魔神柱追悼動画とは「Fate/Grand Order」の最終決戦時の魔神柱があまりに可哀想で付けられたタグである。
他にも「200万回殺された魔神(バルバトス)」「600万回殺された魔神(アンドロマリウス)」というタグもある。
概要
スマホアプリ『Fate/Grand Order』は、2016年12月22日20時30分より、7章クリア者限定&期間限定で繰り広げられる最終決戦「終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン」を配信した。
(イベント終了後も未クリアのプレイヤーは最終戦のみの仕様でプレイが可能。クリア後の再挑戦はできない)
このイベントでは「魔神柱」と呼ばれるボスたちと戦う事になるのだが、イベント限定の仕様として各拠点のボスを全FGOプレイヤーで何度も倒す特殊ルール『制圧戦』が設定されている。表向きはFGOプレイヤーの力を合わせて強力なボス達を打破するお祭り騒ぎを楽しもう!というイベントである。
しかし、問題はこの制圧戦の三つの仕様にあった。
1番目は7章クリアまで頑張ったプレイヤー達へのご褒美として、
2番目は「ボスを倒すと他のボスへの支援が発生しなくなる」という戦略性を高める要素として、
3番目は上記のおいしい報酬を沢山受け取って欲しいという運営の計らい、もしくは強力なプレイヤーが回数制限に引っかかり制圧が遅くなるのを防ぐため(直前まで過剰なまでに7章クリアを応援するキャンペーンを行っていたことからもそれが伺える)だったのだろうが、
これら3つの要素が全て重なってしまった結果、
「自分以外のプレイヤー達によりボスを復活上限まで倒されてしまった場合、
交戦権が無くなる=美味しいドロップ品が一切もらえなくなってしまう」
という図式が成立してしまった。
ちなみに、FGOはキャラクターの霊基再臨(進化)とスキルレベル上昇のために専用アイテムをそれぞれ決められた個数ずつ消費する必要があるのだが、その入手手段が非常に限られている割に必要個数が多いため、一部では「素材収集ゲー」とまで揶揄されるくらい高レアドロップアイテムの重要度が高い。
つまり、今回のイベントはまさに年末バーゲンセールのようなものだった。
その結果、他のプレイヤーは「強大な敵に共に立ち向かう仲間」ではなく、「限られた素材を必死で奪い合う競争相手」となってしまったのである。
イベントが始まり、ドロップ情報が広まるや否や、FGOプレイヤーは雪崩を打って魔神柱狩りに専心していく。
貴重なドロップ品を他のプレイヤーに取られてなるものかと、昼夜を問わず寝食を忘れ、現実時間がクリスマスに突入しようが何をしようがぶっ通しで狩り続けた。
時期がちょうど冬休みの開始時期、かつ3連休と重なったのも競争に拍車をかけ、年末進行で本腰を入れられない一部の社会人達の悲鳴を余所に、魔神柱はまるでワカメの如く生える端から刈り取られていった…
運営側はこれを見て大いに肝を冷やした。
制圧戦開始前の第七章クリア済みのプレイヤーが全体の約1/4ほどであるため「撃破回数は各敵に200万回程あれば期間一杯まで十分保つだろう」とタカをくくっていたものの、凄まじい勢いでカウントされていく撃破数を見て自分達の見通しが甘過ぎたことを痛感。大慌てで魔神柱を強化したり、回数制限を増加させたりしたが時すでに遅し。
そして、3日と保たずに全ての魔神柱(合計1800万柱)が素材に飢えたマスター達によって狩り尽くされた。
さながら全てを食い尽くす黙示録のイナゴの如し、である。
或る人は「殺したかっただけで死んでほしくはなかった」とよくわからない事を嘆き、柱をへし折った。
或る人は「黒幕が人理焼却したくなった気持ちが解る」とヒトの欲望に打ちのめされ、柱をブチ折った。
或る人は「おいしい奴をなくした」「追悼の意を表すべき」と慰霊碑となる動画を作った。そして、柱を折る作業を再開した。
犠牲柱一覧
管制塔 バルバトス
「管制塔、点灯。全てを知るが故、全てを嘆くのだ。焼却式 バルバトス」
第4章で若き日のマキリ・ゾォルケンが変身した魔神柱。序列8位。クラスはアサシン。
パイモン、ブエル、グシオン、シトリー、ベレト、レラジェ、エリゴス、カイムの8柱を従えⅣの座を守護していた。
誰よりも先に逝ったため、狩り尽くされた魔神柱の中でも特にネタになりやすい。
- ドロップ品が「禁断の頁」「無間の歯車」「蛮神の心臓」という、特に需要が高い割に最近イベントでの供給が少なかったアイテムだった。中でも「蛮神の心臓」に至っては現在イベント以外では1週間に1日しか採集できない上に(→現在は新しいフリークエストの設置によって多少は改善)極めてドロップ率が低く、そのくせ高レアキャラが軒並み複数個要求する超レアアイテム。
- イベント時の期間限定ガチャから排出された新キャラ、マーリンが現時点での最強サポーターに迫る性能、かつその強化に上記アイテムを多数必要とする。
- その最強サポーター&期間限定キャラが弱点を突ける相性(つまり簡単に倒せる)。
という最もおいしい条件であったのが運の尽き。
最序盤こそエリアが数字順で並んでいたためかフラウロス(Ⅱの座)にリードを許したものの、情報が知れ渡るにつれマスター達の矛先はバルバトス(Ⅳの座)へと集中。
23日午前6時時点で140万ほど折られ運営からのてこ入れ魔力供給の結果50万本追加されたのだが、イナゴと化したマスター達にとっては「追いバルバトス」または「狩れる素材が増えた」だけの話。
約3時間後の23日9時10分頃 管制塔、瓦解。
秒速44体という圧倒的な速度で狩られた末、約12時間で1柱撃破の一報は、その後の採集決戦最終決戦の流れを決める切っ掛けになっただろう。
情報室 フラウロス
「情報室、開廷。過去を暴き、未来を墜とす。焼却式 フラウロス」
第2章でレフ・ライノール・フラウロスが変身したストーリー上記念すべき初登場の魔神柱。序列64位、クラスはランサー。
オリアス、ウァプラ、ザガン、ウァラク、アンドラス、アンドレアルフス、キマリス、アムドゥシアスの8柱を従えⅡの座を守護していた。
バルバトス陥落後に討たれた第2の犠牲柱。こちらもドロップ素材が採集難度の高いもので構成されており、それらの需要とバルバトス陥落時の撃破数が他の魔神柱より頭一つ飛び抜けていたためか、めでたく次のターゲットになった。あと所長の仇。
23日16時15分頃 情報室、終了。
帰宅前にプレイできなかった社会人マスター達は血の涙を流したという。24時間持たなかったよ…。
観測所 フォルネウス
「観測所、起動。清浄であれ。其の痕跡を消す。焼却式 フォルネウス」
第3章でメディア・リリィの手でイアソンが変身させられた魔神柱。序列30位、クラスはキャスター。
グラシャ=ラボラス、ブネ、ロノウェ、ベリト、アスタロス、フォラス、アスモダイ、ガープの8柱を従えⅢの座を守護していた。
フラウロス陥落後、ドロップ品が「数を必要とするタイプ」や「まだ実装間もない新規素材」だった為か、次のターゲットになった。
だが後述のサブナックも狙い目の素材だったため、正確には2柱纏めてターゲットになったと言うべきかも知れない。
23日20時31分頃 観測所、閉館。
何とかギリギリ1日持ったが何の慰めにもならなかった。
生命院 サブナック
「生命院、証明。生きとし生けるもの、皆平等に燃えるべし。焼却式 サブナック」
誰だお前。ストーリーには登場していない魔神柱。序列43位、クラスはアーチャー。
シャックス、ヴィネ、ビフロンズ、ウヴァル、ハーゲンティ、クロケル、フルカス、バラムの8柱を従えⅦの座を守護していた。
フラウロス陥落後、上記のフォルネウスと共にターゲットにされ始めた。全ては新規素材「呪獣胆石」をドロップしたのが悪い。
23日22時12分頃 生命院、臨終。
こちらも1日保ったがほぼ誤差である。
以上4柱が倒れたことにより廃棄孔 アンドロマリウスが出現した。
兵装舎 ハルファス
「兵装舎、補充。共に愛しながら憎み合うのか。奪い給え。焼却式 ハルファス」
第5章でクーフーリン・オルタが変身した魔神柱。序列38位、クラスはバーサーカー。
フルフル、マルコシアス、ストラス、フェニクス、マルファス、ラウム、フォロカル、ウェパルの8柱を従えⅤの座を守護していた。
クラス相性を考慮してか魔神柱の中で唯一HPが85万あった。
4柱陥落後、アモンの素材がまずかった&アンドロマリウスが600万体撃破を要求された為、ターゲットにされ始めた。
24日10時12分頃 兵装舎、停止。
これで残るのはアモンとアンドロマリウスの2柱となった。
覗覚星 アモン
「覗覚星、開眼。数多の残像、全ての痕跡を私は捉える。焼却式 アモン」
第6章でオジマンディアスが勝手に変身した魔神柱。序列7位、クラスはライダー。
バアル、アガレス、ウァサゴ、ガミジン、マルバス、マレファル、アロケル、オロバスの8柱を従えⅥの座を守護していた。
初期の6柱の中では後発のアンドロマリウスに撃破数が追い付かれるレベルで素材がまずかった為に一番最後まで生き残っていたのだが、ついにターゲットにされ始めた。
24日14時46分頃 覗覚星、消灯。
これを以って初期6柱、総計1200万体が48時間保たずに殲滅されることになった。
廃棄孔 アンドロマリウス
「廃棄孔、崩落。不要なもの、全てを捨てよう。焼却式 アンドロマリウス」
バルバトス、フラウロス、フォルネウス、サブナックの4柱が撃破された後に現れた魔神柱。序列72位、クラスはセイバー。
ムルムル、グレモリー、オセ、アミー、ベリアル、デカラビア、セーレ、ダンダリオンの8柱を従えⅩの座を守護していた。
この柱だけ撃破数は600万に設定されている。いっぱい殴れるよ!やったねマスター!
4柱陥落後に突如出現。ここまでの特異点での絆を使い果たしたマスター達をストーリー上では絶望させ、現実では新たな素材として歓迎された。
「数が必要なタイプ」と「まだ実装間もない新素材」を引っさげ、その美味しさからハルファスとアモンの延命に成功。
彼ら2柱と共に無事に24日のクリスマスイブを迎えたが、翌日を迎える前に2柱が殲滅され、たった1柱でクリスマスを迎えるハメに。
最後の方は多少飽きられながらも25日10時37分頃 廃棄孔、閉鎖。
これにより魔神柱登場から62時間7分、アンドロマリウスの登場から36時間25分で魔神柱は全て殲滅されることになった。
後はソロモンを叩くのみである。
溶鉱炉 ナベリウス
あぁ、そういえばいたねこいつ。序列24位、クラスはセイバー。
ゼパル、ボディス、バティン、サレオス、プルソン、モラクス、イポス、アイムの8柱を従えⅠの座を守護していた。
上記の魔神柱殲滅戦の前に一度のみ戦うことになる魔神柱。0番目の犠牲柱。
最初に倒されるのを不幸とみるか、200万回も倒されなかったことを幸福とみるかはあなた次第である。
柱の6時間
12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
1年間で最も魔神柱狩りをする人の多い「柱の6時間」です。
貴方の知り合いや友人ももれなく魔神柱狩りをしています。
普段はあどけない顔して世間話してるあの娘も魔神柱を狩っています。
貴方が片想いしているあの綺麗な女性も魔神柱を狩っています。
貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いまFGOをやっているのでしたら間違いなく魔神柱狩りしてます。
貴方と別れたあの娘も貴方がその娘とやってきた魔神柱狩りを別のプレイヤーとやっています。
貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま魔神柱を狩るためにヒィヒィ言っています。
貴男が憧れているあのお兄さんやオジサマ方も今宵はベッドであおおーっ!!と魔神柱狩りで一夜をすごすことでしょう。
各所からの言葉
でもマーリンの英雄作成はLv7止まり。
なぜって……バルバトスさんが……オレが眠っているうちにバルバトスさんが……
おのれ人類、なんとしても滅ぼす……!
などと、人類の消費文明・競争社会の恐ろしさをマジマジと見せつけられる最高の制圧戦でした。
そうそう、人類悪ってこういう事よ。
FGOプレイヤーたちの戦略について
開戦当初、全拠点を均一に抑えながら情報室を重点的に攻め陽動作戦展開
敵の目が情報室に引き付けられた後、踵を返して管制塔を一気に制圧する
返す刀で情報室に取って返しこれを殲滅
指揮系統が大混乱に陥った隙を逃さず、観測所を粉砕して目を奪う
次いで生命院に打撃を与え復元機能を遮断
烏合の衆となった兵装舎を蹂躙し、 単独での実働戦力の低い頭脳である覗堂星を滅多打ち
中枢神経系が完全壊滅した後、全員でケツの穴を死姦ガン掘り当記事掲示板>>16より
最後に
この戦いで死んだ魔神柱1800万体に敬意と哀悼の意を込めて
殺したかっただけで死んでほしくはなかった
次なる採集決戦
2018年4月29日から開催されたFate/Apocryphaとのコラボイベント「Apocrypha/Inheritance of Glory」で実装された「撃退戦」は魔神柱狩りとほぼ同様の仕様。Fate/Apocryphaで登場したサーヴァント達を何度も撃退することになり、ドロップする素材によっては魔神柱を上回るペースでサーヴァント達が狩られていくのではと予想された。
前回の採集決戦からユーザー数が増えたことと、時間も経過していること、更に参加条件が前回と比べて緩いことから何倍もの撃退ノルマが用意されており、採集決戦でバルバトスが記録したペースを軽々と更新されていった。特に需要の多い素材をドロップするサーヴァントは終盤になるとバトル1ターンが経過するたびに1万体近く倒される怒涛の撃退ペースを記録している。最速撃退は4月30日正午から登場したアタランテ(鳳凰の羽根・隕蹄鉄ドロップ)であり、600万回撃退する必要があったが、開始から5時間36分で撃退完了。平均秒間298体というバルバトスの約7倍の速度で撃退された。この回は他のサーヴァントと合わせて1800万回(採集決戦の全魔神柱と同数)撃退するノルマが課されたが、開始から10時間57分で全滅している。
このイベントは素材だけでなく、1回の撃退戦で手に入るQPも宝物庫周回とほぼ同等であり、それも相まって1~2ターンで周回するパターンを組むプレイヤーが続出。採集決戦と比べて高速周回できる材料が揃っていたことからこの異常なペースでの撃退が続いた。
普段から育成の素材とQPに飢えているプレイヤー達の飽くなき欲望を表現するにはこの上ないイベントであろう。こんなことやるんだったら普段から素材とQPの収拾効率上げろという声もわからないではない。
このイベントは約2年後、2020年3月に復刻。プレイヤー達が初回で特攻礼装を揃えていたこと、強力なサポーターであるスカサハ=スカディの実装等もあって、初回以上のペースで刈り取られるジャック・ザ・リッパーやセミラミスの姿が見られた。
バルバトス、再び
2019年4月から開催された『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』とのコラボイベント「レディ・ライネスの事件簿」にて、イベント後半の開始となる5月3日に魔神柱との採集決戦が再現された。
このイベントはこれまでにクリアしてきた特異点やイベントの一部を記憶から再現して追体験するというストーリーだったのだが、第1部終章も再現されてしまったのである。しかも、舞台がロンドンであるためかよりにもよって再現されたのは「Ⅳの座」。すなわち、バルバトスとの戦いである。その数推定2000万。かつての終局特異点の決戦で現れた全魔神柱の総数を更に上回る群れがプレイヤーの前に立ちはだかったのだ。今回も大量のドロップアイテムを持って。
もはやある意味伝説となっていたバルバトス、その復活はプレイヤーたちを主に素材的な意味で、歓喜の渦に叩き込んだ。イベント前半の流れから採集決戦が行われるであろうことはプレイヤーの多くが予想しており、18時の後半開始と同時に出現したバルバトスはまさにかつてのごとく狩られ始めた。
どこにこんなに隠れていたのかと首をかしげる程のアクティブユーザーが一斉に殺到したことで、採集決戦が開始して1時間も経たないうちに鯖落ちが発生。だが、そんな事にもめげない人類悪たちプレイヤーたちは鯖復帰と共にすぐさま狩りを再開。同日24時までに約1200万柱を叩き折った。これは秒速500柱以上のペースである。途中鯖落ちがあった事も含めればさらにペースは増す。
また、ストーリーにおいても主人公(Fate/Grand Order)が「世界で最も魔神柱を殺した人類」と認定され、サーヴァントなら魔神柱特攻が付与されるレベルとまで公式に言及されてしまった。
追いバルバトス、再び
開始6時間で1200万柱が吹き飛び残りゲージは既に1/3程、「やはりバルバトスは朝日を拝めないのか」「また参加出来ないのか」とプレイヤーたちが早くもあきらめかけていた深夜0時のこと。
ゲームデータが更新され、3分の1にまで減っていた残りゲージが「悲しみに燃える敵拠点の魔力の増大により」、およそ8割程度にまで回復した。それはまさにかつての採集決戦の再現であった。倍以上に増加した敵戦力はその数5000万柱、単体のレイドボスとしてはFGO歴代ぶっちぎりの最多である。とりあえずこれでバルバトスが一夜で狩りつくされる事態は回避され、「復活して早々今夜が峠だ」と全力周回していたユーザーも落ち着いた。
やったね、マスター。収穫が増えるよ!3日ともたなかったけど。
そして管制室、再瓦解
かつての終局特異点におけるバルバトスの25倍、魔神柱全体の総数と比べてなお3倍近い圧倒的な物量は一晩が過ぎ、もう一晩が過ぎても尽きることは無かった。表面的には緩やかなゲージ減少にある者は飽き、またある者は推しパで趣向を凝らす等、一時期は一見してほのぼのした光景が広がる。
しかしマスターの物欲も尽きてはいなかったかった。実装された夜の祭り状態からはペースを落としつつも、毎時100万本近い猛スピードで着々と収穫され続けるバルバトス。
十時間で消滅した前回よりもはるかに健闘し何と二日もの時を稼いだものの、5月5日22時50分頃、ついに撃沈。約2日で計5000万柱がすべて討伐されたのであった。このとき平均討伐速度は毎時約94万柱、毎秒にして263柱。そして時間単位の最高速度、毎秒619柱。過去のレイド系イベントの最高記録を塗り替える数値は、「断末魔が長い」だの「話見たいからもう死んでいいぞ」だの邪悪極まる罵倒を受けつつも彼がどれほど愛されていたかを示している。
長いようで、やっぱり短い祭りであった。
レイド戦後の決着戦が始まるまでの空白の時間は彼らへの追悼に充てよう。死んでいったバルバトスたちに合掌。念仏とお祈りは三蔵ちゃんとマルタさんが散々唱えてくれたから、もういいよな。
ありがとうバルバトス、さようならバルバトス。おいしいやつを亡くした。
なお、バルバトスの最後の置き土産として、管制塔瓦解直後に鯖落ちが発生したことを付け加えておく。もう少し早く鯖を落としておけば、もう少しだけは長生きできたのに、それをしないあたりに人類悪の片鱗が読み取れる。
バルバトス、三度
2022年1月に「レディ・ライネスの事件簿」は2年8か月ぶりに復刻された。当然バルバトス伐採も復刻されたのだが、今回は2021年末から邪馬台国レイド→クリスマスボックス開封→コヤンスカヤレイドと続いていたため、わりとマスターの間では疲れも見えていた。特にコヤンスカヤレイドは素材もQPも絆ポイントも美味しかったため、そちらに力を入れたマスターも相当数いたと思われる。
そのような若干の不安要素、バルバトスにとっては少しでも長く生きられるかもしれないという希望を持たせて、イベント開始。そして、2022年1月18日18時、バルバトスは出現し、レイドが開始された。
が、ふたを開けてみればやっぱり皆はこぞってバルバトスを狩るのに全力を尽くすのであった。前回の際にはいなかった光のコヤンスカヤやオベロンなどの強力なサポート鯖の実装、スキル使用時の演出高速化の実装により伐採スピードは加速。さらに前回不評だった長すぎる断末魔の声のカットというユーザーの声に応える運営の計らいにより、マスターという名の人類悪はバルバトスと大量のQPと絆ポイントへと変えていくのであった。
バルバトス、バグる
レイド戦が始まって約3時間後、20:50にFGO運営から「現在確認している不具合について」のページでお知らせがなされた。その内容は以下の通り
・特定のクエストのバトルにおいて、バトルメニューの「エネミー消滅短縮」の設定がONになっている場合、エネミーの消滅演出の高速再生時にボイスが再生されない不具合を確認しております。(1/18 20:50追記)
※対象のクエストは以下となります。
・ロード・エルメロイⅡ世の事件簿×Fate/Grand Orderコラボレーションイベント「復刻版:レディ・ライネスの事件簿 -Plus Episode-」 第十節 レイドバトル
バルバトスの断末魔カットはまさかのバグだったのである。バルバトスの最後の主張の機会は意図せぬ偶然によって奪われていた。運営のまさかのミスにプレイヤーは賛辞を送り、押し寄せる人類悪の前にバルバトスはただ黙して死ぬだけであった。
そして管制室、三度目の瓦解
前回と同じく、追いバルバトスも行われたものの、焼け石に水だった。
最終戦ではバグが発生しなかったのか、あるいは修正されたのか、沈黙を続けていたバルバトスは最後の最後にマスターたちへの断末魔という名のメッセージを残すことができた。
追いバルバトスも含めて、計3500万柱、約1日と3時間弱で狩りつくされた。おおざっぱに27時間として3500万柱/27時間=約130万柱/時。やはり前回より伐採速度は上がっていた。
ありがとうバルバトス、さようならバルバトス。最後は断末魔を上げられてよかったね。
その他レイド戦のあったイベント
- 鬼哭酔夢魔京 羅生門
- 天魔御伽草子 鬼ヶ島
- ぐだぐだ明治維新
- 神秘の国のONILAND!! ~鬼の王とカムイの黄金~
- 超古代新選組列伝 ぐだぐだ邪馬台国2020
レイド対象は巨大埴輪ノッブ×7。直前にボックスガチャイベントが行われていた・ギミックがめんどくさい・ドロップ素材の需要が低めなどの理由からまさかの大苦戦を強いられ、最後に残った「闇ノブ」の討伐が完了したのがレイド戦終了2分前だった。(それでも約6バトスのペースで狩られ続けていたので十分異様な速度ではある)
人里離れた山奥で真っ先に乙っていた「嵐ノブ」は翌年の水着イベント「カルデア・サマーアドベンチャー!」でまさかの再登場。カリブ海の無人島へ逃亡し、怨念を貯め続けていたらしい。 - 非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ
レイド対象は雷帝→スルト→雑魚ラッシュ→ビーストⅣ。
雷帝とスルトは単独、雑魚ラッシュは「Apocrypha/Inheritance of Glory」のサーヴァント戦に近いシステム。
「ビーストIV」戦はビーストⅣ+「異聞眷属」合計6体が出現。ビーストⅣを撃破すると戦闘が終了するのだが、異聞眷属を倒した分だけドロップアイテム数が増える仕様だった。
「ビーストⅣのみを速攻で倒して1ターンで撃破」もできるが「全部倒してドロップアイテム総取り[1]」を選択したプレーヤーも割と多く、前3戦と比べて撃破速度が(若干だが)落ちている。おぞましや、汎人類史
- 激走!川中島24時 ぐだぐだ超五稜郭 殺しのサインはM51
敵の進軍を妨害するというシナリオのために、24時間のタイムリミットという制限がつけられた。
2023/12/02,18:00にレイド開始。敵先鋒は「今魔川軍侍大将」。ツングースカと同じくボスを倒せばクリアだが取り巻きもドロップを落とす仕様から、全体宝具持ちを起用するプレイヤーが多かった。途中通信が重くなるも20時手前に通信環境が回復。一気に数を削られ20:13に全滅した。続く第二陣は「海道覇王ヨシモト」。倒されたサーヴァントの霊基を利用して作られた今川義元の複製体×4騎。ワンターンキルを阻害するバフがついており、低ターンで突破するには工夫を要する仕組み。周回のしやすさと素材の人気度から北海道覇王が22:06、西海道覇王が22:55、南海道覇王が23:30と順当に撃破されていったが、東海道覇王のみ周回のしづらさから日付をまたいで00:58とペースダウンしている。
レイド最後に立ちはだかったのは「服部武雄」。防御バフとガッツバフを持ち、最高難易度でHPは100万+ガッツ20万という強敵。幸い単騎のため単体宝具を二連射できればどうにかなる。最終的には1600万の敵総数を減らすことは叶わず、約26万体が残存。FGOのレイドイベント史上初めて"レイド戦を耐えきった男"となった。奇しくも史実における「油小路の変」を彷彿とさせる奮戦ぶりである。
再びマスターを苦戦させたのが新選組由来のサーヴァントなのは何の因果であろうか。
敵殲滅速度記録
- バルバトス(時間神殿) 秒間44体 / これを1バトスとする
- 全魔神柱(時間神殿) 秒間79体 / 1.8バトス
- バルバトス(事件簿コラボ) 秒間263体 / 6バトス
- イヴァン雷帝(ツングースカ) 秒間617体 / 14バトス
- スルト(ツングースカ) 秒間803体 / 18.2バトス
- 眷属の群れ(ツングースカ) 秒間898体 / 20.4バトス
- ビーストⅣ(ツングースカ) 秒間300体 / 6.8バトス
- バルバトス(復刻事件簿コラボ)秒間360体 / 8.2バトス
他ゲームでの類似事例
マギアレコード
2019年3月22日13:00よりイベント「Last Magia」が開催。こちらも全プレイヤーでワルプルギスの夜を何度も倒す特殊ルール『制圧戦』が設定され、期間限定ショップで各種素材と交換可能なアイテムが落とされること、さらに一部素材は無制限で交換可能であった。FGOとの違いは、FGOは攻撃対象を選択可能なのに対し、マギレコは一つのエリアをクリアしなければ次のエリアが解放されず、ゲージ回復のおかわりが来なかったことである。
そして・・・
決戦を迎えたその日、展開されたのは単に素材が欲しい者から原作アニメに思い入れのある者までワルプルギスを袋叩きにする光景であった。その勢いたるや、深夜に現れたエリアに至っては「朝起きたらもう最終戦だった」という事態に。
結果、全エリア合計で4150万体あった最強最悪の魔女は翌日20時15分までに完膚なきまでに叩きのめされたのだった。平均討伐速度は秒速369体(8.4バトス)、瞬間最高風速は秒速620体(14バトス)。難易度も相当低かったとはいえ、恐るべし・・・
プリンセスコネクト!Re:Dive
2019年12月22日15:00よりイベント「王都終末決戦」が開催。こちらも覇瞳皇帝が召喚した4体のサーヴァントを全プレイヤーで何度も倒す特殊ルール『制圧戦』設定。前述のイベントの蹂躙劇への対処として、編成可能なパーティメンバーを制限した上、各ボスへの挑戦回数が最大でも10回、さらに挑戦回数の回復には2時間で1つという遅さにしたことが功を奏し、開始翌日23日0時の段階で全体400%の内22%しか削られていないという、この手のイベントとしては異例の立ち上がりの遅さとなった。
ところがボスの弱体化・挑戦回数のストックを20回に倍増、回復速度を1時間に1つと短縮、さらに参加プレイヤー全員に20回の挑戦回数を配布したことで事態は一変し、討伐速度が急上昇。23日23時に「サーヴァント・ロクス」が早くも倒されたのを皮切りに、翌24日18時に「サーヴァント・ブレド」、翌25日0時2分に「サーヴァント・マギ」が撃破され、最後に残った「サーヴァント・ウォル」も同日9時までに討伐。終わってみれば採集決戦同然の結末になってしまった。
ブルーアーカイブ
2023年1月25日11:00よりイベント「F.SCT攻略戦」が開催。こちらもキヴォトス各地に突如として出現した6本の「虚妄のサンクトゥムタワー」のボスを全プレイヤーで何度も倒す特殊ルール『制圧戦』設定。FGOとの違いは全ボスが1度倒されると全部復活し第二フェーズへ移行するという点、一日の挑戦回数に制限を設けた点である。
そして・・・
イベントが開始されると、展開されたのは数多の先生がボスを袋叩きにする「ブルアカ版採集決戦」だった。特に「ヒエロニムス(色彩)」については、同時に実装された聖園ミカが常に確定会心の対ボス特化型貫通アタッカーであったこと、色彩効果により重装甲属性にされていたこと、ギミックも少なく倒しやすかったこと、ドロップ品の中にトリニティのノートやBDといった美味しい物が含まれていたことが災いし、瞬く間にバルバトスポジションに。第一フェーズは開始からわずか2日後の27日7:30に撃沈、第二フェーズに至っては復活した30日0:25からさらに速い1日後の31日11:45に撃沈されてしまった。
その他のボス「ビナー(色彩)」「シロ&クロ(色彩)」「ケセド(色彩)」「ホド(色彩)」も第一フェーズでは30日0:25までに全て倒され、第二フェーズでは「ペロロジラ(色彩)」が加わったものの、「ケセド(色彩)」「ホド(色彩)」以外のボスが2月3日10:46に討伐され、面倒な要素が多いことから最後に残った2体も多少飽きられながらも5日12:11に撃沈されてしまった。
関連動画
関連静画
関連項目
- Fate/Grand Order
- ゲーティア(Fate)
- おいしい奴を亡くした
- これが人間のやることかよぉぉぉぉぉ
- TYPE-MOON関連の一覧
- ソロモンの悪夢
- イナゴ
- うまい棒
- バーゲンセール
- Apocrypha/Inheritance of Glory
関連リンク
脚注
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