1970年クラシック世代とは、競馬において1967年に生まれ1970年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。
関西の3歳王者決定戦阪神3歳ステークスを勝ち、皐月賞、日本ダービーを制してシンザン以来史上3頭目の三冠に手をかけた「カントリー牧場の最狂傑作」タニノムーティエと、関東の3歳王者決定戦朝日盃3歳ステークスをレコード勝ちした「血統研究家伊達秀和の集大成」アローエクスプレスの東西王者2頭を代表とする世代。
ほか、メジロ牧場初の天皇賞(春)勝ち馬メジロムサシ、2年間条件戦を彷徨った末、天才福永洋一と共に天皇賞を勝つまでになったヤマニンウエーブ、抜きんでたスピードで桜花賞とスプリンターズステークスを勝った快速美少女タマミ、そしてそのタマミを2度負かして最優秀4歳牝馬に輝いたハーバーゲイム、愛馬のために牧場を作った亡きオーナーの執念に報いた菊花賞馬ダテテンリュウ、第一回ビクトリアカップを勝利したクニノハナ、追い込みで牡牝混合重賞5勝、「白い恋人」と呼ばれ姉のハクセツと共に「芦毛の美人姉妹」として知られたジョセツなどが有名。
他には競走馬としては大成できなかったものの、繁殖牝馬としてオークス馬アグネスレディー[1]を産み、大種牡馬リマンドとの͡仔が全馬勝ちあがったことで有名なイコマエイカンがいる。
地方競馬では当時「アングロアラブの日本ダービー」と呼ばれていた楠賞を勝ち、史上初の兵庫三冠馬になったアサヒマロツトがいる。
海外にはマルゼンスキーの父にして現在最後の英国クラシック三冠馬ニジンスキー、カナダで11年連続でリーディングサイアーになり、日本ではクロフネを通して大きな影響を与えたヴァイスリージェント、母父ノーザンテーストとのニックスにより社台グループ躍進の立役者になった三白眼の大種牡馬ディクタスがいる。
この世代のクラシックは関東代表アローエクスプレスと関西代表タニノムーティエが激突した「AT対決」として知られ、当時あった東西の対抗意識が色濃く出た世代であった。しかしタニノムーティエは春の二冠を制したものの喉鳴りを発症し菊花賞敗退後引退、アローエクスプレスも4歳時1戦して引退と代表馬2頭が4歳で燃え尽きてしまい、古馬戦線を牽引することはできなかった。レースで圧倒したタニノムーティエは種牡馬としては失敗し、逆に距離の壁に泣いた面もあったアローエクスプレスは種牡馬としては成功しリーディングサイアーにもなり「競走馬としてはタニノムーティエが勝ち、種牡馬としてはアローエクスプレスが勝った」と言われた。主役が不在になった古馬戦線では4歳時は善戦ホースの1頭であったメジロムサシが天皇賞(春)を、翌年遅れて本格化してきたヤマニンウエーブが天皇賞(秋)をそれぞれ勝ったものの、残る有馬記念は70年は「老雄」スピードシンボリ、71年は「ターフのシンデレラ」トウメイ、72年は翌年から競馬界を席巻する「花の47年組」イシノヒカルの3頭の年度代表馬にそれぞれ阻まれ、八大競走を完全制覇することはできなかった。
| 競走名 | 1970年(現3歳/旧4歳) | 1971年(現4歳/旧5歳) | 1972年(現5歳/旧6歳) |
|---|---|---|---|
| 皐月賞 | タニノムーティエ | 4歳馬限定戦 | |
| 東京優駿 (日本ダービー) |
タニノムーティエ | 4歳馬限定戦 | |
| 菊花賞 | ダテテンリュウ | 4歳馬限定戦 | |
| 桜花賞 | タマミ | 4歳牝馬限定戦 | |
| 優駿牝馬(オークス) | ジュピック | 4歳牝馬限定戦 | |
| 天皇賞(春) | メジロムサシ | ||
| 天皇賞(秋) | ヤマニンウエーブ | ||
| 有馬記念 |
| 競走名 | 1970年(現3歳/旧4歳) | 1971年(現4歳/旧5歳) | 1972年(現5歳/旧6歳) | 1973年(現6歳/旧7歳) |
|---|---|---|---|---|
| 東京障害特別(春) | ||||
| 阪神障害ステークス(春) | ||||
| 中山大障害(春) | ||||
| 京都大障害(春) | スマノタカラ | |||
| 阪神障害ステークス(秋) | ||||
| 東京障害特別(秋) | ||||
| 京都大障害(秋) | ||||
| 中山大障害(秋) |
| 競走名 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1973年 (現6歳/旧7歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| 朝日盃3歳ステークス | アローエクスプレス | 3歳馬限定戦 | |||
| 阪神3歳ステークス | タニノムーティエ | 3歳馬限定戦 | |||
| ビクトリアカップ | クニノハナ | 4歳馬限定戦 | |||
| 安田記念 | ハーバーゲイム | ||||
| 宝塚記念 | メジロムサシ | ||||
| 高松宮杯 | 1971年新設 | ジョセツ | |||
| 英国フェア開催記念(1969) スプリンターズステークス (1970~) |
タマミ | ||||
| アラブ大賞典(春) | |||||
| 読売カップ(春) | シンコウダービー | ||||
| タマツバキ記念(春) | リキショウ | ||||
| タマツバキ記念(秋) | ヒヨシプリンス | ||||
| 読売カップ(秋) | ヒノデオーザ | ||||
| アラブ大賞典(秋) |
| 競走名 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
競走名 | (現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全日本三才優駿 | タマプチー | 3歳馬限定戦 | 楠賞 | アサヒマロツト | 4歳馬限定戦 | |
| 羽田盃 | ダイニヘルスオー | 4歳馬限定戦 | 千鳥賞 | イクタガワ | 4歳馬限定戦 | |
| 東京ダービー | リユウトキツ | 4歳馬限定戦 | グリンバーデー | 4歳馬限定戦 | ||
| 東京王冠賞 | リユウトキツ | 4歳馬限定戦 | アラブ王冠賞 | グリンバーデー | 4歳馬限定戦 | |
| 競走名 | (現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
(現6歳/旧7歳) |
(現7歳/旧8歳) |
(現8歳/旧9歳) |
| 開設記念 | リユウトキツ | 馬インフルエンザ により開催中止 |
||||
| 東京大賞典 | ダイニヘルスオー | |||||
| アラブ大賞典(~1971) |
ネバーロスト | ナルビハヤテ | ||||
| 農林水産大臣賞典 | カツタロー |
| 啓衆社賞 | 優駿賞 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1973年 (現6歳/旧7歳) |
| 最優秀3歳牡馬 | アローエクスプレス | 3歳限定部門 | |||
| 最優秀3歳牝馬 | タニノソブリン | 3歳限定部門 | |||
| 最優秀4歳牡馬 | タニノムーティエ | 4歳限定部門 | |||
| 最優秀4歳牝馬 | ハーバーゲイム | 4歳限定部門 | |||
| メジロムサシ | ヤマニンウエーブ | ||||
| ジョセツ | |||||
| タマミ | エリモシルバー | 1972年廃止 | |||
| 最優秀障害馬 | |||||
| 最優秀アラブ | ラオスオー | ||||
| 年度代表馬 | |||||
| 公営日本一 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | |||||
| 最良の4歳牡馬 | サラ | リユウトキツ | 4歳限定部門 | ||
| アラ | ネバーロスト | 4歳限定部門 | |||
| 最良の4歳牝馬 | サラ | チヤイナセブン | 4歳限定部門 | ||
| アラ | グリンバーデー | 4歳限定部門 | |||
| 最良の荘馬牡馬 | サラ | カヤヌマタイム | 1972年廃止 | ||
| アラ | アサカボーイ | 1972年廃止 | |||
| 最良の荘馬牝馬 | サラ | 1972年廃止 | |||
| アラ | グリンバーデー | 1972年廃止 | |||
| 公営日本一 | サラ | リユウトキツ | 1972年廃止 | ||
| アラ | グリンバーデー | 1972年廃止 | |||
| 前世代 | 当記事 | 後世代 |
|---|---|---|
| 1969年クラシック世代 | 1970年クラシック世代 | 1971年クラシック世代 |
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最終更新:2025/12/25(木) 11:00
最終更新:2025/12/25(木) 11:00
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