2日~5月8日 - 単行本未収録作品の発掘が難航。スレが内乱状態となる。
・5月9日 - 「【宿直室を】ウホッ!いい男…52人目【襲え】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1052407874/」にて「宿直室を襲え」がうp。翌日「【おとなの】ウホッ!いい男…53人目【金玉】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1052498305/」にて「教育実習生絶頂す」がうp。歴代最速ペースの新作発掘であった。
・5月11日~5月28日 - かねてよりタイトルのみで内容が不明であった「死のロンド -オオカミと羊-」の掲載号探索が行われる。
・5月29日 - 「死のロンド -オオカミと羊-」が「http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1054125601/ 【死のロンド】ウホッ!いい男…66人目【オオカミと羊】」にてうp。一連の発掘作業はほぼ終結する。この後、復刊ドットコムへの紙のヤマジュン復活に向けた新たな動きが活発化する。
・6月24日 - 「【変態だよ】ウホッ!いい男…80人目【―最高さ!】 http://mimizun.com/log/2ch/nanmin/1056205055/」本家『薔薇族』2003年8月号で山川純一作品がインターネットで話題になっていることが掲載される。また、最後の単行本未収録作「疾走する獣達」の存在が明らかになる。この頃、NECでヤマジュン語を用いた広告がごく短期間だけ掲載される(ヤマジュンネタと知らなかったのか、本当に短期間だけだった)。この頃に初のオフ会が開催され、成功を収める。
・7月4日 - 復刊ドットコムの表示が復刊交渉中に変更。伊藤文学ら薔薇族スタッフと復刊に向けた話し合いが行われ、書籍化が濃厚となる。
・9月2日 - 復刊本のタイトルが「ウホッ!! いい男たち -ヤマジュンパーフェクト-」に決定。これまで刊行された3冊に加え単行本未収録作品を網羅した完全版コミックスという、当初の目的を大幅に上回った内容にスレ住人は歓喜。
・10月9日 - 若干発売日に延期があったものの、待ち望んだいい男達の下に無事に全集「ウホッ!! いい男たち」が到着する。驚異的なペースで人気が加速した結果、発掘から僅か半年強という現在においても類を見ない速さでの復刊であった。
ニコニコ動画において
インターネット上において広く愛されている山川純一氏とその作品だが、ニコニコ動画もその例に漏れず、関連動画が多く見つかる。
氏の作品丸々を題材に扱った動画もあれば、ヤマジュンオールスターの意味合いの強い動画、一見関係の無さそうな動画にパロディ・ゲストなどの形でキャラクターが登場することが多い。
関連動画
上記動画は山川の名づけ親にして育ての親とも言える伊藤文学氏による山川純一氏についての思い出を語ったもの。
なお、この動画より、「くそみそテクニック」の原稿はファンによって買い取られたことがわかる。
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