海堂尊(かいどう たける)とは、日本の小説家・医師。本名は非公開ということになっているがググれば出てくる。
概要
2005年、医師として働く傍ら書いた「チーム・バチスタの崩壊」で第4回このミステリーがすごい!大賞を受賞、『チーム・バチスタの栄光』と改題の上出版されデビュー。本作が映画化・テレビドラマ化されベストセラーとなるとともに、その後も立て続けに作品を送り出し人気作家となる。
端的に言えば、医者としてAi(オートプシー・イメージング、死亡時画像診断)の重要性を訴えるために小説を書いてみたらベストセラー作家になっちゃった人。現在も病理専門医として働く傍らで小説を執筆しており、医師としてノンフィクションも書くなどしてAiの普及に尽力している(それに関連するブログの文面を巡って他の医師から訴えられたなんてことも……)。そんな動機で小説を書き始めたため、小説中でもしょっちゅうAiについての話題が登場する。
現役医師として働きながら、ノンフィクションも含めると年4冊以上のペースで新刊を出すという速筆。いつなんどき、どこででも執筆できるらしい。単行本から文庫化する際にも大きく手を入れることがある。2011年以降はノンフィクションの出版数がかなり増えている。2016年からはチェ・ゲバラを描く四部作予定の『ポーラースター』シリーズに注力しているためか、刊行ペースは落ち気味。
作品は「メディカル・エンターテイメント」と称される医療ミステリーを中心に、一癖も二癖もある登場人物たちが活躍する幅広いエンターテイメントを執筆している。代表作は田口公平・白鳥圭輔のコンビが活躍する『田口・白鳥シリーズ』だが、その他の作品も基本的に全て同じ世界観で描かれており、海堂作品全体が大きなシリーズを為している(作品のほとんどが東海地方にある架空の都市「桜宮市」を舞台としているため、「桜宮サーガ」とも呼ばれる)。そのため、なるべくならデビュー作の『チーム・バチスタの栄光』から全作品を刊行順に読んでいくのが望ましい。
『チーム・バチスタの栄光』が作品構成に合わせて上下巻で文庫化されヒットしたためか、初期作品の文庫版は上下巻で刊行されることが多かった。普通なら分冊するほどの長さでなくとも上下巻になるので、『螺鈿迷宮』や『ブラックペアン1988』のように約200ページずつという非常に薄い上下巻本になることもあった。上下巻商法おいしいですね。しかしさすがに不評だったのか、その後上下巻で出ていた作品はそれぞれ合本した1冊本の新装版に切り替えられた。
『ブラックペアン1988』『マドンナ・ヴェルデ』で山本周五郎賞候補、『ブレイズメス1990』で吉川英治文学新人賞候補。新書の『死因不明社会』で科学ジャーナリスト賞を受賞している。
作品リスト(小説のみ)
マークは記事のある作品。
- チーム・バチスタの栄光 (2006年、宝島社→2007年、宝島社文庫[上下巻]→2015年、宝島社文庫[新装版])
- ナイチンゲールの沈黙 (2006年、宝島社→2008年、宝島社文庫[上下巻]→2015年、宝島社文庫[新装版])
- 螺鈿迷宮 (2006年、角川書店→2008年、角川文庫[上下巻]→2013年、角川文庫[新装版])
- ジェネラル・ルージュの凱旋 (2007年、宝島社→2009年、宝島社文庫[上下巻]→2016年、宝島社文庫[新装版])
- ブラックペアン1988 (2007年、講談社→2009年、講談社文庫[上下巻]→2012年、講談社文庫[新装版])
- 夢見る黄金地球儀 (2007年、東京創元社→2009年、創元推理文庫)
→ 黄金地球儀2013 (2019年、講談社文庫) - 医学のたまご (2008年、理論社→2020年、角川文庫)
- ジーン・ワルツ (2008年、新潮社→2010年、新潮文庫)
- ひかりの剣 (2008年、文藝春秋→2010年、文春文庫)
→ ひかりの剣1988 (2024年、講談社文庫) - イノセント・ゲリラの祝祭 (2008年、宝島社→2010年、宝島社文庫[上下巻]→2016年、宝島社文庫[新装版])
- ジェネラル・ルージュの伝説 (2009年、宝島社文庫) ※ファンブック、短編の収録あり
- 極北クレイマー (2009年、朝日新聞出版→2011年、朝日文庫[上下巻]→2013年、朝日文庫[新装版])
→ 極北クレイマー2008 (2019年、講談社文庫[改題]) - マドンナ・ヴェルデ (2010年、新潮社→2013年、新潮文庫)
- ブレイズメス1990 (2010年、講談社→2012年、講談社文庫)
- アリアドネの弾丸 (2010年、宝島社→2012年、宝島社文庫[上下巻]→2016年、宝島社文庫[新装版])
- モルフェウスの領域 (2010年、角川書店→2013年、角川文庫)
- ナニワ・モンスター (2011年、新潮社→2014年、新潮文庫)
- 極北ラプソディ (2011年、朝日新聞出版→2013年、朝日文庫)
→ 極北ラプソディ2009 (2019年、講談社文庫[改題]) - 玉村警部補の災難 (2012年、宝島社→2015年、宝島社文庫)
- ケルベロスの肖像 (2012年、宝島社→2013年、宝島社文庫)
- スリジエセンター1991 (2012年、講談社→2018年、講談社文庫)
- 輝天炎上 (2013年、角川書店→2014年、角川文庫)
- ガンコロリン (2013年、新潮社)
→ ランクA病院の愉悦 (2016年、新潮文庫[改題]) - カレイドスコープの箱庭 (2014年、宝島社→2015年、宝島社文庫)
- アクアマリンの神殿 (2014年、KADOKAWA→2016年、角川文庫)
- スカラムーシュ・ムーン (2015年、新潮社→2018年、新潮文庫)
- ポーラースター ゲバラ覚醒 (2016年、文藝春秋→2019年、文春文庫)
- ポーラースター2 ゲバラ漂流 (2017年、文藝春秋→2019年、文春文庫)
- 玉村警部補の巡礼 (2018年、宝島社→2020年、宝島社文庫)
- ポーラースター3 フィデル誕生 (2019年、文春文庫)
- 氷獄 (2019年、KADOKAWA→2021年、角川文庫)
- コロナ黙示録 (2020年、宝島社)
→ コロナ黙示録 2020災厄の襲来 (2022年、宝島社文庫) - ポーラースター フィデル出陣 (2020年、文藝春秋)
- 医学のひよこ (2021年、KADOKAWA→2023年、角川文庫)
- 医学のつばさ (2021年、KADOKAWA→2023年、角川文庫)
- コロナ狂騒録 (2021年、宝島社)
→ コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴 (2022年、宝島社文庫) - コロナ漂流録 (2023年、宝島社)
→ コロナ漂流録 2022銃弾の行方 (2024年、宝島社文庫) - プラチナハーケン1980 (2024年、講談社)
関連動画
関連項目
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- 高村薫
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- 田中啓文
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- 月夜涙
- 辻堂ゆめ
- 辻村深月
- 土屋隆夫
- 都筑道夫
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- 天藤真
- 遠田潤子
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- 中村文則
- 中山七里
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- 西澤保彦
- 西村京太郎
- 西村賢太
- 西村寿行
- 似鳥鶏
- 貫井徳郎
- 沼田まほかる
- 野崎まど
- 法月綸太郎
- 長谷敏司
- 羽田圭介
- 初野晴
- 早坂吝
- 林真理子
- はやみねかおる
- 氷川透
- 東川篤哉
- 東野圭吾
- 広瀬正
- ピエール・ルメートル
- 深水黎一郎
- 藤井太洋
- 船戸与一
- 方丈貴恵
- 星新一
- 誉田哲也
- 舞城王太郎
- 牧野修
- 万城目学
- 町井登志夫
- 松本清張
- 円居挽
- 麻耶雄嵩
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