邦訳版が未刊に終わった幻のサプリメント、テクニカル・リードアウト3025に掲載されている27機を一気に紹介。ここから先のメックは日本語版イラストが存在しない(河森正治画集の体裁で構わないから出してくれという声もある)ため、動画などでやたらショボい機体イラスト(それがいいという声もあり)が登場すると、一発でそれと判ったりする。
アーバンメック(スナイパー:30トン)
- 市街戦に有効なメックとして設計された軽メック。武装はクラス10オートキャノンと小口径レーザー。
最大の特徴はその独特のデザインでありその姿はまさに「オートキャノンの生えた炊飯ジャー」そのもの。頭をポチッと押せば、パカッと蓋が開いてホカホカと食欲をそそる湯気が立ち昇りそうである。
斯様に非常に個性的な姿と能力から、海外含めた各方面で大人気のメックのアイドル兼マスコットともいえる立ち位置を誇る。
メックとしての性能としては強襲級メックを含めた全メック中でも最低クラスの移動速度ながら、ジャンプによって障害物を楽々乗り越える身の軽さを持ち、クラス10オートキャノンという、この階級では反則レベルの一撃での大物狩りも狙える為、遠距離からの攻撃から身を隠せる障害物の多い市街戦、あるいは防衛戦に特化した通好みのする機体となる。
余談ながら例によって安い(あのスティンガーよりも安い)メックな為、万年貧乏所帯なカペラでは積極的にアーバンメックを改良する羽目になっているとか。
ジャベリン(ストライカー/スカーミッシャー:30トン)
- 搭載火器は短距離ミサイル12連のみという思い切った武装を選択したメック。
1発ごとに命中判定を行う短距離ミサイルは致命的命中を発生させる確率が高く、見た目以上の攻撃力がある。機動力もスティンガーやワスプなどと同等で、偵察機や襲撃機として非常に重宝されている人気機種だが、そうであるがゆえに、常に需要に対して供給が不足しているというジレンマも同時に抱えている。生産国の恒星連邦もこの機体を気に入っており、自国の正規軍に優先的に配備しているため、なかなか市場に出回らないレア物。ジャベリンありがとうねぇ!
ジェンナー(ストライカー/スカウト:35トン)
- 中口径レーザー4門+4連短距離ミサイルという優秀な近接火力と、走ってよし跳んでよしの高い機動力を併せ持った優秀な襲撃機。ただし、このタイプのメックの例に漏れず装甲や放熱には難ありなので、先陣を切って前線を形成したりするような使い方にはあまり向かない。敵のバックスの即背を襲ったり、地形を利用した一撃離脱などに徹するのがよい。ドラコ軍製はミサイルを外して、代わりに装甲を大幅に強化したが、やはり発熱に欠点がある。
ファイアスターター(スカウト/特殊:35トン)
- 火炎放射器の運用を目的に設計された異色のメック。
- ダメージは低い武器だが、地形を焼き払い、目標を過熱させるという特殊効果を持ち、使いどころを選べば非常に威力を発揮する(特に、歩兵や車輌を相手にする場合は破滅的なレベル)。また、汎用性が高くコストも安い機体であるため生産数が多く、それなりに容易に入手できるというメリットもある。そうでありながら、標準的な近接火力と割合高い機動力を併せ持つため、財政的に余裕のない傭兵部隊などでは、フェニックスホークなどの代用として運用されることもある。
ちなみに機体の設計としては対人掃討がメイン……という訳でも無く森林地帯の整地や煙を発生させての支援などへの投入が考慮されていたとか。
ウィットワース(ミサイルボート:40トン)
- 長距離ミサイル+中口径レーザーという黄金コンビネーションの装備を持つメック。
基本的には後方から前線にミサイルを放り込む機体だが、このクラスでは標準的な近接火力を持ち、装甲や耐久力も悪くないため、前線に突っ込んでも結構戦える。最大速度は遅めだが、ジャンプできるため地形を気にせず移動でき、前衛と後衛を繋ぐ遊撃任務に適した万能選手として、トーナメントでは非常によく使われる機体。
シカダ(スカウト:40トン)
- 中量級としては暴力的な俊足を誇る偵察機。武装は中口径レーザー2つと小口径レーザー。
腕部分をほぼ排除してまで軽量化に努めて積んだ高出力エンジンの恩恵として平地である限り同じクラスでこいつに追いつけるメックは存在しない。よしんば存在したとしても、こいつの防御力を貫けるほどの一撃を持つメックはそうそういないだろう。
……こら、そこ。単に20トン重くなっただけのローカストとか言わない。
尚、全武装が胴体に積まれている関係上、射界が機体正面のみとなっている為、側面や後方に回り込まれると致命傷になりかねない欠陥も存在する。
クリント(スカーミッシャー/スカウト:40トン)
- 中口径レーザー2門+クラス5オートキャノンという遠近両用の装備を持つメック。
多少装甲が薄い気はするが、機動力に優れるため偵察機としての運用も可能。武装が武装なので熱にも強い。……なのにイマイチ不人気なのは、やはりフェニックスホークの代用品という偏見が根強いためだろう。ちなみにこのメックは生産工場が吹っ飛ばされたのも相まってパーツが希少品と化し、ジャイロに至っては同じ重量の金と取引されるだの、オートキャノンは互換性が悪い上に生産終了から数百年経っているため、もはや宇宙の何処を探しても予備弾薬が残っておらず使用不可能…等という悲しい公式設定がついているとかいないとか。一応、クラン侵攻後の時代で漸く生産が再開されてはいる。
バルカン(スカウト/特殊:40トン)
- 市街戦における対空・対歩兵用として開発されたメック。
そのため対メック戦を考えると火力は低いが、マシンガンや火炎放射器、クラス2オートキャノンと、特殊効果の嫌らしい武器を揃えている。また、偵察任務に使える程度の機動力も持つため、フェニックスホークなどの代用としてのニーズもあり、コストの安さも相まって戦場ではありふれたメックの一つ。
アサッシン(スカウト:40トン)
- 現実的なレベルで望みうる限りの機動力と生残性を持たせた優秀な偵察機。
武装は中口径レーザー、5連長距離ミサイル、2連短距離ミサイルとワスプ辺りの小型メックと大差ないが、需要に対して市場への供給量に余裕があるために、中小の傭兵部隊でも現実的なコスト負担で入手できる偵察メックとして重宝されている。
ただしコストの割に戦闘力に欠ける点はいかんともし難いため、TRPGで遊ぶ際にGMが敵役として出してくるくらいしか見掛けることがないのが悲しい。
ブラックジャック(スカーミッシャー:45トン)
- 製造国の恒星連邦から「いらない子」扱いされている不遇のメック。武装はクラス2オートキャノン2門と中口径レーザー4門。
ディスカウント価格にて市場で叩き売られているため、傭兵部隊からは大歓迎状態。不人気とはいえレーザー4門を生かしての近接火力は高いため、舐めて掛かると大怪我に繋がる。低火力だが長射程なクラス2オートキャノンを生かした対空用メックとしての需要も大きい。
……上位互換のライフルマンやジャガーメックを大量に装備している恒星連邦が、こいつをディスる訳がよく分かったw。
尚、STEAM版バトルテックではまさかの主人公の初期機体として抜擢されるという快挙を上げている。
ハチェットマン(ブロウラー/特殊:45トン)
- 人呼んで「メック界のM4シャーマン」。
武装はクラス10オートキャノンに中口径レーザー2門、そして近接武装「ハチェット」を搭載。 - ニューアヴァロン科学大学が誇る俊英、バンザイ博士の手による一世一代の大傑作である。継承権戦争により技術力の低下した31世紀初頭の工業力でも大量生産が可能であり、こいつのおかげで恒星連邦とライラ共和国は、「戦場で消耗するよりも新造されるメックの方が多い」という物量作戦が可能な体制を手に入れた。最大速度と防御力は平均よりも劣る程度だが、市街戦や拠点防衛に適した高い瞬間火力と地形踏破性を誇り、更に障害物を生かして距離を詰めてハチェットを叩き込めば強襲級含めた大物食いも狙える特徴を持つ。
また、コアブロックに似た先進的な緊急脱出システムを標準装備している点からも、「代わりのメックは用意するから生きて帰って来い」という開発者の強いメッセージを感じさせる……のだが、こいつ以外の重い機体に乗っているメック戦士にしてみれば、「撃墜されたらハチェットマンが待っている」という恐怖の象徴でもある。
トレビュシェット(ミサイルボート:50トン)
- 基本路線は「ちょっと足が速くてジャンプできないウィットワース」なのだが、こちらは重量の余裕を生かしてミサイルを10連から15連にグレードアップしているため、長距離火力がパワーアップしている。その代わり12ターン分あった弾薬が8ターン分に減っているが、全弾射耗した後は近接戦に突入できるため、使い勝手は悪くない。編成の都合に応じて使い分けるのが吉。
センチュリオン(スカーミッシャー:50トン)
- クラス10オートキャノン+10連装長距離ミサイルの組み合わせに、補助火器として中口径レーザーというバランスのよい武装を持つメック。装甲も悪くないので、前線に出て戦える。その割に、こいつも生産元の恒星連邦から盛大にディスられている不遇の存在。性格が似ていて扱いやすいエンフォーサーという競合機が存在するので、仕方のない面もあるのかも。しかし、このメックの愛用者が惑星「ソラリス」で行われるトーナメントのチャンピオンになった事で評価が一変する。
スコーピオンブリザードガンナー (スナイパー:55トン)
- 生産数的にもメックの機種的にも希少な四脚メック。
向きを変えずに横方向に移動でき、転倒しにくいという優れた特性を持つが、重量や装備欄数の面で不利というデメリットもある。しかし、それ以上に四脚が使われない最大の理由は、「ゲーム上の処理が特殊で面倒くさい」という一点に集約されてしまうのかもしれない。
デルヴィッシュ(ミサイルボート/スカーミッシャー:55トン)
- こいつも製造元の恒星連邦では人気の薄いメックで、おかげで傭兵部隊ではかなりありふれた存在となっている。10連装長距離ミサイルを2基装備するおかげで「貧者のアーチャー」という不名誉な異名を奉られているものの、機動力が高く近接火力も充実しているため、もっとアグレッシブに前線で戦うことも出来る……のだが、そのような思い切った運用を妨げているのが薄い装甲。このクラスにしては安価とはいえ腐っても55トン級、こいつを喜んで装備するような貧乏な傭兵部隊が気軽に消耗するには、いささかコストが高過ぎるのである。
クイックドロウ(ストライカー/スカーミッシャー:60トン)
- 中量級メックと同等の機動力に、強力な近接火力を併せ持つ優れたストライカー。
武装は中口径レーザー4門に4連装短距離ミサイル、10連装長距離ミサイル。
襲撃任務や強行偵察任務には持ってこいのメックで、そのような任務に投入されることの多い傭兵部隊や海賊の主力として好まれている。しかし装甲が薄いので、このクラスのメックに期待される「戦列のバックボーン」としての役割を果たすには向かず、正規軍の部隊からは引き合いが少ない。クイックドロウ、デルヴィッシュ、センチュリオン、ブラックジャックの四機で「不人気カルテット」と呼ばれることもある(都合のいいことに、ちょうど合計して210トンでもあることだし)。
ジャガーメックデストロイド・ディフェンダー (スナイパー:65トン)
- ライフルマンの後継機として恒星連邦が絶賛贔屓中の新型メック。武装はクラス5オートキャノン2門、クラス2オートキャノン2門、中口径レーザー2門。
名前だけ見るとなんじゃこれとなるが英語では「JagerMech」という表記であり、要は”Jager”という文字をイェーガー(猟兵)ではなくジャガーと直訳したのが原因である。 - ライフルマンの後継メックとして(放熱が足りなくて)熱い・薄い・弾薬無いという問題を解消すべく総重量を65トンにし、大口径レーザーをオートキャノンで一番軽い軽量級のAC2二門に換装、更にはAC5の弾薬を1トン分追加して継戦能力と発生する熱を抑制……したまでは良かったのだが、弾薬搭載量が増えた結果、装甲がさらに薄くなり更には弾薬庫を左右胴にまで増設する事態に陥った結果ライフルマンより直接的な防御力や耐久性は悪化、いざとなれば一応は前線で戦えたライフルマンと違って、完全な支援機と化してしまった感がある。
- とはいえ、ここまで防御に回すリソースを犠牲にしただけあって攻撃力は素晴らしく、3~6へクスの中距離レンジにおいて持続的に投射できる火力は同クラスの追随を許さない(だからといって隣接されると終わるが)。シャドウホークあたりと組むと、実に強力な火力を前線に供給できる。こいつの恐ろしさを理解して真っ先に狙ってくるプレイヤーは、すくなくとも中級者だと思ったほうがいい。
カタパルト(ミサイルボート:65トン)
- ウィットワースの上位互換、或いはアーチャーの下位互換とも呼ぶべき性能を持つメック。
- 基本的な戦闘スタイルも一緒で、まず長距離ミサイルを雨あられと戦場に投げ込み、弾が切れたら地形踏破力を生かして前線に殴りこんで中口径レーザーを乱射する順序となることがほとんど。
その意味で、頭を使わずに戦えるので初心者にもお勧め。比較的頑丈で熱にも強いという、弱点が少なく完成度の高いメック。生産力に余裕のないカペラが重宝がるわけである。
グラスホッパー(スカーミッシャー/ブロウラー:70トン)
- いわゆるジャガーノートではないにも関わらず近接戦闘に適した武装とジャンプ能力を持つ、このクラスにしては珍しい性格のメック。装甲が厚く熱にも強いので、先陣を切って敵陣に飛び込んでいく攻撃的な使われ方をすることが多い。そして、これほどの重量ともなるとパンチやキックのみならず、DFA(飛び降り攻撃)の威力がハンパではなくなる。文字通りの意味での格闘戦を得意とする、まさに斬り込み隊長と呼ぶに相応しい機体。
オリオン(ブロウラー:75トン)
- クラス10オートキャノン、15連長距離ミサイル、4連短距離ミサイル、と主兵装を実弾火器で固めたパンチ力溢れるパワフルなメック。非常に分厚い装甲を持ち、敵の猛射に耐えつつ強引に戦場の位置を設定し、それを守り抜くだけの能力がある。重量が重量なので格闘戦にも強い。よほどのラッキーヒットでも食らわない限りちょっとやそっとで沈む機体ではないので、最初から最後まで前線に立って戦闘をコントロールすることも可能。星間連盟最後の英雄、アレクサンドル・ケレンスキー将軍の愛機としても著名である。
ヴィクター(ジャガーノート:80トン)
- 走って跳べる、身軽なジャガーノート。
その性格上、森林や山岳、市街地といった起伏や遮蔽の多い地形での戦いを得意とする。装甲は決して厚くはないが、そもそも会敵時間の少ない障害地形での戦いでは大きな問題とはならないし、放熱能力も十分。弱点らしい弱点といえば、主砲のクラス20オートキャノンが装甲の薄い腕に装備されているため、致命的命中によって無力化されやすいことだろうか。このクラスとしては比較的安価で市場に出回る機会も多いため、ある程度の金銭的成功を収めた傭兵部隊が最初に購入する強襲級メックとしても人気がある。
オウサム(スナイパー:80トン)
- 「至高神」の異名を冠される強襲級メック。
3門の粒子ビーム砲と、それを支える大量の追加放熱器、そしてフレームの限界まで張られた重装甲というシンプルなコンセプトは、「これ一機投入するだけで戦局が変わる」と言われるほどの強力な戦闘マシンを生み出した。機動力は最低レベルで近接戦闘力に欠けるなど、決して万能な機体ではないが、戦場に対して及ぼす圧倒的なプレッシャーは何物にも代えがたい。製造元のテクニクロン社を擁するタマリンド公国(自由世界同盟内の一小国)では、オークション形式でこのメックを売りに出しているため、全宇宙から継承王家や有名傭兵部隊のエージェントが集まってくる。ちなみにタマリンド防衛軍は一個連隊(130機)のオウサムで構成されているため、タマリンドを征服してこのメックを独占しようという試みは無意味である。尚、後の時代では狂信者に工場ごと吹き飛ばされた模様。
チャージャー(スカウト?/ミサイルボート:80トン)
- オフィシャルの全メック中でも最狂の前衛芸術「強襲級偵察機」。
メック用としては一番強力なエンジンを搭載したおかげで、並みの中量級に匹敵する最大速度を手に入れたものの、そのエンジンが全重量の65%を占めるというステキな設計のおかげで、装甲も中量級並み、火力に至っては小口径レーザー5丁だけという冗談のようなことになっている。もっともこの武装、「強襲級だからといって、メック戦士が余計な交戦に及ぶ気を起こさないように」という開発側の配慮で、敢えて火力を抑えているのだとか。しかし、高機動とはいえ並みの中量級と同程度では、とても偵察機としては役に立たず、そもそものコンセプトからして大間違い(最初から気付け)というハズレ機体になってしまった感は否めない。とはいえ、こんな欠陥メックでも、工業力の貧弱なカペラでは他に代わる強襲級の選択肢が無いため、あれこれ涙ぐましい改造を施されて運用されている。後にドラコはエンジンを軽量なXLエンジンに換装し、浮いた重量を20連長距離ミサイルと装甲に充てる事で強力なミサイルボートに改造。恒星連邦との決戦に大量投入されて、かつての悪名を払拭するのに充分な活躍を見せて、勝利の立役者となる。世の中、何が幸いするのか判ったものじゃない。
ゴリアテクラブガンナー (スナイパー:80トン)
- 四脚型の強襲級メック。
強襲級というだけでも稀少なのに、さらに四脚というレアリティまでついているため、滅多なことでお目に掛かることはないだろう。粒子ビーム砲+長距離ミサイル20連という支援砲撃に適した武装は、機動砲台という四脚メックのコンセプトを上手く活かしたものと言える……のだが、それ以外に積んでいる火器が近接用のマシンガン2丁だけというのは、さすがに如何なものかと思うぞ。
サイクロプス(ジャガーノート:90トン)
- カテゴリーとしてはジャガーノートに属するが、元々は惑星一個レベルの戦域を丸ごと統括できる移動司令部として開発された、強力な指揮通信システムを搭載する高級士官専用メックである。
このクラスにしては低い装甲防御力と早い移動性能、クラス20オートキャノンを中核とした多様な装備を誇るが之は普段は大隊~連隊級の部隊の本部直轄兵力として戦術通信を統括しつつ、敵メックによる後方襲撃から自衛する一方、決定的な場面が到来すると、その大火力と移動力を活かして迅速に戦闘の要所に突入するという一種の「切り札」として運用するのを前提している為。 - 決して安価な機体でもありふれた機体でもないが、戦術指揮官を志すならば配下に一台は置いておきたいメックといえる。
ちなみに、元から貴重な強襲級メックであるが中核となる指揮用コンピューター「B-2000」はこれに輪をかけて希少品らしく、残存するサイクロプスで稼働しているコンピューターを搭載しているのは1割程度だとか。
バンシー(スナイパー:95トン)
- 星間連盟の前身である地球帝国の末期に大量生産された、ごく初期の設計のメック。
装備は粒子ビーム砲、クラス5オートキャノン、小口径レーザー。
開発技術がこなれていない時期に登場したためか、重過ぎるエンジンやバランスの悪い火器選択、過剰に搭載された放熱器など、あちこち歪な設計となっており、既に一線を退いた機体として扱われることが多い。ただしライラでは、エンジン出力を落としてペイロードを浮かせ、大量の火器と放熱器を追加した改造型を製作している。「重いエンジン」という枷から解き放たれたこのタイプは、オウサムに匹敵する長距離火力とバトルマスターを凌ぐ近接戦闘力を併せ持ち、まさに死神の名に相応しいスーパーヘビー級メックに仕上がっている。
アトラス(ジャガーノート:100トン)
- 全てのメックの頂点を極める、ジャガーノートの中のジャガーノート。
対峙する敵を恐怖させるためにわざわざデザインされた骸骨を象った頭部、クラス20オートキャノンと20連長距離ミサイルという二大火器、まさに別格と呼ぶほかない300点を超える重装甲、とにかく対峙する相手を「やってられるか」と思わせる要素に満ちた、王者の風格漂う機体である。
その印象的なデザインが故にゲームでもパッケージに採用される事もある等まさにバトルテックの「顔」として扱われるメックと言える。 - メックの性能としては近距離戦が主体。近接レンジで叩き込まれる期待値40点近い打撃を受けて立っているメックは、この世に存在しないと言っていいだろう。しかしながらジャガーノートゆえの定めからは逃れられず、このクラスの割に10ヘクス以遠での遠距離火力は長距離ミサイル頼りな為、遠巻きに砲撃を浴びせることで完封されてしまうこともある。後にオートキャノンの代わりにガウスライフルが装備されたタイプが登場し、遠距離火力の不足分はある程度解消される。
テクニカル・リードアウト3025改訂版
以下に、テクニカル・リードアウト3025改訂版にて、初代テクニカル・リードアウトから版権の都合により削除されたメックの代替として追加された37機を紹介。これらは世界設定が固まった後に追加されたためか、公式設定上は一部を除き継承国家の軍隊ではあまり見られず、主にコムガード(コムスターの私設軍隊)や一部の有名傭兵部隊の専用機として運用されている。基本的に星間連盟正規軍が使用していた高級機のダウングレード版や、現在では使用されていない旧式機、3025年以降に新規開発された機体といったイレギュラーな機種がほとんど。
フレア(スナイパー:20トン)
- 地球帝国時代、最も初期に現れたメックの一つ。20トン級でありながら大口径レーザーという大型火器を積んでいるのは大きなアドバンテージで、このクラスには珍しい「高機動型支援機」としての立ち位置を確立している。さすがにこの重量では設計の無駄の許容範囲が狭いためか、登場時期の古さの割に欠点が少ない。
……いや、ワスプやスティンガーにも劣る装甲とか、大して足が速くもないのにジャンプできないとか、いろいろ言いたいことはあるんだけどね……
ホーネット(スカーミッシャー/特殊:20トン)
- 市街地における暴徒鎮圧用という名目で開発された、比較的新しい設計のメック。
装甲は厚いが武装が軽く、機動性も同クラスと比べて1ランク落ちるため、あまり人気は高くない。しかし、設計が新しいがゆえにメカニズムの主要部が既知の物であるため、設計そのものに手を加えやすく、恒星連邦などでは新技術のテストベッド用として一定のニーズを獲得している。
マーキュリー(スカウト:20トン)
- 星間連盟時代の設計ではハイテクの塊とも言うべき万能の高速偵察機だったが、継承権戦争による技術力低下に見舞われて、その高性能装備は見る影もなくなってしまった。3025年現在では滅多に戦場で見かけることもなくなったレアなメックだが、それでもローカストよりも有力な高速重武装機として名高く、市場では実勢コストを上回るプレミア価格で取引されている。また、非常に武装の交換がやりやすい機体としても知られており、現地改修による様々な武装バリエーションが存在する(単に中口径レーザーのメーカーが純正品と違うだけ、という例も含めて)。
ここまで聞いて察する方も多いだろうがこの武装の交換が行いやすいという特徴が発展した結果、クランのオムニメックにつながったともいわれている。
ソーン(スカーミッシャー:20トン)
- 頑丈で火力の高い、堅実な設計のメック。装備は中口径レーザー2門に5連長距離ミサイル。
大抵の軽量級と互角以上に撃ち合える攻防性能と同時に遠距離火力も持っているため、活用範囲は非常に広い。ジャンプできないのが欠点と言えば欠点だが、20トン級のリソースでそこまでを望むのは酷と言うべきだろう。実際トーナメントなどでも、編制に20トンしか空き重量がない場合の選択肢としては、マーキュリーと並んで一番人気を誇る。
マングース(スカウト:25トン)
- ヴィーグル・アクティブプローブという高性能のセンサーユニットを搭載し、中隊レベルの指揮管制を単機で行う能力を持った高速の偵察/指揮官用メック。武装は中口径レーザー3門と小口径レーザー1門
継承権戦争によってセンサーユニットの製造技術は失われたが、それでも優れた近接火力とローカスト並みの機動力を併せ持ち、ヒット&アウェイに徹することで中量級~重量級をも手玉に取れる高速襲撃機として運用されている。また、25トン級のメックは非常に選択肢が少ないため、必然的にトーナメントで見かける機会も多い。総じて優秀なメックではあるが偵察用メックという意味ではジャンプジェット未搭載なのが玉に瑕かもしれない。
ファルコン(スカーミッシャー:30トン)
- 「バグキラー(軽量級殺し)」の異名をとる偵察機狩り専用メック。武装はマシンガン2門、小口径レーザー2門、中口径レーザー1門。
しかし、武装や機動力を考えると市街地で歩兵を相手に戦ったほうが良い戦果を挙げられそうな気もする。少なくとも、ローカストを取り逃がしたり、マングースに撃ち負けたりするような機体の異名としては、どう考えても買い被りが過ぎるだろう。ちなみに、どういうわけか他の機種の手足や頭などを継ぎ接ぎされた機体が非常に多いことでも知られている。
ファイアフライ(ブロウラー/スカーミッシャー:30トン)
- 並みの中量級と互角以上に撃ち合える重火力と重装甲を備える、非常に戦闘的なメック。
中距離レンジでの射撃戦なら、フェニックスホークともいい勝負になるだろう。実際、真っ向切っての殴り合いに投入されることが非常に多かったため、継承権戦争の初期にほぼ絶滅したと思われていたが、31世紀に入って傭兵部隊ウルフ竜機兵団が大量に保有していることが判明し、世間を驚かせた。
斯様に、重量リソースに対する戦闘力の効率が非常に高いため、各地のトーナメントでも小隊戦力の底上げに大いに貢献しているが、惜しむらくは中心領域で装備しているのがウルフ竜機兵団だけであるため、「継承国家の枠を超えた編制は不可」などの縛りがあると使用できないことか。
ハッサー(スカウト/スナイパー:30トン)
- 他の追随を許さない快速力。ローカストをも凌ぐ韋駄天に追いつけるメックは、この世に存在しない。よしんばいたとしても、そのような速力に偏重したメックの薄い装甲など、大口径レーザーの一撃で貫いてしまえることだろう。
……すなわち、これがハッサー自身にも当てはまってしまうことが最大の問題。中口径レーザーを一発食らっただけでも無力化されかねないので、決して戦場で停止してはならない。常時10へクス以上を移動し続けることによって得られる+4の回避修正こそが、このメックにとって最大の防御である。癖の強過ぎる個性から乗り手を選ぶ機体だが、一度ハマると中毒になるプレイヤーも多く、トーナメントでは意外とよく使われる。
ヘルメスⅠ(スカウト/ストライカー:30トン)
- ⅡがいるからにはⅠもいる。というわけで、御先代の正体はハッサーの近接戦闘版。武装は火炎放射器と中口径レーザー2門。
ハッサーよりも武装が軽くなったために装甲が随分と厚くなっているが、それも絶対値で見れば程度問題。むしろ、スパイダーのジャンプ能力をオミットして最大速力を向上させたと思ったほうがいいかもしれない。いずれにせよ積極的に戦闘するには、その快速がもたらす高い回避修正を如何に活用するかの勝負となる。距離を詰めて戦わなければならない分、ハッサーよりも条件は厳しいとも言えるので、戦うべき相手、戦うべきタイミングを如何に見極めるかが重要となる。
レイヴン(特殊:35トン)
- ガーディアンECMという特殊電子戦装備を搭載したメック。そのため、厳密には技術レベル2の機体に相当する。ECMの効果により敵のセンサー探知を無力化して敵支配領域奥深くの偵察を行ったり、至近距離からの奇襲を掛けたりする任務を期待されているが、そのECMシステムが重量リソースを圧迫しているため、機動力・防御力ともに同クラスの機体よりも見劣りする。ただし近接火力はウルバリーンに匹敵するため、舐めて掛かると大怪我に繋がるだろう。技術レベルの制約からトーナメントでお目に掛かることは少ないだろうが、TRPGなどのシナリオソースとしては非常に面白い機体である。
ちなみに、このメック自体は後述のカタフラクトと並ぶカペラ期待の星として開発されたものだが、第四次継承権戦争で恒星連邦に開発成果を奪われてしまったというトホホな公式設定が付いている。
ウルフハウンド(ストライカー/ブロウラー35トン)
- 光学兵装による優れた打撃力と、フレームの限界まで装甲を張った重防御を兼ね備える高速打撃用メック。第四次継承権戦争に際して、ライラで開発された期待の新鋭機……と言いたいところなのだが、肝心のライラ正規軍は極度の強襲メック狂いだった為、当初は見向きもされなかったとか。おかげでケルハウンドやウルフ竜機兵団といった傭兵に厄介払いされる事と相成ったのである。
一方、こんな扱いを受けたにも関わらずウルフ竜騎兵団が受領した機体はドラコのパンサーやジェンナーと言った軽メック相手に大活躍したことから(さすがに)価値が見直され、以後はハチェットマンと並ぶ大量産が行われたという。
センチネル(スカーミッシャー:40トン)
- 軽量高性能な通信システムを搭載し、メック部隊とそれ以外の部隊との連携を補助するために開発された機体。主要任務が数の多い歩兵や車輌部隊への支援だったり、パトロールなどの「頭数勝負」な分野であるため、非常に生産コストが安く、そうでありながら比較的機動性に優れているのが特徴……なのだが、実際のところ武装は軽いわ装甲は薄いわで、ゲームで遊ぶ際には殆ど使用されることがない不遇のメック。公式設定でも武装のメカニカルな欠陥が多くて戦場では使い物にならず、あまつさえ継承権戦争で製造工場は全滅、生産済みの機体も酷使され続けて大きく数を減らしてしまい、現在では兵器ではなく、ほとんど「先祖伝来の家財」と看做されているという悲惨な境遇にある。
ワイバーン(スカーミッシャー:45トン)
- 最大速度は低いが、遠近両用の重武装と標準的な装甲、そしてジャンプ能力を持つ中量級メック。45トン級ではヴィンディケーターと並ぶ優秀な攻撃力・防御力を備え、中量級部隊の前線を張れる機体として、フェニックスホークなどよりもトーナメントでの人気は高い。各種射程の火器を揃えているため戦場を選ばず戦う能力を持っているが、どちらかと言えば市街地や山岳、森林といった地形で運用するのが効果的だろう。
カメレオン(ストライカー:50トン)
- 戦争の激化によるメックの不足に対応するため、メック戦士養成用として生産された訓練用メックを実戦型に仕立て直したもの。訓練型に装備されていた、過熱時にエンジンをシャットダウンする安全装置をキャンセルしているのが最大の特徴。しかし、基本的に重量の割に機動力が過大で過熱しやすく、おまけに元が訓練機ゆえ装甲が薄いという実戦機としてはバランスを欠いた設計のため、戦場での損耗は相当な数に上ったとか。
ちなみにこの訓練用メックという特性を悪用し、訓練学校を訪問したお偉いさんを襲撃するのを目的とする、訓練用メックに紛れ込んで暗殺を実行する専用の派生型がごく少数生産されていたとか。
クラブ(スナイパー/ブロウラー:50トン)
- 両手に大口径レーザーを装備し、それを支えるに足る放熱能力も備えたメック。
装甲防御も合格点で、死角の少ない使いやすい機体なのだが、実際にゲームで運用してみると「あれ、大口径レーザー2丁って、こんなに火力低かったっけ?」となることが多い。この決定力の低さは経験者でないと中々分からないもので、それゆえ「設計屋(特に日本語版に慣れ親しんだ者)」とそれ以外のプレイヤーの間で評価が真っ二つに分かれる機体でもある。
キンタロウ(ブロウラー:55トン)
- その印象的な名前からドラコ連合専用機……かと思いきや、その実態は由緒正しい星間連盟正規軍専用機である。原型機の設計はNarcミサイルビーコンという特殊装備を前提としたもので、これにより18連の短距離ミサイルが全弾一点に集中するという凶悪な打撃力を誇っていたが、御多聞に漏れず継承権戦争によってミサイルビーコンの製造技術が失われてしまったため、3025年現在は単なる短距離ミサイルキャリアと化している。火力・装甲とも充実しており機動力もそこそこ高いが、ミサイルビーコンと一緒に失われてしまった高性能放熱器が致命的で、ライフルマン並みに放熱能力が足りていないため、せっかくの近接火力が半分近く宝の持ち腐れというピーキーな機体。
ホップライト(スナイパー:55トン)
- ウルフ竜機兵団が何処かから持ち出してきた「記録にない」メック。
彼らを除く中心領域のどの国家や傭兵部隊も、このメックを保有していない。ただし、クラスのフレーム上限に達する重装甲や弱火力に起因する放熱過多など、ごく初期に設計されたメックに固有の特徴を数多く備えていることから、原型機は星間連盟あるいは地球帝国に由来すると考えられる。性能のバランスの悪さからトーナメントでも滅多にお目にかからないメックだが、ウルフ竜機兵団の固有編成などシナリオの雰囲気付けのために登場することは多い。
尚、肝心の正体だが大方の予想通り連盟が結成された直後の26世紀に設計され、その性能が故に早期にお払い箱となってしまったマイナーなメックであり、それが故に記録も碌に残っていなかったのが原因であった。
マーリン(スカーミッシャー:60トン)
- 元々は基本ルールブックのメック設計ルールで作例として紹介されたメックだが、いつの間にやらオフィシャル機として公式の世界設定に組み込まれてしまった出世頭。装備は粒子ビーム砲、5連長距離ミサイル、中口径レーザー2門、マシンガン1門、火炎放射器1門と非常に多彩。
資材の不足がちな辺境でも容易に生産・整備ができるよう、汎用性の高い部品ばかりを選りすぐって設計されたというショップブランドのBTOパソコンみたいなメックである。長短レンジを選ばず平均的な火力を持ち、メック・戦車・気圏戦闘機・歩兵とあらゆる相手と戦える武装を搭載し、襲撃・防衛・威力偵察と任務を選ばずこなす能力を持ち、頑丈で整備も容易、過熱にも強い、と数多くの美点を持っているが、あまりにも器用貧乏であるためか継承王家などの大国からは引き合いが皆無であり、その分傭兵部隊で広く用いられている。また、生産国の外世界同盟は気圏戦闘機主兵というドクトリンを持っているためにメックの需要が少なく、その分この機体が市場に出回る機会は非常に多い。
唯一の泣き所は比較的薄い装甲と、生産元の貧弱さに寄る納品までの待ち時間位だろうか。
チャンピオン(ストライカー:60トン)
- 強襲級にも匹敵する近接戦闘力と、中量級並みの快速を誇るメックだが、惜しむらくはライフルマンやクイックドロウ並みの軽装甲。前線で戦うメックではあるものの戦列を形成するほどの耐久力は望むべくもないため、もっぱらヒット&アウェイの襲撃機としての運用が中心となるだろう。過熱にも弱いので、命綱である機動力を殺さないためにも熱管理はしっかり行いたい。ちなみに、星間連盟時代の原型機はアルテミスIVという高性能のミサイル管制装置(命中本数ロールを上方修正してくれる効果がある)を搭載し、現在以上の近接戦闘力を持っていた。
ランスロット(スナイパー:60トン)
- オウサムの軽装版とでも言うべき支援型メック。
公式設定では棺桶呼ばわりが定着するほど装甲が薄いとされているが、他の60トン級公式メックのスペックを考えれば、むしろ厚い部類と言ってもいいだろう。若干放熱能力が不足気味なので全開射撃は控えるべきだが、主砲の一部が大口径レーザーに変わっているおかげで、オウサムと違って近距離で射撃戦ができるメリットもある。初心者が熱管理の方法を学ぶには、うってつけの教材と言えるかもしれない。
ボンバーディア(ミサイルボート:65トン)
- 本来は戦線後方を高速で機動しつつ、特殊弾頭ミサイルを駆使してあらゆる状況に対応する支援砲撃を行う能力を持ったメックだが、それを支える装備のほとんどを星間連盟時代の高度テクノロジーに依存していたため、それらが失われた3025年現在では単に20連長距離ミサイルを2基積んでいるだけのメックである。最低限の弾薬しか搭載していない(本来は、星間連盟正規軍の強力な兵站バックアップが前提なのだ)上に近接戦闘力にも乏しいため、配備はもっぱら二線級部隊が中心という体たらく。ある意味、継承権戦争による技術衰退の最大の被害者の一つと言ってもいいだろう。
エクスターミネーター(スカーミッシャー:65トン)
- 星間連盟時代、新規に開発された光学ステルスシステムを搭載し、隠密裏に敵陣深く潜入して司令部を葬るという、危険なコンセプトに基づいて開発されたメック。
武装は中口径レーザー4門と10連長距離ミサイル、小口径レーザー。
見ての通り近接戦闘に特化した武装と、中量級並みの高い機動力を併せ持つ。装甲は少々薄いが大半の中量級よりは頑丈だし、偵察・襲撃用であれば大型の長距離火器はそこまで必要ない……のだが、継承権戦争勃発後、早々にして光学ステルスが維持不可能になってしまったため、今では単なる威力偵察専用機となってしまった。もっとも、この手の用途に耐えるメックはそう多くはないため、ウルバリーンなどの扱いに熟達したメック戦士のステップアップ先として需要は大きい。生産が再開して日が浅いため、それほど市場に出回っていないのがネックではある。
カタフラクト(ブロウラー:70トン)
- ヴィンディケーターと並ぶカペラの救世主にして国家の誇り。
3028年に勃発した第四次継承権戦争において恒星連邦相手に敗北を重ねていたカペラが、ギリギリのところで国家滅亡を免れた最大の功労者である。遠距離・近距離ともに高い火力と、それを支える優れた放熱能力。背面にも中口径レーザーを装備するため単機での戦闘にも不安はなく、コストも決して高くはないというカペラ好みの汎用性の高いメック。こいつを大量生産して一気に反転攻勢を……とカペラでは皮算用していたのだが、その頃には生産工場の少なからぬ数が恒星連邦軍に占領されてしまっていた。結果、この機体の最大のユーザーは恒星連邦軍という本末転倒なことになってしまったのは、ここだけの秘密であるw
ギロチン(ブロウラー/スカーミッシャー:70トン)
- 星間連盟正規軍の花形と呼ばれた由緒正しいメック。光学兵器中心に接近戦に適した武装とジャンプ能力を持ち、前線に殴りこんで敵陣に穴を開ける任務に適している。その性格相応に装甲も十分厚いが、単機で戦線を支え続けられるほどではないので、オリオンやバトルマスターなどと違って他の機体の支援が必要となるかもしれない。
実はグラスホッパーの長距離ミサイルを短距離ミサイルに変更し、超過重量の分装甲を削っただけというのは、見なかったことにしてあげたい。
ブラックナイト(スナイパー/ブロウラー:75トン)
- 粒子ビーム砲、各種口径レーザー、と光学兵器を満載したメック。装甲は薄いものの、致命的命中を食らって困る装備が基幹部品(エンジン、ジャイロ、各種駆動装置など)しか存在しないため、耐久力にも優れている上に、ゲームシステム上意味はないものの「主砲の粒子ビーム砲の発射シーンが某ライトセーバーみたいに見えてカッコいい」という演出まで付いてくる、主人公専用機じみた機体。製造元のコング・インターステラー社にとっても、主力のオストシリーズを差し置いて一番人気の売れ行きを示すベストセラーだが、惜しむらくは高級機ゆえ数が少なく、滅多に手に入ることはないということだろう。
ちなみに、レベル2技術が復興した31世紀中盤以降は、かつて装備していた重装甲や高性能センサーの復活に加え、ハチェットという必殺武器(この重量のメックが使うと破滅的な威力)まで装備し、対氏族戦で華々しい戦果を挙げて「クランバスター」の異名を奉られることになるのだが、それはまた後の世の話。
フラッシュマン(ブロウラー:75トン)
- ブラックナイトに輪を掛けた光学兵器特化メック。装甲と放熱まで強化されており、始末に負えない。主砲の大口径レーザー、副砲の中口径レーザーとも遠近両用の火力を持ち、さらに放熱容量的に全門斉射しても大して過熱しない。装備欄には光学兵器と放熱器しかないから耐久力も高いし、対戦すると「何そのチート」とゲンナリされること請け合い。マローダーといいオリオンといい、オフィシャルの75トン級は、どれを取ってもハズレのない優秀機揃いだから困る……のだが、こいつの原語版オフィシャルイラストは、ブラックナイトともども脱力モノのダサさ。
サグ(スナイパー/ブロウラー:80トン)
- 星間連盟時代にウォーハンマーの対抗機として開発・リリースされたはずが、いつの間にか単なる毛色の変わった互換機に落ち着いてしまった気の毒な機体。おまけに継承権戦争による技術力低下で元の性能を保てなくなり、大幅なダウングレードを余儀なくされている。一応、放熱能力や装甲などウォーハンマーの欠点と言われた箇所が改善されてはいるので、使い勝手に優れた強い機体ではあるのだが、ダウングレードの際に近距離火力を大幅に削減されているため、その魅力も半減してしまった感がある(同クラスにオウサムという上位互換じみた機体が存在するせいもある)。生産自体も先細り気味ではあるが、ウォーハンマーの予備部品がほとんど流用できるという整備性のよさが幸いして、結構あちこちで使われてはいる模様。
ストライカー(スナイパー/ブロウラー:80トン)
- 遠近両用の重武装と分厚い装甲を誇り、単機で敵陣を蹂躙できる、文字通りの「強襲用」メックとして開発された古い機体。公式設定では設計の古い二線級メックと記されているが、サンダーボルトの代理が務まる程度の戦闘力は持っており、現代でも十分に一線で通用する。この機体の設計を改修することによって生まれたのが、かのオウサムであるという事実からも、設計の確かさは明らか。ヨーロッパの古城に先祖伝来の家宝として飾られている鎧のような扱いではあるが、いざ戦場に持ち出せば、立派に主力として働いてくれるだろう。実際、第四次継承権戦争で滅亡寸前に追い込まれたカペラでは、この機体が数多く現役に復帰して、後継のカタフラクトが登場するまで立派に戦線を支え続けた。
ロングボウデストロイド・ファランクス (ミサイルボート:85トン)
- 「アーチャーを超える機体を造り、シェアを奪う」という野心的な目標を掲げて設計・製造された強襲級メック。このクラスとしては珍しい、完全に支援射撃能力に特化した機体。と言うのも、アーチャーと比べて長距離ミサイルを10連追加するためだけに犠牲にしたリソースが多過ぎ、完成したのはアーチャーとは似ても似つかぬ完全な支援砲撃専用機だったというトホホなオチが公式設定に用意されているため。まさしく「お前は何をやっているんだ」状態である。
ちなみに開発チームにとっては残念なお知らせだが、ゲームのシステム上、移動力4のメックが装備できる武装・装甲・放熱器の重量は、70トンから85トンまで変わらなかったりする。移動力を3に落として装甲を強化した改修型も造られたが、売れ行きはさっぱり伸びず、焼け石に水だった。
ただし、この不器用さに起因する不人気から市場では結構リーズナブルな価格で中古機が取引されているため、こいつを装備している傭兵部隊は意外と多かったりもする。世の中何が幸いするか分からない。
クロケット(スカーミッシャー/ブロウラー:85トン)
- 重量級メックを操るメック戦士向けの訓練用機として開発された強襲級メック。というか、こんなのを練習機扱いってどんだけ贅沢なんだ星間連盟正規軍。特徴としては、遠近とも期待値で25点以上のダメージを叩き出す重火力と、フレームの限界まで張られた重装甲(背面なんぞ100トン級よりも厚い)、そしてジャンプ能力である。しかしながら練習機の戦闘メックへの転用にはあちこち無理が現れるのか、低い機動力の割に短い射程(長距離ミサイルどころか粒子ビーム砲にもアウトレンジされかねない)、高い火力と不釣合いな低い放熱能力といった欠点も抱えており、必ずしも同クラスの機体より優れているというわけではない。
ショーグン(ミサイルボート/スカーミッシャー:85トン)
- 星間連盟時代に生産されていた万能型の強襲級メックで、継承権戦争の初期に絶滅したと思われていた……が、それをどこからともなく持ち出してきて”復活”させたのが例によってウルフ竜機兵団。
中でもこの機体は、強襲級ばかりで編成された独立戦闘部隊であるゼータ大隊にしか配備されていないというレアキャラである。基本的な設計コンセプトは「粒子ビーム砲とジャンプジェットを追加して中口径レーザーを短距離ミサイルに変更したカタパルト」であるため、典型的な運用法も似たようなものとなっている。また、ジャンプジェットはDFAにも積極的に利用されている。ただし、こいつを含めてウルフ竜機兵団の専用機は弾薬搭載量が非常に少ないメックが多い。もちろん、傭兵らしからぬ潤沢な補給インフラを持っている彼らなら問題はないのだろうが、中にはヘタをすると戦闘中の弾切れを起こしかねないものもあるため、もしTRPGのキャンペーン中などに何かの弾みで入手した場合には注意が必要。更にこのメックは、生産ラインのみならず設計図そのものが失われており、いずれウルフ竜機兵団からも姿を消す事が公式で予告されているというトホホな現実がある。
幸い?クラン侵攻以降ではどこから設計図を調達したのか、一部のクランによって細々と生産が再開されて再度出回り始めたとの事。
ハイランダー(ブロウラー:90トン)
- 単機で都市や要塞などの拠点を防衛できるというコンセプトに基づいて設計された強襲級メック。
非常に分厚い装甲と十分な弾薬を搭載し、補給なしでも長期間戦い続けられるように設計されている。足は遅いものの、障害物の多い地形での戦いに適応すべくジャンプ能力を持っており、機動力がないわけではない……のだが、実際のところこのジャンプ、障害物を乗り越えるというよりも、もっぱら敵に跳び蹴りをかます(DFA)ために用いられているような気がしなくもない。実際、このDFAには「ハイランダー・ビューリアル(ハイランダー式埋葬法)」という名称まで付けられており、他のメックと異なってDFAを命中させても足の装甲が削れないという公式の設定がある。なお、このクラスにしては若干近距離火力が寂しいので、適当な僚機と組ませてやるとお互いを補完できるだろう。都市防衛任務なら、アーバンメックとの相性が最高だ。
マローダーⅡ(ブロウラー:100トン)
- 日本語版リプレイ第一部の冒頭で冗談交じりに語られた架空メック……と思いきや、しっかり実在する。設計の元ネタとなったのは原型のマローダーのバリエーションであるD型(恒星連邦カスタム)と思われ、原設計を目いっぱいビルドアップして、ジャンプ能力と放熱能力を超強化のうえフレームの限界まで装甲を張ったという風情である。実際「真正面からあらゆる障害を乗り越え、踏み潰す」という実にイージーな運用が可能なメックであるため、いわゆる「面白みがない機体」の一つではあるのだが、100トン級にしては微妙に火力が低いため、あと一歩のところで迫力が足りなくて損をしている部分もある。ただ、運用しているのは例によってウルフ竜機兵団のゼータ大隊な為、彼らの手にかかれば恐るべき破壊の権化となる。
キングクラブ(ジャガーノート:100トン)
- アトラスをも凌ぐ近接火力を備えたジャガーノート。両腕に装備されたクラス20オートキャノンは開閉式のカバーに覆われており、射撃時にこのカバーを展開した際の姿が名前の由来である。15連長距離ミサイル、大口径レーザーと、オートキャノン以外の長距離火力も備えてはいるが、最大の欠点は、肝心かなめのオートキャノンの弾薬が5斉射分しかないこと。このクラスらしからぬ短期決戦狙いの機体であり、その戦術コンセプトが失敗すると巨大な文鎮と化してしまうこと請け合い。
インプ(ブロウラー:100トン)
- インプとは悪戯小僧や小鬼という意味だが、その名前とは似ても似つかぬ超重量級の戦闘マシン。こいつもまたウルフ竜機兵団専用機で、全メック中でも最高クラスの火力と装甲防御、そして放熱能力を誇っている。実際のところ欠点らしい欠点と言えば長距離ミサイルの弾薬が8ターン分しかないことくらいだが、弾切れの後も長射程火器は粒子ビーム砲が2門も残っているので、全く問題にならないと言っていい。正面からメックと戦うことに限定すれば、公式メックの中でも最強と呼べる機体の一つ。
アニヒレーター(スナイパー:100トン)
- クラス10オートキャノンを4連装するというアホみたいな重火力を誇るメック。こいつもウルフ竜機兵団の独自装備機である。こんな重量物を4つも積んでいるため、当然ながら機動力への皺寄せもハンパではなく、アーバンメックと並ぶ最も遅いメックの一つとして知られている(おまけにジャンプできないので、地形踏破性能も非常に悪い)ため、市街地でしか活躍の場はないだろう。ただし、ひとたびこいつに接近したが最後、15へクス圏内には40点、9へクス圏内ならば60点のダメージが飛んでくる。ピーキーではあるが中毒性のある性能を持っているため、このメックを偏愛するプレイヤーは少なくない。
マッキー(スナイパー/ジャガーノート:100トン)
- 正真正銘、一番最初に製造された、全てのメックの御先祖様。設計技術だけでなく、個々のパーツの製造技術までも未成熟な時代の産物であるため、移動力に対してエンジン出力が過剰、装甲重量の3分の2以下しかない防御力、熱遮蔽の欠陥によるエンジン停止や誘爆の危険といった不完全な点が数多く残されており、完全に時代遅れとなった過去の遺物である。もはや中心領域どころか辺境まで見渡しても、このメックが動いている姿を目にすることはまずないだろう。
実際、シナリオ集「ブラックウィドウ」に登場した際には数百年間放置されていたボロボロのスクラップという設定であり、3025年現在残存するほとんど全ての機体が同じような状態と考えられるため、戦場に持ち出そうものなら「腐ってやがる。早すぎたんだ」となること請け合い…… - と思いきや自由世界同盟のとある部隊ではクラン侵攻直前まで現役で稼働していたマッキーが最低1機確認されていたり、博物館で展示されていたマッキーが戦力として持ち出されて実戦参加する羽目に複数回陥っていたり、挙句の果てには生産が容易な「レトロメカ」として新規に生産されたりと意外と目撃されていたりする。物持ちが良いってレベルじゃねぇ!
- メックとしての性能はやはり腐っても100トンなので接近して蹴ったら中量級以下は一撃で粉砕可能。また、内部構造やエンジンを現行のものと交換すればかなりの重量が浮くのも相まって意外と派生型が存在する。標準的な装備は粒子ビーム砲、クラス10オートキャノン、中口径レーザーがそれぞれ1門。
- 一方、中期以降に製造されたMSK-9Hでは粒子ビーム砲2門、クラス20オートキャノン、中口径レーザー2門にまで強化された結果、あのアトラスと並ぶ重装甲と火力を備えた戦闘力を誇るまでになった。
関連項目
- バトルテック
- バトルメック(シティテック)
- バトルメック(メックウォリアーTRPG)
- バトルメック(テクニカルリードアウト3025)
- バトルメック(インナースフィア)
- バトルメック(クランメック)
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- なし
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- バトルテック(その他メック)
- バトルメック(基本ルールセット)
- バトルメック(クランメック)
- バトルメック(シティテック)
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- MechWarrior Online
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