フルメタル・パニック!アナザーとは、謎のメキシコ人、ホセ・オークロ又はホセ・サントス大黒尚人執筆、賀東招二原案・監修によるフルメタル・パニック!シリーズのスピンアウト作品である。
あらすじ
あの戦いから十数年…。市ノ瀬達哉は都立陣代高校に通う、機械いじりが大好きな普通の高校生。無難な人生を楽しんでいた達哉だったが、ある日暴走した正体不明のASに突如襲われてしまう。
殺される!そう思った瞬間、目の前に現れたのは、謎の美少女アデリーナだった。
しかし、大怪我を負っていた彼女は、善戦虚しく倒れてしまう。達哉はアデリーナと妹を守るため、触れたこともないASに乗り込むことに。その決断が、彼の運命を大きく変質させていく――。
概要
米ソの冷戦が終結してより十数年、全面核戦争の脅威は去り、かつての大国達は軍縮の道を選ぶも、地域紛争の火種は世界各地に存在し、ASはありふれた兵器として世界中の戦場でみかけるポピュラーな存在となっている。
また、AS技術は民間作業用機械としてPS(パワースレイブ)に転用、普及が進みつつある。主人公である市ノ瀬達哉は、幼少より実家の土木建築業に用いられているPS<ダイダラ>に馴染んでいる。
土木建築業を営む父親の手伝いでPSを使っての仕事の最中、達哉はアデリーナと運命的な出会いをする…。
フルメタル・パニック!(以下フルメタ)世界の十数年後の世界を舞台にした作品。
以下「アナザー」と略す。
当初はボーナストラックまたはファンサービス的な作品(ASバリエーションの紹介にフレーバーテキストでの紹介、と言った形など)として比較的軽めの企画だったらしい。
が、企画が進行するにつれ徐々に規模が拡大、あれよあれよと話が進み担当編集の鼻息も荒くなり、気付けば携わった人(キャラデザ:四季童子、メカデザ:海老川兼武/渭原敏明))が集結、結局はブラザーが徹底監修する形で開始する事になる。ファン歓喜。
詳しくはWikipediaのアナザーの項目、又はアナザー各巻を購入し、後書きを参照されたし(ここ宣伝)。
尚、スピンアウト作品ではあるものの本編シリーズを知らない、またはアニメのふもっふ位しか知らないという人であってもメカとヒロインと主人公と活劇というフォーマットに適正があるなら、すんなり楽しめる作品に仕上がっている。ほぼ忠実にストーリーを追う、作画:たいち庸によるコミック版もスタート、ラノベや小説が苦手な人はご検討されたし。
主な登場人物
- 市ノ瀬達哉
「多分、ここにお前がいるから――だと思う」
主人公。陣代高校三年生。2巻の表紙参照。趣味は機械いじりで、実家のPS(パワースレイブ。以下、PS)を触るのが大好き。作中にもあるが、PSの登場間もない幼い頃から動かしているらしいが、小学校の頃に川に沈んで死にかけた事もあるそうな。宗介とは異なり比較的年齢に近い、日本人男子高校生のメンタリティ。成績は英語を除いて平均点と赤点を彷徨うが、やる気になった事に関してはとことん突き詰めるタイプ。筋金入りの年上フェチで、TOEICで900という点数を取ったモチベーションは、英語教師として来日していた女性教師との約束に突き進んだ結果である。玉砕したが。そして、幸か不幸かそれがD.O.M.S.への入社のきっかけの一つとなった。そしてまた玉砕したが。
振れ幅はあるものの土壇場での度胸と幼少から培ったPS操縦技術は、ASに乗る事になってからも幾度と無く自身と周囲を巻き込みつつも救うことになる。D.O.M.S.への正式所属後は、オシラ4となった。巻が進むにつれAS操縦への適正、才覚は異様な早さで伸びを見せるが、それでも本人は至って普通の日本の若者である。
掲示板で指摘があったが、才能が無くとも武器を取らざるをえなかった宗介と比べると、才能があり女と金が目的でASに乗るという意味では、至極真っ当な意味で傭兵(PMC社員だが)をしていると言える。 - アデリーナ・アレクサンドロヴナ・ケレンスカヤ
「笑ってなどいないぞ、私は」
ヒロイン。D.O.M.S.のAS教導課第3班に勤めるASオペレータ。コールサインはオシラ3。AS戦は実直で堅実な戦術を主とする。1巻の表紙参照。
怜悧な美貌、透き通り射抜くような目、流れるような金髪の綺麗なポニーテールに整ったプロポーションと非の打ち所が無いロシア系の美少女…なのだが、端的に言えば女版相良宗介といえばわかるだろうか。ASについて語り始めると止まらない残念な美少女である。また、宗介程ではないが世事に疎く、社長命令で様々な衣装を渡され、コスプレをさせられたりする。達哉を訓練する時はマオに渡されたジャージにブルマという女子マネスタイルで読者を魅了(達哉はそれどころじゃなかったようだが)。ただ本人はセクハラ・パワハラだとはまったく思っておらず社長に心酔しており、社長の事を貶されると(そう思って言われて無くても)問答無用で攻撃意思をむき出しにする。達哉には悶絶する威力のデコピンで幾度も指導をする事に。
マヨラー(キユーピー派)にしてカレー粉愛用家にしてきのこの山信奉者であり、冬場、業務の無い時はコタツムリと化す。また、重度のマヨラーである事からピザを始めとして色々な物にマヨをかけて食べ、ベストな組み合わせを探し続けている様子。ホットケーキにマヨの組み合わせが最近のお気に入り。ラーメンにすらかける程。捌いた蛇の生肉や得体のしれない昆虫などをカレー粉で処理して平気で食べる。
相貌を崩す事が無く冷たい人物と一見みられがちだが、達哉に鉄面女と言われた時は内心傷ついたりもし、ボン太くんに心惹かれる可愛らしい側面も。話が進むにつれ平和な国からわざわざ来てPMCの社員になろうとする達哉に対し、その才能も含めて忸怩とした想いを抱く。イラストは特に尻が強調された訳でも無いのにイラスト公開当初から「オシリーナ」とファンの間では呼ばれる。
D.O.M.S.関係者
- メリッサ・マオ
「あたしの目に、狂いは無かったって事ね! うん!!」
D.O.M.S.社長。年齢は四捨五入でよん(銃声)。フルメタ本編終了から10年以上の時を経てもその外見、美貌は変わっていない。ただその維持の為にかなりの努力をしている模様。わかるわ。
部下達と達哉が遭遇したある事件をきっかけに達哉の中に何かを見出し、D.O.M.S.への入社を提案した。
離婚歴がなんと3回。現在はシングルマザー。旦那の話をすると静かにブチギレ。その旦那が誰かってのはフルメタ本編の読者なら言わずもがな。驚くべきは、過去全ての離婚相手が同じ事である。とことんめんどくさい仲とは娘の弁。年末等の宴会芸で、プログラムで自律制御させたM9にロボットダンスを踊らせたりするらしい。 - クララ・マオ
「それでもアタシは、こいつ(ライフル)が好きなんだ」
黒髪ツインテ、パンクでゴスロリチックな格好でギターケースを背負っている美少女。ただし、態度はでかくて口が悪い。父親譲りの天才的な射撃の腕を持ち、父親から譲られたライフルを大事にしている。「心は日本人」というパパの影響により、下手な日本人より日本文化に馴染みがある。麻雀含むギャンブル全般にも強い。マオの娘。
両親以外の殆どの相手に物怖じどころかデカイ態度で接するが、例外的に達哉の妹の由加里は苦手。うっきゃー。猫可愛がりで弄られまくる。キマシタワー。 - ベルナール・ベルトラン
「社長は、イチノセくんのこの素質を見抜いておられたのですね」
怜悧な顔立ちに刻まれた傷が凄みを放つ、D.O.M.S.の戦術分析課に属する男。冷徹メガネ。分の悪い賭けには乗らない質だが、マオには強い敬意を持っている様子。
あまりにも合理的思考を優先とするためか、想定外の事態に少し弱い。また、整備課のダニエラに「残念な美形ばかり」と呼ばれる中の一人である。かつてはフランス陸軍に所属していた。4巻ではその過去の一端が語られる事となる。 - ダグラス・バクスター
「瓢箪から駒、というやつですな」
D.O.M.SのAS教導課第3班の班長。オシラ1。身長二メートル、体重百キロ超の頼りになるスキンヘッドの黒人男性。厳しい人物の側面と、ユーモアを併せ持った頼れる上司の一人。部下の危機には強い態度で怒りの声を上げる熱い男。D.O.M.S.では古株らしく、アデリーナの過去を知る言動がちらほら。
ベンチプレスで120kgを楽々とこなす程だが、手が大きい為かカップやお皿を持つ時に小指を立てるらしい。 - カルロス・メンドーサ
「ったく、あのガキもオイシイとこかっさらいやがって」
D.O.M.S.のAS教導課第3班所属。オシラ2。性格も含めてラテン系の大柄な男で、遅刻するわ任務前に二日酔いになるわ女に手は早いわと素行不良隊員ではあるが、元コロンビア軍所属であり腕一本でAS乗りの業界を渡ってきたため個人の戦闘技術や能力は高く、ASオペレータとしての腕、戦場経験は高い評価を得ている。残念な美形の一人。外見は「爽やかなガウルン」。
当初はド素人の達哉の採用に否定的で、仕事についてもクライアントに失礼な事をやらかすなど天狗になっていたが、達哉との模擬戦の後はそういった不真面目さは鳴りを潜め、達哉のAS操縦の才能を心の奥底で認めつつある。成績自体は頭打ちではあるが、不真面目さが抑えられて以降、本来の実力が発揮されている様子。こんなナリだが稼ぎの多くは家族に送金している。 - ダニエラ・コールマン
「つまんない男だね。そんなだから顔のわりにもてないんだよ」
D.O.M.S.のAS整備課の課長。愛嬌のある大雑把な容姿の女性で、豪快な気質の姉御肌。社員同士の賭けの胴元をよくやるらしい。気に入れば、多少の無茶も聞き入れてくれる確かな腕と仕事の速さに定評がある。が、ちょっと口が軽い所がある。 - クララのパパにして呑んだくれの宿六
「いーねーいーねー、そういうのが真っ当な人生ってもんだよ、少年」
D.O.M.S.役員にしてメリッサ・マオの元旦那。心はいつも日本人と言ってはばからない金髪碧眼のドイツ人。登場時はテキサスで土地問題のトラブルに遭った農場主を偶然助けた事から居候中であり、家出したクララは父を頼って同じく転がり込む。アデリーナと達哉が迎えに行った初邂逅では、銃撃戦の最中にバーボンの瓶を抱えて眠りこける無精髭と髪が伸びっぱなしのグダグダな姿で登場。しかしながらクララにも受け継がれたライフルの腕は衰えておらず、ぐでんぐでんに酔っ払った状態ですら相手の武器だけを正確に撃ちぬく離れ業をやってのけた。
尚、3度目の離婚理由はカレーの隠し味。フルメタ本編読者はあまりに本人達らしい理由に吹いた者多数。アデリーナは本人の腕前や本気の姿を一度も見ておらずいつもダメダメな姿ばかり見ている上に色々と迷惑を被った事から、まったくもって評価をしていない。 ダニエラに残念な美形の一人として数えられている。 - サンチャ・バレンティナ
「話は聞いたわ。船の事はこちらに任せて頂戴」
D.O.M.S.兵站部門の海運課所属。達哉達とは面識は無かったが、物語が進み、新たな本拠である「シンドバッド号」の船長としてサポートする。栗毛の巻き毛をした、達哉がどきどきする位の妙齢の女性。 アクや癖の強い隊員の多い社内にあって特に強烈なキャラクターは持たずに海運課で部下を束ねるまとめ役でもある。
日本
- 溝呂木克郎
「ロッケンロールなんだよ!!」
AS-1の開発主任。恵比寿重工所属。派手な頭にピアスにグラサン。白衣を着たチンピラのようである。肩書きが肩書きなのだが、紹介されないとそうと理解できないロックな格好と生き様を愛する男。物事を「ロッケンロール」であるか、そうでないかで判断する。そうでなければロッキンポ扱いである。矢沢永吉の信者。この男がいなければ、世界的にも類を見ないロックな機能を持ったASは造られなかったかもしれない。
AS-1がD.O.M.S.へ預けられる際、データ分析並びメンテナンス要員として一緒に同行する事となった。AS-1のデータ取りの為ならと、ちょっとマッドサイエンティストな気質も見え隠れ。ロックというより浪花節な事もロックと称する事も。 - 霧ヶ谷大樹
「無論、正気で本気だとも」
日本の衆議院議員。未だ年齢は40代前後の、議員としては当選三期目の若手と言っていい人物だが、政治家としての確かな資質と、防衛・外交問題への強さを備え、与党内で頭角を表してきた。
自衛隊ASの暴走事件という不祥事発生の際、計画が凍結されたAS-1について、型破りとも言える案を立てたのもこの霧ヶ谷議員である。ただし、ネーミングセンスは壊滅的に悪い。 - 下村悟
「表沙汰になれば、私もあなたもタダではすみませんな」
陸上自衛隊の一等陸佐。ソ連崩壊後の非対称戦の増加など世界情勢が目まぐるしく変わる中、時流から自衛隊のPMC協力による訓練が決定された際、交渉、指揮の総括を任された人物。
十数年前におきた巨大ASテロ事件で部下を為す術もなく失い、自らも足を負傷してASに乗れなくなった日以来、日本には強いASが必要と96式改やAS-1計画の推進に携わってきた様子。AS-1計画凍結の際、霧ヶ谷議員が述べた策について一時正気を疑うものの腹をくくる。AS-1存続の生命線となるその策のため、D.O.M.S.とのパイプ役を始めとして、AS-1計画のために動くこととなる。 - 小野寺孝太郎
「バカ野郎、女房子供がいるから味わう苦労ってやつがあるんだよ」
陣代高校のOBにして、生徒からはオノDのあだなで親しまれている地理教師。ちなみに妻子持ち。達哉に対しては真剣に将来を心配し、進学は断られたものの高校は絶対に卒業するようにと強い口調で諭す。
アデリーナやクララが達哉を迎えに陣代高校に訪れた際、クララの顔に誰かの面影を見たのか「どこかで会った気がする」とつぶやいた。 - 市之瀬由加里
「もう、クララちゃんったら、相変わらずカワイイんだから」
達哉と同じく陣代高校に通う妹。建築業を営む市之瀬家において、家事全般をまかなういわば出来た妹…であるが、料理の腕前は家庭料理としては高い方であるものの、スガモ屋と言う珍品食材をよく扱う店と懇意なためか、標準的な家庭料理の中に結構な頻度で珍味というかゲテモノ食材を使った料理を準備する。その面はさておき、性格も含めて亡くなった母親に似てきたとは、父親並び達哉の談。
ゲテモノ料理好きの面を除いて非常に出来た妹である事は間違いないのだが、無類の可愛いもの好きで、兄の達哉を心配してD.O.M.S.社に訪れた際、部屋を訪れたクララを見つけるなり撫でたり嗅いだり舐めたりしゃぶったり(?)と思う存分蹂躙した。 その後もTPOは弁えつつも、虎視眈々とクララを堪能する機会を狙っている。クララに再会した際の豹変ぶりから、達哉の幼馴染である牧島楓に「何かキャラ変わってない?」とドン引きされた。 - 市之瀬俊之
「お前が決めた道だ。俺がどうこう言うことじゃねぇよ」
市之瀬建設の社長、というか親方。常に財政が火の車の会社を切り盛りする、江戸っ子気質の頑固親父。奥方は既に故人で、男手一つで息子と娘を育ててきた。自分の学の無さを嘆いており、息子と娘には真っ当な教育と就職を望んでいたため、達哉が家を継ぐと(少々なげやりに)言った際は喧嘩になりかけた。
会社がある事件をきっかけに大損害を被った際、達哉がPMCであるD.O.M.S.に行くと言い出した時は殴り合いの大喧嘩になり、達弥は勘当同然に。だが、娘の報告に加え、帰ってきた息子の成長に感じ入る物があったのか、以降は理解を示すようになる。 - 牧島楓
「タッくんは私たちと違って、もう向こう側の人間なのかも」
達弥の幼馴染。同じく陣代高校に通う、さっぱりとした性格の明朗快活な少女。眼鏡娘。アデリーナが来日した際は、言葉が通じない状況でも常識知らずのアデリーナに臆すこと無く仕切ったり諌めたりと世話を焼いた。達哉がどこか遠くに行ってしまう予感に気づいてはいるが、それまでの日常の時間を大切にしたいとも考えている。 - 武村健司
「きっと、行ってしまうだろうね」
大柄で純朴そうな見た目の、達哉のクラスメート。達哉、楓と共に過ごす内、いつの間にか3人でいつもつるむのが当たり前になっていた間柄。伝統ある陣代高校ラグビー部のキャプテン。ゲーマーであり、ゲーセンによく通う。温厚な性格だが、時折みせる達哉の無神経さに声を荒げることも。
ラシッド王国
- ユースフ・ビン・ムハンマド・ビン・カーリム・アル・ケートリー
「こういう戦い方も、悪くない」
ラシッド王国第三王子。愛称はユースフ。エキゾチックな雰囲気を醸し出す細面のイケメン。3巻の表紙参照。同国のAS教導団司令だったが、様々な経緯からD.O.M.S.へ出向する事になった。その際のコールサインはオシラ5。
幼少より王家の人間としての厳格な教育を並々ならぬ努力で自らの糧にしてきた青年で、礼節精神知力体力財力地位を備え料理もできる上に、戦術指揮にAS操縦、格闘や射撃といった技術も修めた「絵に描いたような王子様」である。ただし、模擬戦の経緯から事あるごとに達哉と張り合ったり、空気が読めなかったり、度々歴史や文献から微妙にずれた引用をして語ったり、イスラム教における禁忌(ハラーム)に当たらなければ色々積極的に見聞を広めたがったり、戦闘中に芝居がかったセリフを言ったりと、残念なイケメン候補かもしれない。
尚、初登場時のイメージでは髭面の青年だったと賀東氏は語っている。 - ハッサン・ビン・ジャスイーム
「それがしでよければ、いつまでもお供いたしますぞ、殿下」
ラシッド陸軍中佐。幼少の頃よりユースフに仕える忠実な守役。ひげをたくわえたちょっと太めな、じいやポジション。単なる付き人ではなく、AS操縦技術など軍人としての技量もある。ユースフの態度や言葉、成長に、(傍から見れば大げさだが本人はいたって大まじめ)すぐ感動する。ただ心酔するだけでなく、必要なときはきちんと諫める。 - サミーラ・ビント・ハッサン
「……侍女の嗜み」
幼少よりユースフに仕えるハッサンの娘。今はユースフ付きの侍女。褐色肌で無表情のメイドさん。無表情ではあるが無感動・無関心ではなく、無表情ですっとぼけた態度で接しつつも常にユースフの身を案じている。 スカート下から色々必要な道具を取り出したりする上、AS操縦技術を修めており、メイド衣装で搭乗してAS空挺降下やAS格闘をこなす逸材。大特価グラム100円。 - マルヤム・ビント・アブドゥラ
「お待ちしておりました、我が背の君様!!」
ラシッド王国最大の港を有するアムル市の有力者、アブドゥラ・アル・アテヤ氏の娘。ユースフとの関係に、D.O.M.S.関係者は皆びっくり。クララの同年代に見える幼い少女。物腰は丁寧で可憐とまさにお姫様なのだが、食事の味に関しては何故か醤油に傾倒しており、クララやアデリーナ達とのショッピングの最中に立ち寄ったカフェで、アデリーナがマイマヨ、マルヤムがマイ醤油と火花を散らしたりもする。年代が近い為か、ユースフを除けばクララと最も交友を深める。
敵
- 三条菊乃
「きっとあの人になら、わたくしの初めてを捧げられると思うの」
日本人形のような白い肌、整った容姿に長い黒髪が映える、裏の世界ではサンジョウ姉弟と名の売れた、天才的なAS操縦能力を持った美少女。AS搭乗時は所々肌が露出した搭乗服を着る。実にエロい。
破壊工作、AS部隊襲撃など様々な形で暗躍しているが、味方側ですらドン引き恐怖する驚異的な技量・腕前や戦い方とは裏腹に殺しは苦手というか殺意満々で攻撃するも、なぜか直接の殺意で相手が死ぬことが無いらしい。戦いや殺し合いを性的なニュアンスで表現する一方、処女や童貞などといった言葉を破廉恥とかいやらしいとか言うよくわからない基準の持ち主。達哉との戦いと再度の邂逅を経て、自分の初めての相手は達哉と決めた様子。腐女子的に妄想が暴走する事もあり、ポスト「ガウルン」または「ゲイツさん」と言われている、アデリーナとは別の意味で残念な美少女である。 - 三条旭
「すいません、こんな姉で本当にすいません」
三条菊乃の弟。姉が美少女だけに美少年である。こちらも高いAS操縦能力を持つ。姉が近接戦闘を主に得意とする為か、こちらはAS戦闘で重火器を用いる模様。仕事における姉のサポートの他、エキセントリックな姉の言動に気苦労が絶えないツッコミ役。常に冷静沈着な人物かと思いきや、思わぬ攻撃を食らうと逆上する所も。 - ステファン・イリイチ・ミハイロフ
「確かに最近は、つまらん仕事ばかり引き受けてるか」
本人としては傭兵の積りだが、仕事内容的に裏の世界では有名なロシア人テロリスト。元はソ連のアフガン侵攻時からAS搭乗経験を積んだ最古参の兵士で最終階級は大尉だった様子。大型の肉食獣を思わせる雰囲気の、40歳半ばのスラブ系白人。三条姉弟と共に暗躍する。仕事上での障害の排除(=殺害)において「つまらん殺し」と言いつつも、路傍の石を退けるかのように手を下せる冷徹さを持つ。また、過去にアデリーナと何らかの因縁がある模様。 - ナタリア・イワノヴナ・ヤコブレワ
「まだ、私の事は忘れていなかったようですね」
ミハイロフの側近。愛称はナターシャ。元ロシア軍の中尉だった過去がある。眼鏡美人のようだがかなりキツイ性格の様子。カラー挿絵だとBBAとか言ったら多分無言で撃たれる。アデリーナと同じくミハイロフと因縁があるが、 アデリーナとは異なりミハイロフの側に居る。 - ヨナタン・クルピンスキー
「やれやれ、私は面倒が嫌いなのだよ」
AS開発部からミハイロフの下に出向してきた技術顧問。ただ開発だけでなくAS操縦も修めている。物腰は丁寧だがどこか爬虫類じみた顔立ちや人を食ったような慇懃無礼なしゃべり方に加え、研究のためには手段を選ばないマッドサイエンティスト気質の男。彼の携わる計画の影響により、物語の歯車は大きく回っていく。
組織
- D.O.M.S.(ダーナ・オシー・ミリタリー・サービス)
様々な顧客に対する訓練機会を提供するPMC(民間軍事会社)。アメリカのカルフォルニア州に本社オフィスと訓練所を構えている。市民や会社研修先としての護身術講座、基礎訓練の提供を始めとして、各国正規軍の本格的軍事訓練を請け負う事を主な業務とする。最も異色な点としては、各国正規軍のAS戦術を基にAS同士の模擬戦(仮想敵)を請け負う事を大きなウリとしており、顧客の要求を満たすASを用意する関係上、格納庫にはごく一部の機体を除いて、世界各国のASがまるで展示会のごとく並んでいる。…何故日本の96式があるのかは謎だが。
社長はメリッサ・マオ。設立協力者には、カードゲームといえば花札や札麻雀と広めた人物が居たとかいないとか。また、役員を始めとして残念な美形の巣窟でもある。
なお、社名の「ダーナ・オシー」とは、ケルト神話における、ダーナ神族(トゥアハー・デ・ダナン)が滅びたのちに生まれ変わった妖精のこと。前作に登場した某潜水艦の名称と一致するが…。 - ジオトロン・エレクトロニクス
ジオ社、ジオトロン社とも呼ばれる、第一世代ASの先駆け「XM4」の開発からM6 ブッシュネル、M9 ガーンズバックと西側のAS関連技術の研究開発・製造販売に携わる大企業。米軍を始めとして西側諸国に顧客を抱え、AS本体だけでなく各種武装装備その他、AS関連の分野に幅広く展開している。
とはいえ、冷戦終結後は世界的な軍縮の流れに逆らえず、大口顧客である米軍相手であっても新規のM9納入は進まず、無印(A系列)M9のM9A1型/M9A2型への改修で糊口を凌ぐ状態。
そのためか輸出営業にかなり積極的で、日本へのM9採用攻勢が強くなったのは軍需産業の冷え込みの影響と考えられる。アナザー開始時点でのCEOはアーネスト・カニンガム。ある計画を巡って達哉達と対立していく事となる。 - 恵比寿重工(EHI)
日本の防衛省技術研究本部や東芝、日立など他数社と共にAS-1を開発した会社。また、AS-1用の近接武装としてEHI「ドラゴンフライ」近接戦闘システムを開発。これはワイヤー付きで飛び出す単分子カッターの穂先にケンカショット上等の57ミリ散弾砲がマウントされ、おまけにAS-1にも搭載されたある機能まで付いている槍型のてんこもり武装である。 オペレータの腕次第で化ける装備だが、誰か止めなかったのか。
溝呂木主任がこの会社所属である事から、AS-1のアジャイルスラスタ搭載にあたっては主導をかっさらった非常にロッケンロールな社風を持つと思われる。 - ラシッド王国
アラビア半島東部に位置する新興国。ユースフはこの国の第三王子で、父親は国王である。経済面も含め西欧とのつながりも深い。宗派の違いからサウジアラビアとは微妙な緊張関係にあるが、双方とも経済が上手くまわっている状況から、既にその緊張も表向き・名ばかりの(誰も宗教を理由に紛争を起こしたくない)状態である。日本は建国当初から、有償ながら港湾施設などで建築技術供与や中央銀行の設立などに関わっている模様。
尚、主だった兵器は東側の物がメインなのだが、王家専用ASとしてドイツ製のヴォルフが納入されており、東側ASと西側AS、双方を配備する珍しい国となっている。 - ツーソン・インスツルメンツ
ジョン・ジョージ・コートニー退役海兵大佐が社長を務める会社。M6A2E2<ブッシュマスター>(M6 ブッシュネルの派生機)採用の「ブルローダー」補助駆動システムや、ASのマニピュレータが破損しかねない反動のゲテモノASハンドガン「M57 57mmハンドガン」、道楽用のホビー機体「タイニー・サベージ」などといった、独特な製品ラインナップを世に送り出している。本社がアメリカのツーソンにあるかは不明。社長がどんな人物かは、フルメタ本編または短篇集収録の「老兵たちのフーガ」を参照の事。 - 都立陣代高校
達弥達が通う高校。自由な校風は十数年経った今も健在の様子。フルメタ本編当時に廃部寸前であったラグビー部は伝統ある部活になっている。 - マランパ共和国
4巻前半の舞台。アフリカ西部のギニア湾岸に位置する小国。首都はコイド。元はフランスの植民地。軍部出身のカロン大統領の長期政権が続いており、適切に還元されれば国全体が豊かになれるほどの貴金属やレアメタルの鉱山を有するが、大統領の一族が利権を握っており、国民に還元されず殆どは政権基盤となる軍部のみ潤っている独裁国家。三年前から始まった反乱軍勢力との争いが続いている。フランスからの独立後も関係が深い事から、第二世代AS<ミストラル2>や第三世代AS<アルカンシェル>が配備されている。 - ガルナスタン共和国
6巻以降、物語の中心となっていく中央アジア南西の国。カスピ海に面した場所にあり、ソ連軍の租借地がある。元ソ連の構成国だが、冷戦終了後のロシアとはカスピ海の資源を巡って関係が冷え込んでいる。
登場機体
登場機体については、AS、PS共にアーム・スレイブの記事を参照。
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関連項目
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