東京に関する記事ガイド:
- 都市としての「東京」である東京都区部、東京23区のこと: 旧・東京市に相当する都市。以下に詳述。
- 東京都: 日本の47都道府県のひとつ。東京都区部(東京23区)・多摩地域・東京都島嶼部を範囲とする。
- 首都圏: 首都機能をサポートする地域。日本では一般的に東京都市圏のこと。
- 江戸: 東京の古称。
- 東京駅: 千代田区丸の内と中央区八重洲にまたがる、都心部の中心駅(各種新幹線を含むJR、東京メトロ)。
- 東京(苗字): 日本の苗字。読みは「とうきょう」。古くからの姓・苗字ではなく、明治になり江戸が東京と改称されたことにあやかって、一部の江戸さんなどが苗字を東京として届け出たと考えられている。
東京23区の概要と位置関係
都市としての「東京」とは、東京都の中で東部に位置し、旧・東京市に相当する東京都区部「東京23区」を指している。
千代田区を中心に中央政府機関の庁舎が所在する日本の首都機能がある都市。「上京」「在京」などの成語もある。
23区を合計した人口は約925万人[1]。東京都民の約7割が23区内に住んでいる。逆にいえば、多摩地区にも400万ほどの人口がいるわけである(面積は中山間部を含むものの、可住地面積でも多摩地区の方が広い)。
東京23区は都市名として「東京」と称され、一つに扱われる。行政上は「東京都区部」や「特別区の存する地域」と呼ばれたり、都庁所在地を「東京」としたり、天気予報の都市名として「東京」が便宜上使われる。実際には都庁所在地は新宿区、天気予報の「東京」は千代田区北の丸公園での観測データである。都内では都区部と言って区別することがある。
東京都区部の特徴は以下の通りである。
- 環状都市(中心には皇居があり、起伏が激しいため環状に都市が形成されている。これは同じ城塞都市であったパリを見倣っている。大阪市や名古屋市は平野部に都市が形成され、中央部に都心がある)
- 多極構造(東京都区部は都心と7つの副都心、そして20余りの地域拠点にわかれている。対して大阪市や名古屋市は一つの巨大な単一核構造となっている)。
- 山の手と下町(これは地質学的観点からしても明らかであり、山の手と下町エリアの標高差はかなりある。山の手は名の通り起伏が激しい武蔵野といわれた未開の地を開拓した新しいエリアであり、江戸時代には宿場町や田舎(鷹狩の名所)だった。これは、東京江戸博物館のジオラマを見れば一目瞭然である)。
______戸田市__川口市________________
__朝霞市___板橋区_______足立区______松戸市
___和光市______北区________________
____練馬区___豊島区___荒川区____葛飾区____
武蔵野市___中野区___文京区__台東区_________
____杉並区__新宿区________墨田区_____市川市
三鷹市_________千代田区_中央区____江戸川区__
________渋谷区_________江東区_______
調布市_世田谷区______港区_______湾湾_浦安市_
_狛江市_____目黒区_品川区_湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾__
_________________湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾
__川崎市中北部__大田区_____湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾
_________川崎市東南部___湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾湾
都心地域
東京に留まらず日本の中枢や首都機能を成す地域。東京市が周辺郡町村を合併する前の旧15区時代の東京市であり、江戸も殆どがこの範囲である。
千代田区 人口5.5万人
日本政治の中心。皇居、国会、首相官邸、最高裁、防衛省を除く省庁本部といった首都機能や、ゆうちょ銀行、メガバンク3社の各本店がある。丸の内、大手町エリアは日本屈指のオフィス街を形成している。またオタクの街秋葉原も千代田区に含まれる。人口は23区中最小。住んでいる人はお金持ちが多いらしい、…というか地価が上がりすぎてよほどの金持ちしか住めなくなってしまったらしく、かつて都内一といわれた番町あたりの超高級住宅街もすっかり姿を変えてしまった。かつてと東京市役所と東京都庁はここにあった。
中央区 人口14.4万人
江戸時代からの東京の商業、金融の中心地。日本橋は金融系の本社が林立する。ビジネス街の八重洲、高級商業地の銀座、市場の築地、下町風情が残る月島と各地区で雰囲気が異なり、それぞれ楽しみ方を知っていると楽しいところである。東京駅の東側である八重洲も中央区。ニコニコ動画を運営するニワンゴの本社も中央区に置かれたことがあった。佃や月島を中心に人口が急増し、佃には高層マンションが林立する(かつて佃煮を作っていた漁村とは思えない)。
港区 人口22.2万人
新橋、虎ノ門といったビジネスエリアもあるが、基本は住宅地区も多い。江戸時代は御三家の武家屋敷街、明治時代は華族の屋敷街として発展し、今も麻布、白金、三田、高輪界隈は大使館が閑静な住宅街と一緒に並ぶ。テレビ局の拠点も多く、テレビ朝日の六本木ヒルズ、TBSの赤坂、東京ミッドタウンなどの再開発エリアや民放各局の本社が集中し、南青山、六本木、南赤坂一帯の高層マンションには芸能人らが多く住む。東京タワーや青山墓地がある。華族の社交場であったことから飲食街も発展しており、六本木、赤坂、青山ももともとは盛り場として発展したが、今日赤坂はメディアの拠点として、六本木は外国人向けのバーのほかIT企業が集積、そして原宿から表参道につながる青山はファッションの拠点(洋服の青山は無関係)となっている。お台場は一部だけ港区らしい(フジテレビは敢えてそこを選んだ)。実は品川駅も品川区ではなく港区高輪。
新宿区 人口34.1万人
新宿は西の商業の中心にして、それまで庶民文化の中心地だった銀座に代わり庶民文化の中心としてハッテン発展。西新宿には淀橋浄水場跡地に京王グループ主導で高層ビル群が建てられ副都心として発展した。東京都庁もここにある。また新宿御苑は大都会のオアシスとなっている。大学キャンパスも多い。千駄ヶ谷には日本将棋連盟の本部がある。意外と人口の多い区であり、歌舞伎町、二丁目に大久保新大久保といった、世間がイメージする雑多な新宿とはけっこうかけ離れている。北東部は神楽坂と呼ばれているエリアで昔からの地名も多く残ったりしており、古今亭志ん朝でおなじみ矢来町などもある。
渋谷区 人口21.7万人
若者率が高い一帯。渋谷、原宿は若者文化の発信地となっている。一方で表参道、代官山など大人の雰囲気を持つエリアもある。また、渋谷は国内随一のIT企業集積地区でビットバレーと呼ばれる。NHKと東急グループの本拠地。区の中心には代々木公園と明治神宮の広大な緑が広がる。新宿駅の南側は実は渋谷区。広尾、松濤、神宮前、西原(駅名で代々木上原界隈)といった高級住宅街も多いが、ビジネス街、商業地として地価が高騰した皺寄せも受けているため人口は減っている。定義上の都心ではないため、城南エリアに含むこともある。
城南地域
都心と川崎・横浜に挟まれた地域。高級住宅街から町工場群まで揃っている。大田区には羽田空港(東京国際空港)があり、東京の空の玄関口になっている。
品川区 人口38.0万人
東西に2本・南北に10本の鉄道路線と、大井ふ頭を擁する、陸海の交通の要衝。ただし上述の通り、こんな区名なのにJR品川駅はここではなく港区である。大井競馬場のイメージも強い。
JR大崎駅周辺、天王洲は洗練されたオフィス街として、JR五反田駅・大井町駅周辺は繁華街として知られ、御殿山、池田山、花房山といった戦前からの超高級住宅街もあるが、実は区の大半が、銭湯や神社仏閣が立ち並ぶ庶民の町。世間一般の「品川ナンバー」の印象とは割とかけ離れているが、上記のビジネス街や商業地さえ港区にあると思われているのが現状である。
大田区 人口71.2万人
羽田空港のある区。区の面積の実に3割が羽田空港である。大森区と蒲田区が合併して誕生したというわかりやすい合成地名。マンションや一軒家の立ち並ぶベッドタウンであり、23区では3番目に人口が多い。
東急・京急・JRが乗り入れる蒲田周辺が区の中心部としてにぎわっている。かつて「映画の都」として知られたが、今は映画館はそんなにない。実はオタク向けショップが割と充実している隠れたオタク街である。田園調布もあるが、世田谷区にあると思われている。そのため、こち亀では毎回わざと大田区田園調布と区名を付していた。だが、大田区は、基本的に住宅と零細な町工場が密集する下町エリアである。
目黒区 人口27.8万人
中目黒や自由が丘など、住みたい街として人気の高いお洒落なエリアを擁する街だが、区自体の知名度が低い。また、東京大学駒場キャンパスと東京工業大学という日本でもトップクラスの大学がキャンパスを構える、学生の街でもある。なお、こんな区名なのにJR目黒駅を含まない(品川区である)。目黒の秋刀魚という落語でも知られてるけど、あれを誇るのはどうかと落語ファンは思うわけでしてまあ…。
城西地域
都心と多摩地区に挟まれた地域。住宅街が続き大変な人口密度を誇るが、適度に公園や商店街が整備され住みやすさ、というより小田急線や京王井の頭線のイメージ戦略で人気の高い街が多い。世田谷区は23区中最大の人口を持ち、政令指定都市の堺市、新潟市、浜松市などよりも人口が多い。
世田谷区 人口90.8万人
京王井の頭線、小田急線、東急田園都市線など人気の沿線が多く、JRがないことをいいことに電鉄系不動産がイメージ戦略で、荒れ地で人のいなかった武蔵野を開発しまくった住宅街で、道路事情は決して良くない。そのため、成城を筆頭に深沢、等々力、奥沢、北沢、代沢、赤堤など閑静な高級住宅街が多いが、沿線違えば赤の他人のため区民の波長は全く合わない。
世田谷区という名前にステータスを感じているものの、世田谷区に貢献する気は全くなく、ふるさと納税依存率が全国一高い。そのため、区の財政状況は悪く警察署や保育所を作れないと世田谷区役所の関係者が嘆くのはこういう社会背景がある。
ただ、人口がやたら多いが、区域面積も周辺区よりかなり広いので、人口密度で測れば決して極端に多いわけでもない(目黒区と変わらず、江戸川区や大田区の方が過密である)。
中野区 人口32.4万人
日本一の過密地区で、狭いエリアに2万ほどの人口密度を持つ。中野はまんだらけ本店など秋葉原に次ぐオタクの聖地となっている。
杉並区 人口56.4万人
JR中央本線、京王井の頭線、京王線が通る住宅街エリア。中心地は荻窪で高円寺、阿佐ヶ谷もそれなりに飲食店が多い。新宿の再開発にしたがい人口が急増したエリアであり新宿より東側には基本出向かない、お上り都民が多い。そのため、いろいろとアレな団体も多…
※粛清されました。
練馬区 人口72.3万人
世間のイメージと都内のイメージにかなりのギャップがある区。下町区と思われがちだが、実は大泉学園、石神井町、光が丘(田柄)など高級住宅街もかなり多く、大泉学園は少女漫画家版トキワ荘、大泉サロンでも知られる(待遇がトキワ荘とは真逆だが)。アニメ産業が発展した聖地であり、ドラえもん、うる星やつら、タッチ、ど根性ガエルなど練馬区舞台の作品は非常に多い。練馬大根は絶滅寸前でむしろ練馬はキャベツの産地である。なお城北に含むこともある。
城北地域
豊島区には北のメガシティ池袋が、文京区には東京ドームや東京大学がある。北のほうは埼玉と揶揄されることも。谷根千界隈には下町風情が残る。
豊島区 人口30.0万人
副都心の一つ、池袋を擁する区。おばあちゃんの原宿といわれる巣鴨、トキワ荘があった東長崎(旧椎名町)などがある。池袋界隈には学校が多く、国内随一の書店激戦区である。学習院大学のお膝元、目白もある。但し、としまえん、田中角栄邸(目白御殿)は豊島区ではない。
文京区 人口21.9万人
東京ドームと東大で知られる文教地区。明治時代には文豪が数多く暮らしたことから小石川、本駒込など高級住宅街も多い。また、音羽には講談社があり、千代田区と並び出版印刷業の中枢。一方で、商業地は非常に少ない。湯島天神、六義園、小石川後楽園といった文化遺産も豊富である。
板橋区 人口54.3万人
練馬区と北区の間にある地味な区。高島平は高齢化が進む団地としてよく取り上げられるけど。成増はモスバーガー第一号店舗がある。
北区 人口34.2万人
板橋区と足立区の間にある区。ひろゆき、エレカシのミヤジの故郷、埼玉都民御用達の飲食街、赤羽がある。飛鳥山公園は徳川吉宗が庶民のために開発した桜の名所。諸事情で再開発が進まないため、40年前と比較して数少ない人口が減少している区である。
城東地域
東京の下町といえばこの辺りをイメージする人も多く、西日本の人や海外の人がイメージを抱く都心以外の郷土的な東京はだいたいこの辺りである。台東区には都民のオアシス上野公園や浅草があり、墨田区の東京スカイツリー、江戸川区の葛西臨海公園は人気のスポット。江東区はコミケの会場東京ビッグサイトやお台場で有名。葛飾区は両さん、寅さんなど有名キャラクターの出身地。足立区は治安についてよくネタにされるが実際は繁華街である都心のほうが犯罪率は高い。平和な区です。
台東区 人口18.7万人
京成本線のホームグラウンド。副都心にして芸術、文化の中心である上野・御徒町と東京市の商業、娯楽中心地だった浅草を擁する。ほかに日本最大の風俗街である吉原、千束、鶯谷もここにあり、文京区との落差がすごい。駒形はバンダイ、エポック社の創業地。谷中は古くからの町並みが残る。
荒川区 人口21.0万人
ザ・下町。『巨人の星』の舞台となった町屋や都電荒川線、日暮里の繊維問屋街などが知られる。JR山手線の日暮里駅と南千住駅があるのだが、この辺りだけ異様に地価が低い。再開発が進みまた人口が増加しているが、最盛期にはこの狭い区に40万以上の人口を抱えていた。
足立区 人口69.4万人
昔は練馬区以上の人口があったが、世間のイメージがよくない、というより交通手段が都バスだけだったという交通事情もあってなかなか人口が増えなかった。鉄道未整備地域につくばエクスプレスの開通で北千住界隈がようやく賑わってきたけど。
墨田区 人口25.9万人
かつての東京の中心地。両国国技館があり、錦糸町は飲食街が集まる副都心の一つで千葉都民がよく利用する。スカイツリーも押上にできたが、江東区にあると思われている。
江東区 人口49.0万人
ウォーターフロント開発が進み人口が急増し始め、有明には有明コロシアムや国内最大の見本市会場「東京ビッグサイト」があり、豊洲には魚市場が移転してきた。一方で、江戸情緒が残る深川などもここにある。そして、かつてゴミの島(処理場)として知られた夢の島もここにある。亀戸は錦糸町と合わせて副都心に指定されているが特に目立つものはない。なお、ここも江戸川区と同じゼロメートル地帯が多い。
江戸川区 人口68.5万人
TDRにも近いことから葛西臨海公園を中心に人口が急増している、最も家族構成が若いエリア。だが、それは過去を知らないだけのことである。知らない方が幸せなのかも知れない。区北部の人は新小岩をよく利用するが、新小岩は次に挙げる葛飾区である。
葛飾区 人口44.6万人
寅さんで有名な柴又、こち亀で有名な亀有があるJR常磐線、京成本線沿線の下町区。タカラとトミーも葛飾で生まれた。新小岩は一帯の飲食街としてそこそこの規模。
東京都区内ではないもの
- 吉祥寺 …武蔵野市である
- 東京競馬場 …府中市である
- 味の素スタジアム …調布市である
- 東伏見アイスアリーナ …西東京市である
- 井の頭公園 …三鷹市である
- 聖蹟桜ヶ丘 …多摩市である
- 新百合ヶ丘 …神奈川県川崎市麻生区である
- 東京ディズニーリゾート …千葉県浦安市である
- 東京ドイツ村 …千葉県袖ケ浦市である
- 日本橋(にっぽんばし) …大阪市浪速区である
- 恵美須 …大阪市浪速区である
- 三田(さんだ) …兵庫県三田市である
交通
鉄道網
都心を囲む形で城北・城南を通り、南北に長い環状鉄道のJR山手線が走っている。その山手線の各駅(新宿・池袋・上野・渋谷など)に関東各地との間を結ぶ主要私鉄各社が乗り入れている。
山手線の内側にはJR中央本線が横切るほか、地下鉄13路線(東京メトロ、都営地下鉄)、および路面電車1路線(都電荒川線のみ。地下鉄ができる前はたくさんあった)が細かく張り巡らされている。そのため新宿や池袋のような巨大ターミナルはない。
このようになっているのは都心部の無秩序な開発を避けるため、山手線の内側へ私鉄が乗り入れることを長らく認めてこなかったためである。ただし現在では、地下鉄各路線と郊外私鉄の間で直通乗り入れをおこなう電車が多いので、乗り換えることなく都心部を貫通して郊外から郊外へ向かう流れの利便性が向上している。
ターミナル駅における乗り換えは、慣れていない人にとっては苦労する。東京駅のJR京葉線への乗り換え、新宿駅・新宿西口駅の都営地下鉄大江戸線への乗り換えあたり難易度が高い。
世界の住民が東京の鉄道網を見て「毛細血管」「絡まった釣り糸」「スパゲッティ」などといった感想をこぼしている。
道路
元々東京(江戸)は城下町として開発されたため、敵からの侵入を防ぐために細い道路や直角に曲がりくねった道路が多かった。
しかし、関東大震災の復興で都心の道路の拡張、東京オリンピックで環状道路や首都高速道路の整備が行われ、これによって現在の主要道路が整備された。
それでも当初の想定以上に交通量が増加している。特に首都高は高速道路ではあるが慢性的に混雑している。
環状八号線の上には「環八雲」が湧き出ることが知られる。
ちなみに東京23区を中心に各方面へ伸びる高速道路の起点ICは「高井戸IC」「練馬IC」「玉川IC」などローカルな地名の名称を取るが、日本の高速道路の大動脈を成す東名高速道路に於いては世田谷区にある起点を「東京インターチェンジ」と称している。
なお、23区内の車のナンバーは登録される区によって品川・練馬・足立に分かれている。2014年よりご当地ナンバーとして世田谷、杉並ナンバーが追加され、2020年には江東、葛飾、板橋ナンバーが追加された。
空路
大田区に羽田空港が所在しており、大都市の空港としては都市内に位置するためかなりアクセスが良い。また、ヘリポートでは江東区に東京ヘリポートがある。
東京都では調布空港も存在するが調布市のため都区外であり、東京の空港として扱われる成田空港に至っては千葉県成田市である。
歴史
室町時代、太田道灌が築いた江戸城の小さな城下町となる。しかし道灌の死後、城は大きな役割を果たさず、江戸は基本的に農村であった。
転機が訪れたのは1590年。後北条氏を降伏させた豊臣秀吉は東国統治の開始にあたり、当時随一の実力者徳川家康に対して江戸を本拠とした関東一円の知領を割り当てる。
家康は今の日比谷・新橋にあたる入江を埋め立て、神田川の付け替え、堀の削掘など大規模な開発を行った。平野のただ中にある江戸は、都市を築いて近郊農業を展開させるには理想的な土地柄であった。
まもなく徳川家が将軍となると、将軍のお膝元となった江戸には全国の武家が屋敷を構え、商業や文化の面でも京都や大阪に対抗し得る都市として急激に発展していく。1700年代には100万人都市となり、人口ではロンドンやパリを越える世界最大の都市となったようである。
明治の世になると、新政府と皇室が江戸へ入ることとなり、江戸は「東京」へ改称された。明治政府に愛読者もいた佐藤信淵『混同秘策』という社会論書に「江戸を東京、大阪を西京と改めて京都とともに3都制にしよう」と書いてあったのが由来である。
それから一貫して日本の政治・経済の中心として君臨しているが、関東大震災、東京大空襲、東京オリンピックと大災害の復興や国家事業の度に大きな再開発が行われてきている。
なお、現在23区にあたる範囲は近代においては自治体「東京市」に編入されながら発展してきたのだが、戦時下の1943年に東京市下の戦時統制を強化を目論んだ政府の主導によって、東京市は解体されて特別区に分割され、東京都に大幅に権限を委譲することになってしまった。
戦後は高度経済成長にともない人口が急増。1970年代以降、ドーナツ化現象により一時的に人口が減少したものの、バブル崩壊後は地価の下落により都心回帰が進み、2012年に歴史上初めて23区内の人口が900万人を突破した。
1964年にはアジア初の近代オリンピックとして1964年東京オリンピックが、2021年には二度目となる2020年東京オリンピックが開催されるなど、世界的イベントの開催地を担う都市にも発展している。
コロナ禍において若干の人口減少があるものの、その後は再度人口増加傾向にある。
その他
関連動画
関連項目
脚注
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