ファイナルファンタジーVIとは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)がスーパーファミコン向けに1994年4月2日に発売したゲームソフト。略称はFF6、FFVI。
ファイナルファンタジーシリーズの本編第6作目であり、シリーズ最後のスーパーファミコン用タイトルかつ、移植以外で任天堂ハード向けに発売された最後のナンバリングタイトルとなっている。
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概要
これまではただの戦闘手段の一つでしかなかった「魔法」をストーリーと世界観の中心に組み込んでいる。
今作ではそれに関連し、魔石システムを採用。ほとんどのキャラクターは元々魔法が使えないが、魔石を装備して戦闘をこなして行くことで対応した魔法を習得する。
プレイヤーキャラクターの人数はFF史上最多の14人(隠しキャラ含む)であり、そのキャラクター数の多さを生かし、3パーティに分かれて攻略するダンジョンや、敵の大群と戦うイベントも存在する。フルメンバーだと2人お留守番になるのは言わない約束。
当時では最高レベルの2Dグラフィックや音楽も魅力のひとつである。
リメイク、別プラットフォームへの移植
ファイナルファンタジーシリーズとしての特徴
これまでのシリーズタイトルは中世ファンタジーをベースにした世界観がフォーマットになっていた。
しかし今作は本格的に機械文明を導入した作品である。
一応、飛空船などのメカニック的存在は初代のFF1から登場しており、FF3では戦艦クラスの船で飛んだり、FF4では宇宙船まで登場したりと、SFを感じさせる要素は登場していた。
が、今作でのオープニングは、
「蒸気機関による掘削によって蒸気が立ち込める炭鉱に、ロボット兵器である魔導アーマーが進軍する」
という情景から始まり、それまでの作品と明確に異なる本作のカラーを与示している。その後の7、8でもこの傾向は強く継続されていく事になる。
メインストーリーは群像劇であり、他の作品と違って明確な主人公が設定されていない。ロゴに描かれ、エンディングで必ず登場するティナですら、崩壊後の加入は任意。
また「物語の進行に応じて操作キャラクターが代わり、視点が切り替わる」という手法もこの作品から始まった。
他にもアルテマウェポン(武器、及びモンスター)やコマンド入力技やスロットなど、その後の作品でも登場・活躍する要素が多く初登場した。特定条件でのキャラ固有技や、ビックス&ウェッジも本作が初登場である。
本作も他のFFシリーズと同じくBGMの評価が高く、特にストーリー前半のフィールドBGM「ティナのテーマ」、ストーリー後半のフィールドBGM「仲間を求めて」、ボス戦の1つである「決戦」、全4楽章で構成され、形態チェンジごとに次の楽章に進んでいくラスボス戦BGM「妖星乱舞」等が代表的な人気曲となっている。
システム等
メインキャラクターすべてに「オリジナルコマンド」と呼ばれる独自のコマンドが1つ設定されており、これがキャラクターの個性付けとなっている。基本的にキャラクター独自の手段で敵を攻撃するコマンドであり、これが強力かどうかも、キャラクターの使い易さを決める指標である。
単純に強いのがエドガーとマッシュのフィガロ兄弟、使い込めば強いのがガウと言った所だろうか。
RPGの難易度としては、わりと簡単・楽な部類に入るゲームである。
一部には妙に凶悪な「隠しザコ」が存在し、「暇だからうろついてみた→エンカウント→事故って死ぬ」と言うケースが結構ある(特に後半)ものの、「隠しボス」や「裏ボス」といったやりこみ要素を存分に叩きつける強敵はなく、ラスボスも連戦とはいえHPが低い(SFCのハード仕様)為、難易度は低い。
特に前述の強ザコ達を軽くあしらえるプレイヤーには「ラスボスが弱くて拍子抜け」とよく言われる。
魔石
物語・システム両面で重要な役割を持っており、これを装備する事で幻獣の召喚、魔法の習得、レベルアップ時のステータス上昇ボーナスを得る事が出来る。
特に重要なのはレベルアップボーナス。魔石なしレベルアップで上がるのはHP・MPのみで、
本作における「ちから」「まりょく」「すばやさ」といった基礎ステータスは、魔石のレベルアップボーナスを用いない限り一切成長しないのである。
これを知らないと、いつまで経っても通常攻撃や魔法の威力が上がらない。
この為、一般的なプレイでは「きかい(ドリル)」や「必殺技(ばくれつけん、むげんとうぶ)」等のレベル依存で威力が大きく変動するオリジナルコマンド(後述)や、アルテマウェポンやバリアントナイフ等の自分のHP依存で攻撃力が変動する武器などが活躍し易い。
こうしたシステムの為、やりこみプレイヤーの中にはストーリー後半で入手できる、ボーナスの優秀な魔石を手に入れるまでは低レベルプレイを行い、強力な魔石を入手してから一気にレベルを上げる、などといった手段が取られる事がある。
またそこまでせずとも、レベルアップのタイミングを見計らい、優秀な魔石をパーティ内で使い回すだけでも十分に効果的である。
魔法の習得に関しても(一部キャラを除いて)全て魔石を装備し、戦闘で勝利する事で得られる「魔法修得値」を溜めることで修得することが出来る、という、前作FF5のアビリティ習得システムに近いものになっている。こちらも魔石によって覚える魔法、修得速度に違いがあり、強力な魔石ほど強力な魔法を素早く修得できる傾向にある。
従来の召喚獣にあたる本作の「幻獣」は1戦闘ごとに1回しか使えず、基本的に前述のオリジナルコマンドや、育成した物理攻撃や魔法攻撃の方が強力であることが多い。この為、サポート系の幻獣以外(=攻撃系の幻獣)はあまり使われず、あくまでキャラクターを育成するためのパーツとしての側面が強い。
一般的に、ストーリー前半では魔法が強く(敵の魔法攻撃で大ダメージ~即死したりする)、キャラクターが育ってくると物理攻撃の方がぶっちぎる。
登場人物
プレイヤーキャラクター
- ティナ・ブランフォード
- CV:福井裕佳梨(『ディシディア ファイナルファンタジー』、『ワールド オブ ファイナルファンタジー』)。
- 帝国に操られていた少女。洗脳装置「操りの輪」によって思考を停止させられ、他人の命令のままに動くロボットと化していたが、ナルシェの氷漬けの幻獣強奪作戦の失敗により帝国の支配から逃れ、輪を外されたことで自我や思考を取り戻すが、あまりに急に戻ったためか、しばらくは記憶を失っている状態になってしまう。「魔導」の力を持ち、世界から失われたはずの「魔法」を使う事が出来る。序盤は貴重な魔法の使い手。
ストーリーの中核を担うキャラであり、あえて主人公を決めるなら最も名前が挙がるキャラ(発売前の雑誌ではティナを指して「女主人公」と表記した雑誌もあった)だが、後半では必須加入ではない。ただしタイトルロゴを飾ったり再加入させなくてもエンディングに必ず出るあたり、やはり特別な位置づけのキャラ。
- ロック・コール
- CV:小野友樹(『ディシディア ファイナルファンタジー SECRETUM -秘密-』、『ディシディア ファイナルファンタジー (アーケードゲーム)』)。
- 世界を股にかけるトレジャーハンター。泥棒と言われるのを嫌う。敵のアイテムを「ぬすむ」事が出来、アクセサリ装備で攻撃しながら盗む「ぶんどる」に変更可能。反帝国組織リターナーに所属しながらも、ある秘宝を求めている。前半においては高い参入率を誇り、事実上主人公に近い。また「ぬすむ」で貴重なアイテムを入手でき、ステータスも優秀。だが、後半再加入のダンジョンが難しめなのがネック。SFC版ではバリアントナイフ二刀流という全キャラ最強の攻撃手段を持つ。船に弱く船酔いして苦しむシーンがある。
- エドガー・ロニ・フィガロ
- CV:三木眞一郎(『ワールド オブ ファイナルファンタジー』、『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- 砂漠の機械王国、フィガロの若き国王。様々な機械を使いこなして戦うマシーナリー。趣味は女性を口説くこと。ストライクゾーンはかなり広く、自分の世話係の婆ややフィガロ城内を走り回る女の子も口説いた実績(成否は別)を持つが、リルム(10歳)は流石に口説く直前で理性が働いた。
「きかい」はストーリー序盤から後半まで幅広く活躍する優秀なコマンドである。ちなみに、フィガロ城で彼を先頭にしておくと半額で買い物が出来る。王様パワーだ!
- マッシュ・レネ・フィガロ
- CV:藤真秀(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- エドガーの双子の弟。国を出て格闘家ダンカンに師事し、モンクとなる。格闘ゲームのようなコマンド入力で技を繰り出す「ひっさつわざ」が使える。「ひっさつわざ」には優秀な技が多く、エドガーと共に長期間の活躍が見込める。
- 双子なのに、口説いた女性がのぼせ上がってしまう事もある程にイケメン優男であるエドガーに対し、マッシュはティナに初対面の際に熊と間違えられる。オルトロスもマッシュには殴られただけで「キンニクダルマ嫌い」と怒るが、エドガーにはボウガンで蜂の巣にされようとも特に怒らない。師匠の受け売り「裂けた大地に挟まれようとも俺の力でこじ開ける」という言葉通り、肉体を鍛え上げた結果の体格の違いのせいと言う事にしておこう。
なお、彼の本名はマシアスであり、マッシュは愛称である。
- セリス・シェール
- CV:桑島法子(『ワールド オブ ファイナルファンタジー』、『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- 弱冠18歳で「常勝将軍」の異名を持つ、元帝国の女将軍。帝国のやり方に疑問を持ったため「裏切り者」として処刑されかけたが、直前のところでロックに助けられ、その後行動を共にすることになる。
- ケフカと同じく人為的に魔導の力を注入された人造魔導士。そのため魔石がなくても魔法が使え、レベルアップでいくつか習得する事も可能。また他者が発動した大半の魔法を無効化し自身のMPに変換できる「まふうけん」が使える。剣の腕も相当で、騎士剣や鎧兜といった重装備の他、女性専用装備もできる。
- 人気オペラ女優に似ているという美しい容姿の持ち主で、ゲーム中でドレス姿を披露する場面もある。
- 前半はクールビューティなキャラクターであったが、それは英才教育を受けてきたセリスの、将軍としての姿であり、ロックや仲間たちに心を許すにしたがって本来の18歳の少女らしい素顔を見せるようになる。
- 後半のメインキャラで、セッツァーに気に入られたり、ロックと恋仲に発展する等見せ場も多い。
- ネット上ではレオタードの衣装やツンデレな性格、容姿端麗な設定のためか人気が高い。2014年のFFRK公式人気投票では女性部門でトップ3に入る快挙を見せている。
- ガウ
- CV:村中知(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- 獣ヶ原に住む野生児。モンスターがひしめく獣ヶ原で何故人間の少年が一人生活しているのかは謎だが、獣ヶ原の付近に住んでいる変人が何か知っているらしい。
初めて仲間になる際の動機は「食べ物に釣られた」からである。帝国に因縁を持つ訳でも何でも無いが、野生児とは言え一定の会話は可能であり、仲間になってマッシュらの目的を知った上で同行し、後半の再加入の際は別に食べ物で釣らなくてもこちらの姿を確認するとすぐに仲間に戻ってくる。
「たたかう」コマンドを持たず、「あばれる」によって行動パターンを覚えているいずれかのモンスターになりきって戦うキャラ。魔法は普通に使える。獣ヶ原は「それまでプレイヤーが遭遇したザコモンスターが全て出現する」という特殊なエリアである。この獣ヶ原のモンスターの群れに「とびこむ」事でそのモンスターの技を習得し、「あばれる」で自動的に敵の技を使う事が出来る。慣れないと使いづらいが、強力なモンスターの行動を覚えれば物凄い強力。あばれるでしか繰り出せない技も多く存在する。
ちなみにストーリー中盤でケフカに謀殺されてしまうレオ将軍の固有技「ショック」は、ガウの暴れるで終盤のあるモンスターを使うことで再現可能。
- シャドウ
- CV:安原義人(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- 名の知れた暗殺者。「金のためなら親友さえも殺しかねない」と言われ、その冷徹さは有名。常に愛犬インターセプターを連れている事以外、その素性は謎に包まれている。その正体や本名については殆どが隠しイベントで推測するのみ。「なげる」で忍術アイテムや手裏剣、武器を投げる事が出来る。物理攻撃を受けた際、インターセプターが自動ガードして反撃する事があるが、空中の敵には無効。
前半はギルを支払う事で任意加入させる、またはイベントで一時同行するのみで、正式に参入するのは後半。しかしあるイベントで死亡した場合、仲間で唯一後半の加入が出来なくなる為注意が必要。逆に死亡しないと見れない限定イベントもある。本腰を入れて育成できるようになるのは後半参入以後。
ちなみに「とうぞくのナイフ」を装備できるので、「ぬすむ」自体が可能なロックとゴゴ以外で唯一、「ぬすむ」事ができるキャラ。厳密に言えば、アクセサリーの「くんしょう」を装備することによってウーマロ以外の仲間も可能(PS版ではガウ、GBA版ではガウ、ゴゴは装備不可に)
- カイエン・ガラモンド
- CV:大友龍三郎(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- ドマ王国の侍。敵対する帝国からドマを守り続けていたが、毒攻めにあって国と妻子を失い、帝国への復讐に燃える。ガウから初対面で「ござる」と呼ばれる程、ござるな喋り方をする。ドマは機械があまり発達していなかった為、機械技術には疎い(でも鉄道はあったらしい)。
様々な効果を持った「ひっさつけん」を使える。その効果はマッシュの必殺技にも引けを取らないほど強力だが、出す方法が「ゲージが溜まるのを待つ」と言うもので、発動待機中はパーティがコマンド入力できなくなる使い勝手の悪さが困りもの。なお、この「ひっさつけん」はそれぞれの技に好きな名前を付けられる(漢字を使用可能!)ため、尖ったセンスを爆発させたプレイヤーも多いだろう。(婉曲表現)
- セッツァー・ギャッビアーニ
- CV:置鮎龍太郎(『キングダム ハーツII』、『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- ギャンブラー。世界で唯一と言われている飛空艇ブラックジャック号の所有者。このブラックジャック号の内部には賭博場が設置されている。
オリジナルコマンド「スロット」はリールを揃えることで様々な技を繰り出すが、運が悪いと味方を強制的に全滅させることもある危険な技である。コロシアムでは使われない。アクセサリを装備することで「ぜになげ」に変えることが出来る。また、後半で手に入る専用武器「イカサマのダイス」は、知る人ぞ知る凶悪武器。
- ストラゴス・マゴス
- CV:緒方賢一(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- サマサの村に住む魔導士の末裔で、青魔導師。長年様々なモンスターを研究する老人で、敵の技を覚えることができる。両親のいないリルムの育て親。「おぼえたわざ」は敵の技の一部を覚えて使うことができる。味方が使っても覚えるため、ガウのあばれるやリルムのスケッチ&あやつると相性が良い。
- サマサの村は魔大戦を生き延びた魔導士達が隠れ住む村であり、その末裔である村人は血が薄れたとはいえ普通に魔法が使える。ストラゴスも例に漏れず、イベントでは火事を鎮めるために魔法を撃つシーンがあるのだが、仲間になった時点では彼は普通の魔法を一切覚えていない。青魔法のアクアブレスは最初から覚えているので、撃ったのはそちらだろうか。
- リルム・アローニィ
- CV:悠木碧(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- ストラゴスの孫娘で、天才的な魔導の素質を持つ。その設定通り、魔力とMPの初期値が本職のティナやセリスらを差し置いて全キャラ中最も高い。魔法の力で敵の姿を空間に「スケッチ」することで敵の技を発動させられるピクトマンサーで、特定アクセサリを装備するとスケッチより強力な「あやつる」を使うことができる。
唯一ゲーム中で年齢がわかるキャラ。10歳児にしてやんちゃな性格で、唯一の家族であるストラゴスをじじい呼ばわりして憚らない。が、その実深い家族愛で結ばれている。
- 彼女もサマサの村の住人だがストラゴスの実の孫ではなく、本当の親が誰なのか明確に語られる事は無いが、いくつか暗示するシーンはある。また、彼女の初期装備である「形見の指輪」は彼女専用装備かと思いきや、もう一人だけ装備可能なキャラクターがいる。
- モグ
- CV:諸星すみれ(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- ナルシェの炭鉱に住むモーグリ。本作ではモーグリの集落一同で戦闘まで行ってくれる。「おどる」で自然を操る事ができ、全8種のフィールドで戦闘すると地形に応じた踊りを修得する。覚えた踊りは別のフィールドでも使う事が出来るが、踊っている間は自動行動になる上に時々モグが転んで効果が発動しない事があり、さらに効果自体もランダム性がある為に安定度に欠ける。
通常モーグリは人語を話さないが、この「モグ」は夢に出てきたラムウ(幻獣の一体)に人語を教えてもらったらしく、語尾に必ず「クポー」が付くものの、人語をしゃべれる。
加入はストーリー前半部分の終わり際だが、完全な任意イベントなのでスルーしたまま後半に突入する事もできる。そうした場合でもちゃんと仲間にする事ができるが、世界崩壊後では消滅してしまう地形があるため、踊りを全種類覚えさせるには崩壊前に仲間にする事が必須(SFC版・PS版のみ)。
一人称は「ボク」だが、ウーマロに威張る時だけ「オレ」と言う。GBA・スマホ版ではボクに統一。
- ウーマロ
- 雪男。割と序盤からナルシェの炭鉱で姿を確認出来るが、実際に遭遇できるのは終盤。いわゆる「バーサーカー」であり、コマンド入力が出来ず、魔石が装備できず、装備品も固定でアクセサリしか変更できない。その代わり初期能力の合計値は全キャラ最高。専用アクセサリを装備すると、戦闘中に味方を投げて攻撃したり、ふぶきを起こしたりと地味に芸達者。MPはあるが戦闘方法の関係上意味は無い。
遭遇時に襲ってきてそのまま戦い、力関係を示す事になるが、モグがいない場合はそれ以上話が進まない。モグをつれてくると、一行に負けてうずくまっているウーマロに対し「オレの子分」宣言されて仲間になる。
イエローチェリー(実際にある回復アイテム)が大好物で、敵対時は戦闘中に追い詰められるとイエローチェリーを食べて「元気100倍!」とパワーアップする。こちらが手持ちのイエローチェリーを与える事も可能。その場合、戦闘開始直後であってもいきなり元気100倍が発動する。ガウのように食べ物に釣られてくれたりはしない。味方になるとこのパワーアップ機能はなくなる。
スマホ版ではゴゴとともに一時期、魔石を装備できる不具合があった。現在は修正済み。
- ゴゴ
- 前作に登場した「ものまね士」。本作では本人が仲間に加わる。ストーリーには一切関わらない隠しキャラであり、ウーマロのようにチラ見せも無い。わざわざ辺境に足を運んでそこのモンスターと戦い、一見普通の即死技に見える技でパーティ全員がやられるまで待つという手順を踏まないと、ゴゴがいる場所に来ることさえも出来ない。ダンジョン侵入に成功したらしたで、引っかかると即ゲームオーバー扱いになる凶悪トラップが随所にあったりなど、ひたすら手間がかかる。ただしゴゴの元にたどり着きさえすれば、話しかけるだけで仲間になってくれる。「世界を救うというものまねをしてみよう」とはあまりにも話が分かるゴゴである。
固有コマンド「ものまね」が出来る他、前作のものまね士と同じく、自分の戦闘コマンドを任意で3つ組む事が可能。このため、他のキャラクターのオリジナルコマンドを(わざわざ戦闘中にものまねせずとも)複数使う事が出来る。ティナの「トランス」とガウの「とびこむ」は使えない。
魔石を装備できないので魔法の習得ができないが、同じパーティ内の誰かが覚えている魔法は使える。逆に言えば一人PTにしてしまうと一切使えない。「おどり」「ひっさつわざ」「あおまほう」等の覚えて数を増やしていく固有コマンドの技は、コマンドの持ち主が覚えている数に倣う。
その性質から自由度が極めて高い反面、ステータスは最低レベルな上に魔石での成長が不可、さらには武器防具も最低限のものしか装備できない。自由度は低いが素の能力は非常に高いウーマロとは逆の性質を持っていると言える。
前作で特定条件において使って来た連発メテオが「おしおきメテオ」として瀕死必殺技扱いになっている。ただし他のキャラ同様「たたかう」をセットして使わないと発動しない。
その他のキャラクター
- ビックス&ウェッジ
- 洗脳されたティナを連れて、帝国に反抗する炭鉱都市ナルシェへ攻め入った帝国兵。機動兵器「魔導アーマー」による侵攻でナルシェの警備であるガードやモンスターを蹴散らしたが……
- 以後、スクウェア(スクエニ)製のRPGに様々な形で顔を出すちょい役常連コンビは、本作が初登場。名前の元ネタは映画「スターウォーズ」の第1作(エピソード4)に登場するキャラクター、「ビッグス・ダークライター」と「ウェッジ・アンティリーズ」。後の作品では元ネタと同様「ビッグス」という名前だが、本作では「ビックス」となっており少しだけ名前が違う。
- バナン
- 反帝国組織リターナーの指導者。序盤にバナン護衛イベントがあり、「いのる」で全体を回復できるが、彼を戦闘不能にすると即ゲームオーバーになってしまう。崩壊後(正確には魔大陸浮上時)に存在が消滅している。立場上、やはり帝国に暗殺されたのだろうか?
- レオ・クリストフ
- CV:菅原正志(『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』)。
- 帝国の将軍。帝国に忠誠を誓う正々堂々とした武人。皆伝の証を固定装備しており、4回連続攻撃と専用技「ショック」で敵を蹴散らせそうだが・・・。メニューのモヒカンのインパクトが強烈。
- ケフカ・パラッツォ
- CV:千葉繁(『ディシディア ファイナルファンタジー』)。
- 帝国の将軍で、セリスと同じく人工的に魔導の力を注入された魔導師。だがその影響で精神が崩壊し、数々の卑劣な作戦を実行する狂気のナルシスト。道化師のような姿をしており、序盤から登場して悪党役からコメディリリーフまで務める。特徴的な笑い方が印象に残るが、やっていることは残虐。
- ガストラ
- ガストラ帝国皇帝。失われた魔導の力を世に復活させ、魔法の力で最強の軍隊を作り世界征服を目論む。
- ある事件を機に強大な魔導の力の脅威を思い知り、和平を求めて来る…が、結局それも演技だった。
- 最終的に自らも高位魔法を身につけたが、その威力を発揮出来ず悲惨な最期を遂げる。
- GBA版リメイクにより初めて天野絵の顔グラフィックが登場したが、動くキャラ絵は上下左右どこから見てもタレ耳の犬にしか見えない。"犬の最高権力者"繋がりで、稀に「魔法陣グルグル」の闇魔法結社総裁が引き合いに出されることも。
- オルトロス
- タコ。まるっきりタコ。どうみてもタコ。タコ以外の何者でもない。しかし、本作屈指のコメディリリーフである。イベントで自称していた通称は「オルちゃん」。
- 「タコで すみません」
- 元はレテ川をうろついていたタコ型モンスターだが、その後度々パーティの前に現れては邪魔をする。
- タコの癖に戦闘中もいちいち喋り、かわいこちゃんが好みと(文字通り)触手(もといタコ足)を伸ばしてきたり、セッツァーに倣って犯行予告状を出したり(1回スルーされたが)、どこからか手に入れてきた錘をオペラ劇場の屋根裏に運び落とそうとしたり(重くて上手く行かなかったが)、女の子を泣かせた事に動揺したり(うそなきだったが)、果ては帝国に雇われた上に自分も用心棒の先生を雇ったりと、その多芸な活躍に関しては枚挙に暇がない。
- お笑い担当としては人気も上々なのだが、何故か用心棒のテュポーン大先生のほうが後発作品へのゲスト出演が多い(戦い方が特徴的だからだろうか)。本作のストーリーはシリアス展開や陰惨な話が多く、ともすれば暗くなりがちな空気をギャグでぶち壊してくれる、一種の清涼剤とも言える(大体、話が重くなってきた辺りで出てきてくれるし)。
- 後にFF13-2のDLCにてテュポーン大先生と共にゲスト参戦。CVは小野坂昌也。
本作の著名なテクニックや裏技
より極まったテクニックに関しては日本FF6学会の項も参照。
- なんでも装備
- 本来装備できないアイテムを装備できてしまう裏技。
手順は、「装備させたい箇所に『最強装備』コマンドを実行しても何も装備されない状態にする(≒装備可能なその箇所の武具を全て売り払う)」、「装備させたいアイテムをアイテム欄の一番右下に置く」、「最強装備コマンドを実行する」。
「げんじのこて」無しで二刀流をするのは序の口、頭に武器を装備したり、ポーションで敵を殴ったり、かなりやりたい放題できる(やりすぎるとフリーズの危険もあるが)。ただしこの技の最も有名なところは、これで本来エドガー専用の攻撃アイテムである「きかい」を装備すると防御力が大幅に上昇、殆どの攻撃を無力化できてしまうと言う事。きかいの中でも「ドリル」が最も効果が高かったため、「機械装備」「ドリル装備」と覚えているひとも多いだろう。
発売当初から攻略誌等にも取り上げられた著名な裏技であるが、防御無視の攻撃を防げない為、これだけに頼ってストーリーを進めるとラスボス付近で詰むので注意が必要である。またその必要手順の関係上、アイテムコンプを目指してプレイする場合は実質的に実行不可能な裏技。
あまりにも有名なネタだった為か、なんと「ディシディアファイナルファンタジー」に登場してしまった。
- 2015年4月上旬、このバグを利用する事で人為的に任意コード実行が可能と判明し、タイムアタック・制限プレイ界隈を震撼させた。
- バニシュデス
- ゲームが非常につまらなくなる技なので、ほどほどに。対象の姿を消し、物理に無敵な代わりに魔法が必中になる魔法「バニシュ」を敵にかけ、即死魔法デスを使う事で一撃必殺する戦法。なんと即死耐性のある敵やボスにも効く(バニシュ自体が効かない敵を除く)。
デス以外にデジョンでもブレイクでも、相手を一撃で倒す魔法なら何でもいいのだが、ブレイクは石化耐性を無視できない事から好まれず、デジョンは習得可能時期が遅いため、最も使われたのがデス。
- これはどうも開発者から意識的に作られたテクらしく、公式攻略本や大全集にも記載されていたり、常時バニシュ状態で「この戦法で倒してくれ」と言わんばかりの強ザコ「ねむれるしし」等も存在している。
ちなみに、アンデットに対してデスを唱えると「デスが必中して死亡した瞬間に復活する」為、こういう手合いにはデジョンが有効である。ただし、倒すととある魔石を落とすボスにバニシュ→デジョンを行うと魔石を入手できなくなってしまう。しかしリフレクで跳ね返すと普通に手に入る。どういうことだ。
- 細かい事を言うと状態異常耐性無視ではなかったりと仕組みが複雑なため、詳しくは各自で調べてほしい。なおGBA・スマホ版は耐性が考慮されるようになったため、基本的に利用価値がなくなった。
- モグタン将軍
- 前述ほど有名ではないが、やりこみプレイヤーに知られた技。
- 特定の手順を踏む事で、セリスが仲間になるイベントをスルーする事が出来る。こうすると本来セリスが発言するシーンで何故かモーグリのモグタンの名で発言したり、さらに進むと本当にモーグリになってしまうバグ。何で将軍かというと、そのまま進みセリスのグラフィックがモーグリ姿となってしまう場面でカイエンが
「マランダを滅ぼした悪名高いモグタン将軍!」
と怒るため(本来はもちろん「セリス将軍」)。
- タイムアタックや低歩数等に重宝される裏技だが、モグタンの中身は序盤スポット参戦するゲストキャラクターそのものなので物凄く弱いのが悩みどころである。
- 回避率バグ
- 結構マイナーだが、本作の戦闘バランス全てに関わっているバグ。
- 実は本作の「物理回避率」はプログラムの設定ミスで全く機能しない死にステータスで、全ての回避率は「魔法回避率」で算出されている。この為、いくら回避率を上げても無意味な一方で、魔法回避率のほうを最大にすると物理、魔法の両方を100%回避出来てしまうという物凄い技。
ドリル装備と比べると、後半にならないと必要装備が揃わない点、そもそも魔法回避率を大きく上げる防具を装備できるキャラは限られている点において気軽さが無いが、所持アイテムの条件などを満たさなくてもいいという縛りの緩さ、達成してしまうと1ダメージすら受けなくなるのでHPを強制的に1にする技を受けても致命傷にならない点、そして「防御を無視する攻撃」よりも「回避不可能な攻撃」の方が圧倒的に少ない点で勝る。特に状態変化などの補助技は回避するしか無いためこの技が有効。
- あばれる+クリティカルバグ
- このバグは他のバグのように有効利用法があったりタイムアタックに役立ったりする訳ではなく、純粋にデータ破壊してカオスなバグワールドを体験するためのものである。セーブデータ破損の危険が少なくないため、実行は自己責任で。
ガウにモンスター「ガード」を覚えさせ、アクセサリ「くんしょう」を使って「アルテマウェポン」を装備させた状態で「あばれる」で「ガード」を選択。特殊攻撃の「クリティカル」を出したらバグワールドスタート。
ガウのような何かが画面内を飛び交ったり、謎の剣を取り出して斬り付けたりするのは序の口。画面下部のウィンドウの中身がスロットの如く回転しだしたりすることさえある。なおこの状態のガウが最後の敵にトドメを刺すとほぼフリーズ確定なのだが、このガウはずっと俺のターンとでも言うかのように好き勝手に動き続けるため、プレイヤーの操作によってフリーズを回避するのは難しい(できない訳ではない。運良く他の味方キャラが動いてくれて、それで戦闘を終わらせられれば戦闘画面を抜けられる事もある。抜けてもバグったままだが)。
- タイムスリップバグ
- こちらも純粋にゲームをぶっ壊してカオスを楽しむためのバグ。あばれるクリティカルよりは危険度が少なく即フリーズすると言ったような事はまず無いが・・・。
オペラ劇場のイベントの際の屋根裏のネズミどもを全て倒してしまわずに、1匹以上残してある事が条件。ゲーム後半の世界崩壊後になったら、このオペラ劇場まで来て屋根裏のネズミと戦闘し、負ける。すると、何故かゲーム前半のオペラ劇場イベントの失敗時の台詞が表示され、オペラ劇場の外にほうりだされる。この時、世界が崩壊前の状態に戻っている。
崩壊前に戻りはしたものの、フラグ管理のデータはめちゃくちゃになっているため、各所でストーリー進行度がちぐはぐになっている。飛空挺は消えてなくなっているので他所の地域に飛んで行く事は出来ないが、フィガロ城まで歩いて行って砂漠地下を一度潜ってもらえば世界だけは崩壊後に逆戻りする。フラグ近辺はめちゃくちゃだし、飛空挺は行方不明のままだが。
ちなみに劇場の外に放り出された時、パーティメンバー全員が戦闘不能の状態になっているため、下手にフィールドを歩いて敵に出くわすと、戦闘開始直後に全滅する。
- ダメージオーバーフローバグ
- バグと言うよりは仕様の限界。ゲーム中で与えられるダメージは一撃につき9999が限界だが、16bitの内部計算ではそもそも65536以上の数値を扱えないため、これを超えるとダメージが0に戻ってしまう。
と言ってもそんな桁違いのダメージを叩き出すのは困難であり、ゲーム内で実現する方法は実質的には魔力140以上(目安)でアルテマを撃つことだけである。これをやると魔力を極めたキャラの最強魔法なのに500とかいう数字が見られる。
ちなみに魔力140と言うのは、素のステータスの限界値である128まで魔力を鍛えたキャラに魔力増加効果を持つ各種装備・アクセサリをゴテゴテ付けた状態。ほぼ限界値と言えるレベルである
なお、PS版では機械装備が出来なくなり「強制装備(通常装備のみなんでも装備可)」に変更されたが、それ以外のバグはほぼSFC版から未修正のまま。GBA版では回避率がきちんと機能するようになる等、ほとんどのバグが修正されているが、「モグタン将軍」など一部のバグのみそのまま残されている。スマホ版ではモグタン将軍も修正された(手順に使うすり抜けバグの修正でモグタン将軍は健在)。VCはSFC版と同じで、GA版はPS版と同じ。
GBA版の違い
初リメイクかつ日本のGBA最後のソフト。ドットテイストはそのままに様々な追加要素が入っている。
新規魔石4種類と、その魔石に対応する新魔法4種類が追加
それに伴い、世界崩壊後でもモグの「水のラプソディー」が習得可能になった他、魔石オーディンをライディーンに変化させてしまっても素早さボーナスを得る手段ができた。
新ダンジョン「竜の巣」「魂の祠」追加
それに伴いクリアデータのセーブが可能。ラスボスから盗んだアイテムなどのデータも引継ぐため、魔石ラグナロックか武器のラグナロクの選択シーンで剣を選ぶ必要がなくなった。
また、SFC版・PS版において1つのセーブデータで1つしか入手できない最強クラスの装備・アクセサリが、追加モンスターやボスから複数入手できるようになった。
各種バグの修正
PS版でも修正されなかった「機械装備」や「ステータスオーバーフロー」、「回避率」、「バニシュデス」等の致命的バグがついに修正。PS版で発生した長いロード時間やエンディング曲の不具合も当然おこらない。また、ステータスの最大値が128から156に引き上げられている。
社会情勢に伴う一部演出変更
セリスの拷問シーン・拘束ドットのカットを初め、性的・暴力的表現を想像させる演出・セリフ・シーンがマイルドな修正を受けている。
iOS/Android版(スマホ版)の違い
ベースはGBA版のため、追加要素はあるがCGムービーはない。
背景・モンスターグラフィックの高画質化、操作キャラのドットを作り直し
コンセプトは「SFC当時の絵そのままにグレードアップ」。しかし、前作FF5のスマホ版同様、原作プレイヤーからの評価はあまりよくない。
SFC版からグラフィック監修を務める渋谷員子が今作でも全体監修を担当。なお渋谷自身も操作キャラのドット絵を新規に制作している(顔グラではなく、48×48ドットの動くちびキャラ。SFC版は16×24ドット)。
渋谷はニコ生にゲスト出演時「このサイズがドット絵の限界」、「原作のドット絵がいまいち表現しにくかった」といった旨の発言をしている。女性キャラはともかく男性キャラは困難で、難しかったキャラにロックやケフカを挙げている。特にエドガーは原作の優男さやニヒルさが表現できずかわいらしくなってしまい、描いた本人も「コレジャナイ」と苦心したらしい。
音関係が改善
PS版やGBA版でやや変質していたBGMやSEだが、SFC版を録音・再生する方法で解消。
操作性の向上
従来作と異なり、戦闘中に同時にATBが溜まっているキャラクターを自分の好きな順番で行動させられるようになっている(従来はスキップコマンドが必須)。その他、カイエンの必殺剣の仕様がFFX-2のディレイATBのようになっていたり、マッシュの必殺技が8方向に対応したりと細かいところで遊び易くなっている。
関連動画
プレイ動画
MAD
歌ってみた
演奏してみた
関連お絵カキコ
ドット絵は大百科「ドット絵:ファイナルファンタジー」のFF6の項目を参照。
ティナ
ロック
セリス
リルム
マッシュ
ケフカ
その他
ピコカキコ
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関連項目