レイ子「できることなら、シェールのような芝居がしてみたかった」
きみえ「波多田ーーーーーーーーー!!!!!!!!」
やっぱり猫が好きとは、フジテレビ系列で1988年~1991年に放送された日本のコメディドラマである。
長女の恩田かや乃(もたいまさこ)。次女の恩田レイ子(室井滋)。三女の恩田きみえ(小林聡美)。の恩田三姉妹とペットの猫がマンションの一室で起こす騒動を描くシチュエーションコメディ。
大まかに第1シリーズ(浦安編、幕張編)、第2シリーズ、スペシャル版と分けられる。
第1シリーズは1988年10月~1989年3月、火曜深夜24:30~25:00の放送で、三姉妹が住んでいる場所は浦安という設定で「浦安編」と呼ばれる。その後、1989年4月~1990年3月まで、曜日は変わらないものの24:40~25:10と10分繰り下げ放送となり、そこからは恩田三姉妹は幕張へ引っ越したという設定で、「幕張編」として部屋のセットも変更され装いも新たに放送された。「幕張編」は人気の高いエピソードが多く、番組を代表する一編となっている。
通常回69話を放送した時点でいったん番組は幕を閉じたが、半年後にゴールデンタイムに昇格し第2シリーズが放送された。第2シリーズは1990年10月~1991年9月、土曜19:30~20:00放送で、三姉妹が住んでいる場所は渋谷という設定。
その他、年越しスペシャル。ニューヨークスペシャル。クリスマススペシャル。「やっぱり猫が好き殺人事件」などが放送され、シリーズ通常放送を終えた後も1998年、2001年、2003年、2005年、2007年と単発スペシャルとして復活を遂げており変わらぬ掛け合いでファンを楽しませる。2007年のスペシャルは3姉妹の性格はおおむね変化はないが、なぜか時代設定が江戸時代になっている。
2021年現在シリーズ最後の放送は2007年の「やっぱり猫が好き2007」となっている。
しかし初期にはスタッフが登場していたり、スペシャルには逸見政孝、西村雅彦。そしてこの番組の脚本を担当し、後に恩田きみえ役の小林聡美と結婚することとなった(2011年に残念ながら離婚)三谷幸喜も出演していた。ちなみに三谷の出演シーンは奇しくも小林聡美との掛け合いとなっている。
1話が放送された当初は三姉妹という設定ではなく、安藤きみえ(小林聡美)と安藤さやか(森下愛子)の姉妹と彼女たちの叔母の恩田かや乃(もたいまさこ)という設定での3人芝居であった。しかし2話放送直前に森下愛子が急病で降板。彼女の代わりに室井滋が出演し、二人姉妹と叔母という設定から恩田三姉妹という設定に変更され2話が放送された。しかし初回の名残なのか2話ではきみえが電話口で「もしもし安藤です」と名乗るシーンがある。ちなみにこの1話はソフト化はおろか再放送もされておらず「幻の1話」と呼ばれている。名字の恩田は、安藤(ANDO)をひっくり返し恩田(ONDA)になった。
三姉妹の基本設定として
(ただし室井滋に関しては放送当時のプロフィールでは1958年生まれのところを1960年生まれと公表していたため実際の年齢より2歳若い設定となる)
②両親は既に亡くなっている。
③かや乃ときみえは一緒に住んでいるが、レイ子は別のアパートで独り暮らし。
④3人とも独身。
などがある。それ以外の設定はアドリブで急遽決定されたものが多い。
明確な登場人物ではないが、幕張時代の隣人の鴨田さん(スペシャル版で逸見政考が演じた)、その奥さんのスザンナ(スザンヌ・ロザンナとも発音されており定まっていない)さん。きみえの会社の上司の波多田。などセリフでしか出てこない人物もいる。
また、富田靖子、田村正和、石井ふく子、小柳ルミ子、林真理子、松田聖子など会話中に実在の芸能人・著名人の名前が多数登場する。特に深夜時代は松田聖子の離婚ネタを会話に盛り込んだり、林真理子の顔の大きさを揶揄したりと際どい事を言っていたが、このことに関して演者の3人は「家庭で芸能人の話をするのは普通の事」「深夜だから特に影響力はないだろう」と楽観的な態度であった事を後に対談で振り返っている。ちなみに記念すべき初登場の著名人の実名は小谷実可子である。
愛称は「かーや」。
何かとトラブルを持ち込む次女のレイ子を叱りつけたり、子供じみた性格の三女のきみえを優しくなだめたりと2人の姉でありながら親代わりも務めている。そのため三姉妹の中では常識人だと思われがちだが、普段の生真面目さが災いしてか一度調子に乗ると手が付けられなくなる傾向がある。そのためトラブル自体を持ち込んだのが他の人物でもかや乃の暴走で取り返しのつかなくなった出来事も多い。その最もたるものが福島に旅行に行った際のヘリコプター墜落騒動である。
生活では家事全般を担当しているが、仕事もしている。しかし何の仕事をしているのかは作中では明言されておらず、妹のレイ子も知らない。同居するきみえは知っている様子だが、その話題になると口を閉ざす。
・基本的に人が良く、用事を頼まれたらなかなか断れない。そのためか選挙のウグイス嬢、ゲイバーの店員、近所の溝掃除など本業以外にもボランティアを含め様々な仕事を行っている。レイ子も売れない女優という境遇のため様々なアルバイトを行っているが、株や国債取引まで及ぶかや乃の手広さも相当な物である。この仕事に対する積極性は両親を亡くし、レイ子やきみえの学費を払うために歌舞伎町の裏路地のクラブで働いていたという過去の努力が根底にあると考えられる。
・作中の料理を見る限り、料理の腕は相当なものである事が窺える。クリスマスパーティでは豪華な料理を一人で作り上げ、きみえの同窓会を家でやったときもきみえの同級生たちの無理難題に応えあらゆる料理を振舞った。(同級生からは女将さんと呼ばれ、本人はかなり不機嫌になった)
・社内報にエッセイが載ったことがきっかけで女流作家を目指そうとしたことがある。そのため10日会社を休み、部屋にこもり執筆に励んだが、引きこもったせいで一度性格が激変してしまった。この激変っぷりはもたいまさこ屈指の名演技になっている。
・早くに両親を亡くした事からか家族に対する責任感は相当強い。そのため自分を「恩田家10代目当主」と名乗り、嫁には行かないと両親の墓前で宣言をしている。また家族に対し隠し事を好まないという昔気質なところもあり、隠し事の多いレイ子やきみえに憤り「お姉ちゃんは清廉潔白よ!」と怒鳴ったこともある。
・普段は優しいが、少し神経質なところもあり怒らせるとなかなか怖い。きみえが彼氏と喧嘩しふてくされ、ご飯をなかなか食べないときには、「邪魔なんだよ!2階へお行き!」と叱り飛ばし、事情を知らないレイ子を狼狽えさせた。夜中に喧嘩するレイ子ときみえの頬をひっぱたいた事もある。(いささかレイ子の方が勢いが強めであった)
・妹たちとやや年齢差があるためか、ジェネレーションギャップを感じさせる言動も多い。「ディズニーランド」を「デズニーランド」と発音したり、お金がないことを「オケラなのさ!」と表現したびたび妹たちを困惑させる。また服のセンスも古く、家に泥棒が入った際にきみえの服はあらかた盗まれたが、かや乃は一枚も盗まれず複雑な表情になった。
・水商売のアルバイトをしていて不倫も行い常に男性と交流があるレイ子や、若者らしく無邪気に恋愛を楽しむきみえに比べると男性とは少し縁が遠い。しかし全く恋愛経験がないわけではなく、過去の恋愛に関しては照れながらも嬉しそうに妹たちに語る。縁が遠い分いざ恋愛のチャンスが巡るとテンションが高ぶったり葛藤したり落ち込んだりといつも以上に情緒が安定しない傾向にある。結局、相手の男性がマザコンだったり、かや乃自らが関係を壊してしまったり、体が固まって動けなかったりとなかなか成就しない。
・妹たちのことはとても可愛がっているが、どうもレイ子よりきみえを甘やかす傾向にあり、そのことに関してレイ子はかなり不服に感じている。きみえが家出をして先輩とルームシェアしてしまった際には巨大な段ボールにたくさんの食料を詰め込んできみえに送ろうとした。その際レイ子は「アタシには一度もこんなことしてくれなかった・・・」と泣いてしまった。
・ミーハーであり、芸能人をすぐ「ちゃん」付けで呼んだり、ゴシップも好む。レイ子からは「お願いだから芸能人のお葬式に行くのやめてよ・・・」と説得されていた。しかしジャニーズはあまり好きではない様子。
・番組開始の約1年前に起きた「アグネス論争」において、林真理子同様にアグネス・チャンに対して批判的な意見を持っている事を表明した事がある。一瞬、ヒートアップしかけたがきみえにたしなめられた。
・趣味の一つに毛筆がある。お手本を観ながら書くのではなく心に浮かんだ言葉をそのまま書くスタイル。心を落ち着かせるために集中して取り組むため、あまり話しかけてはならない。代表作は「死ね」。腕前は郵便局の人に「達筆過ぎて何書いてあるかわからない」と手紙を突き返されるほど。
・1988年に放送されていた朝ドラ、『和っ子の金メダル』にハマっており、NHKに放送予定の確認をしたことがある。
・ホラーものが大の苦手。しかし「牧師と少女のラブストーリーだ」と騙されて『エクソシスト』を見せられた事があるらしい。
・歌詞が分からないときは「てんつく」と歌う。
・そっくりさんに別府もとこ(べっぷもとこ)という女性がいる。シャイで声が小さい。「若奥様クリーム」なる1箱、2万円の化粧品の訪問販売をしていた。しかし後述の大空かんたと暮らすタイミングで訪問販売の仕事は辞めたとのこと。
愛称は「レイちゃん」
三姉妹の中で1番のトラブルメーカー。かや乃もきみえも大いに悩まされている。自称うりざね顔の美人。かや乃からは「化粧映えする顔」と評されている。
かや乃ときみえは共同生活をしているが、レイ子は別のアパートに住んでいる。しかしさみしがり屋のため毎日のように姉妹のところへ顔を出しては煙たがられている。かや乃ときみえが仲違いを起こしたときなどはここぞとばかりに一緒に暮らすことを両者に提案するがどちらにも却下される。
幼少期は富山の親戚の元で育っており、かや乃やきみえと話がかみ合わない。
・女優としては売れていないため様々なアルバイトをこなす。一番の収入源は「赤さそり」というクラブのホステス。しかしビールを注ぐのが非常に下手でありグラスの90%が泡で埋まってしまう。また料理もそれほど得意ではなく、餃子を包むこともロクにできない。餃子の皮も直接舐めてくっつけたためきみえからは「きたねぇ奴~」と本気で嫌がられた。本人曰く「赤さそり」のやり方らしい。しかし姉妹の食事にチャーハンを作ったり、きみえの誕生日に向けてケーキを作ろうとしたり、料理自体は嫌いではない様子。
・アルバイトは生活のためというより、単純に遊ぶ金欲しさのためにやっている。しかし運び屋をやっているようなそぶりを見せるなど危ないアルバイトもやっているのではないかと姉妹から警戒されている。きみえが大事な領収書を破損したさいに「偽造すれば?」と言い放ったり、万引きを疑われたが許してもらった、というかや乃に「本当に?なんか、個室に連れて行かれて変な事要求されたんじゃないの?」とどうも発想がどこか犯罪じみている様子から案外その警戒は間違っていないと思われる。
・「地道」「コツコツ」のような日々の積み重ねを最も嫌がり、常に一攫千金や楽をすることを求めている。しかし、心のどこかではそのような上手い話はあるわけがないという事に気づいている節があり、かや乃に対し「私たちがこれから裕福に暮らすにはチャーミングな子役を産むしかない」という主旨の発言をしている。かや乃からは「それは案外地味な成り上がりだ」だと指摘された。
・スペシャル版ではバックダンサー業を中心に活動しているようだが1ステージのギャラは5000円。
・生活は自堕落であり、酒好き。昼間からワインのボトルをラッパ飲みしていたり、二日酔いの日が多い。本当は医者からお酒を止められてるという。また姉妹の中では唯一の喫煙者である。かや乃も喫煙習慣があったようだが、三姉妹設定での初回となる「クイズ出演」では既にタバコを辞めているとの台詞がある。
・図々しい性格のため基本的に姉妹からの信用がない。都合の良いときは姉妹である自分の権利を主張するが、都合の悪いときは自分は別居人だからと一目散に逃げようとする。かや乃ときみえの家も自分の別荘だと思い込んでおり、勝手に洗濯したり冷蔵庫から食料を漁ったり荷物を持ち運んだり好き勝手にふるまう。
・番組の象徴である猫のサチコを拾ってきた本人だが、首にヒモをつけたり、煙草を吸わせようとしたりするため全く懐かれない。ナガヤマという猫には八つ当たりで「貧相なんだよお前は!」と暴言を吐いた。
・非常に厚かましい性格であるが、心配性で気が小さい面も見られる。また情にもろい。そのため暴走する姉妹のストッパーになろうとする時もある。かや乃ときみえがパソコンにハマり、事業を始めた際にはこのまま2人がひきこもりになるのではと心配し、「太陽の下に出なさいよ!人は光合成をして生きてるのよ!歌おうよ!」と必死で外に出るように叫んだ。
・言葉をあまり知らず、聞きかじりで諺を使うためかや乃からよく訂正をされている。きみえから女優の道を選んだ理由を聞かれた際には「まあ、漢字が読めないからかな!」と正直に吐露した。(かや乃・きみえは大卒だが、レイ子の学歴に関しては描写が曖昧ではっきりしない。)
・三姉妹の中では恋愛経験が豊富であるが、あまり良い恋愛をしているとは言い難い。高校生の時は教育実習生と噂になり保健の先生にいじわるされたこと、女優になってからもプロデューサーに誘われたが殴って逃げたことを両親の墓前で告白していた。その際父親にお供えした煙草が落ち、「お父さんびっくりしてるわよ!」とかや乃に叱られた。
・水戸様という年上の男性と不倫関係にある。週末は水戸様は家族といるためレイ子は水戸納豆を見ないようにしている。男性の扱いに慣れているレイ子だが、水戸様の存在はかなり大きいようで、一度レイ子が歌舞伎役者と結婚した際、水戸様の事が忘れられず新婚旅行を前に水戸様のもとへ走った。水戸様も「レイ子 LOVE」と納豆でメッセージを残しており、両者の絆は強い。しかし2007年では再び年下の歌舞伎役者と付き合っており、水戸様との関係は不明である。(2007年に放送されたサッポロビールのCMより)
・隣人の鴨田さんに奥さんを元気づけたいと相談された際、「鼻にモチをつめてビローンチャンス旦那と言いながら伸ばせば笑う」とアドバイスし、それを実行した鴨田さんはモチを鼻につまらせて亡くなった。ちなみに「ビローンチャンス旦那」の「チャンス旦那」の部分は室井のアドリブであり、脚本担当の三谷幸喜は現場でかなり驚いたという。
・そっくりさんに熊代あゆみ(くましろあゆみ)という女性がいる。婦人警官。声が低い。
愛称は「きみちゃん」
サバサバした明るい性格で、かや乃からも可愛がられている。レイ子とはたびたび子供のような喧嘩をしてしまうが、何かとかまってあげられる気の遣えるしっかりもの。
職業はテレビ制作会社「イースト」のAD。幕張編の中盤で退職し、「西条バーモンドコーポレーション」という会社に転職するが会社が詐欺で摘発されてなくなってしまう。最終的にはフリーターになったようだ。ちなみに「イースト」とは「やっぱり猫が好き」の制作会社と同じ名前。給料は安かったらしく、「イーストの安月給じゃ一人暮らしは無理よ」と嘆いていた。
・「イースト」時代はプロデューサーの波多田を目の敵にしており、事故に合い記憶喪失に陥った際にも名前を聞くだけで吐き気を催していた。またたくさん企画書を書くが全く採用されないことに悩んでいた。一時期「富田靖子、象の一日飼育係」という企画を推していた。
・自身の映像作品にはこだわりをもっており、編集を任されたドラマの予告映像の演出方法を事細かに説明していた。しかしこだわりが独特であまり理解を得られていない。
・神田正輝の不倫の相手であると週刊誌に書かれたことがある。テレビできみえの顔が目線入りで放送されたり、家にマスコミが押し寄せたり大騒動になった。レイ子はこれを機に顔を売ろうとして着物を着てマスコミの取材に応えた。
・末っ子で甘やかされたためか、子供っぽい性格である。不満が爆発すると癇癪を起こし、叫びながら大暴れする。その度、姉2人が必死でなだめご機嫌をとる。本人は「子供」と言われるのが嫌なようで子供であることを指摘されるたびに子供のように「大人」であることをアピールする。しかし頭の回転が速いためなのかハプニングに起こった際には比較的冷静で、現実的な対応や意見を述べたりする場面も多い。また情にもろい姉二人に対してどこか冷めたような態度をとることも珍しくない。
・近所のおばさんの無責任な噂を真に受け、自分はかや乃の子供ではないかと疑ったことがある。
・寝言が酷く、歴史上の人物になったり、オジさんになったりしている。姉2人は面白がりよく録音をする。また映画を鑑賞しながら眠りに落ちた際、眠ぼけて突然モニターに顔を貼りつけたり、酔っ払うと目についた物を(居酒屋の看板、カンガルー、大金の入った鞄、ロバなど)片っ端から家に持って帰ったりと、三姉妹のなかでは一番奇行が目立つ。
・子供っぽいためか劇中では喪服にセーラー服を着たり、小学生のコスプレをさせられたり、自ら虫取り少年の恰好もしている。本人もスクール水着を大人になっても愛用しており、まんざらではない様子。
・近所の人に沢田雅美にそっくりだと噂をたてられ動揺していた。
・1回目の引越しの原因を作った張本人。バザーに出した本にへそくりが入っていたと大騒ぎし、婦人会を協力させて捜索させたが、結局へそくりは家にあったということで婦人会を怒らせ敵にまわした。
・恋愛は、彼氏に約束をすっぽかされたり喧嘩したりなかなか上手くいかないようだが、三姉妹の中では比較的、素直に恋愛を楽しんでいる描写が多い。しかし話の都合で彼氏の特徴がコロコロ変わるため、きみえの彼氏像の描写は作中では一貫していない。
・6年間絵画教室に通っていた経験がある。段位制度の教室であったらしく、きみえは「初段」の腕前である。その段位制度に照らし合わせると岡本太郎は「4級」石坂浩二は「8級」になるらしい。
・柿の種やピーナッツを鼻に詰めて飛ばす遊びをよくやっているらしい。
・歌詞が分からないときは「ププッピ」で歌う
・そっくりさんに大空かんた(おおぞらかんた)という男の子がいる。病気の母親と二人暮らしで、母親が亡くなったあとは別府もとこと暮らしている。
番組の象徴であり、もはや登場人物の1人であるかのように名前が出てきたのは「サチコ」
ほかには「カズちゃん」「ユキちゃん」「セッちゃん」「ナガヤマ」「ヨシダ」などがいた。エピソードの冒頭は猫のカットから始まることが多くCMまたぎのアイキャッチも猫のカットとなっている。またエピソードの最中、特に脈絡もなく一瞬、猫のカットが挿入される。
サチコはマンションが火事になった際、一番に逃げ出したり、三人がベランダに閉め出されたときは、放置された夕食の肉を勝手に食べたりとしたたかな行動が多い。第1シーズンの放送終了後、後番組の『子供、ほしいね』の飼い猫として再び登場している。
このドラマにおいて「猫」はエピソードに絡むことが少なく、3姉妹の騒動を横目に好き勝手にふるまっているがナガヤマに関しては第2シーズン、34話で「ナガヤマちゃんがいなくなった日」と唯一主軸になるエピソードがある。
・波多田(ハタダ) - きみえがテレビ制作会社、イースト勤務だった時の上司。きみえからは忌み嫌われており、記憶喪失に陥った際も名前を聞くと吐き気を催すなど、その存在は潜在意識にまで刻み込まれている。会社支給のお弁当がカットされてからなぜか洋服が派手になったらしいが、関連は不明。
・水戸様(ミトサマ) - レイ子の不倫相手であり、レイ子にとって(おそらく)1番の恋人。カメラマンを職業にしている(カメラ会社の社長している、とも)。自分のメンツを気にしたり、嫁ぐレイ子をなかなか引き止められず、最後の最後でやっと愛のメッセージを残していたり、少し器が小さい。その割には態度がでかく、レイ子に「寿司の食い方違う」と怒っていたらしい。
・杉野(スギノ) - きみえの仕事仲間であり、20歳のスタイリスト(おそらく本物のスタッフさん)。通常回で唯一の3姉妹以外の登場人物。3話でお見合いに行くかや乃のために衣装を見繕ってあげたのだが、なぜかかや乃のお見合い相手と付き合ってしまう。そのため3姉妹共通の憎まれ役になってしまう。しかし、きみえとは会社で会うためかそれなりに交流がある様子。
初期の浦安編の脚本は多くの回を廣岡豊、清水東の2名が担当していた回が多いが、幕張編から三谷幸喜の脚本の回が増えていき、最終回まで最も多くの回を担当する事になる。小林聡美との出逢いになった番組という事もあり、「やっぱり猫が好きは三谷幸喜の作品」という印象が強い人も多いのではないだろうか。実際にメインライターとなった時期は第1シリーズの幕張編であり、第2シリーズからは再び様々な人物が脚本を担当している。しかし他の脚本家とは違い三谷幸喜は必ず撮影現場まで来ていたようで、『やっぱり猫が好き』に最も深く関わった脚本家であることは間違いないだろう。
現在は『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイスアンドロボ』『Q10』『昨夜のカレー、明日のパン』など連続ドラマの脚本でファンが多く、小説も出版している夫婦作家・木皿泉も第2シリーズから脚本に参加しており、第2シリーズでは最も執筆回数が多い。小林聡美・もたいまさことは2003年の連続ドラマ『すいか』で再び組む事になる。木皿泉は和泉務と妻鹿年季子の共同ペンネームであり、2人は『やっぱり猫が好き』で初めてタッグを組み活動を継続し、2007年に結婚をした。
2003年、2007年のスペシャル版は『33分探偵』『勇者ヨシヒコ』シリーズ。実写版『銀魂』『今日から俺は!!』などを手がけた福田雄一が脚本に参加した。
2005年のスペシャル版の脚本は映画監督の荻上直子が担当した。後に『かもめ食堂』『めがね』『トイレット』などの映画でもたいまさこ、小林聡美と関わりを持つことになる。
「脚本家・演出家の元、あらかじめ作られたセリフとストーリーが存在しそれを架空の三姉妹に扮した女優が演じている」ということで、カテゴリー上では「ドラマ」という扱いではある。
しかしスタッフの笑い声が挿入される演出。女優たちが行うストーリーを脱線させるほどの激しいアドリブ。セリフを間違えても、忘れても、噛んでも、それどころか急にスタッフに話しかけても、前回までの設定とは矛盾した展開になってもそのまま放送される制作体制。そして何より、もたいまさこ、室井滋、小林聡美の三者全員のセリフ・仕草が「台本通りの演技」か「アドリブ」か「うっかり出た素」なのか判別不可能なほど自然で生活感をにじませているものであること。これらの特徴は番組開始から30年経過した現在の感覚としても「ドラマ」と呼ぶにはためらわれるものである。
しかし物語や三姉妹の設定を根底から壊すような行為は行わず「三姉妹の物語」であることを最初から最後まで守り続けていたことはドラマ(フィクション)の要素を満たしている。
この番組は設定の矛盾・演者の失敗という「フィクションとしてはご法度な要素」と「それらを含めても三姉妹の物語であるという前提は崩さないフィクションの要素」という2つの特徴が奇跡的なバランスで成立していた。そしてその2つの特徴の境目が実に曖昧だった。だからこそはっきりとしたジャンル分けが難しく、そもそもジャンル分けなどは必要ないという開き直りのような独特な雰囲気が存在した。
多様なスタイルのドラマが放送されるようになった現在では、1つ1つ特徴は書き出せば決して珍しいものではない。しかし、今観てもその曖昧さと緩さはとても心地よく不思議と癖になる。3人しか登場しないワンシチュエーションコメディであるが故に、徐々に話の広がりに限界が出はじめ通常放送期間は総じて3年と人気の割には短命に終わってしまったが、後年のあらゆるドラマ・映画が制作されるきっかけや、新たな番組の礎にもなっており、次世代への影響力は強い。また特に意識をしていると明言していないドラマでも、「やっぱり猫が好きのようだ」という感想がつくものも多い。
30年前の流行や話題がセリフやシチュエーションにも反映されているので、今まで知らなかった人がいきなり観てハマることは難しいかもしれないが、文章だけでは伝わらない「心地よい曖昧さ」と今や大御所となった各女優のイメージをガラリと変えるような演技・会話劇は今でも一見の価値がある。
・『子供、ほしいね』- 1990年~1991年に放送された『やっぱり猫が好き』の後番組になるシチュエーション・コメディドラマ。チーフ脚本を担当したのは三谷幸喜であり、演者としても出演している。劇中のペットのサチコは恩田三姉妹からゆずり受けたという設定。
・『すいか』- 2003年に日本テレビ系列で放送された小林聡美主演の連続ドラマ。第2シリーズの脚本担当の木皿泉がチーフ脚本を担当している。また、7話の脚本担当の山田あかねは「やっぱり猫が好き」では10話の脚本を担当した。ジャニーズ枠のイメージが強い日テレ土曜ドラマでは変化球的な作品になり、視聴率こそ振るわなかったが、内容の評価は高く『すいか』の作風を意識した作品も多い。
・『かもめ食堂』 - 2006年公開の小林聡美・片桐はいり・もたいまさこ主演の日本映画。監督・脚本は荻上直子。原作は群ようこの同名小説であり、映画の原作用として書き下ろされた。荻上・群ようこ共に「やっぱり猫が好き』のファンを公言しており、荻上は2005年スペシャルの脚本を担当した。以後、『めがね』『プール』『マザーウォーター』など小林聡美主演の癒し系ムービー、と呼ばれる作品の礎にもなる。
・『カルテット』- 2017年のTBS系列で放送された連続ドラマ。逸話で示した通り、スタッフが具体的に影響を受けた作品として名前を上げた。
撮影の裏話や役者へのインタビュー。三谷幸喜のエッセイ。台本のセリフと実際のセリフの比較。そして視聴者層の分析から始まる若者・時代論。「やっぱり猫が好き」を軸に語るメディア・テレビ論。など様々な角度から番組にアプローチした公式番組本。ちなみにセリフの比較は6話「首つった部屋とお猿日記」の前半部分がサンプルとして掲載されている。
実際に放映された8つのエピソードから三谷幸喜がセリフを書き起こしシナリオとして再構成した採録本。そのため実際の脚本ではない。しかしアドリブやハプニングを含めた細かなセリフ・表情もしっかり書き起こされている。巻末には1998年スペシャルを撮り終えたもたいまさこ・室井滋・小林聡美の対談が掲載されている。
掲示板
3 ななしのよっしん
2018/12/29(土) 21:15:24 ID: 6I1wh1OdHp
4 ななしのよっしん
2019/08/07(水) 01:52:39 ID: YkHu3EsqkU
小学生の頃、早朝にこれの再放送がやってたのを見たんだけど、
その時やってたのが記憶が短期間しか持たなくなる食べ物?があって、
こぼしたジュースを拭こうとしても忘れてテーブルの周りを3人でグルグル回ってしまうオチだったんだけど、
はて、なんの話だったか
5 ななしのよっしん
2019/08/07(水) 02:17:20 ID: 6I1wh1OdHp
>>4
2001年スペシャルの「思い出せないこと」かもしれません。
室井滋がガングロだったら確定です。
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/11(木) 18:00
最終更新:2025/12/11(木) 18:00
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