作品タイトルの「T・P」の読みは「タイムパトロール」[1]。
概要
『ドラえもん』などで知られる漫画家藤子・F・不二雄による、歴史を扱ったSF漫画作品。
ひょんなことから、歴史を守る未来の組織「タイムパトロール」に所属することになった少年「並平ぼん」が遭遇する様々な歴史上の悲劇と、それに関わって命を落とすはずだった人々の救命を描く。
「タイムパトロール」は『ドラえもん』にも登場する組織であり、アニメ映画およびその原作の漫画作品である大長編ドラえもん『のび太の恐竜』『のび太の日本誕生』にも登場している。それら『ドラえもん』系の作品で描かれている活動内容は「タイムマシンを悪用したり、歴史を改変しようとしたりする歴史犯罪者の摘発・逮捕」が主である。
一方、本作でも歴史犯罪者の摘発が描かれることもあるが、主人公「ぼん」が関わる活動内容は主に人命救助である。「過去の時間のどこかで非業の死を遂げた人物」をタイムパトロールの本部が選定し、ぼんなどの末端の隊員に命じて救助させている。
「その救助でタイムパラドックスが起きるのでは」「それ自体が歴史改変ではないか」と疑問がわくかと思うが、本部は「助けても歴史に影響を与えない人物」を選定しており、さらに「歴史に影響しないように、なるべく自然に見える方法で助ける」ことが規則となっている。つまり「助けると歴史に影響する」人物はどんなに哀れでも、どんなにぼんが助けたいと願っても助けることは許されていない。このジレンマは作中でたびたび描かれ、ぼんがこの規則を破ってしまい処分を受けることになる回もある。
ちなみに……あなた、そう、この記事を読んでいるあなたの知る歴史では、「串刺し公」として有名な「ヴラド・ツェペシュ」が死亡した年は何年という事になっているだろうか? ちょっと確認してみて欲しい。
もし「1485年にドナウ川で溺死」したことになっているなら、あなたは「ぼんが改変する前の歴史」の中で暮らしている。
だが、もし「1476年にブカレストで戦闘中死亡」したことになっているなら、あなたは「ぼんが作中で改変してしまった後の歴史」の中で暮らしていることになる。
助ける人物の時代や場所は千差万別である。救助対象が「ヴラド・ツェペシュ」や「玄奘三蔵」などの歴史上の有名人に関わっている場合もあり、また「玉藻前」など伝説に登場する人物そのものを救助した話もある。「どのように歴史や伝説に影響を与えずに伝説上の人物を救助するのか」については、なんやかんや色々と頑張っている。
「非業の死を遂げるはずの人物の救助」をテーマとしていることから、人が無残に死亡する血みどろのシーンなども登場している。例えば、第一話から主人公は友人を事故で墜落死させてしまいその死体が描かれるし、ヒロインが斬首されて首が飛ぶシーンなどもある。また、神風特攻隊、魔女狩り、アメリカの奴隷制、黒死病の流行とそれに伴うユダヤ人迫害、十字軍など、歴史上の暗いエピソードを描く回も多い。そのため藤子・F・不二雄の代表作『ドラえもん』などの子供向け作品のイメージが強い人が読むと面食らうこともある(『ミノタウロスの皿』や『ノスタル爺』といったSF短編シリーズなど、藤子・F・不二雄作品には大人向けのものも少なくないのだが)。
だが上記のように主人公らの目的が人命救助であるため、各話は基本的に救助成功のハッピーエンドで終わっており、SF短編シリーズのようにダークな雰囲気で終わってしまう話はない。「暗い話はちょっと……」という方も安心。
連載
潮出版社の漫画雑誌『月刊少年ワールド』およびその後継雑誌『コミックトム』において1979年から1986年にかけて連載された。『月刊少年ワールド』では創刊号から掲載されており、創刊から雑誌を支えた屋台骨の一つである。「藤子不二雄」が「藤子・F・不二雄」(藤本弘)と「藤子不二雄Ⓐ」(安孫子素雄)に独立する以前の連載なので、当時は二人の共同名義「藤子不二雄」でクレジットされている。最終回は描かれておらず、未完で終わっている。
『月刊少年ワールド』創刊号からの「同期」的作品には横山光輝『三国志』、手塚治虫『ブッダ』などの巨匠による有名作品がある。『月刊少年ワールド』や『コミックトム』に連載された漫画には、他にも坂口尚『石の花』、安彦良和『虹色のトロツキー』、みなもと太郎『風雲児たち』などの「歴史もの」の名作が少なくない。
単行本
当初は潮出版社の漫画単行本レーベル「希望コミックス」(横山光輝『三国志』全60巻で有名)から5巻の単行本が発売された。収録に当たって、雑誌連載版からの加筆修正もなされている。
だが、この1~5巻には雑誌に連載された全話が収録されてはいない。連載の最終盤に雑誌掲載された、「古代の大病院」「神の怒り」「ローマの軍道」「王妃ネフェルティティ」「ひすい珠の謎」の5つの話が収録されていないのだ。コミックスにするには1話分ほど不足していたらしい。
編集者は「既に存在する話だけで6巻を出しましょう」と藤子・F・不二雄に提案したこともあったそうだが、藤子・F・不二雄は「まだ連載を終えてはいない」つもりであったとのことで、最終話を書かないままでの6巻の出版には頷かなかったという。本作への思い入れを伺わせるエピソードである。
残念ながら連載が再開されないままに藤子・F・不二雄が没してしまったため、本作は未完の名作となってしまった。上記の話のうち「王妃ネフェルティティ」の原稿は藤子・F・不二雄による単行本向けの加筆修正作業の途中の状態であったという。
その後、上記の未収録の計5話は長らく「『コミックトム』のバックナンバーを閲覧する」こと以外には読むことができない話となってしまっていた。中央公論社や嶋中書店など、潮出版社以外の他の出版社から単行本が出たことは複数あったが、希望コミックス未収録話はそちらでも一貫して収録されていなかったのである。
しかし2008年に潮出版社から出た『T・Pぼん スペシャル版』において未収録5話のうち3話「古代の大病院」「神の怒り」「ローマの軍道」が初収録された。
さらに2009年から2014年にかけて小学館が出版した『藤子・F・不二雄大全集』内の本作全3巻のうち、2012年に出版された第3巻において残りの2話「王妃ネフェルティティ」と「ひすい珠の謎」が収録されたことで、初めて単行本に全話が収録されることになった。
2024年には同じく小学館から『T・Pぼん 新装版』が発売。これは同年5月2日から動画配信サービス『Netflix』にて本作の新作アニメが制作・放映されることのタイアップかと思われる。この『新装版』には上記の希望コミックス未収録の5話もしっかり収録されている。またB6判の「通常版」の他に初めて雑誌掲載時と同じB5判となる「愛蔵版」も販売され、連載当時の予告ページ/カラーページ/カラーカットも完全収録される。
登場人物
「CV」は後述するアニメ版で声を担当した声優。1989年のアニメスペシャル版/2024年のNetflix版。
- 並平凡(なみひら ぼん)
- CV:三ツ矢雄二/若山晃久
- 名前の通り、ごくごく平凡な中学生。共働き世帯の一人息子で、鍵っ子。
- リーム・ストリームの不手際によってタイムパトロール(T・P)のことを知ってしまったために、T・Pの規則に従って「消される」(両親の結婚を防いで生まれなかったことにする)運命と宣告される。だが当然ながら憤慨して抵抗する。
- 結局、ぼんが「歴史に関わる人物」であったことが判明して消される処分は取り消され、「T・Pの活動を知っていてもよい存在」つまり身内であるT・P隊員(の見習い)として任命されることになる。
- かなりそそっかしく、彼のうっかりが様々なトラブルの元になる。また序盤の話では「歴史に関わる人物は救ってはいけない」というT・Pの規則に納得がいかず、誰彼構わず助けるべきだと怒鳴り散らしてしまうシーンもある。
- 平凡な少年だが、モデルガンを用いた決闘ごっこではかなりの腕前を示す(任務中にショックガンを駆使するなど、この能力を活用したこともある)。このあたりは『ドラえもん』の「野比のび太」のキャラクター造形がスライドしているとも言える。
- 「彼が居なければ第三次世界大戦が起きる」ことが作中で示されている、考え方によっては人類の歴史上で重要な人物。ただし彼自身が第三次世界大戦に関わる偉業を成し遂げるわけではない。
- リーム・ストリーム
- CV:佐久間レイ/種﨑敦美
- T・P隊員の少女。ぼんが事故によって殺害してしまった友人を救命するためにぼんの前に現れる。
- ぼんが見習いT・Pとなった後は、パートナーを組んで共に活動する事になる。
- そそっかしくさぼり癖のあるぼんを先輩として説教することがある。だがリーム本人も備品の整備を怠っていたりとそこまでしっかり者ではない。
- ぼんが住んでいる時代より40年弱先の2016年に住む「ミドルスクールの三年生」。青い目に白い肌であると作中で言及されており、コーカソイドか。第二次世界大戦の時代で特攻隊員を救助しようとした際には「アメリカ人だな」と疑われている。
- ブヨヨン
- CV:白石冬美/宮野真守
- リームに付いて回っている、空中を浮遊して人語をしゃべる手乗りサイズのゼリー状の生き物。
- 正式なT・Pではなく、時間移動する際に通る超空間に住んでいる謎生物で、いわば勝手に付いてくる部外者。だが結構役に立つのでT・Pの活動に同行することが黙認されている。
- T・Pの心構えについてぼんやリームに説教したりと上から目線だが、ぼんに嘘をついてからかってリームから怒られてしまうこともある。
- 割とプライドが高いらしく、「クラゲのオバケみたい」とぼんに評されたときには「くらげおばけ!?」「超時空ノ超生物ぶよよん様に向カッテ!!」と激昂している。
- 安川ユミ子
- CV:日高のり子/黒沢ともよ
- 13歳の少女。しかし連続通り魔事件の犠牲者となり、命を落とすはずだった。
- 彼女の死亡を伝えるニュースのナレーションによれば「成績もよく、スポーツも得意で、明るくほがらかなクラスの人気者」とのこと。ニュースを見ていたぼんの感想によれば「かわいい」らしい。
- 正隊員となってリームとのコンビを解消したぼんが一人での初仕事として命を救う……はずが、ぼんは失敗。彼女自身がぼんの装備を使って通り魔を叩きのめし撃退する。
- T・Pの秘密を知り、しかもぼんの不手際によってその記憶を残してしまったために、ぼんが上司のゲイラに懇願してT・Pの隊員となる。
- 頭がよく大胆さもありぼんよりも優秀な面を見せる。だが、窮地に追い込まれると泣きわめいてしまうなど年齢相応に脆いところもある。
- 白石鉄男
- CV:柴本広之(柴本浩行)/日笠陽子
- ぼんの友人で、少しぽっちゃりした少年。
- 集合住宅の一室である自宅で、遊びに来ていたぼんをまだ帰すまいとして腕ずくで引き留めていたところ、ぼんが押した際にバランスを崩してしまいそのままベランダから転落死する。
- ……はずだったが、リームの救助対象となっていたことで死の運命から逃れることができた。
- ゲイラ
- CV:玄田哲章/加瀬康之
- T・P本部に所属する隊員。ぼんやユミ子にとっては上司的な存在で、彼らからは敬語を使われる。一方、リームはゲイラに対して敬語を話さず普通に話している。
- 生真面目な性格で、ぼんの不勉強に激怒することも。逆にユミ子の手際に感心したときには激賞している。
- T・P隊員から殺人者が出てしまったときには、その隊員の人格を信頼していたこともあり無念の思いを口にする。
エピソード例
話数のPART表記は、2024年の小学館『T・Pぼん 新装版』でつけられたもので、雑誌連載時の発表順。
引用箇所内の話者名と鉤括弧は、発話者がわかりやすいように引用時に追記したもの。
PART3「ピラミッドの秘密」
紀元前2600年代、エジプト第三王朝。救助対象はジェセル王のピラミッドの建築指揮者の男性「トト」。ピラミッド内に墓荒らしを防ぐための迷宮構造を作ったが、宰相インホテプによってその秘密を守るために王の棺とともにピラミッド内に幽閉されて死亡。
インホテプ
「きみの命の安全についてはわしが保証する。 父上のあとをついで、ぜひ完成させてもらいたい。」トト
「しょうちいたしました。」
トト
「わたしの命を保証されたではありませんか!! わたしはぜったいにしゃべらない。 お願いですから出してください!」インホテプ
「わしは、王のためならうそつきにも恥知らずにもなるのだよ。 なげくことはない。むしろよろこぶべきではないか。 来世までも、永遠に王のおそば近くおつかえできるのだからな。」
トト
「いやだいやだァ。 出してくれェ。」
PART5「魔女狩り」
1664年、南フランス。救助対象は心優しい15歳の少女「セリーヌ」。逆恨みした男から魔女として教会に密告され魔女狩りの対象となった。拷問の果てに「自分は魔女である」という嘘の自白をさせられ、火あぶりにされて焼死。
セリーヌ
「お、おゆるしを……。 ほんとになんにもしてないんです。 神さまがご存知です。」拷問官
「こいつ! まだそんなことを!!」
セリーヌと同じ牢に入っている老女
「ばかだねえ。
神だの真実だの、そんなものがこの世にあると思うのかい。だれかに「魔女だ」といわれりゃ、それでもうおしまいさ。
あたしみたいにさっさとみとめちゃいな。 明日おしおきになるんだけどね。 火で焼かれるったって、ほんの一瞬の苦しみさね。 あの手この手の拷問にくらべりゃ……。 こんないやな世の中からおさらばするのが楽しみさ。」
セリーヌ
「ウグッ、 ウ……、 ウッ。」拷問を監督している聖職者
「手ぬるい!! 腹がはりさけるまでつぎこめ。」拷問官
「待て!こいつ、なにかつぶやいてやがるぞ。」
PART8「戦場の美少女」
1945年5月、沖縄。救助対象はアメリカ艦隊を目標に出撃した神風特別攻撃隊の一人、海軍少尉「桜木健男」。米空母に特攻しようとしたところ対空砲火により操縦不能となり、乗っていた飛行機ごと島に激突して死亡。
ぼん
「かたはしから落とされていく!!
早くたすけないと全滅しちゃうぞ!!」ぼん
「だれかれ区別することないよ。 みんなたすけりゃいいんだ!!
落ちていく特攻機にも、ぶつかられる軍艦にも、 それぞれ人間が乗っているんだぞ!!
その一人ひとりに家族があるんだぞ!!」
ぼんとリームは、墜落していく飛行機から桜木少尉を脱出させることに成功するのだが……。
桜木少尉
「皇紀二六〇五年五月二十六日午前三時、海軍少尉桜木健男、沖縄山中に散華す。 願わくば、皇国の悠久たらんことを。 天皇陛下万歳。大日本帝国万歳。」
PART31「十字軍の少年騎士」
1192年、シリア。救助対象は第三次十字軍に参加しているイングランドの貴族で、十五歳の騎士見習い「ロックスリイ」。サラセン人(イスラム教徒)の軍勢が十字軍の砦に攻め込んできた事を友軍に知らせた伝令の帰途にて、飢えと渇きと疲労で砂漠に行き倒れて死亡する。
ぼんやユミ子は「より自然に見える助け方」をしようと、付近の砂漠を馬で渡っていた人影を誘導して救助させようとするのだが、なんと旅人かと思われたその人影は十字軍の敵であるサラセン人の武人であった。下手を打ったことに焦るぼんとユミ子だが、そのサラセン人はロックスリイをその場で殺さずにどこかに連れていく。彼の思惑とは……?
ロックスリイ
「ぼくをどうする気だ? はりつけか?八つ裂きか?」サラセン人
「どうしてそんなことを聞く?」ロックスリイ
「サラセン人の残虐ぶりは、いろいろ耳にしている。
占領した町の住人の首を斬り落とし、 その首を投石機につめてはね飛ばしたとか………。
人間にできることじゃない。 おまえたちは鬼だ!!獣だ!!」ロックスリイ
「返上?どういう意味だ。」サラセン人
「第一次十字軍がエルサレムに攻め込んだとき、 住民の腹を裂き、屍体を積んで焼いたという。金貨を呑んでいないか調べるためだ。 会堂に閉じこめられ、生きながら焼かれた者も数知れず……。」
サラセン人
「もう悪さはせんと誓うなら、 ナワを解いてやるがどうだ。」ロックスリイ
「悪さとはなんだ!! これは聖戦だ!!
聖地エルサレムを取りもどすまでは、戦いつづけなくちゃならないんだ!!」サラセン人
「エルサレムなら、イスラム教徒にとっても聖地だ!!
オマールのモスクがあるのを、 知らんか!!」
アニメ
1989年版
『藤子・F・不二雄アニメスペシャル SFアドベンチャー T・Pぼん』のタイトルで、単発のスペシャル番組として日本テレビで1989年10月14日に放映された。VHSビデオやレーザーディスクも発売されている。それらのジャケットに記載された収録時間は95分。
原作のうち、数話分のみを選んでアニメ映画一本分程度にまとめている。そのためオリジナル展開も多く、原作にはなかった「ピラミッド内で酸欠に陥ったぼんにリームが口移しで酸素を与える」シーンなどが当時の視聴者の印象に残っているようだ。
リームの兄でT・P隊員の「ルイ」や時間犯罪者「バルコム」「ドノバ」などのアニメオリジナルキャラクターが登場する。
「てんとう虫コミックスアニメ版」として、いわゆるフィルムコミックも小学館から発売されている。上下巻。
キャラクターデザインなどは、同時期(1988年~1996年)に放映されていた『キテレツ大百科』のアニメ版に近いようだ。
幼少期にこのアニメ版を観た人の中には夢中で観た、面白かったとの感想を記す人もいる。
あれは確か小学校の低学年くらいだったと思う。お隣に住む幼なじみの男の子が得意げに「すっごいおもしろいビデオあるよ」と言って見せてくれたのが「T・Pぼん」だった。テープの背に子供のへたくそな字で書かれた「T・Pぼん」というタイトルまで、はっきりと思い出せる。それは子供には衝撃的な内容で、少しこわくて、少しせつなくて、ハラハラドキドキが止まらなかった。外遊び専門だった私が、初めて夢中になったアニメ。遊びに行くたびに「ぼん見せて」というものだから、幼なじみの彼は呆れていたけれど、見始めると結局一緒に夢中になってしまう。昼間から外へ遊びにも行かず家でビデオにかじりつく私たちを咎めていたおばちゃんも、気がつけば隣で真剣に観ていた。
(※藤子・F・不二雄大全集版の単行本2巻の巻末解説、菊池亜希子「わたしのブロック」より)
一方、原作とはかなりテイストが異なっていたこともあって、原作ファンの間では評価が分かれるようだ。
2024年版
ウェブ動画配信サービス大手の「Netflix」製作で2024年に配信。シーズン1は2024年5月2日から、シーズン2は同年7月17日から配信がスタート。
上記の1989年版が単発のスペシャル番組だったため、アニメシリーズとしてはこれが初である。
殺人シーンが含まれるためか、レイティングは「16+ 暴力」、すなわち暴力表現のため16歳以上での視聴を推奨する設定となっている。
基本的には原作漫画をなぞっているが、ぼんが暮らす日常の時代は配信開始当時の令和の時代に設定変更されている。そのため、ぼんがスマートフォンを持っていたり、「特攻隊員の婚約者だった女性」が原作漫画では中年女性だったがこのアニメ版では90を過ぎた老女となっていたりと、細かい変更がなされている。
上記の1989年版とは基本的には無関係だが、「ピラミッド内で酸欠になったぼんに、リームが口移しで酸素を与えようとする(が、躊躇してできない)」という、1989年版のオリジナル展開のオマージュのようなシーンも差し挟まれている。
シーズン1各話リスト
シーズン1では、原作漫画版でぼんがリーム・ストリームとともに活動する全14エピソードのうち「妖狐、那須高原に死す」と「シンドバッド最後の航海」を省いた12エピソードをアニメ化している。
話数 | サブタイトル | 主なゲストキャラクター |
---|---|---|
01 | 消されてたまるか | |
02 | 見ならいT・P | 山田ハナ(CV:谷育子):キャスリーン台風で死亡 山田太郎(CV:新垣樽助):山田ハナの息子 |
03 | ピラミッドの秘密 | トト(CV:小林親弘):ピラミッドの秘密を守るため生き埋めにされ死亡 スネフェル(CV:浦山迅):トトの父で先代のピラミッド建設担当者 ダグラの娘(CV:小原好美):トトの恋人→妻 イムヘテプ(CV:中博史):ジェセル王の宰相 |
04 | 古代人太平洋を行く | トッケー(CV:土田大):丸木舟でミンダナオ沖を航海中、遭難死 |
05 | 魔女狩り | セリーヌ(CV:早見沙織):魔女狩りで拷問の果てに火刑とされ焼死 ジャン(CV:日野聡):セリーヌの婚約者の青年商人 フェルナン(CV:ふくまつ進紗):セリーヌに横恋慕している狩人 |
06 | 白竜のほえる山 | チャムク(CV:徳留慎乃佑):玄奘法師に随行中、山で雪崩に遭い死亡 チャムクの父(CV:小山力也):羊飼い、元はシルクロード商人 玄奘法師(CV:三宅健太):天竺に仏典を取りに行く高僧 歓信(CV:綿貫竜之介):玄奘法師の同行者 |
07 | 暗黒の大迷宮 | クレウーサ(CV:石見舞菜香):ミノタウロスへの生贄に捧げられ死亡 メネステス(CV:山下誠一郎):同上 フェレクロス(CV:豊富満):アテナイから生贄を運ぶ船の船長 ミノス王(CV:不明[3]):クレタ王 タラ子タラ夫(CV:うえだゆうじ):クレタ島観光中に強盗に遭う |
08 | 戦場の美少女 | 桜木武男(CV:畠中祐):海軍少尉。特攻で死亡 敷島明子(過去)(CV:千本木彩花):桜木武男の許嫁の少女 敷島明子(CV:榊原良子):ぼんの近所に住む老女 |
09 | バカンスは恐竜に乗って | 密猟者(CV:堂坂晃三):恐竜ハンター。時空犯罪者 |
10 | OK牧場の近所の決闘 | ジム(CV:鈴木峻汰):決闘に見せかけた騙し打ちで蜂の巣にされ死亡 カーク(CV:丹沢晃之):ジムに怨みを持つガンマン モーガン(CV:竹田雅則):ジムに無実の罪を着せたガンマン |
11 | マラトン大会戦 | フィリッピデス(CV:神尾晋一郎):アテナイ軍の伝令 フィリッピデスの妹(CV:金元寿子):アテナイで兄を心配している ミルティアデス(CV:山本格):アテナイ軍の将軍 |
12 | 超空間の漂流者 | アンブローズ・ビアス(CV:藤真秀):1913年のメキシコで行方不明に |
映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生
番外。2016年公開の『ドラえもん』の劇場アニメだが、タイムパトロール隊員としてリーム、凡、ユミ子がゲスト出演している。
関連動画
関連項目
脚注
- *『月刊少年ワールド』創刊号に収録された第1話の表紙のロゴで「T」の文字の脇に「タイム」、「P」の文字の脇に「パトロール」と添え書きされている。
- *藤子・F・不二雄の生誕年は1933年なので、90周年は配信スタートした2024年ではなく制作発表のあった2023年である。
- *エンディングクレジットに記載がない
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