( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようですとは、2ちゃんねるで連載されていたブーン系小説である。
掲載:ニュー速VIP
概要
2006/11/26にニュー速VIPで立てられたブーン系小説スレ。
ヴィップ オオカミ ラウンジの三国に分かれた世界で、主人公のブーンが祖国ヴィップの天下統一を目指し、アルファベットという特殊な武器を用いて戦うというストーリーである。世界観は主に中華風だが城は西洋風であり、火薬が発明されていない程度の文明レベルである。
漢たちの熱い戦いを描きつつも、伏線の練られた緻密なストーリー展開に魅了されたネラーは多く、完結した後でもファンは多い。
あらすじ
ヴィップ オオカミ ラウンジの三国に分かれた世界で、主人公のブーンはヴィップの兵士になるために、入国審査を受ける。そこで、一度は試験に落ちそうになるものの、東塔大将のショボンに才能を見抜かれ、無事に入軍することとなる。しかし、ヴィップ国軍はたださえ他国と比べて国力が劣っているのにも関わらず、ショボン大将派の東塔と、ジョルジュ大将派の西塔の二つに分かれており、内線寸前の緊張状態に置かれていた。ブーンは国の内外で戦いながら、ヴィップの天下統一を目指す。
アルファベットについて
アルファベットとは武器のことであり、私たちが用いている文字のアルファベットの形によく似た形をしている。特定の形をした金属に、α鉱石という特殊な鉱物を溶かして塗布することで作られる。普通の武器とは比べ物にならないほどの破壊力も持ち、ただの鉄の武器や具足が全く役に立たないほどである。
アルファベットの強さにはランクがあり、Aが最弱でZが最強である。しかし、誰でも高ランクのアルファベットを持てるわけではない。アルファベットに含まれているα成分には扱う人の素質を見抜く力があり、力量が足りていない人間が持とうとすると、激しく発熱するので扱うことが不可能である。
アルファベットを使って訓練すれば、誰でも「I」程度は持てるようになるが、大抵の人間は「Jの壁」と「Sの壁」で行き詰まり、壁を超えるごとにランクアップが難しくなるので、高ランクのアルファベットを持てるのは限られた者のみだ。壁を超えるためには並外れた努力と才能が必要であるため、将官のほとんどがJの壁を超えており、中将以上となるとSの壁を越えているものも出てくる。ただこれは男性に限っての話であり、女性はアルファベットを持つハードルが非常に高く、Aを持つことすらも困難である。そのため軍事や政治において女性が高い地位に就くことは殆ど無い。
また、アルファベットには「人に三日間触られないと崩れる」「少しでも形が崩れるとアルファベットとしての力が失われる」という特殊な性質がある。
アルファベットという武器は、元々七百年前に作られたのだが、何故か存在を抹消されていた。しかしアルファベットについて書かれた資料を考古学者が発掘したことで、現在の戦争でも用いられるようになった。より強力な武器の出現によって戦争は激化していくようになる。
登場人物
ヴィップ国
物語開始時点で最も国力が劣っており、領土も人口も最少。文明も他国より遅れている。そんなヴィップ国がまだ他国に滅ぼされていないのは、ショボンとジョルジュという二人の英雄と、豊かな国土のおかげだ。特に、α成分を含むα鉱石の質と量が優れているため、アルファベットの質も良いのが他国とわたりあえる大きな要因である。
東塔
「だからヴィップ国のために戦うお! とーちゃんもきっとそれを望んでるお!」
本作の主人公。アルファベットAを持つという入軍テストで、Aを発熱させて落ちかけるが、ショボン大将が「実力が足りていないから発熱させたのではなく、あまりにも才能を持ちすぎているか故に、アルファベットに含まれるα成分を急激に消費して発熱させた」と気が付き、特例で入軍することが決まった。その後はショボン大将の育成方針で、入軍してすぐのうちから様々な戦場へ赴くこととなる。ヴィップ国軍入りを志願した理由は「ヴィップを天下に導くため」と「父親の敵討ち」である。
心優しい青年であり、大将に気に入られスピード出世してもそれを鼻にかけることなく、むしろどんな立場のものにでも平等に接する。一騎打ちでの強さが取り柄であり、アルファベットのランクが上の相手でも怯まずに打ち破ることができる。
「誰も邪魔はするな。俺を庇ったりしたら、命はないと思え。
男と男の戦いに、水を差すなよ」
ヴィップ国の東塔大将。物語開始時点のヴィップ国内で最も高ランクのアルファベットを扱う。自らの強大な武力と、洗練された直属の近衛騎馬隊を活かして圧倒的な戦を展開する。
若くして大将にまで上り詰めた経歴に恥じない強さを誇り、若い人材の発掘と育成に努力を惜しまない人物。自分と部下の信頼関係を重視しており全員で協力することで、最弱国でありながら他国と対等に戦うことが出来ている。
ブーンの親友であり同期。ブーン程のアルファベットの才能は無いものの、防衛戦では無類の強さを持ち、周りから大きく評価されている。
成長していくブーンに追いつくためにこっそり努力を積み重ね、将官に上り詰めた。将官になり、自信の無さを伺わせながらも、怖気づくことなく奇策を提案し、それを成功させていった功績により、防衛戦の要としてショボンに重用されるようになる。若いがゆえに柔軟な発想を思いつくが、やる気が空回りすることもある。
「黙って従え!! ローダ!!」
ブーンの初指揮の時に伴った部隊長で、後に将官になる。ブーンより七歳年上で、その経験の豊富さで若者が多い東塔を導く。指揮の才能はあるもののアルファベットの成長が伸び悩み、Iで留まっている。
常に冷泉沈着で誰に対しても敬語を崩さない。しかし、必要とあらば声を荒げることもある。ドクオとは一緒に部隊長を務めたからか仲がいい。
「アルファベットを振るうことに惑いを感じたときは、必ず志を思い出せ。」
ヴィップ国東塔中将。天才と称され、その評判通り頭脳で相手を上回り、先手を打って勝つ。また、相手の素性を調べ上げ、徹底的に罵倒して冷静さを奪うことが得意。
良くも悪くも素直であり、物事をスバっと言う。しかし、冷たい人間というわけではなく、自分は昇進する必要が無いからという理由で、部下が手柄を立てやすいように動いたり、自分のなすべきことに迷いを感じているブーン励ましたりすることもある。
「だからせめて、城にいる間はあいつのわがままを全部聞いてやるんだ。
それくらいしかできない。いずれ平和を手に入れて、落ち着いた生活を送れるようになるまではな。」
東塔の少将、後に中将に昇進。何でもこなせる万能で、ブーンなど新人の教育も担当する。
基本的に冷静だが、熱血漢で怒りを抱くと口が悪くなることもある。ショボンを強く信頼する一方でジョルジュにことは嫌っており、ジョルジュ派の兄とは仲が悪い。また、東塔№1のイケメンだが、脳に障害のある妻を溺愛している。
「ち、ちくしょぉぉぉぉぉぉ―――――――――!!!」
ヴィップ国の大尉、後に少将になる。野戦での強さを買われてショボンに重用されている。
気の良いお調子者の性格。ショボンと同じようにブーンに目をかけており、西塔での戦にブーンと同行したときに仲良くなる。後に伝説となる男。
「今までそうだったように、最後も、ヴィップの力だけで勝ちたいと思ったんです。」
ブーンと同時期に将校になった人物。守りの堅実さを評価されている。
身長も小さく頼りない印象を与えるが、自分をしっかり持っていて、相手を気遣える優しさを持つ。
「本当は、死だって怖いんだ。戦になれば恐れることはないが、冷静に考えると怖くなる。」
物語開始時点で中尉だったが、少尉に降格する。野戦が取り柄であり、巨躯を活かして相手を圧倒する戦い方をする。
若手の躍進による焦りから酒癖が悪化、それにより戦でミスを犯したためブーンの下について頭を冷やすように言われる。しかし、格下に指揮されることをプライドが許さず勝手な行動をした挙句、大失敗をしてしまう。それをブーンに助けてもらい、心を改める。
改心してからは禁酒し、少尉からやり直して真面目に戦い、自分のせいで死んだ兵士への贖罪のために生きることを決意する。
「去りゆく老将に敗する。それもまた、運命でしょう。」
ヴィップ国の東塔の中将で、将官の中で最古参。常に穏やかな老紳士で、軍人でありながら戦争が嫌い。なので、直接戦って血が流れることを回避するために謀略を巡らせ、毒を用いたり騙したりなどの、かなりゲスい手を使う。
「あなたの怒りのために、何人の兵を犠牲にするつもりですか」
初めてできたブーンの後輩。モララーのような天才タイプで、頭脳を用いて戦略を練るタイプである。
冷静を通り越して無感情。淡々と戦っているように見えるが、とある相手と対峙した時には静かに怒りを示していた。感情的になりやすいブーンの良きストッパーとして役割を果たしている。
物語中盤に登場する将校。ベルベットのような冷静さが評価され、ギコの推薦で昇進したが、熱血さも持ち合わせており自分の感情をコントロールするのが上手い。だが時に熱くなりすぎて周りや自分が見えなくなることも。牧場育ちのため馬の目利きが効く。
「二人がかりで全く手も足も出ないとか……俺らの将校人生オワタ」
「ま、全くダメですね……最悪ですね……」
ロマネスクと同タイミングで任命された将校。元はショボンの配下で、部隊長での経験を買われて昇進した。オワタは感情の移り変わりが激しく、デミタスはネガティブ思考だが、同期として二人で頑張っている。
西塔
ヴィップ国西塔の大将。個人の強さではショボンが上回っているが、戦となれば別である。軍団を巧みに動かし、様々な手段を用いて敵軍を騙すのが得意だ。また、西塔№1のイケメンであり、女遊びが激しい。
大将としての在り方がショボンと真反対で、大将が一人で圧倒的な力で配下を導けばいいと考えている。唯我独尊タイプで不遜な一面もあるが、カリスマ性は本物であり彼に心酔する者も多くいる。
ショボンとは相いれずずっと対立しており、ショボンに気に入られているブーンにもやたらとつっかかる。また、昔はオオカミの大尉であり、ヴィップ国に寝返ったものの、まだオオカミと繋がっているのではないかという黒い噂に包まれている。
- (-_-) ヒッキー=ヘンダーソン
「生きすぎたくらいだ……俺より長く生きられたはずの男は、多い……。」
西塔の少将で、後に中将になる。西塔の将校の中で最年長であり、積極性が欠けているという短所はあれど、常に冷静で経験を活かして最善の判断をする。
ジョルジュに気に入られているが、真に信頼されているわけではないことに気が付いており、寂しさを感じている。また、西塔の人間では珍しく東塔との融和を望んでいる。
「誇りがあるからこそ、やられたことをやり返すようなマネは、しちゃいけないんだと思うニダ。」
西塔の中将。ヴィップ国屈指の防衛戦での強さを誇り、攻めたがりのジョルジュとのバランサーとして機能している。また、生まれが贋作作りを主要産業としている村であるため、模造品を作るのに長けており、「模倣のニダー」の二つ名を持っている。
機転が利きにくいという欠点はあるものの、仲間を思いやる暖かい心と、それをあえて見せない冷静さを兼ね備えた有能な漢。彼がこのような性質を持つ武将になったのは、被差別部落に住んでいたことによる軍内でのいじめを乗り越えられたからだ。
「自分たちが必ずや、天下をご覧にいれますから。」
西塔の少将。弟のギコ[1]と同じようにオールラウンダー型の武将。髪や髭を伸ばし放題にしているため気付かれにくいが、ギコの顔にそっくりのイケメンである。
自分と同じ西塔ではなく東塔に行ってしまった弟を嫌っており、昔は仲が良かったが入軍時から仲が悪くなってしまった。
- ( ´_ゝ`) アニジャ=サスガ
(´<_` ) オトジャ=サスガ
「それ以上に大切なことは、この国を愛するようになってもらうことだ。」
「信じる力を、侮らないでほしい。俺たちは、結託して戦っていくしかないんだ。」
西塔の大尉。双子であり、お調子者のアニジャとツッコミ役のオトジャのコンビで活躍している。
誰が相手でも気さくに接し、場を和ませる。アニジャのふざけた言動にオトジャが振り回されているように見えるが、重要なときはしっかり決めるアニジャのことをオトジャは尊敬している。
その他のヴィップ国関係者
「嬉しくなんか……嬉しくなんか……ないんだからね……。」
この世界で最高のアルファベット職人。アルファベットの鋳造には、決められた形状とα成分の含有量にどれだけ合わせられるかの精密性と、資料に残されていない部分の解釈の正確性が求められ、それらを最も高いレベルで満たしているのがツンである。そのため他国に命を狙われることもあり、「帰らずの森」という深い森林の奥で匿われている。アルファベットもLまで持てる。
このように熟達した職人だが、見た目はブロンドの髪が美しい美女。ブーンに危機を救われたことで、お互いに意識するようになるが、名前の通りツンデレな上に、自分のが年上であることや、アルファベットの作成による手荒れを気にしてしまい仲が進展しない。ちなみに見た目は悪いものの料理は上手い。
「民が、自分の将来を、あるいは我が子や孫の将来を、期待できるような……。
そんな国にしたいのです、私は。」
ヴィップ国の皇帝。とても穏やかな性格であり戦争が苦手のため、軍事を東西大将に任せている。
元々は戦争に関わることを恐れていたが、今は亡きハンナバルと出会い、彼のカリスマに惹かれ建国を決意。自分は皇帝を名乗り[2]、ハンナバルは総大将となった。
オオカミ国
水軍の強さが有名な国。ウルフ家が代々国王となっているが、現在の王は全く国政に関わろうとせず、金を浪費するだけであり、この国の運営は実質ミルナが担っている
「ここから先は、生きたいと思ったやつが死ぬ世界だ。」
オオカミの大将。何においても万能で、戦に関する事のみならず、役に立たない王の代わりに民政まで一人で担当している。
冷静沈着で自分にも他人にも厳しいが、武人であることを重んじている。武士道を汚すことは許さず、一騎討ちの邪魔は味方でも許さない、まさに漢である。
王は無能で文官の数も少ない、部下は仲違いという状況でありながら、自分一人で国を保ち続けるモチベーションを保てるのは、「いつかオオカミに戻ってくる」と書かれたジョルジュからの手紙のおかげであり、それを肌身離さず持っている。
「私は――――この国を、失いたくありません。」
オオカミ四中将の一人。参謀担当であり、様々な軍略を提案できる頭はあるのだが、奇策好きであるため提案する策の殆どが実現不可能である。
いつも鼻につく笑みを浮かべていて、心の中で大将の座を奪うことを画策していることが透けて見えるため、ミルナや他の中将に嫌われている。元ネタは古田敦也
- 《 ´_‥`》 ドラル=オクボーン
「見逃してやろうかとも思ったが、無粋だったな。
お前の意気を感じ取るのを忘れていた。」
オオカミ四中将の一人。四人の中で唯一Sの壁を超えており、一騎討ちでの強さは確かなものの、普段の言動が愚鈍であるため何を考えているか分かりづらい。顔が醜く清潔感が無いので、フィルから嫌われている。元ネタは大久保勝信
「生憎だが、その夢は叶えてやれそうにない 私が、お前の首を地に落とすことになるからな」
オオカミ四中将の一人。野戦での強さが売りであり、ミルナに次ぐほどである。しかし、野戦に拘るため戦況が読めない時もある。オオカミ随一のイケメンであり、その美貌故に多くの妾がいる。だが重度のサディストであり、夜になると女の悲鳴が絶えないので、隣の部屋で寝ていたリレントから部屋を変えてくれと言われたことがある。
- 〔´_y`〕 ガシュー=ハンクトピア
「オオカミをこんなところで終わらせるわけにはいかない。
これから繁栄させなければならない国だからだ。」
オオカミ四中将の一人。後方支援の鬼と言われるが、器用貧乏でギコのように万能なわけではない。意見を出すことに消極的で、軍議では取り敢えず周りに同意するものの、後で自分の案をミルナに言いに行く。オオカミに潜むと言われる裏切りものについて何か知っているようだが・・・
ラウンジ国
三国の中で最も国土が広く、人口も多い。しかし、領土の多くが寒冷地であり、兵糧の確保に苦労している。また、全土最強の大将であるベルに頼り切りの部分が多く、後継者問題が深刻だ。
「このベル=リミナリーを、一人で戦場にも立てぬ男と貶めてくれるな。」
ラウンジの大将。この時代で最初にアルファベットを用いた人物で、物語開始時点で最強のVを扱う。個の強さも指揮能力も特出しており、軍事だけでなく内政にも寄与している。
あまりに有能なため軍の全てを管理していたが、それ故に後継者が育っておらず、彼自身も重病で引退を考えるようになってから後継者について憂うようになった。自分の死期が近づくなかで、自分の納得する死に方と死の利用方を考えるようになる。
ラウンジの中将。軍内ではベルに次ぐ立ち位置ではあるが、ベルからの信頼は薄く、周りからもベルの後継者としては物足りないと評価される。
ベルの死後大将になるが、周りからの大量の批判に曝されたため、自己肯定感が低い。そのため本人もベルのようになるのは無理だと思っており、若い武将の育成に力を入れ、特に才能のあるカルリナや、ベルの息子であるファルロに目をかけるようになる。
「ずっと、見守り続けていてください。あなたのラウンジを、天下に導いてみせます。」
元ベルの側近。高い指揮の才能がベルの目に留まり、直々に戦争のいろはを叩きこまれる。ラウンジ一の美少年であり、軍人でありながら線が細い。
真っすぐな性格で、それ故に頑固で潔癖な一面もある。ベルに忠誠心を抱いており、ベルの国であるラウンジを守るために死力をつくす。最初は未熟だが、アルタイムから軍の指揮権を預けられジョルジュと戦ううちに、軍人として成長していく。
「花は毎年同じように咲きますが その花を見る人は、毎年変わります。 永劫同じ人が見続けることは叶いません。」
ベルの息子。アルファベットの才能は父親譲りではあるが、性格は父親と違って朴訥としている。カルリナと年齢が近いものの、武人的な要素の強いカルリナと違って、理性的な軍人である。
主要なアルファベット
- A:二本の刃の間に持ち手がある形。入軍テストではこれを持てるかどうか確かめられるが、殆どの人が持てる。
- D:弓であり、矢として扱われるFと組み合わせて使われる。実戦で使われるアルファベットでは最弱。
- E:曲がった刃の真ん中に持ち手があり、順手逆手どちらでも使える。ブーンは入軍後、間を飛ばしてEで訓練していた。E隊はインフレについていけず序盤にしか登場しない。
- F:矢として用いられる。弓型アルファベットの力を伝達できる唯一のものである。中央あたりにあるひっかけ棒に火薬や石などを掛ける。[3]
- G:盾型でありながら、周りと下についている刃で攻撃も可能だ。ブーンが初めて戦場に行った時に用いていたアルファベット。
- I:槍型のアルファベット。普通の人間でも訓練すればこのレベルまで達することができる。
- J:先が曲がっている剣。Jの壁を超えられるのは一部の才能を持った人間のみである。
- M:弓型のアルファベット。Dよりも精度は劣るものの、速射性に優れる。
- R:ハサミ型のアルファベット。Sの壁の一歩手前に位置しており、この位置で停滞している武将も多い。別名持つ死亡フラグ。しかし、戦い方を工夫すれば、S以上の相手でも互角に戦う事ができるくらいの強さは持っている。
- S:非常に湾曲した刃を持つ剣。とても癖のある武器だが、曲がった刃により横へのリーチが長く、相手の防御をかいくぐって攻撃できる。物語開始時点でジョルジュが使用している。
- T:片方に槌、もう片方に刃がついているハンマー。巨大なアルファベットであるため破壊力は随一である。物語開始時点でショボンが使用している。
- U:中央に縦長の穴が開いている剣。全アルファベットの中で最もオーソドックスな形をしており、多くの名将の愛用武器である。
- V:大きく屈折した刃を持つ剣。物語開始時点で使用されているアルファベットの中で最も高ランクであり、ベルが持っている。
- W:作中で最強の弓。大きさが2mを超えるため引き絞る際に時間を要するが、その分の破壊力は抜群。一発で船を沈めることも可能で、おまけに若干ではあるが、狙いたいところに勝手に照準が合わさる機能がある。
- X:十字架の形をした剣。複数の刃を持つため、多人数の相手をするのに向いている。
- Y:巨大な斧型のアルファベット。なんと全長が4.2mという現実離れした大きさであり、作中最大である。ここまでくると他のアルファベットとは次元が違っており、戦場ではもはや無双状態である。
- Z:刃が大きく屈折した双剣。作中最強のアルファベットであり、もはやSの壁を越えた相手でも歯牙にもかけないほどである。
ここでは紹介していないが、斧や矛、現実の武器には例えられないようなものまで、多種多様なアルファベットが存在している。
物語後半のストーリー
↓(ネタバレ注意!)↓
「実に、長かった。あまりにも、長すぎた」
「しかし、終わった。やっと終わってくれた。
さぁ、ラウンジの天下がやってくる。天下はもう、すぐそこにある」
ストーリー
オオカミをラウンジとの協力で滅ぼすことができ、ヴィップ国の誰もが戦勝の喜びに浸っていた時、なんとヒロインであるツンがラウンジの刺客によって焼死。卑怯な策にヴィップ軍は激高し、ラウンジへの総攻撃を仕掛ける。しかし、このタイミングでオワタがまさかの裏切り。重要拠点であるオオカミ城がラウンジの手に渡ってしまう。このことを報告するため、ブーンはショボンの滞在している城に赴く。そして、目にしたのは城壁を滑り落ちるギコの首。それと・・・
そう、ショボンはラウンジの工作員だったのだ。元はラウンジで暮らしていたが、ラウンジ国王クラウンの謀略によりヴィップに送り込まれた。ヴィップに潜入した目的は勿論、軍の内部崩壊だ。大将という軍の中で最も重要な役職に就いてから、最高のタイミングで裏切ることで大ダメージを食らわせる作戦なのである。
ショボンはブーンの冷静さを奪うために、さらなる残酷な真実を曝露する。それは、ブーンの親友であるドクオと、思い人であるツンは実質的にショボンが殺したということである。ドクオはオオカミのとった作戦を利用し、偽の出撃命令でミルナに殺させた。[4]ツンは自分の配下に火を放たせることで殺したのだ。[5]
さらに裏切ったのはショボンだけでなく、プギャー、オワタ、デミタスの計4人の将校、またショボンの側近である近衛騎兵隊を含む多くの兵士も裏切ったのだ。フィレンクトやミルナの助けもあり、被害は抑えられたものの、これらの裏切りによって、将校5人が失われ、東塔№2だったモララーは大怪我という、かつてない窮地に陥ることになる。そして追い打ちをかけるように、ショボンが最強のアルファベットであるZを扱えるようになってしまったことも明かされる。
ショボンという最強の味方が最強の敵に逆転するという展開は、登場人物のみならず読者の中でも殆ど予想している人がいなかったため、大きな衝撃を与え当時のVIPは大混乱に陥った。これからヴィップ国は、多くの将校と、兵士と、国土を失い、絶望的な状況でありながら、最強のアルファベット使いであるショボン=ルージアルと戦わなければならなくなってしまったのである。
登場人物
ヴィップ国側
絶大な力を持つラウンジに対抗するため、東塔と西塔を統合し、一つの軍とすることになった。
「東と西、両方が協力しあって――――
――――初めて、この世に光が生まれるんだお。」
モララーは怪我で、ジョルジュは病気という状況であるため、二人の推薦で大将になることになった。特にジョルジュは、最も尊敬した師であるハンナバルとの経験により、大将は完璧である必要はなく、むしろ大将の欠点を部下で支える方がいい組織になると考え、ブーンを強く推薦した。
大将になってすぐにショボンとの会談をすることになり、そこで「入軍試験の時のブーンは、実際にはAを持つことが出来ないくらい無才だったが、手軽に切り捨てられる手ごまを欲したショボンが、まるで凄い才能を持っているかのように細工して入軍させた」という事を曝露される。しかし、ブーンは驚きはするものの動揺することはなく、毅然とした態度でラウンジと開戦することを宣言。
最初のブーンは大将として未熟であり、重圧や部下の死に耐えかね一騎打ちのキレが落ちてしまう。しかし様々な戦いを通して、大将と部下が互いに信頼し合う関係性を築き上げることができ、大将としての器が徐々に完成されていく。
また、オオカミ城を奪還した後、城内にあった過去の戦争の資料から「一発逆転の策」を発見し、その策を完遂するためにラウンジと戦っていく。
「誓います。自分にとって、唯一の家族である、ハンナバル総大将に。
必ず、ヴィップの覇道を成し遂げると。」
ショボンの裏切り後ヴィップ軍の中将となる。ショボンの裏切りを疑っていた唯一の人物。ジョルジュがオオカミに裏切る可能性があるというのはミスリードであり、実際にはオオカミとは手を切っていて、ヴィップ国に忠誠を誓っている。
何故ヴィップ国に寝返ったのかというと、それは今は亡きハンナバル総大将の影響だ。ヴィップ軍の将校になった当初は、ヴィップを裏切りオオカミに戻るつもりだったが、ハンナバルの暖かい人柄に触れることで、父親のように思うようになったのだ。
ハンナバルの死後、ジョルジュとモナーは東と西に分かれ上手く協力して軍を運営していたが、モナーがショボンに東塔大将の座を譲ってから状況が一変する。ジョルジュはショボンに対して不穏さを感じ、ラウンジに寝返るのではないかと疑うようになる。そうなると、他の将校もショボンと通じているのではないかと考えてしまい、また大将を疑っていることを露呈させると国が大混乱に陥るため、誰にも相談することは出来ず、人間不信になってしまったのだ。ジョルジュにはショボンがラウンジと通じているという確実な証拠は無く、[6]一方でショボンにもジョルジュがオオカミに裏切るのではないかという疑念があり、ストーリーの前半では水面下で緊迫した心理戦が行われていたのである。結果的にはショボンの勝ちだったものの、ジョルジュがいなければもっと被害は拡大していただろう。
冷徹で非情な大将だったのは人間不信からくるものであり、本当のジョルジュは部下への思いやりがあり、感情豊かな人物である。ショボンの裏切りにより東塔の将校に疑惑の目を向けるフサギコとアニジャに対して、ハンナバルとの経験を語る事で諭した。また、自分のように疑念に振り回されることなく、ハンナバルのように人を信じられる大将になれることを期待し、ブーンを大将に推薦した。しかし、ジョルジュ本人は病床に伏しており、戦える状態ではない。なので、寿命を削ることで一時的に戦える力を復活させる手術をベルに行った、伝説の老医の力を借りることを決意する。
信じる力を何よりも大切にしていたハンナバルを父としていながら、人間不信に陥ってしまい、偽りでありながらも、ショボンの方が人を信じる大将として成功していたことは皮肉な結果だが、東塔と西塔の分裂によって、ショボンの手が届く範囲を絞ったことは結果的に多くの将校の命を守ることとなった。
「互いに信じあってこその、信頼だ。」
ジョルジュの回想に登場するヴィップ軍の総大将。明るく無邪気な性格であり、一見するととても大将には見えない。ジョルジュのことをやけに気に入り、元オオカミ軍の大尉でありながらヴィップ軍の将校に任命する。それから、ジョルジュに付きまとうようになり、一緒にご飯を食べたり釣りに行ったりするようになった。ジョルジュを気にかけるようになったのは、ずっと一人に暮らしていたジョルジュが、自分でも気づかない内に心に秘めていた寂しさを見抜き、また亡くなった自分の息子の影を重ねていたからであると考えられる。突然病によって倒れるが、最期にジョルジュと話すことができ、ジョルジュに自分の息子としてヴィップを託して亡くなった。[7]
大将であるというだけで無条件に信頼され、薄っぺらい信頼で軍が繋がるようになると、軍が大将に依存し停滞することを危惧していた。だから、大将も周りを信頼しなければならないということをポリシーにしていたのだ。ショボンが入軍もしていない時期だというのに、ここまで見抜いていたことは流石だと言える。
「お前の思い通りにはさせない。 ヴィップは必ずラウンジを打ち破る。」
ジョルジュが唯一疑念を打ち明けた相手。マリミテ城戦で右腕を失ったため退役することになったので、ショボンと繋がっていないと確信できたのである。自分が誰よりも頼りにしていた大将が裏切るかもしれないという突拍子もない話に最初は半信半疑だったものの、ジョルジュの話に信憑性があると感じ、退役後もアルファベットの訓練を続け、もしショボンが裏切ったら一人でも多くの兵士を助けてほしいという頼みを受け入れた。そうして、フィレンクトとジョルジュは密かに通じ合い、ショボンを見張っていたのだ。
ショボンの裏切りが起こった時、まずミルナを見つけモララーを助けに行くように説得、そしてブーンを自分が直接助けに行った。そしてブーンを無理矢理逃がし、勝てるわけがないことを承知の上でショボンに一騎打ちを望んだ。その時なんと隻腕でありながらJの壁を超えるという偉業を成し遂げる。しかし、鋭い一太刀を浴びせかけるが、ショボンには一歩及ばず敗北、ヴィップの勝利を信じながら命を絶たれることとなる。ショボンには敵わなかったものの、フィレンクトの活躍によりブーン、モララー、ビロードの命が救われ、彼の命は無駄ではなかったことがわかる。その大人で筋の通ったキャラクター性が人気を博し、また隻腕という珍しい特徴も相まって、他のブーン系小説でも登場し、作者のオリキャラでありながらAAテンプレ入りを果たした。
ショボンの裏切り後ヴィップ軍の中将になる。フィレンクトに頼まれ、プギャーからモララーとビロードの命を救うが、ヴィップのための行動ではなく、ジョルジュに会うためのもので、祖国のオオカミ亡き今もはや国家の趨勢に興味を持たなくなっていた。しかし、会談でのショボンの不遜な態度に激高、ヴィップ国軍に入ることを宣言する。その後ヴィップ国の兵士として、オオカミの仇であるショボンと、もう一人ヴィップ軍にいるオオカミの仇を討つために戦う。
将校が大勢いなくなったヴィップにとって貴重な戦力となり、オオカミ城攻略戦やミーナ城防衛戦で大きな活躍を残した。強敵が味方になってより強くなるという珍しいパターンである。また、ツンに代わるアルファベット職人の誘致や、伝説の老医探しも任されるなど、苦労人属性も健在だ。
プギャーが裏切ってビロードを人質に取ったため、自分への私怨を晴らそうとするプギャーに抵抗できないままリンチされるが、その場で機転を利かせてミルナの助けも借り、自分もビロードも命を獲られることはなく逃げ出すことができた。
その後はアルファベットのランクは下がったものの、持ち前の頭脳を活かしてブーンに助言し、しばらくして戦場に復帰することができた。しかし、ラウンジ軍に自分とそっくりなシャイツーという兵士が現れてから、どこか様子がおかしくなりシャイツーに執着するようになる。
- (-_-) ヒッキー=ヘンダーソン
ジョルジュにショボンに対して抱いていた疑念を打ち明けられなかったことを謝罪され、ジョルジュに心から信頼されていなかったことにショックを受けるも、更なる裏切りを恐れ疑心暗鬼になる西塔の将校を諫め、冷静な話し合いを進めるなど、ヴィップ軍最年長らしい振る舞いを保っている。
老医の力によって寿命が縮んだジョルジュに「自分の生きざまと平和になったヴィップの世を見届けてほしい」と頼まれるが、それに対して複雑な感情を抱いている様子。
ヴィップ軍の中将。四人中二人が大将経験者というとんでもない面子と同じ地位であり、それに恥じない活躍をする。差別を受けていた過去からか東塔の兵士にも分け隔てなく接する。ヴィップの勝利のためなら自分のプライドを気にすることはなく、自分より年齢も階級も下のロマネスクに指揮権を預けることもある。
プギャーが裏切った際に人質にされ、それをモララーに救われたことに大きな恩を感じている。防衛戦の強さは変わらないが、オオカミ城攻略戦で、少数精鋭部隊の一人に入れられるくらい、アルファベットでの戦いも評価されている。
ショボンの裏切りに気が付けなかった東塔のメンバーに不信感を抱き、また裏切り者が出るのではないかと東塔の将校、特にブーンを疑う。しかし、ジョルジュの説得を聞き改心し、和解することが出来ないままギコが死んでしまったやり場のない無念感をブーンにぶつけてしまったことを謝罪する。ミルナに対しても自分の抱いている疑心を素直に明かし、本心で話し合うことで打ち解けた。
ショボン造反戦時、唯一ラウンジ側に勝利した二人である。デミタスが急に兵の編成を担当したいと申し出てきたことを訝しみ、調査した結果ラウンジとの繋がりが露呈したので、逆に利用してカルリナとアルタイムを討つ作戦を実行した。
ベルベットは番外編で過去が描かれた。母親の過剰な要求に応えるために、食事も厭わず勉強し続けていたのだが、ついに限界を迎え母親を刺殺してしまう。軍に入った理由は母親の求めていたことと違う事がしたかったのと、自分の手に残る人を殺した感覚を消したかったからである。また、ブーンに自分のいなくなってしまった父親を重ねていたことも明かされる。
元々50話記念のおまけに登場したモブキャラだったが、後半から重要な役割につくこととなる。二人は元から友人であり、明るくおっちょこちょいなルシファーと冷静でツッコミ役のレヴィンテインで良いバランスの二人だった。オオカミ城攻略戦で、ルシファーは城の外の軍隊を指揮する役目、レヴァンテインは城内に潜入する役目を任される。
- ( ´_ゝ`) アニジャ=サスガ
- (´<_` ) オトジャ=サスガ
オトジャは東塔の将校を信じることにしたが、アニジャは不信感を拭えず、ブーンや他の東塔のメンバーに辛く当たるようになる。しかし、ジョルジュの説得によって反省し、ブーンに謝罪する。以降は、前と同じようにアニジャのボケにオトジャがツッコミ、暗くなりがちな雰囲気を明るくしていた。
ラウンジ国側
「ハンナバル=リフォースらによって創り上げられ、そしてお前が必死に守ったヴィップ。
それを、俺が見るも無残な形に変えてやろう」
ラウンジの大将。最強のアルファベットであるZを操り、洗練された近衛騎兵隊を持つ。ヴィップ時代とは打って変わり、冷徹で非道な大将として君臨する。かつて一緒に戦っていた東塔の将校に対して何の情も抱いておらず、思い出を懐かしむことはあれど殺すことに躊躇することはない。
元はラウンジ国民であり、幼いころ親に捨てられ孤児院で鬱屈とした日々を送っていたところを、ラウンジ国王のクラウンに実力を見いだされ、共に壮大な密謀をめぐらすことになる。それはヴィップ国の孤児を殺して戸籍ごと成り替わり、ヴィップ軍の大将まで上り詰めた後裏切るというものだった。ショボン=ルージアルというのは殺された孤児の名前であり、本名はヴィルという。およそ30年間もヴィップ国に潜入し、ベルに命を狙われたことなどのハプニングも起こり、常人なら心が折れてもおかしくないような謀略を遂行できたのは、クラウンに父性を感じており、クラウンからある言葉を言ってもらうことを心の拠り所にしていたからだ。
ヴィップ国に潜入している時は、大将としてオオカミ国を滅ぼすために働いていると見せかけて、有能な将校を秘密裏に始末していた。モナー[8]やドクオはショボンの策略による被害者である。ブーンの入軍もショボンの企みの一つである。ブーンを簡単に切り捨てられる手ごまにするため、最初はα成分が殆ど入っていないアルファベットを持たせることで、まるで無類の才能を持っているかのように見せていた。[9]しかし、予想外の成長を見せつけられ、ラウンジに裏切らせるか殺すかを悩むようになる。初期はオオカミを潰してラウンジと和睦する旨を書いた手紙を書き、ブーンに自分が死んだ後その隠されている手紙を読むように指示するなど、ブーンを自分の思い通りに操る方針だった。だが、ブーンのアルファベットが成長しすぎたのと愛国心が強い事を危惧し、自分が裏切る際に殺すことを決意する。
誰もが信頼していたショボンを唯一疑っていたのがジョルジュであり、ジョルジュがあえてオオカミとの繋がりを仄めかすことで、ショボンはジョルジュがオオカミに寝返るのではないかという疑念を抱くことになったので、中々思い通りに暗躍できないこともあった。そのためジョルジュを憎悪しがらも尊敬もしており、侮辱しながらも敬語は崩さないなど屈折した感情を抱いている。また、ショボンとジョルジュは性格も人生も正反対ではあるが、「父親として敬愛する人のために戦う」という点では一致している。
謀反によって内部崩壊を狙うという方法は決して褒められたものではないが、私利私欲ではなくラウンジ国のために行ったことに変わりはない。そして、彼もまた武人として生きた者の一人である。申し込まれた一騎討ちを拒否するシーンは作中でたった一度たりとも無く、自分が殺した兵を無下に扱うこともない。
余談だが、作者であるazwd氏は「物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚⊿゚)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです」という合作に参加しており、そこでショボン=ルージアルを登場させた。ストーリーはブーン系小説のマルチバースを全て破壊しようとするアンノウンという謎の人物に対し、別々のブーン系小説から選ばれた四人で戦うというものである。ショボンは頭脳を活かして得体のしれない敵への対処法を戦いながら考える役割を担っていたが、合作することになった他の作品のジャンルがファンタジーやSFなので明らかにショボンだけ戦力が見劣りしてしまう。そのため他のブーン系小説の設定を借り、オーディンのペルソナという異能力を得ることになった。
今まで何も聞かされず唐突に現れたショボンのことを受け入れられず、突き放した態度をとるが、自分でもどうして受け入れられないのか分からず、完全に混迷しきっていた。しかし、実際にタッグを組んで戦ってみると、自分の考えた戦略にショボンの武力が組み合わさって、戦においては非常に相性が良いことがわかったが、それと同時に、自分はベルのために戦っていたのであって、もはやショボンの国と化したラウンジの元で戦うことはできないことを理解し、ラウンジ軍を離れることを決意。アルタイムとファルロに別れの挨拶をして完全に軍を去った。
それからは放浪の旅をすることになる。双方の軍と関係ない第三者として戦争を観察し、一般人としての立場から、戦争がこの世界に与える悪影響を描く。
ショボンが来たため中将に降格、だが待遇は変わらない。大将としての重圧に耐えられずショボンに自ら譲った。カルリナと違ってショボンを受け入れ、年長者らしくカルリナを窘める。しかし前任と後任が化け物レベルであるため、前半以上に劣等感に苦しむようになる。さらに、心の支えになっていたカルリナもいなくなったため、かなり精神的に追い詰められる。
しかし、自分で気が付いていないだけでアルタイム自身はとても成長しており、前半のようにアルタイムを責める人は殆どいない。敗戦しても相手から「アルタイムは手ごわかった」と評され、味方からも非難する声は無い。主人公であるブーンを除けば、作中で最も成長した人物だろう。
ブーンとの戦いと際に重症を負い、すぐに戦線復帰はできないものの軍を支えている。軍人的な面が強いため、ショボンのことも受容することができた。ブーンに討ち取られなかったことに蟠りを持っており、ブーンとの再戦を望んでいる。
ラウンジ軍の少将になる。ヴィップ時代の気のいい性格はどこへいったのか、ブーンが成長したこともあって完全に小物キャラになる。実はヴィップ時代からプギャーが無能であることの伏線は張っており、ジョルジュやモララーは気が付いていた模様。後半に入ってから無能ぶりが露骨に描写されるようになり、造反戦の時からモララーへの私怨を晴らすために無意味に生かした結果、将校を全員逃がすという大失態を犯している。勿論ショボンからの評価は低く、ショボンは事あるごとに心の中で愚痴をこぼしている。
造反戦の時にブーンを完全に騙し切り、オオカミ城を乗っ取る。その言動や顔文字からプギャーのような小物に思われがちだが、適切な戦略を立てられ失策も特に犯さない有能。そのおかげで、ショボンからプギャーよりも評価され、最終的に中将になる。
物語後半から登場するラウンジ軍の中将。完全な色物キャラであり、変なマントを着用してやたらぬぅぬぅ言っている。リアクションが大きい。だが将として無能というわけではなく、Sの壁を超えており、頭も思いのほか回る。
「私は自分の意思で命を絶つことなど、許されてはいないのです。」
ショボン直属の間者。ヴィップに居た頃から敵国の情報を探りながらも、ヴィップの兵士を肉体的魅力でいいなりにさせていたりなど暗躍していた。ラウンジに戻ってからは、女であることを隠して将校として軍を指揮した。女性でありながらアルファベットがMまで使うことができ、これは男であればSの壁を越えられるレベルの才能を持っていることになる。ショボンに心酔しており、「俺の許可なく死ぬな」という命令を頼りに生きている。
「見つけてもらうんだ……!! ぜったいに……!!」
クラウン国王が密かに育てていた兵士。モララーにそっくりだが、天才のモララーと違って脳に障害を抱えており、まともに会話することも出来ない。以前野生児と化して暴れているところを国が保護、クラウン国王が類まれなるアルファベットの才能を見抜き、アルファベットの訓練をひたすらさせられて育てられる。
シャイツーという名前は本名ではなく、マタンキという苗字のみを覚えていたのでクラウンに名前を付けられた。最初はモララーに似ているという理由からモララーと呼ばれたが何故か拒否、代わりに古代に活躍した武将であるシャイツー[10]から名を借りることになった。意思疎通が難しいのでクーの催眠術で操り戦場に送り込んでいる。何も考えていないように見えるが、母親という言葉に妙な反応をみせる。
「このラウンジという国が、天下を治めるのを夢にしているんだ。」
ラウンジ国の国王。昔暴虐の限りを尽くしていたニューソク国[11]に対抗するために国を興した。当時はベルと共に戦場に立っていたが、体力の衰えを感じ民政のみを担当するようになった。穏やかな好々爺で民からも慕われており、ただの孤児であったころのショボンにもまるで本当の息子のように接する。しかし、謀略を仕掛けるのが大好きでショボンをヴィップに送り込んだのも彼。その他にも、秘密部隊を作っていたりシャイツーを秘密裏に育てていたりと裏で活躍している。
関連リンク
- ( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです- ブーン芸VIP
- azwd(@azwd) - twitter
- Aerial - ライブドアブログ
- azwdの質問箱
- ブーン芸VIP掲示板過去ログ
関連項目
脚注
- *ギコと苗字が違うのは、フサギコは母方の苗字を名乗り、ギコは父方の苗字を名乗ることに決めたからである。この世界の女性は重役に就くことは無いが、極端に地位が低いという訳ではない。
- *オオカミとラウンジが国王なのにヴィップだけ皇帝なのは、七百年前に存在した国の皇帝の血をアラマキが引いているから。
- *A~Eよりも高ランクであるが、直接武器として扱うとそれらよりも弱い。これは矢として扱いやすくために、本来の形から多少ずらしたのが原因である。
- *詳細に解説すると、ショボンたちがフェイト城を攻め、ドクオがオリンシス城を防衛している時に、ショボンが策を弄したのである。ミルナは徐々に伏兵を戦場近くの森に忍ばせて、リレントがドクオをおびき寄せて伏兵で殲滅するという戦略を立てていた。しかし、ドクオは伏兵を忍ばせるためにオオカミの本隊が伸びていることに気が付き、ショボンに手紙で連絡する。だが、ドクオはミルナの思惑を勘違いしており、伏兵でフェイト城を奇襲すると考えていたので、自分が兵を率いて伏兵を襲うことをショボンに提案した。ショボンはそれを利用することを決め、まずはドクオの提案を拒否。これはミルナが少しずつ伏兵を仕込んでいることを読み、まだドクオの軍を壊滅させられるだけの人数が揃っていないと予測したからである。十分に兵が集まるまでドクオの提案を拒否し続け、揃ったと察知した時に出兵の知らせを送った。そして、自分は他の将校に「自分は出兵の命令は出していない」と言えば、ドクオはオオカミの策にハマったのだということになる。一方で、リレントから見ればドクオを誘い出す策を用意していたが、まだこちらが何もしていないのに出てきたということになる。しかし、自分の手柄にした方が都合がいいので、ミルナには何も言わなかった。こうして双方の視点からドクオはオオカミの策によって殺されたということになったのである。
- *詳細に説明すると、ショボンが帰らずの森を警備している兵を自分の配下に変え、森に火を点けた後、警備兵と同じ人数の死体を置いておく。こうすることで外部犯に見せかけて殺すことができたのだ。
- *唯一の証拠はガシューから送られてきた手紙のみである。手紙の内容は自分の失敗についての告白と、そこから導き出された裏切り者の正体についてだ。まずガシューはシャッフル城での籠城のために、兵糧を運び込む役割を担っていた。その兵糧はベルを受け入れたお礼に、ラウンジから送られたものであった。事前に極秘で大将や中将と話し合い、一日だけ多く兵糧を運ぶことにしたのだが、ガシューはうっかりラウンジの兵士に多く兵糧を運ぶ日を教えてしまったのだ。その結果、何故かヴィップにその情報が伝わり、その日兵糧を運ぶ途中に襲撃された。そのことからガシューはヴィップにラウンジと通じている者がいると見抜いたのだが、自分のミスと関わっているのでミルナに話すことが出来ず、ジョルジュに相談しようとしたのだ。ジョルジュはこの情報を心の支えにしてショボンと戦うことができた。
- *ハンナバルの死因は水中毒である。ハンナバルはヴィップを建国する前に、妻と子供を火事で失っており、そのトラウマから多飲症を患っていた。
- *オリンシス城戦で本当はモナーを助けられる状態でありながら見殺しにしたのだ。ショボンはヴィップ時代では本気を出していなかったため、疑われることなくモナーを死地に追いやることが出来たのである。
- *どのあたりから本物のアルファベットを扱うようになったのかは明言されていないが、Lを使うミラルド=クアッテンをIで倒しているため、この辺りから本物を渡されるようになったのだと予想できる。これより前にブーンはファットマン=フィギンスと一騎討ちを行っているが、彼はベルに成りすますために偽物のVを用いていたため、偽物のアルファベット同士の戦いだったことになる。
- *シャイツーは本編や番外編に登場することはないが、アルファベットに関する資料が残っていないこと、アルファベットが三日で消滅すること、そして一発逆転の策に関係しており、物語に多くの影響を与えている。
- *本編開始以前の国際情勢について説明すると、ニューソクという国が勝手に全土統一宣言を行い、それに対抗するためにクラウンがラウンジ、リアッド=ウルフがオオカミを建国した。しかしニューソクはオオカミを抑えるためにウンエイという属国を建立する。少し遅れアラマキがヴィップの建国を決意、ラウンジが中心となってニューソクとウンエイを滅ぼすことに成功した。
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