「金剛八重垣流の繁栄が、じいちゃ――、
祖父母にできる唯一の恩返しです」
ヤエノムテキ(ウマ娘) とは、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』において同名ゲーム及び漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』に登場する登場キャラクター。
実在の競走馬「ヤエノムテキ」をモチーフとするウマ娘である。 CV:日原あゆみ
概要
誕生日:4月11日 身長159cm 体重:増減なし
スリーサイズ:B78・W54・H81拳で風を叩き、大地を蹴り、決して人を傷つけない武術――
もとい、レースで日々己を磨くウマ娘。
礼節を重んじる頑固者、と見せかけて、たまに子供っぽい血気盛んな本質がチラリと見える。
祖父母を思う気持ちは人一倍、そんな彼女の夢は、実家の流派をさらに磨き上げることである。
アプリ配信直前の2021年2月10日に、他のシンデレラグレイ実名組と共に実装が発表された。
流星つきの栗毛の短髪。髪飾りは右耳に風車と4回折られた二つの帯。巫女服のようなデザインのスカートの勝負服。礼節溢れる古風な態度や振る舞いが特徴的。
後述する「四白」の再現か、勝負服は腕と足が白いデザインである(手先にあたる手袋が赤く、白い部分は他にもあり強調されていないのでわかりにくくはあるが)。
幼少期は激情のままウマ娘の力で暴れ回る厄介者だったが、徒手武道「金剛八重垣流」の当主である祖父に道を正され、今の人物像になった。しかし、「烈火」と表現されるその激情は今も己を律して「抑えている」だけにすぎず、彼女を悩ませている。レースの道を志したのも、レースであれば暴力に頼らずに激情を昇華できるからであるようだ。
子猫のような「か弱く可愛いもの」に目がなく、色々なものを投げ捨ててでも守護らねばならぬ守りたくなってしまう。
ゲームでの扱い
育成ウマ娘:四白流星の襲
ステータス(☆3) | |||||||||||||||||||
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スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ | |||||||||||||||
92 | 81 | 97 | 97 | 83 | |||||||||||||||
バ場適性 | |||||||||||||||||||
芝 | ダート | ||||||||||||||||||
A | E | ||||||||||||||||||
距離適性 | |||||||||||||||||||
短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 | ||||||||||||||||
G | B | A | E | ||||||||||||||||
脚質適性 | |||||||||||||||||||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||||||||||||||||
F | A | B | G | ||||||||||||||||
成長率 | |||||||||||||||||||
固有スキル『烈火繚乱、無敵之舞』 | |||||||||||||||||||
最終コーナー以降に追い抜いていた場合 残り300mを切って先団にいるとき 烈火の如き闘争心で速度が上がる |
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ウマ娘テンプレートボックス |
概要
サービス開始時点では未登場、2021年4月26日にサポートカードが実装され、またこの際にCVも公開となった。
サクラチヨノオーの育成実装に伴い、勝負服3Dモデルが実装されレースライバルとして登場。本人の育成実装こそまだだが、チヨノオーおよび直後に登場したメジロアルダンのシナリオではこの2人とヤエノムテキのトリオが主要人物としてフィーチャーされている。
そして2022年4月19日に育成ウマ娘として実装。皐月賞条件のチャンピオンズミーティング・アリエス杯の直前となる。
衣装名の「四白流星」は競走馬ヤエノムテキの外見的特徴で、額から鼻先までの星(流星)に加えて4本すべての足先が白いことを指す。
アオハル杯での登場時に比べると全体的に得意分野以外が弱体化(ダートD→E、短距離E→G、長距離D→Eなど)。史実通り菊花賞出走の目標があるため、継承での強化なしでは惨敗必至。
シナリオはチヨノオー・アルダンの流れを汲むが、2人とも史実通りダービーの後に故障してフェードアウト、秋にはあっけなく世間はオグリキャップ一色になってしまい、自らと友の名誉を証明するためシニア級ではオグリをライバルと定める筋書きとなる。また同時に、不安定な衝動を秘めた自分自身との戦いも物語の主軸となる。
なお、シニア級はローテーションや状況など1年飛ばした5歳(旧6歳)時に準じる部分が多く、史実の自身とオグリの引退レースに相当するシニア級有馬記念(目標外)のイベントもある。
サポートカード
SSR[押して忍べど燃ゆるもの]
タイプ | パワー |
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固有ボーナス | 押して忍べど燃ゆるもの |
トレーニング効果アップと得意率アップ |
スキル
スキル名 | 効果 | |
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所持スキル | ペースアップ | レース中盤に追い抜くと速度がわずかに上がる |
末脚 | ラストスパートで速度がわずかに上がる | |
抜け出し準備 | 最終コーナーでわずかに抜け出しやすくなる<作戦・先行> | |
テンポアップ | レース中盤に前の方だとわずかに好位置を取りやすくなる<中距離> | |
尻尾上がり | レース中盤にスキルを多く発動すると速度がわずかに上がる | |
イベントスキル | 中距離コーナー◯ | コーナーで速度がわずかに上がる<中距離> |
遊びはおしまいっ! | すぐ後ろにウマ娘が長くいると速度がわずかに上がる | |
アガッてきた! | レース中盤に追い抜くと速度が上がる |
特徴
なんと言っても、4凸時のヒントLvボーナス+4(一発でヒントLv5=最大になる)が大きな強み。
最大になれば以降はヒントイベントの抽選に掛からなくなるので、効率的にヒントを漁ることができる。内容も汎用的なスキルが多く、自身のレアスキル「アガッてきた!」の下位である「ペースアップ」が入っているのも高評価。
レアスキルは確定かつLv3可能性あり。イベント2つ目の下選択肢を選ぶと打ち切られるが、汎用スキルながらヒントイベではアイネスフウジンからしか貰えない割と希少なスキル「遊びはおしまいっ!」(すぐ後ろにウマ娘が長くいると速度アップ)が取れる。一概にどちらが良いとは言い難く、イベントを1回分削れることなど細かく違いが出るので適宜使い分けが求められる。
共通イベントは目立って強力とはいかないが、選択肢でやる気を上げたり安価なスキルヒントが取れたりするのでそこそこ有用。
中盤位置取りに寄与できるスキルがかなり充実しており、主にその方面で評価される。
一方、得意率アップが固有のみ・友情ボーナス最大20%と友情トレ性能が低いのが欠点。やる気効果40%とトレーニング効果5%+固有と、非友情についてはなかなか高いのだが。
イラスト・エピソードでは、ものすごく堅苦しい言葉遣いで状況が綴られているが「大盛況のウイニングライブの締めに超大声で『押忍!!』したらみんな驚いて笑ってた」という様子らしい。
なお、自身がセンターで脇にサクラチヨノオー、ついでにスタンドマイクがある(=「winning the soul」に該当する)ので皐月賞をイメージしていると思われる。
アオハル杯ではシナリオ内でほぼ確実に「アガッてきた!」が取れる+ヒントイベントが機能しにくいという致命的な逆風が吹いてしまっているが、アオハル魂爆発・アオハル特訓によるランダム入手ヒントでは距離・戦術指定のあるスキルしか貰えないので、下位になる「ペースアップ」に加えて「末脚」や「尻尾上がり」を取れる可能性があるという点は死んではいない。また、非友情寄りの性能や4凸時のレースボーナス10%の部分はシステムと好相性。
レースでは完全に中距離型だが、マイルBなので多少は潰しがきく。
Make a new track!!ではレアスキル被りがなくなり、同じくシナリオ内のヒントイベントで指定なしのスキルが貰えないのでヒント面では引き続き有意義。バランス調整で「抜け出し準備」「テンポアップ」「末脚」の性能が改善されたのも追い風かもしれない。
シンデレラグレイでの活躍
単行本での紹介
作品での活躍
オグリキャップが中央に入学してきた際には未出走であったが、その後、沈丁花賞で12馬身差をつけて勝利。オグリキャップが毎日杯に出ると知ると、それに合わせて毎日杯に出走。この時、古風にもオグリキャップに挑戦状を渡そうとするも食事に夢中なオグリキャップは気づかなかった。
毎日杯では、オグリキャップを徹底してマークし、内に入らせず大外を回らせて体力を削らせた。自身は直線に入って勝負を懸けたが、それでもなお、スパートするオグリキャップに抜かされてしまう。
皐月賞は断念かと思われたが、抽選枠3つに見事当選。ディクタアース、サクラチヨノオーの前を見事行って優勝。然し、彼女が勝ったことでオグリキャップがクラシックに出走できないことに対する疑念がファンの中で広がっていく。
日本ダービーでは、メジロアルダンと共に先頭のサクラチヨノオーに迫るが、サクラチヨノオーの気迫の走りに追い付けず。メジロアルダン、ダブルインターに続く4着。
その後は、劇中で古馬路線の競争を同期達(スーパークリーク、メジロアルダン、サクラチヨノオー、ディクタストライカ)と共に見て意見を交わしている。
史実
東京の
二千に咲いた。
ムテキの舞い
1988年の皐月賞馬として平成初期を駆けた一頭。オグリキャップ襲来時には中央戦線で果敢に芦毛の怪物に立ち向かった。
父ヤマニンスキー、母ツルミスター、母父イエローゴッド。母母フジコウは戦後初期の名馬トサミドリを祖父に持つ古い系統なのだが、それゆえに育ての牧場がそんな古い血統を守ってんのかと言われたこともある。ウマ娘の古風な性格はこれが所以だろうか。
主戦騎手は6歳時の90年産経大阪杯までは西浦勝一が、同年安田記念からは岡部幸雄が務めた。
デビューは4歳(現3歳)の2月と遅かったが、新馬戦を圧勝。次走沈丁花賞で12馬身差で勝利。だが、これだけでは皐月賞に出るには賞金が足りなかったため、毎日杯に出る。
沈丁花賞からわずか1週間余りでの連闘では無理があったか4着。だがこのレースで勝ったのが地方の笠松競馬場からやって来た「芦毛の怪物」オグリキャップであったことがヤエノムテキ、そしてこの年のクラシックの意味づけを変えてしまう。
中山競馬場の改修により東京開催となった皐月賞。ヤエノムテキは賞金額で届かなかったものの、運よく抽選枠三つの内一つに入選。更に運よく、出走枠は1枠1番という好位置を取れた。実績の乏しさから9番人気であったがレースは好位から直線で抜け出し、ディクターランドの追込を凌いで3/4馬身差で勝利。デビューから4戦目で、しかもなんと芝初勝利(最初の2戦はダート)という驚くべき結果を収める。だが、その裏ではオグリキャップが連勝街道をひた走っていた。彼とディクターランドともども毎日杯でオグリキャップに完敗していたことから、「オグリキャップこそ日本ダービーに出るべきでは?」といったことが言われてしまう。
日本ダービー4着、続く中日スポーツ賞4歳Sはサッカーボーイに次ぐ2着。9月に入ってUHB杯、京都新聞杯と連勝。菊花賞は10着だったものの、次走鳴尾記念を制し、10戦6勝、2着1回の好成績で4歳を終えた。
5歳初戦で日経新春杯を2着、次走大阪杯はこれを制し、5歳シーズンも順調な滑り出しをみせた。だが、ここからヤエノムテキは低迷する。というより、ライバルが多すぎた。サッカーボーイは引退しサクラチヨノオーは怪我により低迷したものの、ヤエノムテキと同時期には、オグリキャップを筆頭に、スーパークリーク、イナリワンの平成三強が王道レースで勝利するし、同期のメジロアルダン、短距離ではバンブーメモリー、下からはオサイチジョージという競馬ブームを彩る名馬が数多く居た。ヤエノムテキじゃなくてもたまったものではない。
6歳になってからも、日経新春杯2着、マイラーズC3着、産経大阪杯3着、安田記念2着、宝塚記念3着。今なら善戦マンと言われそうな記録である。使いすぎでは、と言いたいが時代も時代だし勝ってる彼らも大体似たようなペースで出てきているので文句は言えない。
然し、秋の天皇賞、後にJRA列伝で「東京の二千に咲いたムテキの舞い」と言われた好走が炸裂。ヤエノムテキはメジロアルダンの追撃を逃れ、1分58秒2でついに再びのGI優勝。常に先着されてきたオグリキャップにも(明らかに不調だったとはいえ)一矢報いた。何しろコースレコードであった以上、文句は言えない。その後はジャパンカップ、有馬記念に出走し、オグリキャップが有終の美を飾る後ろで引退。なお、気性難ゆえに引退式は陣営が断ったそうな(なにせレース前に放馬してしまっていたほど)。
引退後は種牡馬となったものの、産駒は走らずシンジゲートは解散。ややもすれば処分もありえるところだったがファンの支援によって無事余生を送ることができた。なんだかんだ幸運を掴みつつ、寿命にも恵まれ2014年に死亡(29歳没)。
彼はややもすると第二の「悲運の世代」プレストウコウとなったかもしれなかったが、そうならなかったのはいくつか理由がある。8戦8勝だが古馬と走る前に去ったマルゼンスキーと異なり、オグリキャップは4(3)歳時からタマモクロスと激突して敗北している。更に古馬に進んでは、クラシックを取ったスーパークリークを始めとしたライバルとの勝ち負けを繰り返し、ついにはヤエノムテキの後塵を拝したレースもあった。絶対的な最強馬とはならなかったため、「クラシックに出られなかった」オグリの「もしも」は語られる比重が小さくなり、平成初頭のオグリキャップの物語を彩る要素の一つとなっていき、後述する制度改定もあってそれは必ずしもネガティブな意味で語られるものではなくなった。
名前に反し、十重二十重に好敵手だらけだったが、その中でもG1を2勝、その他重賞(G2)も3つ勝っている。運も実力もあったことは確かである。世代の筆頭馬オグリキャップとは引退までの腐れ縁だった。そのオグリに敗北したヤエノムテキが皐月賞で勝ったことは、競馬界にクラシック登録の疑問を投げかけ、数年後には追加登録が可能となる制度改定へと至る。この制度がやがて皇帝に並ぶ世紀末覇王を誕生させたことは彼も知らぬことだろう。
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関連項目
シンデレラグレイの同組
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