ひろがるスカイ!プリキュアとは、2023年2月5日から2024年1月28日まで放送された、プリキュアシリーズ第20作品目のタイトルである。略称はひろプリ。
概要
プリキュアシリーズの節目となる第20作目にして18代目のプリキュア。「スカイプリキュア」の名の通り今回のモチーフとなるのは果てしなく広がる「空」。「ヒーロー」をテーマ、「知る事でひろがる世界」をキーワードに掲げ、天空の異世界「スカイランド」と自然に囲まれた地上の都市「ソラシド市」の2つの世界をまたにかけたプリキュア達の物語が繰り広げられる。特に「ヒーロー」というテーマに関してはこれまで「変身ヒロイン」として見られてきたプリキュアに対してあえて選んだ事が語られている。
天空イメージだけあり、今回はシリーズで初めてのイメージカラーが青かつ異世界出身者のメイン主人公となった。また、キービジュアルではメイン2人と妖精相当のプリンセスに加え今後登場する2人のプリキュアも姿を見せており、そのうちこれまでの主人公色であるピンクが4番手に配置されている。その4番手のキュアバタフライは現行法制下での新成人である18歳の青年女性プリキュア、さらにキュアウィングはレギュラーキャラとしては初の正規の男の子プリキュアと、後述の声優起用面も含めこれまで「当たり前」とされたことが大きく見つめ直されている。
主要スタッフは、シリーズディレクターにこれまでのシリーズ各話演出や『プリキュアオールスターズNewStage2・3』の監督、『ワールドトリガー』『ゲゲゲの鬼太郎(第6期)』では同職を務めた小川孝治が就任。シリーズ構成は『映画 ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』脚本の金月龍之介。キャラクターデザインは『ラブライブ!スーパースター!!』の斎藤敦史が手がける。音楽はこれまでの寺田志保から『デリシャスパーティ♡プリキュア』でもキャラクターソングを手がけた深澤恵梨香に交代。さらにシリーズの生みの親・鷲尾天もエグゼクティブプロデューサーとして作品を支える。
メイン主人公のソラ・ハレワタール(キュアスカイ)役はシリーズ初参加の関根明良が担当。サブ主人公の虹ヶ丘ましろ(キュアプリズム)役には『ヒーリングっど♥プリキュア』のヒーリングアニマル・ラビリン役だった加隈亜衣を起用、過去作のレギュラー妖精の声優が後の作品でプリキュア声優になるという初の事例となった。スカイランドの幼いプリンセス・エル(キュアマジェスティ)役はこちらもシリーズ初参加の古賀葵が演じる。レギュラー初の男性プリキュア声優となった夕凪ツバサ(キュアウィング)役の村瀬歩、聖あげは(キュアバタフライ)役の七瀬彩夏はいずれも過去の作品にゲスト出演経験がある。
オープニング主題歌はこれがメジャーデビューとなる石井あみが担当。前期エンディング主題歌はもはやシリーズの顔になった吉武千颯が続投、石井とのデュエットによるダンスナンバーとなる。第22話以降の後期エンディング主題歌は吉武のソロ歌唱で、スローテンポの曲である。
あらすじ
まだ幼いプリンセス【エルちゃん】がアンダーグ帝国の怪物につれさられてしまった!
勇敢な少女【ソラ】はプリンセスを追ってふしぎな穴へ。
その先はなんと別の世界の【ソラシド市】につながっていて……!?『テレビ』? 『自動車』!? それって魔法の道具ですかっ!?!?
でも驚いているひまなんかない! 早くプリンセスをお城に帰してあげなくちゃ……!ふたつの世界を飛びまわれ! プリキュアたちの冒険がいま始まる!
「ヒーローの出番です!」
登場人物とキャスト
キャラクター名 | CV | 解説 |
---|---|---|
ソラ・ハレワタール /キュアスカイ |
関根明良 | 主人公。スカイランドの出身で運動神経抜群。幼少期にピンチを救ってくれた憧れの人の様なヒーローを目指し一生懸命に鍛錬を重ねている。エルと共に虹ヶ丘家に居候中。 |
虹ヶ丘ましろ /キュアプリズム |
加隈亜衣 | ソラシド市在住の中学2年生で、優しく思いやりのある少女。物知りで料理や自然に詳しい。両親が海外赴任中の為、祖母のヨヨとの二人暮らしであったが、次々と同居人が増えている。 |
夕凪ツバサ /キュアウィング |
村瀬 歩 | 虹ヶ丘家の居候3号(あるいはペット?)。スカイランドのプニバード族という、人の姿になれる代わりに飛行能力のない種族の男の子。 |
聖あげは /キュアバタフライ |
七瀬彩夏 | ましろの幼なじみ。18歳にして運転免許取得済みの、活発かつ妙にスペックの高い女性。最強の保育士を目指す、虹ヶ丘家の居候4号。 |
プリンセス・エル /キュアマジェスティ |
古賀 葵 | 日々成長中のスカイランドの王女。口癖は「えるぅ~!」誘拐された事を機にソラと共にソラシド市へとやってきた。プリキュアの変身に必要なスカイトーンを生み出す不思議な力の持ち主。 |
キャラクター名 | CV | 解説 |
---|---|---|
虹ヶ丘ヨヨ | 塩田朋子 | ましろの祖母で、温厚な物腰の女性。実はスカイランド出身で、王家からの信頼も厚い。 |
シャララ | 斎賀みつき | スカイランド「青の護衛隊」隊長で、ソラにとってあこがれのヒーロー。 |
キャラクター名 | CV | 解説 |
---|---|---|
カイゼリン・アンダーグ | 本田貴子 | アンダーグ帝国の支配者。父であるカイザーの一件でエルやスカイランドに強い憎しみを抱いている。 |
カバトン | 間宮康弘 | 紫色のオークのような姿をしたアンダーグの構成員。口癖は「~なのねん」「オレ、TUEEE!」。強者こそが正義だと考えている暴れん坊。 |
バッタモンダー | KENN | カバトンに代わるアンダーグの構成員。細身のイケメンで紳士的だが、キレると悪態をつく。弱い者を見下すひねくれもの。 |
ミノトン | 酒井敬幸 | アンダーグの構成員で3番目の刺客。多少カバトンに似ているが、角や牙を生やした強そうな巨漢。強者(プリキュア)と戦うことを望む脳筋武人。 |
スキアヘッド →ダークヘッド |
宮本 充 | カイゼリンの側近。冷たい雰囲気で一切無駄口を叩かず、エルの強奪に一度は成功した実力者。実はアンダーグ・エナジーの化身ですべての黒幕。 |
ランボーグ キョーボーグ |
相馬康一 | アンダーグ・エナジーが物に憑依する事で生まれる乱暴/凶暴な怪物。エナジーが物一つに憑依するとランボーグに、二つに憑依するとキョーボーグになる。ともに撃破されると「スミキッタ~」とつぶやき浄化される。 |
キャラクター名 | CV | 解説 |
---|---|---|
プリンセス・エルレイン /キュアノーブル |
庄司宇芽香 | 300年前のスカイランドのプリンセスにして「伝説のプリキュア」。髪色・瞳・名前とエルとは何か関係がありそうだが…。 |
カイザー・アンダーグ | 武虎 | 300年前のアンダーグ帝国の支配者。 |
カイゼリン・アンダーグ (少女期) |
内田真礼 | カイザーの娘。このころは戦いを厭う様子であったが…。 |
用語
用語名 | 解説 |
---|---|
スカイランド | 異世界に存在する天空都市。ソラ・ツバサ・エルの出身地。 |
ソラシド市 | 地上に存在する自然豊かな都市。ましろ・あげはの出身地。 |
アンダーグ帝国 | プリキュアの敵対勢力。当初はエルの強奪を目的としていたが…。 |
スカイミラージュ | プリキュアの変身用アイテム。ミラージュペンから変形する。 |
スカイトーン | ソラ達がプリキュアに変身する為に必要なデバイス。 |
ミラーパッド | ヨヨが所持していた鏡型タブレット。様々な機能を持つ。 |
ミラクルパレット | キュアバタフライ専用の、絵筆とパレットがセットになったアイテム。 |
マジェスティクルニクルン | キュアマジェスティが保持する本型アイテム。 |
スタッフ
- シリーズディレクター:小川孝治
- シリーズ構成:金月龍之介
- キャラクターデザイン:斎藤敦史
- 美術デザイン:今井美紀
- チーフ美術:門口亜矢
- 色彩設計:柳澤久美子
- 音楽:深澤恵梨香
- プロデューサー:田中昂(ABCアニメーション)、利根里佳(ADKエモーションズ)、鷲尾天、髙橋麻樹
主題歌
- オープニング主題歌「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」
- 歌:石井あみ コーラス:北川理恵・Machico 作詞:青木久美子 作曲・編曲:森いづみ
- 前期エンディング主題歌「ヒロガリズム」
- 歌:石井あみ×吉武千颯 作詞:六ツ見純代 作曲・編曲:ハマダコウキ
最終話ではプリキュア役声優5人による「Precure Quintet Ver.」を使用。 - 後期エンディング主題歌「Dear Shine Sky」
- 歌:吉武千颯 作詞:大森祥子 作曲・編曲:ハマダコウキ
放送・配信情報
放送局 | 放送開始日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
テレビ朝日系列フルネット24局 | 2023年2月5日 | 日曜 | 8時30分~ | 同時ネット |
山陰放送 | 2023年2月11日 | 6時15分~ | 遅れネット スポンサードネット |
配信サイト | 配信日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
TVer | 2023年2月5日 | 日曜 | 9時00分~ | 最新話1週間無料配信 |
定額動画配信サービス※ | 2023年2月8日 | 水曜 | 0時~ | 見放題配信 |
※アニメ放題、Amazon Prime Video、auスマートパスプレミアム、バンダイチャンネル、dアニメストア、DMM TV、FODプレミアム、hulu、J:COMオンデマンド、みるプラス、TELASA、Paravi、U-NEXT
各話リスト
- ※上段が映画公開に伴う本放送・TVer見逃し配信での特殊ED(冒頭の特殊コメント+映画楽曲のTVサイズバージョンを放送)、下段が配信等での通常ED。
- ※※前述の通りプリキュア声優によるカバーバージョンを使用し、ましろが書いたとおぼしきこれまでの物語を描いたイラストが表示、エンドクレジットは縦スクロール表示となっている。
小ネタ・話題
- かくしてプリキュア初期メンバー4名は今年も話題性のあるキャストが揃ったが、実はちょっとした共通点がある。それは、“玩具販売元のバンダイが関わる長寿シリーズに出演経験がある”という事。関根は『仮面ライダーW』の続編である『風都探偵』でときめ役という事で仮面ライダー。加隈は前述通りの『ヒープリ』でプリキュア。村瀬は『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でのドンムラサメの声を担当していたのでスーパー戦隊。そして七瀬は『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』に登場したギナ・スペクターの声を担当したためウルトラシリーズと、全員が現在も続くヒーロー作品に関わっている。
- また、エルを含んだメインキャスト5人についても、「あきら」「あい」「あゆむ」「あやか」「あおい」と、いずれも下の名前の1音目が「あ」という共通点があったりする。意図した物なのか偶然なのか……?
- 後述の通りプリキュア20周年を記念してか、第2話からエンディング前にCGモデル&Bメロのミラーパッド内に変身バンクの一部を映す形で、ひろプリを含む歴代プリキュア達が週替わりに登場。初期には登場したプリキュアを全て答えると玩具がもらえるプレゼントキャンペーンも実施した。登場したプリキュアは各話リストを参照。
- 今回も当然ながら、ニコニコ実況においては変身シーンで「幻聴おじさん」たちの「きーらーめーくー」というコメントが大量発生するという、スター☆トゥインクルプリキュアからの伝統が続いている。
- 第6話でチーム名乗りを初披露したが、この時にジャンプする様子がきららジャンプだとのもっぱらの評判。
- 第18話でようやく初期メンバー全員が変身を果たしたが、この後あげはが虹ヶ丘家の同居人となり、プリキュア全員がひとつ屋根の下で暮らしている。更に第32話にてキュアマジェスティの正体が判明し、同居するプリキュアが一人増えたことになる。
- 今回の夏の高校野球中継に伴う関西地区の本番組への影響は8月13日放送分のみになった。その一方で8月6日(広島原爆の日)が日曜日だったため、平和記念式典中継を放送する関係から広島ホームテレビでの放送が10時からの遅れネットとなった。
- 同じテレビ朝日系の2023年7月期のドラマ『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』。9月12日放送の最終話は娘と愛犬を連れて家を出てしまった夫に対し妻が娘を引き渡すよう仮処分を申し立てる、という話なのだが、娘は幼女であるため彼女の好きなアニメとして本作品が登場、キュアスカイのキュアフレンズぬいぐるみや変身スカイミラージュの玩具が出てきたり、伊藤沙莉演じる吉野ひかりが娘の興味を引きつけるため変身スカイミラージュをもってキュアスカイの変身ポーズの真似をするなどしていた。過去に『相棒』でドキプリを扱った事例はあったが、現行放送作品を持ってきたのは異例と言える。
- 年末恒例、ニコニコ大百科・ピクシブ百科事典合同の「ネット流行語100」。前年のデパプリに続きひろプリも作品名が7位、キャラクターもソラが13位、ツバサが15位、あげはが31位、ましろが60位にランクインする結果となった。表彰式には東映アニメーションからのコメントも。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/sigekun/status/1734899425708028038 - 年末恒例と言えば、同じABC制作・テレ朝系の『M-1グランプリ2023』ともコラボし、第45・46話の放送後に番宣CMが流れた。第46話ではスカイとプリズムが漫才を披露しているのだが、スカイ曰くM-1グランプリは「ましろさんが1番グランプリですね!」とのこと。ソラちゃんどんだけましろんのこと好きなんですか。
- この数年はコロナ禍や東映アニメーションの不正アクセス被害に翻弄されたプリキュアシリーズだったが、本作でようやくスタプリ以来4年ぶりに中断や話数短縮なく放送(全50話放送もまほプリ以来)された。その一方でこれまで行われたことが無かった作品でもあり、たとえば強化フォーム(スーパープリキュア)がテレビ映画通じて未登場(唯一あった特殊フォームも第49話のまさかのスカイの闇堕ちフォーム)、敵幹部によるいわゆる「悪役会議」も構成の方針からなくなり、恒例となっていた最終話での次作キャラの本編先行登場も本作では無くバトンタッチ映像のみとなった。
20周年記念施策について
2023年は、プリキュアシリーズが(2004年の『ふたりはプリキュア』放映開始から)ちょうど20周年を迎える年でもある。公式側も正式に20周年と銘打っており、それに関連する施策も展開される。2022年12月時点で発表されているのは以下の通り。
- シリーズ全作品を初めて網羅した展覧会「全プリキュア展 〜20th Anniversary Memories〜」を東名阪+横浜の4都市で開催
- バンダイが記念商品「Precure 20th item collection」を展開
- 2023年9月15日に20周年記念映画『映画 プリキュアオールスターズF』が公開
- いきものがかりによる20周年記念楽曲「ときめき」を制作、それを用いた記念PVも公開
- 東京・大阪・広島で『プリキュアシンガーズ Premium LIVE HOUSE Circuit!』を開催
- 20周年記念ライブ『全プリキュア20th Anniversary LIVE!』を2024年1月20日(土)・21日(日)に横浜アリーナにて開催
- 鷲尾氏によれば「大人になったファンの方がより楽しめる映像施策を用意しています」とのことで、2023年10月~12月にNHK Eテレで『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』が放送、2025年1月期にABC・テレビ朝日系「ANiMAZiNG!!!」枠にて『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~ 』が放送予定となっている
- 舞台「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」を2023年10月・11月、東京・大阪にて公演。第2弾公演も2025年2月・3月に開催予定。
- 初のバーチャルミュージックイベント「プリキュアバーチャルワールド」を2023年12月9日・10日に開催。『5GoGo!』『ハートキャッチ』『スマイル』のプリキュア15人のほか、プリキュアファンのVTuber6人(電脳少女シロ、百鬼あやめ、ジョー・力一、犬山たまき、尾丸ポルカ、える)が出演した。
関連リンク
- ひろがるスカイ!プリキュア 公式サイト(東映アニメーション)
- ひろがるスカイ!プリキュア 公式サイト(朝日放送テレビ)
- プリキュアシリーズ公式ポータルサイト
- プリキュアおもちゃウェブ
- 公式Twitter
関連項目
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- キボウノチカラ〜オトナプリキュア‘23〜
- わんだふるぷりきゅあ!
- 『Dancing☆Starプリキュア』The Stage
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