奥田英朗(おくだ ひでお)とは、日本の小説家。奥田英郎ではないので注意。
概要
1959年岐阜県生まれ。編集者やコピーライターを経て、出版社への持ち込みから『ウランバーナの森』で1997年にデビュー(小説デビュー以前にエッセイの著作が2冊ある)。2作目の『最悪』でブレイクし、3作目の『邪魔』で大藪春彦賞を受賞、直木賞候補になるなど順調に評価を高める。
2004年『空中ブランコ』で直木賞を受賞。2006年、『サウスバウンド』で本屋大賞2位。2007年『家日和』で柴田錬三郎賞を、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。
日常生活のディテール描写に定評があり、それがやがて犯罪へ繋がっていく『最悪』『邪魔』『無理』『ナオミとカナコ』などのクライムノベルから、『サウスバウンド』『家日和』のような家族小説、『東京物語』のような青春小説、「精神科医・伊良部一郎シリーズ」のようなコメディ小説まで作風は幅広い。幅広すぎてどれが本線なのかよくわからない。
スポーツへの造詣が深く、主に野球を題材にしたエッセイにも定評がある。直木賞の授賞式を欠席してアテネオリンピックを見に行ったほど。本人は中日ドラゴンズ、特に岩瀬仁紀のファンだとか。
なお『家日和』に始まる〈家〉シリーズには作者本人を思わせる小説家が妻の行動に振り回される短編が巻ごとに1作ずつ収録されているが、あれはあくまでフィクションである。
2009年、「精神科医・伊良部一郎シリーズ」が『空中ブランコ』のタイトルで何故かアニメ化された。伊良部シリーズはドラマ・映画にもなっている。ほか、『最悪』『真夜中のマーチ』『オリンピックの身代金』『邪魔』『ナオミとカナコ』『我が家の問題』『噂の女』『我が家のヒミツ』がドラマ化、『サウスバウンド』『ララピポ』『ガール』『純平、考え直せ』が映画化されている。
作品リスト
小説
- ウランバーナの森 (1997年、講談社→2000年、講談社文庫→2017年、講談社文庫[新装版])
- 最悪 (1999年、講談社→2002年、講談社文庫)
- 邪魔 (2001年、講談社→2004年、講談社文庫[上下巻])
- 東京物語 (2001年、集英社→2004年、集英社文庫)
- イン・ザ・プール (2002年、文藝春秋→2006年、文春文庫)
- マドンナ (2002年、講談社→2005年、講談社文庫)
- 真夜中のマーチ (2003年、集英社→2006年、集英社文庫)
- 空中ブランコ (2004年、文藝春秋→2008年、文春文庫)
- サウスバウンド (2005年、角川書店→2007年、角川文庫[上下巻]→2014年、講談社文庫)
- ララピポ (2005年、幻冬舎→2008年、幻冬舎文庫)
- ガール (2006年、講談社→2009年、講談社文庫)
- 町長選挙 (2006年、文藝春秋→2009年、文春文庫)
- 家日和 (2007年、集英社→2010年、集英社文庫)
- オリンピックの身代金 (2008年、角川書店→2011年、角川文庫[上下巻]→2014年、講談社文庫[上下巻])
- 無理 (2009年、文藝春秋→2012年、文春文庫)
- 純平、考え直せ (2011年、光文社→2013年、光文社文庫)
- 我が家の問題 (2011年、集英社→2014年、集英社文庫)
- 噂の女 (2012年、新潮社→2015年、新潮文庫)
- 沈黙の町で (2013年、朝日新聞出版→2016年、朝日文庫)
- ナオミとカナコ (2014年、幻冬舎→2017年、幻冬舎文庫)
- 我が家のヒミツ (2015年、集英社→2018年、集英社文庫)
- 向田理髪店 (2016年、光文社→2018年、光文社文庫)
- ヴァラエティ (2016年、講談社→2019年、講談社文庫)
- 罪の轍 (2019年、新潮社)
- コロナと潜水服 (2020年、光文社)
エッセイ
- B型陳情団 (1990年、講談社)
- おれに訊くんじゃない 近そうで遠い男と女のハナシ (1992年、大和書房)
- 延長戦に入りました (2002年、幻冬舎→2003年、幻冬舎文庫)
- 野球の国 (2003年、光文社→2005年、光文社文庫)
- 泳いで帰れ (2004年、光文社→2008年、光文社文庫)
- 港町食堂 (2005年、新潮社→2008年、新潮文庫)
- 用もないのに (2009年、文藝春秋→2012年、文春文庫)
- どちらとも言えません (2011年、文藝春秋→2014年、文春文庫)
- 田舎でロックンロール (2014年、KADOKAWA)
関連動画
関連商品
関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%A5%A5%E7%94%B0%E8%8B%B1%E6%9C%97