ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドとは、Wii U / Nintendo Switch用のゲームソフトである。
略称は「BotW」「BoW」「ブレワイ」など。
概要
ゲーム情報 | |
---|---|
ジャンル | オープンエアアドベンチャー |
開発元 | 任天堂 |
販売元 | 任天堂 |
機種 | Wii U / Nintendo Switch |
発売日 | 2017年3月3日 |
価格(税別) | 6,980円 [通常版] 9,980円 [コレクターズエディション] 13,870円 [マイニンテンドーストア限定版] |
対象年齢 | CERO:B(12才以上対象) |
その他 | プレイ人数:各モード1人 |
ゲームソフトテンプレート |
据置機向けでは『スカイウォードソード』以来となるゼルダの伝説シリーズ完全新作。
E3 2014にてWiiUソフトとして情報が初公開、2016年にNintendo Switch版との同時発売と正式タイトルが発表された。
本作は2013年から掲げる"ゼルダのアタリマエを見直す"というシリーズコンセプトの下に開発が行われており、『時のオカリナ』以降の伝統であった「決められた順番でダンジョンを攻略していく」「一定の範囲で区切られた各マップを渡り歩く」といった構造が撤廃された。
すべてのマップがシームレスに繋がっている広大なハイラル王国の世界で、どこへ向かって何をするか、ゲームの展開が各々のプレイスタイルによって変わるという、『時オカ』以降当たり前となっていたゼルダの「型」を破った全く新しいゲームとなっている。自由度が高く、攻略に必要なアイテムは全て最序盤に渡されるので即全てのダンジョンを攻略することが可能で、どこへ行ってどの順番で進行しても破綻が無いゲーム設計となっている。ダンジョンを攻略せずストーリーもまったく進めていない初期状態のままラスボスに挑む事すら可能(ただしライフも防具も乏しいので必然的にオワタ式となるし、貧弱な装備でボスを攻略するための知識も要求される)。
なお国内版は、長い間英語表記だったロゴデザインがかなり久々に初代を思わせる日本語表記に一新されている(海外版も限定版の内箱の一面に同じ日本語ロゴを使用)。
Wii U版とNintendo Switch版のゲーム内容に違いは一切ないが、WiiUパッケージ版を遊ぶ場合はディスクからデータをインストールするため、本体またはUSBメディア(外付けHDDなど。USBメモリーは使用不可)に3GB(3000MB)以上の空きが必要。
E3 2019にて今作の続編が開発中であることが発表され、Nintendo Direct 2022.9.13にてそのタイトル『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』と2023年5月12日発売である事が発表された。
また、それとは別ラインの新作として、本作の100年前を舞台としたコーエーテクモゲームスとのコラボレーション作品『ゼルダ無双 厄災の黙示録』が2020年11月20日発売された。
ストーリー
|
||
本作の物語は、ハイラル王国の地下遺跡にて眠り続ける主人公「リンク」が目覚める場面から始まる。
リンクには一切の記憶がなく、この地域と時代についての知識が無い状態でハイラル王国各地を巡る冒険へと出発する。広大なハイラルの自然と様々な人々との出会いの中でリンクは記憶を取り戻しながら成長していき、かつて挑み、そして敗れた「厄災ガノン」へと立ち向かっていく。
主な登場人物
リンク
本作も含め、ゼルダの伝説シリーズ共通の主人公。シリーズ全般を通しての詳細については、記事「リンク(ゼルダの伝説)」を参照。
ハイリア人の男性で、100年前、ゼルダや英傑たちと共に厄災ガノンへと立ち向かった英雄。
戦いで傷付いた身体を癒すため、ハイラル王国南部「始まりの台地」の地下遺跡にて眠りについていた。ガノン復活の兆しと共に目を覚ますが、眠りの影響でかつての記憶を失っており、自分が何者であるかも不明の状態でハイラル王国の各地を巡ることとなる。
ゼルダ
リンク同様、ゼルダの伝説シリーズを通してのヒロイン。シリーズ全般を通しての詳細については、記事「ゼルダ」を参照。
ハイラル王国の王女で、ハイラル人の女性。編み込まれた金髪と太い眉毛が特徴。
100年前、リンクや英傑たちとともに厄災ガノンへと立ち向かった。戦いの中で英傑たちを失い、リンクが永い眠りについたなか、ひとりでガノンの力を封じ続けている。眠りから覚めたリンクを声で導く。
ハイラル王
詳細は記事「ローム・ボスフォレームス・ハイラル」を参照。
厄災ガノンによって滅んだハイラル王国の最後の王であり、ゼルダの父親。厄災によって命を失い、魂のみが現世に存在し続けている。
始まりの台地では、黒服に身を包んで正体を隠しつつ、記憶が定かでないリンクを見守る。
ダルケル
詳細は記事「ダルケル」を参照。
ハイラル王国北東部に位置するオルディン地方「ゴロンシティ」の戦士で、ゴロン族の男性。筋骨隆々な褐色の巨躯と、白いライオンのようなたてがみが特徴。
対ガノン用兵器「火の神獣ヴァ・ルーダニア」を操る"英傑"のひとりで、100年前にリンクと共に厄災ガノンと戦った仲間。豪快な性格。
リーバル
詳細は記事「リーバル」を参照。
ハイラル王国北西部に位置するヘブラ地方「リトの村」の戦士で、リト族の男性。オオワシのようなくちばしと青い体毛が特徴。
対ガノン用兵器「風の神獣ヴァ・メドー」を操る"英傑"のひとりで、100年前にリンクと共に厄災ガノンと戦った仲間。風を操る能力を持つ。性格や自信家でキザであり、ガノンに立ち向かおうとするリンクを挑発した。
ミファー
詳細は記事「ミファー」を参照。
ハイラル王国東部に位置するラネール地方「ゾーラの里」の王女で、ゾーラ族の女性。赤い体色の身体にきらびやかな装飾をまとっている。
対ガノン用兵器「水の神獣ヴァ・ルッタ」を操る"英傑"のひとりで、100年前にリンクと共に厄災ガノンと戦った仲間。傷を癒す能力を持つ。物静かな性格で、リンクとは幼馴染の間柄。
ウルボザ
詳細は記事「ウルボザ」を参照。
ハイラル王国南西部に位置するゲルド地方「ゲルドの街」で族長を務めていたゲルド族の女性。筋肉質な褐色の肌と赤髪が特徴。
対ガノン用兵器「雷の神獣ヴァ・ナボリス」を操る"英傑"のひとりで、100年前にリンクと共に厄災ガノンと戦った仲間。雷を操る能力を持つ。面倒見の良い姉御肌な気風で、コンプレックスに思い悩むゼルダを常に気遣う。
インパ
リンク同様、ゼルダの伝説シリーズに多く登場している人物。シリーズ全般を通しての詳細については、記事「インパ」を参照。
ハイラル王国東部に位置するハテール地方「カカリコ村」にて、村長を務めるシーカー族の老婆。
100年前の厄災ガノンとの戦いから生き延びた3人のシーカー族のひとりで、プルアの妹。当時のリンクやゼルダたちをよく知っており、失われてしまったリンクの記憶を取り戻せるよう導く。
プルア
詳細は記事「プルア」を参照。
ハイラル王国東部に位置するハテール地方「ハテノ村」にて、ハテノ古代研究所を構えるシーカー族の幼女。
100年前の厄災ガノンとの戦いから生き延びた3人のシーカー族のひとりで、インパの姉。研究の成果として子供の姿に若返っているが、実年齢は100歳をゆうに超える老婆。ガノンとの戦いで傷ついたリンクを眠りにつかせた人物で、シーカーストーンを強化してくれる。
属性てんこ盛りの異常に濃いキャラをしているが、これはプランナーの趣味によるもので、初期案はもっと凄まじかったらしい。
ロベリー
ハイラル王国北東部に位置するアッカレ地方にて、アッカレ古代研究所を構えるシーカー族の老人男性。
100年前の厄災ガノンとの戦いで生き延びた3人のシーカー族のひとりで、プルアの研究仲間。ガノンに乗っ取られてしまったガーディアンの復旧方法について研修を続けている。それら暴走ガーディアンへの対抗手段としての兵装の開発も併せて行う。
テバ
ハイラル王国北西部に位置するヘブラ地方「リトの村」の戦士で、リト族の男性。白い体毛と、目の上の睫毛状の毛が特徴。
寡黙で仲間思いの性格。ガノンに乗っ取られた「風の神獣ヴァ・メドー」により仲間を傷つけられたため復讐を誓い、飛行訓練場にて訓練を重ねている。村には彼を心配する嫁と息子がいる。
シド
詳細は記事「シド(ゼルダの伝説)」を参照。
ハイラル王国東部に位置するラネール地方「ゾーラの里」の王子で、ゾーラ族の男性。英傑ミファーの弟。姉と同様、赤い体色の身体に金の装飾を纏っている。
実直でやや強引な面もある性格。ガノンに乗っ取られた「水の神獣ヴァ・ルッタ」による水害を解決するため、リンクに協力を依頼。暴走状態のヴァ・ルッタへ共に立ち向かう。
ルージュ
ハイラル王国南西部に位置するゲルド地方「ゲルドの街」の現族長で、ゲルド族の少女。
幼くして先代の母を失い、族長を継いでしまったことに思い悩む。ガノンに乗っ取られた「雷の神獣ヴァ・ナボリス」による砂嵐と雷災害を解決するため、リンクに協力を依頼。暴走状態のヴァ・ナボリスへ共に立ち向かう。
ユン
ハイラル王国北東部に位置するオルディン地方「ゴロンシティ」の若者で、ゴロン族の少年。「ユン坊」の愛称で親しまれており、英傑ダルケルの子孫で彼と同じ英傑の衣装を纏い「ダルケルの護り」が使える。
屈強な体を持つがやや気弱で優しい性格をしている。「炎の神獣ヴァ・ルーダニア」が暴れた際にはダルケルの護りを利用して自身が砲弾となり、大砲で撃退していた。リンクと共にヴァ・ルーダニアの撃退へ向かう。
パーヤ
詳細は記事「パーヤ」を参照。
ハイラル王国東部に位置するハテール地方「カカリコ村」にて生活する、シーカー族の女性。村長インパの孫娘。
パパイヤの種の模様のアザがあることからパーヤと名付けられた。アザの場所についてはいずれ教えてもらえる。一人称はパーヤ、あだ名はパパイヤ。密かにリンクに想いを寄せている。
村の宝である宝珠を手入れし、リンクの力になれるよう祈りを続ける。
大妖精
シリーズ全般を通しての詳細については、記事「大妖精(ゼルダの伝説)」を参照。
非常に大きく豊満な身体を持つ妖精の女性。4人姉妹であり、ハイラル王国の各地に点在する「大妖精の泉」に鎮座している。
お布施が不足し力を失っていたが、リンクの持つルピーによって復活する。そのお礼として、防具の強化を行ってくれる。
コーガ
詳細は記事「コーガ」を参照。
ガノンを信仰し、リンクの命を狙う悪の組織「イーガ団」の総長。団員からは「コーガ様」と呼ばれている。
コログとボックリン
「コログ」は種族名で、個々の名前は一部を除いて明かされない。非常に小さな樹人のような種族で、樹皮のような体表を持ち、手足や頭部の突起は枝のようになっている。顔に付けた仮面のような木の葉が唯一の衣装。
ハイラル王国全土に広く生息しており、岩の下や木の上などに身を隠している。見つけることで「コログのミ」というアイテムを譲ってくれる。
ボックリンはほかのコログたちと比較してとても大きな身体を持っており、コログのミと愛用のマラカスを取られてしまい困っていたところをリンクに助けられる。コログのミを渡すことで、リンクのポーチを拡張しより多くのアイテムを持てるようにしてくれる。
デクの樹サマ
シリーズ全般を通しての詳細については、記事「デクの樹サマ」を参照。
コログやボックリンたちの暮らす「コログの森」にて、リンクが訪れるのを待っていた大樹。表皮には人の顔のような意匠があり、人語を解する。また、その内部は空洞となっており、コログたちの居住空間となっている。
新システム・特徴
オープンエアー
本作はいわゆるオープンワールド型のゲームであるが、独自のアートスタイルや自然に溢れた世界を自由に探索できるゲーム性、それに合わせて制作された音楽などから任天堂は同システムを「オープンエアー」と表現している。
冒険の舞台となるハイラル王国の大きさは『トワイライトプリンセス』のマップの12倍のサイズであり、[1]と、探索可能なエリアがとにかく広い。目に見えている範囲でのあらゆる地形に実際に到達することが可能なため、ボリュームは非常に大きなものとなっている。
ゲームシステムには物理法則の概念と高い自由度が取り入れられている。今作では、見えない壁や登れない壁といった行動を制限するものがほとんど無く、主人公のリンクは建物や樹木、崖などほぼ全ての場所を自在に登れるほか、川や海を泳ぐ、パラセールを用いて滑空する、盾に乗って坂道を滑り降りる、武器や爆弾で木をなぎ倒す、などの地形を利用した様々なアクションを行うことが可能。また、木製のアイテムや草木は高温になれば火が付き、食材はそれら火や冷気により調理される。気温が極端な場所では対策をしなければどんどん体力を奪われたり、天候によっては手が滑ったり落雷の危険性があったりと、様々な影響をリンクに及ぼす。
現実の1秒でゲーム内では1分進み、朝から夜、夜から朝へとリアルタイムで世界は変化していく。フィールド上には魔物のほかにも、鳥や鹿、熊といった動物のほか、魚や虫など大小さまざまな野生の生物が生息しており、狩ったり捕まえるなどにより料理や薬品の素材とすることができる。また、植物や鉱物なども各所にあり、それらの採取により素材としての利用が可能。
プレイヤーが踏み入ることができない地形が存在しない。フィールドもマップの切り替えやロードなしにシームレスに繋がっているため、断崖絶壁や高い壁を登攀して乗り越える、山の上からパラセールで滑空して他の地方へ着陸する、ダメージの伴う地形を体力回復アイテムを使用しながら強引に突破するなど、従来のゲームであれば解法ブレイクとなるようなルートでの踏破が可能。
これら性質上、本作には決められたストーリーの道筋というものが存在しない。ゲーム最序盤のチュートリアル以降はいきなり自由度の高い広大な世界へと放り出され、まずはプレイヤーは当面の目的から探すこととなる。メインシナリオの一応の最終目標は「ガノンの討伐」で、そのために「リンクの記憶を取り戻す」「神獣を取り戻す」などいくつか大まかな目的が与えられるものの、それらは好きな順番で攻略することができ、また全てをこなす必要もない。目的地の位置も示されるが、どうやってそこまで行くかは自分で考えた方法・ルートでよい。
それ故に、フィールドでの問題解決やダンジョンの謎解き方法がプレイヤーごとに違い、自分だけの冒険物語となる。たとえば、チュートリアルを終えた次にどの村に行くかはプレイヤーによってバラバラだし、そこにどういう方法で到達したかも全く異なる。そしてその全てが正解で、ゲーム進行に破綻をきたさないのである。
そして、リアルタイムに変化していくこの広大な世界にある多種多様な魔物や生物、地形やアイテムなどなどには全てに何かしらの意味が込められており(藤林D曰く、フィールド上に置いてある物でそこに置いてある意味を説明できないものは何もないとのこと)、目的がなくともただ世界を見て回るだけでも次々と発見があり、ストーリーを追う以外の意味での「冒険する楽しみ」が豊富に用意されている。
がんばりゲージとアクション
がんばりゲージは『スカイウォードソード』から採用された、何らかのアクションを起こす際に消費するゲージである。猛ダッシュやクライミング、パラセールによる滑空などで消費されたり、戦闘では溜め攻撃を行う際に消費される。ゲージの最大値は強化により増やすことができ、料理によって回復したり最大値を増やすこともできる。
- 壁面の登攀
- 本作では、垂直な断崖絶壁であろうが家の外壁であろうが尖塔の先端であろうがどこでも、がんばりゲージが続く限り果てしなく登ることができる。これによって断崖絶壁すら「壁」として機能せず、行動範囲の自由度が桁違いに高い。序盤であっても、がんばり回復効果の付いた料理や薬でドーピングして強引に進める。
- パラセール
- 高い崖から飛び降りた際に、がんばりゲージが続く限りグライダーのようにほとんど高度を落とさず滑空できる。高い山から飛べばかなりの距離を飛行でき、上空から目標物を探したり、目的地に直接ダイブすることすら可能。
武装及び回復アイテムの自給自足
本作の武器・盾・弓は今までのシリーズとは異なり、耐久度が設定されているため、ある程度使うとすぐに壊れてしまう。その代わり、大半の敵が武器や盾を持っており、倒せばそれらが手に入る。敵から奪うもの以外にも道中や街中にも落ちていたりするため、様々な種類のものを大量に手に入れることができる。とはいえ、持てる数には限りがあり、特殊なイベント等を除き原則として購入や売却も不可能なため、拾ったものをどんどん使い捨てていくスタイルとなる。
また、本作ではライフ回復用のハートが一切出てこない。代わりにフィールドで拾えるアイテムの中にキノコや果実といった食べられるものがあり、それによって回復を行う。従来では「あきびん」が無ければ手に入らなかったような消費アイテムも今回は自由に手に入れられる。フィールドの各所拠点には料理鍋が設置されており、前述の食材を調理して料理にしたり、虫や魔物の素材を元に薬を作ることもできる。体力回復の効果のほか、使用する材料によっては特殊な効果を発揮するものもある。
防具のカスタマイズ・強化
今作の防具は頭・服・靴の3つに分かれており、自由に組み合わせて着ることができ、姿に反映される。
防具には防御力が設定されており、防御力が他より高いもの、防寒や耐熱などの特殊能力があるもの、イベントで使用するものなど異なる長所があり、状況に合わせて的確に装備を変更する必要がある。
防御力は各地にいる大妖精に魔物の素材を渡すことで強化してもらえる。
尚、武具と異なり破損することはない。
これまでのリンクは緑色のとんがり帽子とワンピースで下はブーツという姿だったが、今作のリンクはゲーム開始時はパンツ一丁であり、本編の回想シーンやメインビジュアルで着ている「英傑の服」はセットとなる頭と靴がないため、通常の格好と言えるものが存在しない。これもまたアタリマエの見直しである。
シーカーストーン
本作ではキーアイテムとなる、古代文明が作り出したタブレット端末のような四角い石の板。
使用法もタブレットと同様で、マップの情報を表示し任意の場所にスタンプやキーで目印をつける機能や、望遠鏡としての機能、写真(ウツシエ)を撮る機能、現在進行中のクエストの確認機能、いわゆる図鑑機能などを保持し、古代文明が作成した様々な装置の起動キーになる。
タブレットとは異なるのは、これ単独でも様々な特殊能力を使用することができる点で、謎解きで役立つことになる。物理的な道具か魔法だったこれまでのアイテムと比較すると、物理法則を歪曲する超能力的で独特な性質を持ものが多い。
詳細は記事「シーカーストーン」を参照。
- リモコンバクダン(丸/四角)
- お馴染みのバクダンを生成する能力。投げた後は遠隔操作で任意に起爆できる。
丸と四角でそれぞれ1個づつ生成でき、丸は転がりやすく、四角は転がりにくい。
これまでのバクダンと異なり実物ではないため炎の性質を持たず、見た目や爆風が青い、引火しない、湿気ることなく水に浮く、普通に使っても魔物へのダメージは大きくない、等の特徴がある。 - マグネキャッチ
- 磁力の力で金属製のものを空中に浮き上がらせ、自由に動かせる能力。
金属でできてさえいればどんなに重いものでも持ち上げて移動させることができ、宝箱の引き上げや足場づくりに利用できるだけでなく、重いものを敵に叩きつければシャレにならない威力の武器となる。ジャイロ操作に対応しており、コントローラを何度も動かすとガンガン叩きつけたりする事もできる。 - ビタロック
- 対象となった物体の動きをそこだけ時間が止まったかのように止めてしまう能力。
止めた物体に衝撃を与えると運動エネルギーが「蓄積」され、ロックが解けた時に一気に解放されてすっ飛んでいく。これによって相当重いものでも遥か遠くへ吹っ飛ばせるし、他の物体にぶつけて動かしたり敵を攻撃する手段にもなる。ちなみに、「ピ」タロックではなく「ビ」タロックである。 - アイスメーカー
- 水面や滝を凍らせて氷の柱を作り出す能力。3つまで作成可能。
できた氷は気温や時間経過では融けることはなく、足場や壁として利用する、水中の宝箱を持ち上げる、凍らせることで水を止めるなどの用途に使用できる。 - ウツシエ
- 『ムジュラの仮面』以来お馴染みの、写真を撮って記録する機能。
今作では魔物やアイテムを撮ることで図鑑に記録されていくのだが、その際は「自分が撮影した絵」がそのまま図鑑に載るようになっているので、自分だけのこだわり図鑑を作成できる。
また、初めから記録されていた写真は自身の記憶を取り戻すための重要な手掛かりとなる。
その他システム
- ジャンプ
- 3Dの『ゼルダ』本編としては初めてボタンでジャンプすることが可能になった。ただし、従来のアクションゲームと比べると、飛べる高さが非常に低い。戦闘中、敵の攻撃をジャンプでタイミング良く避けたり空中で弓を構えることで周囲がスローモーションになり、集中攻撃のチャンスとなる。
- ステルスアクション
- 左スティックを押し込むとかがみ状態になり敵や野生動物に気づかれにくくなる。不意打ちも可能。画面右下に小さな紫の波形が表示され、自分が発している音の大きさを視覚的に知ることができる。特殊なアイテムの使用などで自らが発する音を小さくすることもできる。
- 会話ボイス
- 本作では主人公リンク以外のキャラクターに会話ボイスが追加されており、本編で会話ボイスが加わるのはゼルダシリーズ初である(CD-iで発売された他社製を除く)。
- シーカータワーと試練の祠
- ハイラル全土に点在する施設。これら入口に到達することでファストトラベルの移動先(ワープポイント)として利用できる。加えて、シーカータワーでは周囲のマップを入手でる。
試練の祠の内部は一つのお題について謎解きを行うひとくちサイズのダンジョンとなっており、クリアすることで成長アイテムである「克服の証」を入手することができる。 - ブラッディムーン現象
- 不定期に魔物たちがリポップするシステム。ときどき夜空に「赤き月」が昇り、深夜0時に世界が真っ赤に染まるとともにリンクが倒した魔物たちが再び元の場所にて復活する。そのエフェクトの内容から、作中の世界にてブラッディムーン現象と呼称されている。武器の入手を主に魔物から行うという本作の性質上、必要とされるシステムである。なお、副次的な効果として「ブラッディームーン中に行った料理は必ず大成功する」という設定も存在する。なお、同現象の発生するタイミングは明かされていないが、プレイヤー有志の研究にて「本体のメモリのキャッシュを掃除するタイミングが近いと起こる」が有力と目されている。つまり、多くの敵を倒したり、素材をたくさん集めたり、とリンクが世界に行った変更のフラグが多くなったらフラグのリセットが行われているのだと考えられる。本当に多様な行動を行えるゲームなので記憶領域の軽量化のためにこのような処理は避けられないのだが、それを世界観に組み込んだ形のイベントである。
- amiibo
- 本作はamiiboにも対応している。
このうち、ウルフリンクのamiiboを用いると、ゲーム中にウルフリンクを召喚することができ、一緒に行動してくれる。ウルフリンク以外にも、過去のゼルダシリーズ関連のamiiboを読み込むことで馬(エポナ)や特殊な装備・アイテムなどを手に入れることが可能である。 - 本作に関連するamiiboは、おなじみのリンク、ゼルダ姫のほか、ミファー、ダルケル、リーバル、ウルボザの四英傑たちやボコブリン、ガーディアンなどが発売されている。
- 達成率(マップ)
- 一度エンディングを迎えるとマップ画面にパーセンテージが追加される。一つの要素を見つけるごとに「0.08%」ずつ加算されていく対象は「神獣(ダンジョンクリアでマップに出現)」「祠(寄るだけで登録)」「コログ(ミを貰っていれば登録)」そして「寄らないと登録されない地名」である。対象の地名には「橋」「跡地」「遺跡」のようなものから「秘湯」「小屋」「ゴルフコース」「マラソン受付」とさまざま。「シーカー塔」「馬宿」「町」「施設」もこの対象に含む。これらの条件に「各チャレンジクリア」「克服の証コンプリート」「図鑑コンプリート」などなどは含まないのでお間違いなきよう。
魔物
本作では、ゼルダの伝説シリーズ過去作品から多数の魔物たちが引き続き登場しているほか、新登場となる魔物もいくつか追加されている。以下にそれら主な魔物について解説する。シリーズ全般を通しての詳細については、記事「ゼルダの伝説シリーズに登場する敵キャラクターの一覧」を参照。
- ボコブリン
- ゼルダの伝説シリーズの多数作品に登場している子鬼のような魔物。本作では直立したブタのようなデザインとなっている。ハイラル王国全土に広く生息しており、少数のグループにて各地にキャンピングしている。獣人タイプの魔物の中では弱い部類だが、反面、馬を乗りこなして狩りを行い、獲物を焼いて食すなどの知性を有する。体色が異なるいくつかの種類が存在し、「青ボコブリン」「黒ボコブリン」「白銀ボコブリン」の順で屈強さを増していく。また、夜には「スタルボコブリン」という亡骸が地面より這い出て徘徊する。
- モリブリン
- ゼルダの伝説シリーズの多数作品に登場している魔物で、本作ではボコブリンの上位種。ハイラル人の倍以上はあろうかという背の高さと、周囲のボコブリンを掴んで投げつけるほどの怪力と凶暴さを持つ。ボコブリン同様体色ごとに強さが異なり、「青モリブリン」「黒モリブリン」「白銀モリブリン」の順で強力になっていく。また、こちらも同様に「スタルモリブリン」という亡骸が夜間に徘徊している。
- リザルフォス
- 過去作品からの登場となるリザードマンの魔物。本作では、従来のトカゲではなくカメレオンがモチーフとなっている。その外観の通り、周囲の風景と同化し擬態する能力を有する。移動するスピードが非常に速く、岩場などの悪路もものともしない。水中を泳ぐこともでき、一旦見つかってしまえばハイリア人の足では逃げ切ることは不可能。「青リザルフォス」「黒リザルフォス」「白銀リザルフォス」といった体色の異なる種類のほか、「火吹きリザルフォス」「雹吐きリザルフォス」「シビレリザルフォス」といった亜種も存在している。他の獣人タイプの魔物同様に「スタルリザルフォス」という亡骸も登場する。
- ライネル
- 初代作品から登場しているケンタウロスの魔物。ハイリア人をはるかに凌ぐ巨躯とライオンのようなたてがみを有し、手にした巨大な武器で襲い掛かる。本作ではストーリーボスよりも強力で危険度の高い存在となっており、生半可な状態のリンクでは即死級のダメージを叩き出す攻撃や、倒し切るまでに何本もの武器が消耗し壊れるほどの生命力などの強さを持つ。その分、倒せた際にドロップする素材や武器はいずれも価値の高いものばかりである。「青髪のライネル」「白髪のライネル」などさらに強力な種類も存在する。
- ヒノックス
- 「神々のトライフォース」より登場しているサイクロプスの魔物。本作ではライネルやイワロック以上の巨体を持ち、周囲の大木などを引き抜いて武器として振り回してくる。剣やオノなどをペンダントのように首からぶら下げており、討伐した際はそれらを戦利品の武器として入手することが可能。
- イワロック
- 本作が初登場となる魔物。無数の巨大な岩が寄り集まって人型を成しており、剣や弓矢のような刃のついた武器では歯が立たない硬さを持つ。倒すためには、露出した心臓部の鉱床を砕く必要がある。希少な鉱石でできた種類も存在しており、それらを倒すことができれば、ダイヤモンドやルビーといった高価なドロップアイテムを入手できる可能性がある。
- ガーディアン
- 本作が初登場となる魔物。詳細は個別記事「ガーディアン(ゼルダの伝説)」を参照。古代ハイラル王国が対ガノン用兵器として作り上げた自律行動機械。100年前の戦いでガノンに乗っ取られてしまい、人々を襲うようになってしまった。火焔式土器をひっくり返して6本の脚をつけたようなデザインで、リンクを発見すると追走しながらレーザーによる攻撃を行ってくる。小型のタイプや、ドローンのような飛行型などの亜種もいくつか存在する。
- モルドラジーク
- 本作が初登場となる魔物。クジラのような姿をしており、ゲルド砂漠に生息する。砂の中を泳ぎまわり、砂上にいるリンクめがけて襲いかかってくる。
- イーガ団
- 本作が初登場。厄災ガノン側に寝返り、人々の命を脅かすようになったシーカー族たち。ガノンと敵対するリンクの命を奪うべく、ハイラル王国全土に刺客が送り出されている。全身を赤い装束で覆い隠しており、末端構成員は忍者タイプで小刀や弓矢を、幹部は侍タイプで太刀と術を用いて襲い掛かる。旅人や村人に扮して、街道上で奇襲をかけることもある。総長は「コーガ様」。
DLC
2017年6月30日、および2017年12月8日にDLCによるコンテンツ追加がなされている。両DLCを入手するための利用権「エキスパンション・パス」は本作と同日に発売されており、ニンテンドーeショップにて購入が可能。DLCの内容は下記の通り。
段数 | リリース日 | 内容 |
---|---|---|
エキスパンション・パス購入特典 | 2017年3月3日 | |
第1弾「試練の覇者」 | 2017年6月30日 | |
第2弾「英傑たちの詩(バラッド)」 | 2017年12月8日 |
受賞
発売前から各メディアレビューで軒並み高評価を得ており、数々の賞も受けている。
- Game Critics Awards 2016
- 38のメディアがE3のベストゲームを選ぶ。16部門中総合ベスト部門、ベストコンソール部門、ベストアクションアドベンチャー部門の3冠達成。総合ベスト部門受賞は国産ソフト初。
- IGN E3 2016アワード
- 総合部門
Wii U部門
アドベンチャー部門
レビュー収集サイト・Metacriticでは、100点満点中97点の平均点を獲得。同シリーズでは『時のオカリナ』の99点に次ぐ高得点となった。もっとも、『時のオカリナ』の発売当時はゲームをレビューするメディアが少なかった(20程度)ため、100以上のメディアに評価された上で97点を獲得したのは驚くべき偉業であることを特筆すべきだろう。
ゲーム・オブ・ザ・イヤーでは、「4大GOTY」と呼ばれるGJA、TGA、DICE、GDCでいずれもGOTYを獲得。日本のゲームとしては史上初となる4大GOTY制覇を達成した。国産を除いても、『The Elder Scrolls V: Skyrim』に次ぐ2本目となる快挙である。日本国内においても、「日本ゲーム大賞」の年間作品部門大賞や「ファミ通アワード」のゲーム・オブ・ザ・イヤーに輝いている。
- 2017 Golden Joystick Awards
- Ultimate Game of the Year
Best Audio
Nintendo Game of the Year
Critics' Choice Award - The Game Awards 2017
- Game of The Year
Best Game Direction
Best Action/Adventure Game - 21st Annual D.I.C.E. Awards
- Game of the Year
Outstanding Achievement in Game Direction
Outstanding Achievement in Game Design
Adventure Game of the Year - Game Developers Choice Awards
- Game of the Year
Best Audio
Best Design
ユーザーからの評価も高く、ファミ通が企画した「平成のゲーム 最高の1本」では、『クロノ・トリガー』に次ぐ2位、2021年末にテレビ朝日系列で放送された「テレビゲーム総選挙」では1位を獲得した。
関連動画
PV・紹介動画
プレイ動画
関連静画
リンク
ゼルダ
その他登場人物など
関連リンク
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド | Nintendo
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド | Wii U | 任天堂
- ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド | Nintendo Switchソフト | 任天堂
関連項目
|
脚注
親記事
子記事
兄弟記事
- リンク(ゼルダの伝説)
- ゼルダ
- ガノンドロフ
- デクの樹サマ
- チンクル
- ゼルダ史
- マスターソード
- ゼルダの伝説関連項目一覧
- ゲルド族
- ハイラル王国
- ゾーラ族
- ゴロン族
- ハイリア人
- インパ
- テリー(ゼルダの伝説)
- コログ族
- リト族
- プルア
- ハイリア
- シーカーストーン
- イーガ団
- ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
- ゼルダの伝説 知恵のかりもの
▶もっと見る
- 73
- 0pt