ニコチャン大王と家来とは、漫画『Dr.スランプ』に登場する2人組の宇宙人である。
手下 CV:千葉繁(アニメ第1作)→堀川りょう(アニメ第2作)
宇宙の玉・・・王者ことニコチャン大王と、第一の家来で常に行動を共にするカワイソウなくらい忠実な側近。地肌は大王様は緑色、手下は黄色い。
柄のないサングラス(若しくはただのメガネ?)をかけており、このメガネは最終回まではずされなかったため、素顔がどうなっているのかは未だに不明。
ニコチャン大王によれば、二人で占領した星は99個に上るようだが、それらの植民地惑星での領地ではどの程度の地位なのか不明。
初登場は大王ともどもDr.スランプ単行本3巻収録の通算第29話『ほよよスペシャルII 地球SOS!の巻 Part1』。3巻のタイトルトラックともなっているエピソードである。
ちなみに、ほよよスペシャルIはブビビンマンの初登場エピソード『宇宙からの侵略者の巻』(2巻収録)で、共にスターウォーズのスチール写真のパロディが表紙という共通項があった。
作品に登場した宇宙人としてはガッちゃん(1巻11話)、スッパマン(2巻1話)、ブビビンマン(2巻4話)に続いて4人目の存在。最初の台詞は地球を「むむ~~ あれがチタマか・・・・・・」と呟き潜望鏡から地球を眺めている大王に対する突っ込みで一筋の汗を流しながら語った
「『ちきゅう』とよむのです」(3巻47頁)。
この最初の一言の時点で彼のその後の方向性はほぼ決定付けられていると言っても過言ではない。
その後、名古屋方言ばかり使い話す大王に対し、宇宙人が名古屋弁を使っては不自然だと指摘。大王がずっと関西よりの名古屋訛りで喋ったのに対し、この突っ込みどおり彼は終始日本語の標準語で喋り、訛りが出ることは無かった。(もしかすると、ニコチャン星にも地方によって方言があるのかもしれない)
また、英語でSpace Pirates(宇宙海賊)がわからずに、ZITENという英和辞書を引いているところから、英語はわからないようである。
開始から3ページ後に大王の命令で僅か1コマで地球人のサンプルとして則巻アラレ、則巻ガジラの2名を拉致。
このことが彼らにとって命取りとなり、家来始まって以来の最大の失態となった。
これから侵略する予定の地球人を分析するはずが、逆に大王の醜態(というよりタダのアホさ)を曝すだけになり、さらに100-50という単純な引き算に4分28秒もかかることでアラレは学校の宿題を始めてしまう始末だった。
しかし、ニコチャン星最新のこんぴゅーたーでも解けない掛け算と割り算をスラスラ解答しているさまをみて大王と共に仰天していた。
(だが、単純な足し算引き算とゼンマイ駆動のUFOだけで99個の星を占領できるほどの科学力もすさまじいといえばすさまじい)
しかし、このままでは引き下がれないため、大王の命令でヒボシ(火星のことである)を宇宙船のビーム砲で木っ端微塵に破壊。
だが、アラレはまるで興味を示さず、ガジラと宇宙船で鬼ごっこを始めてしまう。
また、アラレから大王がパンツを履いていない(全裸)ということを指摘されたことに大王は激怒。
家来はその都度大王をなだめるばかりであったが、肝心の地球侵略を忘れかかっていたために早く活動開始することを進言。
が、時既に遅く、宇宙船はガジラの食材となってしまい屋根部分の大半を失い航行不能に。
大王と共に子供のように泣きじゃくるが、アラレから千兵衛博士に代わりを作ってもらえばいいことを教えられ、地球入りすることに。
この際に「おばあちゃんに叱られる~~~っ!!」と泣き叫んでいることから、この宇宙船は家来のおばあちゃんの持ち物だったらしい。
また、「うえ~~ん おうちにかくしておいた タコヤキが~~っ!」とも叫んでおり、どうやら家に食べかけのたこ焼きを残したまま侵略に出てしまったらしい。
侵略しようとしていた割には両者ともども地球の知識は全く無かったらしく、山を見て驚いていた(これは流石の大王も「あんなものうちの星にもあるわ!!」と突っ込んでいた)ほか、野グソを「珍しい石」と勘違いして背中にその石の名前を大書きにメモされてしまった。
千兵衛博士の部屋に飾ってあった山吹みどりのポスターに対して「お・・・おっそろしいブスですね」とコメントし、ニコチャン星のアイドルと思わしき『美人』のポスターを千兵衛に見せていた。
その後、宇宙船が完成するまでの間、大王と共に木緑家の店「COFFEE Pot」であかね、タロウらにかくし芸で大ウケされる大王を傍目に「な・・・なさけない・・・」と嘆いていた。
帰ってくると博士は既に宇宙船(8馬力)を完成させていたため、タダで引き取った上で早速乗り込む。
しかし、その恐るべき科学力を目の当たりにした二人は早く潰したほうが自分たちのためと考え、家来も「か かえったらさっそく攻撃を・・・」と全く恩を返す気など無かった模様。
だが、千兵衛は二人を宇宙人と知らず、実は創り上げたのはただの自動車でいつまで経っても飛び立たない「宇宙船」でゲンゴロウ島を何周も彷徨う羽目になっていたのだった。なお、このクルマの名前は8巻の「ペンギン村 おらが1ばん! コンテスト さ、才能がこわい部門」にて「ニコチャンカー」と明かされている。
笑劇の初登場から僅か8話後の「おつかいアラレちゃんの巻」において大王と共に再登場。収録順は丁度3巻のラストトラックに当たる。Dr.スランプ3巻はニコチャンコンビファンであれば必ず所持しておきたい逸品である。
彼の代名詞的なキメ台詞(?)となる「だ 大王さま・・・ われわれはいつにいなったら星にかえれるのですか・・・?」はここで初登場した。
また、この話はニコチャンのアルバイト記念すべき第一回の話でもある。雇われ先は不明だが、その業務内容は「バキューム人間(要するに汲み取り屋)」という宇宙の王者には似つかわしくないものだった。
大王は『王』の名を持つだけあって、この状況を潔く受け入れた様子だったが、家来は「ううっ! み・・・みじめ・・・」と眼鏡越しに涙を流しながら腰(地球人で肩にあたる場所)に桶を担いでいた。いつの時代だ!?
頭の上に鼻があるためか、地球人の排泄物は大して害が無いのか、臭いにはさほど困った様子はないようだった。
なお、この話でアラレはひたすらブラジャーを欲しがるが、ニコチャン星においてブラジャーは目隠しとして使用されているということも明らかとなっている。おっぱいがないのだから仕方が無い。
なお、このやり取りで大王はブラジャーの詳細を教える見返りにロケットを要求という滅茶苦茶な取引を持ちかけるが、そんなことを言ってる間にアラレはBAR BAR そらまめに足を運んでおり、とうに居なくなっており、一筋汗を流した家来の「・・・・・・もうとっくにおりませんが・・・」のバックに虚しく「タワケー」と鳴く烏が飛んでいただけだった。
なお、この3巻作品とそれ以後の作品では、彼らの身長がかなり縮んでおり、最初はアラレと同じぐらいの大きさだったが、どんどん縮んで行き、最終的にはアラレの半分ほどの背丈に落ち着いてしまった。(なお、余談ながらアラレも1巻とそれ以降では色気や背丈が全然違う)
特にコレに対して説明は無かったのだが、地球環境の重力に適応するためにAPTX4869でも飲んだのだろうか?
さらに4巻においてSUPER SLUMP SPACE SPECIAL I(とはいってもいつもどおりたいした内容ではない。)と称した2週連続カラーの2週目「ごきげんセンちゃんの巻」において再々登場を果たした。
当時のギャグマンガとしては珍しく、Dr.スランプは一定のストーリー性を保っていたため、巻を跨いだこの話でも宇宙船は無いままであるが、千兵衛に新しく作ってもらおう、というわけではなく、もう博士は信用できんと踏んだのか、彼から山吹みどりとのデートに使うという宇宙船を強奪することを試みる。
なお、この話で以前不明だったニコチャン星人の「耳」が足の裏であることが明かされる(ニコチャン星人の耳初披露は家来の左足であった)。
潜入した則巻家で、一度見つかりそうになるが、家来の機転で「モーモー」という鳴き声でネコに間違われて事なきを得る。
そして、家の内部に宇宙船と思しき装置を発見したが、一人乗りらしく、先に乗りたがった大王を母星に送るために発射レバーを引く。
するとズゴーッという轟音と共に大王はその場から消え去り、これが物体だけを宇宙に転送する装置だと推測した。(特に座標を設定することも無いのにどうして母星にたどり着けると考えたのか・・・ やっぱしどアホである)
が、大王が出てきたのは外の排水マンホールで、宇宙船と思っていた装置はただの洋式水洗トイレだった。
尻が頭に付いているあたり、これが便器だとは考えていなかった模様。
その5話後のさんざんサンタさんの巻ではつぎはぎだらけの布団でサンタに宇宙船を強請っていたが、結局届いたのは宇宙船の描かれた千兵衛のサイン色紙だった。どうやら、ニコチャン星にもクリスマスやサンタクロースの風習があるらしい。
その次の話にあたる連載1周年記念企画の謝恩カンケリ大会では1ヶ月間逃げ回って原作者に宇宙船を貰うという約束を取り付ける。なお、この回もカラー掲載だった。
そして、大王の提言で岩のふりをすることにしたものの、飲まず食わずでひもじい上にウンチまでしたくなった残り21日の9日目にまっ先に発見されてしまう。
なお、この際にオニの千兵衛は「宇宙人みーつけたっ!!」と言っており、別に正式名称で呼ばなくても発見扱いのルールだったらしい。
続く第5巻ではもくじ担当としていきなり二人で登場する。
そしてこの巻では、モンスターズ・ナイトの巻においてまたしてもカラーで登場する。因みにこの話はアラレの「んちゃ砲」が初登場した話でもある。
以前失敗した宇宙船強奪計画を練り直したのか、再び則巻家に潜入。しかし、セキュリティの浅い家である。
この時、目的は不明だが、千兵衛は実際に大型のロケット開発を一人で手がけていたが、同時に潜入していたドランパイア一味によって未完成状態のまま始動スイッチを押したため、宇宙に飛び立つことなく、ドランパイア城にミサイルとなって飛んでいくのであった。
この際にドランパイアはすれ違うニコチャン星人をニュータイプのオバケだと思ったらしい。
また、家来はつくづく嫌な目に遭うことから、この話でギャグマンガの登場人物となったことをひどく後悔している様子であった。
6巻ではストーリー上の出番はなかったが、オマケページに『ニコチャン大王ゲーム』なるものが登場し、これはジャンケンで大王と家来を決め、向かい合って大王から先に「はら」「みみ」などと叫び、家来側がニコチャン星人の該当部位を押さえ、間違えたら負け、という他愛のないゲームだがや。
負けた相手には背中にウンチと書いてやるのがルールらしい。
なお、家来はこのゲームを「あほくさ・・・・・」とコメントしている。
また、巻末の読者コーナーで倉吉西高校の当時の2年生徒が学園祭でニコチャン「大王」の方をつくり(ちゃんと肩書きも玉者)、街を練り歩き、その作品は2位を受賞。1位は別のチームが作ったアラレだったらしいが、後世に残る原作単行本に写真入で掲載されたという意味では真の勝者だったのかもしれない。この大王は学際後、グランドファイヤーの炎と化したそうだが、「やっとニコチャンは母星に帰れたのよ」と灰になる人形を見ながら涙を堪えたそうな。
単行本1冊ぶりの作品復帰はまたしてもカラー掲載回だった7巻収録の「ドドドでペンギン村の巻」。
この回では、ちょっとした勘違いで村民総出でアラレ&ガッちゃんを追いかけるのだが、その軍勢を描いた3段のパノラマにチョッパーバイクを乗り回す山吹みどりのうしろをわけもわからず二人でついて行っていた。
なお、この109-108ページのコマにはザクや昭和ゴジラ、昭和キングギドラ、ちびウルトラマン&ウルトラセブンなどのほか、サイボーグ熊や怪獣ドドンガドンといったなつかしキャラ、読み切り作品からのゲストでポラ&ロイドも参加している当時の鳥山オールスターが拝める壮観なものとなっている。(当時の鳥山はこの手の構図が好みだったらしく、2巻ラストの「イチゴパンツ大作戦の巻 Part2」でも先例が見られる)
さらに2週連続カラーの第2回目である「原人ホヨヨ組の巻」という原始時代を舞台とした番外編では機体の後ろにプロペラが付いたヘンな飛行機に乗って登場。尻を覆い隠すヘルメットがここで初登場した。
この時代なら絶対に勝てるという大王の策略に「さすが大王さま! こういうチャンスを みのがしませんね!」と珍しく感心した様子だった。宇宙船は作れなくてもタイムマシンなら作れたのだろうか?
しかし、プテラノドンと正面衝突したことでまたも墜落の憂き目に。
そして7巻ラストトラックの「マンモスみどりちゃんの巻 Part2」(鳥山の画力向上により、扉のみどり先生が非常に色っぽい回)では、新たなアルバイトでちり紙交換を始める。
いつ星に帰れるのかやはり涙を浮かべながら嘆いたが、大王は例によってノリノリで業務を遂行していた。
なお、何故か大王は半壊した病院の、しかも眠りこけているみどりに向かってちり紙交換の商売を行おうとしていた。
また、この時みどりの身体にはミクロ化した則巻一家がカンスのスーパーマーケット病治療のために入り込んでいたが、みどりがくしゃみをしてしまったことで、驚いた大王の口の中に入りこんでしまい、千兵衛たちはヒダのついた器官(腹のあたりらしい)に行ってしまい挙句、くさいところ(おそらく直腸付近)に出てしまったことで大王は思わず野グソをしてしまう。
この行為を家来は「な なんというはしたなさ!! げひーん!! 大王さまともあろうおかたが野グソとは・・・ なげかわしいっ わ わたしは なさけない・・・」と非常に強い口調で批難した。
なお、このすぐ後にデカチビ光線銃の効力が切れたため、結果的に大王は九死に一生を得たことになる。
さらに巻を跨いだ2回後「怪盗ほよよ団の巻 Part2」ではちり紙交換を辞め、ペンギン村村立テレビでニュースキャスターに就任。
怪盗ほよよ団の則巻千兵衛宅潜入予告のニュースを伝えている。
歴代のバイトの中でもとりわけ高待遇かつ高給だったと考えられるが、後述の問題ゆえか、ニュースを伝えたのはこの1回だけ。
だが、採用されたのは家来だけだったらしく、無理やりテレビに映ろうとする大王に「じゃましないで くださいよ 大王さまっ!!」とかなり怒っていた。しかも、最後のキメは大王のアップに取って代わられた。完全に放送事故である。
その1回後には、本作があと78年2ヶ月で連載80周年となることを記念して行われる「ペンギン・グランプリ」に出場。最初は賞金2500.000円というショボさから出る気はなかったが、作者が3000円に引き上げたことで出場を決意。ゼンマイ式のスーパー乳母車を自主開発し、ゼッケン番号は4を振られた。どうやら宇宙船での例などから、ニコチャン星での動力は未だゼンマイが主流らしい。
序盤は意外にも善戦し、ゼンマイ動力の瞬発力を狙った見事なアイデアと作者にも絶賛されていた。
しかし、当然ながらネジが切れると止まってしまい、せっせとネジを巻きなおす家来だったが、慌て過ぎてネジが取れてしまい、自走不能に。
仕方なく転がることを大王は提案するが、そこはド田舎のペンギン村、いまや日本で全く見かけなくなった肥溜めに落ちてしまい最初のリタイアチームとなってしまった。
さらに、「ペンギン村ウォーズの巻 Part2」ではまさかのマシリト軍団加入を果たす。
世界の悪がここに集結した・・・!!などというシリアスなナレーションとは裏腹に集まったのはニコチャンズとハエ一匹だけだった。家来は大王を「宇宙の王者 ニコチャン 大王さま です!」とマシリトに紹介した。
また、加入を希望したハエに対して瞬時に殺虫剤を吹き付けたことに対して「どこから 殺虫剤 だしたん でしょう ね」と冷ややかに突っ込んでいた。
なお、マシリトは居ないよりまマシ、囮に使えるだろうとハナから二人を仲間として扱う気はなかった模様。
続くPart3では扉ページ上でガジラの対戦相手として描かれているが、実際の本編では「だ 大王さまっ!! あいつらが いますよ!!」とアラレ&ガッちゃんに恐怖し、逃亡を提案している。
しかし、キャラメルマン3号は意外に強く、アラレをビーム1撃でダウンさせ、ガッちゃんも特殊ゴムハサミカプセルに封じ込めるなど善戦した。この様子に正義を掲げたスッパマンもマシリト側に寝返っている。
これで今度こそ宇宙船がもらえる、とご満悦の様子だったがブタの竹槍攻撃で形成が逆転。
最後のコマではどうやら再び正義に目覚めたスッパマンと共にアラレチームに寝返ったようだった。(だが、この身代わりの早さに家来は無言で呆れている様子だった)
なお、この第8巻は当時の読者投票アンケートによる「ペンギン村 おらが1ばん! コンテスト」の結果が理由コメント入りで掲載されており、見事家来は140票を得て第9位を獲得した。アホだがや・・・!!部門で。
理由について読者は「このっ! てめ~! バカヤロッ! 名前もねえ」「アホの家来だからアホ」「自分の意見を主張しない」という手厳しいものであった。
なお、このときは本当に名前が登場しなかったのでランキングには「ニコチャンの家来」という名前で登録されていた。(名前が明らかになるのは、ニコチャンズがすっかり母星に帰った後の14巻巻末読者コーナーとりやま放送局における滋賀県大津市からの手紙に対する返信で、「ふっふっふ キミはちゃんとDr.スランプを読んどらんな。 いつも家来!!と呼ばれているだろ。そうじゃ、“ニコチャン家来”というのがあいつの名前なのじゃ。ビューチフルな名前だがや。と答えたのが最初。初登場から実に11巻も後のことであった)
なお、アホだがや部門の1位は4700票でスッパマンがぶっちきりのトップ、2位は1092票のニコチャン大王で、スッパマンに対しては「はてしないバカ」「アホの代名詞」と、ニコチャン大王に対しては「便器を宇宙船とまちがえた!」「頭の上にオケツがあるからアホ」「なさけないバイトばっかするな!」「やーい宇宙の玉者のくせにかけ算できない」とやはり手厳しいものが並んでいる。中には「宇宙船くらい自分でつくれ!」という宇宙造船技術の高度さや精密さの重要性を全く理解していないであろう読者からの指摘もあった。(実際の宇宙船はスペースデブリ対策や居住空間の確保、宇宙放射線を防止する構造などが必要であり、とっても大変なのである。それをたった一人で何台も作り上げてしまう千兵衛が異様な天才というだけである)
続く9巻ではついに則巻千兵衛が山吹みどりと結婚し、歴代最長編になる6連作「クレイジー・ハネムーンの巻」が展開される。最終話までこれに並ぶ連作シリーズは13巻~14巻の「キャラメルマン4号(後におぼっちゃマン)愛の夢シリーズ」(19回)、17巻の「駈けずりまわる青春の巻」(6回)と第2回ペンギングランプリシリーズ(6回)の3つだけだが、クレイジー・ハネムーンは前話からの直接的な続きのため7回あり、Dr.スランプ史上2番目に長い長期シリーズとなった。
・・・ため、村民の出番が全くなく、Part5において「いったい わしらの出番は どーなっとるんじゃーっ!!!!」と怒りに震える一同と共に登場した程度だった。
なお、このPart5執筆中に鳥山は高熱を出し、完結編のPart6は朦朧とする意識の中で意地で原稿を上げたという凄まじい執念を見せたが、Part6の原稿はペン入れの記憶が全く無いという。しかし、人物の絵の位置関係や話の展開には矛盾も無く、若干アップが多いことと書き文字に僅かな崩れがあることを除けば無意識執筆とは思えない完成度となっている。
このことは16巻のオマケページ「めずらしくわしがマジメにかたる Dr.スランプのヒミツ」というコーナーでも触れており、ここで「40℃の熱があったのに、彼女(今の妻)と一緒に「ブッシュマン」の映画を観に行き、それが原因でより風邪は悪化、病院に行く暇も無くなったが、ほとんど意識が無いのに手が動いていたらしく原稿を落とさなかった。 自分でも感心してしまったが、もし同じ状況で書き上げてしまう根性はもう無い」と語っていた。
クレイジー・ハネムーン完結後すぐの話である「夜空の鼓笛隊の巻」ではいつの間にか夏になっていたペンギン村であいすくりいむ屋(売ってるのはソフトクリームで1個30円)のバイトを行っている。なお、幟は大王の手書きらしく、すの字が鏡文字になっているほか、二人の麦わら帽子姿が観られる唯一の回となっている。
なお、大王は呼び屋で鐘を鳴らしており、重たいクーラーボックスを持つのは家来の役だった。
その後、バイトあがりだったのか、皿田きのこが花火を打ち上げる様子を見て、大王に「あれを売っているのをみたことがありますっ!」とおもちゃ屋に案内。
その花火が“ロケット”花火であることを知ったことでバイト代全額をつぎ込んで大ロケット花火を製作。
これで星に帰れるとばかりに導火線に点火し支柱に捕まるが、当然花火なので空中で大爆発を起こした。
この様子に則巻家の人々は「すげえな あそこんちは」「おみごと!!」と驚いていた。
次の話は久々のDr.スランプほよよスペシャルとして描かれた。ナンバリングはIVになっている。
おたすけマンとしてコンボット防衛を担当していたが、どうやらこっちで採用されたのは大王だけだったらしく珍しく家来は出ない。
なお、この巻では「いまだからはなせる マル秘 Dr.スランプ うらばなし」というオマケマンガが掲載されており、それのニコチャン大王の巻では「明日締め切りなのに遊んでしまった(恐らくコマの様子からドンキーコング)」とあり、「時間がないのでカンタンなやつを書いていつものように飛行機便で東京に送ったところ、ブキミなものをかくな!!とボツにされた」とあり、最初はニコチャン星人がボツだったことが語られる。
しかし、「明日までに直すように言われたが、また遊んでしまい、前のをそのまま送った。怒られるとおもったが、まあまあだなと通ってしまい、いいかげんなものである・・・」と結んでいる。
但し、16巻のオマケページでは「しめきりギリギリで東京までもっていったニコチャン大王の原稿をみて 担当のT氏は 『なんだよ これ!! キモチわるいキャラクターだな!! くそ~~時間さえあったらぜったいにボツなんだが しょうがない! にどとこんなブキミなやつかくなよ!!』」と返したらしく、本人の語るところでもエピソードに矛盾が生じている。(但し、両方とも最初はボツだったということは共通している)
第10巻はオマケページがコミックス通算10巻記念で「ペンギン村 びっくりしてちょ 大ギネス」と称したカウントものになっており、ここでも家来は見事に202回の登場で第5位を獲得した。・・・アホちん最多出場部門で。
なお、第1位は324回でスッパマン、2位は250回でニコチャン大王だったが、大王と家来を合わせれば452回となり、スッパマンを上回る。
また、「華麗じゃないアルバイト集アルバム」では歴代の職歴が紹介された。
さらにまたもフルカラー掲載となった「フライング・ニコチャンの巻」では新職かわいいてのりぶんちょ屋を開始。
ブータレブーにも「ひさしぶり! ニコチャンとその家来」と紹介されていた。
さすがにバイトが惨めになってきたらしく「だ 大王さま こんな アルバイト では 宇宙船を かうどころか 生活して いくのが やっとです ・・・・・・」とホントのことを言ってしまう。(大王は文鳥よりやかましいと怒っていた)
その直後に現れたアラレが乗っていた新品のエアカーを宇宙船と思い込んで文鳥と交換。家来は文鳥の育て方を丁寧にレクチャーしていた。
なお、宇宙船が一人乗りであることで、大王は先に乗ろうとしたが、家来は大王が無免許だという理由ですぐ助けに戻ってくることを条件に自分が乗ると言い出し口論に。そうこうしているうちにエンジンが折れてしまう。
しかし、アラレから摘一家の烈津号が宇宙船であることを知らされた二人は久しぶりに住居侵入を決行。
鶴燐の部屋を操縦室と勘違いし、ラジカセの再生ボタンを押して超能力で追い返される。
当然母星に戻れなかったことで腹を立てた二人は文鳥を返してもらうことに。だが、則巻家の文鳥は千兵衛の生長促進剤で巨大化しており、手乗りではなくなっていた。
これについて「・・・・・・ついでにわが星まで つれってってほしい ですね・・・」と漏らしている。
11巻ではDr.SLUMP ELEGANT SPECIALと称した「赤い鼻緒の巻」において栗頭バレエ団の一員としてチュチュを着て登場しただけで、ほぼ出番は無かった。
出番も減って、このまま作品からフェードアウトかと思われた不憫な二人だったが、12巻「GO! GO! ニコチャン星(ぼし)」においてついに念願の宇宙船を手に入れる。
この宇宙船を手に入れるまでには少し経緯があり、ルマルマ星から地球を偵察にやってきたタマの宇宙船が、アラレに撃墜されてしまい、無線機を直してもらう代わりに故障した宇宙船の、とりわけ重力コントロール装置に興味を持った千兵衛博士がルマルマ星の技術を応用して製作した自前の重力コントロール装置を使って宇宙船を製作したことで入手することが出来た。
なお、この重力コントロール装置は千兵衛博士の製作した発明品では珍しく『本当に失敗作であった装置』であり、当初烈津号に取り付けられたが、最初の段階では重大な欠陥が見つかったため宇宙航行は不可能な代物で、5つ部品を追加することでようやく完成に至った。
改良版を烈津号に再度取り付けることを提案するも、摘一家から見放されて完全に信用を失った千兵衛は意地で重力コントロール装置が完成したことを示すために宇宙船を実際に製作してみせたが、若干の不安があったため、「実験台」としてニコチャンズにこの宇宙船を無償供与したのであった。
この宇宙船を手に入れる直前、二人は20750円まで貯金を溜めていたが、最後のアルバイト「たこやきいも屋」(芋の中に蛸の足を入れているというキャトルミューティレーションでも行ったかのようなオーバーテクノロジーな謎の食い物)を営んでいたが、すぐにこの商売は廃業した模様。
「大王さま つ ついに かえれるん ですね・・・!?」と涙ながらに家来は語ったがその後に「わ わたしは このセリフを 何回 いったことか ・・・・・・」とあるが、実際このセリフが原作マンガに登場した回数は片手で数えるほどしかない(アニメでは多用されている)。
そうして、母星へ帰還するため、家来は博士から宇宙船の操縦方法を丁寧に教わっていた。かろうじて家来は操縦方法が理解できたようだったが、大王は「ちーとも わからんがや」と言っているあたり、やはり無免許であることが伺える。
ついに宇宙へと飛び出し、「地球がもうあんなにちいさく」と感激していたが、大王は「にどと チタマの話は するな!! だいっきらいだっ!!」と悪態をついていた。
その直後にアラレ&ガッちゃんズが後部に乗り込んでいることが判明、くさい耳に対して適当な星に置き去りにせよと家来に命令するが、ガッちゃんズを連れていたアラレには全く通用しなかった。
仕方なくそのまま連れて行くことにしたが、とうとう2年ぶりにニコチャン星に帰還することに成功。
星といっても直径約2000m,人口83人という非常に小さな惑星だった。(参考までに月は3474km,デス・スターでも120kmある)
なお、この直径は人工衛星ぐらいの大きさしか無いことになるので、ニコチャン星はかなりの人口過密社会ということになる。
また、この話ではニコチャン大王の家族以外に若い衆や子供たちが見当たらないので、地球の現代日本と同じように他の星への人口流失や少子高齢化が進んでいる可能性がある。
2年もの間行方がわからなくなっていたことは星の住民たちもたいそう不安になっていたようで、住人たちは大王一行の帰還を涙ながらに喜んでいた。
また、妻と子供たちに再会した大王は久々にそろった一家とともに人目をはばからず大泣きした。
この感動の対面に家来も感動し、ハンカチで涙を拭っていた。数少ない、彼のうれし涙である。
だが、この2年の間に星はコマッタチャンという宇宙人に大根を搾り取られる事実上の植民地にされてしまっており、家来は「そんなやつ 大王さまが こてんぱんに やっつけて くれますよっ !!」と檄を飛ばす。
しかし、次にやってくるのが今日と聞いて「おおっ!! それは ちょうど いいじゃ ないですかっ!!」と発言、とんでもない事態になったことで思わず家来をぶってしまう大王だった。
しかし、彼の星を守りたいという意思自体は本物で、果敢にUFOの大砲でコマッタチャンを迎え撃つ。
家来はこんな大砲でやっつけられるならもうみんなやってる、と漏らすも地球で鍛え上げた根性で立ち向かった。
とはいえ、コマッタチャンには全くダメージを与えられず、大王の息子二人が立ち向かうが歯が立たない。
そこにつおいやつが大好きな捕虜のアラレが代わりに対決を請け負った。
家来は「だ 大王さま そういえば あの子たちが いたんです ねっ!!」とコマッタチャンの粘液に絡まりながらも最後の希望を彼女に託す。
アラレはごあいさつ砲各種で互角以上に戦うが、コマッタチャンのあいさつのネタ切れで隙が出来たその時にエネルギーの使いすぎで機能停止に陥る。
そこにアラレを連れ戻すべく現れた千兵衛がロボビタンAを補給し、復活したアラレのバイチャ砲で宇宙の彼方へとコマッタチャンは吹き飛ばされた。
星を救ってもらったお礼として大量の大根をおみやげに博士の旧型宇宙船でアラレたちは地球へ、そしてちいさなニコチャン星には平和が戻り、宇宙にはたからかな笑い声がいつまでも 響き渡っていたという。
母星に帰ってからは当然ながらペンギン村を舞台としたDr.スランプにおいて登場することは無くなった。アニメ1作では帰った後もちょこちょこ地球に来ており、原作よりも出番は多い。
16巻の「?おこたえしましょスペシャル?」で「ニコチャン星人はどうやってウンチをするのか?」というアホな読者からの質問に対して、原作者がニコチャン星に向かう、予定だったがめんどくさがり、ターボくんに大王だけを呼び出されたものの、家来は出番が無かった。
原作マンガの最終回である「最終回用メカ 大発明!の巻」における「最終回だと いうんで わざわざ やってきたのに あれは いったい なんなのでしょう 大王さま」がこのマンガにおける彼の最後のセリフになり、最終ページの全員による「バイチャ」シーンにて空豆タロウのリーゼントに半分隠れながらスッパマンの隣で一筋の汗をたらしながら写っているのが最後の出番となった。
なお、完結後の次回作『DRAGON BALL』では其之八十一『追ってペンギン村!』において、大王のみ1コマだけピースして出演しているが、家来は出なかったため、大全集への記載機会を逃している。
これ以外の出演は本作の連載中に1981年の愛読者賞で掲載された読み切り短編『POLA&ROID』のACT14「スペシャル・ゲスト」で100円ライター型エンジンを両脇に2機取り付けた宇宙船に乗り、ポラとロイドの宇宙船を襲う“宇宙海賊”として3コマだけ登場。
ガチガチに緊張する大王に対して、「大王さま 愛読者賞 だからって そんなに きんちょう しなくて いいですよ」と諭している。そして、彼らの宇宙船に一方的に停船命令を出すと船内に銃を片手に乗り込んでいくという役柄だった。ちなみに、やはり宇宙船の操縦は免許を持つ家来が請け負っていた。
彼らが明確に海賊行為を行った唯一の事例と言えるが、何故かロイドの宇宙船に同乗していた則巻アラレに恐怖してどこかに逃げ出してしまう、というオチだった。実はポラのコスプレ(当時はこの表現も無かったので変装というべきか)で、ロイドは「よんでて よかった Dr.スランプ!」と語り、コマの下には☆みなさんも いざというときのために コミックスをそろえておきましょう!!などと書かれて思っきし宣伝している(なお、当時は1冊360円だった)
なお、この『POLA&ROID』は鳥山作品の短編では初めて45ページという中篇クラスのページ数を誇るほか、ひとつの短編で15のACTナンバーに分かれているという大作だったが、週刊連載を継続したまま普段の倍以上の長さの短編を初めて書いたことで、時間が足りず全部サインペンで描かれている。
しかし、これがなんのまちがいか、1等賞を獲ってしまい、報酬でヨーロッパ旅行に連れて行ってもらったという。なお、スイスでの絶景に対する感想は「うーむ・・・・ 絵ハガキといっしょじゃないか・・・・・・」という身も蓋も無いものだった。しかし、1等を獲った作品とあって、短編集『鳥山明 ○作劇場』では本作を短編の代表作と扱い、メインに据えて銃を構えるロイドと後ろ向きでこちらに視線をむけるポラ、ポラの相棒ロボ、ロイドのプロペラ飛行機型宇宙タクシーが描かれるという破格の待遇となっている。(他の収録作からはワンダー・アイランド1&2からピーマンが、ギャル刑事トマトからはトマトが、MAD MATICからは剣歯竜が、CHOBIT1&2からはチョビットがそれぞれ各作品を代表するキャラとして一人ずつ登場しているのみ)
なお、一部のセリフが今日では差別表現にあたるため、21世紀以降の版では僅かだがセリフに差し替えがある。
その後、22年ぶりに執筆された『Dr.スランプ』の続編『Dr.MASHIRITO ABALEちゃん』において、テクテク星人(この宇宙人の名前は別作品「おいしい島のウーさま」で判明する)にアラレについて問われ、「この前 魔法使いゴッコ だといって ミサイルに またがって あそんでた ぐらいで・・・」とその恐ろしさを語っていた。
しかし、テクテク星人は地球侵略のためにその情報を有益として情報量2000円と自分の宇宙船を提供し、アラレを宇宙に連れ出して欲しい旨を伝える。
大王は「1億メートルのウンチをする宇宙怪物を見よう」という口実でアラレを誘うが家来は「バカっ っぽい 誘い ・・・・・・」とあきれ果てていた。
また、どのぐらい時間がかかるのかに対して大王が「そ そうだな 1億分ぐらい かな」と答えたことに対して「大王さま なんでも 1億1億って・・・ バカっぽい単位 ですよ それ・・・」と突っ込んでいたが、大王は「うるしゃーっ!!」と怒っている。
かくしてテクテク星人の計画は成功したかに思えたが、最終兵器チョキを使い侵略宣言を行い降伏を促したところで、現れたのは、アラレと完全同一構造の最新キャラメルマン23号アバレで、1撃で粉砕されてしまい、あえなく失敗に終わった。
一方その頃宇宙に出たアラレたちは本当に宇宙怪獣の野グソを発見。
「ほ・・・ ほんとに ありましたね・・・ ものすごい ウンチ・・・」という彼の呟きが、Dr.スランプシリーズにおける現時点で真のラストシーンとなっている。
ニコチャン大王「ふ・・・なかなかの漢前だがやぁ。」家来「あの・・・これ、元々は私の記事だったんですけど。」
家来「ちなみに私のはこちら↓です」
大王「ちんまいのぅ」
家来「」
う
ん
ち
掲示板
12 ななしのよっしん
2024/03/08(金) 20:13:35 ID: 2E/OfJ87lx
どっかの番組でニコチャン大王は鳥山先生が愛知県民だから名古屋弁だと語ってた人がいたからそれの影響じゃない?
13 ななしのよっしん
2024/03/09(土) 02:12:16 ID: GunOaxAodb
>>11
モンキー・パンチ他界の時はルパンとか次元じゃなくMUSASHIGun道が急上昇に上がってたぞ
14 ななしのよっしん
2024/03/09(土) 02:59:28 ID: W7Mftiieqn
元のアクセス数が低いほど上がったって判定されやすいとかあるのかも
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/19(火) 11:00
最終更新:2024/03/19(火) 11:00
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