『俺は星間国家の悪徳領主!』(おれはせいかんこっかのあくとくりょうしゅ)とは、は三嶋与夢による小説。小説の出版はオーバーラップ文庫、イラストは高峰ナダレが担当。コミカライズの作画は灘島かい。作者の書籍化としては6作目。
概要
三嶋与夢(通称わい先生)が、小説投稿ウェブサイト「小説家になろう」に投稿連載していた別の小説『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』(こちらも商業化されている)の宣伝目的および気分転換のために執筆し、同じく「小説家になろう」に投稿していた小説。
1章終了後、思いの外評判が良かった為2章以降も連載することになり現在は11章まで公開されている、元々は1章で終了予定の短期連載予定であった。
最強系の主人公がトントン拍子に成功していくという内容の、言ってしまえば清々しいほどの「なろう系」小説だが、わい先生の他作品と比べると基本「リアム様万歳!」「リアム様SUGEEEEEEE!!」という勘違いギャグコメディという内容になっており、他作品と比べて軽い気持ちで楽しめる癒し系作品となっている。この作品でもヒドインは健在。
世界観が長寿設定のためか時間の経過が物凄く早く、何十年単位であっという間に経過していくのが特徴。
また、主人公であるリアムが他作品主人公たちと比べてあまりに強すぎるせいで、作者が公開している短編置き場「三嶋与夢のメモ帳」でも恐れられていて弄られないという独特の立ち位置を得ている。
上記のように元々は商業化した別の小説の執筆の合間におまけ的に書かれていた作品でしかなかったのだが、2020年6月12日にはこちらもオーバーラップ文庫での書籍化が発表された。イラスト担当は「高峰ナダレ」。発売後即重版となり、2024年1月25日現在8巻まで発売されている。
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また、2021年5月28日からは上記の文庫版の出版社である株式会社オーバーラップが運営するウェブコミックサイト「コミックガルド」において漫画版の連載も開始された(本記事「関連リンク」参照)。漫画の担当は「灘島かい」。灘島氏としてはこれが処女作になる。
また2021年10月12日からはニコニコ静画 (マンガ)においても、ニコニコ静画とコミックガルドのコラボ企画「火曜日のコミックガルド」の一コンテンツとして、同じ漫画版の少し遅れての連載が開始されている(本記事「関連静画」参照)。
世界観・用語等
- 全般
魔法が存在し、科学が発達し、宇宙旅行やワームホールを駆使した惑星間の移動もできる。居住惑星の自転周期や公転周期が全て同じだったり相対性理論も完全にスルーされたりしているが気にしてはいけない。
アンチエイジング技術の発達によりこの世界の人間は加齢が非常に緩やかで、成人する50歳で見た目13歳前後、まともな大人に見られるのは100歳、環境の差が激しく戦争も多いが寿命はおよそ3~400歳、600歳以上も普通にいる。
寿命が長いため結婚を契約と割り切り浮気を公然と楽しむ者も多い。
亜人もいるがそちらの寿命は据え置きなのでエルフより人間の方が寿命が長いという摩訶不思議な世界観。 - アルグランド帝国アルバレイト王朝
本作の舞台となる星間国家。貴族が多すぎる上に長く続きすぎているため腐敗が深刻。
過去にAIが暴走した経緯があり、AIやアンドロイドに対して冷ややか。 - バンフィールド伯爵家
主人公であるリアムが転生した家。
リアムの曽祖父であり先々々代君主アリスターは辺境領主の間で名が知られる程の名君であり非常に発展していたが、先々代、先代と暗君が続きアリスターの頃の発展は見る影もないほどに落ちこぼれていた。
そのため先代君主であるリアムの父親は、リアムが領地継承可能な年齢になると借金まみれの領地を始めとするすべてをリアムに押し付けて隠居というかなり酷いことをしている。
当初こそリアムは「俺はすべてを手に入れた」と勘違いしていたが領内の状況を知ると押し付けられただけではないかと疑うが、天城やブライアンの助力もあり領地改革に乗り出して以降目覚ましい勢いで発展を遂げ、今や帝国で押しも押されもせぬ良識派貴族としての地位を確立している。
領民たちも「リアム以前の統治を知る者」と「発展以降に生まれリアムの統治しか知らない者」に分かれており、前者の領民は目覚ましい発展を間近で見て、その発展を時代と共に支えきたため、リアムへの忠誠心が天元突破している。更にゴアズ襲来で一度絶望したためか以降の緊急事態に対しても肝が大きく据わっている。
後者の領民はリアムの統治が当たり前と思っているため、そんな世代の忠誠心が「行き過ぎじゃない?」と感じることが多いのだが、リアムの教育施策の一環として行われている星間留学で他の星々や領地の文化や政治を学ぶと「リアム様すごいわ」となって、結局バンフィールドに帰ってくる。 - 騎士
カプセル教育などで特別な訓練を受けた兵士。
銃を持った人に剣で勝つくらい一般兵士と実力が天地の差。一応普通の騎士相手なら数の暴力による制圧は有効。
貴族は基本的にカプセルに放り込まれるため肉体的なスペックは騎士相当である。 - 機動騎士
要はモビルスーツ。歩兵として本作でも戦争の最前線で活躍する。
操縦者の魔法と連動しているため人型の方が動かしやすいようだ。 - 魔法金属
ミスリルやアダマンタイトなど、ファンタジーでお馴染みの金属ももちろん存在し、黄金より希少価値が高く装甲部品として極めて優秀。不錆・超延展性・良導電性を持つ黄金も機械部品の素材として重宝されるはずだが、代替品があるのか機械部品としてはあまり重用されていない。
本作のアダマンタイトは黒色の金属で銃弾が効かないほどの超硬度・超靭性を持つ。 - 一閃流
安士がリアムに武芸を教えるにあたり披露した「刀を鞘から抜いた瞬間間合いの外にある丸太を纏めて斬るように見せる」大道芸をベースとした剣術。
無料動画サイトを漁り様々な基礎や面白修行を積ませた結果、「予め斬ってある丸太に仕掛けを施し、遠隔操作で『触れずに斬った』ように見せる」技が「離れた位置にある丸太を魔法で斬る」技に昇華してしまった。斬る対象を首にすれば「剣を抜く=相手の死」に早変わりする恐ろしい流派の爆誕である。
本世界では元々斬撃が飛ばすこと自体はありふれており、物理法則も無視した剣術も多数存在するが、刀を振ることすらせず一瞬で斬り飛ばす剣術は存在しておらず、斬撃を目の当たりにした案内人も開いた口が塞がらなかった。
様々な修行を積み、今尚厳しい修行を積んでいるリアムは基礎スペック自体がおかしな次元に達しているが、基礎を無視して一閃だけすることもできる模様。
あくまで純粋な技術であるため、一定以上の才能さえあればリアム以外の者も同様の修行により習得できる。
登場人物
主要人物
- リアム・セラ・バンフィールド
本作の主人公。
前世では普通のサラリーマンだったが妻に裏切られ、絞りに絞り尽くされ自宅で餓死という壮絶な最期を遂げる。
今際の際に後述の「案内人」により惑星にまたがる星間国家の貴族の子供に転生する。
前世の末路から善行なんて無意味と悟り悪徳領主として振舞おうとするが、領地が搾取する余地の無いほど酷い状態だったためにまず発展させなければならなかったこと、本人の考える悪人の価値観もざっくり言うと「情けは人の為ならず」「俺のモノ(領土・領民)には手を出すな」のため結果的に名君と称えられる。
元の価値観が現代日本(しかも一般庶民)であるため、スペースオペラな世界観とはズレが生じている。リアムの考える搾取や贅沢も現代日本人基準であり、星間国家の貴族の基準では質素であり謙虚。これは前世で生きてきた年数を超える教育を受けてなお改まることはなかった。
思い描く悪事も時代劇レベルであり、いざこざが面倒臭いので他領への侵略はしない、領民は自身の私財として捉えているので無駄に死なせたりしない、等の理由であまり犯罪的行為を行おうとしないし、度々登場する外道極まりない場面を目撃しても理解できないと一蹴している。
安士に剣の手ほどき(?)を受け一閃流を習得したことで、熟練の騎士が束になってかかっても舐めプしない限り戦闘が成立しないレベルで恐ろしく強い。また武人としてのストイックさも身に付けたため剣に関することでは努力を惜しまない。
好きなものは黄金。より希少な魔法金属が存在している世界のため、この世界の住人から理解されない価値観である。趣味は財力にモノを言わせた魔改造と蒐集、そして他者への嘲笑。
前世のこともあり人を簡単に信頼しないが、一度信頼してしまうと盲信してしまうというのが致命的な欠点、かつ最大の強み。 - 案内人
チェーンソーでバラバラになりそうな某神っぽい超常的存在。ナダレ氏のデザインによりストライプ柄がついた。全てを失ったリアムを転生させる。
しかし、実は善人を破滅させることに喜びを見出す邪神の類である。前世でリアムを裏で陥れた張本人であり、アフターサービスの名のもと再びリアムを失意に堕とそうと暗躍する。が、基本的に裏目に出る上リアムから最も信頼されている存在であるため実はメインヒロインなのでは?とよく言われている。
人の悪感情を喰らって自身の力にすることが出来る反面、感謝など正の感情を向けられるとダメージを受け弱体化してしまう。リアムが貴族への転生やこの世界に来てからの活躍を案内人の好意によるものと思い込んでいるため、事あるごとに感謝の気持ちを送り付けられてダメージを受けている。
本作のご都合主義のしわ寄せを一手に引き受ける役割を担う関係上、弱りきって尚魔改造アヴィドを一蹴できる程の力を持つ存在にも関わらずとてつもないポンコツである。「貧すれば鈍す」という言葉が作中の地の文で安士に使われているが、むしろ案内人にピッタリの言葉だろう。 - 天城
黒髪ロングのポニーテールの性欲処理機能付き巨乳アンドロイドでありこの作品のメインヒロイン。服装は裾が長めのクラシカルメイド服。
リアムにとって絵にかいたような最高の女であり、生身の女性に靡かない遠因になっている。
リアムの保護者的存在、かつ最大の心の支え。
しかし、本人は貴族社会におけるアンドロイドの扱いもありどこか物憂げ。
リアム曰く「機械は裏切らない」とのことだが、明らかに尻に敷かれている。 - 量産型メイドロボ達
書籍版2巻以降の番外編に登場する量産型メイドロボ。
無表情かつ帝国の風潮もあり気味悪がられているが、本人達は割とミーハーで作業中も仲間と頻繁にチャットでコミュニケーションを取っている。
量産型のため髪型やアクセサリーで外見の差別化を図っているが、そんなことをしなくてもさも当然と言わんばかりに個体識別を行うリアムを気味悪がっている。 - ブライアン・ボーモント
バンフィールド家に代々仕える老執事。物語では諸事情によりリアムが留守にすることも多いため主に領地経営を担っている。リアムの破天荒ぶりに感銘を受けつつも内心ハラハラしている。
冒険者に憧れた過去があったり、俳優を目指した過去があったり、宮殿に伝手があったりと、色々と経験豊富。趣味は盆栽。web版の欄外でしょっちゅう辛いですとぼやいている。 - アヴィド
リアムの曽祖父アリスターの機動騎士。限定品として製造されていたらしい。骨格剥き出しの使い古した旧型だったが安士の時間稼ぎのためにリアムの機動騎士として復活することになる。更に一般的な機動騎士がガンプラMGならアヴィドはガンプラPGくらいのサイズ差がある。
安士の計略(?)によりアシストを全て外され完全マニュアル操作であり、扱いが極めて難しいがスペックは一級品。復活した時点で既にオーバースペックだったが度重なる魔改造により手がつけられない存在になった(操作難易度的な意味でも)。
リアム曰く「アヴィドという化け物みたいな性能の機動騎士に乗れば誰だって活躍できる」とのことだが、並の騎士ではまずまともに動かすことすらままならない。 - 犬の霊体
前世のリアムの飼い犬の霊体。案内人に導かれる際にどさくさに紛れて異世界転移をする。作中の誰にもはっきりと認知されていないがリアムに利するように小さい光の玉として時折誘導する。
案内人だけではカバーできないご都合主義を担い、人知れず案内人の魔の手から飼い主を守ってくれる存在、と書くといかにもヒロインっぽいが章の終わりにリアムの下に集まった感謝を案内人にシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!しているためドSとか言われている。
バンフィールド家関係者
- トーマス・ヘンフリー
小太りで髭を生やしている、リアムが悪徳商人と思い込んでいるバンフィールド家の御用商人。言うなれば貿易担当。その実他の商人から正直すぎてリアムの御用商人でよかったねと言われるくらい誠実な性格。
元々はリアムが整備した宇宙港を拠点としていた流れの商人だったが、バンフィールド家に発展の兆しを見つけ御用商人に。
「海賊絶対殺すマン」のリアム(およびバンフィールド家)の保護を受けているので、かなり手広くしかも安心に商売が出来るようになり、リアムに感謝しその恩を返すため日々頑張っている。 - クリスティアナ・レタ・ローズブレイア
祖国をゴアズに滅ぼされた亡国の姫騎士にして本作の筆頭ヒドインその1。ゴアズによって醜い肉塊に変えられ弄ばれていたところをリアムに救われた(ついでに肉体を若返らせてもらった)ためその忠義が天元突破しているが、ゆえにしょっちゅう暴走する。
金髪の一見美少女で得物はレイピア。騎士としても司令官としても極めて優秀だが暴走しまくるためリアムは頭を抱えている。マリー曰く「ミンチ女」。 - マリー・セラ・マリアン
2000年前「帝国三騎士」と謳われながら時の皇帝により石化させられた本作の筆頭ヒドインその2。海賊のコレクションとして長い時を過ごしていたところをリアムに(ry。
紫髪で得物は二刀流の大鉈(書籍化にあたり進撃の巨人に出てくるスナップブレードめいたデザインに変更)。並の騎士ではまともに動かすことすらできないアヴィドを試運転できるなど、現場指揮や単純な武力においてティアに勝っているような描写がある。その優秀さに反比例する暴走ぶりにリアムは頭を抱えている。ティア曰く「化石女」。
同じく石化させられていた暗部を少しは見習え
クラウディア家との縁が深いようでロゼッタと懇意にしている。 - ククリ
2000年前に活躍していた暗部の頭領だったがマリーと共に石化され、マリーと共に助けられた。
マリー同様忠誠心は天元突破しているが、主人に極めて忠実なためリアムからかなり信頼を置かれている。
忠実ではあるが自分の仕事に対しては譲れぬところがあり、リアムが「暗部と戦ってみたい」と言っても「仕事がなくなるからダメです」と断っている。
「影の一族」と呼ばれており、神出鬼没。劣化している現在の暗部を嘆くほどの手練れ。
いかにも暗殺者ですといった格好でマントを返り血で染めるなど嗜虐心も強いが、現在の主人が暗殺や裏工作を好まないため基本的に露払いや情報収集中心に活動している。そのおかげでククリ達の情報は殆ど漏れずに済んでいる。 - ロゼッタ・セレ・クラウディア
金髪でロングヘアーをツインドリルにした如何にもな公爵令嬢。しかし、その実2000年前の皇帝の方針により晒し者にされている貧乏貴族。その状況を打開しようと努力していたが、教育カプセルにも満足に入れなかったため成績も落ちこぼれ、挫けそうになる。そんな折、くっころを味わうためにリアムに婚約させられたが、誰の目から見ても救いの手を差し伸べたようにしか見えないその行為に戸惑いながらも、リアムもとんでもない努力家であることを知り絆される。以降掌を返したようにリアムに甘々になるがその豹変ぶりにリアムは戸惑うばかり。ヒドインではないがやや機知に疎く、そして彼女もまたウブ。
何だかんだいいながらもリアムも大切に扱っているので傍から見ると仲のいい夫婦にしか見えない。そのためバンフィールド伯爵家領地ではリアムとロゼッタの出会いや生活を描いたドラマや映画が大人気である。 - クラウス・セラ・モント
天城の推薦でリアムの側仕えになった騎士。来歴も個人の実力も忠誠心も平凡だが、血の気の多いバンフィールド軍にあって彼のような常識人は重用され、更に中間管理者としての能力に目をつけられたのが運の尽き。どの派閥にも与せずバンフィールド家という組織の利益を第一に考えるのもあってリアムからも高く評価され、名目上の総司令官にされ敵のヘイトを集めたり筆頭騎士にさせられヒドインの嫉妬を買ったりと苦労が絶えない。
自分を平々凡々な一般騎士と信じて疑っていないが、どれだけ胃を痛くしようと見ただけで艦隊の練度を見抜いたり、適材適所の効率的な采配をしたり即断即決で手早く事を進めたりと誰がどう見ても非凡と言わざるを得ず、敵味方問わず評価は非常に高い。
web版では5章からの登場だが、書籍では3巻から登場しており、バンフィールド家に士官する様子が描かれている。 - チェンシー・セラ・トウレイ
中華風の女騎士にして戦闘狂。主人の首を平然と狙っているが、一閃流の斬撃を見切ったことで気に入られる。司令官としての仕事は一切せず、専ら自身の艦隊を率いて討伐しまくっている。
敵味方問わず暴れると言われ他者から敬遠されており、クラウスも手を焼いているが、チェンシーにとっては自身を止めるどころかフォローしてくれるクラウスを個人の武力とは関係無く大いに気に入っている。
他領主並びにその関係者
- クルト・セラ・エスクナー
第二章の修業先でリアムと同室になった男。リアムと打ち合い、修行後に海賊狩りの見学をしてからはすっかりリアムにベタ惚れしている。ティアやマリーと違い共にいる時間が短いためリアムからは単なる悪徳領主仲間としか思われていないが、♂ヒドイン♂筆頭その3に挙がるほど脳内がリアム一色に染められている。 - エスクナー男爵
クルトの父で、成り上がりで爵位を賜った男。ノウハウがないため領地経営が上手くいっておらず、バンフィールド家に完全におんぶにだっこ。
かなりのイケオジのようで領地では彼の写真集が収入源としても馬鹿にならないほどの人気を博している。
最近はヌード写真集をせっつかれているらしい。
- シエル・セラ・エスクナー
クルトの妹で、ロゼッタの許で修業をしている。ブラコンであり、そのためリアムに傾倒してしまったクルトの目を覚まさせるべくリアムが悪人だと吹聴しようとしているが、教養不足なためリアムに敵わず、からかいの絶好の的にされている。ロゼッタのことは好意的に見ている。 - エイラ・セラ・ベルマン
実家含めWEB版に登場しない、書籍版限定の登場人物。
初出は2巻で表紙の女の子がその人。
ベルマン男爵の三女で、修行済みの兄がいるため実家からはあまり期待されていない。
どんな人物なのかは読んでからのお楽しみだが…とりあえず犬が放置していいのか迷うくらいのヒドインであることだけは記しておく。
ウォーレスを目の敵にしている。 - ランドルフ・セラ・レーゼル
2章でリアムが修行することになった他領の当主。貢物に応じて接待させるか教育させるかを分けたり海賊とグルになったりとお世辞にも評判が良いとはいえない領主だったが案内人のせいで破滅が決定的になってしまった。案内人に負の感情を吸われてからは再興しようと意気込む。 - カテリーナ・セラ・レーゼル
ランドルフの方針によりペーターの婚約者になる。充分な教育を受けているためかピータック家が何かおかしいと察知できる一方で、家の影響で貧乏人を見下したり、婚約前に不貞行為を働いたりとやや不良。ペーターと肉体関係を持ったわけではなかったが、修行後はピータック家の再興に尽力するつもりらしい。
不貞行為を目撃したリアムからは○○ッ○と思われている(書籍では当該表現は削除)。 - ペーター・セラ・ピータック
第二章のレーゼル家での修行時に、案内人の介入によりリアムと経歴データを入れ替えられたことでVIP待遇を受けた盆暗伯爵子息。当伯爵がリアムの父・祖父並みに酷い領主であり、ペーターもさもありなん。修行中に股間喪失の性病を貰い破滅。案内人に負の感情を吸われてからは憑き物が落ちたように決起する。 - デリック・セラ・バークリー
海賊貴族として名を馳せているバークリーファミリーの一人。ロゼッタにちょっかいを出そうとしたところでリアムにぶん殴られ、仕返しとして暗殺を仕向けたり開拓惑星を襲撃したりしたが優秀な部下に返り討ちにされる。その後機動騎士の大会で数百機もの機動騎士で袋叩きにしようとするも魔改造アヴィドの実験台としてコテンパンにされ殺害される。
挿し絵はないが、web版と書籍版で体型が異なっている。 - カシミロ・セラ・バークリー
バークリーファミリーの当主。デリックの一件を受けリアムと全面対決を決心。手始めに経済戦争を仕掛けるも錬金箱を持つリアムには歯が立たず、次に直接戦争を仕掛けるもリアムの賄賂と犬の霊と魔改造アヴィドの力に敗れ、戦後処理で一族諸とも磔にされた。
保有する惑星開拓装置を悪用して惑星を枯らし、引き換えに採れたエリクサーを献上することで帝国における地位を確保していた。
帝国関係者
- ニアス・カーリン
帝国お抱えの第七兵器工場に勤める軍人。いかにもなインテリ美女だがパーフェクトなマシンオタクでリアムに兵器を買ってもらうために下手なハニートラップを駆使する残念な美人。マッドサイエンティストと呼んでも差し支えないくらいの凄腕技師であり、アヴィドを整備できる唯一の人材である他、リアムから資金や素材の援助を受けてはとてつもない戦艦を産み出している。
バンフィールド家以外の者でリアムと気さくに会話できる数少ない人物。 - ユリーシア・モリシル
帝国お抱えの第三兵器工場に勤める軍人。玉の輿狙いで貴族を誘惑してきたがそんな中リアムに袖にされプライドを傷つけられる。その後「リアムを袖にして失意のどん底に叩きつける」ことを目標に工場を辞め軍の特殊部隊で訓練を受けリアムの副官の座に入り込むなど奮闘するが、結局篭絡は失敗。目的を知り憐れんだリアムから「袖にさせる前提での告白」を受けるが、袖にしたら軍に拘束される未来しか見えないことに気付きそのまま受け入れて側室候補になってしまう。領地では正妻であるロゼッタの人気が圧倒的すぎて側室としての存在感が霞んでおり、「ユリーシア様も大切にしてあげて」派閥ができるなど妙な人気を獲得している。
リアムへの復讐方法とか、扱われ方の雑さとか、色々残念だがリアムの副官の座を勝ち取っただけあって能力は優秀である。筆頭ヒドインが優秀すぎるせいで霞んでいるだけである。
バンフィールドに移った後も第三兵器工場のパイプ役を務めており、仲介者として両者に深い関係を築いている。
ちなみに純潔。 - メイスン
書籍版にのみ登場する帝国お抱えの第六兵器工場に勤める軍人。第六兵器工場はニアスに言わせれば外見と性能を求めて生産性・整備性を犠牲にしているとのことで全パーツ規格無視の専用品という第七とは違う方面でぶっ飛んだ変態機動騎士を作ってるので販売に苦労している模様。それでも商魂逞しく金に糸目をつけないリアムに対し強かな契約を交わさせた。 - 宰相
アンチエイジングが進んだこの世界でも老いた見た目を隠せない程老齢の男で帝国政治の中枢を一手に担う。腐敗と財政難に日々悩まされている。
急に台頭したリアムは謀反を警戒してはいるものの真面目かつ従順なため好意的に見ている。
物語的にも重要な立場にいる人物のはずなのに書籍化されても名前が公開されない不憫な人。 - セリーナ
帝国の侍女長であり、帝国の格式を根付かせようとブライアンの伝手でバンフィールド家に招かれた老婆。
宰相とは古くからの知り合い、且つスパイとしてバンフィールド家を監視しているが悪政らしい悪政をしておらず真面目に領主として活動しているリアムを素直に評価している。ただし口が悪いのでそこだけは注意している。 - リーリエ
書籍版限定の登場人物で、書籍版5巻の追加エピソードにて登場。ファッションショーのような服装が普通の首都星でシンプルな白いワンピースという逆に目立つ服装をしており、リアムのナンパ相手としてデートすることに。見た目とは裏腹に機動騎士に詳しく武芸の心得があり荒事にも慣れている。リアムの心に留まった女である一方、知ればエイラやシエルが黙っていない秘密がある模様。 - ウォーレス・ノーア・アルバレイト
ファンタジーな青い髪を持つ気障な帝国第120皇子。皇位継承権なんてないようなものなので独立しようとするが満遍なく赤点気持ち上なスペックなので上手くいくわけもない。同級生のリアムがパトロンになることですっかりリアムの腰巾着と化したがリアムの無茶振りを度々受けて特定の分野で才能を発揮している。
セリーナが苦手。 - カルヴァン・ノーア・アルバレイト
長い髪を外巻きにカールにし、髭を蓄えた帝国の皇太子。派閥も大きく、次期皇帝に最も近い男と言われているが帝国の歴史を振り返れば安泰とは言い切れない。クレオを支援するリアムを警戒しており、木っ端貴族を使ってバンフィールド家の力を削ごうとしているが上手くいかない。
案内人の誘惑にも乗らない屈強な精神の持ち主。 - ライナス・ノーア・アルバレイト
高身長で狐顔の皇位継承順第二位の皇子。有能だが余裕がないため威圧的で野心を隠そうともせず、手始めにクレオ派閥もといリアムを始末しようとするがククリやリアムに阻まれ全て失敗、その責任を取る形で毒杯を仰いだ。 - クレオ・ノーア・アルバレイト
皇位継承順第三位の皇子だが、実質皇帝の遊びで継承権はないに等しい存在。自分の領内統治に都合がいいということでリアムの支援を受けることになる。人柄はいいようだがまともに政治に臨んだことがないため政治に疎い。それでも傀儡に収まるまいと奮闘している。 - リシテア・ノーア・アルバレイト
クレオの姉にして騎士。クレオ周りの一般騎士は彼女だけなので一般的な視点を提供してくれる。
その他の登場人物
- 安士
リアムが最強の力を得るために派遣された剣の師匠。しかし、その実案内人の悪意で派遣させられた香具師。どういうわけか命の危機が迫ると表情筋や汗腺が仕事を放棄し、思考も研ぎ澄まされて大物感が出てくる。
金遣いが荒くちゃらんぽらんな男で適当に教えてバンフィールド家から金を巻き上げようとしていたが、芸を見せて基礎を教えたらメキメキ強くなり、引き際を見つけられなくなって結局手が付けられなくなるまで面倒を見てしまった。
前述の通り安士の芸のグレードアップ版が一閃流であり、結果的にリアムを最強の剣士にしたのだが、詐欺を働いたという自覚を持ち、それをリアムに知られたらエグい方法で殺されると思い込み怯えている。が、(自分は使えないのに)一閃流を教えるノウハウを身に付けてしまい、リアムが求めていた「一流の指導者」になってしまう。全く自覚していないが本世界のパワーバランスを崩壊させる力は間違いなくトップクラス。
モブせかの師匠と対照的な人物ながら、だいたいこいつのせいとも言えるくらい物理面でも精神面でもリアムの根底を支える存在となり、人間個人に興味のない案内人にはっきり憎悪を向けられている。
登場人物の殆どが貴族や軍人、海賊の本作において貴重な一般人であり、一般人の生活は情報網を扱う端末や乗り物を除き我々の生活とそこまで変わらないことが彼を通して描かれている。 - ゴアズ
数多の惑星を破壊し尽くしす超凶悪な宇宙海賊団の首領。
全然悪徳領主をしないリアムに痺れを切らした案内人の導きによりバンフィールド家を襲撃する。
ロストテクノロジーで作られた、生物以外の物質を好きな物質に変換できる「錬金箱」を所有しており、それで産み出した資金により3万隻もの軍勢を率いるようになった。海賊で3万隻というのは星間国家規模で見ても超巨大で後に出てくる宇宙海賊達より1桁大きい規模である。
当時のバンフィールド軍は戦艦が6000隻しかなく、騎士も不在だったためどう転んでもゴアズに軍配が上がるはずだったが、案内人が「プレゼント」と称したためリアムが調子に乗って最前線に乗りだし、結果軍の士気も維持されゴアズ軍を押し返し、アヴィドと一閃流の圧倒的な強さもあって壊滅。
案内人が悪あがきでゴアズに力を与えるもゴアズが骨董品として保存していたとてもすごい刀に切り刻まれて討伐される。
先述の「錬金箱」やとてもすごい刀、ゴアズの保有してた兵器や懸賞金諸々、それらが文字通りプレゼントとなってしまい、バンフィールド家は一気に盛り返すことになってしまった。
名前の通り美男美女が醜くなる様を楽しむ悪辣な趣味を持っており、技術持ちの「飼育員」と組んでティアを玩具として醜い肉塊にして楽しんでいた。
外伝「あたしの悪徳領主様!!」
悪徳領主と同じく「小説家になろう」で不定期連載されている外伝。
本編11章エピローグから登場するエマ・ロッドマンがバンフィールドの一市民から、類稀な機動騎士の操縦センスと多くの縁が重なり成り上がっていく物語で、現在2章まで公開されている。
1章は本編4章の後、2章は本編5章の前の時系列になる。
外伝発の登場人物
- エマ・ロッドマン
リアムよりおよそ25~30歳年下の正義感の強い新米騎士。当初は戦果を挙げられない、軍の命令も遂行できないとダメダメで辺境送りにされるも、そこで起こった割とシャレにならないゴタゴタに巻き込まれながらも当初は発揮できなかった才能を開花させていく。武芸を修めているわけではないものの機動騎士の操縦センスは超一流だが、アタランテを駆るまではアシストのせいで思うように操縦できなかったため、アタランテに対しての思い入れが強い。 - アタランテ
エマの愛機となる機動騎士で、第三兵器工場の量産機ネヴァンをベースにした改造機。外付けしたような構造で欠陥が目立つ不完全な代物でアシスト機能がないのはもちろん、安全性もおろそかで無茶な操縦によりよく大破させていたが、2章で第七兵器工場…もといニアスの手によって復活したばかりのアヴィドレベルの機動騎士に生まれ変わった。 - クローディア・ベルトラン
ティアの元副官で1章ではエマの教育を担当。元より生真面目な性格だが裏切りにより宇宙海賊に捕えられ、リアムの活躍を生で見てきたこともあり新米に対しては非常に手厳しい。 - 戦艦メレアの軍人の皆さん
エマの配属先で出会った同僚たち。もみあげと髭がつながった中年の男で機動騎士のパイロットダグ・ウォルッシュ、赤いツインテールの少女で整備士モリー・バレル、年若い准尉ラリー・クレーマー。元々バンフィールド私設軍の兵士だが、帝国からやってきた真面目な軍人に追いやられる形で左遷され、士気も低い問題児たちで戦力としてすら勘定されていない有様。
他作品との繋がり
- 書籍1巻でWEBより追加された案内人からの転生先案内描写追加と挿絵があるが、ここで挿絵に映っているそれぞれの転生先の場所は他作品である「最弱勇者」「ドラグーン」「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」である、案内人はこれらの舞台にも転生させることが出来るようである
- 本作の書籍2巻と「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」7巻の発売記念にて初のコラボSSが一部書店にて特典となり、本作の舞台と他作品についての関連性が僅かに描写された
- リアムによると「モブせかの舞台となってる惑星は宇宙進出をしておらず、未開惑星扱いに分類されるため不干渉するのがマナー」ということになっているようだ
- またあくまでもモブせかの惑星は宇宙に存在する惑星の一つであり、惑星によって習慣も文化も生態性も大きく異なるらしい
- このことに加えて他作品の設定や描写、1巻での案内人の転生先案内描写、「幻想と現実のパンドラ」「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」等他作品での「あの世」や「神」の描写からして「三嶋与夢作品(わい先生)の世界観と設定は全て同じでありあくまで作品ごとに舞台となる惑星が異なるというもの」である可能性が強くなったといえる
- ちなみにコラボSSの内容は悪徳領主側が「旅行気分で未開惑星に来たリアムたち一行がリオン&ルクシオンと邂逅する」、モブせか側が「ルクシオンの宇宙船機能を確認するために宇宙旅行してたリオン&ルクシオンがリアムたちの領主がある惑星に赴き、リアムたちと再会して飯を奢ってもらう」話である。ルクシオンと天城の主人に対する愛情と意外と仲が良いリオンとリアムのやり取りが見られる内容となっている
関連静画
ニコニコ静画 (マンガ)においては漫画版の1話のみ無料で常時公開されており、以後の話数は掲載されてから一か月程度の期間限定公開となっている。
関連リンク
- 俺は星間国家の悪徳領主! - 小説家になろう
- あたしの悪徳領主様!! ~俺は星間国家の悪徳領主! 外伝~ - 外伝、小説家になろう
- 俺は星間国家の悪徳領主!|株式会社オーバーラップ (書籍版公式サイト)
- 俺は星間国家の悪徳領主! - 灘島かい/三嶋与夢/高峰ナダレ / 第1話「案内人」 | コミックガルド (漫画版連載サイト)
関連項目
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