1966年クラシック世代とは (センキュウヒャクロクジュウロクネンクラシックセダイとは) [単語記事]

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1966年クラシック世代とは、競馬において1963年に生まれ1966年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。

概要

後に七冠馬シンボリルドルフ、秋天連覇のシンボリクリスエスなどの名馬で一時代を作ることになるシンボリ牧場初期の名馬で、勝ち抜け制の天皇賞を勝利した後に海外に遠征し日本競馬界に「凱旋門賞を勝つ」という目標を掲げる切っ掛けとなった「時代の先駆者」にして、当時としては非常に長い現役時代を過ごし日本史上初めて有馬記念を連覇し旧8歳で八大競走を勝利した「老雄」スピードシンボリを代表とする世代。

他には伝貧騒動に巻き込まれ1度は殺処分命令が下されたクモワカ産駒の桜花賞馬で後にテンポイントの母になる「幽霊の娘」ワカクモ、後のメジロ牧場の主軸牝系となりメジロドーベルやモーリスの血統表に名を遺す朝日盃王者メジロボサツ、菊花賞でスピードシンボリとの写真判定20分以上と言われている接戦を制して菊花賞馬となり、翌年の天皇賞でスピードシンボリが勝つ中故障で世を去ってしまったナスノコトブキ、67年に宝塚記念を勝つなど第一線で度々好走し、68年の天皇賞(春)で最低人気からヒカルタカイの2着に突っ込んできたタイヨウ、世代屈指の道悪巧者であり不良馬場の桜花賞を9馬身差で圧勝した社台グループ初期の大種牡馬ガーサントの産駒ヒロヨシ、自分は道悪が苦手だったものの種牡馬として最優秀ダートホースのアンドレアモンを輩出したリュウファーロス、当時有名な歌人であった寺山修司が惚れこみダービーで10万円賭けていた皐月賞馬ニホンピローエース、スプリングステークスでニホンピローエースに勝ち皐月賞で2着、ダービーでは堂々一番人気に推された「遅れてきた大物」シヨウグン、その2頭を始め人気を集めていた後の名馬たちを12番人気から4馬身差で圧勝し大波乱を起こしたダービー馬テイトオー^[1]がいる。

海外には「この馬には欠点が見つけられない」とまで言われた完全無欠のサラブレッドバックパサー、「バックパサーより強く、ドクターフェイガーより早い」と言われながら故障で早い時期に引退してしまったグロースターク、アメリカに初めて現れた白毛のサラブレッドホワイトビューティー、日本で種牡馬としてモンテプリンス、モンテファストの天皇賞馬兄弟やアイネスフウジン、ウィナーズサークルの2頭のダービー馬を出したシーホーク、そして日本競馬にキタノカチドキ、トウショウボーイの父としてスピードを持ち込んだ70年代の大種牡馬テスコボーイがいる。

この世代はクラシックで勝利した馬が古馬になった後不振あるいは故障、または距離適性の問題から活躍できず、善戦していたものの1勝もできずに終わったスピードシンボリが翌年から世代の筆頭として戦っていくことになった。特に菊花賞馬ナスノコトブキの予後不良は主戦騎手野平祐二をして「俺の馬の天下になってしまったな」というほどの影響があった。当時の古馬は天皇賞を勝った後に目標とするレースが有馬記念以外なかったため引退も早かったが、馬主の影響で数年にかけて海外に遠征し多くの大レースに出場したことは今日大きく称賛され、しかしその一方で凱旋門という呪いにも似た目標を残していくことになった。残る有馬記念は後の世代の強さもあってなかなか手が届かなかったものの4年目にして優勝。そしてそこから逆に下の世代の大きな壁となり、史上初の有馬記念連覇の偉業と共に去っていった。

勝利馬

中央八大競走

競走名	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)	1969年 (現6歳/旧7歳)	1970年 (現7歳/旧8歳)
皐月賞	ニホンピローエース	4歳馬限定戦
東京優駿 (日本ダービー)	テイトオー	4歳馬限定戦
菊花賞	ナスノコトブキ	4歳馬限定戦
桜花賞	ワカクモ	4歳牝馬限定戦
優駿牝馬(オークス)	ヒロヨシ	4歳牝馬限定戦
天皇賞(春)		スピードシンボリ
天皇賞(秋)
有馬記念			スピードシンボリ	スピードシンボリ

中央障害重賞

競走名	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)	1968年 (現5歳/旧6歳)
東京障碍特別(春)			リッシュン
阪神障碍ステークス(春)	1968年新設
中山大障碍(春		クニハヤヒメ
京都大障碍(春)			タイシュウ
阪神障碍ステークス(秋)	1968年新設
東京障碍特別(秋)			フリートターフ
京都大障碍(秋)		アランバード
中山大障碍(秋)

その他の主要競走

中央

競走名	1965年 (現2歳/旧3歳)	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)	1968年 (現5歳/旧6歳)	1970年 (現7歳/旧8歳)
朝日盃3歳ステークス	メジロボサツ	3歳馬限定戦
阪神3歳ステークス	ニホンピローエース	3歳馬限定戦
安田記念				シエスキイ
宝塚記念			タイヨウ		スピードシンボリ
スプリンターズステークス (1967～1968･1970～) 英国フェア開催記念 (1969)	1967年新設		オンワードヒル
アラブ大賞典(春)			オペレツタ
読売カップ(春)		ミスハマノオー
タマツバキ記念(春)			オペレツタ
タマツバキ記念(秋)			ミスハマノオー
読売カップ(秋)		ミスハマノオー
アラブ大賞典(秋)

地方

競走名	1965年 (現2歳/旧3歳)	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)	競走名	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)
全日本三才優駿	ニユーサカエ	3歳馬限定戦		園田アラブ優駿	ハヤブサヒカリ	4歳馬限定戦
羽田盃		イチシデン	4歳馬限定戦	千鳥賞	ハナノキネン	4歳馬限定戦
東京ダービー		シンオウ	4歳馬限定戦	アラブダービー	インターフレーム	4歳馬限定戦
東京王冠賞		カズサリユウ	4歳馬限定戦	ホウセント記念	ヤマノダイカ	4歳馬限定戦
競走名	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)	1968年 (現5歳/旧6歳)	1969年 (現6歳/旧7歳)	1970年 (現7歳/旧8歳)	1971年 (現8歳/旧9歳)
開設記念		ハロータイム
東京大賞典		ヒガシジヨオー
アラブ大賞典
農林水産大臣賞典	1968年新設

年度表彰

日本

中央競馬

啓衆社賞
表彰部門	1965年 (現2歳/旧3歳)	1966年 (現3歳/旧4歳)	1967年 (現4歳/旧5歳)	1968年 (現5歳/旧6歳)	1969年 (現6歳/旧7歳)	1970年 (現7歳/旧8歳)
最優秀3歳牡馬	ニホンピローエース	3歳限定部門
最優秀3歳牝馬	メジロボサツ	3歳限定部門
最優秀4歳牡馬		ナスノコトブキ	4歳限定部門
最優秀4歳牝馬		ハードイツト	4歳限定部門
最優秀5歳以上牡馬			スピードシンボリ			スピードシンボリ
最優秀5歳以上牝馬			タマクイン
最優秀スプリンター			オンワードヒル	シエスキイ
最優秀障害馬
最優秀アラブ		ミスハマノオー	ミスハマノオー
年度代表馬			スピードシンボリ			スピードシンボリ

地方競馬

南関東

公営日本一
表彰部門		1966年(現3歳/旧4歳)	1967年(現4歳/旧5歳)	1968年(現5歳/旧6歳)	1969年(現6歳/旧7歳)
最良の4歳馬	サラ	オリコ	4歳限定部門
最良の4歳馬	アラ	カヤヌマカツプ	4歳限定部門
最良の荘馬	サラ		ヒガシジヨオー
最良の荘馬	アラ
公営日本一	サラ
公営日本一	アラ

代表馬

スピードシンボリ
- '66:京成杯、他菊花賞(八大競走)2着、京王杯オータムハンデキャップ2着、有馬記念(八大競走)3着、セントライト記念3着　'67:天皇賞(春)(八大競走)、アメリカジョッキークラブカップ、目黒記念(春)、日本経済賞　'68:アルゼンチンジョッキークラブカップ、他有馬記念(八大競走)3着　'69:有馬記念(八大競走)、目黒記念(春)、ダイヤモンドステークス、他アルゼンチンジョッキークラブカップ2着、アメリカジョッキークラブカップ3着　'70:有馬記念(八大競走)、宝塚記念、アメリカジョッキークラブカップ、他アルゼンチンジョッキークラブカップ2着、毎日王冠2着、日本経済賞3着
- '67啓衆社賞最優秀5歳以上牡馬、年度代表馬
- '70啓衆社賞最優秀5歳以上牡馬、年度代表馬
- JRA顕彰馬
- 史上初の有馬記念連覇達成^[2]
- 史上3頭目の春秋グランプリ制覇達成^[3]
- 史上初のグランプリレース3連覇達成^[4]
- 史上初の有馬記念5年連続出走^[5]
- 史上初の旧8歳(現7歳)での八大競走勝利達成^[6]
- 日本馬初の凱旋門賞出走
- 日本馬初のキングジョージVI世&クイーンエリザベスステークス出走
- 史上初の年度代表馬隔年選出^[7]
- 史上初の重賞12勝^[8]
- 獲得賞金世代最多

ワカクモ
- '66:桜花賞(八大競走)、小倉記念、他京阪杯3着、京都牝馬特別3着、阪神牝馬特別3着　'68:小倉開設記念、他阪急杯2着、小倉記念2着、京都牝馬特別2着、阪神牝馬特別2着　'69:セントウルステークス2着、スワンステークス3着　
- 77年年度代表馬テンポイントの母
- 82年最優秀障害馬キングスポイントの母

ニホンピローエース
- '65:阪神3歳ステークス　'66:皐月賞(八大競走)、他弥生賞2着　'67:阪急杯、他鳴尾記念2着、サンケイ大阪杯3着
- '65最優秀3歳牡馬

リュウファーロス
- '65:阪神3歳ステークス3着　'66:阪神大賞典　'67:サンケイ大阪杯、他有馬記念(八大競走)2着、天皇賞(秋)(八大競走)3着、金杯(西)3着　'68:日本経済新春杯、スワンステークス

タイヨウ
- '67:宝塚記念、中京大賞典、他ハリウッドターフクラブ賞2着、朝日チャレンジカップ3着、阪神大賞典3着　'68:天皇賞(春)(八大競走)2着、中京記念2着、中日新聞杯2着　'69:中日新聞杯3着

ヤマニリュウ
- '66:京都記念(秋)、他阪神大賞典2着、京成杯3着　'67:金杯(西)、京都記念(春)、他阪急杯2着、宝塚記念2着、天皇賞(春)(八大競走)3着　'68:天皇賞(春)(八大競走)3着、サンケイ大阪杯3着

オンワードヒル
- '66:カブトヤマ記念、他京阪杯2着　'67:スプリンターズステークス、中山記念、他クモハタ記念2着　'68:金杯(東)、東京新聞杯、他アメリカジョッキークラブカップ2着、宝塚記念2着、目黒記念(春)3着
- '67最優秀スプリンター

シエスキイ
- '66:クモハタ記念　'67:クモハタ記念、他サンケイ賞オールカマー2着　'68:中山記念、安田記念、毎日王冠、他日本経済賞2着、京王杯オータムハンデキャップ3着
- '68最優秀スプリンター

ヒガシジヨオー
- '66:クイーンステークス3着　'67:NTV盃、キヨフジ記念、東京大賞典、他東京オリンピック記念2着、報知オールスターカップ2着
- '67公営日本一最良の荘馬

そのほかの活躍馬
- タマクイン　毎日王冠など　'67最優秀5歳以上牝馬
- ヒロヨシ　優駿牝馬(八大競走)
- ヒシヤクシン　七夕賞など
- シヨウグン　スプリングステークスなど
- メジロボサツ　朝日盃3歳ステークスなど　'65最優秀3歳牝馬
- テイトオー　東京優駿(八大競走)
- ナスノコトブキ　菊花賞(八大競走)など　'66最優秀4歳牡馬
- ネイチブランナー　福島記念など
- タマシユウホウ　札幌記念など

※当時の格付けは全てオープン競走。太字は現在のGI級競走。

海外調教馬

ニコニコ大百科に記事があるもの

ニコニコ大百科に記事未作成のもの

カウアイキング(米)
- 日本に輸入されて詐欺事件にも名前が使われた米二冠馬
ガリラヤ(豪)
- コーフィールドカップ、メルボルンカップ、シドニーカップの３大カップを唯一１シーズンで完全制覇したオーストラリア殿堂馬
グレートネフュー(英)
- 英仏のマイル・中距離戦線での活躍馬にして、イギリスチャンピオンホースを複数送り出した名種牡馬
シーホーク(仏)
- フランス・サンクルー大賞勝ち馬にして、日本で種牡馬としてダービー馬を2頭送り出した名種牡馬
ステューペンダス(米)
- プリークネスS2着馬、日本で種牡馬としてラッキールーラを送り出した
セルティックソング(英)
- 英シャンペンS勝ち馬で、日本に種牡馬として輸入された
ナタシュカ(米)
- モンマスオークス、アラバマSなどの優勝馬で、繁殖牝馬として優秀な牝系を築く
バステッド(英)
- 4歳時に覚醒、コロネーションS、エクリプスS、KG&QESの優勝馬で、種牡馬としても活躍
ボールドネシアン(米)
- サンタアニタダービー優勝後に故障がみつかり無念の引退、種牡馬として活躍
ホワイトビューティー(米)
- 米国で初めて白毛と公認されたサラブレッド
ボンモー(仏)
- 当時19歳のフレディ・ヘッド騎手を背に凱旋門賞を人気薄で優勝、日本に種牡馬として輸入されたが直仔はパッとせず
モンブラン(英)
- ヨーロッパで白毛馬への議論を呼んだ競走馬
レスカルゴ(愛)
- 障害馬として活躍、レッドラムのグランドナショナル3連覇を阻む

関連項目

前世代	当記事	後世代
1965年クラシック世代	1966年クラシック世代	1967年クラシック世代

競走馬の世代一覧

クラシック世代別
1930年代	1923	････	1932	1933	1934	1935	1936	1937	1938	1939
1940年代	1940	1941	1942	1943	1944	1945	1946	1947	1948	1949
1950年代	1950	1951	1952	1953	1954	1955	1956	1957	1958	1959
1960年代	1960	1961	1962	1963	1964	1965	1966	1967	1968	1969
1970年代	1970	1971	1972	1973	1974	1975	1976	1977	1978	1979
1980年代	1980	1981	1982	1983	1984	1985	1986	1987	1988	1989
1990年代	1990	1991	1992	1993	1994	1995	1996	1997	1998	1999
2000年代	2000	2001	2002	2003	2004	2005	2006	2007	2008	2009
2010年代	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019
2020年代	2020	2021	2022	2023	2024	2025	2026	2027	2028	2029
2030年代	2030	2031	2032	2033	2034	2035	2036	2037	2038	2039
関連項目
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外部リンク	JRAホームページ - 地方競馬情報サイト - 南関東4競馬場 - ばんえい十勝公式ホームページ netkeiba.com - JBISサーチ(JBIS-Search) 競走馬のふるさと案内所 - 認定NPO法人引退馬協会

脚注

*次に2桁人気でダービを制する馬は53年後に同じく12番人気で勝利したロジャーバローズまで現れなかった
*後にシンボリルドルフ、グラスワンダー、シンボリクリスエスがタイ記録達成
*63年のリユウフオーレル、65年のシンザンに続いて3頭目。当時の宝塚記念は優先出走馬を人気投票で決めることを除けばただのオープンクラスの別定戦であり、大レースとしてはみなされていなかった。春秋グランプリGI制覇は89年のイナリワンが初になる。
*後にグラスワンダー、クロノジェネシスがタイ記録達成
*後にメジロファントム、ナイスネイチャも達成。2009年にコスモバルクが6年連続で更新
*後にオフサイドトラップが同じく達成。2009年にカンパニーが8歳(旧9歳)で記録を更新
*後にジェンティルドンナ、アーモンドアイが同じく達成
*後にオグリキャップ、テイエムオペラオーがタイ記録達成。2010年にスマートファルコンが記録を更新

1966年クラシック世代単語

概要