KTMワークス単語

ケーティーエムワークス

KTMワークスexitとは、KTMレース活動を行うためにメーカー直営で運営するチームである。

本稿では、MotoGPに参戦するKTMワークスについて記述する。特に、最大排気量クラスに関する記述が多い。

Moto2クラスMoto3クラスで実質的なKTMワークスとして活動しているチームは、アジョ・モータースポーツという。
 

ライダー

最大排気量クラス

名前 出身地 身長・体重 誕生日
5 ヨハン・ザルコ フランス カンヌexit近郊のアンティーブexit 171cm66kg 1990年7月16日
44 ポル・エスパルガロexit スペイン グラノリェースexit 171cm64kg 1991年6月10日

Moto2クラス・Moto3クラス

アジョ・モータースポーツの記事を参照してください。
 

現在のスタッフ

クルーチーフ

ポルエスパルガロクルーチーフニュージーランド人。

もともとはモトクロス(起伏のある土の路面をジャンプしながら走る競技)のレーサーだった。

1991年からヨーロッパに住み始め、モトクロスチームメカニックとして働くようになった。1995年から2003年までカワサキワークスモトクロスチームに所属した。

2004~2005年MotoGPに移り、どこかのチームクルーチーフになっていた。

2006~2014年はオーリンズ(スウェーデンのサスペンション企業)に就職し、MotoGPの各チームに出向していた。モトクロスというのはサスペンションの出来が極めて重要な競技なので、モトクロスメカニック出身者がサスペンション企業に就職する例がしばしば見られる。

2015年からはKTMに就職した。2015年アジョ・モータースポーツMoto3クラス)にいて、ミゲール・オリヴェイラブラッド・ビンダーを支援していたらしい。画像1exit画像2exit画像3exit

2016年は最大排気量クラステストチームに移った。2016年終戦バレンシアGPではスポット参戦したミカ・カリオクルーチーフを務めた。2017年からはポルエスパルガロクルーチーフになった。

※この項の資料・・・記事1exit記事2exit
 

ヨハン・ザルコクルーチーフドイツ人。

2015~2016年グレッシーニレーシングアプリリアワークス)に所属していて、マルコメランドリやステファン・ブラドルのチームの電子制御スタッフだった。

2017年からアレイシ・エスパルガロクルーチーフになった。近年の最大排気量クラスは電子制御の重要性が増しているので、電子制御スタッフからクルーチーフに昇格する例が多いが、その好例である。

2018年9月サンマリノGP直前にグレッシーニレーシングを離脱する。2019年からKTMワークスへ移籍してヨハン・ザルコクルーチーフになることが決まったので、双方合意の上、チーム離脱となった。アプリリア側としてはKTMへ移籍する人に機密情報を見せたくないし、マーカス側はKTMへ行ってマシンに習熟したい。

アレイシ・エスパルガロからの評価は高く、「マーカスとはいい関係を築けていたexit」とコメント

この記事exitでは内情がられている。ヨハン・ザルコはKTMワークスに移籍するに当たってアジョ・モータースポーツマッシモ・ブランキーニexitを呼ぼうとしたが、マッシモに断わられた。マーカス・エシェンバッハを選んだのはマイク・ライトナー監督である。
 

チーム・コーディネーター

称はベアBeaで、チーム・コーディネーターとして働いている。物流やホテルの予約やホスピタリティの手配などを担当している。もともとはラグリース・レーシングCEV部門でチーム・コーディネーターをしていたという。

後述のエステバン・ガルシアexitの、かまたはである。

※この項の資料・・・記事1exit記事2exit
 

首脳陣

テクニカルディレクター。技術的な相談を一手に受ける立場の人。この動画exitで喋っている。

1983年頃生まれで、かなりの若手である。ドイツ生まれで、アーヘン工科大学exitという名門校でオートバイ自動車工学を学んだ後、2008年インターンシップKTMの職場体験をして、そのまま入社した。

技術者としての専門分野はシャーシ設計である。

この記事exitが資料
 

チーム監督ダニ・ペドロサとの付き合いが長い。
 

KTMレース部門の総責任者であり、肩書きはスポーティングディレクターMotoGPのみならずモトクロスレースにも顔を出す立場の人である。
 

たまにKTMワークスピットに現れる人たち

テストライダー

2019年からKTMテストライダーになった。
 

KTMテストライダーとして、開発の中心を担っている。

「ある程度速いライダーじゃないと、テストライダーとして意味がい」とホルヘ・ロレンソ原田哲也っているように、レギュラーライダーに迫る速いライダーテストライダーになるのが望ましい。

ミカ・カリオはその点で申し分なく、2017年オーストリアGPで10位、2017年ラゴンGPで11位になった。オーストリアGPでは2人のレギュラーライダーを上回り、アラゴンGPではポルエスパルガロの3遅れ。シーズン終盤はレギュラーライダーの体調やレース勘がピークに達しているのだが、そのレギュラーライダーと互以上の戦いをしたのは驚異的である。

成績不振のブラッドリー・スミスと入れ替わるのではないか、と噂されたが、結局開発に残留した。ミカ自身はレースをしたがっていて、KTMワークス以外のチームにも接触していたようであるが、KTMに「君が開発の中心だから」と説得された。


1982年11月8日フィンランドヴァルケアコスキexitで生まれ、2002年からMotoGPフル参戦し始めた。同じフィンランドアジョ・モータースポーツで走り始め、2003年シーズン途中からKTMワークスに引き抜かれて2008年まで在籍した。KTMワークスでは125cc250ccクラスの合計で12勝を挙げている。2005年2006年125ccクラスで2年連続ランキング2位

2009年2010年ドゥカティサテライトのプラマックレーシングで走ったが、イマイチだった。このときの様子を見た青山博一に「ミカ・カリオは、はまっちゃってましたね。最大排気量クラスセッティングの幅があって、はまりやすいんです」と言われていた(ライディンスポーツ2011年2月号)。ドツボにハマってしまったということである。

2011年からMoto2クラスMarcVDSに移った。2014年にはMoto2クラスランキング2位

2015年限りで現役引退し、2016年からKTM最大排気量クラステストライダーになっている。

2018年ドイツGPで大転倒を喫し、右ひざを折するなどの大怪をした。これにより、KTMワークスの開発が止まったと、マイク・ライトナー監督この記事exitっている。ミカ・カリオの存在が大きいことを示している。

長年ゼッケン36番を用していたが、2019年の最大排気量クラスにはジョアン・ミルがやってきて、ゼッケン36番を使われてしまった。このためミカ・カリオはゼッケン66番を付けて、2019年2月のセパンテストに臨んでいた。なぜ66かと尋ねらたら「特に意味は無い」と答えていたexit

青山博一とは2006~2008年の3年間チームメイトだった。青山からの性格評は次の通り。「彼は北欧人の典で、感情が表に出ないから、落ち込んでいるかどうかは分からないです。話していても棒読みな感じで、うれしいのか悲しいのか、感情が読めないんです」(ライディンスポーツ2011年2月号)
 

技術者

KTMの最大排気量クラスマシンRC16のエンジンを設計した技術者

エンジン(MotoGP)の記事にもあるように、現在MotoGPマシンエンジンの出来で8割が決まってしまう。優秀なエンジン技術者の存在が、勝敗を決めるのである。

1962年頃生まれ。シュトゥットガルト大学exitという名門校で機械工学を学んだ後、ポルシェロータックスexitBMWF1エンジン製造部門と渡り歩き、2003年KTMに入社した。それからはKTMエンジン技術者の重鎮となっている。

※資料・・・記事1exit記事2exit
 

CEO(最高経営責任者)

KTMCEO(最高経営責任者)。

大企業トップにしてはしく非常に率直な人物で、質問から逃げず、言いたいことを喋ってくれる。

ホンダに強い対抗意識を燃やしており「ホンダは一番嫌いなライバル」「ヤマハカワサキバイクは好きだが、ホンダを負かすことは最高に満足感を得られる」などと言する。
 

かつてのスタッフ

クルーチーフ

スキンヘッドを生やさないのが印。Twitterのアカウントexitがある。

2006年から2007年チームロバーツでケニーロバーツ・ジュニアカーティス・ロバーツのクルーチーフだった。 2008年カワサキワークステストチームに移り、オリヴィエ・ジャックとテストを繰り返したexit2010年インターウェッテン・ホンダ青山博一のクルーチーフ

2011年から2012年はTech3Moto2部門でブラッドリー・スミスクルーチーフ2013年はブルセンス・アビンティア青山博一のクルーチーフ2014年KTM入りし、Moto3クラスを担当、2014年にジャックミラーexit2015年ミゲール・オリヴェイラやブラッド・ビンダーとともに仕事をしたexit2016年から最大排気量クラステストチームに入り、2017年からは最大排気量クラスレースチームに移ってブラッドリー・スミスクルーチーフスミスからの信頼は厚かったが、KTMから交代を告げられた。
 

スキンヘッドを生やしているのが印。


2013年Moto3クラスラグリース・レーシングチーム・カルヴォ)で、マーヴェリック・ヴィニャーレスクルーチーフを務めていた。

KTMの最大排気量クラス事業の最初期からテストチームに参加していた。2017年まで、ミカ・カリオクルーチーフとしてテストを繰り返していた。

2017年シーズンに低迷するスミスを見かねて、KTMクルーチーフの交代を奨め、第12戦イギリスGPの前にスミスはこの勧めを受け入れた。トム・ヨイックの代わりに加入したのがエステバンガルシアだった。2018年も引き続きスミスクルーチーフを務めた。

2019年からはマーカス・エシェンバッハがやってくることが決まっていたので、KTMテストチームに戻るはずだったが、なんとヤマハワークスマーヴェリック・ヴィニャーレスから誘いが来た。

2019年からヤマハワークスに引き抜かれ、マーヴェリック・ヴィニャーレスクルーチーフを務めている。

先述のように、チーム・コーディネーターのベアトリス・ガルシア(Beatriz Garcia)exitは、エステバンガルシアかまたはである。
  

KTMの車体の特徴

KTMの最大排気量クラスマシンの正式名称はRC16という。

ちなみに、ホンダ4ストロークエンジンレース車両RC~という名前を付ける伝統があり、2019年現在レプソルホンダマシンRC213Vである。

の敵のはずだが、仲良くRC~という名前を使っている。
 

鋼管トレリスフレーム

鋼管トレリスフレームを最大排気量クラスMoto2クラスMoto3クラスの全てで採用している。
 

さまざまな名称

鋼管トレリスフレームとは、鋼のパイプで格子状になったフレームexitトレリス(trellis)は格子という意味で、画像検索すると格子状になった園芸用品exitが出てくる。

鋼管トラスフレーム」とも呼ばれる。トラス(trussとは三角形という意味で、画像検索すると三角形の建材exitに入る。三角形にすると潰れにくいので、構造力学や土木工学でトラスという術語が出てくるexit橋の形状の1つにトラス橋exitというものがあり、三角形をびっしりと繋げた形である。

クロモリパイプ・フレーム」とも呼ばれる。クロモリは鋼の一種で、クロムモリブデン鋼exitのこと。鋼にクロムモリブデンを混ぜた合である。パイプは管の意味。

チューブラー・スチール・フレーム」とも呼ばれる。チューブラー(tubularは管のこと。チール(steel)は鋼という意味。

フレーム」とも呼ばれる。これはだいたい合ってるiron)と鋼(steel)はほんのちょっとだけ違う。iron炭素がほんのわずかだけ混じっているのが鋼(steel)である。

パイプフレーム」という呼ばれ方もある。
 

開発速度が速い

他のメーカーがことごとくアルミ・ツインスパーフレームexitを採用しているのに対し、KTM鋼管トレリスフレームでのレース追求している。KTM技術者達も「鋼管トレリスフレームでやれる」と手応えを感じているらしい。

鋼管トレリスフレームの良さの1つは開発速度が速いという点にある。アルミ・ツインスパーフレームアルミの切削性の良さから開発速度が速いのだが、鋼管トレリスフレームはそれよりさらに速い。パイプをちょん切って溶接し直せば、すぐに新しくなる。要らないと思ったら切って短くすれば良い、長くしたいなら切って溶接すれば良い。この記事exitで、ステファン・ピエラCEOがそうっている。

ちなみに、鋼管トレリスフレームの溶接の様子は、この動画exitに映っている。

G+の宮城さんが2017年日本GPでKTM技術者達に話を聞いたところ、フレームの種類がなんと20種類もあるとの答えが返ってきたという。パイプとパイプの間につけるガセット(gusset)exitという補強があり、これを付けたり外したりして20種類にまでバリエーションが増えているのだそうだ。
 

クロムモリブデン鋼が「しなり」を生む

鋼管トレリスフレームに使われるのはクロムモリブデン鋼が定番である。

クロムモリブデン鋼には性があり、り強く、良い感じに「しなり」がある。

クロムモリブデン鋼を使った鋼管トレリスフレームオートバイは、良い感じの『しなり』がある。そのため、コーナー旋回中にフレームがグニャグニャとしなって、フレーム自体がサスペンションのようになってくれる。コーナーで乗りやすいマシンである」とよく言われる。

この動画exitでも、鋼管トレリスフレームがグニャッと曲がっている様子が表現されている。


クロムモリブデン鋼はスポーツ自転車フレームにも使われる。クロムモリブデン鋼の自転車ユーザーは口をえて「クロムモリブデン鋼はしなりがあり、バネのようであり、振動吸収性が良い」とっている。検索すると、クロムモリブデン鋼の使用者たちの体験談を読むことができるexit



どうでもいい豆知識だが、クロムモリブデン鋼はボルトに使われる。ホームセンターなどで材質SCM435のボルトが多く売られているが、これはクロムモリブデン鋼の一種。クロムモリブデン鋼は性があって「しなり」があり、ブチッと破断する危険性が少ない。破断してもらっては困るボルトに使われる。
 

商業的な効果が期待できる

KTMというのは、販しているバイクの多くに鋼管トレリスフレームを採用している。このため、鋼管トレリスフレーム体で勝つことで、の売り上げを伸ばしたいという野望がある。

この記事exitで、ステファン・ピエラCEOがそうっている。

日曜日に勝ち、月曜日には売る(win on Sunday, sell on Monday)」とステファン・ピエラCEOがっているが、これはオートバイレースの業界で昔から言われていることで、日曜日レースに勝つことがの売り上げに大きくくことを示している。

鋼管トレリスフレームでの勝利が会社の悲願となっており、そのためピット・バイラーも「鋼管トラスフレームは捨てないexit」「鋼管フレームは宗教だexit」とっている。
 

肋骨みたいに見える

鋼管トレリスフレームを採用したオートバイは、カウルの隙間からパイをチラチラ見せるのが定番である。画像1exit画像2exit画像3exit

なんだか猛みたいにみえる。

鋼管トレリスフレーム信者の中には「どうだい、セクシーだろう」と言う人がいる。
 

V型エンジン

最大排気量クラスマシンエンジンはVエンジン(V4エンジン)を採用している。

この動画exitの0分15あたりで、Vエンジンの様子が表現されている。

ブレーキをガツンと掛けてアクセルガンガン開けるしいライディングに合う。

エンジン(MotoGP)の記事の『Vエンジンと直列エンジン』の項で、KTMライダーたちのが多数紹介されている。
 

電子制御が今ひとつ

最大排気量クラスチームの弱点は電子制御であり、これはKTM技術者も認めている。2017年から走り始めたのだから、絶対的に走行データが少ない。

また、参戦台数2台というのも電子制御データ蓄積にとってマイナスポイントである。参戦台数が多いほど電子制御に有用なデータが増えて電子制御レベルが上がる。2017年において電子制御が最も進んでいるドゥカティは参戦台数8台であった。

参戦台数を少なくともヤマハと同じ4台にしないと勝ち負けできない、そのようにKTMも考えていて、最大排気量クラスのプライベートチームに「KTMサテライトにならないか」とを掛けていた。

チームのTech3がその誘いに応じ、2019年からKTM営の一員になった。これで4台体制になり、電子制御の開発速度も向上するだろう。
 

空力パーツの開発には消極的

パーツの開発には一貫して消極的で、「コストがかかる」「乱気流が発生して、後続のライダーが危険だ」とマイク・ライトナー監督が繰り返しっている。

スプーン(MotoGP)の記事でも、KTM関係者がパーツの開発競争を嫌がっているコメントがいくつか掲載されている。
 

KTMのMotoGPにおける方針

2017年シーズンから最大排気量クラスMoto2クラスに参戦を開始した。これにより、レッドブルルーキーズカップexitからMoto3Moto2、最大排気量クラスと一貫してライダーを起用し続ける流れが出来上がった。

レッドブルルーキーカップにはKTMマシンが独占供給されている。車庫にオレンジ色の鉄パイプ・オートバイが並んでいる様子は圧巻exit。若いうちから、鋼管トレリスフレームの良さ、KTMの良さを植え付けていくのである。

若手ライダーを囲い込んで自で育成した方が安上がりだ、とステファン・ピエラCEOがっている。

ピット・バイラーも、レッドブルルーキーカップからMoto3クラスまではKTMで育成できるのにMoto2クラスになるとKTMから縁が切れてしまうことに不満を感じていたとっている。
そこで忌まわしきホンダエンジンを積むという屈辱に甘んじながらもMoto2に参戦したのであった。
 

Moto3クラスにおけるホンダとの抗争

注意 この項は2012年以降の出来事を細かく記録しています。

2012年から始まったMoto3クラスに初年度から参加しているKTM。そこでっ向から立ち向かってきたのがホンダだった。

毎年のようにKTMホンダは良い勝負を繰り広げている。両営で最高成績を挙げたライダーべると、以下のようになる。

KTM ホンダ Wikipedia
2012年 1位 サンドロ・コルテ 3位 マーヴェリック・ヴィニャーレス リンクexit
2013年 1位 マーヴェリック・ヴィニャーレス 7位 ジャック・ミラー リンクexit
2014年 2位 ジャック・ミラー 1位 アレックス・マルケ リンクexit
2015年 2位 ミゲール・オリヴェイラ 1位 ダニーケント リンクexit
2016年 1位 ブラッド・ビンダー 2位 エネア・バスティアニーニ リンクexit
2017年 8位 マルコス・ラミレス 1位 ジョアン・ミル リンクexit
2018年 3位 マルコ・ベッツェッキ 1位 ホルヘ・マルティ リンクexit


こうしたしい争いの影で、両営は抗争を繰り広げてきた。
 

ドルナが「安価なエンジンを提供してください」と要請、ホンダはそれに応じる

2008年に発生したリーマン・ショックにより、MotoGPに参加する各チームの財政事情は厳しくなった。

この状況を憂えたドルナは、少額資運営するチームMoto3に参戦しやすくなるよう、各メーカーに「性を抑えたエンジンを作り、安価に供給してください」と要請をした。

ホンダはそれに応じ、性が低くて安価エンジンを供給していた。また、チームに対してエンジンだけを供給していた。2012年シーズン2013年シーズンホンダ営を見てみると「FTR-HONDA」「Sutar-HONDA」「TSR-HONDA」というマシンで参戦しているライダーばかりである。これは、ホンダエンジンのみを供給し、シャーシをFTRやSutarTSRといった(大メーカーべて技術がちょっと落ちる)メーカーが作っている体制である。

ところがKTMは高性エンジンを作っていた。そして、エンジンだけではなくシャーシも作り、各チームに供給していた。大メーカーKTMが作るシャーシだから、FTRやSutarTSRといった町工場なみのメーカーが作るシャーシよりも性が良いのは当然である。

ドルナエンジンに価格制限をかけていた。エンジンだけ供給のホンダは、その価格制限のとおりに安価で低性エンジンを供給することになった。

ところがKTMエンジンだけでなくシャーシも供給していたので「エンジンは安いんです。このため、エンジン価格制限の規則はちゃんと守ってます」という態度をとりつつ、シャーシの価格を高く設定して、各チームからお金を回収することができた。エンジン価格制限の制度が抜きにされたのである。

この記事exitで、KTMのそういう方針が摘されている。「エンジン安価だったが、シャーシの価格によって十分に助けられた。シャーシの価格はしばしば20ユーロえた。そういう状況をホンダは『規則の精に違反している』と非難した」

まさに、2012~2013年KTMは「高額になってもいいから、高性マシン」という方針だった。
 

中本修平HRC副社長が公然とKTMを批判。ピット・バイラーも反撃する

この状況を見た中本修平HRC副社長は、KTM然と批判した。この記事exitで次のようにっている。

KTMモータースポーツを破壊しています。Moto3クラスは狂気のクラスと化しました。Moto2クラスよりはるかお金がかかります。これは規制の精に違反しています。プライベートチームがすべて撤退したらどうするのでしょう。」

これに対して、ピット・バイラーこの記事exitで反論している。

「『KTMモータースポーツを破壊している』という言いには驚かされましたね・・・。ですが、々はその発言を気にしません。ただ単に々のを引っっているだけですから(挑発しているだけですから)」

々は2007年からレッドブルルーキーカップを始めましたし、2014年からはADAC(ドイツ自動車連盟)が催するジュニアカップにも協しているのです」

マシンKTMから買い取ってMoto3クラスを戦った各チームは、シーズン末にマシン65,000ユーロで(CEVのような選手権に参加するチームに)売却することができるのです。ですから各チームの財政を圧迫しているという摘は当たりません」
 

ホンダが巧妙な手口を使いつつ2014年シーズンに猛反撃

2013年も低調な成績に終わったホンダ勢。このため、2013年9月頃には「2014年はKTMが20台以上exit」という状況だった。それに加えてマヒンドラが6台になるのでexitホンダ勢がわずか6台にまで減少しそうになった。

ところが、これはホンダの巧妙な手口だったのだ。

2014年から、「メーカーはすべてのチーム等にエンジンを供給しなければならない」という規則が導入されることになっていた。このため20台以上を抱えるKTMは、エンジンの大幅な良が難しくなった。20台のエンジンを同時に一気に善するのは大変だからである。一方で、ホンダは6台程度しか味方営がいないので、エンジンの大幅な善も較的にやりやすい状況になった。

この記事exitこの記事exitで、ピット・バイラーSPEEDWEEKの編集長が「ホンダは故意に参戦台数を減らし、開発しやすい状況に誘導している・・・」とっている。

そうした誘導が功を奏したのか、2014年ホンダシーズン中盤以降から一気に実を伸ばし始めた。2014年からはエンジンだけでなくシャーシも一括で供給するようになった。NSF250RWという名のマシンであり、すべてを一から設計し直した本格的ワークスマシンだった。

しかも、ホンダが最もを注ぐTeam Monlauは、非常に高額なオーリンズ製フロントフォークを導入した。この記事exitでは「100万ドルのフロントフォークだ」「オーリンズのカタログに載っていない特注品も供給される。こんな契約を結ぶことができるのは最大排気量クラスでも一部である」と論じられている。

ホンダKTMをも上回る資を発揮し、2014年Moto3クラスホンダ勢の勝利に終わった。
 

2016年2月 KTMが「ホンダがレブ・リミットを超過している」と告発

2015年ホンダ営のレオパードレーシングexitに所属するダニーケントチャンピオンを獲得した。

ちょうど2015年は、レブ・リミット(回転数上限)が変更となった年だった。2014年までは14,000rpmが上限だったのだが、2015年からは13,500rpmが上限となった。

ここでのrpmという単位は「1分当たりの回転数」という意味である。14,000rpmは1233回回っており、13,500回転は1225回転回っているという意味。

2016年2月KTMピット・バイラードルナコラード・チェッキネリ技術監督exitに対して告発をした。「ホンダ系のチームはレブ・リミット過し、13,600rpmまで回している」というものだった。

この記事exitで、ピット・バイラーがこう喋っている。「2016年になってホンダ営からKTM営に来たらイダーが数人いた。彼らは、『KTMマシンは厳格にレブ・リミットが働き、突然回転が止まる感じだ。ホンダマシンはレブ・リミットが優しく働き、高回転域でも快適に運転できる』とっていた。そこで、ホンダチームにいたメカニックコンピュータデータを見せてもらったら、13,500rpmに達してもホンダライダーたちが全開で走行しており、13,600rpmに達してからゆっくりと減速していった」

13,500rpmのレブ・リミットホンダが賛成しており、それにドルナが乗った形で導入していた。KTMは終始一貫して反対していたが、ホンダドルナに押し切られ、14,000rpmレブ・リミットで設計していたエンジンを作り直す羽になった。そのころから、KTM側の不満が溜まっていたのである。

ちなみに、2015年までホンダ2016年からKTMになったチームレオパードレーシングexitである。ゆえに、ピット・バイラーデータを見せたのはレオパードレーシングスタッフである。

レオパードレーシングにしてみたら、2016年現在で協関係にあるKTMから、「2015年におけるホンダでのチャンピオン獲得は、ホンダのレブ・リミット過のおかげだ」とケチを付けられたわけで、この記事exitステファン・キーファー監督が困惑している。

ドルナ側の見解は「4スト250cc単気筒エンジンにおいて、レブ・リミットに到達したときエンジン出力を正確に停止させるというのは非常に難しい。データを確認したら、レブ・リミットの動きに異常なものは見られなかった。とはいえ、ささやかで一時的な(modest and temporary)回転数超過は存在したexit」というものだった。つまり、KTMの訴えは却下されたのである。

この記事exitでは、レオパードレーシング2015年ダニーケントクルーチーフを務めたピーター・ボム(長身で髭をはやしていてレース中はピットの中でいつもニヤケ面だった人。最大排気量クラスのチームLCRにいたことがある)exitインタビューしている。ピーター・ボムは「レブ・リミット周辺の高回転域で上手くいくよう、ホンダが努を重ねただけだ」「レブ・リミットMoto3の電子制御ソフトを統一的に供給するDell’Orto社exitが設定している。チームメーカーがそれを変更することなどできない」とっている。インタビューした記者も「ホンダマシンはレブ・リミット周辺の動きやシフトチェンジの滑らかさに優れている。それはホンダ技術者が電子制御の面で大いなる努をしたからだ」と結論付けている。
 

スポンサー

ご存じ世界最大のエナジーリンク企業ニコニコ大百科にも記事がある(→Red Bull)。レッドブルとは英語で「」という意味。

オーストリアザルツブルグ近郊のフシュル・アム・ゼーexitというの畔のド田舎に本社がある。正確な住所はここでexitの南にある。

モータースポーツに理解があり、F1MotoGPなどに多額の資をつぎ込んでくれる。さらには飛行機レースであるレッドブルエアレースexit催している。こんな風に飛び回る競技exit

MotoGP2007年からルーキーズカップexitを開催していて、これの看スポンサーレッドブル2016年佐々木歩夢、2017年一輝チャンピオンいた。
 
日本の一部のネットユーザーの中に、レッドブルのことを「べこ」と呼ぶ人がいる。「べこ」とは福島県会津地方おもちゃであり、日本語版Wikipediaexitもある。「べこ」というのは東北地方方言で「」という意味。

2018年8月F1レッドブル支援を受けるトロロッソイタリア語で「」という意味)が、マシンの愛称をAkabekoにしていたexit。同年10月会津若松市市長が、トロロッソのドライバーに赤べこを贈っていたexit


2019年2月にステファン・ピエラCEOが語ったところによるとexit2019年KTMMotoGP関連予算は4,000万ユーロで、3,000万ユーロが最大排気量クラス、1,000万ユーロMoto2Moto3ルーキーカップだという。2,000万ユーロレッドブルが負担してくれていて、2,000万ユーロKTMが負担していると言っている。

ただ、これは本当なのだろうか。最大排気量クラスの予算が3,000万ユーロというのが、すこし怪しい。

この記事exitで、カワサキワークスの首を務める依田一郎exitが「カワサキMotoGP最大排気量クラスの予算は6,000万~7,000万ユーロでした。ホンダは1億ユーロを使っています」と発言しているのである。
 

ドイツトラック企業フォルクスワーゲングループに属する。

このツイートexitの左の画像をクリックすると、KTMスタッフのシャツの左腕部分にMANの文字が入っていることが確認できる。

KTMワークスの資材を運ぶトラックはMANが使われている。このツイートexitの3つトラックの画像がある。

ちなみにレプソルホンダのトラックexitメルセデスダイムラーAG)、ヤマハワークスのトラックexitIVECOexitである。
 

協力企業

オーストリアのサスペンションメーカーで、KTM企業である。

1977年後半にオランダで設立され、1995年KTM下に入った。現在オーストリアムンダーフィングexitに本社を持つ。ムンダーフィングはKTMの本社があるマッティヒホーフェンexitの隣町である。両社の距離2km程度。

KTM車両にはすべてWPのサスペンションが付いている。MotoGPのサスペンションはスウェーデンのオーリンズ(金色~黄色の塗装が目印)exit流なのだが、それに対抗している。

2015年Moto2クラスにおけるヨハン・ザルコの快進撃を支えたのがWPで、そのときは車体にデカデカと「WP」という文字が躍っていたexit。彼の好成績を見た多くのチームがオーリンズからWP替えした。

かつてはホワイトパワーと呼ばれていたが、人至上義と間違われやすいので、現在ではそのブランド名を用いない。黒字または字の「W」とい「P」の二文字で表示する。

最近ではそうでもないようだが、かつてはいスプリングが同社製品の印だった。創業直後に知り合いの業者に錆防止のためのスプリン塗装を依頼したところ、たまたまその業者が医療機器専門の企業であったため、しか塗料がなかった。いスプリングにして売り出したらよく売れたので、いスプリングが印になった。


最大排気量クラスではスウェーデンのオーリンズを使用するマシンが大多数を占めており、走行データの量も圧倒的である。WPを使用するマシン2017~2018年においてたった2台、2019年でもたったの4台で、走行データの量が少なく、開発速度が遅い。ステファン・ピエラCEOやピット・バイラーが口をえて「WPサスペンションはイマイチだ、オーリンズにべて劣勢だ」と認めている。(記事1exit記事2exit)ひょっとしたら、オーリンズへの乗り換えがあり得るのかもしれない。
 

オーストリアシュタイアーマルク州exitカップフェンベルグexitに本社があるエンジン関連企業KTM企業である。公式facebookexit公式Youtubeチャンネルexitあり。

とても技術が高く、F1エンジン部品を製造して、多くのチームに供給している。「パンクル F1exit」と検索すると日本語記事が多くヒットする。

ステファン・ピエラCEOも「々にはパンクルがあるので、エンジン製造技術に関していえば他のメーカーに決して負けない」と自信満々にっている。
  

拠点、社名の由来

オーストリア西部オーバーエスターライヒ州exitマッティヒホーフェンexitKTMの本社がある。

オーバーエスタライヒ英語に訳すと「Upper Austria(アッパー・オーストリア」となり、日本語に訳すと「オーストリアの上流」という意味になる。オーストリアを東西に貫くはドナウで、オーバーエスタライヒ州がある西に行くほど上流になる。

マッティヒホーフェンはドイツ南部バイエルン州に近い。バイエルン州自動車産業が盛んで、BMWアウディといった有自動車メーカーがある。そういう自動車産業の有企業の協を得やすい立地にある。

レッドブル本社のあるフシュル・アム・ゼーexitとも近い。


KTMの社名の由来は2種類ある。Tは創業者のTrunkenpolz頭文字Mは本社があるMattighofen頭文字Kは、Kraftfahrzeug(「自動車」という意味のドイツ語)の頭文字でもあり、Kronreif(創業19年に現れた投資)の頭文字でもある。詳しくは、KTMの個別記事の『KTM社史』の項を参照。
 

SPEEDWEEK

SPEEDWEEKというドイツ語圏向けのレース記事ニュースサイトがある。

同じドイツ企業としてKTMの提持ち記事をせっせと書き、そしてホンダの粗探しに忙しい。
ホンダルール違反」「ホンダが札束でゴリ押し」といった記事が出てきて驚いたあとに記事の元を見てみるとSPEEDWEEK.comと書いてあるので、あっそうか(納得)となる。

とはいえ、KTMに関する記事の豊富さは群を抜いていて、とても役に立つサイトである。

その他の雑記

2018年12月には、最大排気量クラスのマシンを売り出していたexit。お値段25ユーロ

2013年から最大排気量クラスの予選はQ1とQ2に分けるようになったexit金曜日FP1とFP2とFP3が行われ、これらのタイムQ1組か、Q2組かが決まる。Q2に直行した方がレースするに当たって圧倒的に有利なのだが、そのためには金曜日FP1・FP2・FP3必死に走ってタイムをキッチリ出さねばならない。それゆえ、部品のテストをしている暇がい。「レギュラーライダーレースの合間に開発をするのは不可能だ」とポルエスパルガロこの記事exitっている。他メーカーに追いつくため開発をしなければならないKTMにとって、Q1・Q2の予選方式は好ましくないものである。

2018年シーズン中、マルク・マルケスへオファーを出したことを首脳の1人が認めているexit

2018年11月に、ステファン・ピエラCEOがドゥカティ買収の可性をほのめかしていた。この記事exitで報じられている。

2018~2019年において、KTMMoto2クラスマシンを開発しているテストライダーは、リッキー・カルドゥスとフリアン・シモンである。この画像exitに映っている。
 

関連リンク

KTMワークスの情報発信サイトは以下の通り。MotoGPのみならず、ダカールラリー(南大陸横断ラリー)やモトクロス話題となる。

関連項目

【スポンサーリンク】

スマホ版URL:
https://dic.nicovideo.jp/t/a/ktm%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

KTMワークス

1 ななしのよっしん
2018/10/16(火) 02:22:52 ID: eE7sr9urQw
K(空気を読めず)T(稚拙で)M(真似ばかり)
2 ななしのよっしん
2018/10/16(火) 02:49:22 ID: Nz0YBXjLMn
ひたすらホンダが嫌いばっかり記事に書かれてて