ゴールデンカムイ(GOLDEN KAMUY)とは、「週刊ヤングジャンプ」で2014年38号から2022年22・23号合併号まで連載されていた北海道グルメ漫画一攫千金サバイバルマンガである。作者は野田サトル。
作中のアイヌ語については、アイヌ語研究者の中川裕氏が監修を務めている。
コミックスは全31巻。
『このマンガがすごい!2016』オトコ部門2位、『マンガ大賞2016』 1位受賞。
2018年4月に第1期、10月に第2期のアニメ放映が開始。
放送日時は、第1期が2018年4月9日より、TOKYO MX、読売テレビ、札幌テレビ、BS11、時代劇専門チャンネルにてオンエアされる。ネット配信(見放題サービス)はFOD独占。第2期が、放送局が第1期の局そのままで、10月8日からオンエアされる。また2019年7月7日に公式Twitterにて第3期が制作されることが発表された。2020年3月14日には第3期の10月放送開始が発表された。また第4期が2022年10月よりTOKYO MX他にて放送開始。
2024年1月には実写映画版が公開。2024年10月6日からは実写映画版の続編となる連続ドラマ版「北海道刺青囚人争奪編」がWOWOWで放送・配信開始。
概要
明治時代末期、日露戦争直後の北海道を舞台にした、サバイバルマンガ。
アイヌが残した八万円(現代の価値で約8億円)の金塊を巡り、複数の勢力と自然の猛威と獣が入り乱れ、金塊のありかを示したといわれる「刺青」を持つ脱獄囚との生存競争が繰り広げられる。
また、顔芸ヒロインアシㇼパによる数々のゲテモノアイヌ料理も披露され、それをすごく嫌そうにおいしそうに主人公の杉元が食べるのを見て読者がお腹を鳴らすグルメ漫画でもある。そして数多くの変態描写に読者がドン引きする漫画でもある。
担当編集者の大熊八甲氏は、この作品を「和風闇鍋ウエスタン」と称しており、要素ごとに色々な楽しみ方ができるとインタビューで語っている。また、作者の野田サトルはこの漫画について、以下のように述べている。
男根の細い、どこに入れたらいいか思い悩むような
中性的で弱い男たちの時代は終わりです。
全裸のたくましい男たちが
刺青人皮を奪いあう。
蘇民祭でいうところの麻袋です。
ゴールデンカムイ=蘇民祭です。
ストーリー
日露戦争から復員した主人公の杉元佐一は、ある事情のため大金が必要になり、砂金が採れるという北海道の地を訪れた。砂金は全く見つからなかったものの、杉元はアイヌが残し、今は網走刑務所に収監されている囚人「のっぺらぼう」が奪って隠したという金塊の情報を得る。
金塊の隠し場所は網走刑務所を脱獄した囚人たちに刺青の形で託されており、杉元は金塊が奪われた際に父を殺されたアイヌの少女・アシㇼパの協力を得て、囚人たちの入れ墨を集め始める。
だが金塊の情報は他の勢力にも知れ渡っており、極寒の北海道の地を舞台に金塊争奪戦の幕が開くのであった。
主要登場人物
- 杉元佐一(すぎもと さいち) CV:小林親弘/実写キャスト:山崎賢人
- 元陸軍第一師団所属の復員兵。日露戦争では二〇三高地の戦いにも参加した。
復員後、一攫千金を求めて北海道に渡るが、アイヌの埋蔵金を巡る争いに巻き込まれる。
- 戦場では凄まじい戦いぶりを見せ、どうやっても殺せないと噂されていた。通称「不死身の杉元」。ただし射撃の腕前は悪い。
軍医でさえ諦めるような傷でも一晩経てば治ってしまうという超人的な回復能力を持つ。第一話では頸部に弾丸を受けながらもロシア兵相手に白兵戦を展開するというぶっとんだ描写がなされた。また顔には大きな傷跡が何本も走っており、全身にも多数の傷跡が残っている。
激戦を潜り抜けた復員兵である故に暴力や殺傷行為にまったく躊躇が無いが、義に厚く自己犠牲精神が強い。しかし物事をすぐ暴力で解決しようとする悪癖があり、アシㇼパからも度々窘められている。
自身以外の家族が結核で全滅しており、その際に地元では差別を受けていたことから、差別行為には怒りを露わにする。
- アシㇼパ CV:白石晴香/実写キャスト:山田杏奈
- ヒグマに襲われていた杉元を助けたアイヌの少女。
杉元から父ウイルクが殺される原因になった金塊の話を聞き、その犯人へと辿り着くために杉元に協力することになる。
- 名前の「アシㇼパ」は「新年」「未来」を意味するアイヌ語であり、自分のことを「新しい時代のアイヌの女」と呼ぶ。父親に従って山に入ることが多かったため、猟や山に関しての知識・経験は深いが、縫い物・織物はできず、風習として口や手に施す入墨も入れていない。そのため、山の中で動物の糞を見かけてはしゃいだり、「ストゥ」と呼ばれる制裁棒をやたらと振り回す場面が多く見受けられる。※ストゥの乱用は決して許されない
- 杉元の持っていた味噌のことをオソマ(アイヌ語でうんこ)と思っており、料理に入れるのを頑なに拒んでいた。だが後に、味噌が入っている桜鍋を食し、味噌の美味さに気付くことに。でも味噌のオソマ呼ばわりはやめない。
本作の顔芸担当。美少女である事には間違いがないのだが、得も言われぬ顔芸は本作の見所の一つでもある。父がポーランド人と樺太アイヌのハーフだった為、父と同じ濃紺色の瞳を持つ。
- 戸籍上の和名は小蝶辺明日子(こちょうべ あすこ)。幼子の命を病魔から守る為に汚いものの名をつけるというアイヌの風習により、幼名はエカシオトンプイ(祖父の尻の穴)。
- 白石由竹(しらいし よしたけ) CV:伊藤健太郎/実写キャスト:矢本悠馬
- 「脱獄王」の異名をとる天才脱獄犯。杉元が求める埋蔵金のありかを示す刺青を持つ囚人の一人。
杉元との取引により協力関係になる。一見すると間の抜けた三枚目だが、用意周到で油断ならない男。戦闘能力は皆無だが、自分で関節を外してはめなおせる特異体質に加え、狭い所でも出入りできる身体能力、高いコミュニケーション能力などは間諜として優秀。よく動物に頭を噛まれる。
また作中では、白石のフェイスアイコンがそこかしこに見受けられる。※シライシの乱用は決して許されない
モデルは「昭和の脱獄王」こと白鳥由栄。
- レタラ
- 純白の毛並みを持つエゾオオカミの生き残り。名前の「レタラ」はアイヌ語で「白い」の意。
子供の頃からアシㇼパに育てられ、成長後は彼女の元を離れるが、今でも彼女のピンチの際には助けに駆け付ける。高い知能と大の大人をねじ伏せる力を持つ。
普段は威厳ある態度を取っているが、アシㇼパと二人のときには仲良くじゃれる。かわいい。
陸軍第7師団関係者
- 鶴見篤四郎(つるみ とくしろう) CV:大塚芳忠/実写キャスト:玉木宏
- 陸軍第七師団の屯田兵を率いる男。階級は中尉。下の名を呼ぶ知人は稀で、専ら「鶴見中尉」と呼ばれる。
日露戦争では奉天会戦にも参加し、その際砲弾で前頭部の頭蓋骨と前頭葉の一部を失い、ホーロー製の特注額当てで傷跡を覆い隠している(たまに変な汁が漏れる)。脳が欠けたことで感情の起伏が激しくなり、相手が上官だろうが部下だろうが、意に沿わぬ反逆者にはすぐ(物理的に)噛み付き、私刑に処す事を躊躇しない、不気味な男。
ある目的のために上官を謀殺してまで埋蔵金を追い求める。
情報将校出身で上官からは一目置かれるどころか危険視すらされていた切れ者で、軍上層部の弱みを握っているために実際の階級に見合わぬ越権を黙認される程の権限・行動力・人脈を有する。しかし脅迫とコネ一辺倒の無能ではなく、人心掌握術と話術詐術に長けている悪魔の頭脳の持ち主。そのカリスマ性から彼に心酔する部下は多い。
戦後、自分たちを冷遇した軍・政府への復讐および貧困に苦しむ部下の遺族たちを救済するため、埋蔵金を資金源として武装蜂起、北海道に軍事国家を築き上げることが目的。
モデルは須見新一郎か?
- 尾形百之助(おがた ひゃくのすけ) CV:津田健次郎/実写キャスト:眞栄田郷敦
- 鶴見中尉の部下の一人。階級は上等兵。
杉元たちと最初に交戦した屯田兵。
スコープ無しのボルトアクションライフル(帝国陸軍制式の三十年式歩兵銃)で300m以内なら確実に目標の頭部を撃ち抜けると豪語する狙撃の達人。
杉本にも劣らぬ戦闘力と生命力で、普通なら死んでもおかしくない重症からも生還した。この時イメチェンもした。
実は鶴見を裏切っており、何らかの思惑をもって暗躍する。
山猫という異名や狙撃時の体勢はカルロス・ハスコックがモチーフ。
- 谷垣源次郎(たにがき げんじろう) CV:細谷佳正/実写キャスト:大谷亮平
- 鶴見中尉の部下の一人。階級は一等卒。
東北マタギの出身で、アシㇼパの追跡撹乱術をマタギの知恵で見破った。
小隊壊滅後は色々と思うところから原隊に復帰せず、二瓶やアシㇼパのコタン(集落)と行動を共にする。
義理堅く真面目な性格。しかし何かと「勃起」に縁がある。本作のお色気担当。
- 二階堂兄弟(にかいどう - ) CV:杉田智和/実写キャスト:柳俊太郎(二役)
- 鶴見中尉の部下の一人。階級は一等卒。
一卵性双生児の双子で兄が浩平(こうへい)、弟が洋平(ようへい)。
- 兄弟仲は良く、常に二人で行動している。二人とも執念深く残忍な性格。
その後、洋平は杉元に殺され、以後、浩平は精神に異常をきたすようになった他、弟の仇である杉元へ憎悪を抱くようになる。
話が進むにつれて体がどんどん欠損していき、その都度多機能(マルチ)で便利な義肢が提供される。頑張れ!ニカイダー!!
- 月島基(つきしま はじめ) CV:竹本英史/実写キャスト:工藤あすか
- 鶴見中尉の部下の一人。階級は軍曹。
数ある部下たちの中でも良心的な存在だが、鶴見の計画の黒い部分を知っていてもなお忠誠を誓う。
小柄だが屈強で優秀な軍人。
しかし良識人ゆえの気苦労が絶えない苦労人でもあり、特に先任として教育を担当している鯉登には手を焼いている。
後に過去が描かれ、悪童と呼ばれた事や「いご草」と呼ばれる女の子との交流、そして鶴見中尉に忠誠を誓った経緯が明かされた。
- 鯉登音之進(こいと おとのしん) CV:小西克幸
- 鶴見中尉の副官。階級は少尉。
色黒の薩摩隼人で、隊員の中でも特に鶴見に心酔している。
示現流を修めており、手負いとはいえ杉本を白兵戦で圧倒した。
父の鯉登平二は海軍少将で、青森県の大湊要港の司令官をしている。
驚いたりすると示現流の猿叫を上げる癖がある。
- 宇佐美時重(うさみ ときしげ) CV:松岡禎丞
- 鶴見中尉の部下の一人。階級は上等兵。
彼もまた鶴見に心酔しており、鯉登からは目の敵にされている。両頬に線対称的に付いている丸いホクロが特徴。
網走監獄が本来持ち得ないはずの武器の保管場所や購入資金のルートを探るため鶴見の命で新人看守として潜入していたが、犬童典獄にバレてしまい、門倉看守部長に始末を任された囚人を返り討ちにして脱出。鶴見中尉の下に帰還する。
報告の際に武器の保管場所を発見できずに正体が露見してしまった罰として鶴見により万年筆で例のホクロに走る棒人間の絵を描かれてしまうもそれを喜んで入れ墨にしてしまった。
- 菊田杢太郎(きくた もくたろう)
- 鶴見中尉の部下の一人。階級は特別曹長。
日露戦争当時から鶴見中尉の配下として従軍していたが、負傷により長期離脱しており、登別温泉での湯治を終えて金塊争奪戦に途中合流した。ロシア軍将校から大量に鹵獲した拳銃(ナガンM1895)の二丁拳銃で戦う。
実は杉元と面識があり、上京したばかりの彼が成り行きで従軍する切っ掛けを作った人物。
元は第一師団所属であり、東京の陸軍中央部から第7師団に送り込まれたスパイ。鶴見中尉の動向と暴走の監視、金塊探しの情報を中央に流すことを命ぜられていた。
- 有古力松(ありこ りきまつ)
- 菊田特別曹長の部下。階級は一等卒。
日露戦争で菊田共々負傷し、同じく湯治を終えて第7師団に合流した。
色黒肌の登別アイヌ出身兵で、アイヌ名は「イポプテ」。その出自ゆえに雪山行を得意としている。
有古の父親こそが埋蔵金を隠し場所を知る「7人のアイヌの長」のうちの一人であったが、利害の果てに内輪揉めとなり殺し合いの末に首だけ惨殺体と化す憂き目に遭う。更に有古当人も、土方陣営と鶴見中尉から互いに偽情報・偽刺青人皮を掴まされ、二重スパイとして土方陣営に潜り込むことを強要され、双方から信用されない難しい立場に置かれる。
刺青人皮の脱獄囚と犯罪者達
- 土方歳三(ひじかた としぞう) CV:中田譲治(若年期:中村悠一)/実写キャスト:舘ひろし
- 脱獄囚のリーダー的存在。函館戦争を密かに生き延びていた元新撰組「鬼の副長」。
70に近い老体でありながら屯田兵や荒くれ者を簡単に切り伏せる等、その腕前は衰えていない。
彼もまたある目的のために埋蔵金を追う。
- 永倉新八(ながくら しんぱち) CV:菅生隆之(若年期:中井和哉)/実写キャスト:木場勝己
- 土方に付き従う元新撰組の同士かつ隊内きっての剣客。綽名は「ガムシン(我武者羅な新八)」。
自身は脱獄囚でないが、網走監獄に務める看守達への剣術指南役顧問として通っていた。後に脱獄してきた土方と合流し彼の理念に賛同。武器や住居を提供し、自らも刺青捜索に参加している。
土方と比べて年相応に老いてはいるがその腕前は…?
- 牛山辰馬(うしやま たつうま) CV:乃村健次/実写キャスト:勝矢
- 刺青を持つ脱獄囚の一人。
10年間不敗を誇った柔道家で通称「不敗の牛山」。もしくは「チンポ先生」。
屈強な大男で人間を容易く投げ飛ばし、足払いで馬を転がせる恐るべき怪力と性欲の持ち主。
利害の一致で土方一派に参加する。発情期以外は太っ腹で面倒見のいい好漢。
モデルは「最強の柔道家」木村政彦とその師匠である「鬼の」牛島辰熊。
- 後藤竹千代(ごとう たけちよ) CV:青山穣/実写キャスト:マキタスポーツ
- 杉元が初めて出会う脱獄囚。
アル中であり、酒が原因で妻子を殺し網走監獄へ投獄された。
小樽で酒に酔った際、金塊の話をした事から杉元はその存在を知る事となる。
- 二瓶鉄造(にへい てつぞう) CV:大塚明夫
- 刺青を持つ脱獄囚の一人。伝説的な猟師で、今までヒグマを単独で200頭以上狩っており「冬眠中の羆もうなされる、悪夢の熊撃ち」と呼ばれる。勃起。
独自の美学を持ち、旧式で一発ごとにリロードが必要な十八年式村田銃を愛用している。勃起。
埋蔵金には興味がなく、山で死ぬために脱獄したおしゃべりで豪儀な男。勃起。
レタㇻを最高の獲物と見定めて付け狙う。勃起。
モデルは生涯でヒグマ300頭、日本最悪の羆害をもたらした「袈裟懸け」を仕留めたマタギ山本兵吉、
並びに熊谷達也の小説『銀狼王』の主人公である二瓶。勃起。
ちなみに銀狼王は連載の大元となった小説で、作者によると二瓶を主人公にする考えもあった。勃起。
作者の前作「スピナマラダ!」にも彼そっくりの二瓶利光という人物が登場する。指導。
- 辺見和雄(へんみ かずお) CV:関俊彦
- 刺青を持つ脱獄囚の一人。各地を放浪しながらニシン番屋働きに落ち着くまでに100人以上を殺してきた殺人鬼。
普段は礼儀正しく、人当たりの良い性格だが、その正体は息をするように平然と無差別殺人を行うサイコパス。殺人に性的快楽を覚える作中屈指の変態だが、少年期に弟が猪に殺される現場を目の当たりにして以降「強大な何者かによって蹂躙され、必死に抵抗しながらも無残に殺されたい、弟と同じ死に方をしたい」という背反した歪んだ願望を持つ。
作者のTwitterより、辺見の股間が光っている描写はElectric SixのDanger! High Voltageのミュージックビデオをイメージしたものであるということが明らかになった。
モデルは全米17州で総数360人あまりを殺して回ったと言われる連続殺人犯ヘンリー・リー・ルーカス。
- 家永カノ(いえなが - ) CV:大原さやか
- 刺青を持つ脱獄囚の一人。札幌でホテルを経営している妙齢の美女。その正体は元医者の年老いた男。
身体の不調な部位と同じ部位の食材を食べることにより回復するという中国の薬膳「同物同治」の思想を信じており、数々の他人を自身に「取り入れ」今の美貌を手に入れた。
からくり屋敷のように改装した『札幌世界ホテル』で気に入った宿泊客を監禁しては「取り入れ」ていた。
モデルは自らが経営する「殺人ホテル」において、多数の人間を殺害したとされるH・H・ホームズ。未亡人が改築を繰り返した迷路の様な屋敷、という点の元ネタはウィンチェスター・ミステリーハウス。食人という点や動機が美貌の獲得という点はそれぞれハンニバル・レクターとエリザベート・バートリが元ネタか?
- 若山輝一郎 (わかやま きいちろう) CV:銀河万丈
- 日高で出会った中年の男。暗号の刺青ではなく「倶梨伽羅紋々」を背負うヤクザの親分。
八百長に失敗した部下を躊躇無く処刑する冷酷な男で、数々の商売敵を斬り殺してのし上がったと豪語する武闘派。
腕っ節も杉元との白兵戦において、仕込み刀で銃剣を切り落として使用不能にする腕前を持つ。
実は(下半身に)刺青を持つ囚人の一人。また、部下の一人である仲沢達弥とはホモカップルの仲で、仲沢を「姫」と呼ぶ。いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(はず)
- モデルは若山富三郎もしくはその弟の勝新太郎か?名前の「輝一郎」も富三郎の息子の若山騎一郎が由来と思われる。
- 江渡貝弥作(えどがい やさく) CV:内田雄馬
- 夕張で剥製職人を営む青年。別名「江渡貝くぅん」。年若いが剥製作りに掛ける情熱と技術は確か。
子離れのできない母と共に暮らしているようだが…
実は墓場から掘り起こした死体を基に、人間の剥製を作ることに偏執する変人。
母親も既に病死し、同様に剥製に仕立て上げていた。
自分の作品を認めてくれた鶴見に協力し、刺青人皮の贋物を作り上げた。
モデルは、人皮で色んな物を作っていた猟奇殺人犯エド・ゲイン。
- 鈴川聖弘(すずかわ きよひろ) CV:楠大典
- 刺青の脱獄囚の一人で、詐欺師。かつては米軍の大佐などになりすまして結婚詐欺を繰り広げていた。
変装技術は人によっては見分けがつかないレベルでなりすませる。また、人を信用させるための話術も巧みであり、詐欺師としては超一流と言っても過言ではない。
脱獄後は政府高官になりすまし、樺戸監獄の囚人たちを逃した後、囚人たちと一緒に月形近くのアイヌのコタンを乗っ取り、アイヌに成り済ます。
モデルは自らを「アメリカ空軍のパイロットでカメハメハ大王とエリザベス女王の末裔」と自称し、結婚詐欺で計1億円を騙し取った詐欺師のジョナサン・エリザベス・クヒオ(これまた自称)。
- 熊岸長庵(くまぎし ちょうあん) CV:古川登志夫
- 偽札偽造犯で樺戸監獄に服役していた男。美術家でもあり、色んな名作の贋作を手がけてきたキャリアから偽の刺青人皮を判別させるため土方一味に利用されそうになるが、既に死亡していた。
実は生存しており、鈴川聖弘の手引きによって脱走、その後は一味が乗取ったアイヌのコタンで軟禁されながら偽札製造をさせられていた。
- 坂本慶一郎(さかもと けいいちろう)
- 刺青の脱獄囚の一人。稲妻強盗と呼ばれ裸足で一日に200キロも移動できた健脚の持ち主。
脱獄後は内縁の妻「蝮のお銀」と再会し、かつてのように強盗などを行っていた。
モデルは実在の強盗でやはり稲妻強盗や稲妻小僧と呼ばれていた坂本慶次郎から、また、お銀とのコンビは作中でも言及されているアメリカの強盗カップル「ボニー&クライド」がモデル。
余談だが作中での時期は現実には電小僧(いなずまこぞう)こと西尾柳喜という別の窃盗犯も存在していた。
- 姉畑支遁(あねはた しとん) CV:堀秀行
- 刺青の脱獄囚の一人。一見善良な学者風の男で、実際に北海道の動植物に関する知識は極めて豊富。
しかしその正体は動植物を獣姦(ウコチャヌプコロ)しては殺すという、変態や狂人だらけの本作でも白眉のド変態である。何をトチ狂ったか、遂にはヒグマ(♂)へのウコチャヌプコロを企み、杉元一行は背中の刺青を守るために助けたくもないのに彼を守るハメに。
- あまりの変態かつ倫理的にヤバいエピソード故に、アニメ化はムリ!と思われていたが23巻アニメDVD同梱版において、ついにODA形式でのアニメ化が実現することになった。
- 元ネタはかの有名な動物学者アーネスト・シートン。勿論本人にこんな趣味はない。また、行動や言動などにはムツゴロウさんこと畑正憲の影響もうかがえる。集英社はそんなに裁判したいのか?
- 都丹庵士(とに あんじ)CV: 水島裕
- 刺青の脱獄囚の一人。禁止されているはずの硫黄山での苦役で失明した老ガンマン。
しかし代償に研ぎ澄まされた聴覚と舌打ちエコロケーションを駆使して、暗闇では常人よりも正確に行動できる。
自分たちを失明に追い込んだ犬童と鉱山会社を強く恨んでおり、夜道で重役を狙っては強盗殺人を繰り返していた。
モデルは西部劇映画「盲目ガンマン」の主演を務めた俳優トニー・アンソニーと神聖モテモテ王国のファーザー。
- 岩息舞治(がんそく まいはる)CV:三宅健太
- 刺青の脱獄囚の一人。樺太まで逃亡しており、ロシア人に紛れて生活していた。
牛山に劣らぬ日本人離れした体格の持ち主で物腰は柔らかく紳士的だが、人を殴ることを「自己表現」と称し、肉体言語を通してしか意思疎通・感情表現ができない変人。獄中でも暴力沙汰を何度も起こしていた。やっぱり変態かよ…
そのため殺人等の凶悪犯罪に手を染めた訳ではないが、暴力事件だけで極刑に処された稀有な人物。
- モデルは現在も服役中の「英国史上最狂の犯罪者」マイケル・ピーターソン。
- 土井新蔵(どい しんぞう)CV:清川元夢(若年期:小野大輔)
- 刺青の脱獄囚の一人。土方らと同年代であり、作中時点ではニシン番屋で下働きするボケた老人だが、名前は偽名で正体はかつて幕末の京都で要人の暗殺を重ねた「人斬り用一郎」。
- モデルは「土井鉄蔵」という偽名を使用したこともある「幕末の四大人斬りの一人」岡田以蔵。
網走監獄の獄卒
- 犬童四郎助(いぬどう しろすけ) CV:土師孝也
- 網走監獄の典獄(監獄長)。実兄を函館戦争で亡くした恨みから樺戸集治監時代から土方を幽閉し、報復を企んでいた。
規律に厳格で潔癖な一方、個人的な動機で土方や囚人を不当に扱う等、歪んだ人物。
- 門倉利運(かどくら としゆき) CV:安原義人
- 網走監獄の看守部長。眠たそうな目つきをした昼行燈で犬童からも腑抜けタヌキと馬鹿にされている。
実は土方の内通者。土方、杉元らの網走監獄潜入の手引きをし、後に正式に土方陣営に加わる。
アイヌ関係者
- キロランケ CV:てらそままさき
- アシㇼパの父親の古い友人。アシㇼパの父親と共にロシアから日本へと渡ってきたアイヌ。
名の由来は「駆け抜ける鷲」…と当大百科ではそう推測されていたが、後に公式の発表で「下半身が力強い」という事が判明した。勃起。
堂々たる体格の偉丈夫で、日露戦争には第七師団(鶴見隊とは別の部隊)として従軍し、戦闘工兵として爆薬の扱いに長け、杉本に劣らぬ咄嗟の判断力と戦闘力を持つ。
馬への愛着が強く、扱いにも長ける。なので馬肉は絶対に食べないというポリシーを持つ。
女性の好みはぽっちゃり系で実際奥さんはぽっちゃり体型である。
ある衝撃の真実を杉元たちに告げる。
- 土方「ロシアのパルチザンである可能性が高い」
- インカラマッ CV:能登麻美子
- キツネを思わせる美人のアイヌの女。名の由来は「見る女」。
占い師を自称するが、占いでは説明がつかないレベルで杉元一行の事情を把握している。
慇懃無礼で飄々とした食えない性格。
アシㇼパの父ウイルクとは古い知り合いで、少女期に出会い、北海道アイヌの言葉や知識を教えたとの事。
しかし、アシㇼパはその事を父から一切聞かされておらず、やはり謎が多い…。谷垣と行動を共にするうちに次第に彼に惹かれていく。
- のっぺら坊 CV:相馬康一
- アシㇼパの父親たちを殺し、金塊を奪って埋蔵した全ての元凶。
顔中が焼け爛れたおぞましい外見をしている。
現在は脱獄できぬように片足の腱を切られ、今もなお網走監獄に死刑囚として収監されている(金塊が発見されるまで執行は延期されている)。
独房の中で「アシㇼパ」と呟いた真意は…?
(アシㇼパの父という説が正しければ、)ポーランド人と樺太アイヌのハーフであり、本名はウイルク(CV:東地宏樹)という。また、アシㇼパと同じ青い瞳を持つ。ちなみに上記のCV:相馬康一は偽者ののっぺら坊。
- (アシㇼパの)フチ(ススポ) CV:一城みゆ希/実写キャスト:大方斐紗子
- アシㇼパの祖母で、アシㇼパのコタンの事実上の長。日本語はしゃべれない。フチとはアイヌ語で「祖母」の意。
母性愛の塊のようなお婆ちゃんで、見ず知らずの杉元や谷垣を暖かく迎え入れたり、コタンに捨てられた和人の孤児を自ら育てたりしている。
インカラマッからアシㇼパに関する不吉な予言を聞いて以降、病気がちになり、自身の死すら予感するようになってしまう。
- オソマ CV:朝井彩加
- アシㇼパの従姉妹(父親のマカナックル(CV:斧アツシ/実写キャスト:秋辺デボ)がアシㇼパの母の弟)。うんこという意味の名前は病魔除けの幼名で、正式な名前はまだついてない。
幼いながらもおしゃべりで、アシㇼパと違って(フチに手伝ってもらったとは言え)手甲を作れるなど、女子力は高い。
谷垣を慕っており、谷垣の旅立ちに際し、前述の手甲を渡し、涙ながら見送った。
- チカパシ CV:渡辺明乃
- アシㇼパと同じコタンに住む少年。名前の意味は「陰茎(チカプ)を立てる(アシ)」。すなわち勃起である。
両親を疱瘡(天然痘)で亡くした孤児で、同世代の少年たちと遊ぶことを好まず狩りに興味を持っている。
幼少期から狩りに興味を持っていた自身と重ね合わせたのか、谷垣からは気に入られており「自分を奮い立たせて戦う…それこそが勃起なのだチカパシ!!」と自身の名前の意味を教えられる。
二瓶から谷垣に受け継がれた勃起道の三代目。勃起!
スタッフ
※第1期、第2期とも共通
主題歌
放送局/配信キャリア情報
第1期
第2期
第3期
第4期
※2023年4月より第4期第1話にあたる第37話から改めて放送・配信
実写劇場版/連続ドラマ版
2024年1月19日公開。
原作連載終了を翌週に迎える2022年4月19日に実写映画版の制作がアナウンスされた。YJ連載作品では『キングダム』がこれまでに3作製作され商業的にも成功しており、金カムはこれに続く形での実写化となる。
監督は『HiGH&LOW THE WORST』を手掛けた久保茂昭。製作はCREDEUS、脚本に黒岩勉、杉元役に山崎賢人とキングダムに関わった面々が主軸となり、アシㇼパ役には山田杏奈が起用された。そら子役にチンポ先生なんて言わせたら倫理的にヤバいよな…
作者によれば、本編で登場するアイヌの民具、衣装に関しては実際に現地の伝統工芸作家を起用し製作しているとの事。
映画公開後の2024年3月4日、映画の続編が2024年秋からWOWOWで連続ドラマ「北海道刺青囚人争奪編」のタイトルで放送・配信されることが発表された。
「北海道刺青囚人争奪編」は10月6日から独占放送・配信開始。全9話。
登場料理
本作では、北海道に根ざした数々の料理が登場することが、大きな特徴として挙げられる。
ジビエと呼ばれる狩猟した動物の肉を、アシㇼパがバラエティ豊かなアイヌ料理にして振る舞ってくれるほか、様々な登場人物の調理や食事が描かれる。
杉本が普段食べ慣れないアイヌ料理を食べるシーンや、アシㇼパの味噌にまつわるシーンの顔芸は本作の大きな見どころの一つ。
詳しくは『ゴールデンカムイの登場料理一覧』を参照。
受賞関連
『このマンガがすごい!』
記事冒頭でも触れたが、2015年12月の宝島社出版『このマンガがすごい!2016』でゴールデンカムイは第2位にランクインした。
この年の第1位は『ダンジョン飯』。奇しくも、「過酷な環境での探索やサバイバル」「獲物を狩って料理を作って食べる」というテーマを合わせ持つ漫画がワンツーフィニッシュを決めた形となる。
しかし、作者の野田サトルは『ダンジョン飯』に負けたことがよほど悔しかったようで、『このマンガがすごい!』の編集部のインタビューに、「くやしいですね。「負けの2位」です」「許すまじ『ダンジョン飯』です」と答えている。インタビューの詳細は関連記事を参照。
『マンガ大賞2016』
『このマンガがすごい!』で敗れた執念が実ったのか、2016年3月発表の『2016年マンガ大賞』ではゴールデンカムイが1位、ダンジョン飯が2位と見事に逆転を果たした。
なお、受賞時のインタビューで受賞した時の気持ちを聞かれた際、作者の野田サトルは「ダンジョン飯に勝てて嬉しいです」と答えている。また、インタビュアーから「一言でいうと何漫画だと捉えてらっしゃいますか?」と聞かれた際には「恋愛漫画ですかね。りぼんに載せようかと思ってたんですけど」と回答した。授賞式の詳細は、関連リンクのマンガ大賞公式Youtube動画を参照。
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公式配信
ニコニコ静画 となりのヤンジャン!内にて試し読みができる。アシㇼパごはんも大好評連載中。
単行本発刊記念に壁紙も配布集である。
2015年12月にとなりのヤングジャンプ内で公式に行われたアシㇼパごはんグランプリ2015
12月1日~13日にこれまで掲載されたジビエの中から食べたいと思う料理のアンケートが行われた。
2018年11月には『癖(ヘキ)がすごい冒険者たち総選挙!』が行われ、姉畑が約束された勝利を勝ち取った。
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