『YAT安心!宇宙旅行』とは、1996年から1998年まで放映された漫画家の西川伸司原案、グループタック制作のNHK教育テレビアニメーション作品である。
原案の西川信司による漫画もNHK出版より単行本が『YAT安心!宇宙旅行』全6巻、『新YAT安心!宇宙旅行』全3巻、『YAT安心!宇宙旅行スペシャル』過去編・未来編の全2巻、及び総集編全1巻が刊行されている。
概要
小さな宇宙旅行会社YATのツアーに参加した星渡ゴローは、ちょっとした事で宇宙船を壊してしまう。
その弁済の及び行方不明の父を探す為に、YATで星々を渡りながらタダ働きをする。
基本的に1話完結型のギャグアニメ。しかし、それぞれの話に少しずつ大事な伏線を仕込んでいる。 そして、終盤の10話ほどは1話完結型を捨て、今までの謎や伏線を回収し、みんなで協力して困難に立ち向かっていくシリアスな展開となる。
半年の再放送を挿み第2期が放送されたのだが、こちらはシナリオの雰囲気や方向性が1期と変わってしまっており、1期と2期でファン層が分かれる結果となってしまった。
(1期には存在しなかった「悪の帝王」が2期には存在している。1期に比べて戦闘シーンが増えているなど。)
備考
本作品と『ウルトラマンガイア』の裏番組であった事が災いしてか、テレビ朝日系列放映の初代テレビアニメ版『遊☆戯☆王』は半年で放映を終了している。
「ポケモンショック」を本家ポケモンよりも9ヶ月前にやらかしたが、ポケモンほどは視聴率は高くなかったので被害も少なく報道等もされなかった。この時は原因不明だったので、後の「ポケモンショック」防止に役立てられることは無かった。
左:2期に登場するとても健全な全裸人気半獣キャラ、マロン。
右:YAT添乗員の天上院桂。
パッケージメディア化
これより古いNHKアニメ作品『飛べ!イサミ』や『アリスSOS』などがDVD化されているが、何故かDVD化されていない(VHS、LD化は行われた)。
その原因が「ポケモンショック」ではないかという指摘もあるが、LD化はされているので(しかもポケモンフラッシュノーカット)不明である。
現在YouTubeにて公式の無料配信が行われている。
主要登場人物
星渡ゴロー
本作の主人公。
行方不明になった次元トンネル技術者の父親「星渡ダイゴ」を探してヤマモト安心トラベルの主催するツアーに参加したが、あることがきっかけで同社の社員となってしまう。
ワンマン(だが人情味溢れる)社長ヤマモトや、"先輩"に当たるウッチー&カナビー、何より片思いの相手である桂と共に様々な惑星を巡るツアーにクルーとして参加する。
天上院桂
本作のヒロイン。実は異星人(ノア星人)。
ヤマモトの一人娘にしてYATの添乗員。
数mもあるような巨大なスパナを使用して(緊急時には打撃武器としても使用する)宇宙船「YATダブ」を整備する程の怪力を持っていたり、なぜかよく当たる予知能力やテレパシー能力など様々な能力を持っている。
(以下ネタバレ)
その正体はノア星人であり、かつて次元トンネル・プロトタイプの事故により流されてきたところをダイゴとヤマモトの手により救出され、以後ヤマモトの一人娘として育てられた。
尚、「天上院」という苗字は作品としては「添乗員」に引っ掛けたもの、設定上では「かぐや姫に倣い、『いつか遠い場所に帰ってしまう』という思いを込めて命名された」とのこと。
尚、手料理の味は破壊的。
ヤマモト・カオル
零細宇宙旅行会社「ヤマモト安心トラベル」の社長。
ワンマン社長ではあるが娘である桂にはめっぽう甘い。
普通の旅行会社なら知らないような秘境穴場の惑星を知り尽くしているが、それもそのはずYATを開業する以前には宇宙海賊(義賊)の親分として名を馳せていた(で、お尋ね者扱いもされていた)。
尚、海賊になる以前は軍隊にも所属していたらしい(詳しいことは不明)。
ワンマンながら人情に溢れるキャラクターで、ヒロインの桂や主人公のゴローに続く人気。
柔道の達人でもある。
しかし得意技はミズムシキック。
カオルちゃん
怪しい科学者コンビ・カルガリー&トミーの実験により、ヤマモトが性転換してしまった姿。
彼らの開発した性転換装置には「元の見た目がアレなほど美人に補正する」といううらやまけしからん機能が搭載されており、そのためにかなりの美少女になってしまった。
ツアー客からの人気が桂よりあったため、桂は「私より人気でなんかムカツク」と発言している。
ウッチー
宇宙船「YATダブ」のパイロット。
マルカン星人と地球人のハーフ。
実家は「オーデン草」という野菜の人工栽培に成功して財を成した。また、このオーデン草はウッチーの好物でもある。
優秀な兄たちに対し若干コンプレックスを持っているようだ。
本作のBGMの作曲を担当した川井憲次は、「ついてりゃいいんだろと言わんばかりの耳やものすごい顔色に凄まじいインパクトを感じた」と評している。
自慢?の変身能力でピンチを切り抜けることも。
尚、なぜか関西弁(のような言葉)をしゃべっているが、これはマルカン星の方言が地球の関西弁とちょうど同じものであったかららしい(コミックス版の読者投稿コーナーより)。
カナビー
YATのナビゲーターロボット。アキバ星で中古品として購入されたらしい。
ウッチーとの関係は「喧嘩するほど仲がいい」で大体説明できる。
よく計算を間違えてYATを窮地に追い込む。
マニピュレータの先端は静電気銃やボクシンググローブ、掃除機ノズルなどの様々なデバイスに取り替えることができる。
隠し機能?として、非常時にはYATダブに自らのエネルギーを供給しエネルギー切れの状態でも起動させることができる(氷の惑星でこの機能を使って脱出に成功している)。
ブッキー
スーパーなヒゲおやじのロールプレイングゲームに出てくるキャラとはなんの関係もない。多分。
YATのペットの恐竜のような生物。実は桂と共にヤマモトに救出された生物である。
大きさ的には中型犬程度。
伸びる舌や角からの電撃など、こいつも様々な特技を持っている。
ちなみにメス。
コミックス版の裏表紙を制圧している。
尚、角の発光や電撃に関しては、「何かと活躍の場が少ない彼女をもう少し活躍させたい」という考えで後から追加された能力だとか。
籐吉&つゆ子
YATの開業時からの常連客夫婦。「いつものことじゃよ」が口癖であり、毎度トンデモなトラブルを起こすYATにも一切動じることがない。
カネア・マリーゴールド
大手宇宙旅行会社「コスモロード社」の社長・アンの一人娘。
「典型的なお嬢様」を絵に描いたような性格。
ある事件がきっかけでゴローに一目惚れをし、自分の宇宙船「クイーン・マリーゴールド」で宇宙を飛び回りながらYAT(ゴロー)を追い回す。
アン・マリーゴールド
大手宇宙旅行会社にして外宇宙旅行の要である次元トンネルの運営企業でもある「コスモロード社」の女性社長。
実は元はヤマモトの仲間「レディー・アン」として宇宙中を飛び回っていた海賊。
彼女が次元トンネルに執着するようになった理由は、「過去に起こった次元トンネル・プロトタイプの事故」と、その後日の出来事が関係しているらしい。
ドンズ・マリーゴールド
コスモロード社の創業者にしてダイゴの親友であり、アンの夫。
プロトタイプの事故で次元トンネル開発を放棄した地球政府から事業を受け継ぎ、実用化の研究を行なっていたところプロトタイプの設計図を入手したアンに出会う。
プロトタイプの設計図を元に次元トンネルの実用化を勧める傍ら、次世代の次元トンネルである「マザー次元トンネル」の開発にも没頭するが、その際の過労が原因となり世を去る。
ダニエル
なんとかリゾートのマスコットキャラではない。
カネアのお目付け役。
コスモロード社社長の座を狙い、カネアのお目付け役として入社した。
しかし長い付き合いのうちに情が移ったのか、コミックス版では社長の座を狙うということは関係なしにカネアを守るために行動する場面も見られるようになっている。
ドリス・アンダーソン
コスモロード社の次元トンネル主任技術者。
同社の中で最も次元トンネルに精通していると言われており、マザー次元トンネル事件の後は次元トンネルネットワーク復旧に尽力している。
そんな彼女を以ってしても、次元トンネルのコアとも言える「ダイゴ・システム」の全ては理解できていないという。ダイゴ、あんたは一体何者なんだ…
星渡ダイゴ
ゴローの父親にして外宇宙旅行の要、次元トンネルの開発者。
かつて起こった次元トンネルの事故が原因で行方不明となっていた。
(以下ネタバレ注意)
実は次元トンネルの事故によって異次元空間に取り込まれており(コミックス版では反重力エネルギーをプロトタイプごと異次元に封じ込めるためにプロトタイプごと異次元に落としこむ・TVアニメ版では反重力エネルギーそのものを逆流させ異次元に押し戻した影響で異次元空間に取り込まれる)、この世界とは時間の流れの時点で異なる異次元空間の影響で(この世界の基準で)十数年経っているにもかかわらず20代そこらの姿のままであった。
アニメ版では試作品の「反重力マニピュレータ」で異次元空間から救出され、コミックス版では「マザー次元トンネル」によりエネルギーを供給されることにより再稼働したプロトタイプごとこの世界に浮上した。
星渡ハルカ
ゴローの母親。大型トラックの運転手。
昔はスリムな体型であったが、夫ダイゴがプロトタイプの事故で失踪して以来、ストレスの影響でか恰幅のいい体型になってしまっている。
キャプテン・ロック
元ヤマモトの部下。今時珍しい宇宙海賊。
ナナコ・ハチベーと共に「星の舟歌」を重力波に乗せて宇宙に響かせながら宇宙を飛び回っている。
(尚、作中では重力波に乗せて音楽を宇宙空間に流す行為は宙航法違反に当たるらしい)
ロック歌手としてメジャーデビューすることを夢見ている。が、どう聞いても演歌(それも音痴)だ。
ナナコ
ロックの仲間。
ギター及び火器管制担当。
コミックス版の描写を見る限りでは、かつては相当気性の荒い性格だったらしい。
実はハチベーに惚れている。あと、ブッキーがお気に入り。
ハチベー
ロックの仲間。キーボード担当であり、海賊船「シャレコベック」のメカニック。
メインエンジンに「花子」と命名してかわいがっている。
コーデリアス
ベル星の王女。
第一期14話で王位継承のためにベル星に向かい、暗殺者の目を逃れるためにYATを利用した。(実はYATを利用したほうが影武者だったが)
その後はYATのツアーに度々参加している様子が見られる。恐らくお忍びで利用しているのであろう。
モニカ
第二期で(桂が故郷に戻ったため)アルバイトとしてYATに入社。
ワンマン社長のヤマモトとも正面から喧嘩するほど気が強い女性であるが、見知らぬ宇宙を漂流するうちにYATの一員として成長し、(コミックス版では)決死の覚悟でダブとクルーを守ると言ったヤマモトを「今死ぬわけには行かない」という理由で若干手荒な方法とはいえ引き止めていたりもする。
マロン
第二期の事実上のヒロイン。時のなんとかの牧場主の娘とはたぶん関係ない。
テレポーテーション能力を持つ獣人の少女。(但し自身をテレポートさせることはできず、飽くまで「自分より軽いもの」を動かすことしかできない)
その能力に目をつけられ、宇宙征服を企むガノン一味にノート博士共々追われる。
ゴローになぜかなついている。
ノート博士
マロンの育ての親。
明らかに胡散臭い獣人の博士。
マロンのテレポーテーション能力を増幅する「瞬間移動マシーン」を開発し、ガノン一味から逃れようとした…が、失敗して逆にYAT一行をYATジャンボごと引き寄せてしまう。つまるところは(第二部の)全ての元凶。
ガノン
どっかの悪い豚ではない。こちらのガノンはナマズの化け物。
宇宙征服を企む魔王。
宇宙征服に必要なものとして、テレポーテーション能力を持つマロンとその能力を応用した「瞬間移動マシーン」を開発したノート博士を狙っている。
アニメ版では「ガノニウム」という鉱石が、コミックス版では「ナマズの首星雲」そのものが本体。コミックス版のガノンはチート過ぎる。
ドツーク
ガノンの手下。フグをモチーフとした女性。
考えよりも力に訴えるタイプ。
コミックス版では桂を(一方的に)ライバルと見ており、事あるごとに勝負を仕掛けてくる。
サグール
ガノンの手下。典型的な半魚人。
武闘派のドツーク、バラスと違い卑怯な手段を使う頭脳派。
バラス
ガノンの手下。サメをモチーフとした男性剣士。
日本の武士のような言葉遣いが特徴的。
但し剣(オリハルコン)を取り上げられると途端に弱気になってしまう。
ちなみに「レイディアントシルバーガン」のボス敵・「VARAS」の名の由来ともなっている。
スルメ
ガノンの手下。ガノン帝国科学班の主任。
イカをモチーフとした男性。
ガノン兵
ガノン帝国の兵士。愛すべきやられ役。ヒトデをモチーフとしたキャラ。
数で勝負する。が、頭はそれほどよくないようだ。
ちなみに生産ラインで人形焼を作るような流れで文字通り量産されている。
ガツラ(コミックス版のみ)
サグールが拾ったカナビー用の強化パーツをスルメが改造し、桂そっくりな見た目に仕上げたもの。
素体がカナビー用の強化パーツなので桂以上の戦闘能力と様々な隠し武器を持っているが、急ごしらえのためか自律行動用のコンピュータはガノン兵程度の思考能力(つまりそれほど頭が良くない)のものしか備わっていない。
YATのクルーが桂を中心としてまとまっていることに目をつけ、クルーを撹乱させるために作られたが、後にカナビーに乗っ取られてYAT側についている。
登場メカ及び用語
YATダブ
YATが保有する重力圏航行用の宇宙船。全長は25m程度。
外見・内装共にボンネットバスのような見た目をしている。
単体では次元トンネルを航行できないため、後述のYATジャンボとドッキングする。
ステアリングホイールで操舵(恐らく上昇・下降も含めていると推測される)、ペダルでエンジン及びブレーキの制御を行うという自動車に近い操縦方法を採用しており、ムサシ曰く「私でも簡単に運転できる」とのこと。(実際、ムサシに強奪されて勝手に飛ばされたことが何回かある。ゴローがYATに入社した遠因とも言える)
メインコンピュータには真空管を用いている。核戦争後とかも余裕。
YATジャンボ
YATが保有する惑星間航行用の宇宙船。全長100m程度の(作中では比較的小型の部類の)宇宙船。
大気圏内に突入できないため、地球圏では軌道上の駐機場に駐機させられ、目的地の惑星では軌道上で待機している。
スクーター
YATが使用している小型のホバースクーター。原付スクーターのような形状をしている。
惑星探査やお使いなどで色々重宝している。
クイーン・マリーゴールド
コスモロード社の誇る超大型宇宙船。社長令嬢・カネアの船でもある。
地球の旅客船のような形状をしている。ちなみに全長は約1.4km程度。どう見ても側面の塗装が某ガルパンの聖地から出ているあのフェリーです本当にありがとうございました。
船体前方のドーム部分には庭園が造られているようである。
MAM
クイーン・マリーゴールドのメインコンピュータ(に搭載されている人工知能)。
カネアのお守り役として開発され、最優先でカネアを守るようにプログラムされている。
クイーン・マリーゴールドの制御を行なっているものの、他のコンピュータにも移動することができるらしい(アニメ版では劇中でカナビーに乗り移ったことがあった)。
クイーン・マリーゴールドII世
オリジナルの「クイーン・マリーゴールド」が次元トンネル暴走事故で破壊された後に建造された二番艦。
…ではあるが、その実態は「I世」のレプリカと言ったほうがいい。
YATダブ(全長25m)と同クラスの小型船である。船体前部のドーム部分は展望客席となっている。
船体の強度は「YATダブの方が頑丈」らしい。
ちなみにメインコンピュータの性能はMAM曰く「かなり低性能」とのこと。
シャレコベック
ロック一味(かつてはヤマモト一味)の使用している海賊船。
全長は約400m程度。
かつてはミサイルランチャーなどの様々な武装を登載していたが、ヤマモトの引退後にロックに引き継がれた際に主兵装「メガ・キャノン」以外の殆どの武装を重力波スピーカーに取り替えられている。
主武装は前方のドクロの目の部分に内蔵された「メガ・キャノン」2門。アニメ版の描写を見る限りでは、重力波のビームを発射する兵器のようである。ちなみに重力波はエンジンの余剰エネルギーを利用しているらしい。どう見ても某宇宙戦艦です本当に(ry
2門搭載されているが、眼帯(のように見える封印)を施された片方の砲はガタガタでしばらく使用中止になっている(発射すると吹っ飛んでもおかしくないとか)。
尚、コミックス版の設定資料を見る限りでは、当初は砲身が目の部分から望遠鏡のように突き出てくる仕様だったようだ。ギャグ作品としては正直、これも有りかもしれない。
反動を利用して惑星の重力圏から脱出したり、マザー次元トンネルから発生した異次元フィールドに(ゴロー達の)脱出用の穴を開けたりと、要所で活躍している。
ハイパードライブシステム(平たく言ってしまえばワープ装置。次元トンネル実用化前は一般的に使われていた)を搭載した数少ない現役船であり、次元トンネル暴走事件の際にはYATメンバーを地球圏に帰還させるためにも活躍した。
バトル・マリーゴールド
コスモロード社社長、アン・マリーゴールドの船。
ヤマモトに「戦艦まがいの船」と評された通り、ミサイルランチャーやさらにはメガ・キャノンまで搭載する戦闘艦に近い船である。
アン自身が海賊時代のことを忘れられずにこの仕様で建造させたとされており、基本構造はシャレコベックとほぼ同じものになっている。
但しハイパードライブシステムはオミットされているため、「万が一」の時には異次元からの脱出が不可能になるという弱点を抱えている。
YAT(ヤマモト安心トラベル)
ヤマモトが海賊を引退後に設立した、宇宙旅行会社。
設立した理由は、「桂の両親を探すのに『宇宙旅行会社』という事業はちょうどいいから」らしい。
宇宙を知り尽くしたヤマモトが経営するだけあって、「大手では絶対に体験できない宇宙の穴場のツアー」ということを売りにしており、怪しげ穴場の惑星を巡るツアーを得意としている。
…しかし、カナビーの計算ミスや船のトラブル、或いはカネアやロックなどの愉快な取り巻き達が原因でトンデモなトラブルに巻き込まれる…という場合が多い。どう見ても某夢と魔法の王国に拠点を構える自称「宇宙旅行業界のリーディングカンパニー」です本当に(ry
自社ビルは社宅を兼ねた5階建てのビル。
屋上は宇宙船「YATダブ」の格納庫及び発着場を兼ねている。
YATダブ発進時は伸縮式のカタパルトがかなりの急角度で展開し、そこから発進する。
…のだが、コミックス版でゴローが「ダブのパワーに対してカタパルトの長さが足りない」と発言しており、実際にスムーズに発進出来ずに向かいのビルに激突したり、或いは表通りに墜落寸前になるということもしばしばある。つまる所は某国際救助隊のビックリドッキリメカ2号機の発進の現実ですねわかります
そのためか、発進時にはパトライトが作動し、また周囲に以下のメッセージによる警告が流される。
アテンションプリーズ。
YATダブ、まもなく発進いたします。
どなた様も座席にお掛けの上、シートベルトをお締めください。
尚、周辺(住民)の皆様もそれなりにお気をつけください。
次元トンネル
外宇宙旅行の要となっているシステム。
これが実用化されたことにより、誰でも気軽に外宇宙旅行を楽しむこと(や、他の惑星との交流)を実現させた画期的なシステムである。
開発の中心となったのはゴローの父である星渡ダイゴと、その親友である「ドンズ・マリーゴールド(後のアンの夫にして、カネアの父親でもある)」。
プロトタイプの暴走事件以降、地球政府は開発を放棄して(当時は弱小企業であった)ドンズの経営するコスモロード社に全権を移行。そこにプロトタイプの設計図のディスクを持ち込んだアンが合流したことによって実用化され、「次元トンネル」という強大なインフラを手に入れたコスモロード社は宇宙最大の企業へと成長した。
しかし、詳細に関しては後述のダイゴ・システムと併せて全てを把握しているものは存在しないまま(ダイゴ・システムの基本的な原理すら解明されていないと言われている)ネットワークの拡大を続けているという点や、一度暴走すると惑星~恒星系規模の被害を出す事故(プロトタイプ及びマザー次元トンネルの事故など)につながるなど、ある意味で核エネルギー(原子力発電所)に似た問題を抱えているシステムでもある。
アニメ版では、過去にノア星人が建造した「コスモゲート」というシステムを元にしたものだということが判明している。
次元トンネル・プロトタイプ
次元トンネルの試作機。
地球から遠く離れた惑星の軌道上に建造され、実用化試験を行なっていた。
中枢部である「ダイゴ・システム」の制御用プログラムが不完全な状態であるにもかかわらず、完成を急ぐ地球政府は起動試験を強行。その結果惑星の一部を吹き飛ばす程の爆発を伴う大事故を起こし、消失(されたと言われている)。
(以下ネタバレ注意)
実はアニメ版では反重力エネルギー(異次元空間に開けたトンネルを支持するために使用されている)を逆流させて異次元空間に押し戻した副作用で・コミックス版ではプロトタイプごと異次元空間に沈めたために異次元に消失しただけであり、次元トンネルそのものはほぼ完全な形で(異次元に)星渡ダイゴごと残っていた。
しかし、アニメ版では試作品の「反重力マニピュレータ」でのサルベージ作業により、またコミックス版ではマザー次元トンネル(異次元空間を通じて他の次元トンネルにエネルギー供給を行うことができる)起動を受け異次元経由でエネルギーを供給されたことにより次元トンネルごと浮上し、ダイゴは異次元から生還している。
マザー次元トンネル
ドンズが研究開発していた新型の次元トンネル。
従来の次元トンネルよりも出力が強化されており、ほぼ2倍近くの距離のトンネルを発生させることが可能となっている。
また、異次元空間を経由して他の次元トンネル端末機にも直接エネルギーを供給する、或いは端末機自体を建造しなくとも直接次元トンネルを発生させることも可能になっているなどかなりの高機能化も進んでいる。
しかし中枢部に関しては、コアである「ダイゴ・システム」をただ単に大量に増設して出力を向上させたとも言うべき設計になっていることが発覚しており、ダイゴからも「数だけ増やせばいいというものではない」と評されている。
ダイゴ・システム
次元トンネルの中枢部。
「異次元空間に宇宙船が通過できるトンネルを発生させる」「異次元フィールドそのものの制御を行う」「トンネル壁を構成するための反重力エネルギーを制御する」など、次元トンネルの基本要素を支える心臓部である。
次元トンネルの心臓部でありながら未だに解明されていない要素が多数あり、コスモロード社で最も次元トンネルに精通していると言われる技術者、ドリス・アンダーソンすら「全てを知っているのは恐らく(開発者である)ダイゴのみ」と語っている。
ルート666
次元トンネルネットワークに於けるルートの一つ。
本来ならば安定してトンネルを発生できる距離の二倍近くの距離を半ば強引に開通させており、その影響か幽霊船を筆頭とする様々な"怪現象"が目撃されている。
その他にも同ルートに於いては次元トンネルの"壁"を構成する反重力エネルギーが(出力不足で)弱体化しており、崩壊寸前(発行する稲妻状の"ヒビ"が壁面に発生している)の危険な状態になっている。
(尚、反重力エネルギーによる壁面が崩壊した場合、当該区間を航行していた宇宙船はそのまま異次元空間に放り出されてしまい、ハイパードライブシステムを搭載していない限りは永遠に異次元空間を彷徨う事になってしまうと言われている)
実は"幽霊船"の正体はかつて暴走を起こし、異次元空間に沈んだ次元トンネル・プロトタイプの成れの果てである。
ゴローはこの際、プロトタイプのコントロールルームに父・ダイゴの姿を見ている。
次元境界面
次元トンネルの事故現場などに見られる、残存エネルギーによる異次元の穴。
作中では「制御されていない小型の次元トンネル」とも説明されている。
制御されていないためどこに通じているのかすらわからなく、一度入ってしまったら二度とこの世界に戻ってくることはできないと言われている。
コスモドライブ
桂の故郷であるノア星の宇宙船が使用している航法システム。
原理的には「宇宙船に小型のダイゴ・システムを搭載したもの」、或いは「マザー次元トンネルを宇宙船に内蔵したもの」と説明されており、船に搭載された「インナー・ゲート」という装置により任意の場所に異次元空間の出入り口を発生させ、異次元を経由した航行を可能としている。
しかし原理的に近いためか過去にインナー・ゲートが暴走した次元トンネル・プロトタイプと異次元空間を経由してシンクロし、異次元空間内で破壊されるという事件が発生。乗員乗客は脱出ポッドによる脱出を行った。が、この時子供とペットを乗せたポッドが異次元空間に流されてしまうという事故が発生。
流されたポッドはプロトタイプの事故現場に流れ着き、ダイゴ及びヤマモトに救出される。
この時ポッド内に入っていた子供とペットこそ、桂とブッキーである。
ハイパードライブシステム
いわゆるワープ装置、或いはワープ航法。
次元トンネル実用化前は外宇宙への旅行手段として一般的に使われていた技術である。
しかし、(次元トンネルと比較して)短距離しかジャンプできない・ウラシマ効果の懸念がある・装置が大掛かりになるためある程度以上の規模の船でないと搭載出来ない・不安定であり事故も少なくなかったなどの理由により、次元トンネル実用化後は一般の宇宙船に搭載される例は殆ど無くなった。
(コミックス版では『ハイパーマイクロ社』という企業が従来の1/2以下のサイズのハイパードライブシステムを開発・販売していたが、重大な欠陥を抱えており事故が多発。その結果同社は倒産、ハイパードライブシステムは闇市場に流れたという記述がある。尚、ロック達がヤマモト一味に加わる直前に宇宙を漂流していたのは、同社のハイパードライブシステムを搭載した宇宙船の暴走によるものとされている)
但し次元トンネルが何らかの影響で通行不能になった時には、貴重な外宇宙への航行の手段となりうる他、次元トンネル内での事故(反重力場によるフィールドが崩壊し、異次元に飲み込まれるなど)の際の脱出の手段としても有効らしい。
瞬間移動マシーン
ノート博士が開発した、マロンのテレポーテーション能力を増幅させる装置。
ガノン帝国の追っ手から逃れるためにこの装置を使い逃げようとしたものの、逆にYATメンバーをYATジャンボごと引き寄せてしまう結果となる。
GABIT(ガビット)
アニメ版でノート博士が開発した、(ガノンの本体である)鉱石「ガノニウム」を破壊するために開発された武器。
いわゆるビームサーベルである。
尚、GABITとは「Ganon Attack Beam Item Thunder」の略であり、最後の「Thunder」はそのままでは略称がぱっとしないために適当に付けたとのこと。
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関連項目
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