タマモクロス(ウマ娘) とは、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクター。
実在の競走馬「タマモクロス」をモチーフとするウマ娘である。 CV:大空直美
概要
誕生日:5月23日 身長:140cm 体重:計測不能 スリーサイズ:B71・W52・H73
関西弁バリバリのチビっ娘。体こそ小さいがまさに気力の塊で、日常でもレースでも隙あらばツッこんでくる。
金銭的に恵まれない環境で育ったが、それを理由に負けてたまるかと奮起し続けるハングリー精神がパワーの源。
ボケ担当のオグリキャップとはいいコンビ。
けんかっ早く、底知れぬハングリー精神を持つウマ娘。人呼んで“白いイナズマ”。
小さい頃に苦労したので、レースで活躍し、家族や世話になった人々に恩返しをしたいと願っている。
小柄だがとても負けん気の強い関西弁のウマ娘。腰まである長い芦毛の髪を鉢巻のように青と赤の長いリボンで結び、同じカラーリングでポンポンのついたカチューシャに真っ赤な耳覆いをつけている。
ウマ娘の中でも先輩の方だが、見た目が可愛いので後輩達に可愛がられてしまうことが多い。子供の頃に貧乏で苦労してあまり食べられなかったといい、ライバルのオグリキャップとは対照的に今でも食が細い。
リニューアル前と3サイズが微妙に違っている。
当初の勝負服は襟に「白いイナズマ」のマークがついた黒いセーラー服で、やはり青と赤のリボンをつけている。上着のみサイズがブカブカになっており胸元と袖口が大きく開いている。
シンデレラグレイ以降でデザインが変更され、胸に白いイナズマのマークがついた青いタンクトップに、袖に「疾風」「迅雷」と描かれた青基調のジャケットを羽織ったものになっている。
原案 | ゲーム版 |
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固有二つ名は「面白い稲妻」「白い稲妻」。獲得条件は「天皇賞(春)、宝塚記念(シニア級)、天皇賞(秋)(シニア級)、を含む重賞を8勝以上し、ファン数が240000人以上になる」というもの。
アニメでの活躍
6話のファン感謝祭で開催された大食いグランプリの出場選手として登場。優勝賞品のドーナツのぬいぐるみを勝ち取るためむしろ苦手なはずの大食い対決に挑む。結果はオグリと同着かと思われたが、スーパークリークがオグリの方に自分のドーナツを吹っ飛ばしており、審議の結果2着に(元ネタは第33回有馬記念)。
しかしドーナツが食べたかっただけのオグリに優勝賞品を譲られ、感激のあまり彼女を「オグリん」と呼んで困惑させている。元ネタはモチーフ馬のオグリキャップが若い女性に呼ばれていた綽名だが、涙声で言っているのもあって「オグリ」と「オグリん」の区別が音声では困難で、パロディとしてかなりわかりにくいネタになってしまっている。
ゲームでの扱い
育成ウマ娘:疾風迅雷
ステータス(☆3) | |||||||||||||||||||
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スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ | |||||||||||||||
83 | 95 | 105 | 83 | 84 | |||||||||||||||
バ場適性 | |||||||||||||||||||
芝 | ダート | ||||||||||||||||||
A | F | ||||||||||||||||||
距離適性 | |||||||||||||||||||
短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 | ||||||||||||||||
G | E | A | A | ||||||||||||||||
脚質適性 | |||||||||||||||||||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||||||||||||||||
G | A | A | A | ||||||||||||||||
成長率 | |||||||||||||||||||
固有スキル『白い稲妻、見せたるで!』 | |||||||||||||||||||
レース後半の直線で好位置にいる または中団から前を狙うと 稲妻の如く駆けて行く |
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ウマ娘テンプレートボックス |
概要
2021年12月22日、有馬記念(チャンピオンズミーティング・サジタリウス杯)直前に満を持しての実装となった。
育成実装以前の脚質適性はそれぞれ2つA・1つBの形だったが、逃げ以外3つAという適性を引っさげ、先行から追込まで問題なく機能する固有スキル、各戦術用が存在する所持スキルと手広い傾向を見せたデザインになっている。
また、マイルF→E、ダートE→Fと低適性部分がちょっと変化している。
固有スキル演出(フル尺)の最後で一見いささかダサい決めポーズを取るが、風神雷神図屏風(俵屋宗達)の雷神のポーズと思われる。
育成シナリオでは「貧しさが災いして食が細い体質になってしまっておりアスリートとしての身体作りに問題がある」「母が腸捻転で倒れたショックで集中を欠いて模擬レース中の転倒事故に巻き込まれ、しばらく深刻なトラウマを抱える(レースでの体力消費増加)」「今度は父が倒れてしまい、命に別状こそなかったが家庭を顧みてレース引退も検討する」「オグリとの対決を前に極限状態から深刻な拒食症状が出る」といった史実を元にした過酷な状況が次々に襲いかかり、またオグリとタマモの対決が大いに彩った第二次競馬ブームという要素も強調されたシナリオとなっている。
中山金杯か京都金杯を勝利する(史実で勝ったのは現:京都金杯だが、京都金杯が2000m→1600mになってしまっているので対になるレースで2000mの中山金杯も加えてフォローしたような形)、シニア級宝塚・秋天・JC・有馬を全て勝利する(JC以外は1着の目標なので、作劇上の都合もあってか目標外になったJCに出て1着を取れるかどうかが実質唯一の条件)と多少のボーナスが得られる隠しイベントも発生する。
育成実装まで
アプリリリース時点からサポートカード及びレースでの対戦相手として登場。
オグリキャップやスーパークリークが育成ウマ娘として実装されているため、彼女らの育成シナリオ(およびウマ娘ストーリー)ではシナリオ上もレース上も(史実の引退時期を先送りして)ライバルとして絡んでくる。後発ではゴールドシチーのシナリオでもライバル役として活躍。
そして、同時期の『シンデレラグレイ』の連載であったりギャグ方面などのキャラ立ちであったり諸々の要因で出番・人気が目立ち、勝負服も初期実装されていることで育成ウマ娘実装に向けて期待が高まる中でなかなか実装されなかったため、だんだんガチャ更新のたびにそれが誰だろうとTwitterトレンドに「タマモクロス」が現れるのがお決まりと化す事態に発展していった。まあ勝負服初期実装ってだけならニシノフラワーとかアイネスフウジンも同じだけ待機してるんですけどね。
サポートカード
所持スキルは中距離・後方向きの傾向だが、その中に実質逃げ用の「前途洋々」が混ざっている。
差しデバフが2種あるため、デバフ狙いの時にも選択肢に上る。全7種なのでやや当てにくいが、カードにヒントボーナスがあるのはプラス要素。
友情トレーニング発生時の「さあ、ウチとやろうやぁ!」は耳に残りやすい事で有名。
SSR[天をも切り裂くイナズマ娘!]
R[トレセン学園]と共に初期実装。得意トレーニングはどちらも「スタミナ」。
こちらのイラストでは初期版のセーラー衣装服が使用されている。
無凸段階からヒントレベル+2と高いヒント発生率UPを有しており、トレーニング効果アップも5~10%+固有で高め。反面、得意率アップがなく友情ボーナスも低いのが欠点。
友情トレーニング目的の育成に貢献しにくい分、高いトレ効果アップとヒント屋として場所を選ばず確実に貢献してくれるタイプのサポートカードともいえる。
レアスキルは差し専用・中盤で速度を上げる「位置取り押し上げ」の上位版「迅速果断」。
あまり評価されるスキルではなかったが徐々に中盤の位置取りを重視する構築も注目されるようになり、その場合は採用を検討したい1枚。
SSR[やったれハロウィンナイト!]
2021/09/29にSSR[魔力授かりし英雄]ゼンノロブロイと共に実装された、ストーリーイベント「Make up in Halloween!」合わせのカード。得意トレーニングは「パワー」。
こちらは上記のサポカと打って変わって高い友情ボーナスと得意率アップが特徴。
反面、上記のサポカの強みだったトレ効果アップやヒント関連が一切無くなっており、あちらが幅広く貢献してくれる性能だったのに対し、こちらは得意トレーニング一点に絞った感じの性能となっている。
パワーボーナスこそ無いものの、代わりにスタミナボーナスを所持しているのでパワーも盛りつつスタミナを盛るのに使いやすいだろう。
レアスキルは差し専用・上り坂で速度を上げる「十万バリキ」の上位版「百万バリキ」。
レース場と距離によって発動率0%もありえるのが難点だが、上り坂は中央4レース場では標準搭載、速度アップなので無駄になる位置も少ないので使える範囲は広く、コストの軽さも加味すればチームレースでもアリな範疇。特に長距離は必ず1周以上するし中央に集中しがちなので有効。
連続イベント1回目の下選択肢は連続イベント終了の代わりに体力+20とスピード+10が得られるためそちらで汎用性を確保でき、非編成時に出ても嬉しい。「道悪○」のヒントも手に入るので、非良バ場のチャンピオンズミーティング用でそちらを目当てにして選ぶことも考えられる。
アオハル杯
ライバルとしてレースに登場していた際には脚質が「CBAA」だったのだが、アオハル杯での登場時には「CABA」と、単純な下方修正ではなく適性Aの種類が変わるという珍しい変化が発生しており、その結果サポート所持スキル(差し用の「十万バリキ」があるが先行・追込用はない。ついでに上記の通り逃げ用もある)と脚質が噛み合わなくなっている。
差しデバフ要員も担えるが、一番の的である決勝のリトルココンはスタミナが過剰気味なので有効ではないかもしれない。そのうえ長距離だとスキルが4つ(実質3つ)腐るので、決勝で中・長距離のどちらに出すかは悩ましいところ。
コミカライズ
オグリキャップを主人公とする漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』ではもちろん登場。
カサマツ編の時点から登場する。負け続けの時期にたまたま訪れたカサマツでオグリのレースを観戦したことで触発され、オグリ本人の知らぬ間にライバル視されるようになる。オグリの物語が進んでいく裏でタマモも勝ちを重ねていく姿が描かれ、ライバルとして相まみえることになる。
非常にかっこいい姿が描かれる一方で、死ぬほどゆるく描かれた「ナーバスタマちゃん」などシングレ内だけでもギャップが著しい。
楽曲
関連ウマ娘
- オグリキャップ
- モチーフ馬は1歳年下で、現役最後期に激突した同じ芦毛のライバル。ウマ娘ではボケ担当の相方友人。「タマ」と猫か何かのように呼ばれる。大食いで有名なオグリに対して、タマモはオグリが心配する程食が細い(どっちも史実ネタ)。
- スーパークリーク
- モチーフ馬は1歳年下で、こちらは1回だけ対戦している。ウマ娘ではこっちもボケ担当友人。「タマちゃん」とアザラシか何かのように呼ばれ、母性全開(誰に対してもだが)の態度から子供扱いを感じてしばしば怒る。そしてシナリオ内でクリークのトレーナーとの夫婦漫才めいた会話にツッコむ姿も印象的。そのツッコミキャラもあって二次創作ではすっかりその母性の犠牲者筆頭になるネタが定着したが、作中でそこまではいっていない。だったのだが、メジロアルダンのシナリオでは犠牲になるイベントが…
- イナリワン
- モチーフ馬は同期だが活躍時期の関係で接点が全くない。ウマ娘ではちっこいもの同士(体型以外は)であり、江戸っ子キャラのイナリと対比になっており、上2人とは異なり似たもの同士な友人。
- ゴールドシチー
- モチーフ馬は同期で、タマモの初重賞となった鳴尾記念から3戦して全てタマモが先着。ゲーム初期まで目立って絡みはなかったが、シチーの育成シナリオにおいてシチー側にライバルが不在なのもあって序盤から登場、史実通りクラシック級の秋まではままならない自分に苦しむ姿が描かれるが、後半からライバルとして立ち塞がる。タマモの育成シナリオでも、オグリらとの対決が史実通り終盤となるため中盤までは彼女が主なライバル枠となり、目標外のクラシック2戦に出るとクラシック全通のシチーも絡む専用イベントが入る。ウマ娘での学年設定ではタマモが先輩で、パッと見噛み合わなそうな2人だがタマモが良くしているらしく、シチーからは良き先輩として尊敬されている。
史実
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昭和最後の名馬、白い稲妻二世、風か光かタマモクロス。「芦毛の怪物」オグリキャップの前に高い壁として立ちはだかった、浪花節の芦毛馬。
1984年生まれの牡馬。父シービークロス、母グリーンシャトー、母父シャトーゲイ。父は「白い稲妻」の異名で愛された芦毛の活躍馬。1歳下の半妹(異父妹)ミヤマポピーもG1勝ち馬だが、2頭を産んだ優秀な母馬であるグリーンシャトーはタマモクロスの現役中に早世している。
デビューは遅れ、3歳(旧4歳)3月の新馬戦を7着に敗れた後にダートを2戦して初勝利。次戦は芝となったが落馬に巻き込まれて競走中止となり、大事には至らなかったもののしばらくトラウマで他馬に近づくのも怖がるようになってしまい、ダート戦を4連敗。思い直して芝に出走すると、G2京都新聞杯と同条件の下級戦をまさかの7馬身差で圧勝、当の京都新聞杯よりも速い勝ちタイムを叩き出した。「ここで無理をさせたらダメになる」という調教師の判断で菊花賞(翌週だった)への挑戦は見送られたが、古馬混合のG2鳴尾記念に出走して6馬身差で圧勝し、一躍翌年のG1戦線の有力馬として注目される。この頃にはタマモクロスの生産牧場は倒産してしまっており、表彰式の生産者の場所はいつも空っぽだった。
4歳時はG3金杯(西)を馬群を縫うようにごぼう抜きで勝利、G2阪神大賞典も直線で詰まりかけながら猛然と食らいつき1位同着、厳しい競馬を気迫で連勝した。天皇賞(春)は後方からインを突いて3馬身差の圧勝、宝塚記念も連勝して押しも押されぬ最強馬となる。
この年は地方競馬の笠松競馬場から移籍した3歳馬オグリキャップが大暴れしており、直接対決となった天皇賞(秋)は芦毛2頭の頂上決戦として注目された。2000m戦は距離が短いと思われたタマモクロスはこれまでとは違う先行策を取り、オグリの追撃も許さず1と1/4馬身差を保って勝利。これで8連勝かつG1を3連勝、そして天皇賞初の春秋連覇(※8年前の1980年までは春秋どちらかを勝つと以降出られない「勝ち抜き制」だったため不可能だった)を達成した。
ジャパンカップではアメリカのペイザバトラーの馬体を離して負けん気を封じる策の前に2着に敗れ、連勝がストップする(オグリは3着)。引退レースの有馬記念は体調が整わない中でオグリとの最後の戦いに臨み、半馬身届かず2着に敗れた。このレースが昭和最後のG1競走であり、芦毛同士の世代交代は「昭和最後の名勝負」として今でも語り継がれている。
引退後は種牡馬入り。直仔にG1勝ち馬こそ出なかったが重賞馬は多数輩出、オグリと比べるまでもなく十分に成功を収めたと言え、中央競馬でもまだまだ子孫が走っている。2003年4月10日、腸捻転のため死亡。19歳没。
ちなみに、『みどりのマキバオー』の主人公・ミドリマキバオーのモデルになった馬……と言われがちだが、正しくは「マキバオーと境遇などが似ている馬」として挙げられただけで、モデルにしたとは言っていない(対して、ライバルのカスケードはフジキセキがモデルと明言されている)。
とはいえこの件に加えて続編『たいようのマキバオー』の主人公・ヒノデマキバオーは父「タマブクロス」であったりして縁が深いのは間違いなく、2021年8月にヤングジャンプで掲載されたシンデレラグレイとマキバオーのコラボイラストでは主人公を差し置いてタマモがマキバオーと共に描かれた。
もう一つの競馬漫画である『風のシルフィード』の主人公・シルフィードも芦毛・追込型・「白い稲妻」との表現があることからタマモクロスがモデルとされているが、途中から逃げや先行が多くなるなどメジロマックイーン化している。こちらについては作者の本島幸久が「競馬を知らなかった」と公言するなど競馬にあまり興味がなかった模様で、連載していた週刊少年マガジン編集部の意向と思われる。
詳細は当該記事へ→タマモクロス
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