マッドマックス(MAD MAX)とは、オーストラリアで制作されているアクション映画シリーズである。
概要
荒廃した近未来を舞台に、元警官のマックスが、暴走族などの様々な敵を相手に、凄まじい戦いとカーチェイスを繰り広げながら生き延びていくという物語で、70~80年代にかけて『マッドマックス』『マッドマックス2』『マッドマックス/サンダードーム』の3作が制作され、いわゆる「世紀末」世界観を確立し、様々な創作ジャンルへ大きな影響を与えたほか、主演を務めたメル・ギブソンをスターへと押し上げた。
第1作こそ、治安が著しく悪化した未来のどこかの都市が舞台だったが、第2作以降は、核戦争によって荒廃した、見渡す限り砂漠と道路しかない世界が舞台となっており、宇宙進出などと言った、近代文明が順調に進化を果たした華やかな世界という従来の「近未来」像を根底から覆す殺伐とした描写が世界に衝撃を与えた。
監督はシリーズを通して『ベイブ』『ハッピーフィート』等を手掛けたジョージ・ミラーが務めている。
2015年に『サンダードーム』から30年の時を超えて第4作『怒りのデス・ロード』が公開された。ギブソンに代わって新たにトム・ハーディをマックス役に据えて、今作を含めた新たな3部作が製作されていく予定になっている。
2024年6月現在の最新作は、『怒りのデス・ロード』のスピンオフ前日譚映画『マッドマックス:フュリオサ』。2024年5月31日に日米同時公開。[1]
また、ジョージ・ミラーは本編の新作となる「Mad Max: The Wasteland」の製作も準備中。
マックス・ロカタンスキー
本作の主人公。フルネームは「マクシミリアン・ロカタンスキー」。
元は、暴走族対策部隊「M.P.F」に所属し、数多くの暴走族を鎮圧・逮捕してきた有能な男。
寡黙な性格だが、妻・ジェシーと息子・スプローグへの愛情は深く、家族3人で穏やかに暮らしていた。
トーカッター率いる暴走族に家族を殺されてからは、心を閉ざして復讐鬼と化す。むしろ復讐を遂げた後でさえその心が晴れることはなく、核戦争後の世界で孤独な旅を続けている。
基本的に、敵だろうが味方だろうが他人を助けることはなく、燃料や食料の確保だけを第一目的とする利己的な男となってしまっている。
だが、暴力に抗って生き延びようとしている者には手を貸すことがあり、第2作では壮絶なカーチェイスの最中にも子供(フェラル・キッド)を助けようとするなど、善人としての一面はまだ持ち合わせている様子。手を貸した人々が勝利をつかんだ後は、彼らに着いていくことなくひっそりと姿を消してしまう。
愛車は、後述するとおり、スーパーチャージャーを搭載したV8インターセプター。
警官時代の革のジャケットをボロボロになっても着続けており、胸元を大きく開けた着こなしは彼のトレードマーク。『北斗の拳』のケンシロウなどはこのスタイルをほぼそのまま取り入れている。第2作以降はソードオフショットガンを携行しているが、何分ろくに弾薬も手に入らない時代であるため、ただのこけおどしと化している。
インターセプター
マッドマックスシリーズの象徴とも言うべき、改造パトカー。警察時代、いつ辞めるとも言い出しかねなくなったマックスの為に上司が特別に用意した1台で、M.P.F本部から盗み出して以来、彼の愛車となっている。
ベースとなっているのは、フォード・XBファルコン。フォード・オーストラリアが生産しているオーストラリア独自モデルである。ボンネットから大きく飛び出したスーパーチャージャーに、グリルレスになったエアダムと、角目が特徴。第2作ではリア部分に巨大なガソリンタンクを備え、エアダムが半分無くなっている。全体的にボロボロになり、内装もはがれている。
「最後」のV8エンジンを搭載し、600馬力・トルク80kgというスペックを実現した怪物マシンで、数多くのカーチェイスを潜り抜けてきた。スーパーチャージャーを発動させてからの加速は凄まじく、第2作冒頭では暴走族の車を跳ね除けている。また、第2作以降は自爆装置が備えられている。
ちなみに、一般的にインターセプターとして知られているのはこの黒の2ドアクーペだが、第1作の冒頭に、同じくフォード・XBファルコンをベースとした4ドアセダンが登場している。
各作品のあらすじ・登場人物
マッドマックス
近未来。
治安が悪化し続けている、どこかの都市。
暴走族対策部隊「M.P.F」に所属していたマックス・ロカタンスキーは、ある事件をきっかけに、トーカッター率いる暴走族の報復を受け、親友と愛する子を喪い、妻も重体となってしまう。
復讐鬼と化したマックスは、改造パトカー「インターセプター」を駆り、暴走族へ冷酷な復讐を開始する。
- マックス・ロカタンスキー
妻・ジェシーと幼い息子・スプローグと共に海辺の家で暮らしている。寡黙な性格であるが、暴走族を数多く退治するなど非常に有能な警察官である。暴走族に妻子を殺され、復讐の鬼と化す。 - ジェシー・ロカタンスキー
マックスの妻。マックスの事を常に気に掛け、「Crazy'bout(「あなたに夢中」)」というように愛情を惜しみなく注ぐ。静養先でトーカッター一味と鉢合わせしてしまい、バイクで轢かれ、足などを切断し内臓にもダメージを追う。
今作の時点では「峠を越した」という描写があったものの、第2作冒頭でマックスの前に2つの墓標があることから、この後亡くなったと考えられる。 - ジム・グース
マックスの親友で、同じくM.F.Pに所属する。カスタマイズされたカワサキZ1000に乗って職務に就く。寡黙なマックスと対をなす陽気な性格で、犯罪者が釈放されると聞いて激昂するといった一面も持つ。
トーカッター一派によって、ブレーキに細工をされ転倒。トラックで運ばれていたところを再び襲撃され、生きたまま車を焼かれると言う残忍な復讐を受け、全身やけどを負い、その後死亡した。 - フィフ隊長
M.P.Fの隊長で、坊主頭とひげが特徴の大男。資料によっては「フィフィ」と表記される事もある。マックスに全幅の信頼を寄せており、「この時代にはヒーローが必要だ」と言った。そしてインターセプターを発注させた本人でもある。 - ループ
M.P.Fの隊員で小太りの隊員。口が悪く、任務中に出刃亀をする具合に総じて勤務態度は不良である。運転も荒く、かなりの被害を出している。彼のマシーンのコールサインは「ビッグ・ボッパー」である。 - チャーリー
M.P.Fの隊員でループの相棒。やたらループに振り回され、彼の事故によって喉を負傷し、以降は人工声帯を余儀なくされる。 - トーカッター
暴走族のリーダー。マックスの追跡を受けて死亡したナイトライダーのかたき討ちの為に、執拗にマックスに付きまとい、彼の周りの人間へ残忍な報復をし、怒りを買う。
最期はカーチェイスの末にトレーラーに衝突して死亡した。死の直前に大きく目を剥くカットが印象的。演じた故ヒュー・キース・バーンは怒りのデスロードでもイモータンジョー役としてマッドマックスの2作に登場している - ババ・ザネッティ
トーカッターの右腕。寡黙な性格である。マックスとの一騎打ちで、足と右腕を怪我をさせながらもマックスにとどめを刺そうとして、逆に撃ち殺されてしまう。 - ジョニー・ザ・ボーイ
トーカッターの手下。気弱なヤク中でトーカッター一派らとカップルを襲撃した後にキメてた所をマックスらに逮捕されるが、証拠不十分で釈放される。その後、トーカッターにはっぱをかけられ、グース殺害に加担する。その事がマックスの怒りを買い、ラストで爆殺される。気弱ゆえにトーカッターに逆らえずにグースを殺害したら、マックスにグースがやられたような手段で処刑されるなど、結構不憫なキャラ。
- ナイトライダー
トーカッターの手下。全ての元凶。夜空を見るたびに思い出すべき人物。
マッドマックス2
前作の後、世界規模の大戦争が勃発。
文明が崩壊し、どこまでも砂漠だけが広がる廃墟と化した世界で、人々は資源――特に石油をめぐって、不毛な争いを繰り広げ続けていた。
妻子を殺され心を閉ざしたマックスは、インターセプターに乗って孤独な旅を続けていたが、小さな石油精製所を作って必死に生きるある村の人々と出会い、彼に協力することになる。
共に暴走族と戦ううち、彼は徐々に心境を変えていく。
前作との共通項がマックスとインターセプターしかなく、マックスの過去についても僅かに冒頭でさらっと触れられている程度となっており、前作を見ていなくても問題なく楽しめる。前作とは独立した世界ではないかと解釈しているファンもいるほどである。
前作がそれほど浸透していない地域(アメリカなど)では、副題である「The Road Warrior」がメインタイトルになっている。
- マックス・ロカタンスキー
前作以来、生ける死人のごとく、特にあてもなくインターセプターで荒野を疾走する日々を送っている。
妻子を殺されたショックからか意固地な性格となっており、ガソリンの確保を最優先し、それ以外の事に一切関知しないなど非常に利己的な男と化している。
しかし、村の人々やジャイロ・キャプテンとの交流を通じて、徐々にその性格を軟化させる。 - ジャイロ・キャプテン
オートジャイロを駆る男。マックスと同様、一人で旅をしていたようだが、彼とは対照的に小ざかしいお調子者といった性格。冒頭でマックスに不意打ちを仕掛けるも返り討ちに遭い、以降散々こきつかわれる。
しかし、負傷したマックスを助け出したり、終盤のカーチェイスで助太刀に現れてヒューマンガス様に一太刀浴びせるなど、やるときはやる男でもある。
石油精製所の娘に惚れこみ、マックス同様彼らに協力する。その後、パパガッロ亡き後の共同体のリーダーとなる。 - パパガッロ
砂漠の真ん中で石油精製所を作り上げて生活しているある共同体のリーダー。
はるか北にあるという「太陽の楽園」へたどり着き平和を手に入れるという目標に命を燃やしており、ヒューマンガス様率いる暴走族には徹底抗戦の構えを見せる。
たまたま転がり込んできたマックスにトラックの運転を任せようとするなどかなり図々しく、村の他の面々の意見を押し切ろうとするなど独善的なところもある。しかし強かな男で、暴走族の魔の手から逃れるために狡猾な作戦を組む。
(以下ネタバレ)
トレーラーを使って、石油運搬をマックスに一任し、ヒューマンガス様一味と対峙する。ある程度雌雄を決した段階でフェラル・キッドを誘うも、ヒューマンガス様のトライデントをくらって即死した。そして実はガソリンはトレーラーにはなく(砂を敷き詰めていた)、共同体が避難に使ったバスの中に積んでいたのであった。 - フェラル・キッド
石油精製所の子供。言葉を一切話せない野生児で、ブーメランが武器。黙々と戦い暴走族を蹴散らしていくマックスの姿に憧れており、終盤のカーチェイスにも勝手に同行する。
(以下ネタバレ)
冒頭とラストのナレーションは、長い年月を経て成長し言葉を覚えた、未来の彼によるものであり、『マッドマックス2』は彼の回想記であったことがラストで判明する。
年老いた彼は、マックスとはとうとう再会できないままであるものの、ジャイロ・キャプテンの後に北部民の新たなリーダーを無事に勤め上げた様子。このことから、マッドマックスの世界は、将来的にある程度の秩序を取り戻すことがわかる。 - ヒューマンガス様
砂漠の暴走族を率いるカリスマにして、ロックンローラーのアヤトラ。
ジェイソンじみたホッケーマスクに、逞しい肉体をボンデージファッションで引き締めた姿は、異様な姿ばかりの暴走族の中でも一際強いカリスマ性と、マックスが霞みかねない強烈な存在感を放つ。
非常で冷徹な男で、「ガソリンを独占するなんて勝手すぎる」という驚異の理論で石油の明け渡しを迫る。しかし、暴力が支配する荒野の中で、建前であってもまずは話し合いを提案するなど意外にも紳士的な対応に定評がある。愛銃のケースの中に家族らしい写真を大事にしまっていたり、ウェズに「愛する者を失った悲しみはわかる」と言葉をかけるなど、単なる粗暴な男ではない。
スコープ付きの44マグナムを武器としている。その銃の箱には軍服の男性とその妻と思われる写真があり、また勲章があることから大戦前は軍に属してたと考えられる(時代がかったモノクロ写真から、あるいは彼の両親か?)大柄なウェズをチョークスリーパーで鎮圧したり、カーチェイスの最中に三又のアンカーを投げつけて敵を仕留めたりと、その戦闘力は圧巻。
なお、言語版では「The lord humungus」と言われるように敬称で呼ばれてので、本文中にもあるとおり、日本のファンの間では「ヒューマンガス様」と言われる。 - ウェズ
ヒューマンガスの右腕。モヒカンにレザーアーマーにバイクという、『北斗の拳』のルーツを一人で担っているかのような男。
冷静なヒューマンガス様に比べるとまさに「ヒャッハー」そのもので血の気が多く、ヒューマンガス様自身もウェズに手を焼いている。胸や腹を扇情的に露出した美少年ゴールデンユースを連れており、彼をフェラルキッドに殺されたことで復讐に燃える。
腕に取り付けたボウガンと、危険を顧みないアクションが持ち味。疾走するトレーラーに取り付き、運転席の屋根の上からマックスめがけてフレイルを振り下ろす姿は最高にマッド。
ちなみに演じたヴァーノン・ウェルズはこの作品のブレイクで一気にその知名度をあげ、3年後にはあの『コマンドー』でベネットを熱演している。ウェズを含めてその筋の人々からカルト的な人気をほしいままにしている。 - ゴールデンユース
ウェズがバイクの後部座席に連れている、金髪の美青年。無口でセリフは無い。フェラル・キッドの投げたブーメランを頭部に喰らって死亡、ウェズの激しい怒りを買った。
多くの観客に彼はウェズと恋人のような関係だと考えられていたが、後にバーノン・ウェルズがインタビューにおいて、両親を失ったところウェズに助けられた、義理の息子のような存在だと明かした。 - トーディー
ヒューマンガス様の演説の前に高らかにヒューマンガス様の紹介をした小太りの手下。フェラル・キッドのブーメラン(おそらく鉄製)を受け取ろうとして指を4本失う。物語中盤、共同体を抜けたマックスのインターセプターをウェズが襲撃して、破壊した際にガソリンを強奪しようとした際にインターセプターに仕掛けられていた自爆装置の爆破の巻き添えを食って死亡。
マッドマックス2に出てきたマシーン
前作の10倍の予算が出てきたといえど、その多くはマシーンに費やされたとされる
- インターセプター
前作に引き続き登場したマシンでスーパーチャージャーは健在。全体的にやれており、エアダムも大きく変化、パトカーの証である回転灯もなく、リアには数百リットルは入ろう非常に大きなガソリンタンクを2つ備える。序盤に前面をぶつけているため、ヘッドランプむき出しの状態となっている。物語中盤でウェズの襲撃によって大破、供えられた自爆装置で木っ端みじんになった。なお、自爆装置付近には万が一の襲撃に備えて、武器が供えられている - マックR-600
登場自体は序盤であるが、中盤から終盤にかけてはこれがマックスのマシンとなる。襲撃を受けて死亡した、腐乱の進んだ運転手の遺体が衝撃的である。パパガッロの計画実行に際して、これが必要となった為にマックスがこれを取得、ヒューマンガス様一味の襲撃で重故障を負いながらも修理をし、これで一味と対峙した。 - ヒューマンガス様のマシーン
6輪の自動車で、V8エンジンの音がするのでV8エンジン搭載と考えられる。NOSを搭載し、これによって強烈な加速を実現する。先頭には共同体を抜け出した人間2人を人質のような格好で縛っている。この二人は終盤まで健在であったが、マックスがウェズを振り落とす際に急ブレーキをかけた時に衝突して即死したと思われる。この後、マックスのトラックと激しい衝突をする。 - ヒューマンガス様一味の車
フォルクスワーゲンビートルをベースとしたバギーや現地メーカーのホールデンやフォードの車をベースとした車が多い。回転灯など戦争前はパトカーだったのでは?と思えるものも存在する。
マッドマックス・サンダードーム
1985年公開の完結編。
大御所歌手のティナ・ターナーをラスボス役に迎える等、よりハリウッドスタイルな内容で、マックスが英雄として描かれている。が、インターセプターが登場しない事、カーチェイスが終盤にしかない事など、シリーズの醍醐味とも言うべき要素がめっきり薄められてしまったため、評価は芳しくない。第2作が良すぎたんや。
- マックス・ロカタンスキー
前作で失った為インターセプターは登場しない。相棒は犬から猿になった。
いろいろあってバータータウンと呼ばれる物々交換で成り立つ街にたどり着く。
いろいろあって街の支配者アウンティからブラスターの処分を依頼されてサンダードームで戦う。
いろいろあって砂漠に放逐されて死にかけていたところを、原始生活を営む子供だけの集団も助けられ、彼らの中で伝説となっているキャプテン・ウォーカーだと思い込まれてしまう。
いろいろあってトゥモローランドと子供達が呼んでいる場所を目指してオアシスを出た少年少女を救い、バータータウンでマスターを拉致ってトゥモローランドを目指す。 - アウンティ・エンティティ
ティナ・ターナー演じる本作のボスキャラにして、バータータウンの支配者。55kgにもなる鉄のドレスを着ている。
バータータウンの電源であるアンダーグラウンドを牛耳る技術者のマスターが増長して疎ましくなったが、身内争いだといろいろあると考えて、マックスにマスターの相方のブラスター抹殺を依頼する。
いろいろあって、マックスにマスターを拉致られた為、部下を率いてマックス達を追う。
現在のところ、各作品のボスキャラの中では唯一生存して終わる。まぁ演じる人が大御所すぎてさすがに殺せるわけがない。 - マスター
アンダーグラウンドと呼ばれるバータータウンの地下で、豚の排泄物を使用した発電等のエネルギー供給を管理・運営している小人の技術者。普段は相方のブラスターの背中の籠に載って移動する。
バータータウンの重要施設を手中に収めた事から増長してしまい、結果、ブラスターを失う。
その後は、アンダーグラウンドで囚人同然の扱いをうけていたが、トゥモローランドを目指すマックスと子供達に拉致られて、共にトゥモローランドを目指す。その際、汚い衣服から小奇麗な背広に着替えていた。 - ブラスター
マスターの相方で、マスターの指示通りに動くサンダードームは無敗を誇るマッチョマン。
顔全体を覆うマスクをしているが・・・
サンダードームでマックスと戦って敗れた後、アウンティの部下に処刑される。 - アイアンバー
今作のウェズ枠。背中に人形の頭をつけた棒を背負っている。
アウンティが大御所すぎて殺せないせいか、いわゆるラスボスの最期枠はこいつが担当している。 - サバンナ・ニックス
砂漠で死にかけていたマックスを、伝説のキャプテン・ウォーカーだと思って助けた少女。
オアシスの外に出てトゥモローランドを目指す。ある意味今作のフェラルキッド枠。 - スクルールース
子供だけのオアシスで生活していた少年。マックスやサバンナと共にトゥモローランドを目指す。
全身にほどこしている化粧は、完全に4作目のウォー・ボーイズですありがとうございました。 - ビッグキラー
豚を殺した罪でバータータウンのアンダーグラウンドで強制労働させられていたところでマックスと知り合う。
砂漠に放逐されたマックスに相棒の猿に水を持たせた送りだしたり、マスターを拉致してトゥモローランドを目指す際は、機関車の運転を担当するも、アウンティの手下により途中で重傷を負う。 - ジェデダイア
息子と共に小型飛行機を駆り、物語冒頭でマックスから持ち物その他を奪い、マックスがバータータウンに行くきっかけを作った人物。
なぜか前作のジャイロ・キャプテン役のブルース・スペンスが再登板してこの役を演じている。単なるジャイロ・キャプテンのオマージュなチョイ役かと思いきや、終盤に重要な役目を果たす。
マッドマックス 怒りのデス・ロード
2015年公開。
砂漠を旅していたマックスは、イモータンジョー率いるウォーボーイズの襲撃を受け拉致される。ジョーの軍団は、汚染されていない貴重な地下水脈を掌握し、強大な砦=「シタデル」を築いていた。
その中で大将軍を務める女傑フュリオサは、ジョーの子供を生むために軟禁されていた女性達を連れて「緑の地」へ向かう脱出作戦を決行する。いろいろあって彼女達に同行することになったマックスは、ウォーボーイズの一人ニュークスも連れて、イモータンジョーの軍団からひたすら逃げ続けていく。
本来は2005年ごろに公開予定だったが、イラク戦争など諸々の事情により10年も遅れたと言う難産な作品。遅延が繰り返されるうちにメル・ギブソンも降板してしまった。
当初は第1作と第2作の間の物語になる予定だった。その構想によれば、イモータンジョーはトーカッターの成れの果てであり、リクタスは年月を経てヒューマンガス様と化すキャラクターだったらしい。
2016年度のアカデミー賞では並居る作品を差し置いて8部門ノミネート。そのうち衣装デザイン賞、美術賞、メイク・ヘアスタイリング賞、編集賞、音響編集賞、録音賞の6部門と、本年度最多受賞数を叩き出した。
- マックス・ロカタンスキー
本作の主人公。同じ名前であるが過去3作と明確な繋がりは示されていない。かつて救えなかった命の幻影に苛まれながら荒野を一人彷徨う中、ウォー・ボーイズに拉致され、「輸血袋」として拘束され、インターセプターも奪われる。ウォーボーイズの出撃に乗じて脱出、フュリオサたちと衝突しながらも利害の一致―生きるために彼女らに協力する。
今作から俳優がトム・ハーディに交代している。
監督のジョージ・ミラーは「メル・ギブソンは年齢的に3部作をこなせないかもしれないから」とギブソンの降板理由を説明し、ギブソンは「公開が遅れているうちに興味がなくなってしまった」と話しているが、ギブソンのマッド過ぎる私生活が少なからず影響していると思われる。 - フュリオサ
ウォー・ボーイズの大隊長。幼いころにイモータン・ジョーに拉致され、子産み女として監禁されていたが、その後ウォー・ボーイズに入隊、大隊長の地位に上り詰める。イモータン・ジョーへの反感は失われておらず、5人の子産み女たちを連れて脱走、故郷である緑の大地を目指す。 - イモータン・ジョー
荒廃した世界で、地下水の得られる土地を手に入れ砦(シタデル)を支配する独裁者。
物資の独占に加え、自らを救世主として(そして自動車やV8エンジンをも)崇めさせるカルト宗教を築き上げシタデルの人々を支配している。フュリオサの脱走を察知した彼は、他の街の支配者である武器将軍、人喰い男爵とともに追撃を開始する。 - ニュークス
イモータン・ジョーの私設部隊「ウォー・ボーイズ」の一人。ウォー・ボーイズたちはイモータン・ジョーとV8エンジンを崇めており、名誉ある死を遂げてイモータンに英雄の館へ導かれることを理想としている。彼らは放射能汚染の影響で短命であり、特にニュークスは「ハイオク血液」を必要とするほどに病魔に蝕まれている。フュリオサ追撃にニュークスも輸血袋=マックスを連れて出撃するが…… - 子産み女
イモータン・ジョーは自らの子孫を残すため、若い女たちを子産み女として監禁し、用済みになったら乳牛のようにミルクを生産する家畜として支配している。臨月のスプレンディド、リーダー格のゾーイ、赤毛のケイパブル、気弱なフラジール、陽気なザ・ダグの5人はフュリオサとともにシタデルを脱走する。
マッドマックス フュリオサ
2024年公開。
前作『怒りのデス・ロード』で登場したフュリオサの若き日の姿を描く前日譚作品。
暴君ディメンタス将軍に拉致され、家族や故郷を奪われたフュリオサは、イモータン・ジョーとの戦いに巻き込まれ、狂気の世界と対峙することになる。
影響を受けた作品など
マッドマックスシリーズの描写はどれをとっても、その当時は斬新であり、特に2作目の世界観はあちこちに亜流を生み出したほどである。その影響を受けた作品を紹介したい。太字は主にマッドマックス2からの影響を指す。
- 北斗の拳
いわずとしれた日本の漫画で、文明崩壊後の暴力が支配する世界観、ケンシロウのファッション、ヒャッハーな雑魚キャラの姿などはマッドマックス2を下敷きにしている事には疑いの余地はない。この作品は数あるマッドマックスの亜流の中でも特に高い知名度を誇っている。なお、マッドマックス2では石油が枯渇していたのだが、北斗の拳では逆に石油は豊富に存在し、むしろ不足しているのは水である。ジャッカルが第1作目のトーカッターとダブるのは気のせいだろうか。 - ザ・ロードウォーリアーズ
アメリカのプロレスのタッグチームでマッドマックス2の現地名である「ロードウォーリアー」をそのまま名前にした。その世界観を踏襲し、姿はあれくれものをイメージした。面白い事に北斗の拳はこのザ・ロードウォーリアーズをハーン兄弟として出演させている。 - 西部警察PART3・16話「大門軍団フォーメーション」
西部警察のマシン軍団であるRS-1・2・3の初登場の話であるが、大将のガールフレンドがバイクで殺される描写、「皇帝」とその部下の姿、皇帝の部下がダンプカーで死ぬ描写など、マッドマックス第1作目のシーンをオマージュしている。
このほかいろいろあるが、特に知名度の高いものをあげた。
逸話
- 第一作目に出てきた暴走族は一部キャストに本職を起用していたのは有名な話である。なお、よく言われるような死亡者が出たというのは都市伝説の模様で、実際に死亡者が出たというのは出演者によって否定されている。そもそも、死亡者が出た場合、何らかの形で新聞などに載るはずである。この時代は誇大広告的な表現に対してはおおらかな時代であった事も要因の一つである。
- 第一作目は低予算で知られているが、その中でも一番予算を掛けたのがあのインターセプターである。
- グースの乗るZ1000のエンジンサウンドは実際に再現しようにも再現が出来ないエンジン音である。
- かつて、日本国内で発売されていたDVDは英語・字幕版のみだったが、このDVDはアメリカ英語版とオーストラリア英語版の二つが含まれている。これはオーストラリア英語の語彙や発音が独特である為である。なお、テレビ放映では吹き替え版が放映されており、長らく販売されていなかったのだが近年販売されているようだ。
- 1作目におけるテーマに暴走族問題があるが、オーストラリアにおける暴走族は日本的な珍走団のような生やさしいものではなく、いわゆるアメリカにおけるヘルズ・エンジェルスのような、もっとたちの悪い薬物・殺人・強盗といったアウトローやギャングに近い存在である。
- マッドマックス2の初期構想ではヒューマンガス様の正体はマックスの親友であるジム・グースとされていた。グースはトーカッター一味の襲撃で全身やけどを負い、ホッケーマスクも焼けただれた顔を隠すためとか、頭髪を失った頭部もその火傷によるものとされていた。グースは死亡しているため、この構想は無くなったのだが、その名残としてマシーンにパトカーを模したものが多い。
- よくマッドマックス2の世界は核戦争後と言われることが多いのだが、公開当時においては核戦争と明言されてはいない。
関連動画
現在、DVDでは字幕版のみであるが、テレビでは吹き替え版が放映されていた。
関連静画
関連項目
脚注
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