PCエンジンとは、1987年のNEC-HE(日本電気ホームエレクトロニクス)が発売した家庭用ゲームハードである。1988年前後から1994年前後にかけて一時代を築いた。ハードウエアの設計には多くの部分でハドソンが関わっている。そのため、本体の搭載チップにはハドソンのトレードマークである「蜂のマーク」がプリントされている。
ファミコン全盛期の当時、圧倒的なグラフィックの高さや高性能サウンドなども相まって「PCエンジンユーザー=おそらく金持ちの家庭」という奇妙な図式が成り立っていた。
ちなみによく「PC-Engine」とハイフンを入れて書く人がいるが、PC-EngineとはPC-88VAに搭載されたOSのことであり、区別が必要である。
PCエンジン開発の歴史
PCエンジンは「ハドソンが自社開発したチップを持ち込み、NECが採用して製品化された」というのが通説になっているが、事実はややそれとは異なるものであった。元々、NECの後藤富雄氏が中心となって「CD-ROMを使ったメディアエンターテインメントマシン」を構想しており、そこに「ハドソンという会社が面白いチップを作っている」という情報が持ち込まれ、合意に至った結果のものであった。つまり、本来はPCエンジンDUOの状態で発売されるのが理想形であり、まずハードを普及させることを前提としてHuカードを媒体とした本体が先行販売されたのである。
なお、NECが求めていたのはビデオチップの方であり、ハドソンがCPUとセットで開発していたため、CPUもハドソンのものが採用された。
ハードウェア構成
PCエンジンのプラットフォームは「HE-SYSTEM」(ホーム・エンターテインメント・システムの略称)と呼ばれ、本体、周辺機器、ソフトウェアにロゴが付与された。
CPUはHuC6280Aで、MOSテクノロジー社の6502の互換チップである。ファミコンに採用されたRP2A03も6502互換で、両者の違いは一部の命令をオミットしている、追加されたサウンド機能が異なる、クロック周波数が異なる(HuC6280Aでは4倍速クロックモードを備えた)という点にある。
メモリーはメインが8KB、ビデオメモリーが64KB。これらメモリは全て、高価ではあるが非常に高速なSRAMが採用された。
サウンド機能はCPUに内蔵されている。1周期32アドレス波形メモリ方式の波形メモリ音源が6音搭載されているが、モードにより、波形メモリ音源4音+ノイズ2音、波形メモリ音源4音+ノイズ1音+サンプリング1音の選択が可能。ただしサンプリング音声を使用するモードは処理の負担が大きい。波形メモリ音源はリソース割くほど音質が良くなるため、それらを管理可能な優秀なプログラマーが扱うと素晴らしい音声出力が可能であった。また、スーパースターソルジャーの頃からはサンプリング音をソフトウエアで再現することが可能になり、表現の幅が広がった。ただしシンバルのような音はハードウェアに頼らざるを得ないという弱点もあった。
グラフィックチップはHuC6270を採用、データバスが16ビット化されている。
発色は最大で512色(背景やスプライトでは限られた範囲で16色に制限される)、最大画面サイズは512×240ピクセル、使用できるスプライトの数は64個(1個あたり最大32×64ピクセル)である。
使用できる背景の画面は1面のみであったが、上記のスプライト機能を生かして2重、3重スクロールを実現するゲームもあった。
後述するスーパーグラフィックスでは、HuC6270を2個搭載、使用できるスプライト、背景を2倍にしている。また、メモリーもメイン32KB、ビデオメモリー128KBに増量しているが、それらをシームレスに使用できる設計ではなかった。具体的には、一つのHuC6270からの出力信号はあくまで従来のPCエンジンと同様の表示をすることしかできないため、スプライトオーバーさせないためには横方向に二つのHuC6270の信号を工夫して出力系に送る必要がある。わかりやすく表記すると、
[HuC6270:1][HuC6270:2][HuC6270:1][HuC6270:2][HuC6270:1][HuC6270:2]
のようなスプライト配置をしなければならない。しかもこれをハードウェアで最適化する機能は無い。つまり一つの画面を生成するのに二つのチップをソフトウェア的に複雑に制御する必要があり、単純に倍増したとは言えない仕様であったため非常に高度なプログラミング技術が必要。またCPU、サウンド機能は従来通りだった。
初代PCエンジンおよびコアグラフィックス、スーパーグラフィックスでは拡張バスを背面に備えており、これを活用した拡張性がPCエンジンの特徴であった。天の声2というセーブデータ保存機器のほか、イラスト作成用のタブレットやプリンタ、カラオケ機器なども接続することが出来た。
この本体後部のEXTバスはSCSI規格なのだが、一部の信号を除いてHuカード用スロットも同じ信号を扱うことが可能。この仕様は公式に活用されることは無かったが、個人ユーザにより携帯機であるGTにHuカードスロット経由でCD-ROMシステムを接続することが実現されている。
6502は2倍のクロック数のZ80と同等の性能と言われるほど高速なCPUであり、それを4倍速駆動させたPCエンジンのCPUが如何に激速か分かるだろう。さらに、搭載されたSRAMはスパコンのキャッシュメモリとしても使用されたことがあるほどの速さであり、後にライバルとなる16bit機と比べても処理性能では圧倒的に凌駕していた。さらに、16ビット化されていたグラフィックチップと、CD-ROM2システムなどによるシステムの拡張、大容量とCDによるリアルな音声を生かしたゲームの採用によって、PCエンジンはハードウェア競争を続けることができた。またCD-ROMシステムに内蔵されたADPCMにより、前述の高周波音のサンプリング音に弱いという点も解消された。
サードパーティ
NECとハドソンとの契約により、本体の製造販売はNEC、サードパーティの誘致はハドソンが担当することとなった。ハドソンは社内に外部の開発者を集めてゲームを開発させて、それをパブリッシャーに提供した。その中の一つ『エイリアンクラッシュ』はコンパイルの開発者が作ったものを、ハドソンの仲介でナグザット(加賀電子)が売ることになったものである。本作が想定外に売れたことに気を良くしたナグザットは、その後もソフトを提供し続けてPCエンジンの有力なサードパーティとなった。
サードパーティ第1号となったナムコは例外的にNECが誘致したとされている。ナムコ参入のインパクトは絶大であり、PCエンジンの市場確立に大きく貢献した。
また、ハドソンから発売された『R-TYPE(I・II)』は当初アイレムに移植を拒否されていた(アーケードゲームの存在意義がなくなるという理由)。スコット津村氏の説得で移植許可が出ることとなり、オリジナルに匹敵する(それどころか処理落ちが発生しない)凄まじい移植でPCエンジンの知名度は一気に高まった。なお、アイレムも後に『ビジランテ』を引っさげてサードパーティとして参入している。
HuCARD
PCエンジンでは当初、HuCARD(ヒューカード)と呼ばれるICカード型(接触式)のゲームカートリッジにてソフトが供給されていた。
もともとは三菱樹脂が開発したICカードで、セガSG-1000用のマイカード、MSX用のBEE CARDがもとになっている。
従来のROMカートリッジよりもはるかに小さくできたことで、持ち運びに便利になり、のちに登場するポータブルゲーム機、PCエンジンGTにもそのまま利用することができた(一部動作しないゲームは存在)。
当時、家庭用ゲーム機購入のモチベーションの一つとなったのが「アーケードゲームの移植」であった。初期のPCエンジンのウリは、ファミコンより再現度の高い移植ソフトが楽しめることであった。
PCEはFCと同じCPU(ただし大幅に高速化されている)を搭載し、FCの開発ノウハウがほぼそのまま使えたため、当時の開発者には敷居が低かった。また大サイズのスプライトを多数表示することが出来たため、同時期のアーケードゲームの移植にも対応することが出来た。
この点で、キラーソフトとなったのが「R-TYPE I」である。R-TYPEは、HuCARDの容量上の問題で「R-TYPE I」と「R-TYPE II」の前後編に分けての発売となった。オリジナルに引けを取らない美麗なグラフィックと移植クオリティーの高さは、初期の良作として名高い。
後述するように、PCエンジンはHuCARDからCD-ROMへとゲーム供給メディアを変えてゆくが、中期まではクオリティの高いシューティングゲームが数多く発売された。その中には、質の高い移植だけでなく、「マジカルチェイス」「精霊戦士スプリガン」といったオリジナルタイトルも存在する。またハドソン全国キャラバンの影響もあり、PCエンジンはシューティングマシンとして名を馳せた。これには前述のCPU処理速度と実質16bitのグラフィックチップ、超高速なSRAMが貢献していたのは言うまでもない。
なお、内蔵音源の拡張が最後まで行われなかった当ハードではあるが、Huカードスロットの信号にはモノラルながらライン入力があり、これを利用することでファミリーコンピュータの拡張音源と同様のことが可能である。(FM音源等の搭載も本来は可能であった)
世界初のCD-ROM媒体のゲームハード発売
1988年、専用CD-ROMドライブ(商品名表記:CD-ROM2/商品名読み:シーディーロムロム)が発売された。HuCARDの容量不足に悩まされることはなくなり、「当時としては無限にも等しい」データを扱うゲームが可能となった。
(当時の税金制度のため、ハードは大変高額な商品となってしまった)
媒体がCD-ROMになったことにより、「ビジュアルシーン」と呼ばれたアニメーションの展開や、声優による肉声・高音質なBGM(CDトラックをそのまま流すことが可能)の使用が可能となった。ゲームにおける映画的演出のはしりとも言える傾向がCD-ROM2システムで見られるようになる。
「天外魔境ZIRIA」は、CD-ROM媒体で発売された初のRPGである。当時としては桁違いのボリューム、数多く登場する敵・味方が音声で喋ることや要所要所で挿入されるアニメーションシーン、坂本龍一が担当したメインテーマなどが話題を呼んだ。
「イースI・II」は、イースシリーズの移植の中でも、今でも人気の高い一作である。
CD音源で収録された米光亮によるアレンジBGM、キャラクターの立ち絵や声優による音声収録といった「CD-ROMでしかできない」演出がふんだんに盛り込まれた。本作でプログラミング・演出を担当した岩崎啓眞は、その後もPCエンジンソフト開発でいかんなくその手腕を発揮した。
このCD-ROMシステムにはADPCMが搭載されており、ゲームで生音を使うことが可能になった。またこのADPCMは当初、サンプリングレートの低さから音質が良いとは言えないものであったが、周波数成分を調整するためのホワイトノイズを意図的に加えるテクニックが開発されたことで、よりクリアな音声の出力が可能となった。
バックグラウンドリードの発見
コストの問題で64KBしかメモリを搭載出来ず、必然的にロード回数が多くなって初期ソフトのプレイ体験はあまり快適とは言えなかった(当然、開発も困難を極めた)。
その一方で、64KB搭載されたADPCMバッファ用メモリが、ADPCMを再生しないときはデータ置き場として使えるというテクニックがアルファシステムの佐々木社長により発見された。読み込むデータを指定すると、指定時に一瞬ゲームが止まるだけで、あとはゲームが動いたまま、自動的にADPCMバッファにデータを読み込み、絵の切り替えしたり、データの差し替えを行うことが可能になった。
ところが、ADPCMのメモリを高速にメインメモリやVRAMに転送するとデータ破壊が起こるという重大なバグが発覚してしまう。それでも、プログラムで対処すればメモリ破損は回避出来ることが分かり、メモリ破損を起こさずにADPCMを読み書き出来るルーチンがCDROM BIOSの開発者により制作された。もともと遅かったADPCMバッファがさらに遅くなってしまったが、それもメモリが64KB増える事実の前には問題ではなかった。
SUPER CD-ROM2システム登場
CD-ROM2システムの登場により、PCエンジンのソフト市場はHuCARDからCD-ROM2へと徐々に移行していった。1991年にSUPER CD-ROM2システムの登場ならびにHuCARDスロットとCD-ROMドライブの一体型であるPCエンジンDuoが発売されるに至ってこの流れは完全に決定的なものになり、「PCエンジンはCD-ROMのゲーム機」となった。
この時代はPCエンジン市場における円熟期であり、数々の移植タイトル・オリジナルタイトルを輩出した。
「天外魔境ZIRIA」の続編である「天外魔境II卍MARU」は、ハドソン自身も総力をあげて開発しただけあり、Super CD-ROM2初期の大作タイトルとして評価されている。前作を上回るボリュームのあるシナリオ(当時、クリアに最低50時間を要するRPGなどほとんど存在しなかった)、ビジュアル・サウンド面ともに強化された演出は、多くのユーザーを驚かせた。
「スナッチャー」は、PC-88SR/MSX2で発表されたアドベンチャーゲームの移植作である。メタルギアシリーズで有名な小島秀夫の作品。移植元に存在しなかったAct.3を追加して完全版として発表された。サイバーパンク世界を緻密に描いたビジュアル、ベテラン声優陣による音声、小島作品らしいお遊び要素も満載の魅力的な作品。やはり塩沢兼人がシナリオ上重要なキャラクターの声をあてている。
また、PCエンジンならではの個性的なタイトルも存在する。「超兄貴」は、ゲームシステムとしては平凡な横スクロールシューティングでありながら、ボディビルを前面に押し出した独特の世界観と、CD音質で聴ける葉山宏治の熱く奇妙なBGMが印象深く、固定ファンがついた。葉山宏治はこの作品が出世作となり、ゲーム音楽の作曲者として評価されるようになる。ちなみに、超兄貴のゲームサントラCDは、ゲームソフトよりも売れている。
「ギャルゲー」の誕生
当時からある評価の一つに「PCエンジンはギャルゲーハード」というものがある。ただし、今日で言うところの「ギャルゲー」いわゆる「恋愛シミュレーションゲーム」や「恋愛アドベンチャーゲーム」は、ジャンルとしてもゲームシステムとしても確立していなかった。
実際のところ、PCエンジンで発売されたゲームの多くは「ギャルゲー」というよりは「普通のゲーム」である。
しかし、前述の通りCD-ROM媒体によるゲーム開発が手探りだった状況下のもと、インパクトを与える演出としてお色気要素が好まれる傾向はあった。NEC-HEは任天堂ほど表現規制にうるさくなかったようで、現在の基準ではとうてい不可能な残虐表現(流血、人体欠損)・性表現(女の乳首の露出)がまかり通っていた。中には、海賊版として直裁な性表現を含むソフトウェアを開発して流通させる会社まであった。当時の評価で言うところの「ギャルゲーハード」とは、このような状況をさしたものである。
また、NECアベニューにより、アダルトゲームの移植がある時期から積極的に行われたのも事実である。PCエンジン市場が縮小するに従い美少女キャラクターに頼ったゲームが乱発され、親会社NECのPC-98シリーズの衰退を思い出させる状況になった。
当時NECアベニューでプロデューサーを務めた多部田俊雄氏曰く、アダルトゲームの移植第一弾として「ドラゴンナイトII」を開発していた際は、会社内で上司に猛反対されたり、NECホームエレクトロニクスに呼び出されて叱責されたりした(会社側に無断で広報活動をしたのも原因だそう)という。当時のNECアベニュー社長が「アダルトゲームだって娯楽作品には違いない。NECアベニューは広く娯楽ソフトを手がける会社だ」と説得し、発売にこぎつけることが出来たそうだ。ドラゴンナイトIIのヒットを皮切りに、「同級生」「卒業」などの移植作がNECアベニューから発売された。
PCエンジンがその歴史を通してギャルゲーハードであったかどうかはともかく、「ギャルゲー」を生み出したのは事実である。既にPCエンジン市場が冷え切っていた1994年に発売されたコナミの「ときめきメモリアル」は、恋愛シミュレーションのひな形となるシステムを完成させたと言ってよい。岩崎啓眞が雑誌やパソコン通信で大絶賛、口コミで評判が伝わり、再販に再販を重ねてPCエンジンの最後の大ヒット作となった。
「フラグ立て」の作業は、主人公の能力育成コマンド・女性とのイベントによる好感度の調整によって行う必要があり、『爆弾処理』と呼ばれる複数の女性との関係調整に悩んだプレイヤーも多かった。「スナッチャー」から大幅に進化したグラフィック、大量に用意された質の高いBGMなども評価された。
PCエンジンの終焉とその後
PCエンジンの後継機として1994年末にPC-FXが発売された。しかし、PCエンジンとのソフト互換性がなく(同じCD-ROM機ということもあり、期待したユーザーもいた)、当時の潮流であった3Dポリゴンを扱うことができないハード設計、PCエンジン晩期の流れを誤解した販売戦略(何とコミックマーケットに企業ブース出展した)、さらにハードウェア普及の牽引役として期待された「天外魔境III NAMIDA」の発売も遅れ、ほとんど話題にならないままにゲーム市場から消えていった。
これを最後に、NEC-HEは家庭用ゲームハードからは撤退。PC-FXの失敗による業績悪化もあり、2001年に解散となる。NEC-HE側のPCエンジン関連の著作権や商標に関しては親会社のNECが引き継いだのち、2006年に分社設立したNECビックローブ(その後投資ファンドへの売却を経てKDDI子会社となったビッグローブ)が所持している。
なお、PCエンジンの立ち上げよりハード・ソフト面で貢献したハドソンは2005年4月にコナミ株式会社の子会社となった後、2012年3月1日にコナミデジタルエンタテインメントに吸収され消滅した(PCエンジン関係も含むハドソンの諸権利も継承)。その為か、ニンテンドー3DSのPCエンジンのバーチャルコンソールタイトルをメインメニューで選択する際の効果音がPCエンジンのコナミタイトルで使われた旧コナミロゴのデモのSEとなっている。
2019年6月12日、昨今の復刻版ゲーム機ブームの流れに乗る形で、コナミデジタルエンタテインメントが「PCエンジン mini」の開発・発売を発表。日本仕様は白エンジンモデルで「イース I・II」「スーパースターソルジャー」「THE 功夫」「PC原人」「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」「ダンジョンエクスプローラー」の収録を予定。その後7月12日に発売日を2020年3月19日、価格を10,500円(税抜)と発表した。全収録タイトルは50本。日本版ゲーム26本と英語版ゲーム24本が収録(公式サイト)。前述の事情により、コナミデジタルエンタテインメントからの発売となる。
2019年8月8日、コナミは天外魔境II等の追加収録タイトル8本を発表。収録タイトルの総数は58本(日本版34本、英語版24本)に変更された。※日本版ゲームと英語版ゲームでは一部重複あり。
また、天外魔境IIとときめきメモリアルは日本仕様の「PCエンジン mini」のみの収録となり、欧州向けの「PC Engine CoreGrafx mini」、北米向けの「TurboGrafx-16 mini」には代わりとして沙羅曼蛇が収録される。
現時点でPCエンジンのゲームを楽しむ方法
手元に稼働するPCエンジンのハード・ソフトがある人は特に問題ないが、何らかの理由でいずれかを手放した、もしくは故障などの理由で遊べない場合、以下の方法がある。
- 中古屋でPCエンジンのハードウェア・ソフトウェアを購入する
- WiiやWiiU、3DSのバーチャルコンソールを利用する
- PLAYSTATION Storeのゲームアーカイブス(PCエンジンアーカイブス)を利用する
- ProjectEGGを利用する
- PCエンジン miniを利用する
過去にはドリームキャストのドリームライブラリでもソフトウェアが配信された。
ハードウェア・周辺機器一覧
NEC-HEは、PCエンジンにさまざまな拡張性を持たせ、ゲーム機以外の機能もつけようとした。これをPCエンジンを核とする「コア構想」と呼び、家電製品専門でありハードウェアメーカーらしい発想と言えよう。
商品名 | 発売時期 | 標準 小売価格 |
備考 |
---|---|---|---|
PCエンジン | 1987年10月 | 24,800円 | 初代PCエンジンで通称「白エンジン」。ファミコンのRFユニットとACアダプタがそのまま使え、「ファミコンからの置き換え」を意識した販売戦略をとっていた。周辺機器を追加することでAV出力も可能となる。 |
X1 twin | 1987年12月 | 99,800円 | SHARPのパソコンX1シリーズに、PCエンジンのシステム(HE-SYSTEM)を内蔵させたもの。両者は電源以外に共有している部分はなく、映像はビデオ出力となっている。 |
PC-KD863G | 1988年9月 | 138,000円 | 15インチカラーCRTディスプレイに、PCエンジン(HE-SYSTEM)を内蔵させたもの。HuCARDのみではあるが、PCエンジンのソフトウェアを唯一RGB出力できるハードウェア。 |
CD-ROM2 | 1988年12月 | 57,300円 | 世界初のCD-ROMメディアを利用したゲーム機だが、単体でゲームが出来るわけではない。PCエンジン本体とインターフェースユニットが必要。音楽CDプレイヤーとしては単独で使用可能。白エンジンは当機と合体することでAV出力が可能となった。「システムカード」が付属しており、これをPCエンジン本体に差すことでCD-ROM2システムが起動する。なお、システムカードにはいくつかのバージョン違いが存在しており、単体売りもされた。 |
PCエンジン シャトル |
1989年11月 | 18,800円 | 拡張バスを省き、PCエンジンの廉価版として発売された。CD-ROM2システムを増設できない代わり、価格は安めに設定。デザインも円形の変わったものだが、CD-ROM2の躍進により普及せず。地味に天の声2が使えないという弱点もある(専用セーブユニットも発売)。 |
PCエンジン コアグラフィックス |
1989年12月 | 24,800円 | PCエンジンのマイナーチェンジ版。AV出力が可能となり、連射パットが付属するようになった。 |
PCエンジン スーパーグラフィックス |
1989年12月 | 39,800円 | PCエンジンのグラフィック性能を強化したハードウェア。BGが二枚使えるようになり、スプライトも二倍使えるようになった。メインメモリが4倍、VRAMが2倍に増強されており、製造原価を考えれば高価な本体価格も妥当ではあったが、そんな事情ゲームキッズには理解出来るはずもなかった。 アーケードゲームの移植を目的としたのだと思われるが、専用ソフト5本・両対応ソフト1本という結果に終わる。 |
PCエンジンGT | 1990年12月 | 44,800円 | PCエンジン唯一の携帯ゲーム機で、HuCARDをプレイできる。据え置き機のゲーム機と互換性を持つ珍しい携帯ゲーム機。2.6インチのカラーのTFT液晶画面は綺麗ではあったが、テレビ画面でのプレイを前提としたソフトウェアを遊ぶのはつらいものがあった(特に白色以外で表示された文字が潰れやすかった)。さらに重量もあり、電池切れも早かったため携帯には向かない仕様だった。しかし、GTのみで対戦可能な「コラムス」など、GTを意識したソフトも多少は存在した。テレビチューナーユニットを別売。 |
PCエンジン コアグラフィックスII |
1991年6月 | 19,800円 | PCエンジンコアグラフィックスのマイナーチェンジ版。定価が五千円下がっているが、コアグラと中身は一緒である(コアグラの時点で十分に集積化されていたため)。 |
PCエンジンDuo | 1991年9月 | 59,800円 | PCエンジンとSUPER CD-ROM2システムの一体型ハードウェア。上記の通り、元々この状態での発売がNECの理想であった。CD-ROM機としてPCエンジンを知ったユーザのエントリーモデルとして普及した。 |
PCエンジンLT | 1991年12月 | 99,800円 | ディスプレイとゲーム機の一体型マシン。ディスプレイは4インチTFT液晶。本体側はパットと一体型になっている。ノートパソコンのように2つ折りにできる。PCエンジンGTでは別売りだったテレビチューナーを内蔵している。コンパクトな構造ではあるがバッテリーはなく、携帯ゲーム機として考えられたものではない。CD-ROM2が使用可能、コントローラが外付け可能などPCEGTの欠点を克服しているが、本体定価が(ry |
SUPER CD-ROM2 | 1991年12月 | 47,800円 | PCエンジン本体がSUPER CD-ROM2システムのゲームをプレイするために必要な周辺機器。旧システムで必須だったインターフェースユニットを内蔵しており、そのままでは旧システムと合体出来ないPCESG、PCELTとも直接合体が可能となった。システムカードは本体に内蔵済みである。従来のCD-ROM2を既に持っているユーザはシステムカードのバージョンアップ(ver.3.0)という形で対応すればよく、改めてこのハードを買う必要はなかった。 |
PCエンジンDuo-R | 1993年3月 | 39,800円 | PCエンジンDuoの廉価版。ヘッドフォン端子・バッテリーパック端子が廃止された。 |
レーザーアクティブ | 1993年8月 | 89,800円 | Pioneerのレーザーディスクプレイヤー。オプションの「PC Engine Pack」を組み込む事でPCエンジンのゲームがプレイできた。 |
PC Engine Pack | 1993年8月 | 39,800円 | Pioneerから発売。上段、レーザーアクティブのオプションユニット。 |
アーケードカード | 1994年3月 | 17,800円 (PRO) 12,800円 (DUO) |
CD-ROMシステムの更なる強化を図ったシステムカード。CD-ROM2システム所持の場合はPRO、SUPER CD-ROM2システム所持の場合はDUOが必要となる。使用できるメモリが格段に増えており、当時人気を博していた対戦格闘ゲームの移植を狙ったもの。専用ソフトよりは対応ソフトのほうが多い。対応ソフトの多くでは、アーケードカードを差すことにより読み込みのキャッシュが確保され、劇的にロード時間が減る。発売時期の遅れと価格設定から普及しなかった。 |
PCエンジンDuo-RX | 1994年6月 | 29,800円 | PCエンジンDuo、Duo-Rの廉価版。内蔵パットが6ボタンになった(PC-FXのものとデザインが酷似している)以外の違いは無いように見えるが、実はCD-ROMドライブの読み取り精度が上がっているため、DUO-Rよりも若干読み込み時間が短い。 |
PCエンジン mini | 2020年3月 | 10,500円 | PCエンジンの復刻版。コンパクトなサイズの本体に、当時のPCエンジン向けゲーム34本と海外版のTurboGrafx-16向けに発売された英語版ゲーム24本を収録。HDMI出力やカンタンセーブ機能にも対応。別売りのマルチタップを接続すれば5人同時プレイも可能。 国内向けのPCエンジン mini、欧州向けのPC Engine CoreGrafx mini、北米向けのTurboGrafx-16 miniの3種類が発売。 ※既存のHuCARDやCD-ROMソフトを利用することはできない。 |
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バーチャルコンソールでPCエンジンのゲームをプレイする場合、クラシックコントローラまたはゲームキューブコントローラがあった方が便利である。また、ソフトの購入にはWiiポイントが必要である。
関連項目
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