科学忍者隊ガッチャマンとは、タツノコプロ制作のテレビアニメである。1972年10月1日から1974年9月29日にかけて全105話がフジテレビ系列で放映された。以降シリーズ化し様々な関連作が製作されていった。
便宜上この記事では直接の続編である科学忍者隊ガッチャマンⅡ、科学忍者隊ガッチャマンF(ファイター)、と90年代にリメイクされたOVA「GATCHAMAN」についても記述する。
概要
謎の支配者・総裁X率いる悪の秘密結社ギャラクターと、国際科学技術庁の南部博士によって組織された特殊部隊・科学忍者隊の戦いを描く。当時の平均的なテレビアニメの作画水準を遥かに超越した高品質な作画によって描かれる華麗なアクションと、とくに後半のシリアスなストーリー、魅力的なキャラクターなどが素晴らしいSFアニメの古典的名作。
熱血リーダー、クールなNo.2、美しく優しい紅一点、最年少のムードメーカー、気の優しい力持ち、という、個性が際立ったメンバーで構成される主人公像は、後の日本のアニメや特撮などに現代に至るまで絶大な影響を与え続けており、スーパー戦隊シリーズも本作から少なからぬ影響を受けている。
続編として科学忍者隊ガッチャマンII(1978年)・科学忍者隊ガッチャマンF(1979年)が作られ、また第1作を元にしたOVA一作(1994年、全3巻)が作られている。さらに直接の関連はないものの、2011年にODDJOBより短編アニメであるおはよう忍者隊ガッチャマンが、2013年にタツノコプロよりガッチャマンクラウズが、2015年にはクラウズの直接の続編であるガッチャマンクラウズインサイトも作られた(こちらでもメイン格で登場するベルク・カッツェ、総裁X、ゲルサドラという名前のキャラがクラウズの方にもメイン格でいるので検索の際は注意)。また2013年には1作目をモチーフにした実写映画が製作されている。
第1作のベルク・カッツェ、第2作ガッチャマンIIのゲルサドラ、第3作ガッチャマンFのエゴボスラーと、非常に個性的かつ印象的な敵最高幹部は、素性やいかなる経緯でギャラクターの最高幹部となったか等、この時代としてはきっちりとその背景設定を作中で描かれていた事が特徴的。
2012年7月4日からニコニコ動画内タツノコ劇場において公開開始。毎週水曜日の15時に5話ずつ1週間限定で無料配信された。
さらにはその最終回を追うように2013年4月3日よりⅡも配信された。
さら2014年7月1日からのニコニコアニメ名作劇場での放送を受け、有料配信限定ではあるがFの配信も行われている。
しかし、2015年4月30日をもってこれらすべての配信は終了している。一方で他配信サイトでの有料配信は継続中であり、現在はバンダイチャンネルやHulu、U-NEXTといったサイトで全話視聴可能。またYouTubeのタツノコプロ公式チャンネルでは無印第1話、第2話が無料配信されている。
さらに前述の「おはよう忍者隊ガッチャマン」に関しては2013年8月24日に一挙放送が、「ガッチャマンクラウズ」に関しては放送当時は配信などは行われていなかったものの、続編である「ガッチャマンクラウズインサイト」放送直前の2015年6月29日に一挙放送、および有料配信のチャンネル追加が行われ、さらに「ガッチャマンクラウズインサイト」自身もチャンネル配信とニコニコ生放送での毎週の放送が行われるなど、ここニコニコでも公式に視聴する機会が存在した(詳しくは個別の記事で)。
過去にも一度実写版製作が企画され、監督に三池崇史が起用される予定だったが、三池は「ダークナイトを撮るような腕の持ち主でないとガッチャマンの実写化は難しい」などとして断り、その代わりに実写版ヤッターマンを作った。そして2012年10月、「カイジ」実写版で監督を務めた佐藤東弥がメガホンを執り、実写映画化が正式決定。2013年夏に無事公開された。作品の評価の方は無事にはほど遠かったがな!!!
シリーズ共通のキャラクター
対ギャラクターのために南部博士によってひそかに組織された特殊部隊。当然その正体も対外的には秘密である。本拠地も無印の三日月サンゴ礁、ⅡのGタウン、Fのガッチャマン基地と国際科学技術庁とは別に置かれている。メンバー全員が腕にブレスレットをつけており、「バード・ゴー!」の掛け声によってブレスレットから高周波が発せられて服をバードスタイルに変化させ、変身する。
また各自がそれぞれ自分の白兵戦用の武器とは別に自分の搭乗メカを持ち、それぞれが合体することで無印ではゴッドフェニックス、Ⅱではニューゴッドフェニックス、Fではガッチャスパルタンとなる。(ガッチャスパルタンはともかくゴッドフェニックスは正直収納だろとは言っちゃいけない)
初期はギャラクターの拠点の発見と、破壊活動を防止するための潜入工作・情報収集のみを担当し、まさに「忍者」の仕事に徹していたが、次第に対ギャラクターの実働部隊と化した模様(そのため無印のGメカは初期は単体では使用できる武装がなく、第67話で護身用という名目で装備が追加された)。
ご存じ科学忍者隊のリーダーである(あまり知られていないが「ガッチャマン」とは科学忍者隊リーダーの称号であり、彼一人のみを指す。事実本編作中で「ガッチャマン」の名乗りを上げているのは健ただ一人であり、無印エンディングのキャスト紹介でも役名は「ガッチャマン」となっている。この件は古くからのファンには常識だが、実写映画版の監督は知らなかった模様)。本名鷲尾健。無印では18歳。
何かと癖の強い科学忍者隊の面々をまとめ上げる役割を担っており、暴走するジョーを止めようとするシーンはとりわけ繰り返し描かれることからも有名であるが、彼自身もどちらかというと直情型であり、激昂して後先考えずに行動する場面もしばしば。特に無印ではある人物との離別の結果ギャラクターに対する憎しみを一層募らせる。
世界の平和のためなら自らの犠牲を厭わない覚悟で行動しており、最終作であるFではそのような彼の行動の結果…。
基本的にはリーダーであるので出番は多く、無印の46話のように彼以外のメンバーの出番がなかった回も。しかしⅡではやや空気気味、チチカカさん…。一転してFでは彼が大きく物語の軸になった。
なお大鷲の健役の森功至はガッチャマンクラウズにもJ・J・ロビンソン役で出演している。
G-2号・コンドルのジョー:佐々木功(Ⅱ以降はささきいさお名義)
本名ジョージ浅倉。無印では18歳。(正直作ってる方も無印第27話とか明らかに忘れてるような…)
クールな二枚目ポジションであるが、幼い頃両親(実はギャラクターの脱走兵だった)をギャラクターに殺されたこともありギャラクターに対する憎しみが特に強く、ギャラクターに対する戦いも容赦のないものになっている。その結果無印では何かとバードミサイルを撃ちたがる視聴者からはバーキチと呼ばれる姿が有名である(詳しくはバードミサイルをぶち込んでやる!)。しかし彼を止めに入る健も割と直情型な部分があるため、健が飛び出そうとすると彼がそれを冷静に抑えようとする役回りになる。無印第31話を筆頭に、女性がらみでは悲劇的な結末に終わることが多い。アラン(声:富山敬)という親友がいたが…。
無印では次第に彼が軸に据えられて、明かされていく彼の秘密と彼に迫る危機が頂点に達する最終回は、名最終回として名高い。Ⅱでもそのまま彼が実質的な主役の役割を演じた。Fではいろいろ解決したためか、割と余裕を見せ一歩引いた立場になった。
余談ではあるが彼を演じているささきいさおはもともとロカビリー歌手であり、ガッチャマンの打ち上げであったカラオケ大会での歌唱が彼のアニソン歌手デビューにつながった模様。
普段は甚平とともにスナックジュンを経営している(なおほかのメンバーはツケと称して実質踏み倒している模様)。健に恋愛感情を持っているものの、健からは特に意識されていない様子。爆弾工作が得意なほか、ほかのメンバーとも同様に白兵戦でも大活躍する……スカート姿で。そのため戦闘中に非常にパンチラが多く、ジュンの代名詞になっているがⅡ以降は影をひそめる。またⅡ以降は微妙に髪型が変更されている。
ⅡやFでは何かと一人で抱え込もうとするジョーや健を心配する姿がよくみられる。
メンバー最年少の少年。無印では推定11歳。「つばくろのじんぺい」と読み、よく間違えられるがジュンペイではない。
ジュンとは古くからの知り合いで姉のように慕っており、彼女の下で働いている(なお彼の誕生日はジュンと出会った日ということになっている)。1話では伊賀忍者の末裔と称していたが、実際は孤児でそれまでの素性が不明であり、そのことを気にしたことも。科学忍者隊での人気が最下位である5位だったために功を焦るなど、まだ幼い側面もある。
どちらかというと竜と行動を共にして、コメディ要素を担当することが多い。
なお演じている塩屋翼はアニメ開始当初はまだ声変りを終えておらず、回、およびシリーズを追うごとに甚平の声が変わっていく姿を見ることができる。
がたいのよい怪力自慢の青年であり、メンバーで唯一実の家族との交流を持っている。ゴッドフェニックスなど忍者隊の要となるメカを運転することが多く、そのため潜入工作の際には何かと留守番を任されたびたび不満を漏らす(じつは肉親が健在であるため南部博士に配慮されているというのもある)。
初期はどちらかというと愚鈍な役割であり、基地から逃げ出してきた敵を居眠りをしていたために取り逃がすなどの場面が多くみられたが、やがて自分の担当回でちゃんとメインを張るなど活躍する姿が描かれていった(竜メイン回名作の法則などとも視聴者に言われている)。とはいうものの基本は甚平と行動を共にして、コメディ要素を担当することが多い。
通称南部博士。ギャラクターの危機に備えるために科学忍者隊をあらかじめ準備しており、彼らの上司兼親代わりにあたる。国際科学技術庁の中でも割と重要な立場にあり、ヤマトネ博士ほどではないにしろ何かと丸投げされ、様々な局面で活躍している。Fではとうとうトップになってしまった。
普段は冷静沈着な人物ではあるが、何かとギャラクターの作戦でキチ化されることが多い。
国際科学技術庁の中でも対ギャラクターの中心人物であり、ギャラクターの攻撃目標としてよく設定され、たびたび命の危険を間一髪何とかかわしていくが…。
余談ではあるが南部博士の眼鏡にはつるがなく、いったいどうやってあの位置にとどまっているかは当時から現在まで語り継がれ続けている疑問である。
ギャラクター
科学忍者隊の敵であり、一応世界征服を狙っている集団であるとされている。
トップである総裁X(Fでは総裁Z)のもと、首領である無印のベルクカッツェ、Ⅱのゲルサドラ、Fのエゴボスラーが組織全体の指揮を行い、その下には様々な隊長率いる実働部隊や、科学者集団がいる。Ⅱまでは様々な役職にいる人物を洗脳・誘拐したり、路頭に迷った有能な存在を囲ったり、各地の組織を吸収合併したり、国家そのものを完全に傘下に置いたりなどで組織を拡大していたが、Fではエゴボスラーファミリーと提携したことで、事実上その構成員がギャラクターとなっている。
兵士はおおよそ牙と長髪のカツラのついたヘルメットをかぶり、主に緑系統の統一された服を着ているが、勲功を重ねることで隊長に昇格し独自の服を着ることができる(いわゆる今週のコスプレ隊長)。
またこのような一般部隊以外にも、無印のブラックバードやデブルスター、Ⅱの火星ギャラクター隊員やギャラコン、Fのコマンド隊員などの特殊部隊もいる。
物語が経過するにつれてコミカル要素が強まったこともあり、次第に士気・練度ともに大きく低下していく(中には無印第88話で出てきた部隊など、科学忍者隊とも互角で戦い得る隊長の高い統率のもと、極めて有能に任務をこなすものもあったが)。しかし物語の端々に出てくる描写を見る限り、とてつもないブラックな組織であるためそれも致し方ないのかもしれない…。
科学忍者隊ガッチャマン
ストーリー
世界征服を企む悪の組織ギャラクターの野望を阻止するため、国際科学技術庁の南部博士によって組織された、少年少女による特殊部隊・科学忍者隊。リーダーの大鷲の健、コンドルのジョー、白鳥のジュン、燕の甚平、みみずくの竜ら五人のメンバーは南部博士の指令を受け、飛行空母ゴッドフェニックスで発進。
科学の力を駆使してギャラクターに戦いを挑む。
概要
製作したタツノコプロの代表的作品、および日本アニメ全体の中でも上位に入るほどの代表的作品である。当時のアニメとしては極めて異例な高クオリティであり、1話の作画枚数が万を超えたといったことも。ナレーターは木下秀雄。
以降のシリーズとも共通しているが、基本的には一話完結でギャラクターとの戦いとそれに関連したドラマを描く。そのためそれぞれの話は独立性が高いが、ギャラクター本部の捜索、総裁Xの正体、レッドインパルスとの交流、ジョーの出自、ジョーの体調、ベルク・カッツェの正体、およびギャラクター側の科学忍者隊の正体と三日月基地の捜索といったものが全体的なストーリーの軸となっており、各話ごとの連続的な部分も多い(特にある要素は、初期の何気ない話が突如として後半伏線として機能した)。
なお1978年に劇場版化されており、岡本喜八による名義貸しやすぎやまこういちによる劇伴が有名であるが、内容自体は総集編どころか実質51~53話のレッドインパルス三部作と103~105話の最終決戦を再編集した傑作選に近いものである。
主な「科学忍者隊ガッチャマン」の登場人物
国際科学技術庁のトップであり、南部の上司。しかしどちらかというと対ギャラクターは南部が主に指揮を行い、重要人物であるためたびたび狙われるといった役割で出演することが多い。
Ⅱの終盤で負傷し戦線を離脱、その後生死は不明であるが彼の役割は南部が引き継ぐことになった。
科学忍者隊とは別に対ギャラクター用に組織された国際科学技術庁の部隊のトップで、レッドインパルスは部隊名であると同時に彼のコードネームでもある。部下に正木と鬼石という人物が確認されている。初期は科学忍者隊が潜入工作、こちらが実働と役割分担がされていた。
初登場自体は第5話だが第11話で健とは浅はかならぬ関係にあることが明かされる。
謎の覆面父さん…いったい何鷲健太郎なんだ…
中盤では彼が大きく物語の軸となる。
G-6号:神谷明
第60話に搭乗した記憶喪失の青年。実はギャラクターであったのだが、そのために健に頼まれて作戦に同行し甚平からはG-6号とまで呼ばれるが、最期には…
それ以降シリーズを通して科学忍者隊に協力する存在が現れても特にG-6号に関する言及はないため、永久欠番になったのかもしれない。
総裁X: 田中信夫
なぜか常に左に寄っているギャラクターの一番偉い人(そのため彼が登場するたびに←というコメがされるのはもはやお約束)。でもごくまれに右寄りになることもある。世界征服を目指していると思われているが、その真意は果たして…?
作中では第1話から登場しているが、科学忍者隊側には最終盤までその存在は知られていなかった。失敗を繰り返すカッツェを許し続け、何かと助けているが本当はいつでも切り捨てる気の模様。彼の正体は何か、というのが無印を通したメインストーリーの軸の一つである。
Ⅱでも引き続き登場し、依然ギャラクターの総裁を務める(なお今度は特に左寄りではない模様)。ゲルサドラに対する扱いも大体同じ。Fでは総裁Zが彼の役割を引き継ぐ。
なお無印第41話でギャラクターの作戦の一環として作詞作曲活動を行い歌まで歌ったが、特に総裁Pといった存在はいない。
ギャラクターの首領で、一応の次期総裁候補である。通称カッツェ。多くの場合実働部隊を指揮しているので科学忍者隊と対峙することが多い。様々な人々に自在に化けることができ、初期にはギャラクターの隊長の姿で科学忍者隊と戦ったことも。物語が進行するにつれてコミカル要素が最も強まったキャラクターであり、総裁やギャラクター兵士との漫才や、失敗を繰り返す間の抜けたところ、作戦失敗時の鉄獣メカの中に独自の脱出機構を用意してまでの逃げ足の速さ、などネタ要素には事欠かないが、彼の過去には重大な秘密があり、終盤ではそれが物語の軸の一つとなった。そしてその最期は…。
なお本編では声が高く多少しぐさや口調に女性的なものが見られる程度で、オネエ口調でしゃべったりはしない。
作戦によっては実働部隊を指揮している女隊長。本名は不明で作中ではギャラクターの女隊長などと呼ばれている。カッツェと違いコミカル要素は一切なく、極めて冷徹に作戦を実行する。カッツェとは何らかの関係があるようだが…?
ていうか見てれば普通にどこぞの山野カツ江さんってバレバレ。
第59話に出てきたギャラクターの科学者。一体どこの大河原邦男と中村光毅なんだ…?
主な楽曲
「ガッチャマンの歌」が有名。
本来ガッチャマンの歌はエンディングだったのだが、当初のオープニング曲「倒せ!ギャラクター」よりも思いのほか人気が出たため、オープニング曲とエンディング曲が第23話から入れ替わっている。
- 倒せ! ギャラクター - オープニング曲→エンディング曲。歌:コロムビアゆりかご会 / 作詞:竜の子プロ文芸部 / 作曲:小林亜星 / 編曲:ボブ佐久間
- ガッチャマンの歌 - エンディング曲→オープニング曲。歌:子門真人、コロムビアゆりかご会 / 作詞:竜の子プロ文芸部 / 作曲:小林亜星 / 編曲:ボブ佐久間
科学忍者隊ガッチャマンⅡ
ストーリー
科学忍者隊の活躍によって一度は壊滅した秘密結社ギャラクターであったが、宇宙の彼方へ飛び去ったはずの影の支配者・総裁Xが再び地球に襲来。新たなるしもべ、ゲルサドラを首領として、ギャラクターを復活させた。
活動を再開したギャラクターの魔の手から世界を救うべく、科学忍者隊は新型飛行空母ニューゴッドフェニックスで迎え撃つ。
概要
上記の「科学忍者隊ガッチャマン」の数年後を描いた直接の続編であり、ギャラクターとの「ソーラーシフト計画」をめぐる新たな戦いを描く。1978年10月1日から1979年9月30日に全52話で放映された。
当初は無印の人気に反して特に続編などを作るつもりはなかったものの、タツノコプロの創業者である吉田竜夫の死もあって制作された。制作されたのが創業者死亡以降の続く人材流出中というタツノコプロ混乱期であり、また次第にアニメブームが始まりアニメの本数自体増えてアニメーターが不足したこともあり、制作スケジュールは逼迫した。一応外から再招集した無印ガッチャマンを支えたスタッフが各話で見られる一方で、演出は主に押井守、真下耕一、うえだひでひと、西久保瑞穂のいわゆる「タツノコ四天王」が担当するといった世代交代を見て取れることができる。
ある人物の再登場や鳥の頭を模したメカデザインなど無印以来のファンから賛否両論になっている要素も多い。
主な「科学忍者隊ガッチャマンⅡ」の登場人物
ニューゴッドフェニックスに搭載された自律AIでパイロットマシンから名付けられた。そのため無印でお約束だった竜の留守番はなくなったのだが、なぜかFでは存在が消えまた元に戻っている。
元ギャラクターの科学者ではあるが、今は裏切りギャラクターと戦っている。サイボーグ技術の権威であり、たびたび科学忍者隊に協力を申し出て、彼の作ったサイボーグと共闘することも。ある人物の秘密にも大きくかかわっている
実はギャラクター結成につながる「あること」をしてしまった人物であり、もしかしたらカッツェよりも古参なのかもしれない…。
第27話より南部博士が助手として招聘した科学者。まだ若いが有能である女性で様々な分野に精通している他、旧ゴッドフェニックスの操縦までできてしまう。ゲルサドラと出会うと謎の感覚を覚えるが…?
Ⅱでのギャラクターの首領で、第1話で染色体の異常で目をつけられ総裁に誘拐された3歳程度の幼児が急成長させられた人物。そのためかカッツェと比べてもさらに間の抜けた感がある(本人は対抗意識を持っているようだが)。総裁からはカッツェと同じく、一応首領として役割を果たさせようとするものの軽く扱われている。自他ともに男として扱われているが、裸の姿などを見ると明らかに胸があり、両性具有とは明言されていないものの複雑な事情がある模様。 全体的に甲高い声で公家風の言葉遣いであり、「おのーれおのれ」、「はんぱおろか」、「おーこわ」など視聴者の耳に残る口癖も多い。
終盤は彼の出自にかかわる問題が物語の軸となり、その結果…。
第43話より登場した総裁直属の幹部であり、ゲルサドラはその存在すら知らなかった。火星でソーラーシフト計画を進めており、科学忍者隊と戦ったが、その後特に出番はなくⅡの物語からはフェードアウトした。
その後Fにも第22話から登場し、総裁がXからZに代わっても依然総裁への忠誠を誓う。
総裁直属という自意識から、本来首領であるはずのゲルサドラやエゴボスラーを見下している。そのため常にその座を虎視眈々と狙っていたが…。
主な楽曲
- われらガッチャマン - オープニングテーマ。歌:ささきいさお、コロムビアゆりかご会 / 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:すぎやまこういち
- 明日夢みて - エンディングテーマ。歌:ささきいさお、堀江美都子 / 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:すぎやまこういち
科学忍者隊ガッチャマンF
ストーリー
過去二度に渡り地球を滅亡の危機に追い込んだ、秘密結社ギャラクターの影の支配者・総裁Xは、
ついに科学忍者隊によって倒された。しかし、残された戦闘回路が新たに総裁Zとして復活した。
そして世界征服を目論むエゴボスラー伯爵率いる“エゴボスラーファミリー”と手を組み、
新生ギャラクターとして活動を再開した。必死の戦いによってようやく掴んだ平和を乱す敵の出現に、
科学忍者隊は最新鋭戦闘機ガッチャスパルタンで出撃。総裁Zとエゴボスラー伯爵率いる
ギャラクターと科学忍者隊の地球の命運を賭けた戦いが再び始まる。
概要
「科学忍者隊ガッチャマンⅡ」からそのまま放映されたシリーズの最終作であり、時系列もⅡの最終回の直後である。1979年10月7日から1980年8月31日に全48話で放映された。
科学忍者隊のリーダーである健を物語の軸に据え、科学忍者隊の最後の戦いを描いた。肉弾戦パートが減った代わりに前作ではほとんど見られなかった鉄獣メカとの戦いが復活したが、基本的に健のガッチャマンフェンサーや科学忍法ハイパーシュートといった必殺技でとどめを刺すことがテンプレ化した紋切型展開は賛否両論である。
1か月の短縮はあったものの(次番組のとんでも戦士ムテキングの話数が少し長いのはそのため)無事完結したが、最終回は非常に様々な解釈を生むものとなった。
主な「科学忍者隊ガッチャマンF」の登場人物
ガッチャマン基地でガッチャスパルタンの整備を担当している技師。国際科学技術庁のトップになってしまったため、基本的には本部から動けなくなってしまった南部博士の代わりに科学忍者隊の面倒も見ており、彼らからは「じさま」と呼ばれて親しまれている。妻と子供夫婦は他界しており家族は孫のみがいる。
総裁Z:加藤精三
上述のとおり、総裁Xから生まれその遺志を受け継ぐ新たなギャラクター総裁(声も変わったし)。鉄獣メカを生産する能力をぶら下げ、エゴボスラーファミリーと手を結ぶ。首領に対する扱いは相変わらずで、エゴボスラーのことは自分の目的を達成するための使える駒の一つ程度にしか見ておらず、まったく心服せずたびたび独自の行動を行おうとする彼に格の違いを見せつけることもしばしば。
イーロッパのサタンホーフェンを根城にした(そこを喪失してからは総裁Zの築いた完全にサタンホーフェンを模したギャラタウンを本拠地とする)マフィア「エゴボスラーファミリー」のボス。エゴボスラーとはファミリーを治める称号と爵位であるため本名は別にある。
ベルクカッツェとゲルサドラを尊敬し、ギャラクター壊滅後彼らの意志を受け継ぐため蜂起したが、そこに現れた総裁Zとの取引によって同盟し、ギャラクターを襲名しその首領となった。そのため前任者二人に比べると総裁に対する忠誠心は極めて低いものであり、ため口で話すこともしばしば。さらにたびたび総裁の統制下を離れて独自行動をとろうとする。その一方でファミリーの構成員からは、「エゴラー!」の掛け声の他に様々な場面から高い忠誠心を見て取ることができるほど慕われている。しかし実は彼にはある秘密があり…。
前任者二人と比べるとコミカル要素が一切ない、まったくのシリアスキャラ。普段は前線は部下に任せ、本拠地でベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」のレコードを聴きながら酒盛りをしているが、前任者二人と違い剣で科学忍者隊と互角に戦えるほどの高い戦闘力を持つ。
なぜか顔が青白く、なぜか人前に出るときは仮面をつけているが、特に理由は説明されない。
エゴボスラーの部下であり、彼に代わってしばしば前線で指揮する。どちらかというと知性派で卑劣な手を用いるが、たいてい科学忍者隊によって作戦が阻止されてエゴボスラーから叱責を受ける中間管理職。
エゴボスラーの部下であり、彼に代わってしばしば前線で指揮する。乱暴な性格であり力押しなどしかせず、科学忍者隊との戦いにおいてはケンペラーに比べるとあまり出番はないが、エゴボスラーへの忠誠心は極めて高い。
主な楽曲
OPであるガッチャマンファイターはテレビ版では本来より音程が高くなっている。
- ガッチャマンファイター - オープニングテーマ。歌:ささきいさお、コロムビアゆりかご会 / 作詞:丘灯至夫 / 作曲:小林亜星 / 編曲:高田弘
- ぼくらのガッチャマン - エンディングテーマ。歌:コロムビアゆりかご会 / 作詞:小山高男 / 作曲:小林亜星 / 編曲:高田弘
GATCHAMAN
ストーリー
歴史の裏に暗躍してきた謎の組織ギャラクターが、世界征服を企て活動を開始した。
その存在をいち早く察知した国際科学技術庁の南部博士は、密かに作り上げていた特殊部隊・科学忍者隊を招集。
南部博士の指令の元、科学忍者隊はギャラクターと熾烈な戦いを繰り広げる。
概要
科学忍者隊ガッチャマンFによる完結から15年近く経過した1994年に制作されたOVA。新造人間キャシャーンに続き、以降も新破裏拳ポリマーが途中まで製作される、タツノコの旧作セルフリメイクOVAの流れで制作された(TVシリーズであり原作そのものとの関連性は薄いが、宇宙の騎士テッカマンブレードもここに含まれるかもしれない)。
他のOVAと同様の梅津泰臣のキャラクターデザイン、山根公利によるメカニックデザインなどによって、各キャラの見た目やゴッドフェニックスをはじめとした様々なものが(90年代前半当時の)現代的にリデザインされた。その一方でゴッドフェニックスのしゅう・・・合体シーンのコマ割りや要所要所に使われる原作BGMなど(劇場版のすぎやまこういちのものまで)原作を知っていればニヤリとする要素が多く含まれている。
作画は、90年代によく見かけた点滅演出などによって枚数を抑える試みは要所要所にみられるものの、OVAらしい線の多いデザインが緩急のついたメリハリあるアクションを行うなど比較的良いものとなっている。
ただし50分弱の話が全3話なので、そもそもメインストーリーを起承転結行えるくらいの尺であり、個々の要素はそこまで掘り下げられることがない。
主な「GATCHAMAN」の登場人物
科学忍者隊側
ギャラクターに対抗するために南部博士に極秘裏に結成されたという経緯は同じ(しかしラストを見る限りさらに裏がありそうな)。
戦力や行動指針は原作初期の設定を基準としている。
OVA版では原作で肩にかかる程度だった髪は、スポーツ刈り並のベリーショートに。どちらかというと原作における冷静沈着な様子がクローズアップされた性格付けとなった。
胸元には現在消息不明の父親から、かつて母親の葬儀に訪れた際にもらったロケットをつけている。
OVA版でも年齢に不相応な精悍な見た目はそのまま。あいかわらず両親を殺された恨みからギャラクターに対する憎しみは高く、即バードミサイルをぶち込もうとするなど血気盛んな人物像である。そのため比較的冷静に南部博士からの命令を貫徹しようとする健を、ギャラクターの本当の恐ろしさを知らないと手ぬるさを批判する一方で、何やかんや認めてはいるようだ。
OVA版では原作では長髪だったのが、首にかかるくらいまでの長さのボブカットとなった。健への恋愛感情、破壊工作、紅一点の白兵戦とほぼ原作そのままだが、スーツの腰部分のデザインがスカート型からハイレグのレオタード型になったのでパンチラはそもそも成立不可能になった。
OVAでは原作とは異なり女性声優が声を担当。ジュンとの関係性は不明だが、相変わらず軽口をたたくような気のおけるものとなっている。またハッキングなどの電子戦のスペシャリストという設定が加わった。
OVA版では金髪をベースとしながら、真ん中に紫のメッシュが入りその部分だけ髪が延ばされている。原作の愚鈍さはないが、本来ゴッドフェニックスがオートコントロール可能になったにもかかわらず、劇中では作戦の都合上留守番が多かったので活躍する場面があまり描かれない。しかしいざ肉弾戦となるとちゃんと原作通りの重量感あるアクションを行う。
OVA版では超速理解に近いその天才的な頭脳は相変わらずだが、髪のボリュームがリーゼントといっても過言でないくらいすごいことになっている。
OVA版でも個人としてのレッドインパルスの立ち位置はほぼ同じ。組織としてのレッドインパルスは原作ではせいぜい3名が確認できる程度だったのが、ブラックバード大隊の半数に変装できる程度の規模となっている。
ギャラクター側
OVA版では300万年前に飛来した総裁Xによって導かれた選ばれた民であり(もっともその後の生命の進化や文明の発展全てに総裁が関わっているようだが)、その地球のものから飛躍した科学技術を用いた「リゼネレーションシステム」で現在の人類を滅ぼし、「箱舟」によって自身らはそれを避けその後の新たな地球に君臨するというのが最終的な目標となっている。
総裁、カッツェ、それに次ぐ爵位を与えられた最高幹部の下に、統一されたユニフォームを着た兵士とそれを統率するコスプレ隊長、ブラックバード(OVA版では科学忍者隊とは無関係に結成されたようだ)といった実働部隊と基本構成は原作とほとんど同じである。またタートルキング、デビルスネークなどの鉄獣メカも保有している。表立ってはホントワール国を中心としたホントワール同盟を陰から操って国連に脅威を与え、その裏で暗躍していた。
原作に比べるとコミカル要素は一切なく(せいぜい3話の一瞬のみ)、組織の統制から外れたものには制裁があったり命令に失敗したものは死をもって科学忍者隊にあたらされたりとブラック要素はそのままだが、隊長が自分ごと科学忍者隊を殺すように命じるなど士気練度は極めて高いものとなっている。
総裁X: 田中信夫
OVAでは唯一キャストが同じメインキャラである。目玉のついた門を思わせる形状でカッツェの前に実体化し、彼に命令を下す。原作とは違い特に裏があるようではなさそうだ。
OVA版では最後までシリアス一辺倒なキャラ。原作での変装能力に加え人を操る能力なども持っており、また科学忍者隊と互角に対峙できるなど個人としての戦闘能力も高いものとなっている。その最期も哀れみを感じるものであった原作に比べ、人間を超越した強者としての風格を漂わせた潔いものとなっている。
カッツェとの関係は原作通りだが、ほとんど出番がなくせいぜい旧作を見た人向けの小ネタ程度の扱いである
ギャラクターのカッツェに次ぐ実質的なナンバー2。最終作戦を秘匿するために裏で情報戦を繰り広げていた。総裁に対しては恐怖も混じった忠誠を誓っているものの、カッツェには最上位の幹部である自分をBC島という僻地の管理に回されたことなどからあまりよく思っておらずその地位を陰ながら狙っている。
なお彼を担当している青野武は総裁X役の田中信夫と同じく、数少ない原作にも出演した声優となっている。
ドナルドソンの配下である「ジュピター忍者軍団」のリーダー。彼本人に対する忠実な部下で、その陰ながらの野望の成就も望んでいる。レッドインパルスをも追いつめるほどの、ブラックバードをはるかに超える科学力に裏打ちされた戦闘力を持っていたが・・・
主な楽曲
- Let's Fly - エンディング曲。歌:lance matthew / 作詞:Brock Walsh / 作曲:モーリス・ホワイト、ビル・メイヤーズ
- ガッチャマン'94 - テーマソング(作中では次回予告の際かすかに聴くことができるのみ)。歌:水木一郎 / 作詞:竜の子プロ文芸部 / 作曲:小林亜星 / 編曲:つのごうじ
関連動画
配信
関連静画
関連項目
- アニメ作品一覧
- タツノコ劇場
- ガッチャマン クラウズ
- ガッチャマン クラウズ インサイト
- Infini-T Force
- 宇宙の騎士テッカマン(共演)
- Zip!
- おはよう忍者隊ガッチャマン
- 遊城十代
- バードミサイルをぶち込んでやる!
- 鳥人戦隊ジェットマン(本作を明確にモチーフにしたスーパー戦隊)
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