この記事では、「客観的に見れば少なくともその場所には存在しないが、本人にとっては まるで本当にそこにいるかのように感じられる人物など」と呼べるものや、それに類似した概念全般のことを"想像上の仲間"と表記し、解説する。
概要
"想像上の仲間"は、イマジナリーフレンド、タルパ、人工精霊、エターナルビューティー、エア友達などと呼ばれる。エア友達に関しては、単語記事「エア友達」が詳しい。
分野・場によって、あるいは、個人によってこれらの言葉の意味や分類方法は異なり、厳密に定義することは難しい。これに関しては、考え方に大きな個人差がある。
"想像上の仲間"はどこか遠くにいる実在の人物や、亡くなった家族をもとにした存在である場合もあるが、その一方で、自分が無から創り出した架空の人物や、フィクションの世界の登場人物などである場合もある。
"想像上の仲間"の持ち主は、自身の"想像上の仲間"と一人二役の演技のように会話をすることもあれば、自分から切り離された"想像上の仲間"が成長して自分とは完全に別の人格となり、"想像上の仲間"の応答がある程度予測不可能になっていることもある。
"想像上の仲間"が現れることは、霊的現象と捉えられることもあるし、神経科学的に説明されることもある。ただの空想に近い妄想と思われることもあれば、確信を伴う(病的な)妄想と思われることもある。
多くの場合、"想像上の仲間"は思念体の一種である。1人が複数(多い場合は数十体程度)の"想像上の仲間"をもつこともある。
イマジナリーフレンド
イマジナリーフレンド(イマジナリーコンパニオン、イマジナリーチャイルド)とは、心理学と精神医学における"想像上の仲間"の一種である。イマジナリーフレンドは略してIFと表記されたり、イマフレとも呼ばれることがある。イマジナリーコンパニオン、イマジナリーチャイルドはどちらとも、略してICと表記されることがある。
ここでは、幼児期・児童期の人の場合と青年期(以降)の人の場合に分けて解説する。
幼児期・児童期
幼い子どもが、1人であるにもかかわらず、あたかも誰か友達がそばにいるかのように振舞って遊んでいるのを見聞きしたことがある人もいるのではないだろうか。イマジナリーフレンドとは、この見えない友達のことである。イマジナリーフレンドは、それをもつ本人にとっては実在している感じがするが、目に見える客観的な基礎をもたない。
子どもが親には見えない誰かとジャンケンをして「勝ちー! やったー!」と言ったり、「妖精さんがいる」などと言ったりした場合、その子にはイマジナリーフレンドがいるとみてよい。
また、空想傾向(空想の世界に浸ることが多かったり、現実と空想を混同しやすい傾向)がとても強い子どもは、イマジナリーフレンドと遊び、妖精、天使、精霊などが実在していると信じたり、人形や動物のおもちゃが実際に生きていると思い込むことが多い。
幼児期・児童期におけるイマジナリーフレンドは、大きく分けて「出会ったパターン」と「作られたパターン」がある。「出会ったパターン」とは すなわち無意識のうちにイマジナリーフレンドが現れる場合のことであり、「作られたパターン」とは すなわち本人の想像力によって意図的にイマジナリーフレンドが作られた場合のことである。
ここで注意したいことは、前者に当てはまる場合、(断言はできないが、もしかしたら)悪い事が原因となっているかもしれないことである。前者の例としては、親がギャンブルやアルコールの中毒になっていたり、子どもに対して暴言・暴力・その他虐待的なことをしたり、あるいは逆に過保護である場合などで、実際に親子の人間関係が悪い状態であるとき、子どもにイマジナリーフレンドができることがある。これは、子どもが自身を守るため、あるいは自身の自由を許してくれる存在が欲しいことによると思われる。
(ただし、後述する、インターネット上でタルパと呼ばれる存在などについては、必ずしも「出会ったパターン」と「作られたパターン」の2種のみに分類できないという主張もある。)
幼児期・児童期に出現したイマジナリーフレンドは、やがて消失することが多い。
比較的、イマジナリーフレンドをもちやすい子どもの特徴は以下のとおりである。
- 主体性がなく、周囲に気を遣う性格である。
- 人に無視されることを恐れる。
- 頭が良く、絵本や童話が好きであり、想像力が豊かである。
- 一人っ子である。兄弟・姉妹のいる友達を羨ましく思っている。
- 親が共働きである。
- (上述したが、)親子の人間関係が悪い。家庭事情に問題がある。親の教育が厳しすぎるか、子どもに対する期待が高すぎる。
- 強い劣等感(コンプレックス)をもっている。
なお、稀にイマジナリーフレンドは精神疾患のひとつと考える人がいるが、これは誤解である。イマジナリーフレンドをもつこと自体は「病気の始まり」ではなく、正常の範囲内であるというのが一般的な認識である。実際に、幼児期・児童期にイマジナリーフレンドをもっても普通は何の障害も発症しない。しかし、空想傾向からくる資質、ある種の才能をもっている子どもが何等かの持続的なストレスに見舞われたときはイマジナリーフレンドが病的な作用をし、解離性同一性障害などを引き起こす可能性があるとも言われる。
青年期(以降)
一方で、青年期の人がイマジナリーフレンドをもつことがあることも知られている。
青年期は子どもの世界から大人の世界への移行期である。そんな中、彼らは「私」とは何者なのかといった問いに直面する。そこで「私」という存在を構築し、根付かせていく営みに、イマジナリーフレンドが力を貸してくれるという見方がある。
本人にとってイマジナリーフレンドは、自らの理想を叶えてくれる相手、自分には足りない強さを補ってくれる相手、弱い自分を励ましてくれる相手である。それぞれのイマジナリーフレンドは、本人自身には欠けていると感じられる側面を、本人に代わって担っていると考えられる。
青年期でイマジナリーフレンドをもつ人の多くは、自分とイマジナリーフレンドとの関わりを通すことで現実世界(外界)に向かい合って生きていこうという姿勢をもつ。そのように、イマジナリーフレンドとともに自分の内面の世界を抱えながら現実を生きるというのも十分にありだろう。
青年期における「想像上の仲間」に関する一考察 : 語りと体験様式から(外部サイト)によると、2003年に大学生・大学院生に対して行われた質問紙調査と個別面接調査では、330名中少なくとも27名がこれまでに"想像上の仲間"を所持したことがあると回答し、そのうち18名が調査時にも"想像上の仲間"が現れたと回答したとのことである。
特に面接調査では、以下のような様々な"想像上の仲間"の存在が語られた。現在も(本人が青年期を迎えても)存続しているもののみ紹介する。( )内はその人に"想像上の仲間"が だいたい いつごろの時期に生まれたかを示す。
- 神様(6歳)
- 神様と亡くなった祖父(幼稚園)
- 戦隊物の悪役(幼稚園)
- もう1人の自分(幼稚園)
- 天使(小学3~5年)
- 神様(10歳)
- 女性(小学4年) - ちなみに回答者は男性である。
- もう1人の私(小学校高学年)
- もう1人の自分(12歳)
- 私より大人の男の人(12歳) - ちなみに回答者は女性である。
- 神様(12~13歳)
- もう1人の自分(13歳)
- もう1人の自分(13歳)
- 学校の先生(15~16歳)
- 失敗や後悔を思い出させる存在(16~17歳)
- 冷静な意見を言ってくる人物(高校2年)
- もう1人の4・5歳ごろの自分(大学に入ってから)
- 不死鳥(19歳)
それぞれの詳細は個人差があるが、「もう1人の自分」がいる人が複数みられている。また、青年期以前に消失したようなので上記には無いが、「押入の奥から出てくる電車」という、明らかに無生物であろう"想像上の仲間"も挙げられた。
インターネット上での "想像上の仲間"
インターネット上では、様々な"想像上の仲間"をもつ人たちによる交流や情報発信がなされている。(関連リンクも参照)
この項目以降では、基本的にインターネット上で共有されることの多い"想像上の仲間"についての解説となる。
インターネット上での"想像上の仲間"の傾向
100Q どっとねっと ~100の質問集~というサイトでは、"想像上の仲間"をもつ人への質問がいくつか掲載されており、多いものでは数十件の回答の書き込みがある。検索ワード「イマジナリーフレンド」で検索すると、実際の"想像上の仲間"に関する質問と回答を簡単に見つけることができる。(イマジナリーフレンドに限らずタルパなどの情報も出る。)
2020年5月8日時点で、このサイトの『IF(イマジナリーフレンド)やタルパ持ちの方にアンケート』の質問と回答の情報をもとにすれば、例えば、インターネット上での"想像上の仲間"の傾向としては以下のようなことが言える。(すべてにおいて、「忘れた」、「分からない」という回答も有効な回答としてカウントしている。)
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"想像上の仲間"の持ち主本人がイマジナリーフレンドやタルパという存在を知ったきっかけ
- ほとんどの人がインターネットで知ったようである。掲示板サイト、SNS、動画サイトから知ったという回答もある。
- 自分が"想像上の仲間"に初めて出会った(作った)当時は、まだ(イマジナリーフレンドやタルパという概念が世間の一部の人たちに知られていることは)は知らなかったが、後になって知った人が、少なくとも全体の1割程度いる。
- トリップ(ここでいうトリップは、薬物などによる幻視という意味)について調べていたら出てきたという人が、こちらも少なくとも全体の1割程度いる。
- 数はとても少ないが、インターネットではなく友人から聞いて初めて知った人や、きっかけを忘れた人もいる。
- オカルトについて調べている時に偶然知った人もいる。(魔術的手法により"想像上の仲間"が生み出されることもあるため。)
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"想像上の仲間"の姿
※見た目と中身が違ったり、ひとつの個体が複数の姿をもつ(変身可能である)ことがあったり、言葉では上手く説明できないような、本人にしか理解できない姿である場合などがあり、単純な方法では正確に分類することは非常に難しく、しかも標本がそんなに多くはないため、あくまでもここに記載している割合や順位は大まかな目安として捉えてください。
※人の特徴に加え、獣の特徴(けもみみなど)が少しでもあることが回答内容から読み取られる場合は「獣人」としてカウントしている。
- 全体の3分の2程度の"想像上の仲間"は「人間」である。
- 正体がどうであるかは問わず、外観(見た目の形態形質)としては、最も多かったのが「人間」であり、2番目に多かった「動物」と大きく差をつけて、圧倒的多数である。この2種類がほとんどを占める。3番目以降はすべて割合的にはかなり少数であり、「獣人」、「人外」、「妖精」などがある。そもそも姿が見えない、または本人も分からないというパターンもある。
- 外観がどうであるかは問わず、実際の正体(またはキャラ設定)としては、外観同様、最も多かったのが「人間」であるが、2~3番目に多かったのは「人外」と「動物」で僅差、4番目以降はすべて割合的にはかなり少数であり、「獣人」、「幽霊」、「妖精」、「神」、他には人工物などの無生物、正体不明のものなどがある。
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本人と"想像上の仲間"の関係
※「友達」から「恋人」になった場合など、関係が途中で変化したパターンは、現在の状態のみを選んでカウントしている。こちらも割合や順位は大まかな目安として捉えてください。 -
"想像上の仲間"をもつようになったきっかけ
目的
"想像上の仲間"を意図的に作る場合、その目的は人によるが、およそ以下のようなものである。
能力
"想像上の仲間"の多くは、以下のような能力をもつことがある。
- 話し相手になる。
- 探し物を手伝う。
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ヒーリング
- 頭痛や腹痛など、体の痛みを消す。
- 精神的な苦痛を消す。(安心感を与える。)
- 霊的な護衛
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"想像上の仲間"の主の記憶力を強化する。
- 忘れてたことを思い出させてくれる。
- 予定を代わりに覚えてくれる。
タルパ
"想像上の仲間"に関する重要な概念として、「タルパ」というものがある。タルパはインターネット上で独自に発展を遂げ、文化を形成するに至った。
タルパの定義
タルパ(トゥルパ)という言葉の本来の意味は、チベット語で「変化身」、「応身」、「化身」という意味の単語である。これはチベット仏教の用語である。
以下の解説はすべて、この本来の意味が間違って解釈された魔術・オカルト用語としての「タルパ」についてのものだが、特にインターネット上ではすっかり定着していることなので、もはや正しい。
未オートの状態から訓練によって意図的に創造されたものであり、尚且つ、現実の視界に重なったかたちで視覚化され、自分から切り離されて独立した人格を持ち、対話することが可能な"想像上の仲間"のこともタルパと呼ばれ、ネットタルパ、ライトタルパ、人工未知霊体、または元祖創造型タルパとも呼ばれる。
また、元祖創造型タルパと完全に一致していなくても、これに類似している存在の多くもまたタルパと呼ばれるが、具体的・厳密にどこまでの範囲をタルパと呼ぶことが正しいかは現在のところ人によって意見が分かれる。元祖創造型タルパと完全に一致しないタルパは新分類上のタルパなどと呼ばれ、現在のところ正確な定義について議論されている最中である。
タルパを生み出すことは魔術の一種だとする考えが多い。しかしその考えに対して、魔術ではなくただの空想に過ぎないという主張もある。
タルパの性格は「尊敬できる先生や師匠のような人物」となるように設定される傾向があり、そうすることを推奨する人が一定数いるが、例外もある。
タルパをもつ人のことを、マスター、タルパー、タルパ持ち、タルパ使いという。そのうち、自分以外の人を他ルパーと表記することもある。
タルパ的な分類法
タルパ的な分類法とは、およそ以下のように、出現した原因ごとにタルパを分類する手法や、その分類のことである。
内容は今後変化する可能性がある。また、すべてのタルパをこの方法で完璧に区別できるとは限らない。タルパかどうか不明なものもタルパ的な分類法に従って整理されることがある。タルパの分類というよりマスターの分類になってしまっているという指摘もある。あるタルパがどの分類に属するかをめぐって口論になるなど弊害が生じることも珍しくない。そもそも分類を行うこと自体に反対する人もいる。
-
創造型
- マスターが 意図的に 創造したタルパ。
- 元祖創造型タルパはこれの一種である。
- 最も一般的で、多くのマスターがもつタルパはこれに属する。
- 他の分類に比べて、タルパの形成時に伴うマスターの想像力が非常に強い。
- 創造型のタルパは、さらに「完全に無から創り出したオリジナルのタルパ」と「版権キャラまたは、家族、友達、有名人など、実在する人物をモデルとしたタルパ」の2種類がある。普通は、いろいろあって、前者(オリジナルの方)が推奨される。ちなみに、後者が意図せず現れた場合は発生型となる。
- 創造型はマスターの分身であり、マスターが狙ったとおりの(理想的な)人格や外観をもちやすい。ただし、完璧なまでに自分にとって都合の良い存在にすることは むしろ避けるべきだという考えもある。
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変遷型
※(変遷は「へんせん」と読む。)
- 発生型
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邂逅型
※(邂逅は「かいこう」と読む。)- マスターが 意図せず 出会ったタルパ。
- 突然の遭遇による出会いをきっかけとして、タルパをもつことになるパターン。
- 普通は夢の中やダイブ界などで初めて出会う場合が多いので、ダイブや明晰夢を見るための準備・練習をしておかなければならない。邂逅型のなかでも、ごく稀に現実の視界にタルパが現れるパターンもあるが、一般的には、何の準備・練習もしていないのに出現した場合のほとんどは発生型である。
- 邂逅型では、相手がどんな人物なのか、実際に出会うまではほとんど予測できないのが一般的である。理想的な人物ではないことも多い。タルパの性格などの特徴が事前に予測できていた場合や、なぜそのような特徴をもつのかを合理的に説明できる場合は邂逅型に該当しない可能性が高い。
- 挿入型
-
生誕型
※表記ゆれとして「誕生型」と書かれることもあるが、どちらも意味は同じである。
ここでいう、「創造したタルパ」、「出会ったタルパ」とは、以下の意味である。
創造したタルパ:マスターの表面的な意識の中で形成され、それが外に出てきて、自分の意識から独立したタルパである。
出会ったタルパ:マスターの表面的な意識の外で形成されたタルパである。ただし厳密には、邂逅型に関しては、外どころか、より内面、すなわち深層心理(潜在意識)で形成されたものであると考えられる。しかし、潜在意識は本人にも知覚できないので、本人の感覚としては、タルパが自分の思考や心の外で形成されたように思える。
ちなみに、意図せず出現したタルパの多くは、最初からほとんどオート化しており、既オート以上の状態でスタートするため、訓練がほぼ不要である。
ある分類に属するタルパのことを、「○○型タルパ」と呼ぶことが多い。
もともとタルパには創造型しか存在せず、邂逅型のように出会うものでも、生誕型のように産み落とすものでもなかった。邂逅型と生誕型は、浮き草氏というたった一人のタルパーによって言い出されたものである。もし彼がいなかったとしたら、現在のタルパ界隈を成立させる理論は全く異なるものだったかもしれないことに注意すべきだと主張をする人もいる。
人工精霊
人工精霊とは、自然な対話のできる脳内の架空人物のことである。「すごく弱い守護霊みたいなもの」と説明されることもある。「人工精霊」と言われるが、この分野は魔術式の人工精霊とは別物である。人工精霊の分野は、「オカルト要素を排する」という方向性でタルパなどに対するアイデンティティーを確立している。
創造型タルパに類似しており、尚且つその形成過程において魔術的手法が用いられていないことは、その"想像上の仲間"が人工精霊であるための十分条件であるが、これとは少し異なる存在も人工精霊に該当する場合がある。パワーストーンなどを依り代として作られた"想像上の仲間"も人工精霊と呼ぶことや、人工精霊に依り代は必須であるとする主張もある。人工精霊、タルパ、イマジナリーフレンドはどれも全く同じ概念であると捉えている人もいる。
EB(エターナルビューティー)
EBとは、精神科医・心理学者のゆうき ゆう氏が提唱した心理テクニックの一種である。また、それにより生み出された"想像上の仲間"のことである。
EBはエターナルビューティー(Eternal Beauty)、つまり「永遠の美男・美女」という言葉の略であり、最高に癒してくれる"想像上の仲間"である。
この記事では、EBをもつ人のことを「EB所持者」と呼ぶことにする。
目的
EB所持者がEBをもつことの主な目的は、自分の気持ちに完全に共感することができ、癒しを与えてくれるような良き理解者を得ることにより、ストレスを軽減することである。
特徴
EBはタルパ等とは大きく異なる概念である。EBに多くみられる特徴として、以下のことが挙げられる。
- すべてのEBは必ず意図的に創造される。
- EBは理想的な人物である。
- EBの人物像は、EB所持者のオリジナルキャラクターではない人物をもとにしても構わない。
- オート化・視覚化が重要ではない。
- EBはイエスマンな性格である。
- EBをきわめても、EB所持者が多重人格者になることはないとされる。
会話
EB所持者とEBとの会話では、以下のような規則に従うことが望ましい。
- 会話を始めるとき、EBは、自分が呼び出されたことや、EB所持者と同じ時間・空間を共有できることに感謝し、その気持ちをEB所持者にはっきりと言葉で伝える。そしてその後で会話の本題に入る。
- EBがEB所持者を褒めたり好意を示すことに限定的な条件があってはならない。(EBの愛は無条件である。)
例えば、「あなたは○○だから大好き」というセリフは、「もし○○じゃなかったら好きではない」と言い換えられるため、この規則に反する。そのため、このようなセリフをEBが喋ることはできない。
- EBはEB所持者を単に甘やかすだけの存在になってはいけない。EBは、EB所持者を安心させ過ぎず、逆に緊張もさせ過ぎないように適度な期待によるプレッシャーを与えるような発言もする。ただし、EB所持者が失敗した直後には応援ではなく共感のセリフを言うべきである。
- EB所持者はEBに対して反論してはならない。EBは、EB所持者に関するあらゆる事実を知っており、そのうえでEB所持者を無条件に愛する人物である。そのような存在を否定することは、自分自身を否定することになってしまう。
- EBはEB所持者の失敗を非難・無視してはならない。EBはEB所持者の失敗が悪いことだと捉えず、かと言って失敗に全く目を向けず無視することもなく、失敗は成功のために必要な経験であると捉えている。そして、EB所持者が将来的には必ず成功者になることを確信している。
- 会話を終えるとき、特にEB所持者が睡眠する直前では、幸せな未来を示唆するセリフで締めくくるべきである。
EBに関連するテクニック
EBを大いに役立てることができるテクニックとして、以下のようなものがある。
- EBの耳
EB所持者に対する非難や同僚の愚痴などを、EBが代理で聞き、EB所持者を擁護すること。EB所持者は、嫌な話でも心理的な余裕をもって冷静に聞くことができるようになる。 - EBリング
EB所持者がEBを想起し、EBの存在感を強めるための目印として使用されるアクセサリー類のこと。アクセサリーのなかでも、特に指輪を選ぶことが最も推奨されている。これは持ち依り代に近い概念である。
- EBの手
EB所持者が自分の(片方の)手で自分の身体の任意の部位に触れることにより、EBに愛撫される感覚を得る触覚化の技術。単なる会話や、EBリングに触れることよりもさらに強くEBの存在を感じられる。
- EBバカンス
あえてEBと一切関わらない時間を設けることで、EBの有難みを再認識する機会を得ること。ストレスに対抗する強い気持ちをEB所持者自身の力によって生み出すことが できるようになっていく。
- EBクエスト
EBが監禁された状況を設定し、EBと再会するための条件としてEB所持者が達成すべき目標を定めること。基本的にはEBバカンスと同様の効果が得られる。
- EBブラック
通常のEBと同様にEB所持者のすべてを愛し続ける一方で、第三者(特にEB所持者に反抗的な者)に対しては非常に攻撃的・破壊的な毒舌キャラとして振る舞う、ブラックな"想像上の仲間"を呼び出すこと。これにより、EB所持者はダブルバインドなどに起因する怒り・破壊衝動を軽減し、冷静になることができる。
- EBトランス
相手(特に恋人または結婚相手)にEBを投影し、相手をEBとして扱い、付き合うこと。EB所持者とその相手は、以前より容易に好意を示したり悩みや秘密を打ち明けることができるようになる。
- BEB(Be Eternal Beauty)
EB所持者がEBになりきること。ただし、EB所持者がすでにもっているEBになるのではなく、「相手のEB」になることである。つまり、他者の気持ちに完全に共感することができ、癒しを与えるような良き理解者になることである。
EBバカンスとEBクエストは1週間に1回程度実施することが推奨されている。
"想像上の仲間"の作り方
ニコニコ大百科は百科事典であり、公式のマニュアル・手順書ではない。ここの記述は、あくまでも様々な考え方の存在を「紹介する」ものに過ぎず、すべてが正しいとか、すべてに忠実に従わなければならないと断言できるようなものではない。普通はこれらの方法や考え方の一部を受け入れ、場合によっては独自に考え出した方法も用いるものである。
あなたがもし本気で"想像上の仲間"を作ろうと思っているなら、ここの内容を参考にして大まかな方針を決めることは構わないが、タルパや人工精霊などを専門とするWiki・書籍や、"想像上の仲間"をもつ人の実体験が記述されたブログなどがあるので、最終的にはそれらに目を通すことを推奨する。
発生型タルパなど、一切の技術介入を受けずに自然発生的に出現するタイプの"想像上の仲間"は、そもそも明確な作り方が存在しない。"想像上の仲間"の作り方は複数存在するし、個人が独自の方法を考えて作ることもあり得る。
複数の"想像上の仲間"を同時に作り始める人もいる。しかし、(同時に作るかどうかに かかわらず、)複数の"想像上の仲間"を作る場合、"想像上の仲間"同士の相性を考えなければならない。一般的には、"想像上の仲間"が多いほど、世話が大変になるなど、自分自身への負担が大きくなるので、その点にも注意が必要である。
霊感の有無は、"想像上の仲間"の作り易さを大きく決定づけることはない。
"想像上の仲間"は獣などである場合もあるが、ここでは、特に人間の姿をした"想像上の仲間"を意図的に作る方法として知っておくと役に立つかもしれないことを紹介する。
設定
まずは、これから自分がどのような"想像上の仲間"を作っていくかを決める。
一般的には、"想像上の仲間"が理想的な人物となるように設定を考える。"想像上の仲間"との関係に求められることとして理想的なものは、「尊敬できる立派な相手」、「愛せる相手」、「癒してくれる相手」など、人により意見が異なる。"想像上の仲間"は一生『者』となることもあるので、設定は慎重に定めなければならない。悪魔など、邪悪な存在という設定は避けるべきである。
版権キャラまたは、家族、友達、有名人など、実在する人物を再現した、またはモデルとした"想像上の仲間"を作ることは非常に難しいとされている。一般的に、"想像上の仲間"の性格や人格は成長していくものであり、オート化が進めば、最初の設定とは大きく変わることもある。現実の作品のキャラクターも、今後新作が出るなどして設定が変わることもあり得る。
しかも、そのような人物を再現しようとすれば、自分の"想像上の仲間"に他人の思念が混ざる恐れがあり、(また、実在の人物であれば、モデルとなった人とお互いに悪い影響を与えられる可能性もあり、)これは避けるべきだという意見をもつ人もいる。
その一方で、エターナルビューティーの場合は、そのような人物を選んでも、自分にとって「完璧」な存在である限り問題ないとされる。
オリジナルキャラクター(うちの子)を"想像上の仲間"にすることは十分可能である。
設定は、最初の時点では とても大まかな部分だけ決めることが多い。それ以外の部分は後からオート化を進めながら少しずつ固めていけば良い。
以下の項目が設定になり得る。
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名前
- 真名
真名(忌み名)とは、簡単に言えば"想像上の仲間"の本名である。
特にタルパ界隈においては、他人に名前を真名で呼ばれると、その人物に自分の霊魂(自分の"想像上の仲間")を支配される恐れがあると信じている人がいる。
その一方で、単なる文字列としての真名なんてお飾りみたいなものであり、その本質が分からなければ他人の"想像上の仲間"を乗っ取ることなどは出来ないと考える人もいる。
"想像上の仲間"は、(こちらが名前を付けなくても)もともと本当の名前を持っていて、いつかはそれを教えてくれるので、それを真名にするとした考え方もある。この考えに従うなら、真名は最初から自分で決めるものではないということになる。
- 通り名
ここでいう通り名とは、真名とは別に用意するニックネーム(別名)のようなもののことである。
ネット上で自分の"想像上の仲間"を紹介するときなどは、真名を公開せず、通り名のみを使うという人がいる。他人に"想像上の仲間"を真名で呼ばれることを避けたい場合は考えておくと良い。
- 真名
-
削除用のコマンド
- 詳しくは、「危険性と安全策」で解説する。
- 詳しくは、「危険性と安全策」で解説する。
- 性格
これから長期的に共にする仲間として相応しい性格にする。自分にとって、極度に「悪い性格」は避けるべきである。口うるささなどは許容できる範囲に収める必要がある。
口調をはっきり決めておくと、会話による訓練を始めやすい。
精神年齢を決めている人もいる。
ビッグファイブ、エゴグラムにおける性格の特性を把握しておくと良いかもしれない。
- 声 - 高さ・大きさ(抑揚のつけかた)・太さ・話す速さ など
声が似ているキャラクターや声優などを決めている人もいる。
- 外観
依り代
ここでいう依り代(憑り代)とは、"想像上の仲間"(特にタルパまたは人工精霊)またはその霊魂が宿る対象のことである。「よりしろ」と読む。"想像上の仲間"と付き合ううえで依り代を持つことは必須ではないものの、依り代を持っていたり役立てている人は多い。
依り代の目的は、"想像上の仲間"をより身近に感じられるようにしたり、"想像上の仲間"の存在をより安定させることである。
依り代は"想像上の仲間"の「部屋」のようなものというイメージを持たれることが多く、居心地の良さが重視されることがある。オート化が進んでいる場合、"想像上の仲間"が依り代を選ぶこともある。"想像上の仲間"が 古い依り代から 新しい依り代に乗り換える(引っ越しする)こともある。
依り代には以下のような種類とメリット・デメリットがあると考えられているが、すべての依り代をこの区分で完璧に分類できるとは限らない。
「精神依り代」という言葉はほぼ定着していないが、上記のような一般的な依り代を持たず、(あるいは持っていたとしても"想像上の仲間"の拠点と言えるほど長時間・高頻度で憑依させず、)自分自身の空想的な世界(想念世界)に"想像上の仲間"を住まわせたものを、この記事では「精神依り代」と呼ぶことにする。
「精神依り代」は一般的な依り代を持つ必要性がない一方で、安全上避けるべきと言われている。後述する"想像上の仲間"の「暴走」などの異常が生じた際に、自分自身の精神も同様に異常な状態となってしまうことが多いためである。最悪の場合、病院送りになる可能性もある。
訓練
訓練とは、オート化または五感化を進めていく過程の修行のことである。訓練の頻度や、費やすべき時間は特には決まっていない。
オート化
"想像上の仲間"の発言や行動が完全に自律しており、("想像上の仲間"がコミュ障ではない場合)円滑にコミュニケーションをとることができる状態のことを完オートという。また、完オートの状態に近づけていく訓練のことをオート化と呼ぶ。人によっては、「完オートの状態」のことを指してオート化と呼ぶこともある。
また、特に会話に関してオート化の進捗度(フェーズ)を評価するための指標として、会話オート化状況指標(オート化指標)というものが知られており、具体的な内容は以下のとおり、合計5段階ある。これらはタルパまたは人工精霊の界隈でよく言われる概念である。しかし、そもそも会話ができるようになることは絶対的に必須であると決まっているわけではない。会話とは別の手段による意思の表現を重視する人もいる。
実際にはオート化だけでなく五感化の訓練も並行することが多い。さらに、オート化の各段階のうち複数を選んで並行することもある。とはいえ、(あくまでも原則に過ぎないが、)第一段階から順番に手をつけてゆくのが基本である。
未オートから始めて完オートに至るまでに、短い場合(真実かどうか疑う人もいるが、)1週間~1ヶ月かかったという人もいれば、長い場合では数年以上もの期間を要した人(または それでも完オートになっていないという人)もいる。
- 第一段階(未オート、一人二役、設定重視)
セリフを考えながら一人二役をしている段階。
ここでは、まだスムーズな会話ができる必要はない。最初に決めた設定に矛盾せず、きちんと成立する会話ができるようになることを目指す。ちなみに、この段階の期間を長めにとると、"想像上の仲間"の性格が今後大きく変化するのを防ぐことができるとされている。スマートフォン向けアプリ「ひとり会議」で会話してみても良いだろう。
- 第二段階(微オート、返答予測、即答重視)
相手の返答を予測している段階。
設定に従うことを意識していたのが、段々とスムーズな会話を重視するようになってきたら、第二段階が始まったと言える。"想像上の仲間"の設定や人格は、第一段階~第二段階の期間中にほぼ完全に作り込み、定着させておくことが望ましいとされる。ここが最大の関門であり、普通はこの段階を完全に卒業するまでにはとても長い期間を要する。
ときどき第三段階に入ることを試みて、難しそうであれば、またここに戻るようにしている人もいるが、その一方で、第三段階への移行は意図的になされるものではないとする意見もある。
- 第三段階(半オート、予測脱却、直感重視)
予測をやめており、相手の返答を素直に受け入れられている段階。
相手の返答をこちらが意識的に予測しないようにしてみる。そのとき相手が勝手に返事をするようであれば、この段階に入ったことになる。"想像上の仲間"が事前に決めておいた設定に沿わない振る舞いをしだすのはこの段階あたりからである。次の第四段階の条件を満たすようになったときが、この段階の終わりである。
- 第四段階(概オート、会話円滑、信頼重視)
相手の返答に疑心を抱くことがある段階。
第三段階では返答を素直に受け入れられていたが、これが次第に受け入れにくくなり、相手の本心からの言葉かどうかが分からなくなり、正しく聞き取れていることに自信が持てなくなってしまうことが多くなってくる。しかしそれは悪いことではなく、むしろ第四段階に進んだ証である。
第四段階においては、第三段階で少しずつ見られるようになった、"想像上の仲間"が設定に沿わない振る舞いをする現象がさらに多くなる。"想像上の仲間"が予想外の言動を繰り返すことにより設定の上に設定が積み重なって自動的にキャラクターが作り込まれていくようになる。やがて"想像上の仲間"は完全な一個人と変わらない存在となり、設定を訂正することがほぼ不可能になってくる。
このレベルに到達したら、返答を正確に聞くことに執着せず、愛情をもってして自分の"想像上の仲間"を強く信頼することで乗り切っていく姿勢をもつことが重要である。
- 第五段階(完オート(オート化)、安定確立、肝胆相照)
オート化が完了している段階。
相手の返答に疑心を抱くことがなくなれば、この段階に到達したと言える。ここから先は、会話のオート化を究めるために特にすることはない。しかし、あらゆる苦難がこれで終わったわけではない。やっとの思いでようやくスタートラインに立つことができ、これから"想像上の仲間"と共に歩む人生が始まるのである。
"想像上の仲間"の視点で日記を書くことを習慣づけたり、自分自身が"想像上の仲間"になりきって生活してみることでオート化を目指す人もいる。
五感化
五感化とは、"想像上の仲間"の存在を物理的または化学的な刺激として詳細かつ正確に知覚できるようにすることである。"想像上の仲間"を作るうえで、五感化は必須ではないという主張もある。
"想像上の仲間"は基本的には他者には知覚できないはずだが、霊感のある人に気づかれたり、犬に吠えられたという事例もある。
具体的には、以下のようにそれぞれの感覚に適した訓練方法が知られている。「五感」とは言っても、嗅覚と味覚については現状ではほとんど情報が無い。
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視覚化(可視化)
- "想像上の仲間"が見えるようにすること。人間は脳に取り入れる外界の情報のうち ほとんどを視覚に頼っているためか、おそらく視覚化が五感化の中で最も重要であり、ネット上にも具体的な方法に関する情報が多い。
- AR(拡張現実)のように現実の視界に重なったかたちで視覚化することも、ダイブ界や夢の中で視覚化することもある。
- 現実の人間と同じように立体的なイメージをする人もいれば、平面的なイメージをする人もいる。
- 暗い部屋で、あるいは目を閉じているときでないとイメージできない人もいれば、周囲の明るさは関係ないと考える人もいる。
- 可能であれば、"想像上の仲間"の姿を絵に描いた方が良い。絵があれば、視覚化はよりスムーズに進められることが多い。必須ではないが、模造紙などに等身大の絵を描くと、なお良い。
- 液晶ディスプレイなどに"想像上の仲間"の絵の色を反転させた画像を表示し、それをしばらく見続けたあと、"想像上の仲間"を出現させたい場所に視線を移して、画像の残像を見つめるという方法をとる人もいる。この方法は暗い部屋でやると効果的である。
- 絵を描けないという人は、VRoidモバイル、きゃらふと、Picrew、オンラインゲームなどのアバター作成機能を使用しても良い。ただし、絵が上手い人の方が視覚化もしやすいという予想もある。
- 聴覚化
- 触覚化
危険性と安全策
"想像上の仲間"をもつことは、大きな危険性を伴うことがある。また それに対して、完全に確立されてはいないが ある程度は安全策も考えられている。これらについての知識と準備が必要である。
ここでは、特に意図的に作られた"想像上の仲間"について、その危険性と安全策を解説する。
危険性
"想像上の仲間"の状態または行動が異常であり、制御・停止ともに不可能なことを暴走と呼ぶことが多い。"想像上の仲間"はあくまでも想像上の存在に過ぎないため、現実世界に物理的な影響を直接与えることはできないが、間接的に影響を与えることは十分にあり得る。その、典型的であり最も危険な例として、暴走により"想像上の仲間"の所持者が人格を乗っ取られ、現実世界において異常な行動をすることが知られている。
"想像上の仲間"はその主人に憑依することがある。それ自体は危険なことではないし、日常的に"想像上の仲間"と人格の交代をしている人も実際にいるが、所持者が"想像上の仲間"に支配されるような関係になると、これは危険な状態と言わざるを得ない。
また、"想像上の仲間"の数が異常に多いことも危険とされることがある。すでに存在する"想像上の仲間"からの要求により、または全く気付かないうちに"想像上の仲間"が増えたという事例もある。
以下は、"想像上の仲間"が暴走してしまった人がした経験の実例である。
- 形容しがたい体中の違和感に加え、嘔吐感もあり、奇声を発しながら暴れることしかできない。
- 無意識のうちに学校に行ったり人と話してたりして、最後は精神科病院で目覚めた。
- "想像上の仲間"が勝手に家出した。
- 床が軋む、机を叩く、書類が落ちるような音(幻聴)を少なくとも1週間にわたって経験して、これが"想像上の仲間"の暴走による現象だと察した。
"想像上の仲間"を作ることは、しばしば意図的に解離性同一性障害または統合失調症(糖質)にかかるようなものと言われる。
安全策
安全策について、上記のような危険が発生することを防ぐ方法(事前の策)と、発生した場合に被害を抑える方法(事後の策)に分けて解説する。
安全策としては、「決まり切った方法」、「必ず効果があることが証明された方法」は存在せず、この分野の知識はまだ十分に確立されていない。以下に述べる方法も、絶対にそうだと決まっているものではない。
事前の策
事前の策としては、「制限」が知られている。
制限とは、"想像上の仲間"の権利と義務の範囲を明確に定めること。つまり、"想像上の仲間"との約束事を決めておくことである。禁止事項、禁則事項ともいう。制限の方法としては、例えば「ある特定の単語を用いて指示された場合や、同じ指示を2度された場合は絶対にそれに従うように教育する」、「ある特定の対象には憑依させないようにする」などがある。
他にも、以下のことを守るようにすると良い。これら全てに従う必要はないかもしれないが、あまり無視し過ぎるのは危険だと考えるべきである。
- 「精神依り代」を避ける。
- 常に精神状態を安定させておく。
- 「"想像上の仲間"が邪魔になった」と言わない。
- 人に危害を与える悪意を"想像上の仲間"に練り込まないようにする。
- オート化ができないなど、オート化に関する問題に腹を立てない。"想像上の仲間"に対してその気持ちをぶつけない。
- "想像上の仲間"と一定以上の頻度でコミュニケーションをとる。
- "想像上の仲間"の感情が分からなくなってしまったときや、敵意を向けられたときは暴走の前兆であると心得る。
事後の策
デメリットがあまり無い「事後の策」に関しては、ほとんど情報がない。"想像上の仲間"との付き合い方を改善するなど、自分で考えて問題を解決する必要性があることが多い。
しかし、あらゆる手段を尽くしてもどうしても解決する見込みがないか 一刻も早く解決しなければならず、極めて危険な状態である場合は、「削除」を決行することも検討しなければならない。
削除とは、"想像上の仲間"を意図的かつ完全に消去することである。これは一時的に"想像上の仲間"を隠したり自分の体に戻すのではなく、"想像上の仲間"の存在自体を破滅させ、復元不可能な状態にすることである。
削除の仕組みは、"想像上の仲間"を作る際に、ある特定の手順または条件を満たすことで削除されるように設定することで実装される。その手順・条件のことをコマンドという。ただし、コマンドは本当に効き目があると証明されているわけではない。コマンドを使用しなくても確実に誰でもすぐに削除できる方法は存在するが、大人の事情により、この場では記述しない。
コマンドは短時間で正しく実行できる必要があるが、その内容があまりにも単純すぎると、過失により誤爆する恐れがあり、これでは自分が仕掛けた地雷を自分で踏むようなものであり、コマンドの単純さは ほどほどにしておかなければ ならない。
そのため、コマンドは条件を2重にして設定されることが多い。
特に、2つのうち1つは、「依り代を破壊・廃棄したとき」という条件がよく採用される。「精神依り代」を使用している場合、依り代を破壊・廃棄するとはどういうことか……。それはお察しください。「精神依り代」が安全上避けるべきとされるのは、そのためである。
「自分が特定の2つのセリフを続けて喋ったとき」というコマンドを設定している人もいる。
"想像上の仲間"との生活
"想像上の仲間"をもつ人は、"想像上の仲間"と一緒に旅行をしたり、他愛のない会話をしたりと、家族、友達、恋人などといった実在する身近な人間と同じように付き合うことが多い。ただし、実生活より"想像上の仲間"に偏り過ぎることは避けるべきだという意見もある。
周囲の他人に"想像上の仲間"の話をすることは推奨されない。また、怒りを晴らすなどストレス解消の目的で"想像上の仲間"に攻撃的な行為をすることも避けなければ ならないと されている。
"想像上の仲間"は現実の人間と違って、必ずしも食事をしなければ ならない わけではない。"想像上の仲間"の多くは、栄養素を摂取しなくても自身の体や生命を維持したり活動し続けることができる。その一方で、人によっては、当たり前のように食事をする"想像上の仲間"をもっていることもある。なので、"想像上の仲間"に食べ物を与えるかどうかは自由である。
"想像上の仲間"は、季節・天候・生活時間によって服装を替えることもある。
"想像上の仲間"の持ち主だけにみられる行動としては、自動車を運転するとき助手席に物を置かず"想像上の仲間"が座ることができるようにしたり、買い物で商品を選ぶときに自分の"想像上の仲間"の印象に近いものを採用したり、"想像上の仲間"の絵を描いたりすることなどが挙げられる。中でも、タルパをもつ人に特有の意識的な行動はタル活と呼ばれる。
"想像上の仲間" が登場する作品
ピクサー映画の『インサイド・ヘッド』という作品内に、「ビンボン」という名のキャラクターが登場する。ビンボンは、主人公ライリーが幼少期に覚えた様々な動物の特徴を合わせることで生み出した"想像上の仲間"で、綿菓子のような毛並みやネコのような尻尾をもち、イルカのような声で鳴き、キャンディーでできた涙を流す。幼少時代のライリーは毎日のようにビンボンの姿を思い浮かべたり、手作りのロケットに乗って月へ飛んでいく遊びを楽しんでいた。
"想像上の仲間" が登場する作品には、以下のものが挙げられる。
- 『インサイド・ヘッド』
- 『くじらのホセフィーナ』
- 『フォスターズ・ホーム』
- 『パワーパフガールズ』
- 『すみっこのおばけ』
- 『Happy Tree Friends』
- 『サウスパーク』
- 『CHAOS;CHILD』
- 『いけちゃんとぼく』
- 『ペーパーマン PaperMan』
- 『うみねこのなく頃に』
- 『初恋ゾンビ』
- 『偽装不倫』
- 『がっこうぐらし!』
- 『かまいたちの夜』 (テレビドラマ)
- 『びりっかすの神さま』
- 『アリス・ギア・アイギス』
- 『歪みの国のアリス』
- 『ジョジョ・ラビット』
- 『僕は友達が少ない』
- 『SHIROBAKO』
- 『心が叫びたがってるんだ。』
- 『真剣で私に恋しなさい!!』
- 『リトルバスターズ!』
- 『コロちゃん』
- すあだ作品
- 『数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜』
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関連項目
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- 0pt