『東京喰種トーキョーグール』とは、石田スイによる漫画である。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2011年41号から2014年42号まで連載された。続編『東京喰種トーキョーグール:re』は2014年46号より2018年31号に連載された。
概要
人を喰らう怪人"喰種(グール)"が跋扈する東京。
日常に隠れて生きる、正体が謎に包まれた"喰種"の脅威に、人々は恐れを感じ始めていた。
読書好きの平凡な大学生・カネキは、通い詰める喫茶店「あんていく」にて、自分と同じく高槻泉を愛読する少女・リゼと出会う。
自分の運命を大きく変えることになるとは知らずに…。
人間の命を奪い、喰い生き永らえる怪人の存在に疑問と葛藤を抱きつつ、あるべき世界のあり方を模索する青年の未来は――!?
特設サイトあらすじより
喰種と呼ばれる種族を中心に東京を舞台に繰り広げられるサスペンスホラーダークファンタジーバトル漫画である。
WEB漫画『THE PENISMAN』で知られる石田スイ(HN:そとなみ)のデビュー作となる今作は、元は読み切り作品としてMANGAグランプリで準優秀賞を受賞したものである。その後『ミラクルジャンプ』に掲載され、好評のため連載となった。なお、読み切り版とは詳細が異なる。
ジャンプジェイブックスからスピンオフとして十和田シンによる小説版が発売されている。また、神風動画から本作のスペシャル動画が制作された。
2013年8月からジャンプLIVEにて番外編『東京喰種トーキョーグール[JACK]』を連載。主役は有馬貴将と富良太志。
用語解説
- 喰種(グール)
“人を喰う怪物”。
普段は普通の人間と変わらない生活をしているが、人間を食料とする種族である。
味覚等が人間と大きく異なるため通常の食べ物は嘔吐物や排泄物のような食感と味に感じてしまい、水、コーヒーと人間以外のものを摂取できない。無理に摂取した場合は体調を崩してしまう為、人間との共存を目指している喰種とっての障害となっている。喰種が喰種を捕食した場合不味く感じるが、人間と喰種の特性を持った隻眼の喰種や赫子を埋め込んだクインクスは大変美味に感じ、また自分自身の肉を食った場合はそこそこいける味に感じる。
身体能力は人間を大きく上回り、雑魚に分類される喰種でも人間よりはるかに強い。皮膚も強靭で普通の刃物や銃弾は通さない。
- Rc細胞/Rc因子
硬化と軟化を繰り返すことにより、血液のように流れ歯よりも頑丈になる“液状の筋肉”。
健常なヒトにも存在するがRc値は200から500程度であり、喰種の場合は1000から2000の値を示す。
CCGの建物にはRc値を判別するゲートが設置されている。
ヒトを食すことによってRc細胞は喰種の血中に取り込まれ、赫包(かくほう)と呼ばれる喰種特有の器官に蓄えられる。
喰種の強さを表す数値でもありこれが高いほど強くなる。
- 赫子(かぐね)
赫包に貯めこまれたRc細胞が意識的、あるいは感情の昂ぶりで皮膚を突き破り放出されることで形作られる喰種特有の武器。
放出することで身体が活性化し戦闘能力が向上する。喰種の意思で操作が可能。
赫子の形状には個体差があり、基本は『羽赫』『甲赫』『鱗赫』『尾赫』の四つに分類されそれぞれ性質が異なる。
赫子を持たない(放出できない)喰種もいるが他よりも圧倒的に弱い。
赫子の形はその喰種ごとの想像力。大きさはRc細胞(資質)によって決まる。
- 羽赫(うかく)
肩まわりにある赫包から放出される。
文字通り羽のような外見だが、細胞の硬化サイクルがとてつもなく速い為、Rc細胞が霧状(ガス状)に噴出している。
薄刃を形成しての突進攻撃や、形成した赫子を高速で飛ばすことによる遠距離攻撃が可能。
羽赫を持つ喰種は瞬発力が高く高速戦闘が得意だが、細胞が常に噴出する為に持久力に欠け、他に比べると一撃の威力が劣る。
防御力の高い甲赫が苦手。
戦い慣れして特性を熟知した喰種は、燃費の悪さを逆手に取って、敵が赫子の萎んだ瞬間を狙って攻撃してきた瞬間に赫子をブレード状にしてカウンターを決めることや、体にまとわせて盾として使うことも可能。
- 甲赫(こうかく)
肩甲骨の下にある赫包から放出される。
Rc細胞の硬化サイクルが遅く、高密度に凝縮されているため金属のような強固な性質を持つ。赫子の中でも随一の頑強さを誇る。その為、頑丈な矛にも盾にもする事が可能。
甲赫を持つ喰種はパワフルな戦闘が得意だが、赫子が重く自由度が低いため他と比べるとスピードで劣る。
戦闘の自由度が高い鱗赫が苦手。
基本的に頑丈な分、形状変化が難しいのか、ほとんどリーチを伸ばせず近接戦闘しかできないように思えるが、月山習のように様々な形に形状変化させ、射程距離の短さもある程度補える喰種もいる。
自由度が低い分、燃費は赫子の中で一番いいと思われる。
- 鱗赫(りんかく)
腰あたりにある赫包から放出される。
細胞結合の自由度が高く、表面が鱗状をしている。
鱗赫を持つ喰種は強力な再生力があり、自らの肉体すら顧みないトリッキーな戦いが得意だが、細胞の結合力が弱く防御力の低さが致命的な弱点となっている。
隙のない尾赫が苦手。
喰種によって生やせる本数が違い、一本しか出せない者もいれば何本も出せる喰種もいる。
鞭のようにしならせて相手に叩きつけたり先端を尖らせて貫いたりして攻撃ができる他、
物体にからみつかせて引き寄せたり引きちぎったりもできるので応用性は高い。
- 尾赫(びかく)
尾てい骨あたりにある赫包から放出される。
文字通り尻尾のようになっており、中距離で最も力を発揮するバランス型。
攻守共に水準以上で、弱点らしい弱点はない。
ただし決め手に欠けるため、速攻が得意な羽赫が苦手。
こちらも鱗赫同様、赫子で物体を掴んで引き寄せたり器用な使い方が可能。
燃費はいい部類だが喰種によっては通常の尾赫より強力な分燃費は悪い尾赫もある。
- 赫眼(かくがん)
Rc細胞が作用することにより発現する喰種特有の赤い瞳孔&黒い白目。喰種自身の意思である程度発現はコントロールできるが“食事”の時や空腹時には発現を抑えられないこともある。
- 赫者(かくじゃ)
喰種同士での「共喰い」を繰り返すことによって突然変異して稀に生まれる特殊な喰種。
体内に複数の赫包を持ち、通常の赫子より更に強力で面積も広い、マスクや鎧のように身に纏う赫子を扱える。
ただし利点ばかりではなく、Rc細胞を摂食して取り込む過程で被食側喰種の人格と自我が混線してしまい、精神異常をきたしやすくなる。それでなくても、普通の喰種の肉は喰種が食べても「不味い」ものであるらしく、好んで共食いをする喰種はそういない。しかし赫者になるために共食いを行う戦闘狂な喰種や、生きるためにやむなく行う者も少数ながら居るようである。
- 喰種捜査官(グールそうさかん) / 白鳩(ハト)
喰種を専門に捜査する人達。CCG(喰種特別対策局)に所属し、喰種からは白鳩(ハト)と呼ばれる。上位捜査官(特等、准特等、上等)と下位捜査官(一等/二等/三等)に別れており、下位捜査官は上等捜査官以上の者と組むことになっている。CCG本局は1区に存在する。
- クインケ
喰種捜査官が扱う武器であり、駆逐した喰種の赫子から作製される。
通常はトランクのような箱に収納されている。小型ナイフ程度のものにケースは不要。
基本は赫子に持ち手をつける程度の改造のみで使用するが、羽赫のクインケは遠距離武器としての形を与える。
巨大なものは分割して使用したり、ギミックや複数種の混合、全く違う形に仕上げることも可能。
材料が生物由来なので調節程度しかできず、破壊された場合の修復は困難であり、消耗した部分を補填することもできない。つなぎとして別のクインケを用いることでの接着は可能。
強いグールの赫子で作られるクインケほど強力になる傾向にあるが、使い手次第で弱い喰種から作られたクインケでも十分威力を発揮する。
- Qバレット
溶かした赫子を練り込んだ銃弾。
Rc鋼自体がとても貴重なため大量生産はできず威力は低いが通常の銃弾と同じように扱え、喰種にもある程度有効。
クインケを持たない階級の低い捜査官に与えられる。
“喰種”対策法
- 12条1項「赫眼および赫子の発生が確認された対象者を第I種特別警戒対象別称“喰種”と判別する」
- 12条2項「“喰種”と判別された対象者に関してあらゆる法はその個人を保護しない」
- 13条1項「喰種捜査官は住民の安全を最優先に任にあたる」
- 13条2項「“喰種”に対し必要以上の痛みを与える事を禁ずる」
- その他:喰種を蔵匿・隠避したものには人間の犯罪者を匿うよりずっと重い罰がある。
登場人物
- リゼ / 神代利世 / “大喰い” - CV:花澤香菜
カネキの運命を大きく変えることになる、11区から20区に移ってきた喰種。赫子は鱗赫。11区にて『一月の喰事は一人まで』というルールを破り多くの人間を殺害し喰種捜査官の捜査対象となった。20区でも同様の行為を繰り返すが、カネキを捕食しようとした際に落下してきた鉄骨に潰されて死亡したかに見えたが嘉納医師によって人工喰種の培養元として生かされていた。
あんていく(20区)
元4区
20区
アオギリの樹
11区
CCG
その他
テレビアニメ
2014年7月~9月に第1期『東京喰種トーキョーグール』が放送された。全12話。
2015年1月~3月に第2期『東京喰種トーキョーグール√A』が放送された。全12話。√Aでは作者原案の元、漫画の方とは異なった展開を繰り広げるアニメオリジナルとなっている。いわば「もう一つの東京喰種」である。
スタッフ
主題歌
第1期
- オープニングテーマ「unravel」
- 作詞・作曲・編曲:TK / 歌:TK from 凛として時雨
- エンディングテーマ「聖者たち」
- 作詞:Hirofumi Hatano / 作曲・編曲・歌:People In The Box
第2期
- オープニングテーマ「無能」
- 作詞・作曲:高橋國光 / 歌:鎌野愛(ハイスイノナサ)
- エンディングテーマ「季節は次々死んでいく」
- 作詞・作曲:秋田ひろむ / 歌:amazarashi
放送局
各話リスト
舞台
2015年と2017年の二度、舞台化された。
実写映画
2017年7月に『東京喰種 トーキョーグール』のタイトルで実写映画化もされた。PG12指定。主演のカネキ役は窪田正孝。トーカ役は清水富美加。
2019年7月には続編となる実写映画第二弾『東京喰種 トーキョーグール【S】』も公開された。R15+指定。主演のカネキ役窪田は続投してるが、トーカ役は山本舞香に交代している。
関連動画
公式配信
関連チャンネル
関連項目
外部リンク