きつね日和(きつねびより)は、ビクターミュージックアーツに所属する日本のお笑いコンビ。2019年10月1日結成。メンバーはおいなり達也・松本昌大。
2013年に林達也(現:おいなり達也)が札幌放送芸術専門学校に入学。同期とブレイブバートを結成しオスカーに所属するも2016年解散。一方松本は社会人を経て2018年ワタナベコメディスクール28期に入学。在学中にアマチュアながらM-1グランプリ2回戦に進出するなど健闘するも直ぐに解散。
解散を期に松本は引退を考えており、時を同じくして林も「おいなり達也」と改名しピンでくすぶっていた。そんな時、おいなりの専門学校時代の同期が「バイト先に芸人を引退しそうな人がいる」として松本を紹介。運命を感じきつね日和を結成する。
初舞台は2019年8月26日の阿佐ヶ谷アートスペースプロット「阿佐ヶ谷プロットライブ」。
2020年10月、初の主催ライブ「スーパー狐物語」開催。フリー期間を経て2020年11月1日にビクターミュージックアーツに所属。
結成当初は比較的オーソドックスな漫才やギャグ漫才を試していたが、M-1グランプリはそれぞれ過去のコンビでは突破できた1回戦すら通過できず結果が出なかった。試行錯誤の末2021年4月、おいなりが「ダメだろ――!」と言う画期的なツッコミを開発。これは突然始めたらしく松本も困惑したという。このツッコミに光明を見出し、軸にした漫才に注力。ダメだろー!を携え挑んだM-1グランプリ2021は初の1回戦通過。2回戦で敗退。
2022年からは月1回の主催ライブ「漫才狂い~まんぐる~」を継続的に開催。12ヶ月連続で新ネタを2本コンスタントに発表した。このライブは本人達も扱い方を見失いつつあったダメだろー!に寄り掛かること無く、新たな可能性を模索するものであった。
ネタを磨き続け、迎えたM-1グランプリ2022。1回戦、2回戦と通過し念願の3回戦進出。
しかし3回戦で前代未聞の大スベリを喫し敗退。その3回戦ネタがYouTube・GyaOにて配信されると全く笑い声が収録されていない前例のないスベりっぷりに(主に5ちゃんねるの)M-1ファンは震撼した。M-1では散々な結果だったが、他のネタは面白いという評価も多く、密かに注目を集めている。
全くウケない中でも折れず、ニヤけることもなく全力で漫才を完遂する様は5ch民の共感を得たのか、なぜか親身になる者も多く「これから決勝(準々決勝・準決勝の場合もあり)に行ったら泣く」という書き込みも散見された。またファンサービスがよく、好青年である事から悪い噂は皆無である。知名度の割に時々テレビで使われていたのも2人の人柄によるものだろうか。逆にファンサが良すぎて媚びすぎ・やらしいと評されることもあり賛否はある。
良くも悪くもM-1よって知名度が上がった事が影響したのかは不明だが、爆笑ヒットパレード2023の出演も果たした。ショートコーナーではあるが。2023年からはトーク力を上げ、テレビ番組の平場で爪痕を残すことを目標にし毎月トークライブ「黄色い衝撃」を開催中。
2023年8月、野球ネタNo.1決定戦「球-1グランプリ2023」決勝に進出。珍しくコントを披露するも「ゴリ滑り(松本談)」し最下位である9位に沈む。
2023年9月、のむシリカPresentsお笑いJACKPOTの決勝に進出。ファーストラウンドをダントツの成績で通過すると勢いそのままにファイナルラウンドも大差で票を集め優勝。のむシリカ1年分と100万円を手にした。そしてポテトカレッジとの軋轢が生まれた。
2023年11月、本人たちは不本意な出来ながらM-1グランプリ準々決勝進出。強引に拍手笑いをもぎ取るも敗退。実力以上の結果が出たと総括し、ネタ卸しライブ「漫才狂い」の復活を発表した。
きつね日和として初挑戦のM-1グランプリ。ピン時代が長かったおいなりは実に3年ぶりの漫才となる。結果は1回戦敗退。しかしブランクはありながらも確かな手応えを感じ、2人は相性の良さを分かち合った。
この頃のおいなりは黄色いスーツではなく普通の黒スーツだった。
この年は8月中の1回戦出場を果たし、一度は敗退するも再エントリー制度を活用。しかしコロナ禍で3回戦が存在しない特殊な階層になっていた為に1回戦の審査が非常に厳しく、2会場とも1回戦敗退に終わるという苦い経験をする。
しかし、通過していれば550組と組数は多いものの前年の3回戦に相当する2回戦配信動画に載っていた為、試行錯誤せずに「ダメだろー!」や黄色い舞台衣装は生まれていなかった可能性がある。現在のきつね日和形成に影響を与えた重要な年であると言える。この頃のおいなりはブラウンスーツだった。
おなじみのダメだろ――!!ツッコミが完成し、おいなりのスーツも華やかな黄色になって挑んだM-1グランプリ。努力が実を結び初の1回戦通過。2回戦で敗退するも、しっかりと可能性を掴んだきつね日和はダメだろー!ネタのブラッシュアップに取り掛かる。一時は扱い方が分からなくなり「ダメだろー!」に頼らないネタも模索しつつ、しっかりとネタを育てていった。そして………
9月7日、1回戦の舞台はシダックスカルチャーホールA。この日はダメだろー!を温存し、正統派しゃべくり漫才の「幽霊」で挑む。松本のシバきツッコミが見事に決まり、おいなりのメガネを絶妙にズラすなど抜群の出来。レポートも好評で難なく通過。ファンからは「\きつね日和優勝/」のツイートが相次いだ。松本は「耐えた〜」と安堵のツイート。おいなりは「でぇぇえええいやっ!!💥💪🦊」と喜んだ。
10月16日、勝負の2回戦。舞台は雷5656会館ときわホール。笑いが広がらない構造のため芸人的にはあまり嬉しくない会場である。選択したネタは「海と山」。Aブロックのトリという運営から期待されているかのような位置に配置され、鬼門の2回戦も順当にウケて通過。
きつね日和は7,261組出場して300組しか通らない狭き門を通過したのである。
これにはファンも大歓喜。おいなりも「現実だぁ!!!みんなぁ!!!ありがとぉー!!!」と喜びを隠しきれず、すべてのリプライに返信をしていた。
次は10月30日のよしもと有楽町シアターである。この有楽町シアターも漫才用の劇場ではないため笑い声が壁に吸われ鬼門とされる。2020年の2回戦では観客制限も相まって数々の芸人を葬り、特に10月30日の第1部では32組出場して大トリのくらげ以外敗退という事態を招きファン・芸人共々トラウマを植え付けた。3回戦までの間ライブで何度もネタを掛け、10月28日に最終調整。新ネタの「絵描き歌」と2回戦通過ネタ「海と山」を披露し、3回戦は海と山に決定する。迎えた30日、戦いの火蓋が落ちる。
きつね日和は13時からの第1部に出演。香盤はBブロックの後半に配置され決して悪くない出順だった。
トップバッターは赤丸急上昇中のワタナベ所属・ぱーてぃーちゃん。ギャル2人がネタを覚えず、すがちゃんが奔走。ノーギャラでライブに出てまで調整をしたネタでしっかりと場を温める。
徐々に出番が近づき、グレープカンパニーのレインマンズが猟奇的かつ斬新な漫才を披露すると、続いて吉本のテキセツの街が目まぐるしく役が変わるコント漫才を披露。
『こんなしっちゃかめっちゃかなクラスの中で隣の家の車のコーギー犬が一番落ち着いてるなーぉ!!』
『そしたらこの辺で!どうもありした~』
テキセツの街のサゲが聞こえ、きつね日和の番である。
舞台袖から『はいどーもー!!!』と手を叩きながら威勢よく2人が登場した。華のある男である。
『あのー、遊びに行くなら海がいいか山がいいかって質問あるじゃないすか…もうあの質問やめてくださいっ!ねっ!もう答えは決まってるんですよ!もう山一択!山一択なんです!!!』
既に空気がおかしい。レインマンズとテキセツの街では笑っていた観客が電池が切れたように笑わない。
おいなりが「お゛ーっ!」と発しても、「ダメだろー!」と言っても、観客はクスリともしない。
僅かに1発目と5発目のダメだろー!の際に「ンッ」という声が聞こえたか、聞こえないか…というレベルでしか動画に笑い声が乗っていない。
あまりの事態に自ずと早口になる2人。声だけがどんどん大きくなるおいなり。
『ダメだろー!おまえとうとう…』『ダメだろー!!俺の山ずっと…』『ダメだろー!!!俺の山もしかして…』ネタも大詰め、怒涛の畳み掛け3連ダメだろー!にも客は無反応。画面の中はきつね日和だけの世界である。
『じゃ~あ海の、勝ちでーす!来年一緒に行こうな!!どうもありがとうございましたー!』
大滑りしたネタというのは終わった瞬間に観客が緩んで笑いが起きるものであるが、それすらも無い。
というかネタ終了後の拍手すらカットされて動画には全く乗っていない[1]。挨拶から終わりまで完全なる無風。こんなことがあるのだろうか。
最初のレポートはお笑いルポライターtakahiro。ネタを見る目はともかくウケ量測定器としては一定の支持がある彼の採点は82点。これは3回戦の実質最低点だった。それ以外のレポートは特に上がらず、逆に言えば酷評もされていないという「空気」の状態。M-1スレでも全く言及されなかった。
舞台が終わるとおいなりは「なーんか家帰りたくないなー」と息苦しいツイート。松本はおいなりが噛んだことに触れつつつ「切り替えて次の機会に備えます!!」と既に敗退を覚悟したようなツイートをした。
結果は敗退。しかしファンの間以外では特に話題にならず、このまま一泡沫候補となる…はずだった。
0時00分、10月30日第1部の動画が公開。YouTubeでは出番順で3組まとめての公開になるが、きつね日和は有名所とセットになっていなかった為に直ぐには話題にならず、5ちゃんねるM-1スレでの初の言及は半日以上経過した13時01分、M-1グランプリ2022 part66。それは「きつね日和だいぶスベってるけどおもしろ荘辺りに拾われそうな雰囲気はある」というもの。この時歴史が動いた。
気になって他の住民が見てみると「今年今までで一番滑ってる」「文句無しで1スベリ。癖になってくる」「逆に清々しいな」「きつね日和登場の拍手音だけ差し込んでネタは無観客でやってるだろ」「マジで歴代一位の可能性ある。無観客1回戦の時より滑ってる」とあまりのスベりっぷりに驚愕。
一方で「無観客状態のきつね日和より、少しだけ笑いがあるティモンディの方が見てて遥かにキツい」という意見もあり、本来なら痛々しくてたまらないであろう「スベっている漫才」にも関わらず、きつね日和には不思議と不快感や寒さが全くなく、クセになる住民が続出。
誰も笑わない会場でも折れること無く、最後までネタを全力で完遂する姿には強い生命力を感じさせた。
また、ビジュアル面は高く評価され「見た目だけなら決勝のせり上がりから出てきてもおかしくない」「宣材写真がかっこよすぎる」と、華は非常にあると好評だった。
そしてゴールデンタイムの11月4日21時、ついにきつね日和フィーバーが到来。
「きつね日和のスベり方は気持ちいい」「今年のちゅんま枠」「きつね日和売れたな」「祇園[2]だったら優勝レベルで爆ウケしてた」と面白半分の書き込みが激増。
更に舞台袖で前のネタ順のレインマンズ達においなりが「全員で頑張りましょう!」と鼓舞していた事も判明。哀愁を感じずにはいられない情景であり好感度も高まった。
たちまち住民はきつね日和の虜となり議論は白熱した。
比較されたのは2019年3回戦にこの世のものとは思えない漫才を披露し神話になったちゅんまである。
ちゅんまと同類に括る者には「ちゅんまは異世界から突然現れたセオリー完全無視の人達が漫才ぽいことしてスベってた、きつね日和はウケようとネタ作って完全に滑りきった」
「ちゅんまは理解を超えてしまったせいで結果的に滑った、きつね日和は理解の下を全力で走って滑ってる」と反論された。ちゅんまを神格化する原理主義者と軽く揉めた形である。
ひとしきり盛り上がった住民は、スベった事を面白がる段階から「なぜスベったのか」を分析し始めた。当初はぼんやりとした指摘がされたが、次第においなりの反論が軒並み的外れであるという問題点が浮かび上がった。
顕著なのは松本が海の良い所として「海の家での食事」を挙げた所、おいなりがダメだろー!とブチギレ。海の家は反則であり、山と同じ様に自然だけで勝負しろと主張するくだりである。
徹底しておいなりの反論は理不尽でズレており、対して松本が正論で宥めている事から「的はずれなおいなりのツッコミ」で笑いを誘っていると思われるが、松本も条件のすり替えという理不尽行為の前科があるため(後述)「要素を詰め込みすぎてどっちつかず」「意味不明」になっている事が最大の問題とされた。
あらゆる所にスベる要素が散りばめられており「ただ滑っただけじゃなくて見返す程台本の粗が見えまくるのがいいんだよな」と、まるでスルメ(食品)のような評価もされた。
11月7日にもなると「ダメだろー!」「◯◯1択!◯◯1択なんですっ!」「お゛お゛ぉ゛お゛!?」「おーいっ!」「そういう一面ありますよねー」などの語録が流行り始め、皆が「心の中のおいなり」なるものを飼い始めた。同時期にはM-1優勝風のコラージュまで制作された。
もはやM-1スレと言うより、毎日夜になるときつね日和スレという様相を呈し、一連のネタにうんざりする住人も現れ、過剰に話題にする事で意図的に評価を下げようとするアンチの仕業という嫌疑までかけられてしまった。
11月11日、はてな匿名ダイアリーに「きつね日和は何故全スベリしたのか」投稿。
11月12日、前日2.7万再生だったYoutube動画の再生数が4万を突破。5chまとめサイトに取り上げられた影響と思われる。当初はレインマンズに言及するコメントが多かったのがきつね日和関連に占領される。
11月14日、パワハラに遭い退職に追い込まれた事を引きずっていた人が「ダメだろ――!」に元気を貰い、救われたとの書き込みがされる。このレスはファンがTwitterでキャプチャーを貼り付けおいなり本人に伝わり、「めちゃめちゃ嬉しいぞぉー!!どれだけスベろうがこれからもダメだろーし続けるぞぉー!!」と語るなど、きつね日和的には辛い話題が多かった中で数少ない純粋な応援かつ前向きな書き込みとなった。
この頃になると準々決勝の真っ最中であり、さすがの住民もそっちに話題が集中。きつね日和は一度下火になる。しかし、事ある毎にきつね日和の話題は再燃し準決勝進出者発表が近づくとリアリティのある選出の中にきつね日和を紛れ込ましたリーク風のネタ画像も登場。全く廃れることはなく2022年を走り終え、ちゅんま亡き今も現役アイドルとしてM-1スレに君臨している。
松本に至っては話題が出過ぎるあまり、松本人志の名前を出す際に他の松本姓との混乱を避ける為わざわざ「ダウンタウン松本」「DT松本」という表記をする住民までいた。ある意味ダウンタウン超えである。
なお、ちゅんまは同じ吉本の近しい芸人のみならず、怪奇!の3人が単独ライブにゲストとして呼んだほか、三福エンターテイメント・ランジャタイ・モグライダー・大仰天・トンツカタンなど事務所を問わず幅広い芸人にネタにされたが、きつね日和をネタにしたのはママタルトとYes!アキト程度で結果的に5ch内だけで超流行ったことになる。全然プラスになってない。
2023年1月31日未明、YouTube・Gyaoの3回戦配信が終了。合法的に視聴する手段がなくなり、幻の動画となってしまった(ライブバージョンは公式chで配信)。
実はインターネットアーカイブにURLを入れると見れたりもする。
5ちゃんねるM-1スレでは知名度100%というべきブレイクを果たしたきつね日和は当然エントリー。しかし長らく出場日程が決まらず、ライブ等の発言でかなり後半の10月日程を希望していたと判明。10月は1回戦としては最後の方であり、2回戦進出者数が増えすぎないように大量に落とす、アマチュアが大半で会場が重くなるなどが不利に働くことも多い。相変わらずスレでは「生意気だな」「(再エントリーできる)8月じゃないのか」と雑言が飛び交った。9月17日、日程が判明するとなんと10月では唯一の地方会場である沼津よしもと。しかも大トリ。アマチュア率は約9割で競合は都トム、スーパー3助のユニット、テガシンスト程度とTOP3も固い超穴場だった。この策士ともセコいとも言うべき采配に住民は驚愕した。
8月27日、おいなりがTiktokにて「ルーレットの出目を当てる」という動画を投稿。バズりにバズり5万いいねを獲得。しかしフォロワーはほとんど増えず、大きな影響は無かった。
9月23日、ジグロポッカ・ふぁのシャープ・ポテトカレッジ等と争いのむシリカPresentsお笑いJACKPOTで優勝。お笑いでの年収が100万円以下の「今後BETしたい」と思わせる芸人が対象であり、宣伝優先で出場者が客を会場に呼び込める上に審査は全て観客投票という地下ライブ特殊な大会だった。集客力のあるきつね日和は組織票が期待できる有利な大会であるが、3回戦でやれと散々言われた「絵描き歌」と正統派コント漫才「歯医者」でファーストラウンド、ファイナルラウンドと順当にウケて文句なしぶっちぎりで優勝した。賞金の割に謎に注目度が低くYouTubeで無料配信なのに同時接続は最大で55人だった。
優勝賞金は第1回M-1グランプリを彷彿とさせる13×4マスに1万円札が並んだ巨大な額縁に入れられ贈呈されたが、それをむき出しノーガードで帰宅(運搬)するという暴挙に出る。案の定新宿のど真ん中でゴツい外国人7人組に絡まれた。「ニセモノマネー」と言い張って難を逃れた。この100万円の額は結構雑で、すだれのようにテープで一直線に貼り付けられ剥がすのに難儀していた。
10月1日、沼津ラクーンよしもと劇場での1回戦に挑むため遠征。前日にスーパー3助と都トムで注目の可児正のユニット「せめて今日だけは生きていたい」が翌日(10月2日)の東京予選に移動したため更に有利になる。沼津よしもとは1回戦にして楽屋が用意されるなど充実した環境であり、ほとんどアマチュアの日程ながら登場時の拍手が途切れること無く、俗に言う「客が温かい」会場だった(しかし出場アマチュアの友達・家族が観客の大半で、大トリのきつね日和の時には15人ほどだった)
選択したネタはJACKPOTで披露した「絵描き歌」。おいなりは会場の外で木の棒をムチのように振り回し気持ちを昂らせると勢いそのままにメガネを高く吹き飛ばす「お゛ーいっ!」という芸術点の高い小技を披露し拍手笑いを獲得。またしても序盤から溜めた伏線回収系のボケは不発に終わるも合格には十分すぎるウケを獲得し、1位で通過した。出場者の面子からしてTOP3通過は固いとされていたが、流石にデカデカと1回戦TOP3動画のサムネを飾る様に去年から付きっきりで見ていたファンは感涙した。多分。
その後の配信で沼津受験した理由はTOP3狙いではなく、松本がファンの櫻坂46大沼晶保の地元の巡礼をしたかったからと明かされた(しかも交通費はおいなり持ち)。第1希望は枠が少ない上に「舞台に立ちたい」という理由で人気のヨシモト∞ホールであり、こちらの抽選に漏れ、更に神保町よしもとも漏れ、結果的に第3希望の沼津よしもとになった模様。おいなりのメガネが飛んだのも仕込んだギミックではなく脂汗で偶然飛んだらしく、勝ちに徹した策略と思われたものは尽く偶然だったと判明した。
それどころかメガネが劣化しユルくなってていたため、1回戦に合わせてダメだろー!&お゛ーいっ!に耐えうるスポーツメガネに新調していたと明かされている。試着では全く問題なく、漫才中に飛んで本当に焦ったという。あと1回飛んだらギチギチに詰まった2分尺の台本のためタイムオーバーは免れないと最後は強引に抑え込み、そんな都合は知らない客は飛ぶのを期待する中で飛ばずに尻すぼみになった。
10月21日、2回戦のグループ分けが決まると後半・Jブロック。なんとトム・ブラウンと並んだ香盤。この「さあ、きつね日和を呑んでください」と言わんばかりの悪意を感じる並びにファンは戦々恐々。松本も「こんなに組数いるのにダメだろー👉からのダメー🫱ってわざとですか..」と困惑のポスト(ツイート)をした。しかしながらトム・ブラウンの前であることが不幸中の幸いとされた。
10月27日、2回戦当日。きつね日和はトム・ブラウンとの比較は免れない環境の中、またしてもおいなりのメガネを二度飛ばす味をしめた小技を披露し大ウケを獲得。なんと拍手笑いを3度も獲得し、トム・ブラウンに呑まれること無く2年連続の2回戦通過を決めた。なお、去年3回戦進出したさんぽは1回戦で敗退した為、ビクター所属では唯一の3回戦進出者となった。M-1スレ民に勝手にきつね日和一派に組み込まれたテキセツの街は通過したが、レインマンズは評判が良かったものの敗退してしまい、追加合格で選ばれることもなく2回戦敗退が確定した。
3回戦の日程は11月7日の第1部に決定。トラウマの舞台となったよしもと有楽町シアターは2023年8月31日にビルの建て替えにより閉館した為、今年から3回戦はKANDA SQUARE HALLで行われる運びになった。この会場も漫才専用ではないため劣悪な環境ではないかと危惧されていたが、前日の東京3回戦初日のレポートから多少音の広がりは悪いながら有楽町シアターよりは遥かに優れた環境と評された。
地下すぎるライブにしか出ないきつね日和は他のコンビと異なりあまり勝負ネタの情報は流れなかったが、3回戦ネタはJACKPOT最終決戦で披露した「歯医者」が本命とされ、その他の可能性として5ch民イチオシの「副流煙」、3回戦前のライブで披露された歌ネタが挙がっていた。
1京3回戦・第1部のKANDA SQUARE HALL。この日は何故かレポートが極端に少なく、誰がウケたのか今ひとつ掴めないまま刻一刻ときつね日和の報告を待つファン一同。最初に投稿された感想は会場に足を運んだファンでもなく、お笑いルポライターtakahiroでもなく、5chのレポートでもなく、不発を伝えるおいなり達也のポスト(ツイート)だった。
一言、不発
続けて松本も「5ちゃんのみんなごめん。おいなり達也が不発でした。」とポスト。これには5chでは落胆の声が続出。直後に神田ホールの外で急遽ラジオを撮影し即配信。その際においなりは「微妙な結果」「大成功でもなく、失敗でもなく」と語り、対して松本は「絶対に落ちた」と頑なに意見を曲げず、ひたすらマイナス思考な発言を連発し傷心していた。
「メガネ飛ばしに全てを賭けたが、失敗した」「メガネが真下に落ちたパターンの台本を用意してなかった」という事も語られ、さらには1回戦動画でネタがバレきっている「絵描き歌」を選択したことも判明。完全にスベリきったわけでもなく、醜態を面白がることも出来ない程度のウケであり、ここでも松本は「5ちゃんのみんなごめん」と発言。最終的に「メガネ飛ばしという小手先の笑いに味をしめたのが敗因」と結論づけた。
これには5chでも100%敗退ムードが充満。汎用フレーズも既に配信された大阪3回戦動画で話題になった銀矢倉の「マシっしょマシっしょ!」に人気を奪われつつあり、きつね日和ブーム終了すら囁かれた。おいなりは多少なりとも希望を持っていたが、松本のダメージは凄まじく、X(旧:Twitter)で発言した「5ちゃんのみんなごめん」というボケにフォロワーが「5ちゃんだけかーい!(笑)」とノリツッコミをしたところ「本当にごめん」と重く受け止め謝罪しツイートを消すなど不安定な状態だった。振り返り動画ではネタ中に既に敗退を覚悟し、ネタ披露後のインタビューでは「もう無理です。来年頑張ります」と不貞腐れていたと語られた。
誰もきつね日和に期待しないまま迎えた11月9日18時、東京の準々決勝進出者が発表されるとなんと通過。これには5ch民は驚愕。おいなりも「何がおきた!何がおきた!!!!おい!!」と動揺、完全に負けを悟っていた松本はにっぽんワチャチャのライブに夢中で発表2時間後まで通過に気が付かなかった。
今大会は予選審査員がガラッと変わったこともあり、毎年「誰上がって誰が落ちた」という揉め事は付き物ではあるものの、個性・ビジュアル面重視といった事が囁かれる独特な審査が行われ、華だけで通ったなどと言われた。しかし、1回戦で大ウケした「絵描き歌」を選択したことで、1回戦の貯金が生きた、との意見もあった。理由や本人達の納得はともかくとして、きつね日和は8,540組中123組しか通れない3回戦を通過、ついにルミネの板を踏むことになったのである。ビクター所属では初の3回戦通過という快挙でもあった(響の3回戦通過はSMA時代)。香盤が発表されると最序盤のAブロック・3番手だった。
準々決勝が近づく中、事件が発生した。元々あまり喉の調子の良くなかったおいなりの喉が爆発しライブ出演をキャンセルしたのである。更にその風邪が松本に伝染り、X上で風邪を速く治す方法をフォロワーに乞うなど危機的状況に。準々決勝まで2日と迫った月曜日のレギュラー配信番組「マシェバラ」では二人とも咳き込むなど、出場も危ぶまれる状況だったが何とか準々前日のライブに出演を果たし最終調整した。
準々決勝の朝、おいなりは走馬灯のような夢を見て起床。東京準々決勝2日目となるルミネtheよしもと。46組中3番手は厳しい出順ではあるが、通過も不可能ではない。準々決勝ともなるとレポートを行う者も多く、きつね日和のネタ選びに注目が集まっていた。
今度こそJACKPOT優勝ネタ「歯医者」か、5ch民が頑なに激推しする「副流煙」の披露、はたまたラパルフェの様に自虐・内輪ネタでの爪痕残しを期待されてたが、Aブロック終了後の僅かな時間に短い5chへの書き込みレポでネタが知らされた。なんと絵描き歌である。2022年のカゲヤマやダイヤモンドすら1回戦は違うネタでTOP3配信入りしており、1回戦から4連続同じネタである[3]。
これには期待が大きかっただけに5ch民も落胆。「また絵描き歌やってるのかよ」「三四郎ドリフ[4]並の選択だぞ」「何を考えてるんだ」「今絵描き歌で笑うやつもはやおかしいやろ」と罵詈雑言の嵐[5]。ところがCブロック終わりの10分休憩で風向きが変わる。なんと、X上で前方の席に座っていた人が「きつね日和が爆発した」と語ったのである。1組だけ名指しではなく複数組を挙げた中に含まれていた事、さらに他に言及するポストが無かったことからきわめて局所的に爆発したと思われるが、拍手笑いを獲得したという書き込みもあり、今年の挑戦的な選出では準決勝もワンチャン可能性があると期待された。さらにX上では伝言ゲーム状に「きつね日和爆発」という情報が伝わり、1人しか発信しなかったにも関わらず実態以上に盛り上がった。
準々決勝後に投稿されたラジオでは「メガネ飛ばし以外で1ミス」「全体的には上手く行った」「合格ラインは出た」と上々の出来だったと発言。ネタ選択については「絵描き歌しか無いから僕たちには」「他にもあるけど、ライブならともかくこんな大舞台でやれるネタじゃない」と語られた。お笑いJACKPOTはいいのか。
翌日有料配信が行わるとそこにはツカミでスベり、メガネ飛ばしで拍手笑いを獲得し、おいなりの上に乗る松本の姿があった。2022年版(Ver.1)や3回戦版と比べて大幅に手が加えられており、めちゃくちゃで面白いという評価もあれば奇を衒いすぎてイマイチという批判もあり賛否両論だった。
11月23日、準決勝進出者30組が発表。きつね日和は敗退。松本は「今の実力以上の結果を出せたと思います。123組に残れたのは応援して下さった皆様のおかげです」とX上で感謝を述べ、おいなりは「いやー夢を見させていただきました!今年はここまでです! 来年は絶対にここ(準決勝進出者一覧)に乗ります!」と意気込んだ。3回戦→準々決勝は独特な審査が行われたが、準々→準決勝はウケ量を重視し思い切りのある審査が行われ、前年ファイナリストの半分が敗退した。
11月27日、今年は例年より早く1回戦TOP3動画・3回戦動画が削除。入れ替わる形でTVerにて準々決勝敗退組の動画が配信、TVerワイルドカードが始まった。さらに今年は「ワイルドカード意気込み動画」なる動画もYouTubeに投稿され、きつね日和はフリップ・メガネ飛ばし・ルーレットを使い良質なPR動画を製作。芸人らしくおふざけをするコンビも多かったが、その中でも高いクオリティを誇りかなりの高評価を得た。
おいなり達也が編み出したツッコミ。最初に取り入れたネタは「一週間」であり、初出は2021年4月10日にラスタ池袋で行われた第2部公演である。記念すべき初ダメだろー!は「ダメだろーっ!ちゃんと、挨拶しろー!この茶髪ー!」だった。トークや配信、SNSなどでも頻繁に使用される。正式な表記は「ダメだろー!!」であり、おいなり達也のTwitterアイコンにもなっていた。
練習も兼ねてプライベートなどでも使われることがあるが、松本がおいなりのメガネを飲み物に沈めるなどダメだろー!狙いでの行動を起こしても「何してんすか」と言うなどイマイチ使いこなしていない。
ダメだろー!は決まるとウケが大きい分、外すとスベリを免れないという諸刃の剣であり使い所が非常に難しい。2022年から毎月開催した新ネタ卸しライブ「漫才狂い」ではパッケージに偏りすぎないよう、出来るだけダメだろー!を避けたネタを制作した。
なおTBSラジオの企画ではなわ(SAGA)からインタビューを受けた際、芸風の話をすると「トム・ブラウンとかぶってない?」と皆が口を噤んでいた事にデリカシーなく踏み込んだ。しかも布川の「ダメ~」をやらせるパワハラまがいの行動に出る。判決は「ギリセーフ」。
2023年からは「ダメだろー!!」の前にパチンと手を叩く動作も取り入れ用いる事がある。
「お゛ーいっ!」とも。グッズ等の使用例から正式な表記は「おーいっ!」である。
M-1グランプリ2022 東京2回戦の直前に生まれた追撃のツッコミ。明後日に2回戦が迫る中、1回戦ネタを伸ばしただけでは受からないだろうと急遽新ネタを仕上げる事になり、四苦八苦する中で偶然生まれたものである。今までの「ダメだろー!」だけではオリジナリティに乏しかったが、このおーいっ!により飛躍的に高まり、きつね日和のアイデンティティとなったと評されている。
両腕を勢いよく振り下ろし絶叫するインパクトは絶大。基本的にダメだろー!!とセットで使用される。
M-1グランプリ2023 沼津1回戦で生まれた技。おいなりの着けたメガネが緊張による脂汗により前述の「おーいっ!」で偶然天高く飛び拍手笑いを獲得し、当初は想定外の事態に困惑していたものの、味をしめて以降もネタで用いている。このメガネは特に細工されておらず、うまく飛ぶか落ちるかは全ておいなり任せというギャンブルに近い技である。そのため失敗すると松本がおいなりに全責任を擦り付け、一部で問題視された。
メガネが飛ばずにパーマ付近で止まり、勢いよく戻れる「バカンス」という状態も存在し、これは本格的にメガネを飛ばす前の前座として使われることが多い。高く飛ばすより難しいらしい。しかし運に左右される技ゆえにM-1グランプリ2023では飛ばしに賭けすぎた結果、1・2回戦では完璧に飛んだものの、最も重要な3回戦で大失敗し、なぜか松本が多大な精神的ダメージを負った。
M-1グランプリ2023 3回戦ではメガネ飛ばし後にポケットから予備のメガネを取り出しつけるという磁石以来の技を見せ、減点対象とされる行為にも関わらず通過する快挙を果たした。さらには準々決勝ではオズワルドすら獲得できなかった拍手笑いをもぎ取った。しかし「メガネに頼りすぎるのはダサい」「危険ドラッグ」と反省し、今後の動向は不明である。
海と山はきつね日和がM-1グランプリ2022の2回戦・3回戦で披露したネタ。きつね日和の代表作であり、初の3回戦進出に貢献した。当初は「ディベート」「山か海か」などの仮称で呼ばれていたが、本人がYouTubeにアップロードしたことで正式タイトルが判明した。
おいなり達也の「ダメだろー!!」を軸に「時間差ツッコミ」「伏線回収」を取り入れた意欲作である。
元々は同名のプロトタイプにあたる漫才が存在し、2022年5月頃には披露された記録が残っている。しかしこの段階ではまだまだ未完成であり、2回戦の2日前に「1回戦の『幽霊』はウケたけど、これを長くしても通らないだろう」という判断で急遽ヘンなネタを用意する事に。白羽の矢が立ったのが「ダメだろー系」の海と山であり、急ピッチで完成させることにした。
その際に偶然生まれたのが、おいなりが腕を振り下ろし強くツッコむ「おーいっ!」である。ダメだろー!とリーサル・ウェポンおーいっ!の二刀流がここに完成した。ライブで1度も試さず、2回戦が初卸しだったが、見事通過を果たした。本人たち的には「そこそこのウケなので、落ちたと思った」との事。
「海と山」の構造は以下の通りである。
問題は常識人であるはずのツッコミ・おいなりが常に的はずれなツッコミを続ける点である。松本がアピールした「海の家の楽しさ」に対し「ダメだろー!、お前の海、海の家ついてるな!」「こっちは人の手つかってないんだから卑怯な手使うな」と猛反論するが、視聴者は「海の家が無い海のほうが少ないだろ」「山にも山小屋あるだろ」「未整備の山に素人は登んねぇよ」とツッコみたくなる。
この場合、おいなりは言わば「ツッコミボケ」であり、常にズレたツッコミをすることで笑いを誘っていると考えられる。ならば常識人役≒ツッコミは松本となり、正論でおいなりを宥め続ける必要がある。
しかし松本は松本で並行しておいなりの主張に対し「でもこの山は300人以上が亡くなっている」「入山料が100万円かかるからね」と、理不尽な条件を押し付け、ディベートに勝利しようとする。
この漫才は表面上はボケとツッコミであるが、実態は異常者と異常者である。全ての歯車が微妙に狂った漫才は視聴者を不条理の底へ突き落とした。
加えて、おいなりは松本の条件のすり替えには驚くほど無頓着である。中盤にもなると松本の提示する理不尽な条件の数々は「エベレスト」を指していると観客は察する。しかしおいなりはひたすらに無視を続け、最後の最後で「ダメだろ――!俺の山!もしかして!エベレストだな!」と、とっておきと言わんばかりの全力ツッコミを行う。
このエベレストは伏線回収に相当するネタバラシを行うことが目標であり、きつね日和的には「ウケる可能性がある最後の希望」だったらしく、無風の会場の中でウケてくれと祈っていたとのこと。しかし松本が「登頂まで1ヶ月」「肺が凍る」「入山料100万円」「300人が死亡」…とヒントを出しすぎたために視聴者は十中八九エベレストであると気がついており、結果誰も笑わなかった。伏線回収としては完全に失敗であり、観客が察する前に冒頭で処理すべき問題を伏線回収をしたかったがために後半に配置し違和感のある台本になってしまった可能性すらある。
この件はM-1スレでも取り沙汰され「最後にあたかも伏線回収かのようにエベレストにツッコむの、(近年流行の)伏線回収漫才へのアンチテーゼじゃないと説明がつかないと思う」「反逆者だと思う」と非常に高度なネタを目指していた説まで浮上した。
また象さんのポットやPOISON GIRL BANDのように2人ともボケを重ね笑いを誘うパターンを目指した可能性も指摘されたが、「ならワードセンスが足りない」「肯定が無い」「分かりづらい」「M-1の予選に掛けるのはリスキーすぎる」と評された。
ちなみに「ダメだろー!」というツッコミを用いるネタは他にも多数あるが、「松本の一連の発言に対しおいなりが時間差でまとめてツッコむ」というスタイルは実は珍しいパターンであり、きつね日和的にも実験段階だった。時間差ツッコミを取り入れたネタは他にも作られ、同時期に制作されたのが「絵描き歌」である。
この絵描き歌は3回戦の前々日に「海と山」と同時にライブで披露されており、M-1で話題になった直後にYouTubeへ投稿された。ボケは分かりそうで答えには辿り着けないよう調整されており、明らかにエベレストがバレバレの海と山より出来が良いという評価であり、結果論ではあるが何故こちらを披露せずに3回戦で海と山を選択したのか、と叩かれてしまった[6]。
後に「絵描き歌」はお笑いJACKPOTで披露され優勝に貢献し2023年M-1の1回戦を1位通過、さらには2・3回戦まで通過する大活躍をするが、遂には準々決勝でまで披露され杉浦忠並の酷使となりファンから賛否があった。本人いわく「準々決勝での披露に耐えられる唯一のネタ」だったらしい。
そして素人5ch民の台本精査の末に挙がった改善案が下記である。
きつね日和の名誉のために付け加えると、あくまでこの1ネタが致命的に噛み合わなかっただけの話であり、他のネタは評価されている。時間差ツッコミネタ「絵描き歌」、おいなりが猟奇的な最期の願望を語る「副流煙」、ダメだろー!を使った分かりやすいコント漫才「食レポ」「歯医者」、2022年1回戦でも使用した正統派しゃべくり「幽霊」など。
数々の問題点を抱えていた「海と山」は結果として歴史的な大スベリを喫した。M-1スレでは毎大会とりわけスベって沈んでいった芸人をおもちゃにして弄り倒すという陰険な文化が存在し[7]、2017年のロングロング、2019年のちゅんまが代表例である。
そんな連中が畏怖するほどスベりっぷりはたちまち伝説と化した。以下が動画配信が始まった新生M-1に於いて「超滑った」扱いされ、ブームとなった漫才のウケ総量である。
桁違いのスベりっぷりであり、手計測を諦め波形での計測になるほどだった。
なお会場が異なるので一概には比較できず、ちゅんまは客の温かいよしもと漫才劇場のため他のコンビと連続で見ると悲惨である。ロングロングも広すぎて笑いが消えやすいNEW PIER HALLではなく、この年はウケやすい浅草公会堂での開催あり極めて酷い出来である。逆にEverybodyは鬼門の有楽町シアターであり健闘していると言える。銀矢倉も上位3組しか表に出ない1回戦動画としてはヤバい出来だが、ラストで緩んだ観客が笑ったため最悪のケースは免れた。これはちゅんまにも言える事である。きつね日和は何故……。
参考までに無観客開催で6人程度の審査員しか入らなかった2020年1回戦(2分)の滝音で3.5秒だった為、誇張でもなんでもなく無観客よりスベっていた。ネタ時間も考えると上記6組は全組そうである。
とはいえ、台本の粗だけが原因で歴史的な大スベリになるとは考えにくい。実際にこのネタは事前に披露したライブではウケているし、何より厳しい2回戦を通過した実績のあるネタである。おいなりの「ダメだろー!」は魅力的であるし、狙いとは異なるがあまりに意味不明な内容がツボで笑う人が居ても不思議ではない。にも関わらず笑い声を見つけるほうが困難という有様であり、様々な要因を考慮しても不可解なほどの大スベリであった。
以下はきつね日和本人が分析した敗因である。
以上の原因が複合的に重なり前代未聞の滑りに繋がったという事になるが、すなわち奇跡である。
2023年大会では準々決勝で披露することを(冗談半分で)ファンに期待されたが、YouTube上にて「ダメだろっ!やるかあんなネタ!二度とやらねぇあんなネタ」と封印宣言された。
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最終更新:2023/11/29(水) 10:00
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