『Symphony Sounds』とは、株式会社ハブロッツの音楽レーベル、またはレーベルからリリースされているコンピレーションアルバムのシリーズのことである。
概要
美少女ゲームの通販などを行っている大手ECサイト・げっちゅ屋の運営会社である株式会社ゲインズのグループ会社である株式会社ハブロッツおよび株式会社カーニバルで制作・販売・運営を行っている音楽レーベルである。(なお、株式会社ハブロッツと株式会社カーニバルは2024年7月に株式会社ゲインズに吸収合併されている。詳しくはこちら
。)
PCゲームの主題歌やED楽曲、挿入歌などを主に収録している。もっと分かりやすく言えば美少女ゲームソング(エロゲソング)のコンピレーションアルバムである。レーティングは問わず、18禁から全年齢と幅広いノベルゲーの楽曲を取り扱っている。
美少女ゲームソングというカテゴリーは、昨今主流となってきているストリーミング配信などが行われる方が珍しく、根強い人気がある一方で音源が収録されているCDを入手するのが全体的に困難であることが課題であった。
Symphony Soundsが立ち上がる前までは「GWAVE」と呼ばれる、こちらも同じく美少女ゲームソングを収録しているコンピレーションアルバムが存在していたがこちらは2016年を最後に発売されていない。(SSR2018誕生秘話ブログにて「某コンピレーションアルバム」とボカされているのは恐らくこのことだと思われる。)
YouTube等に公式のOPや宣伝動画はあがるものの、1コーラス(ショートバージョン)編集がされている場合が多く、フルで聞くことは基本出来ない。最近ではPurple SoftwareやKeyなどが楽曲のストリーミング配信を開始しサブスクの風潮は高まりフルコーラスを手軽に視聴できる機会は増えてきているが、それでも一部のブランドや企業のみであり、例えば昔に発売され絶版になっているサウンドトラックや初回版同梱特典として入手できていたなど、現在では中古価格の高騰や流通量の減少などで手軽に手を出せないCDも少なくない。26万円のサントラとかあるし。おまけに特にこの手の楽曲は権利関係が非常に複雑であるため、増刷などがされにくく、時間が経てば経つほど手に入れにくくなっていく。
そんな美少女ゲームソングオタクたちへの救済としても、このコンピレーションアルバムは非常に重宝されている。
例として、Symphony Sounds Records 2022に収録されている『奇跡なんて、いらいない。』は、現状これ以外だと「創作彼女の恋愛公式」の豪華限定版の同梱特典として収録されていたサウンドトラックCDを中古で発見しなければ手に入れられず、たとえ中古で出回ったとしても基本1万円オーバーとCD1枚なのに、かなり美味しいご飯食べれるレベルの金額で取引されている。そう考えると本当に頭が上がらない。
また、Symphony Sounds Requestに収録されている『To "five" Kiss』に関しても、フルコーラスが収録されているCDがこれ以外にはFC継続特典で過去に4万円で取引されていた非売品CDのみであるため、聞く手段はSSReqを購入する以外ほとんどない状況である。
購入方法は基本コミックマーケットで先行販売、後に公式boothやAmazonなどのネット通販サイトで購入できるため入手難易度は高くない。価格も通常盤15曲入り3,000円(税別)と近年の中古CDの高騰化を考えればかなりお手頃。
収録曲のなかにはサブスク配信による音源購入や他CDに収録されているものも多いが、それぞれの入手難易度や価格を考えるとSymphony Sonudsのコストパフォーマンスは圧倒的に高い。
ジャケットイラストは毎回異なり、そのCDに収録されているゲームを手がけた原画家が担当することが多い。限定盤では、このジャケットイラストがB2タペストリーとなってCDと共に購入できる。
Symphony Soundsにはいくつかのシリーズが存在し、それぞれアルバムの特徴が異なる。しかし何れもタイトルは「Symphony Sounds ○○○○」で統一されている。
Symphony Sounds Record(シンフォニーサウンズレコード)は、過去にリリースされた美少女ゲームソングを15年分各年1曲ずつ選出しまとめたアルバムである。公式略称では「SSR(年代)」が用いられる。
例えば、2018年に発売されたSSR2018では、2003年から前年の2017年までの各年1曲ずつ選曲されている。
Symphony Sounds Generation(シンフォニーサウンズジェネレーション)は、1つの年代にピックアップしてその年に発売されたゲームの楽曲を15曲収録したアルバムとなっている。公式略称では「SSG(年代)」が用いられる。SSRと表記がかなり似ているため混同しやすい。
例えばSSG2020では、2020年に発売されたゲームのみの楽曲を収録している。
なぜかSSG2017は16曲選曲されている。
Symphony Sounds Request(シンフォニーサウンズリクエスト)は、その名の通りユーザーからリクエストを募り、リクエストが多かった楽曲から15曲ピックアップして収録されている。公式略称はSSRと頭文字が同じため「SSReq(回数)」となっている。SSRやSSGとは異なりユーザーのリクエストが強く反映されるので、ストリーミング配信されていない楽曲が多く、加えて同梱特典のみで収録されたもの中心で構成されているのが最大の特徴。
Symphony Sounds Eternal(シンフォニーサウンズエターナル)は、美少女ゲームソングのうちEDに使用されている楽曲のみを収録したアルバムとなっている。公式略称は「SSE(ローマ数字回数)」が用いられている。2022年に発売されたSSEⅢを最後にこのシリーズは止まっている。
ディスコグラフィ
ここではSymphony Soundsからリリースされているコンピレーションアルバムについて記載する。
背景色が設定されている楽曲は、ストリーミングサービスで配信されているまたはiTunes Storeなどの配信サービスで購入できるものである。
備考欄には比較として該当楽曲がこのアルバム以外でどこで購入可能なのかを示した他収録状況を掲載している。CDアルバム名の横に「(円盤限)」と表記されているものは、アルバム自体は配信されているが該当作品は配信されていないCD実物のみに収録されている曲を指す。
Symphony Sounds Recordシリーズ
2018年より開始されたシリーズ1作目。2025年6月現在までで7本リリースされている。
毎年8月末にリリースされており、夏のコミックマーケットで先行頒布されている。
リリース年の前年から15年分遡り、各年代1曲ずつ収録している(Ex. 2024→2009年から2023年まで各年1曲ずつ全15曲)。ストリーミング配信されていない人気楽曲なども多く収録されており、例として『true my heart』(SSR2018)、『Re:TrymenT』(SSR2019)、『新世界のα』(SSR2021)が挙げられる。
Symphony Soundsを代表するシリーズの1つであり、今までで欠番は1つも無い。
- Symphony Sounds Record 2018 ~from 2003 to 2017~
- 2018年8月31日に発売。公式略称は「SSR2018」。
- ジャケットイラストは『はつゆきさくら(SAGA PLANETS)』などを手がけた、ほんたにかなえが担当している。
キャッチコピーは「さぁ、フェスの開幕の刻――」。 -
- Symphony Sounds Record 2019 ~from 2004 to 2018~
- 2019年8月30日に発売。公式略称は「SSR2019」。
- ジャケットイラストは『ハミダシクリエイティブ(まどそふと)』などを手がけた、宇都宮つみれが担当している。
キャッチコピーは「繋ぐ~過去から未来へ」。 -
- Symphony Sounds Record 2020 ~from 2005 to 2019~
- 2020年8月28日に発売。公式略称は「SSR2020」。
- ジャケットイラストは『ノラと皇女と野良猫ハート(HARUKAZE)』などを手がけた、大空樹が担当している。
キャッチコピーは「僕らの「フェス」はまだまだ終わらない!」。 -
- Symphony Sounds Record 2021 ~from 2006 to 2020~
- 2021年8月27日に発売。公式略称は「SSR2021」。
- ジャケットイラストは『アインシュタインより愛を込めて(GLOVETY)』などを手がけた、きみしま青が担当している。
キャッチコピーは「恋をしていた。今も、あの頃も――」。 -
- Symphony Sounds Record 2022 ~from 2007 to 2021~
- 2021年9月30日に発売。公式略称は「SSR2022」。
- ジャケットイラストは『ナツイロココロログ(Hearts)』などを手がけた、白もち桜が担当している。
キャッチコピーは「響く旋律、高まる鼓動――」。 -
- Symphony Sounds Record 2023 ~from 2008 to 2022~
- 2023年8月25日に発売。公式略称は「SSR2023」。
- ジャケットイラストは『はつゆきさくら(SAGA PLANETS)』などを手がけた、とらのすけが担当している。
とらすのすけの書き下ろしはSSE(後述)に続いて2回目である。
キャッチコピーは「あの熱狂を、もう一度――」。 -
- Symphony Sounds Record 2024 ~from 2009 to 2023~
- 2023年8月30日に発売。公式略称は「SSR2024」。
- ジャケットイラストは『アマエミ -longing for you-(あざらしそふと)』などを手がけた、おりょうが担当している。
キャッチコピーは「吹き抜ける風に、歌を乗せて――」。 -
Symphony Sounds Generationシリーズ
2018年より開始されたシリーズ2作目。2025年6月現在までで6本リリースされている。
「Record」シリーズは各年代1曲をピックアップするのに対して、「Generation」は1つの年にフィーチャーしてその年にリリースされたゲームの楽曲を収録している。
2017年~2022年までがピックアップされており、毎年5月にリリースされる傾向がある。2025年には発売されていない。
- Symphony Sounds Generation 2017
- 2019年5月31日に発売。公式略称は「SSG2017」。
- ジャケットイラストは『あるいは恋という名の魔法(おもちそふと)』などを手がけた、はすねが担当している。
このアルバムのみ、ほかアルバムとは違い16曲収録されている。 - キャッチコピーは「さぁ、時代の幕開けだ――」。
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- Symphony Sounds Generation 2018
- 2020年5月29日に発売。公式略称は「SSG2018」。
- ジャケットイラストは『D.C.4~ダ・カーポ4~(CIRCUS)』などを手がけた、如月ゆうが担当している。
- キャッチコピーは「物語は紡がれ、次の時代へ――」。
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- Symphony Sounds Generation 2019
- 2021年5月28日に発売。公式略称は「SSG2019」。
- ジャケットイラストは『月の彼方で逢いましょう(tone work's)』などを手がけた、恋泉天音が担当している。
- キャッチコピーは「新たな暦を飾る旋律――」。
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- Symphony Sounds Generation 2020
- 2022年5月27日に発売。公式略称は「SSG2020」。
- ジャケットイラストは『空色イノセント(あかべぇそふとすりぃ)』などを手がけた、うなさかが担当している。
- キャッチコピーは「響け、私たちのメロディ」。
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- Symphony Sounds Generation 2021
- 2023年5月26日に発売。公式略称は「SSG2021」。
- ジャケットイラストは『ふゆまで、くるる。(シルキーズプラス)』などを手がけた、あめとゆきが担当している。
キャッチコピーは「その歌声は、春風と共に――」。 -
- Symphony Sounds Generation 2022
- 2024年5月31日に発売。公式略称は「SSG2022」。
- ジャケットイラストは『FLIP*FLOP 〜INNOCENCE OVERCLOCK〜(DiGination)』などを手がけた、茉宮祈芹が担当している。
キャッチコピーは「奏でよう、新時代のメロディ」。 -
Symphony Sound Requestシリーズ
2023年より開始されたシリーズ4作目。2025年6月現在まで3本リリースされている。
1月にリリースされていた「Eternal」シリーズから引き継がれるような形で1月下旬にリリースされる。
「Record」「Generation」「Eternal」シリーズとは異なり、ユーザーのリクエスト曲を中心に収録している。ゆえに、現在中古でプレミアム価格がついていたり入手困難な楽曲が多く収録されている傾向がある。『To "five" Kiss』(SSReq)、『Come Home! Princess』(SSReq2)、『せかいにさよなら』(SSReq2)などは他収録CDが中古でありながら高額で取引されている。
- Symphony Sounds Request
- 2023年1月27日に発売。公式略称は「SSReq」。
- ジャケットイラストは『ソラコイ(Cheiseasoft)』などを手がけた、宮坂みゆが担当している。
リクエスト集計期間は2022年8月24日~9月30日まで。
キャッチコピーは「希望(リクエスト)よ、集え――」。 -
- Symphony Sounds Request 2
- 2024年1月26日に発売。公式略称は「SSReq2」。
- ジャケットイラストは『Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-(Lump of Sugar)』などを手がけた、萌木原ふみたけが担当している。
リクエスト集計期間は2023年8月10日~9月11日まで。
キャッチコピーは「希望(リクエスト)よ、再び――」。 -
- Symphony Sounds Request 3
- 2025年1月31日に発売。公式略称は「SSReq3」。
- ジャケットイラストは『はつゆきさくら(SAGA PLANETS)』などを手がけた、ほんたにかなえが担当している。ほんたにかなえはSSR2018に引き続き2回目の書き下ろしとなった。
明確なリクエスト募集はされなかったが、2024年8月9日~9月2日まで行われた「商品開発アンケート」の結果を参考にしたとされている。
キャッチコピーは「希望(リクエスト)は、何度でも――」。 -
Symphony Sound Eternalシリーズ
2020年より開始されたシリーズ2作目。2025年6月現在まで3本リリースされている。
「Record」「Generation」シリーズのように年代やリリース年に着目するのではなく、EDという楽曲形態に着目したコンピレーションアルバム。OPなどは動画などで聞く機会が多いが、EDはゲームや特定√をクリアするかサウンドトラックなどを買わないと聞く機会が無いため非常に面白いコンセプトとなっている。
EDメインで収録されているため、他シリーズと比べると全体的に曲知名度は高くない一方、『消せない気持ち』(SSE)や『さくらとことり』(SSE)、『天球の下の奇蹟』(SSEⅢ)などEDで高い人気を誇る楽曲などは多く収録されている傾向がある。
2022年以降Eternalシリーズの新作は発表されておらず、2023年1月からは「Request」シリーズが発売されている。
- Symphony Sounds Eternal
- 2020年1月31日に発売。公式略称は「SSE」。
- ジャケットイラストは『はつゆきさくら(SAGA PLANETS)』などを手がけた、とらのすけが担当している。
キャッチコピーは「終わりから、永遠(とわ)に始まる物語――」。 -
- Symphony Sounds Eternal Ⅱ
- 2021年1月29日に発売。公式略称は「SSEⅡ」。
- ジャケットイラストは『白昼夢の青写真(Laplacian)』などを手がけた、霜降が担当している。
キャッチコピーは「結末(エンディング)の先の未来へ――」。 -
- Symphony Sounds Eternal Ⅲ
- 2022年2月25日に発売。公式略称は「SSEⅢ」。
- ジャケットイラストは『さくらの雲*スカアレットの恋(きゃべつそふと)』などを手がけた、梱枝りこが担当している。
キャッチコピーは「あの日の感動を、もう一度」。 -
アルバムリリース順
- Symphony Sounds Record 2018 (SSR2018) 2018年8月31日
- Symphony Sounds Generation 2017 (SSG2017) 2019年5月31日
- Symphony Sounds Record 2019 (SSR2019) 2019年8月30日
- Symphony Sounds Eternal (SSE) 2020年1月31日
- Symphony Sounds Generation 2018 (SSG2018) 2020年5月29日
- Symphony Sounds Record 2020 2020年8月28日
- Symphony Sounds Eternal Ⅱ (SSEⅡ) 2021年1月29日
- Symphony Sounds Generation 2019 (SSG2019) 2021年5月28日
- Symphony Sounds Record 2021 (SSR2021) 2021年8月27日
- Symphony Sounds Eterbal Ⅲ (SSEⅢ) 2022年2月25日
- Symphony Sounds Generation 2020 (SSG2020) 2022年5月27日
- Symphony Sounds Record 2022 (SSR2022) 2022年9月30日
- Symphony Sounds Request (SSReq) 2023年1月27日
- Symphony Sounds Generation 2021 (SSG2021) 2023年5月26日
- Symphony Sounds Record 2023 (SSR2023) 2023年8月25日
- Symphony Sounds Request 2 (SSReq2) 2024年1月26日
- Symphony Sounds Generation 2022 (SSG2022) 2024年5月31日
- Symphony Sounds Record 2024 (SSR2024) 2024年8月30日
- Symphony Sounds Request 3 (SSReq3) 2025年1月31日
先行販売イベント
Symphony Soundsは、正式リリース日より前に特定のイベントでフライングゲットできる機会(先行リリース)が存在する。主に電気外祭りやコミックマーケットで先行販売されていた。
- SSG2017→Character1 2019 (2019.04.29)
- SSR2019→電気外祭り 2019 SUMMER in 高田馬場 (2019.08.08)
- SSE→電気外祭り 2019 WINTER in 新宿 (2019.12.27)
- SSG2020→Character1 Streer 2022 Spring (2022.05.08)
- SSR2023→コミックマーケット102 (2023.08.12~13)
- SSReq2→電気外祭り2023冬 (2023.12.29) コミックマーケット103 (2023.12.30~31)
- SSR2024→コミックマーケット104 (2024.08.11~12)
- SSReq3→コミックマーケット105 (2024.12.29~30)
外部リンク
脚注
- *「添いカノ~ぎゅっと抱きしめて~」発表当時のリリース元は戯画。2023年の戯画解散に伴い、ブランド名が戯画の親元であるエンターグラムに変更されている。
- *「キスから始まるギャルの恋 ~くるみのウワサとホントのキモチ~」発表当時のリリース元はプレカノ。2023年の戯画(姉妹ブランド)解散に伴い、ブランド名が戯画の親元であるエンターグラムに変更されている。
- *「アオナツライン」発表当時のリリース元は戯画。2023年の戯画解散に伴い、ブランド名が戯画の親元であるエンターグラムに変更されている。
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